【発明の詳細な説明】
ヘテロシクリル−1,3,4−チアジアゾリルオキシアセトアミド類および除草剤
としてのそれらの使用
本発明は新規なヘテロシクリル−1,3,4−チアジアゾリルオキシアセトアミ
ド類、それらの製造方法および新規な中間体並びに除草剤としてのそれらの使用
に関する。
ある種のチエニル−1,3,4−チアジアゾリルオキシアセトアミド類が除草性
質を示すことはすでに知られている(Chem.Abstracts 120:245115 に引用され
ているJP−A 05286969参照)。しかしながら、これらの既知の化合
物の効果は全ての適用分野で、特に低い適用割合および濃度において、満足のい
くものではない。
一般式(I)
[式中、
R1は水素または各場合とも未置換のもしくは置換されたアルキル、アルケニル
、アルキニルもしくはアラルキルを表し、
R2は各場合とも未置換のもしくは置換されたアルキル、アルケニル、アルキニ
ル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アラルキル、アリール、アルコキシ、
アルケニルオキシまたはアルキニルオキシを表し、或いは
R1およびR2はそれらが結合している窒素原子と一緒になって、他のヘテロ原子
を含有していてもよくそしてベンゾ基が縮合していてもよい未
置換のもしくは置換された飽和もしくは不飽和の窒素複素環を形成し、そして
Hetは、チエニル以外の、未置換のもしくは置換されたヘテロシクリルを表す
]
の新規なヘテロシクリル−1,3,4−チアジアゾリルオキシアセトアミド類が今
回見いだされた。
式(I)の新規なヘテロシクリル−1,3,4−チアジアゾリルオキシアセトア
ミド類は、一般式(II)
[式中、
Hetは上記の意味を有し、そして
Rはアルキルを表す]
のアルキルスルホニル−1,3,4−チアジアゾール類を、希釈剤の存在下または
不存在下で、酸受容体の存在下または不存在下でそして触媒の存在下または不存
在下で、一般式(III)
[式中、
R1およびR2は上記の意味を有する]
のヒドロキシアセトアミド類と反応させる場合に得られることも見いだされた。
最後に、一般式(I)の新規なヘテロシクリル−1,3,4−チアジア
ゾリルオキシアセトアミド類は興味ある除草性質を有する。
本発明は好適には、
R1が水素、C1−C8-アルキル(これは場合により弗素、塩素、シアノもしくは
C1−C4-アルコキシにより置換されていてもよい)、C2−C8-アルケニル(こ
れは場合により弗素および/もしくは塩素により置換されていてもよい)、C2
−C8-アルキニルまたはベンジル(これは場合により弗素、塩素、C1−C4-ア
ルキルおよび/もしくはC1−C4-アルコキシにより置換されていてもよい)を
表し、
R2がC1−C8-アルキル(これは場合により弗素、塩素、シアノもしくはC1−
C4-アルコキシにより置換されていてもよい)、C2−C8-アルケニル(これは
場合により弗素および/もしくは塩素により置換されていてもよい)、C2−C8
-アルキニル、C3−C6-シクロアルキル(これは場合により塩素および/もしく
はC1−C3-アルキルにより置換されていてもよい)、C5-もしくはC6-シクロ
アルケニル、ベンジル(これは場合により弗素、塩素、C1−C4-アルキルおよ
び/もしくはC1−C4-アルコキシにより置換されていてもよい)、フェニル(
これは場合により弗素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、C1−C4-アル
キル、トリフルオロメチル、C1−C4-アルコキシおよび/もしくはC1-C4-ア
ルキルチオにより置換されていてもよい)、C1−C8-アルコキシ(これは場合
によりC1−C4−アルコキシにより置換されていてもよい)、またはC3−C4-
アルケニルオキシを表し、或いは
R1およびR2がそれらが結合している窒素原子と一緒になって、場合によりC1
−C3-アルキルによりモノ置換ないしトリ置換されていてもよくそしてさらに酸
素を含有していてもよくそして場合によりベンゾ−縮
合していてもよい飽和もしくは不飽和の5−〜7−員の窒素複素環を形成し、そ
して
Hetが、チエニル以外の、飽和もしくは不飽和の場合によりベンゾ−縮合して
いてもよい炭素数2〜8でありそして1〜4個のヘテロ原子−特に窒素、酸素お
よび/または硫黄原子を有するヘテロシクリルを表し、ここで可能な置換基は好
適には下記のリスト:ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシル、(各場合とも
場合によりハロゲン−置換されていてもよい)C1−C4-アルキル、C1−C4-ア
ルコキシ、C1−C4-アルキルチオ、C1−C4-アルキルスルフィニル、C1−C4
-アルキルスルホニル、C1−C4-アルキルカルボニル、C1−C4-アルコキシ−
カルボニルから選択される
式(I)の化合物に関する。
本発明は、特に、
R1がメチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−もしくはs−ブ
チル、n−、i−もしくはs−ペンチル(これらの各々は場合により弗素、塩素
、シアノ、メトキシもしくはエトキシにより置換されていてもよい)、プロペニ
ル、ブテニル、プロピニルまたはブチニルを表し、
R2がメチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−もしくはs−ブ
チル、n−、i−もしくはs−ペンチル、n−、i−もしくはs−ヘキシル(こ
れらの各々は場合により弗素、塩素、シアノ、メトキシもしくはエトキシにより
置換されていてもよい);プロペニル、ブテニル、ペンテニル、プロピニル、ブ
チニルまたはペンチニル;シクロペンチルまたはシクロヘキシル(これらの各々
は場合によりメチルおよび
/もしくはエチルにより置換されていてもよい);シクロヘキセニル;ベンジル
(これは場合により弗素、塩素および/もしくはメチルにより置換されていても
よい);またはフェニル(これは場合により各場合とも弗素、塩素、臭素、シア
ノ、ニトロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、メトキシもしくはエトキシ
により置換されていてもよい);メトキシ、エトキシ、n−もしくはi−プロポ
キシ、n−、i−もしくはs−ブトキシ、n−、i−もしくはs−ペンチルオキ
シ(これらの各々は場合によりメトキシもしくはエトキシにより置換されていて
もよい)を表し、或いは
R1およびR2がそれらが結合している窒素原子と一緒になって、場合によりメチ
ルおよび/もしくはエチルによりモノ置換ないしトリ置換されていてもよいピペ
リジニルもしくはモルホリニル;場合によりメチルおよび/もしくはエチルによ
りモノ置換ないしトリ置換されていてもよいピロリジニル;ペルヒドロアゼピニ
ル;または1,2,3,4−テトラヒドロ(イソ)−キノリニルを表し、そして
Hetが各場合とも未置換のもしくは置換されたフリル、ベンゾフリル、テトラ
ヒドロフリル、ピロリル、ベンゾピロリル、テトラヒドロピロリル、オキサゾリ
ル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジ
アゾリル、ピリジル、ピリミジル、トリアジニルまたはテトラヒドロピラニルを
表し、ここで可能な置換基は特に下記のリスト:弗素、塩素、臭素、シアノ、(
各場合とも場合により弗素および/もしくは塩素−置換されていてもよい)メチ
ル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル
、メトキシ、エトキシ、n−もしくはi−プロポキシ、メチルチオ、エチルチオ
、n
−もしくはi−プロピルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−
もしくはi−プロピルスルフィニル、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n
−もしくはi−プロピルスルホニルから選択される
式(I)の化合物に関する。
本発明の化合物の非常に特に好適な群は、R1およびR2が以上で特に好適であ
るとして示された意味を有しそしてHetがフリルを表すものである。
以上で挙げられた一般的なまたは好適範囲で示された基の定義は、式(I)の
最終生成物および対応して各場合とも製造用に必要な出発化合物または中間体の
両者に適用される。
これらの基の定義はいずれの方法でも互いに、すなわち好適な化合物の示され
た範囲の間で組み合わせてもよい。
式(I)における基
の可能な意味の例を以下の表1に挙げる。
例えば、2−フリル−5−メチルスルホニル−1,3,4−チアジアゾールおよ
びN−メチル−ヒドロキシアセトアニリドを出発物質として使用するなら、本発
明の方法における反応過程は下記の反応式:
により表すことができる。
一般式(I)の化合物の製造用の本発明の方法における出発物質として使用さ
れるアルキルスルホニル−1,3,4−チアジアゾール誘導体は一般的に式(II)
により定義される。式(II)において、Hetは好適にまたは特に、式(I)の
新規な化合物の記載に関してHetに対して好適であるかまたは特に好適である
と以上ですでに示されている意味を
有し、Rは好適にはメチルまたはエチルを表す。
式(II)の出発物質は文献にこれまでに開示されていないが、それらは先の出
願の新規化合物としての主題でもある。
式(II)の新規なアルキルスルホニル−1,3,4−チアジアゾール誘導体は、
一般式(IV)
[式中、
HetおよびRは上記の意味を有する]
のアルキルチオ−1,3,4−チアジアゾール誘導体を、−20℃〜+100℃の
間の温度において、例えばモリブデン酸ナトリウムの如き触媒の存在下でまたは
不存在下でそして例えば水および蟻酸の如き希釈剤の存在下でまたは不存在下で
、例えば過酸化水素の如き酸化剤と反応させる場合に得られる(製造実施例参照
)。
式(IV)の前駆体は文献にこれまでに開示されていないが、それらも先の出願
の新規化合物としての主題である。
式(IV)の新規なアルキルチオ−1,3,4−チアジアゾール誘導体は、式(V
)
Het−CO−X (V)
[式中、
Hetは上記の意味を有し、そして
Xはハロゲン(特に塩素)を表す]
のカルボン酸ハライド類を、0℃〜100℃の間の温度において、例えばジオキ
サンの如き希釈剤の存在下でまたは不存在下で、式(VI)
H2N−NH−CS−S−CH3 (VI)
のメチルジチオカルバゼートと反応させる場合に得られる。
式(V)および(VI)の出発物質は既知の合成化学物質である。
式(I)の化合物の製造用の本発明の方法においてさらに出発化合物として使
用されるヒドロキシアセトアミド類は一般的に式(III)により定義される。
式(III)において、R1およびR2は好適にまたは特に、式(I)の新規な化
合物の記載に関してR1およびR2に対して好適であるまたは特に好適であると以
上ですでに示されている意味を有する。
式(III)のヒドロキシアセトアミド類は既知であるかおよび/またはそれ自
体既知である方法により製造できる(米国特許4509971および米国特許4
645525、並びに米国特許4334073、DE−OS(ドイツ公告明細書
)3038598、DE−OS(ドイツ公告明細書)3038636、EP−A
37526、EP−A348737、DE−OS(ドイツ公告明細書)3819
477参照)。
式(I)の新規なヘテロシクリル−1,3,4−チアジアゾリルオキシ−アセト
アミド類の製造用の本発明の方法は好適には希釈剤を使用して行われる。これら
には好適には、炭化水素類、例えばトルエン、キシレンもしくはシクロヘキサン
、ハロゲン化された炭化水素類、例えば塩化メチレン、塩化エチレン、クロロホ
ルムもしくはクロロベンゼン、エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジプロピ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテ
ル、グリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキサン、アル
コール類、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
ブ
タノール、イソブタノール、sec−ブタノールもしくはtert−ブタノール
、ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン
およびメチルイソブチルケトン、エステル類、例えば酢酸メチルおよび酢酸エチ
ル、アミド類、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびN−
メチル−ピロリドン、ニトリル類、例えばアセトニトリルおよびプロピオニトリ
ル、スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド、および水または塩水溶液が
包含される。
この場合に使用される塩は好適にはアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩
化物または硫酸塩、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウムまたは塩化カルシウム
である。塩化ナトリウムが特に好ましい。
本発明の方法は有利には酸受容体を使用して行われる。これらとして、強塩基
性アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物、例えば酸化物、例えば酸
化ナトリウム、酸化カリウム、酸化マグネシウムおよび酸化カルシウム、水酸化
物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウムおよび水酸
化カルシウム、アルコキシド類、例えばナトリウムtert−ブトキシドおよび
カリウムtert−ブトキシド、および/または炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム
、炭酸カリウム、炭酸マグネシウムおよび炭酸カルシウムが好適に使用される。
(使用される式(III)のグリコールアミドを基にして)0.01〜10重量
%の相転移触媒の添加がある場合には有利であると証明される。そのような触媒
の例として挙げられるものは、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチ
ルアンモニウム、臭化トリブチルメチルホスホニウム、塩化トリメチル−C13/
C15−アルキル−アンモニウム、メチル硫酸ジベンジル−ジメチルアンモニウム
、塩化ジメチル−C12/C14
−アルキル−ベンジルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、18−
クラウン−6、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化トリメチルベンジル
アンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウムである。
本発明の方法における反応温度はかなり広い範囲にわたり変えることができる
。一般的には、−50℃〜+110℃の間の温度、好適には−20℃〜+80℃
の間の温度が使用される。
本発明の方法は一般的には大気圧において行われるが、それを高められたまた
は減じられた圧力、例えば0.1〜10バールの間、において行うこともできる
。
本発明の方法を行うためには、1モルの式(II)のアルキルスルホニル−1,
3,4−チアジアゾール当たり一般的には0.5〜5モルの、好適には0.8〜1.
5モルの式(III)のヒドロキシアセトアミドが使用される。反応成分はいずれ
の順序で加えてもよい。
反応混合物を各場合とも反応が終了するまで撹拌しそして混合物を一般的な方
法により処理する(製造実施例参照)。
本発明に従う活性化合物は、落葉剤、乾燥剤、茎の破壊剤および、特に殺雑草
剤として使用することができる。雑草とは、最も広い意味において、植物を望ま
ない場所に成長する全ての植物を意味する。本発明に従う物質は本質的に使用量
に依存して完全除草剤または選択的除草剤として作用する。
本発明に従う活性化合物は、例えば、次の植物に関連して使用することができ
る:次の属の双子葉雑草
:カラシ属(Sinapis)、マメグンバイナズナ属(Lepidium)
、ヤエムグラ属(Galium)、ハコベ属(Stellaria)、シカギク属
(Matricaria)、カミツレモドキ属(Anthemis)、ガリンソガ属(Galinsoga)、ア
カザ属(Chenopodium)、イラクサ属(Urtica)、キオン属(Senecio)、ヒユ属(A
maranthus)、スベリヒユ属(Portulaca)、オナモミ属(Xanthium)、ヒルガオ属(
Convolvulus)、サツマイモ属(Ipomoea)、タデ属(Polygonum)、セスバニア属(
Sesbania)、オナモミ属(Ambrosia)、アザミ属(Cirsium)、ヒレアザミ属(Car
duus)、ノゲシ属(Sonchus)、ナス属(Solanum)、イヌガラシ属(Rorippa)、キ
カシグサ属(Rotala)、アゼナ属(Lindernia)、ラミウム属(Lamium)、クワガタ
ソウ属(Veronica)、イチビ属(Abutilon)、エメクス属(Emex)、チヨウセンア
サガオ属(Datura)、スミレ属(Viola)、チシマオドリコ属(Galeopsis)、ケシ
属(Papaver)、センタウレア属(Centaurea)、トリフォリウム属(Trifolium)、
ラヌンクルス属(Ranunclus)およびタラキサクム属(Taraxacum)。次の属の双子葉栽培植物
:ワタ属(Gossypium)、ダイズ属(Glycine)、フダンソ
ウ属(Beta)、ニンジン属(Daucus)、インゲンマメ属(Phaseolus)、エンドウ属
(Pisum)、ナス属(Solanum)、アマ属(Linum)、サツマイモ属(Ipomoea)、ソラ
マメ属(Vicia)、タバコ属(Nicotiana)、トマト属(Lycopersicon)、ラツカセ
イ属(Arachis)、アブラナ属(Brassica)、アキノノゲシ属(Lactuca)、キユウ
リ属(Cucumis)およびウリ属(Cucurbita)。次の属の単子葉雑草
:ヒエ属(Echinochloa)、エノコログサ属(Setaria)、キビ
属(Panicum)、メヒシバ属(Digitaria)、アワガリエ属(Phleum)、スズメノカ
タビラ属(Poa)、ウシノケグサ属(Festuca)、オヒシバ属(Eleusine)、ブラキ
アリア属(Brachiaria)、ドクムギ属(Lolium)
、スズメノチヤヒキ属(Bromus)、カラスムギ属(Avena)、カヤツリグサ属(Cyp
erus)、モロコシ属(Sorghum)、カモジグサ属(Agropyron)、シノドン属(Cynod
on)、ミズアオイ属(Monochoria)、テンツキ属(Fimbristylis)、オモダカ属(S
agittaria)、ハリイ属(Eleocharis)、ホタルイ属(Scirpus)、パスパルム属(P
aspalum)、カモノハシ属(Ischaemum)、スフエノクレア属(Sphenoclea)、ダク
チロクテニウム属(Dactyloctenium)、ヌカボ属(Agrostis)、スズメノテツポウ
属(Alopecurus)およびアペラ属(Apera)。次の属の単子葉栽培植物
:イネ属(Oryza)、トウモロコシ属(Zea)、コムギ属(
Triticum)、オオムギ属(Hordeum)、カラスムギ属(Avena)、ライムギ属(Seca
le)、モロコシ属(Sorghum)、キビ属(Panicum)、サトウキビ属(Saccharum)、
アナナス属(Ananas)、クサスギカズラ属(Asparagus)およびネギ属(Allium)。
しかしながら、本発明に従う活性化合物の使用はこれらの属に何ら限定される
ものではなく、同じ方法で他の植物にも及ぶ。
濃度に依存して、該化合物は例えば工業地域および鉄道線路上、樹木が存在す
るかあるいは存在しない通路および区域の雑草の完全防除に適する。同等に、該
化合物は多年生栽培植物、例えば造林、装飾樹木の植林、果樹園、ブドウ園、柑
橘類の木立、クルミの果樹園、バナナの植林、コーヒーの植林、茶の植林、ゴム
の木の植林、油ヤシの植林、カカオの植林、軟質果樹の植え付けおよびホツプ畑
の中の、ローン芝、ターフ芝および牧草の中の雑草の防除に、そして一年生栽培
植物の中の雑草の選択的防除に使用することができる。
式(I)の本発明に従う化合物は、特に発芽前法において、双子葉栽培
植物の中の単子葉および双子葉雑草の選択的防除に特に適する。
該活性化合物は普通の調合物、例えば、液剤、乳剤、水和剤、懸濁剤、粉末、
粉剤、塗布剤、可溶性粉末、粒剤、懸濁/乳液濃厚剤、活性化合物を含浸させた
天然および合成物質、並びに重合物質中の極小カプセルに変えることができる。
これらの組成物は既知の方法で、例えば活性化合物を伸展剤、すなわち液体溶
媒および/または固体の担体と随時表面活性剤、すなわち乳化剤および/または
分散剤および/または発泡剤と混合することにより製造される。
また伸展剤として水を用いる場合、例えば補助溶媒として有機溶媒を用いるこ
ともできる。適当な液体溶媒は、主に、芳香族類、例えばキシレン、トルエンも
しくはアルキルナフタレン類、塩素化された芳香族類および塩素化された脂肪族
炭化水素類、例えばクロロベンゼン類、クロロエチレン類もしくは塩化メチレン
、脂肪族炭化水素類、例えばシクロヘキサン、またはパラフイン類、例えば鉱油
留分、鉱油および植物油、アルコール類、例えばブタノールもしくはグリコール
並びにそれらのエーテル類およびエステル類、ケトン類、例えばアセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトンもしくはシクロヘキサノン、強い有極
性溶媒、例えばジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシド、並びに水で
ある。
適当な固体の担体は例えばアンモニウム塩類、並びに粉砕した天然鉱物、例え
ばカオリン、クレイ、タルク、チヨーク、石英、アタパルジヤイト、モントモリ
ロナイトまたはケイソウ土、並びに粉砕した合成鉱物、例えば高度に分散性のシ
リカ、アルミナおよびシリケートであり、粒剤
に対する適当な固体の担体は例えば粉砕し且つ分別した天然岩石、例えば方解石
、大理石、軽石、海泡石および白雲石、または無機および有機のひきわり合成顆
粒および有機物質の顆粒、例えばおがくず、やしがら、トウモロコシ穂軸および
タバコ茎であり、適当な乳化剤および/または発泡剤は例えば非イオン性および
陰イオン性乳化剤、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエ
チレン脂肪アルコールエーテル類、例えばアルキルアリールポリグリコールエー
テル類、アルキルスルホネート類、アルキルスルフエート類、アリールスルホネ
ート類並びに蛋白質加水分解生成物であり、適当な分散剤は例えばリグニンスル
フアイト廃液およびメチルセルロースである。
接着剤、例えばカルボキシメチルセルロース並びに粉状、粒状またはラテツク
ス状の天然および合成重合体、例えばアラビアゴム、ポリビニルアルコールおよ
びポリ酢酸ビニル並びに天然燐脂質、例えばセフアリン類およびレシチン類、並
びに合成燐脂質を調合物中で使用することができる。他の添加剤は鉱油および植
物油であることができる。
着色剤、例えば無機顔料、例えば酸化鉄、酸化チタンおよびプルシアンブルー
、並びに有機染料、例えばアリザリン染料、アゾ染料および金属フタロシアニン
染料、並びに微量の栄養剤、例えば鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリ
ブテンおよび亜鉛の塩を使用することができる。
調合物は一般的に0.1〜95重量%の間の、好ましくは0.5〜90重量%の
間の、活性化合物を含んでなる。
雑草を抑制するためには、本発明に従う活性化合物をそのままで或いはそれら
の調合物の形態において既知の除草剤との混合物として用いる
こともでき、完成調合物または槽混合が可能である。
混合物用に適する除草剤は既知の除草剤、例えばアニリド類、例えばジフルフ
ェニカン(diflufenican)およびプロパニル(propanil)、アリールカルボン酸類、
例えばジクロロピコリン酸、ジカンバ(dicamba)およびピクロラム(picloram)、
アリールオキシアルカン酸類、例えば2,4D、2,4DB、2,4DP、フルオ
キシピル(fluroxypyr)、MCPA、MCPPおよびトリクロピル(triclopyr)、
アリールオキシ−フェノキシ−アルカン酸エステル類、例えばジクロフォップ−
メチル(diclofop-methyl)、フェノキサプロップ−エチル(fenoxaprop-ethyl)、
フルアジフォップ−ブチル(fluazifop-butyl)、ハロキシフォップ−メチル(halo
xyfop-methyl)およびキザロフォップ−エチル(quizalofop-ethyl)、アジノン類
、例えばクロリダゾン(chloridazon)およびノルフルラゾン(norflurazon)、カル
バメート類、例えばクロロプロファム(chlorpropham)、デスメジファム(desmedi
pham)、フェンメジファム(phenmedipham)およびプロファム(propham)、クロロア
セトアニリド類、例えばアラクロル(alachlor)、アセトクロル(acetochlor)、ブ
タクロル(butachlor)、メタザクロル(metazachlor)、メトラクロル(metolachlor
)、プレチラクロル(pretilachlor)およびプロパクロル(propachlor)、ジニトロ
アニリン類、例えばオリザリン(oryzalin)、ペンジメタリン(pendimethalin)お
よびトリフルラリン(trifluralin)、ジフェニルエーテル類、例えばアシフルオ
ルフェン(acifluorfen)、ビフェノックス(bifenox)、フルオログリコフェン(flu
oroglycofen)、フォメサフェン(fomesafen)、ハロサフェン(halosafen)、ラクト
フェン(lactofen)およびオキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、ウレア類、例え
ばクロルトルロン(chlortoluron)、ジウ
ロン(diuron)、フルオメツロン(fluometuron)、イソプロツロン(isoproturon)、
リヌロン(linuron)およびメタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、ヒドロ
キシアミン類、例えばアロキシジム(alloxydim)、クレトジム(clethodim)、シク
ロキシジム(cycloxydim)、セトキシジム(sethoxydim)およびトラルコキシジム(
tralkoxydim)、イミダゾリノン類、例えばイマゼタピル(imazethapyr)、イマザ
メタベンズ(imazamethabenz)、イマザピル(imazapyr)およびイマザクイン(imaza
quin)、ニトリル類、例えばブロモキシニル(bromoxynil)、ジクロベニル(dichlo
benil)およびイオキシニル(ioxynil)、オキシアセトアミド類、例えばメフェナ
セット(mefenacet)、スルホニルウレア類、例えばアミドスルフロン(amidosulfu
ron)、ベンズルフロン−メチル(bensulfuron-methyl)、クロリムロン−エチル(c
hlorimuron-ethyl)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、シノスルフロン(cinos
ulfuron)、メトスルフロン−メチル(metsulfuron-methyl)、ニコスルフロン(nic
osulfuron)、プリミスルフロン(primisulfuron)、ピラゾスルフロン−エチル(py
razosulfuron-ethyl)、チフェンスルフロン−メチル(thifensulfuron-methyl)、
トリアスルフロン(triasulfuron)およびトリベヌロン−メチル(tribenuron-met
hyl)、チオカルバメート類、例えばブチレート(butylate)、シクロエート(cyclo
ate)、ジアラート(diallate)、EPTC、エスプロカルブ(esprocarb)、モリネ
ート(molinate)、プロスルフォカルブ(prosulfocarb)、チオベンカルブ(thioben
carb)およびトリアラート(tri-allate)、トリアジン類、例えばアトラジン(atra
zine)、シアナジン(cyanazine)、シマジン(simazine)、シメトリン(simetryne)
、テルブツリン(terbutryne)およびテルブチラジン(terbuthylazine)、トリアジ
ノン類、例えばヘキサジノン(hex
azinone)、メタミトロン(metamitron)およびメトリブジン(metribuzin)、他のも
の、例えばアミノトリアゾール(aminotriazole)、ベンフレセート(benfuresate)
、ベンタゾン(bentazone)、シンメチリン(cinmethylin)、クロマゾン(clomazone
)、クロピラリド(clopyralid)、ジフェンゾクアート(difenzoquat)、ジチオピル
(dithiopyr)、エトフメセート(ethofumesate)、フルオロクロリドン(fluorochlo
ridone)、グルフォシネート(glufosinate)、グリホセート(glyphosate)、イソキ
サベン(isoxaben)、ピリデート(pyridate)、クインクロラック(quinclorac)、ク
インメラック(quinmerac)、スルホセート(sulphosate)およびトリジファン(trid
iphane)である。
他の既知の活性化合物、例えば殺菌・殺カビ剤、殺昆虫剤、殺ダニ剤、殺線虫
剤、小鳥忌避剤、植物栄養剤および土壌改良剤との混合物も可能である。
活性化合物はそのままで、或いはそれらの調合物の形態またはそれらからさら
に希釈して調製された使用形態、例えば調製済(ready-to-use)液剤、懸濁剤、乳
剤、粉剤、塗布剤および粒剤の形態で使用することができる。それらは普通の方
法で、例えば、液剤散布(watering)、噴霧(spraying)、アトマイジング(atomisi
ng)または粒剤散布(scattering)によって施用される。
本発明に従う活性化合物は植物の発芽の前または後に適用することができる。
それらは種蒔きの前に土壌中に加えることもできる。
活性化合物の使用量は実質的な範囲内で変えることができる。これは本質的に
所望する効果の性質に依存している。一般的には、使用量は土壌表面1ヘクター
ル当り10g〜10kgの間、好ましくは1ha当た
り50g〜5kgの間、である。
本発明に従う活性化合物の製造および使用は下記の実施例からわかる。製造実施例: 実施例1
6.1g(25ミリモル)の2−(2−フリル)−5−メチルスルホニル−1,
3,4−チアジアゾール、4.1g(25ミリモル)のN−メチル−ヒドロキシア
セトアニリドおよび50mlのアセトンの混合物を−15℃に冷却しそしてこの
温度において1.2g(30ミリモル)の水酸化ナトリウムの5mlの水中溶液
を滴下する。反応混合物を−15℃において15時間撹拌し、そして次に水中に
注ぐ。この過程で結晶状態で生成した生成物を吸引濾別により単離する。
6.6g(理論値の78%)の融点が94℃(メチルシクロヘキサン/酢酸エ
チルから)のN−メチル−α−(2−(2−フリル)−1,3,4−チアジアゾール
−5−イル−オキシ)−アセトアニリドが得られる。
例えば、以下の表2に挙げられている式(I)の化合物も実施例1と同様な方
法でそして本発明の製造方法の一般的指示に従い製造することができる。
式(II)の出発物質: 実施例(II−1)
170g(0.86モル)の2−(2−フリル)−5−メチルチオ−1,3,4−
チアジアゾールを、2gのタングステン酸ナトリウムと一緒に、250mlの酢
酸中に加える。315ml(3.1モル)の30%強度過酸化水素をこれに45
℃において滴下する。混合物をさらに45℃において1時間撹拌しそしてさらに
80mlの30%強度過酸化水素を追加滴下する。混合物を次に45℃において
さらに3時間撹拌しそして固体を吸引濾別する。固体を微量の水で洗浄しそして
乾燥する。
195g(理論値の63%)の融点が120℃の2−(2−フリル)−5−メチ
ルスルホニル−1,3,4−チアジアゾールが得られる。
実施例(II−1)と同様な方法で、例えば、以下の表3に挙げられている式(
II)の化合物も製造することができる。
式(IV)の出発物質: 実施例(IV-1)
220g(1.8モル)のS−メチルジチオカルバゼートを1000mlのジ
オキサン中に加える。266g(2モル)の塩化フラン−2−カルボニルを室温
(20℃)において滴下する。温度がこの過程で40℃に上昇する。混合物を次
に70℃においてさらに30分間撹拌する。反応バッチを冷却しそして沈澱した
ベージュ色の固体を吸引濾別する。
298g(理論値の84%)の融点が128℃の2−(2−フリル)−5−メ
チルチオ−1,3,4−チアジアゾールが得られる。実施例(IV-2)
244g(2.0モル)のS−メチルジチオカルバゼートを158g(2.0モ
ル)のピリジンと一緒に825mlのジエチレングリコールジメチルエーテル(
"diglyme")中に加える。−5℃に冷却されたこの混合物に360g(2.0モル
)の塩化6−クロロ−ニコチニルの445mlのジエチレングリコールジメチル
エーテル中溶液を滴下する。30分間撹拌した後に、444mlの濃硫酸を0℃
〜+5℃において滴下しそして混合物を20℃において15時間撹拌する。混合
物を次に氷上に注ぎそして結晶状態で生成した生成物を吸引濾別により単離する
。
402g(理論値の82%)の融点が136℃の2−(6−クロロ−ピリジン
−3−イル)−5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾールが得られる。
例えば、以下の表4に挙げられている式(IV)の化合物も実施例(IV−1)お
よび(IV−2)と同様な方法で製造することができる。
使用例: 実施例A
発芽前試験
溶媒: 5重量部のアセトン
乳化剤:1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適当な調合物を製造するために、1重量部の活性化合物を上記量
の溶媒と混合し、上記量の乳化剤を加えそして濃厚物を水で希釈して所望の濃度
にする。
試験植物の種子を普通の土に蒔く。24時間後に、土に活性化合物の調合物を
液剤散布する。単位面積当たりの水の量を一定に保つことが簡便である。調合物
中の活性化合物の濃度は重要でなく、単位面積当たりに適用される活性化合物の
量だけが重要である。3週間後に、植物に対する被害の程度を未処置の対照の成
長と比べた%損傷で評価する。評価において、
0%=効果なし(未処置の対照と同様)
100%=全死滅
である。
この試験では、例えば、製造実施例1に従う化合物は例えば大豆および綿の如
き栽培植物との良好な相容性と共に、雑草に対する高い活性を示した。同じこと
は製造実施例7、17、20および21に従う化合物に対してもあてはまる(以
下の表A−1およびA−2参照)。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C07D 417/14 7508−4H A01N 43/82 101B
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA,
CN,CZ,FI,HU,JP,KR,KZ,LK,N
O,NZ,PL,RO,RU,SK,UA,US
(72)発明者 ドリンガー, マルクス
ドイツ連邦共和国デー−51381レーフエル
クーゼン・ブルシヤイダーシユトラーセ
154ベー