JPH09509881A - 銅触媒 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
(a) 還元ガスを含まず、かつ0.05ないし0.5容量%の酸素および酸素量の少なくとも2倍量の二酸化炭素を含有するガス流を、触媒が不動態化するまで、触媒層に通して、触媒を不動態化し、前記ガス流中の酸素の比率および該ガス流を触媒層に供給する温度が、前記不動態化工程中に、触媒の温度が100℃より高温には昇らないような値であり、さらにb) 酸素分圧が大気圧の空気の酸素分圧に一致するまで、触媒層を通るガスの酸素含有量を高めることによる還元銅触媒の安定化法。本方法は新たに還元した触媒の安定化、または反応器から取り出す前の使用済、たとえば廃触媒の安定化に適用することができる。
Description
【発明の詳細な説明】
銅触媒
本発明は銅触媒に関する。銅触媒は水素を含む反応に広く用いられる。すなわ
ち、銅触媒は炭素酸化物のアルコール類、たとえばメタノールのような有機酸素
含有化合物への水素化のような水素化反応や、一酸化炭素を水蒸気と反応させて
、二酸化炭素および水素を生成させるシフト反応などに用いられる。また、銅触
媒はシフト反応の逆反応に用いることもできる。
このような銅触媒は、通常、微細な形状をした銅を有しており、また銅を微細
な形状に保つために、通例、シリカ、アルミナ、クロミア、マグネシアおよび/
または酸化亜鉛のような担体あるいは安定剤を包含している。該触媒は、たとえ
ば水素による還元を活性状態にすることを必要とする酸化物前駆物質として供給
されることが多い。この還元工程は、割合時間のかかることが多く、またかなり
の量の還元ガス、たとえば、場合によっては還元を行うために輸入しなければな
らない水素を消費する。銅触媒を還元状態で供給することは、還元された触媒が
自然発火しやすく、したがって取扱い上の難点があるので、一般には不可能であ
る。
触媒は、使用期間後、活性を失いやすく、最後には、該触媒を取り出して、新
規装入触媒を接触反応器に充填しなければならぬほど触媒は活性を失ってしまう
。その上、還元触媒は自然発火性があるために、触媒の取り出しを行うには特別
の措置を講じなければならない。通常、取り出しを行う前に、注意深く管理され
た条件で、銅を酸化させる必要がある。この酸化工程は、概して全く時間がかか
るものである。別の取り出し法には、触媒層内のたとえば窒素という不活性雰囲
気を水で置換する方法があり、この場合には触媒を水とともに取り出して、無事
に切り抜けることができる。しかし水は銅ダストで汚染されやすく、したがって
取り出した触媒を分離した後の水処理には問題があるので、これは環境問題を提
起する。
新規酸化物銅触媒前駆物質の時間のかかる還元のみならず廃棄銅触媒取り出し
の問題は、還元銅の不動態化を行うことによって克服することができる。こうし
て、触媒を安全に処理しうる状態まで銅表面を酸化させる。このように、触媒製
造業者が活性状態に還元した後不動態化した触媒は、取扱い問題を生じることな
く、使用者に供給することができ、使用者は酸化された表面層の再還元を行いさ
えすればよい。このように、使用者が行わなければならない還元の量は減少する
。同様に、還元銅触媒を容易に取扱い可能な状態に不動態化することは、反応器
から触媒を取り出す助けにもなりうる。
不動態化による銅触媒の安定化は、GB−A−1319622に述べられてい
る。この参考資料には、還元触媒を不活性ガス、たとえば窒素と接触させた後、
150°F(66℃)未満の温度を維持するような速度で低濃度の酸素たとえば
空気を導入することが提案されている。酸素濃度を漸次高めて、ついに酸素含有
量を少なくとも5容量%にすると、不動態化処理にもかかわらず、銅の93%は
依然として元素状態であったことが、実施例に示されている。
本発明者らは不動態化を含む改良安定化法を発明した。本発明においては、酸
素、たとえば空気のみならず二酸化炭素を用いて不動態化を行う。本発明者らは
、酸素のみならず二酸化炭素を用いると顕著な利点が得られることを知った。
前記GB−A−1319622は、不活性ガス流を触媒上に通して、酸化物銅
触媒前駆物質を350−375°F(177−191℃)に加熱した後、水素を
導入して還元を行わせることによって、酸化物銅触媒前駆物質を還元しうること
を開示している。還元が終ると、不活性ガスで水素をパージして、100°F(
38℃)に冷却した後、前記の低濃度の酸素を導入することによって不動態化を
行うことができる。還元工程用として考えられる不活性ガスとしては二酸化炭素
が挙げられ、不動態化工程に関して述べられている唯一の不活性ガスは窒素であ
るけれども、不動態化工程における二酸化炭素の存在が有効であるという認識は
ない。
本発明者らは、二酸化炭素および酸素による不動態化を含む安定化が、酸素(
または空気)のみを使用する場合よりも迅速に行うことができ、かつ安定な不動
態化触媒を生成し、さらに同じような銅の微結晶サイズの触媒の場合には、大部
分の銅はまだ元素として存在しているが、それでも不動態化した触媒は安全に取
扱
いうることを見出した。結局のところ、使用者に供給するために新たに還元した
触媒を安定化させる技法を用いる場合には、わずかな再還元を行えばよく、その
結果使用者にとってかなりの節約になる。本発明の方法を、取り出す前の還元し
て使用した触媒に適用すると、取り出す前の安定化を迅速に行うことができ、こ
れもまたかなりの節約となる。
したがって、本発明は、a)還元ガスを含まず:かつ0.05ないし5容量%
の酸素および酸素量の少なくとも2倍量の二酸化炭素を含有する不動態化ガス流
を、触媒が不動態化するまで、触媒層に通すことによって触媒を不動態化し、該
不動態化ガス流中の酸素の比率および該不動態化ガス流を触媒層に供給する温度
が、前記不動態化工程中に、触媒の温度が100℃よりも高温に昇らないような
値であり、さらにb)酸素分圧が大気圧の空気の酸素分圧に一致するまで、触媒
層を通るガスの酸素含有量を高めることを含む還元銅触媒安定化法を提供する。
不動態化を行った後に、触媒の温度が50℃を上回る場合には、触媒を50℃
未満に冷却してから酸素分圧を大気圧の空気の酸素分圧まで高めるのが好ましい
。
本発明の不動態化法の対象になる還元触媒は、銅が酸化銅、水酸化銅、炭酸銅
や塩基性炭酸銅のような還元可能な化合物として存在する前駆物質の還元によっ
て得ることができる。該前駆物質は、通常、微細な形状をした銅化合物を、亜鉛
、クロム、ジルコニウム、マグネシウム、ケイ素および/またはアルミニウムの
化合物のような前駆物質の他の所望成分と乾燥混合するか、又は銅塩溶液から炭
酸ナトリウムおよび/または水酸化ナトリウムのような適当な塩基性化合物で沈
殿させて銅化合物を得る沈殿法によって得ることができる、前記の他の成分は、
銅化合物と共沈させるか、または銅化合物よりも前もしくは後に続いて沈殿させ
るか、または沈殿した銅化合物のスラリーに加えることができる。一般に、銅化
合物および他成分を含有する前記組成物を生成させた後、前駆物質をか焼して銅
化合物、および他成分中容易に分解しうる化合物を対応する酸化物に転化させる
。か焼工程の前後に、組成物をペレットか小粒(granule)にすることが
多い。場合によっては、銅化合物の還元後に組成物を小粒かペレットにするかが
望ましいこともある。もしくは、アルミナ、ジルコニア、マグネシアおよび/ま
た
はシリカのような担体に硝酸銅のような銅化合物および場合によっては他の金属
化合物の溶液を含浸させ、次いで銅化合物を加熱分解して、酸化物とすることに
よって前駆物質をつくることができる。還元触媒は5−95重量%、とくには1
0−80重量%の銅を含有するのが好ましい。
触媒層に酸素含有ガスを通すと、触媒の温度上昇は、一般にガス流中の酸素0
.1容量%にたいして約10−15℃上昇する。この温度上昇を「発熱(exo
therm)」という。この温度上昇の大きさ(magnitude)は、一般
的な用語でいえば、還元された銅の量、または全く触媒については関係がない。
概して、温度上昇の大きさはガスの熱容量の方に依存する。熱は酸素と銅との反
応によて発生し、最初に固体触媒が加熱されるが、該固体はまもなく、最高温度
に達して、発生した熱はガス中に持ち去られる。「発熱」は触媒層内を、すべて
の触媒が流入ガスの温度に戻るまで移行する。反応前線(reaction f
ront)が熱前線(heat front)よりも緩慢に触媒層を通過すると
いうならば、その通りである。本発明の方法の一般的な例によれば、ガスの15
00時-1という空間速度においては、熱前線が触媒層を通過するのに45−60
分かかるが、反応前線ははるかに長くかかり、例えば9時間を要するであろう。
反応前線が、熱前線と同じかまたはより早い速度で触媒層内を移行するような僅
かな反応しか生じない場合には、急速な発熱が生じ、速やかに消費されて、反応
器から失われる。温度上昇は、触媒層内に設置した、熱電対によって観察するこ
とができ、ガス流入端から出口に向って触媒層内を移行するのを見ることができ
る。触媒の前歴によって、二酸化炭素を触媒と接触させる場合にも発熱を認める
ことができる。したがって、二酸化炭素を含むかまたは生成する反応に用いたこ
とがない新たに還元した触媒の場合には、触媒を二酸化炭素と接触させるにあた
り、概して約50℃程度までの発熱は触媒層を急速に通過することができる、こ
の後者の発熱は、二酸化炭素を含むか又は生成する反応、例えばメタノール合成
またはシフト反応もしくは逆シフト反応に使用した触媒を、不動態化プロセス中
に、二酸化炭素ガスと接触させる場合には通常認められない。たとえば、新たに
還元して、不動態化した触媒調製時のように、事前に二酸化炭素に接触させたこ
とがない触媒を、二酸化炭素と酸素とに同時に接触させる場合には、二重の、す
なわち複合発熱を認めることができる。このように、二酸化炭素との反応に対応
する初期の発熱は、触媒層を急速に通過することができ、また以後酸化発熱(o
xidation exotherm)と呼ぶ、ガス流中の酸素0.1%に対す
る前記の10−15℃に相当する発熱は触媒層を緩慢に通過するのを認めること
ができる。酸素との反応に対応する発熱が触媒層を完全に通過したとき、すなわ
ち触媒層出口端の温度がピークに達して、連続供給ガスの冷却効果のために低下
したじめたときに、不動態化が完了する。従来の不動態化法とは異なり、不動態
化を行わせるのに酸素含有量を徐々に高める必要はない。したがって、一旦酸化
発熱が層を通過すると、ガス中の酸素分圧を、大気圧の空気の酸素分圧に一致す
るレベルまで高めることができる。不動態化を高圧下で行う場合には、単に、空
気を導入して、圧力を大気圧に下げるだけでこれを行いうることは理解されよう
。
不動態化反応中、すなわち酸素含有ガスとの接触中に、触媒の最高温度が10
0℃ほどに昇ることがあるが、90℃未満、とりわけ60℃未満が好ましい。使
用する触媒の最高温度は、ある程度、意図する用途によって決まる。したがって
、使用した触媒を取り出しや廃棄する前に、不動態化しようとする場合には比較
的高温、たとえば80−90℃が容認しうるのに対して、使用者に供給する前に
、新たに還元した触媒について、不動態化を行おうとする場合には低い最高温度
、たとえば60℃未満が望ましい。しかし、触媒を、酸素含有ガスと接触させる
前に、前記の最高温度よりも高い温度に曝しても差支えない。このように、新た
に還元した触媒を、酸素の無いところで、二酸化炭素と接触させる場合には、前
記のように最高約50℃の発熱を観察することができ、この発熱が触媒層を通過
する間に、触媒の温度を前記の最高温度を下回る温度に保つことは必ずしも必要
ではない。
使用者に供給する新しい触媒に、本発明の不動態化法を適用する1つの利点は
、還元したけれども、不動態化した触媒を再還元して、活性状態に容易に転化し
うることである。酸化物触媒前駆物質の還元に必要な温度よりもはるかに低い温
度で還元を行うことができ、また実際に、プロセスによっては、再還元工程は必
ず
しも必要ではないかもしれず、したがって触媒に与えられる反応物が水素または
一酸化炭素のような還元ガスを含有する反応に触媒を使用しようとする場合には
、不動態化した触媒をプラントの反応器に充填し、次いで反応器の空気を不活性
ガスでパージすることができる。所望の反応物に切り替えて、所望の反応温度に
加熱するか、またはその逆を行うと、必要な再還元が行われる。
別の利点は予備還元して、不動態化した触媒の使用によるものである。すなわ
ち、酸化物前駆物質を還元すると、一般にかなりの量の還元が行われる。触媒を
予備還元して、不動態化することにより、通常法のように、酸化物触媒前駆物質
を使用すべき反応器に充填して、その中で還元する場合よりも、一定寸法の反応
器に、より多くの活性銅触媒を充填することができる。通常法の場合には、還元
すると前駆物質が収縮して反応器上部の空間が増大する結果、反応器の容積が十
分に利用されない。多量の活性銅の使用は一定反応器の処理量を増大させる。
不動態化に用いられる酸素の濃度は0.05から0.5容量%の範囲にある。
前述のように、酸化発熱の大きさは、一般に、ガス中の酸素0.1容量%に対し
て10−15℃である。したがって、触媒の最高温度を許容値に保つためには、
使用可能な酸素の最高濃度は、主として、いかに低い流入温度(an inle
t temperature)を使用しうるかによる。一定の最高温度に対して
、流入温度の増大は、酸素温度を前記一定の最高温度を超えないように低下させ
る必要を生じ、その結果不動態化工程が長くかかることは理解されよう。したが
って、流入温度を25℃とするならば、最高温度が約60℃を上回らないように
、酸素濃度を約0.25容量%を下回るようにしなければならない。他方、流入
ガス温が15℃で、90℃という最高温度が許容しうるならば、0.5容量%の
酸素濃度を使用することができる。流入温度が低過ぎると、初期反応速度が低下
することがあり、したがって流入温度は少なくとも10℃であるのが好ましい。
触媒の銅表面に、極く薄い炭素銅、おそらくは炭酸第一銅の層を形成する結果
として、不動態化が達成されると考えられ、一般的な不動態化における使用酸素
量および触媒の銅表向積に基づいて計算すると、たぶん触媒表面のわずか最初の
数層、たとえば2層の銅原子が反応して炭酸銅を生成するであろうということが
わかる。その結果、大部分の銅は還元状態にある。さらに、少なくとも約50℃
までの温度では、空気に曝されても、銅のこれ以上の、すなわち、大幅な酸化は
起こらないと思われる。対照的に、二酸化炭素の無いところで、酸素で不動態化
した銅触媒の場合には、銅表面の外層は酸化銅に転化する。この酸化層は十分に
厚い厚さを有し、したがって不動態化触媒を、安全に取扱うことができ、しかも
自然発火性のないものとするほど厚いこともあるので、空気中からこの層を通っ
て漸次酸素の拡散が生じ、大量の銅を次第に酸化させると思われる。したがって
、二酸化炭素の無いところで酸素により不動態化した典型的な銅/酸化亜鉛/ア
ルミナの低温シフト触媒を試験した結果、室温下で、大気に曝露すると残存して
いる還元銅の比率が漸次低下し、1日後には還元銅の比率が約62%に低下し、
12日後には該比率が約54%に低下したことが判明した。さらに、二酸化炭素
の無いところで不動態化した銅触媒を空気中で加熱すると、約60℃を上回る温
度では急速な酸化が生じ、一方、二酸化炭素を存在させて不動態化した銅触媒の
場合には、温度が100℃をかなり上回るまで空気中で加熱しても酸化はほとん
ど認められない。
したがって、本発明は、さらに、銅表面に薄い炭酸銅の層を有し、かつ空気中
で20℃から温度が少なくとも100℃に達するまで、毎分10℃の速度で加熱
しても実質的な酸化を示さない不動態化触媒を提供する。
炭酸銅層の存在は、通常X線回折分光法のような方法では検知できないが、X
線光電子分光法(XPS)または赤外分光法によって認めることができる。
酸化銅ではなくて炭酸銅を生成させるには、酸素1分子に対して2分子の二酸
化炭素が必要である。それゆえ、不動態化に用いるガスは酸素の少なくとも2倍
量の二酸化炭素を含有しなければならない。すなわち、二酸化炭素を僅か約0.
03容量%しか含まない空気は炭酸銅層ではなくて酸化銅表面層を生じる。二酸
化炭素の比率は、銅表面に吸着された酸素が、大半の銅中に拡散して、必然的に
銅の全体酸化をもたらすのではなくて、炭酸銅表面層の生成に有利に働くような
量でなければならないと考えられる。したがって、不動態化ガス中の二酸化炭素
の比率は、酸素濃度よりもはるかに大きく、好ましくは少なくとも5容量%、と
くには少なくとも10容量%であるのが好ましい。不動態ガスは約0.3バール
(絶対)以上の二酸化炭素分圧を有するのがもっとも好ましい。
前述のことから、実質的に、二酸化炭素および少量の酸素もしくは空気より成
るかまたは二酸化炭素および少量の酸素もしくは空気と混合された不活性ガスよ
り成る不動態化ガスを用いて、不動態化を行いうることは理解されよう。適当な
不活性ガスには窒素、ヘリウム、およびアルゴンを含む。メタンのような炭化水
素ガスは、この場合には不活性であるけれども、安全性に対する配慮から、その
使用はあまり好ましくはない。
前記のように、二酸化炭素を含むかまたは生成する反応に使用しなかった還元
触媒を、まず二酸化炭素と接触させると、急激な発熱が生じるであろう。このよ
うな場合には、触媒を、二酸化炭素と必要な比率の酸素との混合物(さらに必要
ならば不活性ガスをも含む)と接触させることによって不動態化を行うことがで
きるけれども、触媒と二酸化炭素との接触によって生じるかなりの発熱が、酸素
の存在下では、触媒を許容できないほどの高温に曝す結果をもたらすかもしれな
い。そのためには、所望の最高温度を超えないように不都合なほど低い流入温度
を用いる必要があるであろう。この問題を回避するには、したがって、二酸化炭
素を含むか、または生成する反応に還元触媒を使用しなかったような場合には、
触媒を、まず、酸素のないところで二酸化炭素と接触させ、その接触によって生
じる発熱を触媒層に通すのが好ましい。
次に、必要な量の酸素を導入して、不動態化工程を行わせる。
不動態化は大気圧下(この場合には不動態化ガスとして、実質的に、二酸化炭
素および少量の酸素または空気より成る混合物を使用するのが好ましい)または
高圧下で行うことができる。圧力の上限は、存在する二酸化炭素の比率によって
決まり、したがって、二酸化炭素の液化は避けなければならない。一般に、使用
圧力は1−20バール(絶対)の範囲にある。
線図のフローシートである添付図面を参照しながら、とくに適切な不動態化法
をさらに詳細に説明する。
図面について説明すると、不動態化ガス流を管路2から触媒層を経て、管路3
より外に排出する孔を備えた容器内の層1に不動態化すべき触媒がある。冷却器
4は、管路3のガスを冷却して、管路5を経て、循環器6の入口に供給する冷却
ガスとするために設けられる。ガスは管路7から循環器6を出る。循環器6を出
るガスに、管路8から二酸化炭素を、管路9から空気を供給するように用意され
ている。管路7からのガスは、管路8および9から加えられる二酸化炭素および
空気とともに、管路2から触媒層に給送するガスとなる。系内の圧力を調節でき
るようにベントすなわちパージ管路10が備えられている。
一般的な不動態化法では、まず不活性ガス、たとえば窒素を、触媒層、冷却器
および循環器によって形成されるループを循環させて、触媒を不活性雰囲気に保
つ。冷却器4によって、循環器に入る循環ガスの温度を適当な低温、たとえば1
5−25℃に保つことができる。循環器6を出るガスの温度は、流れを所望の速
度に保つために循環器が行わなければならない圧縮量によって決まる。循環器前
後の温度上昇が大きい場合には、管路3の冷却器と同時か、またはその代りに、
循環輸送管路、たとえば管路7が管路2に冷却器を備えるのが望ましいであろう
。管路2から触媒層にガスを供給する温度は40℃未満が好ましい。一般には、
この工程におけるループ内の圧力は約5バール(絶対)である。次に、加圧した
二酸化炭素を、ループ内の圧力が約7バール(絶対)に上昇して、循環ガスがた
とえば約70容量%の不活性ガスと約30容量%の二酸化炭素になるまで、管路
8からループ内に導入する。触媒が、新たに還元した触媒、すなわち二酸化炭素
を含むか、または生成する反応には使用しなかった触媒である場合には、発熱が
、通例、急速に触媒層を通過するのが認められる。一旦、このような発熱が触媒
層を通過して、該層の温度が当初の値に戻ると、次に、酸素、または空気を、管
路2を流れるガスが、一般には0.1から0.3容量%の範囲にある酸素含有量
を有するように調節した速度で管路9から導入する。ガスは、圧力をほぼ一定に
保つために、必要に応じてパージ管路10から取り出す。管路2から触媒層1に
入るガスは、層の入口領域の触媒の不動態化を行い、酸素(および少量の二酸化
炭素)を消費し、入口領域が十分に不動態化されるにつれて、不動態化が起りつ
つある領域は層内を移行する。不動態化反応は発熱的であり、したがって、触媒
の
温度を局部的に上昇させる。しかし、次いで、流入する冷却ガスによって不動態
化触媒は冷却される。層内に配置した熱電対を使い、層内の酸化発熱の進行を観
察することによって、不動態化の過程をたどることができる。不動態化が起こり
つつある間は、管路3から触媒層1を出るガスには酸素は実質的に含まれていな
い。不動態化が完了すると、酸化発熱は触媒層末端に達して、層出口領域の温度
が到達したピーク温度から低下しはじめるだけでなく、また、適当なモニター設
備を用いて、管路3から層を出るガス中の酸素を検知することができる。次に、
管路9からの酸素または空気の供給を、ループ内のガスの酸素分圧が約0.2バ
ール(絶対)、すなわち、実質的に大気圧の空気の酸素分圧に達するまで、高め
ることができる。空気供給のこの増大は、ループ圧力の低下があろうとなかろう
と、管路10を経てループからガスをパージすることによって行うことができる
。
急激な酸化発熱、すなわち触媒層の局部加熱は、不動態化に用いるガス中の酸
素濃度および流量にも関係する。流量は層内を流れるガスの空間速度(STPで
表わす)が300−2500時-1、とくに800−1600時-1の範囲にあるよ
うな流量が好ましい。
本発明を下記実施例によって説明する。
実施例1
約60重量%の酸化銅を含有するペレット状の酸化銅/酸化亜鉛/アルミナメ
タノール合成触媒前駆物質を反応器に充填した。大気圧の窒素を流すことによっ
て触媒から空気をパージした後、窒素のフローを続けながら温度を210℃に上
げた。窒素のフローを、2容量%の水素を含有するヘリウムのフローに置き換え
て、850時-1の空間速度で前駆物質上に通した。前駆物質中の酸化銅の還元が
起って、最高20℃の温度上昇を示した。17時間後、水素/ヘリウム混合物を
窒素で置換し、2時間パージして残留水素を除去した。次いで、窒素をフローし
ながら還元触媒を約20℃に冷却した。
次に、窒素のフローを、空間速度が1000時-1の0.1%酸素含有二酸化炭
素のフローに置き換えた。約50℃の発熱が、触媒層を急速に通過するのが認め
られた。この温度上昇の大部分は二酸化炭素との反応によるものであった。層内
に50℃の発熱が通過した後、温度が流入温度を約10℃上回る温度まで下がり
、この10℃の発熱は層内をさらに緩慢に通過して、還元触媒の不動態化が行わ
れていることを示した。触媒層全体の温度が外界温度まで下がったとき、ガスの
酸素濃度を21容量%に高めてから、不動態化触媒を取り出した。取り出し時に
、触媒の温かみは認められなかった。
不動態化触媒のX線回折分光法では銅金属以外の銅相は検知されず、不動態化
中に、著しい全体酸化(bulk oxidation)は起らなかったことを
示した。しかしXPSは炭酸銅表面相の存在を示した。
毎分10℃の加熱速度による不動態化触媒の熱重量分析を空気雰囲気および窒
素雰囲気中で行った。加熱を空気中で行ったときに重量増加が認められ、酸化が
起こっていることを示した。しかし、この重量増加は125℃を上回る温度での
み認められた。総重量増加は触媒の完全還元試料が示す重量増加よりも極く僅か
少なく、これもまた不動態化中に、触媒の全体酸化が起らなかったことを示した
。
不動態化触媒の温度プログラム式還元(temperature progr
ammed reduction)の結果、還元ピーク温度は約130℃であっ
て、これは最初の酸化物前駆物質の還元ピーク温度よりも約80−100℃低い
ことがわかった。
実施例2
本実施例では、図面に関連させてさきに述べた不動態化法を、工業用メタノー
ルプラントの合成反応器から得た1回装入分の約40m3の消費したがまだ還元
されたままの銅/酸化亜鉛/アルミナメタノール合成触媒の不動態化に適用した
。不動態化は、全圧が約7バール(絶対)で、約30容量%の二酸化炭素、0.
1容量%の酸素、残余の窒素を含む不動態化ガスを用いて行った。触媒は事前に
、水素、一酸化炭素および二酸化炭素の混合物からメタノールを合成するのに用
いたものであったので、循環している窒素中に二酸化炭素を入れても発熱は認め
られなかった。酸素は空気として供給した。循環器入口温度は約15℃で、循環
器出口温度は約40℃であった。流量は約350−400時-1の空間速度に相当
した。窒素/二酸化炭素混合物中に空気を入れる際に生じた発熱が、層の入口か
ら
出口まで通過するのに約60分かかり、かつさらに約45分後、循環ガス中の酸
素含有量を0.1容量%に保った間に、層全体の温度は流入ガスの温度まで下が
った。循環ガス中の酸素含有量が約5容量%になるまで、すなわち酸素分圧が大
気中の酸素分圧を十分上回るまで、空気の圧入速度を高めてから、圧力を放出し
て、反応器から触媒を取り出した。
取り出した触媒は、廃棄または再生用輸送をする場合に、安全に取り扱うこと
ができよう。
実施例3
本実施例では、図面に関連させてさきに述べた不動態化法によって、触媒前駆
物質を還元した後不動態化する。
使用した前駆物質は実施例1で使用した前駆物質の別の試料であった。前駆物
質を反応器に充填して、その中に前駆物質の層を形成させた。次に、窒素を用い
て、反応器の空気をパージした。さらに流入温度が200℃で、2容量%の水素
を含有する窒素と水素との混合物を前駆物質上に通して前駆物質を還元した。ガ
スの毎時の空間速度は1500時-1で、全圧は3.9バール(ゲージ)であった
。層内の温度が一定になり、もはや水を生成しなくなるまで、還元を続けた。
窒素/水素混合物を窒素で置き換えて、反応器の水素をパージした。次いで還
元触媒を40℃に冷却した。層内のガス空間速度が毎時800時-1となるような
速度で6.0バール(ゲージ)の窒素をループに循環させた。触媒層の入口温度
は40℃であった。ループ圧力を4.0バール(ゲージ)に下げ、二酸化炭素を
加えて圧力を6バール(ゲージ)に戻した。層内では最高温度53℃までの温度
上昇が認められ、この上昇温度は急速に層内に移行した。1時間以内に、層の温
度は40℃に戻した。次に、ルーブを循環する窒素/二酸化炭素混合物中に十分
な空気を圧入して入口における酸素濃度を0.2容量%とした。層内に発熱が生
じ、間断なく層全体に移行した。9時間後、層の温度は40℃に戻った。空気を
入れると、同時にパージを行い、二酸化炭素濃度をゼロに下げ、かつ圧力を大気
圧に落とすことによって、ループ内の酸素濃度を急速に高めた。この空気の添加
中、層内には、さらに温度上昇は起らなかった。窒素/二酸化炭素をすべてルー
プから置換し、その結果循環ガスが空気すなわち約21容量%の酸素になったと
きに、触媒を取り出した。取り出し時に、触媒の温みは認められなかった。
実施例4
本実施例では、図面を参照しながらさきに述べた不動態化法によって、触媒前
駆物質を還元した後不動態化するが、不動態化中に温度は100℃を上回る。
使用した前駆物質は、実施例1で用いた前駆物質の別の試料であった。前駆物
質を反応器に充填し、その中に前駆物質の層を形成させた。次に、反応器の空気
を窒素でバージした。次いで、流入温度が200℃で、1容量%の水素を含有す
る窒素と水素との混合物を前駆物質上に通すことによって、前駆物質を還元した
。ガスの空間速度は毎時1500時-1で、全圧は3.9バール(ゲージ)であっ
た。層全体の温度が一定になって、水がさらに生成しなくなるまで還元を続けた
。
窒素/水素混合物を窒素で置き換えて、反応器から水素をパージした。還元触
媒を、さらに98℃に冷却した。層内のガスの空間速度が1500時-1となるよ
うな速度で5.0バール(ゲージ)の窒素をループに循環させた。層入口温度は
98℃であった。二酸化炭素/窒素混合物が層を通過するときに著しい発熱が生
じないような速度で、循環窒素に徐々に二酸化炭素を加えた。循環ガスが20容
量%の二酸化炭素を含有したときに、二酸化炭素の添加を止め、さらに約20容
量%の二酸化炭素含有量を維持するように必要に応じて二酸化炭素や窒素を加え
た。次にループを循環している窒素/二酸化炭素混合物中に空気を圧入して、入
口における酸素濃度を0.2容量%とした。発熱が起って、層内を移行して11
4℃という最高温度をもたらした。酸素をほぼ2倍の速度で加えたので、実施例
3に比べて、はるかに大きい空間速度にもかかわらず、発熱が層内を通過して、
温度が98℃に戻るのに13時間を要した。すなわちほぼ50%長かった。次に
、酸素濃度を3.5容量%に高めて、触媒を外界温度まで冷却した。さらに、空
気を入れると同時にバージを行い二酸化炭素の濃度をゼロに下げ、圧力を大気圧
に落した。この空気の添加中に、層内には、さらに温度上昇は起らなかった。
実施例5
本実施例では、図面を参照しながらさきに述べた不動態化法によって、触媒前
駆物質を還元した後不動態化するが、不動態化は二酸化窒素を存在させずに行っ
た。
使用した前駆物質は、実施例1で用いた前駆物質の別の試料であった。前駆物
質を反応器に充填して、その中に前駆物質層を形成させた。次に、反応器の空気
を窒素でパージした。次いで、流入温度が200℃で、1容量%の水素を含有す
る窒素と水素との混合物を前駆物質上に通すことによって、前駆物質を還元した
。ガスの毎時の空間速度が1500時-1で、全圧は3.9バール(ゲージ)であ
った。層全体の温度が一定になり、さらに水が生成しなくなるまで還元を続けた
。
窒素/水素混合物を窒素で置き換えて、反応器から水素をパージした。還元触
媒をさらに25℃に冷却した。層内のガスの毎時の空間速度が1500時-1とな
るような速度で5.0バール(ゲージ)の窒素をループに循環させた。層の入口
温度は25℃であった。入口における酸素濃度が0.1容量%となるようにルー
プを循環する窒素中に空気を圧入した。発熱が生じ、21時間にわたり層内に移
行した。しかし、層内に発熱が進行しても、層の温度は25℃に戻らず、残りの
実験の最後までこの値よりも2−3℃高いままであった。これは緩慢な全体酸化
が行われているが、流入ガスの冷却効果が層の温度の全般的な上昇を押えること
を示すものである。発熱が層内を通過後、酸素濃度が増大したが、酸素濃度が空
気中の酸素濃度になるまでは、さらに著しい発熱はなかった。次に、触媒を試料
容器に移すと、温度が上昇しはじめることを認めた。さらに、はなはだしく高温
に達しないうちに試料容器に蓋をした。前記とは対照的に、不動態化中に、二酸
化炭素が存在したときには、触媒の自己発熱は認めれなかった。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1996年2月16日
【補正内容】
請求の範囲
1.(a) 還元ガスを含まず、かつ5容量%未満の酸素を含有する不動態化ガ
ス流を、触媒が不動態化するまで、触媒の温度が特定値を超えないような条件で
触媒層に通すことによって触媒を不動態化し、さらにb) 酸素分圧が大気圧の
空気の酸素分圧に一致するまで、触媒層を通るガスの酸素含有量を高めることを
含む銅ならびに場合により、亜鉛、クロム、ジルコニウム、マグネシウム、ケイ
素および/またはアルミニウムの化合物を含有する還元銅触媒の安定化法におい
て、該不動態化ガス流が0.05ないし0.5容量%の酸素および酸素量の少な
くとも2倍量の二酸化炭素を含有し、該不動態化ガス流中の酸素の比率および該
不動態化ガス流を触媒層に供給する温度が、不動態化工程の間、触媒の温度が1
00℃よりも高温に昇らないような値であることを特徴とする方法。
2. 触媒が、反応器内の還元した、使用した銅触媒の装入物であり、かつ触媒
は、ガスの酸素分圧が大気圧の空気の酸素分圧に一致するまで、触媒層を通るガ
スの酸素含有量を高めた後、反応器から取り出される請求項1記載の方法。
3. 還元触媒が、二酸化炭素と、以前に、接触したことがないか、または二酸
化炭素を含むかもしくは生成する反応にかけられたことがない請求項1記載の方
法において、二酸化炭素を含有するが酸素を含まないガス流を前記触媒の層に通
し、それによって、前記触媒の二酸化炭素との反応に対応する発熱が触媒層を通
過した後、前記不動態化中に、前記触媒の温度が100℃を超えないような条件
下で、不動態化ガス流を前記触媒層に通すことによって前記不動態化を行うこと
を含む方法。
4. 触媒が新たに還元した触媒であって、前記不動態化ガス中の酸素の比率お
よび前記不動態化ガス化ガス流が触媒層に供給される温度が、前記不動態化工程
の間に、触媒の温度が60℃よりも高温には昇らないような値である請求項2ま
たは請求項3記載の方法。
5. 触媒層に供給される不動態化ガスの温度が少なくとも10℃である請求項
1ないし請求項4のいずれか1つの項に記載の方法。
6. 不動態化ガス流中の二酸化炭素の比率が少なくとも5容量%である請求項
1ないし請求項5のいずれか1つの項に記載の方法。
7. 実質的に、i)二酸化炭素および酸素もしくは空気、またはii)二酸化炭
素および酸素もしくは空気と混合された不活性ガスより成る不動態化ガスを使用
して不動態化を行う請求項1ないし請求項6のいずれか1つの項に記載の方法。
8. 銅ならびに、場合により、亜鉛、クロム、ジルコニウム、マグネシウム、
ケイ素および/またはアルミニウムの化合物を含有する安定化した不動態化銅触
媒において、該不動態化触媒が、銅表面に薄い炭素銅の層を有し、かつ20℃か
ら温度が少なくとも100℃に達するまで、空気中で毎分10℃の速度で加熱す
るときに、実質的な酸化を示さないことを特徴とする触媒。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C07C 29/154 9155−4H C07C 29/154
29/156 9155−4H 29/156
31/04 9155−4H 31/04
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.(a) 還元ガスを含まず、かつ0.05ないし0.5容量%の酸素および 酸素量の少なくとも2倍量の二酸化炭素を含有する不動態化ガス流を、触媒が不 動態化するまで、触媒層に通して触媒を不動態化し、前記不動態化ガス流中の酸 素の比率および該不動態化ガス流を触媒層に供給する温度が、不動態化工程中に 、触媒の温度が100℃より高温には昇らないような値であり、さらにb) 酸 素分圧が大気中の空気の酸素分圧に一致するまで、触媒層を通るガスの酸素含有 量を高めることを含む還元銅触媒の安定化法。 2. 触媒が反応器内の還元した、使用した銅触媒の装入物であり、かつ、触媒 は、ガスの酸素分圧が大気圧の空気の酸素分圧に一致するまで、触媒層を通るガ スの酸素含有量を高めた後、反応器から取り出される請求項1記載の方法。 3. 還元触媒が、二酸化炭素と以前に接触したことがないか、または二酸化炭 素を含むかもしくは生成する反応にかけられたことがない請求項1記載の方法に おいて、二酸化炭素を含有するが酸素を含まないガス流を前記触媒の層に通し、 それによって、前記触媒と二酸化炭素との反応に対応する発熱が該触媒層を通過 した後に、前記不動態化中に、前記触媒の温度が100℃を超えないような条件 下で、不動態化ガス流を前記触媒層に通すことによって前記不動態化を行うこと を含む方法。 4. 触媒が新たに還元した触媒であって、前記不動態化ガス流中の酸素の比率 および前記不動態化ガス流を触媒層に供給する温度が、前記不動態化工程中に、 触媒の温度が60℃よりも高温には昇らないような値である請求項2または請求 項3記載の方法。 5. 触媒層に供給される不動態化ガスの温度が少なくとも10℃である請求項 1ないし請求項4のいずれか1つの項に記載の方法。 6. 不動態化ガス流中の二酸化炭素の比率が少なくとも5容量%である請求項 1ないし請求項5のいずれか1つの項に記載の方法。 7. 実質的に、i)二酸化炭素および酸素もしくは空気、またはii)二酸化炭 素および酸素もしくは空気と混合された不活性ガスより成る不動態化ガスを使用 して不動態化を行う請求項1ないし請求項6のいずれか1つの項に記載の方法。 8. 銅表面に薄い炭素銅の層を有し、かつ20℃から温度が少なくとも100 ℃に達するまで空気中で毎分10℃の速度で加熱するときに、実質的な酸化を示 さない安定化した不動態化銅触媒。
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