JPH0950936A - 薄膜コンデンサ内蔵型モジュール - Google Patents

薄膜コンデンサ内蔵型モジュール

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JPH0950936A
JPH0950936A JP7203030A JP20303095A JPH0950936A JP H0950936 A JPH0950936 A JP H0950936A JP 7203030 A JP7203030 A JP 7203030A JP 20303095 A JP20303095 A JP 20303095A JP H0950936 A JPH0950936 A JP H0950936A
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Japan
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layer
glass
thin film
film capacitor
aluminum nitride
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Withdrawn
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JP7203030A
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English (en)
Inventor
Seiji Toyoda
誠司 豊田
Yoshio Kuromitsu
祥郎 黒光
Kunio Sugamura
邦夫 菅村
Akira Nakabayashi
明 中林
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実装されるLSIがC−MOS系のLSIの
場合にその電気特性に問題を起こすことなく電源ノイズ
を抑制し得る。放熱特性により一層優れ、高容量で非常
に信頼性の高い薄膜コンデンサを内蔵でき、実装面積を
広くし得る。 【構成】 薄膜コンデンサ内蔵型モジュール40は、窒
化アルミニウム基板20上に薄膜コンデンサ17と、こ
の薄膜コンデンサ17上に設けられた薄膜多層回路18
とを備える。この窒化アルミニウム基板20は、窒化ア
ルミニウム焼結体11と、この焼結体11上に設けられ
たAl23層12と、このAl23層12上に設けられ
Al23にガラスが混在したガラス混在Al23層13
と、このガラス混在l23層13上に設けられた主ガラ
ス層16とにより構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化アルミニウム
基板上に薄膜コンデンサと薄膜多層回路が形成された薄
膜コンデンサ内蔵型モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、LSIにはバイポーラ系のECL
(Emitter Coupled Logic)よりも消費電力の小さいC
−MOS系のLSIが広く用いられているが、このC−
MOS系のLSIの場合、信号の処理速度が上がってく
ると、電源とグランド間に発生するノイズが大きな問題
となってきている。この電源ノイズを低減するためにL
SIチップの他にチップコンデンサを薄膜多層回路上に
設けた場合には、電源ノイズ抑制時に搭載用端子のL
(インダクタンス)分が問題となる上、コンデンサの分
だけセラミック基板における実装面積を狭める不具合が
あった。このため、このチップコンデンサの代わりに薄
膜コンデンサを薄膜多層回路の層内に設ける試みがなさ
れている。例えば、セラミック基板の表面を鏡面加工
し、その上に下部電極層と誘電体層と上部電極層をこの
順に形成した薄膜コンデンサ付きセラミック基板が知ら
れている。また別の薄膜コンデンサ付きセラミック基板
として、Al23基板の表面に光沢めっきにより下部電
極層を形成し、この下部電極層の上にTa25からなる
誘電体層と上部電極層を形成した高容量の薄膜コンデン
サ付き基板が開示されている(R.KAMBE et. al., "MCM
SUBSTRATE WITH HIGH CAPACITANCE", 1994, MCM '94 Pr
oceedings, pp.136-141)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の薄膜コ
ンデンサ付きセラミック基板では基板が鏡面加工中に脱
粒等の表面欠陥を生じ易く、このセラミック基板の表面
欠陥は薄膜の誘電体層に波及するため、下部電極層と誘
電体層と上部電極層で構成される薄膜コンデンサはコン
デンサとして十分に機能しないことがあった。また、後
者のコンデンサ付きセラミック基板では焼結体であるA
23基板の表面平均粗さRaが0.5μmであって、
表面に直径が20〜30μmの欠陥があるため、この表
面粗さや欠陥に起因して例えめっき処理を行ったとして
もコンデンサとしての機能を有しないものの割合が10
%程度であり、なお改善の余地があった。更にこのAl
23からなるセラミック基板では、Al23の熱伝導率
が20W/m・K程度と低く、基板側からの放熱は必ず
しも十分でなく、IC等の素子が高密度に実装された場
合や、パワー半導体等が搭載された場合には、これらの
発熱を十分に放散させることができない。
【0004】本発明の目的は、実装されるLSIがC−
MOS系のLSIの場合にその電気特性に問題を起こす
ことなく電源ノイズを抑制し得る薄膜コンデンサ内蔵型
モジュールを提供することにある。本発明の別の目的
は、放熱特性により一層優れ、高容量で非常に信頼性の
高い薄膜コンデンサを内蔵でき、実装面積を広くし得る
薄膜コンデンサ内蔵型モジュールを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】図1に示すように、請求
項1に係る発明は、第1の窒化アルミニウム基板20上
に薄膜コンデンサ17と、この薄膜コンデンサ17上に
設けられた薄膜多層回路18とを備えた第1の薄膜コン
デンサ内蔵型モジュール40である。この窒化アルミニ
ウム基板20は、窒化アルミニウム焼結体11と、この
焼結体11上に設けられたAl23層12と、このAl
23層12上に設けられAl23にガラスが混在したガ
ラス混在Al23層13と、このガラス混在l23層1
3上に設けられた主ガラス層16とにより構成される。
図示しないが、第1の薄膜コンデンサ内蔵型モジュール
40の別の構成では、窒化アルミニウム基板において、
窒化アルミニウム焼結体上にAl23にガラスが混在し
たガラス混在Al23層が直接形成される。
【0006】第1の薄膜コンデンサ内蔵型モジュール4
0では、Al23層12は焼結体11との界面で焼結体
との整合性が高く、焼結体11と強固に接合される。こ
のAl23層12は焼結体11に対するガラスのバリヤ
層として機能し、焼結体11界面での気泡の発生を防止
する。また熱酸化により形成されたAl23層が多孔質
であることから、次の特長がある。即ち、熱膨張係数が
7〜8×10-6/℃のAl23に対して窒化アルミニウ
ムの熱膨張係数は約4×10-6/℃と小さいため、多孔
質のAl23層にガラスが侵入して形成されたガラス混
在Al23層13は、ガラスの熱膨張係数がAl23
熱膨張係数より小さい場合はその熱膨張係数が窒化アル
ミニウムに近づき、層形成時の熱処理過程で発生する熱
応力を十分に緩和でき、Al23層13にクラックが生
じることがない。
【0007】また図2に示すように、請求項2に係る発
明は、第2の窒化アルミニウム基板30上に薄膜コンデ
ンサ17と、この薄膜コンデンサ17上に設けられた薄
膜多層回路18とを備えた第2の薄膜コンデンサ内蔵型
モジュール50である。この窒化アルミニウム基板30
は、窒化アルミニウム焼結体11と、この焼結体11上
に設けられたAl23層12と、このAl23層12上
に設けられAl23にガラスが混在したガラス混在Al
23層13と、このガラス混在Al23層13上に設け
られAl23、TiO2及びZrO2粒子よりなる群より
選ばれた1種又は2種以上の酸化物粒子がガラスに分散
した酸化物粒子分散ガラス層14と、この酸化物粒子分
散ガラス層14上に設けられ上記酸化物粒子が含まれな
い主ガラス層16とにより構成される。このモジュール
50も第1のモジュール40の別構成の基板と同様にA
23層12がなくてもよい。
【0008】第2の薄膜コンデンサ内蔵型モジュール5
0の酸化物粒子分散ガラス層14ではAl23,TiO
2,ZrO2等のガラスよりも熱伝導性のよい粒子がガラ
ス層中に分散するため、この層14の熱伝導度が高くな
り、基板30の放熱特性をより向上させる。また酸化物
粒子分散ガラス層14の形成は、ガラス混在Al23
の表面平滑性を良好にする。このことは比較的表面粗さ
が大きい窒化アルミニウム焼結体でも基板表面粗さを小
さくして基板表面平滑度を向上させることが可能である
ことを意味する。第1の窒化アルミニウム基板はガラス
混在Al23層13及び主ガラス層16により、また第
2の窒化アルミニウム基板はガラス混在Al23層1
3、酸化物粒子分散ガラス層14及び主ガラス層16に
より基板表面平滑度が向上しているため、この主ガラス
層16の上に均一の厚さで薄膜コンデンサ17を形成す
ることが可能となる。
【0009】従来の鏡面加工された表面欠陥のあるセラ
ミック基板と比べて、或いは表面粗さが比較的大きなセ
ラミック焼結体からなる基板と比べて、本発明のモジュ
ール用基板である窒化アルミニウム基板20又は30は
主ガラス層16が表面に設けられた所謂グレーズドセラ
ミック基板であるので、表面欠陥が全くなく、表面平滑
性に極めて優れる。このため、主ガラス層16上に形成
された薄膜コンデンサ17の下部電極層にはその下地に
起因した欠陥はなく、非常に高い信頼性を有するように
なる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳述する。初め
に、本発明の第1及び第2の窒化アルミニウム基板に共
通する点について述べる。本発明の窒化アルミニウム焼
結体は、窒化アルミニウム単体のみからなる焼結体に限
らず、窒化アルミニウムを主成分とし、各種添加物、例
えばCaO,Y23等を含有する焼結体でもよい。この
焼結体上に設けられるAl23層は、窒化アルミニウム
焼結体を1×10-2atm以上の酸素分圧であってかつ
1×10-3atm以下の水蒸気分圧の雰囲気において、
1100〜1500℃で3〜0.5時間程度熱処理する
ことにより作られる。温度を高くする程、処理時間は短
くてよい。この熱処理により窒化アルミニウム焼結体の
表面が酸化され、気孔率0.01〜15容積%の多孔質
Al23層が形成される。
【0011】(a) 第1の窒化アルミニウム基板 本発明の第1の窒化アルミニウム基板20は、上記多孔
質Al23層上にガラス粒子が溶剤に分散した懸濁液を
塗布し乾燥した後焼成し、このガラスが軟化する温度で
熱処理して多孔質のAl23層上部の微細孔に軟化した
ガラスを侵入させることにより作られる。なお、このガ
ラスについては任意の組成のものでよく、好ましくは熱
膨張係数が(4.4±1.0)×10-6/℃の値を有す
るガラスがよい。ここでガラス層の軟化条件を制御して
軟化したガラスを窒化アルミニウム焼結体に到達させな
いことが必要である。換言すれば、窒化アルミニウム焼
結体上にAl23層を残存させておくことが必要であ
る。ガラスと焼結体との反応に起因して焼結体の界面に
気泡を生じさせないためである。図1に示すように、窒
化アルミニウム基板20は、焼結体11上に酸化により
形成された、ガラスが侵入していないAl23層12
と、ガラスが侵入してAl23にガラスが混在したガラ
ス混在Al23層13により構成される。このガラス混
在Al23層13の表面はガラス層16で覆われる。こ
れにより基板20は化学的に安定になる。
【0012】また第1の窒化アルミニウム基板は、上記
多孔質Al23層にガラス前駆体としてのアルコキシド
もしくはゾルを含浸させ、それを焼成し、上記多孔質A
23層中にガラスを固着させることによっても作られ
る。この場合にはガラスが侵入していないAl23層1
2を残存させる必要はなく、焼結体11とガラス混在A
23層13との接合界面に気泡を生じさせずにAl2
3層12のない窒化アルミニウム基板が作られる。こ
の方法は後述する第2の窒化アルミニウム基板にも同様
に適用できる。ガラス混在Al23層13には多孔質A
23層の気孔率に応じてガラスを0.01〜15容積
%含ませることが好ましい。また各層の厚さは、モジュ
ール40の用途により、ガラス混在Al23層13が
0.01〜10μmの厚さに形成され、Al23層12
が0〜9.99μmの厚さに形成される。
【0013】(b) 第2の窒化アルミニウム基板 図2に示す第2の窒化アルミニウム基板30は次の一の
方法で作られる。先ず第1の窒化アルミニウム基板と同
程度に多孔質Al23層上にガラス粒子が溶剤に分散し
た懸濁液を塗布し乾燥した後焼成することにより、上記
Al23層の微細孔に軟化したガラスを侵入させてこの
多孔質Al23層を焼結体11側から順にAl23層1
2及びガラス混在Al23層13にする。続いてこのガ
ラス混在Al23層13上にAl23、TiO2及びZ
rO2粒子よりなる群より選ばれた1種又は2種以上の
酸化物粒子とガラス粒子が溶剤に分散した懸濁液を塗布
し乾燥した後焼成することによりこのガラス粒子を軟化
させて、上記酸化物粒子が分散したガラス層14を形成
する。更にこの酸化物粒子分散ガラス層14上にガラス
粒子が溶剤に分散した懸濁液を塗布し乾燥した後焼成す
ることによりこのガラス粒子を軟化させて主ガラス層1
6を形成する。なお、このガラスについても第1の窒化
アルミニウム基板の場合と同様に、任意の組成のもので
よい。
【0014】図2に示す第2の窒化アルミニウム基板3
0は次の別の方法でも作られる。先ず第1の窒化アルミ
ニウム基板と同様に形成した多孔質Al23層上にAl
23、TiO2及びZrO2粒子よりなる群より選ばれた
1種又は2種以上の酸化物粒子とSiO2粒子が溶剤に
分散した懸濁液を塗布し乾燥した後焼成して酸化物粒子
とSiO2粒子の複合もしくは混合層を形成する。続い
てこの複合もしくは混合層上にガラス粒子が溶剤に分散
した懸濁液を塗布し乾燥してガラス粒子層を形成する。
最後にガラス粒子層が軟化する温度で熱処理して上記ガ
ラス粒子層の軟化したガラスが上記複合もしくは混合層
のSiO2粒子を溶解し更に上記多孔質Al23層中に
侵入する。これにより図3に示すように、焼結体11上
にAl23層12とガラス混在Al23層13と酸化物
粒子分散ガラス層14と主ガラス層16の4層構造が形
成された窒化アルミニウム基板30が製造される。この
場合もガラス層の軟化条件を制御して軟化したガラスを
窒化アルミニウム焼結体に到達させないことが必要であ
る。換言すれば、窒化アルミニウム焼結体上にAl23
層を残存させておくことが必要である。
【0015】基板30のガラス混在Al23層13には
多孔質Al23層の気孔率に応じて0.01〜15容積
%ガラスが含まれ、酸化物粒子分散ガラス層14にはガ
ラスが5容積%以上100容積%未満含まれることが好
ましい。また各層の厚さは、図3に示すように、モジュ
ール50の用途により、主ガラス層16が0.1〜10
0μmの厚さに形成され、酸化物粒子分散ガラス層14
が0.1〜10μmの厚さに形成され、ガラス混在Al
23層13が0.01〜10μmの厚さに形成され、A
23層12が0〜9.99μmの厚さに形成される。
【0016】第1又は第2の窒化アルミニウム基板の主
ガラス層、酸化物粒子分散ガラス層及びガラス混在Al
23層中のガラス成分は、PbO−SiO2−B23
にAl23、アルカリ土類金属、アルカリ金属等が添加
された系である。このガラス層は、これらのガラス粉末
を溶剤と混合してガラスペーストとし、このガラスペー
ストを多孔質Al23層上にスクリーン印刷、スプレー
コーティング、ディップコーティング、スピンコーティ
ング等の方法によりコーティングして乾燥した後、焼成
して形成される。またこのガラス層はガラスペーストを
プラスチックベースシートに塗布した後、このシートの
ペースト面を被積層面に重ねてベースシートを剥離する
方法、ゾル−ゲル法、スパッタリング法等により形成す
ることもできる。
【0017】(c) 薄膜コンデンサ内蔵型モジュール 図1及び図2に示すように、第1及び第2の薄膜コンデ
ンサ内蔵型モジュール40及び50の薄膜コンデンサ1
7は、主ガラス層16の上に導体電極層17aを形成
し、この電極層17aの上に誘電体層17bを形成し、
この誘電体層17bの上に導体電極層17cを形成する
ことにより得られる。導体電極層17a及び17cは薄
膜又は厚膜の形態でそれぞれ主ガラス層16及び誘電体
層17bの上に形成される。薄膜の導体電極層17a及
び17cは、Pt、Cr等の金属をスパッタリング法に
より、又は二酸化ルテニウム(RuO2)、二酸化イリ
ジウム(IrO2)等の金属酸化物をスパッタリング法
又はゾル−ゲル法により、或いは貴金属有機化合物を含
むペーストをスクリーン印刷法等により形成される。
【0018】具体的には、厚膜の導体電極層17a及び
17cは、Ag、Au、Cu等のペーストをスクリーン
印刷した後、焼成することにより形成される。貴金属有
機化合物を含むペーストを用いて薄膜を形成する方法も
スクリーン印刷法等によりペーストを塗布し乾燥した
後、焼成する方法である。このペーストにはAu、A
g、Pt、Pd又はこれらの合金の貴金属を含む。貴金
属以外の金属ペーストを用いると焼成時に金属が酸化さ
れるため、貴金属であることが必要である。特に貴金属
としてAu系を用いると、電気的抵抗がCuと同程度で
低く、緻密な連続膜を形成し易い。通常の金属ペースト
と異なり、このペーストは貴金属が粉末の状態でなく、
貴金属成分及び微量の他の金属成分が有機成分と化合物
を形成し、液状になっているため、1μm以下の厚さの
連続した薄膜も得られる特長がある。この液状の貴金属
有機化合物に例えばα−テレピネオール、エチルセルロ
ース等の有機物を添加し、ペースト化する。この有機物
はペーストに粘性を付与して塗工性を高めるとともに、
焼成後のバインダとしての機能を有する。他の金属成分
としてはPb,Bi,Si等が挙げられる。導体電極層
17a及び17cは、貴金属有機化合物ペーストをそれ
ぞれ主ガラス層16及び誘電体層17bの上にスクリー
ン印刷、スプレーコーティング、ディップコーティン
グ、スピンコーティング等の方法により塗布して乾燥し
た後、焼成することにより形成される。誘電体層17b
も導体電極層と同様の方法で薄膜又は厚膜の形態で導体
電極層17aの上に形成される。この誘電体としては、
チタンジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)、チタン
酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン酸バリウム
(BaTiO3)、チタン酸バリウムストロンチウム
((Ba,Sr)TiO3)、チタン酸ビスマス(Bi4
312)等のペロブスカイト化合物が挙げられる。
【0019】本発明の薄膜コンデンサは図示するように
単層に限らず、モジュールの用途に応じて2以上積層し
て形成してもよい。また薄膜コンデンサはモジュール用
基板全面に設けてもよいし、或いは部分的に設けてもよ
い。部分的に設ける場合には次のゾル−ゲル法による薄
膜形成法を採用することが工程を簡略化でき、好まし
い。即ち、この方法は金属アルコキシドのような加水分
解性有機金属化合物、金属ハロゲン化物、金属カルボン
酸塩及び金属アセチルアセトナト錯体から選ばれた1種
もしくは2種以上の加水分解金属化合物と2−ニトロベ
ンジルアルコールのような感光剤とを含む感光性の金属
酸化物薄膜を形成するための溶液を導体電極層17a、
誘電体層17b又は導体電極層17cの上に塗布し、得
られた感光性塗膜に対して薄膜を必要とする部分に画像
形成用の活性線照射を行った後、現像して未露光部を除
去し、基板を熱処理して残留する塗膜を金属酸化物に変
換させることにより、ネガ型の金属酸化物薄膜パターン
を形成する方法である。
【0020】図1及び図2に示すように、第1及び第2
の薄膜コンデンサ内蔵型モジュール40及び50の薄膜
多層回路18は、上記薄膜コンデンサ17の上に例え
ば、Cu層とポリイミド層を組み合わせた公知の方法に
より形成される。最上層には1又は2以上のシリコンチ
ップ18dが搭載される。
【0021】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。 <実施例1>この例では第2の薄膜コンデンサ内蔵型モ
ジュールを代表して説明する。先ず厚さ1mmの窒化ア
ルミニウム焼結体を76×76mmの正方形に切り出
し、大気中、1300℃で1時間熱処理し、焼結体の表
面に3.0μm厚の多孔質Al23層を形成した。Al
23粒子とSiO2粒子とをAl23粒子が34重量
%、SiO2粒子が66重量%の割合で溶剤に均一に分
散した懸濁液を調製した後、この懸濁液を上記多孔質A
23層上に塗布した後、300℃で1時間乾燥させ、
次いで1100℃で1時間焼成することによりAl23
粒子とSiO2粒子の複合もしくは混合層を形成した。
次にこの複合もしくは混合層の上にガラス粒子が均一に
溶剤に分散した懸濁液を塗布し、150℃で30分間乾
燥してガラス粒子層を形成した。続いて1000℃で3
0分間焼成し、ガラス粒子層のガラスを軟化させた。こ
れにより窒化アルミニウム焼結体上にAl23層、ガラ
ス混在Al23層、酸化物粒子分散ガラス層及び主ガラ
ス層をこの順で形成され、図2に示される窒化アルミニ
ウム基板30が作られた。
【0022】次に、主ガラス層16のほぼ全面にゾル−
ゲル法によりRuO2からなる下部電極層17aを形成
し、この層17aの上にゾル−ゲル法により(Ba,S
r)TiO3からなる誘電体層17bを形成し、更にこの
層17bの上にやはりゾル−ゲル法によりRuO2から
なる上部電極層17aを形成した。これにより薄膜コン
デンサ17が窒化アルミニウム基板30の上に形成され
た。続いて薄膜コンデンサ17の上にスパッタリング法
によりCr層を形成した後、スピンコーティング法によ
り感光性ポリイミド前駆体溶液を成膜した。次いでフォ
トリソグラフィ法により露光・現像を行い、所定のパタ
ーンを形成した後、窒素雰囲気中、400℃で1時間焼
成した。更にスパッタリング法を用いてCr層、Cu
層、Cr層の順で成膜を行い、レジスト膜を形成した
後、ウェットエッチング法により所定のパターンを形成
して、再度ポリイミド層を形成した。以後、上述の方法
により必要な層数だけCr/Cu/Cr層及びポリイミ
ド層を形成した。次に最上層でポリイミド層が形成され
ていない部分のCr層をエッチングし、Cu層を露出さ
せた後、Ni及びAuめっきを行った。このAuめっき
膜上に例えばフリップチップ法を用いて、シリコンチッ
プを接合し、薄膜多層回路18を形成した。図2におい
て、18aは接地電極層、18bはポリイミド層、18
cは信号層、18dはシリコンチップである。
【0023】<実施例2>ここでは第2の薄膜コンデン
サ内蔵型モジュールのうち、薄膜コンデンサまで形成
し、そのコンデンサの誘電容量を測定した例について説
明する。先ず実施例1と同一の窒化アルミニウム基板を
用意した。この主ガラス層上にAu系の金属有機化合物
ペーストをスクリーン印刷法により厚さ2000オング
ストロームで全面印刷した。このペーストはAuを27
重量%含み、他の金属成分としてPb,Bi,Siを3
重量%含み、残部が上記金属成分と結合した有機成分及
びα−テレピネオール、エチルセルロース等の有機物か
らなる。上記ペーストを全面印刷した基板を大気中で1
20℃で10分間乾燥した後、大気中で700℃で1時
間焼成し、下部電極層を形成した。次に実施例1と同様
にこの下部電極層の上にゾル−ゲル法により(Ba,S
r)TiO3からなる誘電体層を形成した。引き続いてこ
の誘電体層上に厚さ2000オングストロームのAuの
蒸着膜を1mm□パターンで100個形成することによ
り上部電極層を得た。
【0024】<比較例1>比較のために、実施例1と同
一の窒化アルミニウム焼結体上にAl23層と主ガラス
層の2層しか有しない、換言すればガラス混在Al23
層及び酸化物粒子分散ガラス層を有しない窒化アルミニ
ウム基板の主ガラス層上に実施例2と同様にして下部電
極層、誘電体層及び100個の上部電極層を形成した。
【0025】実施例2及び比較例1の下部電極層、誘電
体層及び100個の上部電極層からなる薄膜コンデンサ
の誘電容量を測定して1000nF/cm2以上を合
格、それ未満を不合格として判定した。その結果、比較
例1の薄膜コンデンサは2個が合格であったのに対し
て、実施例2の薄膜コンデンサは98個が合格であっ
た。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、薄
膜コンデンサ内蔵型モジュールの窒化アルミニウム基板
の表面がガラス混在Al23層と主ガラス層により構成
されるため、或いはガラス混在Al23層と酸化物粒子
分散ガラス層と主ガラス層により構成されるため、窒化
アルミニウム焼結体の表面粗さが大きくても、主ガラス
層が平坦化し、基板を表面平滑性に優れたものにする。
この結果、従来のチップコンデンサの代わりに主ガラス
層の上に高容量の薄膜コンデンサを高い信頼性で形成で
き、広い実装面積を有するモジュールが得られる。更に
本発明の薄膜コンデンサはLSIの近くにデカップリン
グキャパシタとしてモジュール用基板に内蔵されるた
め、モジュールに実装されるLSIがC−MOS系のL
SIの場合で、信号の処理速度の上昇とともに電源とグ
ランド間にノイズが発生するときでも、この薄膜コンデ
ンサにより電源ノイズが抑制され、しかも電源ノイズ抑
制時に従来のチップコンデンサのような搭載用端子のL
(インダクタンス)分が問題となることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の薄膜コンデンサ内蔵型モジュー
ルの部分拡大断面図。
【図2】本発明の第2の薄膜コンデンサ内蔵型モジュー
ルの部分拡大断面図。
【符号の説明】
20,30 窒化アルミニウム基板 11 窒化アルミニウム焼結体 12 Al23層 13 ガラス混在Al23層 14 酸化物粒子分散ガラス層 16 主ガラス層 17 薄膜コンデンサ 18 薄膜多層回路 40,50 薄膜コンデンサ内蔵型モジュール
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/46 6921−4E H05K 3/46 L (72)発明者 中林 明 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化アルミニウム基板(20)上に薄膜コン
    デンサ(17)と、この薄膜コンデンサ(17)上に設けられた
    薄膜多層回路(18)とを備えた薄膜コンデンサ内蔵型モジ
    ュールであって、 前記窒化アルミニウム基板(20)は、窒化アルミニウム焼
    結体(11)と、前記焼結体(11)上にAl23層(12)を介し
    て又はAl23層(12)を介さずに設けられAl23にガ
    ラスが混在したガラス混在Al23層(13)と、前記ガラ
    ス混在Al23層(13)上に設けられた主ガラス層(16)と
    により構成されたことを特徴とする薄膜コンデンサ内蔵
    型モジュール。
  2. 【請求項2】 窒化アルミニウム基板(30)上に薄膜コン
    デンサ(17)と、この薄膜コンデンサ(17)上に設けられた
    薄膜多層回路(18)とを備えた薄膜コンデンサ内蔵型モジ
    ュールであって、 前記窒化アルミニウム基板(30)は、アルミニウム焼結体
    (11)と、前記焼結体(11)上にAl23層(12)を介して又
    はAl23層(12)を介さずに設けられAl23にガラス
    が混在したガラス混在Al23層(13)と、前記ガラス混
    在Al23層(13)上に設けられAl23、TiO2及び
    ZrO2粒子よりなる群より選ばれた1種又は2種以上
    の酸化物粒子がガラスに分散した酸化物粒子分散ガラス
    層(14)と、前記酸化物粒子分散ガラス層(14)上に設けら
    れ前記酸化物粒子が含まれない主ガラス層(16)とにより
    構成されたことを特徴とする薄膜コンデンサ内蔵型モジ
    ュール。
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