【発明の詳細な説明】
固定ビームレーザシステムとともに用いるダブルX−Yテーブルシステム
発明の背景
本発明は、レーザシステムとともに使用されるテーブルシステムに広く関する
。特に、本発明は、固定ビームレーザシステムとともに使用されるダブルX−Y
テーブルシステムに関する。
レーザシステムは、レーザビームを生成するレーザ源を有する。レーザシステ
ムはまた典型的に、レーザビームをワークピースに誘導するミラー及びレンズを
有する。レーザシステムがワークピースを正確に加工するためには、ミラー及び
レンズは正確に位置合わせされなければならない。レーザビームが所望の位置に
保持され且つワークピースがレーザビームに対して移動されるならば、ミラー及
びレンズの正確な位置合わせの維持は簡略化される。このような装置は、固定ビ
ームレーザシステムとして知られている。
レーザシステムの購入及び維持に伴うコストのために、レーザシステムの使用
を最大限にすることが望ましい。単一テーブルで固定ビームのレーザシステムで
は、ワークピースのテーブルへの配置や除去に伴う稼働休止時間のために、レー
ザは典型的に約50パーセントの時間だけ、加工作業のために利用され得る。
レーザビームの利用を増加させるためによく使われる一つの方法は、レーザビ
ームパスの中間点にスイッチを配置することによる方法である。スイッチは、レ
ーザビームを2つ或いはそれ以上の択一的なパスに沿って方向付けて、個別のベ
ースの上にそれぞれ搭載されている個別のX−Yテーブルシステムの上に置かれ
たワークピースを加工する。スイッチのレーザビームパスへの挿入は、レーザ利
用を85パーセント以上に増加させる。
スイッチがレーザビームパスに挿入されると、レーザ源とワークピースとの間
の距離が長くなる。レーザ源とワークピースとの間の距離は、レーザビームのパ
ワーが増加するにつれてますます重要な役割を果たす。例えば、レーザビームが
約2000ワット以上のパワーを有するときには、レーザビームを正確に切り換
えることは、さらに相当に困難になる。なぜなら、レーザ源とワークピースとの
間の距離が増加するにつれて、レーザビームはかなりの度合いで変化するからで
ある。結果として、レーザ源とワークピースとの間の距離は最短の可能な値に維
持することが望ましい。
複数ビームのレーザシステムが使用されるときに、レーザビームを正確に切り
換えて個別のX−Yテーブルシステムの上に配置された異なったワークピースを
加工することもまた、より困難になる。例えば、3ビーム或いは4ビームのレー
ザシステムでは、レーザビームの各々を切り換えて個別のX−Yテーブルシステ
ムの上に置かれた複数のワークピースを同時に加工するようにレーザビームが使
用されることは、複雑である。さらに、個別のX−Yテーブルシステムの上での
加工のためにレーザビームを分割するために必要とされる付加的な構成要素は、
レーザシステムが追加の床面積を占めることを必要とする。
発明の要旨
本発明は、レーザシステムと共に用いられるダブルX−Yテーブルシステムを
含む。このレーザシステムは、固定パスレーザビームを備える。X−Yテーブル
システムは、ワークピースを固定パスレーザビームに対して位置決めする複数の
テーブルを備える。テーブルの各々は、固定パスレーザビームに対する選択的な
移動のために搭載されている。
図面の簡単な説明
図1は、本発明のレーザシステムの斜視図である。
図2は、本発明のレーザシステムの上面図である。
図3は、本発明のレーザシステムの他の上面図である。
図4は、本発明のレーザシステムのさらに他の上面図である。
図5は、加工領域の周りに取り付けられたカーテンタイプの保護シールドを有
するレーザシステムの上面図である。
好ましい実施例の詳細な説明
本発明によるレーザシステムは、図1において10として一般に示される。レー
ザシステム10は、ダブルX−Yテーブルシステム14と、少なくとも一つの固定パ
スレーザビームを生成する少なくとも一つのレーザ源12と、を備える。ダブルX
−Yテーブルシステム14は、ベース20に対して移動可能に搭載された複数のテー
ブル16及び18を備える。テーブル16及び18を移動可能に搭載することによって、
テーブル16及び18は、固定パスレーザビームのパス中に選択的に位置決めされる
。
固定パスレーザビームに対してテーブル16及び18を移動することによって、本
発明のレーザシステム10はいくつかの利点を示す。例えば、レーザシステム10で
は、テーブルの一つの上のワークピースを、他のテーブルの上のワークピースが
加工されている間に置き換えることができる。従って、レーザシステム10では、
スイッチを使用する先行技術のレーザシステムと同様に、レーザビームの利用が
最大化される。しかし、スイッチを用いる先行技術のレーザシステムとは違って
、本発明のレーザシステム10は、利用を増加させるミラー及びレンズの複雑なシ
ステムを必要としない。
ワークピースをレーザビームまで移動することによって、本発明のレーザシス
テム10はまた、レーザ源からワークピースまでの距離を最短の可能な値に維持す
ることを可能とする。これより、レーザ源とワークピースとの間のより長い距離
に関連するレーザビームの変動が、最小限にされる。従って、本発明のレーザシ
ステム10は、より正確な且つコスト効率的なワークピースの加工を見込んでいる
。
先行技術の切り換えビームのレーザシステム(switched beam laser system)は
、本発明のレーザシステム10と同様な利用率を得るが、別個のベースの上にテー
ブルのそれぞれを搭載する。一つのベース20の上にテーブル16及び18の両方を搭
載する結果として、本発明のレーザシステム10はまた、レーザシステム10の設置
に必要な面積を減少させる。
本発明のレーザシステム10は単一のベースを用いるものとして説明されている
が、固定パスレーザビームに対してワークピースを位置決めする他の機構を用い
ることも、また可能である。例えば、テーブル16及び18は、固定パスレーザビー
ムによるワークピースの加工のための片持ち位置までテーブルを移動させる、別
個のベースの上に搭載され得る。
ベース20は、好ましくは、溶接された鋼鉄から構成される。溶接された鋼鉄に
よる構成は、ベース20がテーブル16及び18に対する安定した支持を提供すること
を可能にし、且つ、テーブル16及び18のベース20に対する正確な移動を可能とす
る。ベース20はまた、鋳造されたコンクリート(cast concrete)或いはエポキ
シ集合体(epoxy aggregate)から構成され得る。
ベース20に対するテーブル16及び18の動きは、X−Y平面に限定される。テー
ブル16及び18は、好ましくは、ベース部60及び62と表面部64及び66とを備える。
ベース20に対するベース部60及び62の移動で、表面部64及び66の位置がX軸に沿
って調節される。ベース部60及び62に対する表面部64及び66の移動で、表面部64
及び66の位置がY軸に沿って調節される。
X軸に沿ったベース部60及び62の移動は、第1のガイド機構を用いて達成され
る。好ましくは、第1ガイド機構は、複数のレール40及び42を含む。第1ガイド
機構はまた、複数のボールねじ機構67及び69を含んでいて、ベース部60及び62の
それぞれをX軸に沿って独立して移動させる。
複数のレール40及び42は、ベース20の上に並行関係をなして搭載されている。
レール40及び42の各々は、好ましくは、さしわたしでベース20の長さに及んでい
る。レーザシステム10によって得ることを望まれる正確さのために、レール40及
び42は正確に位置合わせされる。
ボールねじ機構67及び69は、ベース部60及び62の各々の下面に搭載されたボー
ル機構(不図示)を含む。ボールねじ機構67及び69はまた、ベース20に各々搭載
されたスレッドねじ(threaded screw)50及び52を含む。スレッドねじ50及び52
の各々の回転は、好ましくは、回転モータ54及び56によってそれぞれ制御される
。回転モータ54及び56の各々の回転を個別に制御することによって、ベース部60
及び62の位置がX軸に沿って独立して調整される。
ベース部60及び62は、好ましくは、接合されたハニカム構造から形成される。
接合されたハニカム構造は、単位面積当たりの重量が比較的軽く且つ高剛性を有
しているので好ましい。これらの特性は、ベース部60及び62が表面部64及び66に
対する安定した支持を提供することを可能とする。
ベース部60及び62は、ベース部60及び62の各々の下面に搭載された複数のボー
ルブッシング68を含む。ボールブッシング68は、レール40及び42に沿ったベース
部60及び62の低摩擦の動きを提供する。テーブル16及び18の動きの正確さはワー
クピースを正確に加工するために極めて重要であるので、ボールブッシング68は
、レール40及び42に沿ったベース部60及び62の正確な動きを提供しなければなら
ない。
好ましくは、ボールブッシング68は、ベース部60及び62のコーナの各々に近接
して設けられる。しかし、ベース部60及び62が大きな寸法である場合には、ベー
ス部60及び62に沿った中間位置に追加のボールブッシング68を設けることが望ま
れ得る。
表面部64及び66のY軸に沿った動きは、表面部64及び66をY軸に沿って独立し
て移動させる複数の第2のガイド機構を用いて達成される。好ましくは、第2の
ガイド機構は、複数のレール70、72、74及び76と複数のボールねじ機構77及び79
とを含む。
第1の複数のレール70及び72は、第1のベース部60の上に並行関係をなして搭
載されている。第2の複数のレール74及び76は、第2のベース部62の上に並行関
係をなして搭載されている。レール70、72、74及び76の各々は、好ましくはさし
わたしがベース部60及び62の長さに及んでいる。レーザシステム10によって得る
ことを望まれる正確さのために、レール70、72、74及び76は、正確に位置合わせ
される。
ボールねじ機構77及び79は、ボール機構(不図示)を含む。ボール機構は、表
面部64及び66の各々の下面に搭載される。ボールねじ機構77及び79はまた、スレ
ッドねじ80及び82を含む。個別のスレッドねじ80及び82は各々のボール機構に対
して設けられていて、表面部64及び66がY軸に沿って独立して移動することを可
能にしている。各々のスレッドねじ80及び82の回転は、好ましくは、回転モータ
84及び86によってそれぞれ制御される。
表面部64及び66は、好ましくは、それぞれ約1インチの厚さのアルミニウムシ
ートから形成される。アルミニウムシートは、表面部64及び66がワークピース78
に対する安定した支持を提供することを可能にしている。
表面部64及び66は、表面部64及び66の下面に搭載された複数のボールブッシン
グ88を含む。ボールブッシング88は、レール70及び72に沿った表面部64の低摩擦
の移動、及びレール74及び76に沿った表面部66の低摩擦の移動を提供する。テー
ブル16及び18の移動の正確さがワークピースを正確に加工するために極めて重要
であるので、ボールブッシング88は、レール70、72、74及び76に沿った表面部64
及び66の正確な移動を提供しなければならない。
好ましくは、ボールブッシング88は、表面部64及び66のコーナの各々に近接し
て設けられる。しかし、表面部64及び66が大きな寸法である場合には、表面部64
及び66に沿った中間位置に追加のボールブッシング88を設けることが望まれ得る
。
好ましくは、レーザシステム10は、ワークピースの加工中に発生する破片によ
ってレール40、42、70、72、74及び76とスレッドねじ50、52、80及び82とが汚染
されることを保護する機構を含む。多くのレール及びスレッドねじ保護機構が、
当該技術で知られている。このような保護機構の一つは、一般にウェイカバー(
way cover)として参照され、米国特許第5,171、002号に記載されている。
ワークピース78がレーザシステム10を用いて加工されている間にワークピース
78を所望の位置に保持するために、様々な機構が当該技術で知られている。加工
中におけるワークピース78の所望の位置での保持に加えて、この機構はまた、加
工によって生じる粒子及び有毒ガス(fumes)を排出する能力を提供し得る。適
切なワークピース保持機構は、非金属のハニカム、ナイフエッジ、及びトードス
トゥール(toads tools)を含む。
運転制御パネル94及び96は、好ましくは、表面部64及び66の各々の前端92に沿
って搭載される。運転制御パネル94及び96は、オペレータが加工サイクルを開始
、終了及び中断させることを可能にしている。緊急停止のような他の特徴もまた
、運転制御パネル94及び96に含むことが適している。運転制御パネル94及び96を
表面部64及び66の前端92に沿って搭載することによって、オペレータは、レーザ
システム10の運転時に制御パネルに容易にアクセスできる。表面部64及び66に運
転
制御パネル94及び96を搭載する代わりに、運転制御パネル94及び96は、レーザシ
ステム10に隣接するメイン制御ユニット98に含まれ得る。
本発明のシステムは他のレーザ源とともに用いることに適している一方で、レ
ーザ源12は、好ましくはCO2レーザ或いはYAGレーザである。しかし、他の
タイプのレーザが、本発明のレーザシステムとともに使用されることに適してい
る。レーザシステム10は、10,000ワットまでのパワーを有するレーザと共
に使用するのに特に適している。
図面は、レーザシステム10が3つのレーザ源12を含むことを示している。しか
し、レーザ源12の数の選択は、所望の加工動作に基づく。レーザシステム10はま
た、複数のビームに分割される単一のレーザ源を使用し得る。
レーザ源12は、ビーム伝達支持台(beam delivery support)100を用いて支持
されている。ビーム伝達支持台100は、レーザ源12をベース20に対して静止関係
に保持する。ビーム伝達支持台100とベース20との間の静止関係は、本発明のレ
ーザシステム10がワークピースを正確に加工することを可能にしている。
ビーム伝達支持台100とベース20との間の静止関係は、レーザビームを、加工
動作を通して一定に保持される垂直パスに沿って伝達させる。本発明のレーザビ
ームは一定の垂直パスに沿って伝達されるので、このレーザビームは、固定パス
レーザビームと呼ばれる。レーザビームの一定の垂直パスは、変化するパスに沿
って放出されるレーザビームに比べて、レーザビームの位置合わせプロセスの簡
略化を可能にする。
ビーム伝達支持台100は、好ましくは、垂直向きの部分102と、その垂直向きの
部分102の上端に搭載される水平向きの部分104と、を含む。水平向きの部分104
は、レーザ源12が加工領域126に近接して搭載され得るように、加工領域126の上
方に伸びる。ビーム伝達支持台100は、好ましくは溶接された鋼鉄コンポーネン
トから構成されるが、金属及びポリマー複合材料のような他の物質が、ビーム伝
達支持台100の製造に適している。
レーザ源12は、好ましくは、水平部104の上面106の上に搭載される。図1に示
されるように、水平ガイド120が、レーザビームがレーザ加工領域126の直上にな
るまでレーザビームをガイドするために設けられる。反射ミラー或いはレンズ12
2が水平ガイド120に取り付けられ、レーザビームを垂直パスに反射させる。垂直
ガイド124は、レーザビームを、レーザビームがワークピース78にフォーカスさ
れ得る適切な領域にまでガイドするために設けられる。垂直ガイド124は、水平
部104を貫いて伸びる。レーザビームは、好ましくはレンズ132を用いて焦点130
にフォーカスされる。
レーザシステム10は、多様なビーム伝達機構に適合され得る。例えば、図1は
、伝送フォーカスヘッド(transmissive focusing head)134の使用を示す。伝送
フォーカスヘッド134は、異なる厚みを有するワークピース78がレーザシステム1
0によって加工される際にレーザビームの焦点134の垂直位置を自動的に調節して
レーザビームの切断能力を最適化する能力を備えたレーザシステムを提供する。
本発明と共に用いるのに適した伝送フォーカスヘッド134の構成及び動作は、当
該技術では知られている。
レーザシステム10は、好ましくは、レーザ源12の各々のための電源140を含む
。レーザシステム10はまた、好ましくは、レーザビーム源12の各々に冷却剤を供
給する冷却装置(不図示)を含む。冷却剤は、レーザ源12のオーバーヒートを防
ぐ。
動作に際して、図2に示されるように、テーブル16及び18の各々は、最初はロ
ーディング位置に向けられている。ローディング位置では、表面部64及び66とベ
ース部60及び62とは加工領域126の全く外に位置されている。加工領域126は、レ
ーザ加工作業中の表面部64及び66とベース部60及び62との動作範囲を取り囲んで
いる。加工領域126の内部では、レーザ源12がワークピース78にフォーカスされ
る。レーザビームの焦点は、図2〜4においては130で示される。図2〜4にお
いては、テーブル16及び18の形状と動作とがより明確に図示されるように、レー
ザ源12とビーム伝達支持台100の一部が切り取られている。
レーザ加工作業の実施に先立って、レーザビームがワークピース78を所望の方
法で加工するように、制御装置98がプログラムされる。第1のテーブル16の上の
ワークピース78は、好ましくは第2のテーブル18の上のワークピース78と同じよ
うに加工されるが、制御装置は、第1のテーブル16の上のワークピース78を第2
のテーブル18の上のワークピース78とは違った方法で加工するようにプログラム
され得る。
ワークピース78は、第1の表面部64の上に所望の方向を向いて装填される。ワ
ークピース78は、当該技術で知られている様々な機構を使用して、第1の表面部
64の上に所望の方向を向いて保持され得る。オペレータが第1の運転制御パネル
94のサイクルスタートボタンを始動させると、制御装置98は回転モータ54及び84
に指令を出して、図3に示されるように、第1の表面部64が加工領域126の内部
でレーザビームの焦点130の直下に位置されるまで、第1のベース部60をX軸に
沿って且つ第1の表面部64をY軸に沿って、移動させる。ワークピース78はそれ
から、レール70及び72の上の第1の表面部64の位置を回転モータ54の回転で制御
し、且つレール40及び42の上の第1のベース部60の位置を回転モータ54の回転で
制御することによって、レーザビームの照射によって所望の方法で加工される。
第1の表面部64の上のワークピース78が加工されると、ワークピース78が第2
の表面部66の上に装填される。第1の表面部64の上のワークピース78と同様に、
第2の表面部66の上のワークピース78は、当該技術では知られた様々な機構を使
用して、所望の位置に保持され得る。
第1の表面部64の上のワークピース78の加工が完了すると、制御装置98は回転
モータ54及び84に指令を出して、図2に示されるように、第1の表面部64及び第
1のベース部60をローディング位置まで移動させる。第1の表面部64及び第1の
ベース部60がローディング位置にくると、オペレータは、第2の運転制御パネル
96のサイクルスタートボタンを始動させることができる。制御装置98は回転モー
タ56及び86に指令を出し、図4に示されるように第2の表面部66が加工領域126
の内部でレーザビームの焦点130の直下に位置されるまで、第2のベース部62を
X軸に沿って且つ第2の表面部66をY軸に沿って、移動させる。ワークピース78
はその後、レール74及び76の上の第2の表面部66の位置とレール40及び42の上の
第2のベース部62の位置とを回転モータ56及び86の回転で制御することによって
レーザへの照射によって所望の方法で加工される。
第2の表面部66の上のワークピース78が加工されると、加工されたワークピー
スが第1の表面部64から取り外されて(unloaded)、未加工のワークピースが第
1の表面部64に装填される。第2の表面部66の上のワークピース78の加工が完了
した後に、制御装置98は回転モータ56及び86に指令を出して、第2の表面部66及
び第1のベース部62をローディング位置まで移動させる。第2の表面部66及び第
2のベース部62がローディング位置に来ると、オペレータは第1の運転制御パネ
ル94のサイクルスタートボタンを始動して第1の表面部64の上のワークピース78
の加工を開始することができる。すべてのワークピース78が加工されるまで、こ
の加工は繰り返され得る。
両方のテーブルがワークピースを加工するために交互に使用されるように本発
明のレーザシステムが説明されているが、テーブルの一方のみを使用して他方の
テーブルでメンテナンスを行うことも可能である。一つのテーブルだけを使用す
ることは、異なった形状のワークピースに異なった加工作業を施すことができる
ように他方のテーブルが変更されている間に、レーザシステムを使用することを
可能にし得る。
ある加工作業においては、オペレータを負傷から保護するために、図5に示す
ように、加工作業中に放出されるレーザ照射或いは有毒ガス(fumes)の漏洩を
防ぐ囲い198を設けることが望ましい。一つのそのような囲い198は、加工領域12
6の周りに位置される複数のカーテンを伴う。カーテン202、204及び206は、加工
領域126の3つの開放端(open sides)に沿って位置される。オペレータの負傷
からの保護に加えて、オペレータは、カーテン202、204及び206を取り除いてダ
ブルX−Yテーブルシステム14及びレーザ源12にアクセスすることができる。
フロントカーテン202は、加工領域126の前方に掛けられる。サイドカーテン20
4及び206は、加工領域126の側面に沿って延長された位置に掛けられる。カーテ
ン204及び206を掛けることは、好ましくは、テーブル16及び18の一つを加工領域
126の中に移動することが望まれるときに、カーテン204及び206を引き込み位置(
不図示)に容易に移動されることを可能にする。テーブル16及び18が加工領域126
の中に移動されると、カーテン204及び206は延長された位置に戻される。カーテ
ン202、204及び206によってそのように形成される囲いは、加工作業中に、X軸
及びY軸に沿ったテーブル16及び18の干渉されない移動のための空間を提供する
。
オペレータに対するより大きな危険を伴う加工作業中にオペレータに対する付
加的な保護を提供することが望まれるときには、囲いはまた、堅い壁のかたちで
構成され得る。堅い囲いは、全レーザシステム10或いは加工領域126を囲うよう
に形成され得る。
本発明が好ましい実施態様を参照して記述されているが、当業者は、本発明の
趣旨及び範囲を逸脱することなしに変更が形態的及び詳細になされ得ることを認
識するであろう。