JPH09504941A - ニワトリ貧血症ウイルス変異体およびワクチン、ならびにウイルスタンパク質vp1、vp2およびvp3またはウイルスをコードする配列に基づくそれらのための用途 - Google Patents

ニワトリ貧血症ウイルス変異体およびワクチン、ならびにウイルスタンパク質vp1、vp2およびvp3またはウイルスをコードする配列に基づくそれらのための用途

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Abstract

(57)【要約】 ニワトリ貧血症ウイルスの新規のタンパク質および該ウイルス(CAV)、特にCAV自身より病原性が少ないにも拘わらず、免疫化された動物で中和抗体を導くワクチンで感染を予防または治療するための組成物が記載される。さらに、CAVおよびアンチイディオタイプの抗体で感染を防ぐための、CAVの部分に対する抗体を含む組成物も記載される。本発明は、CAVを検出するための抗体および検査キットをも提供する。CAVに由来する組換えDNA分子、それでトランフフェクトされた宿主細胞およびこれらの宿主細胞に基づくワクチンも本発明に従えば可能となる。本発明は、DNA片が宿主に対して感染性のあるウイルスに導入された生きたウイルスワクチンをもまた含む。さらに本発明は、特に腫瘍細胞でのアポトプシスの誘発におけるCAVタンパク質の用途を提供する。本発明は、加えて、遺伝子治療による細胞死の誘発をも提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称 ニワトリ貧血症ウイルス変異体およびワクチン、ならびにウイルスタンパク質 VP1,VP2およびVP3またはウイルスをコードする配列に基づくそれらの ための用途 本発明は、ニワトリ貧血症ウイルスの新規なタンパク質および/またはポリペ プチドに関する。さらに、本発明は家禽類におけるウイルス感染、特にニワトリ 貧血症ウイルス(CAV)による感染を予防または治療するためのワクチンおよ び組成物に関する。 特に、本発明はCAVそのものよりも病原性が低いにもかかわらず、免疫化さ れた動物で中和抗体の産生をもたらすワクチンに関する。 さらに、本発明はCAVによる感染を予防するためにCAVの一部に対する抗 体を含有する組成物にも関する。また、抗原に対応する抗原性を有するアンチイ ディオタイプの抗体も本発明の対象である。 本発明はまた、CAV感染の検出または予防のための抗体にも関する。またC AV検出のための診断キットも記述される。 本発明は、さらにCAVタンパク質の少なくとも抗原性を有する部分をコード するCAVに由来する組換えDNA分子、そしてこのような組換えDNA分子で トランスフェクト(移入)された宿主細胞にも関する。これらの宿主細胞に基づ くワクチンが本発明によって可能になる。 また、CAVタンパク質の少なくとも抗原性部分をコードするDNA片が望ま れる宿主を感染するウイルスに導入された、いわゆる生きたウイルスワクチンも 本発明の対象である。 特にニワトリにおけるCAV感染の予防または治療の方法、およびCAVから 成る配列の組換え部分を作る方法、ならびにワクチンの製造方法も本発明の対象 である。 さらに、本発明はCAVのタンパク質をアポプトシス(プログラムさ れた細胞死滅)を誘発するのに用いることに関する。特に、タンパク質(ポリペ プチド)は腫瘍細胞のアポプトシスを誘発するのに用いることができる。 さらに、本発明に従うタンパク質は、その他の望ましくない細胞集団、たとえ ばリュウマチ性関節炎、狼瘡のような自己免疫病における自己免疫反応性T細胞 等を除去するのに用いることができる。 本発明はさらに遺伝子治療による細胞死の誘発をも提供する。これらの治療薬 を製造する方法および治療薬による治療法もまた本発明の対象である。 ニワトリ貧血症ウイルス(CAV)は最近同定されたDNAウイルス(ノテボ ーンおよびデ ボア、1990年)である。それは新しいウイルス科に属する。 若いニワトリで、CAVは赤芽球の前躯体細胞を破壊し、そして胸線細胞を消耗 させ免疫不全によって貧血をもたらす。患部は脾臓および肝臓に生じる(ジュリ セン等、1989年)。最近の研究によると胸腺細胞の消耗はCAVによって誘 発されるアポプトシスによって起こることが示された(ジュリセン等、1992 年b)。 ゲルダーブロム等、(1989年)およびトッド等(1990年)は、電子顕 微鏡を用いる研究によってCAV粒子がT3 20面体対称および23〜25n mの直径を有することを示した。CAV粒子は、平衡沈降の後、CsCl中1. 33〜1.34g/mlの密度で濃縮する。 トッド等(1990年)は単離されたウイルス粒子が50 kDaの分子量を 有するただ1つのタンパク質を含むことを示した。CAV粒子中の1本鎖DNA は円形マイナス鎖の形状である(ゲルダーブロム等;トッド等、1990年;ノ テボーン等、1991年)。複製DNA中間体がクローンされ、そして完全に配 列が決定された。CAVゲノムは2319ヌクレオチド長である。ゲノム構造お よびDNA配列を基にして、このウイルスは既知のウイルス科には位置づけるこ とはできない(ノテボーン等、1991年;トッド等、1991年)。CAVゲ ノムは、分 子量51.6、24.0および13.3kDaを有する可能なタンパク質をコー ドする部分的にまたは完全に重なり合う3つの大きなリーディングフレーム(読 み枠)を含む。CAVゲノムは、さらに1つの明らかなプロモータ/エンハンサ 領域およびただ1つのポリアデニル化シグナルを含む。複製DNA中間体の転写 は、約2100ヌクレオチドから成るポリアデニル化されたポリシストロン性R NA分子を産生する(ノテボーン等、1992年b)。 生後1日目のヒナ(ヒヨコ)がCAV感染に最もかかりやすい。これらの動物 では、CAVを接種後、10日目から傾眠、食欲減退および貧血が観察される。 感染後、死亡率は最大50%にも上る。日数を経るにつれて抵抗もまた増加する 。ジュリセン等(1992年)は、CAVで感染された生後1〜3日目のヒナの ヘマクリット値のみが減少することを報告している。生後1〜21日目のヒナの CAV感染は結果として特に、胸腺皮質の消耗をもたらす。しかしながら、より 老いたニワトリではCAVは無症状的に増殖することができる。より老いたニワ トリのCAV感染は血清変換が起こることにより決定することができる(マクロ イ等、1992年)。 一群のニワトリ内でのCAVの広がりは実質的に接触感染によって起こる。最 も可能性が高いのは、CAV感染された動物からの排泄物によって汚染された排 泄物またはその他のものを摂取することである。空気を経由しての感染も、しか しながら除外することはできない。卵を通してのヒナへのウイルスの媒介がユア サ等(1979年)によって提唱されたが、実験をとおしては、母体動物からヒ ナへのCAVの媒介は本発明者等によって立証することができなかった。 CAVにより誘発された胸腺皮質の消耗に由来する免疫不全が通常非病原性因 子による2次感染の後、現れる症状の起因であると考えられている(デ ボア等 、1992年;エングストローム、1988年;ローゼンバーガーおよびクラウ ド、1989年;ウォン ビュロウ等、19 86年;ユアサ等、1980年)。このようにCAVはニューキャッスル病、マ レック病、感染性滑液包炎(Gumboro)にかかった動物およびレオウイル スに関係のあるブルーウイング病にかかった動物から単離される。CAV感染は 、たとえばニューキャッスル病ウイルスに対して増加されたウイルス感染反応を もたらす。 母性の抗体がCAV感染に対して重要な保護を与えることが知られている。実 験室条件での最近の研究によれば、母性免疫の生後1日目のヒナはCAV感染に かからないことが示された。生後1日目のヒナは、母体動物の卵黄から得られる 抗体を静脈注射することによってある程度保護されることができる(デ ボア等 、発行日不詳)。 CAVは細胞培養物中で増殖することができる。そのようにして得られるウイ ルス力値は一般的に低い。現在MDCC−MSB1細胞(ユアサ、1983年; ユアサ等、1983年)がそのために用いられており、その中でCAVは感染4 8〜72時間後、細胞変性効果を誘発する。MDCC−MSB1細胞は中和抗体 およびCAVに対する抗体を免疫蛍光法によって決定するのに用いられる(ウォ ン ビュロウ等、1985年;チェトル等、1991年)。MDCC−MSB1 細胞中連続継代培養によって、CAVの毒性を弱毒化することはいままでのとこ ろ可能であるということが知られていない。 CAV感染の後、より年老いた動物は病気の症状を現さない。そして母性抗体 を有するヒナは感染から保護されている。これらのデータは、ドイツ国において 生後14〜16週間の母性動物を制御されたCAV感染にさらすことに基づくワ クチンプログラムにおいて用いられた。オランダ国においては、このワクチン法 は、看護者の危険のために実験的レベル以外は許可されていない。前述のとおり 、CAVが受精卵を経由してヒナに媒介されることは全く可能である。マクナル ティ等(1991年)は最近CAVに対して血清陽性である群がCAVに対して 血清陰性の群と比べて産卵数が劣ることを示した。さらに、アディア(私信)は 無症状のCAV感染を有するニワトリにおいて免疫不全がみられることを示した 。可能な母体からのウイルスの広がり、およびCAVの無症状感染によって引き 起こされる免疫不全から無毒化ワクチンに基づくコントロールプログラムが非常 に望ましいものとなる。 一般的に、不活性化ワクチンおよびサブユニットワクチンが最も安全なワクチ ンである。組織培養条件下、CAVは低い力値にしか増殖しないという事実から 不活性化ワクチンの製造は比較的高価でそして労働集約的となる。CAV感染に 対するサブユニットワクチンの製造のためには、ワクチン接種されたニワトリで 保護的免疫応答を誘発するCAVタンパク質が必要である。現在のところ、ただ 1つのタンパク質(VP1と呼ばれる)が精製されたCAV粒子中に見いだされ ている。 驚くべきことに、さらに本発明の実施の形態で示されるように、このタンパク 質だけではCAV感染に対して保護的免疫応答を与えることができないというこ とが見いだされた。VP1がウイルス粒子中に存在するただ1つのタンパク質の ように見える事実にも拘わらず、本発明者等によって今回初めて発現されたVP 2タンパク質がウイルス中和抗体を産生するのに不可欠であるということが見い だされた。そこで、今になって初めてウイルス部分に基づく有効なワクチンを開 発することが可能となった。 本発明者等は、CAVゲノム上に存在する3つのオープンリーディングフレー ムをバキュロウイルス ベクタにクローンした。3種のCAVタンパク質VPI 、VP2およびVP3が組換えCAVバキュロウイルスによる共感染法によって Sf9細胞中、単独で、または他のCAVタンパク質の1つとともに、あるいは 3種すべてが同時に発現された。母性動物にCAVタンパク質の1種またはそれ 以上を含む粗製細胞溶解物を注射した。3種すべてのCAVタンパク質の相応量 または実質的にVP1およびVP2、さらにVP3をいくらか含む抗原調製物で ニワトリを免疫化した後に、初めて中和抗体が産生した。このような動物の卵は 、 CAVに対する母性抗体を含んでいた。ワクチン接種された母性動物のヒナにつ いての感染試験から少なくともCAVタンパク質VP1およびVP2が保護的な 免疫応答を誘発するのに必要であることが示された。3種すべてのCAVタンパ ク質を注射された母性動物のヒナはCAV感染に対してより有効に保護されてい た。Sf9細胞中、各々別々に製造された3種すべてのCAVタンパク質を注射 されたニワトリは、CAVに対する中和抗体をほとんど誘発しなかった。これは CAVに対する中和抗体を最適に誘発するためには2種または3種のCAVタン パク質が一緒に細胞(昆虫)中で、合成されなければならないことを意昧する。 2種または3種のCAVタンパク質の断片は、CAV感染に対する保護的な免 疫応答を生じさせるのに充分であることが可能である。 卵を産む雌鳥のワクチン接種に用いる組換えCAV産生物、VP1+VP2ま たはVP1+VP2+VP3はバキュロウイルス系を用いることにより合成でき る。CAVタンパク質はまた、細菌細胞または酵母細胞、レトロウイルス感染ま たは遺伝子増殖(CH〇−dhfr系)のような他の系を用いても合成すること ができる。 CAVゲノムのオープンリーディングフレームによってコードされる2種また は3種のタンパク質がニワトリで保護的免疫応答を誘発することができるという 事実は生きたウイルスベクタの開発にも適用ができる。VP1+VP2またはV P1+VP2+VP3のためのコード配列がそれで生きたウイルスベクタにクロ ーンされる。 CAVタンパク質VP1、VP2またはVP3の一種が個別に、しかしながら 生きたウイルスベクタという意昧の範囲内において、CAV感染に対する保護的 免疫応答を誘発するのに適しているということもまた可能である。 生きたウイルスベクタにより1種またはそれ以上の前記のCAVタンパク質の 断片を発現することも保護的免疫応答を誘発するために充分であるかもしれない 。 家禽では、それ自身トリ系で良好な複製を示す生きたウイルスベクタのみが使 用できる。ニワトリで使用するのに適切なウイルス性ベクタは他のものを含めて 、鶏痘ウイルス、レトロウイルスベクタ、ヘルペスウイルスベクタ(マーレック ウイルスおよび七面鳥ヘルペスウイルス)、アデノウイルスおよび喉頭気管炎ウ イルスである。CAVによって誘発される細胞死は実質的にVP3にそして部分 的にはVP2に由来することが見いだされた。 VP3のC末端11アミノ酸を削除することによって、VP3によるアポトシ スの誘発が強く減少される。その結果、VP3のC末端領域に終止コドンを導入 することによりCAVの病原活性を著しく減少することができる。VP3のコー ド領域にある余分な終止コドンが完全なCAVゲノムを含むCAVクローン p CAV/EcoRI(ノテボーンおよびデ ボア)に導入される。完全なCAV 変異ゲノムはベクタから切出されそしてリサイクルされる。MDCC−MSB1 細胞はリサイクルされたCAV変異DNAによってトランスフェクトされる、そ してより病原性の少ない子ウイルスが収穫される。ニワトリは弱毒化されたCA V変異ウイルスによりワクチン接種される。VP2タンパク質もまたアポプトシ ス誘発に影響があるので、VP1,VP2および/またはVP3のコード領域内 の変性を含む弱毒化されたCAVを製造することもまた可能である。 前記のVP2および/またはVP3のコード領域に終止コドンを導入すること は、またCAV組換え生きたウイルスベクタの製造にも用いることができる。 より成長した段階でCAVに感染された動物は臨床的な症状を現さない。にも 拘わらず、このような感染は、家禽の業界に対して大きな経済的損害を与えるで あろう。前記の組換えCAV産生物により動物を免疫化することにより前記の無 症状の症状に対する積極的な保護が得られるであろう。 個別的に、または1種または2種の別のCAVタンパク質とともにバキュロウ イルス系で発現された3種のCAVタンパク質は、CAVに対する抗体を追跡す るのに用いることができる。CAVに感染されたまたはワクチン接種されたニワ トリはこのようにして追跡できる。1種またはそれ以上のCAVタンパク質はイ ムノアッセイ、たとえば酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)、イ ムノペルオキシダーゼ染色、および免疫蛍光法等に用いることができる。中和抗 体を測定するためには2種またはそれ以上のCAVタンパク質が要求される。 昆虫細胞中、CAV組換えバキュロウイルスで合成した3種のCAV組換え産 生物によりマウスを免疫化すると、最終的にVP2およびVP3に特異的なモノ クロナール抗体が製造された。これらのモノクロナール抗体は、CAVに感染さ れた細胞中の特異な構造物とのみ反応して、そして非感染の細胞とは反応しなか った。 組換えCAVタンパク質によって産生された抗体を用いることによってCAV に感染されたニワトリの臓器調製物中で、CAVタンパク質を追跡することがで きる。これらのデータに基づいて信頼のおける診断方法が開発される。本発明に 従うモノクロナールおよびポリクロナール抗体は、たとえばELISA、RIA 、SPIA、免疫蛍光アッセイおよびイムノペルオキシダーゼ染色法等のその他 の診断アッセイにおいても、所望ならば1種またはそれ以上のCAVタンパク質 またはそれらの断片とともに使用することができる。 原則的には、免疫学的診断方法の公知のすべての態様が、利用できるすべての ラベルについてそして実施されるべき試験法およびそれが実施される条件に従っ て可能であり、当業者は最も適した態様を選択することができる。さらに、本発 明の目的のためには、抗体および/または他のタンパク質ポリペクチドが望まし い活性を有する限りそれらの誘導体およびまたは断片であってもよい。抗体の場 合、これは少なくとも抗原を認識できねばならないということを意昧する。 本発明に従う抗体は、家禽の受動的(パッシブ)な免疫化にも用いることがで きる。本発明に従う抗体に対して、いわゆる抗原の内部イメージと呼ばれる抗体 が産生される。そして再びこのような状態で、特に受動的な免疫化および診断薬 の分野で用いることができる。 CAVは、感染された胸腺細胞でアポプトシスを誘発する。(ヒト)腫瘍のC AV感染は、また腫瘍細胞の細胞死をもたらすということが可能である。 試験内で、CAVタンパク質VP3はそれ自身、ニワトリ単核性腫瘍細胞にお いて、および様々なヒト腫瘍細胞においてアポプトシスを誘発することができる 。 そのため、CAV蛋白を発現することは(ヒト)腫瘍において細胞死を誘発す るために用いることもできる。VP3タンパク質は、DNAトランスフェクショ ンによって腫瘍中一過的に発現することができる。(腫瘍)細胞中のVP3の発 現は、VP3のコード配列を含む(レトロ)ウイルスベクタで細胞を感染させる ことによっても生じ得る。細胞にVP3タンパク質および/またはVP3のコー ド配列を含む非ウイルス性成分(たとえばリポゾームまたはトランスフェリン由 来のベクタ)を投与することも(腫瘍)細胞中にVP3を発現または存在させる ためのさらなる可能性である。 前記のように使用することにより(腫瘍)細胞中VP2またはVP2とともに VP3を発現することにより細胞死を誘発することも可能となる。 CAVタンパク質VP2および/またはVP3は、(ヒト)腫瘍形成を減少す る治療に用いることができる。これはたとえば本発明に従うタンパク質を直接、 固形腫瘍に注射するか、あるいは腫瘍にくっついている抗リガンドに対する親和 性を有するリガンドにタンパク質をカップリングすることにより起こり得る。こ のカップリングは、化学的におよび(リガンドもまたタンパク質である場合)融 合タンパク質を組換えるこ とにより達成することができる。 化学的カップリングは、直接的にまたはスペーサグループを介して達成するこ とができる。所望ならば、スペーサグループを介するか否かに拘わらず、リガン ドおよびウイルス性タンパク質が結合される分化していない血清タンパク質のよ うな不活性な担体分子を選択することができる。 しばしば提唱されるリガンド/抗リガンド相互作用の組合わせの例は、リガン ド−リセプタ対、たとえばEGF/リセプタ、IL−2/リセプタ、/T細胞リ セプタ、抗体/腫瘍抗原等である。 細胞によって取込まれることができるリガンド−抗リガンドの組合わせが好ま しい。コンジュゲート(接合体)が選択されるとき、細胞中のウイルス性タンパ ク質が未変性の形で戻るように、ウイルス性タンパク質およびリガンド間のカッ プリングとして潜在的に不安的な基を適用することは有利であり得る。必ずしも すべての場合、取込み可能な組合わせを選択する必要はない。腫瘍細胞は代謝的 に活性であり、そして積極的にまたは消極的にファゴシトシスおよび/またはピ ノシトシスにより物質、すなわち本発明に従うタンパク質を取込むであろう。 本発明に従うタンパク質が、どのような様式であれ、カップリングされるリガ ンドは完全なリガンドである必要はない。一般的にそれは、抗リガンド結合部分 を用いれば充分である。また、問題となるリガンドの誘導体もそれらが抗リガン ド結合活性を有する限り有用であるだろう。リガンドが抗体である場合、それに 対して投与されるタイプのものより別のものに由来する抗体がほとんどの場合免 疫応答を起こすであろうという事実が考慮されるべきである。さらに、これは数 多くの他のタンパク質リガンドに対しても当てはまる。 このようにして、抗体が免疫応答を起こさずに、しかも望ましい抗原を認識す るように動作することができるということが充分に知れわたってきた。 下記に、動物抗体がどのようにして人間に対する腫瘍に適するよう(ヒューマ ナイジング)にされるか簡単に説明されるが、別のタイプを適用させることもま た可能であるということは明らかであろう。 まず第1に、FAB、FAB’2またはさらに小さい断片を作成するためにヒ ューマナイズされるべき抗体から一定の部分を化学的に除去することが可能であ る(ウインター等、1990年)。一般に、これらの断片は少なくとも抗原性が より低い。このような断片は組換えDNA法によって作成することができる。 さらに、動物抗体の一定の部分をヒト抗体の対応部分によって組換えDNA法 を用いて置換することもまた可能である(キャビリ等、1984年;ボス等、1 984年)。 加えて、動物抗体の抗原結合領域をヒト由来の抗体に接種することもまた可能 である(ウインター等、1987年)。 それに対して抗体が形成された既知の腫瘍抗原はたとえば、CEA(胎生児癌 抗原)などである。 本発明は下記の実験例によってさらに詳しく説明される。これはしかしながら 例示のためだけであり、権利範囲を限定するものと解釈すべきではない。 実験例 バキュロウイルス、昆虫細胞およびニワトリT細胞 組換えバキュロウイルス pAcRP23−lacZ(ビショプ,1992年 )はR.ポッセ博士(NERCウイルス学研究所、オックスフオード、イングラ ンド)から入手した。そしてゲノムDNAはサマーおよびスミス(1987年) に記載されているとおり精製された。Spodoptera frugiper da(スポドプテラ フルギペルダ、Sf9)細胞はアメリカンティッシュカル チャコレクション(noCRL 1711)から入手した。バキュロウイルスス トックはサマーおよびスミス(1987年)に記載されているように10%牛胎 児血清(S CS)を含むTC100培地(Gibco/BRL)中、融合性単層および懸濁 培地中増殖された。 マレック病ウイルス(ユアサ、1983年;ユアサ等、1983年)で形質転 換されたT細胞系MDCC−MSB1は10%牛胎児血清を含むRPMI−16 80培地(Gibco/BRL)中で増殖された。これらの細胞をDNAトラン スセクション実験で用いた。 実施例1 1.1 CAV DNAのクローニング 全てのCAV DNA配列はプラスミドDNA pIc−20H/CAV−E coRIから最初誘導された(ノテボーンおよびデ ボア,1990年)。プラ スミドDNAによる全てのクローニングステップは、原則的にマニアティス等( 1982年)により記載された方法に従って実施された。 3種のCAVタンパク質VP1,VP2およびVP3のコード配列は、個別に D.H.L.ビショプ博士(NERCウイルス学研究所−オックスフォード、イ ギリス)から入手したバキュロウイルス転移ベクタ pAcYM1(マツウラ等 、1987年)にクローンされた。CAVタンパク質VP3およびそれから誘導 される変異体のコード配列は、発現ベクタpRSV−H20(オフリンガ等)に クローンされた。 DNA形質転換は、E.coli株 HB101で行った。全てのプラスミド は撹拌下、大量の培地で増殖され、CsCl2グラデェントでセファアクリルS −500カラムを通して濾過することにより精製された。 1.2 DNA トランスフェクション 組換えバキュロウイルスAcRP23−lacZのDNAは、サマーおよびス ミス(1987年)によって記載された方法に従って、細胞外バキュロウイルス から単離された。lacZ遺伝子は、制限酵素Bsu361に特異な切断部位を 含む。AcRP23−lacZをBsu36 1で消化することにより直線化した。Sf9細胞は、スミス等(1983年)の 方法に従って直線化バキュロウイルスAcRP23−lacZ DNAのリン酸 カルシウム沈殿物および組換え転移ベクタによってトランスフェクトされた。こ れはSf9細胞についてのグラハムおよびヴァン デル エブ(1973年)の トランスフェクションプロトコールの修正法である。 種々のヒトおよびニワトリ細胞系のトランスフェクションのために10μgの pRSV−VP3、pCMV−VP3、pRSV−trまたはpRSV−tr DNAを25μlのMilli−Q水中に再懸濁し、260μlのTBS緩衝液 と混合した。10mg/ml DEAEデキストラン15μlをDNA混合物に 添加し、室温で30分間、インキュベートした。 細胞は、テーブル遠心分離器中で1500rpmで遠心分離された。培地を、 5mlTBS緩衝液で置換し、そして細胞を注意深く再懸濁した。細胞をペレッ ト状にし、TBS緩衝液を除去した。細胞ペレットを注意深く300のDEAE デキストラン/DNA混合物中に再懸濁し、そして室温で30分間インキュベ ートした。25%DMSO/TBS0.5mlを添加し、そして懸濁液を室温で 3分間インキュベートした。5mlのTBSを添加し、そして細胞をテーブル遠 心分離器中で1500rpmで遠心分離した。上澄み液が除かれ、そして5ml の組織培養液が添加された。細胞を再懸濁し、遠心分離し、5mlの組織培養培 地に入れて、37℃−5%CO2でインキュベートした。 1.3 組換え CAV バキュロウイルスの選択 細胞外バキュロウイルスを含む上澄み液をニュートラルレッド(ブラウンおよ びフォールカー、1977年)およびX−gal(ブラウン等、1991年)を 用いてプラークアッセイで分析した。lacZ陰性プラークを、ミクロタイタ皿 中Sf9細胞の単層に接種した。感染の5日後、上澄み液を収穫し、そして4℃ で貯蔵した。細胞溶解液を32Pでラベ ルしたpIC−20H/CAV−EcoRL DNAをプローブとしてドットス ロット ハイブリダイゼーションアッセイで分析した。 Sf9細胞の単層に、ラベルされたCAV DNA プローブと強くハイブリ ダイズした細胞溶解物の上澄み液を接種した。感染の2日後、細胞を3Hロイシ ンでラベルした。タンパク質は、蛍光法で可視化された14%ポリアクリルアミ ド(PPA)SDSゲル(レムリ、1970年)上で分離され、そして特異組換 えCAVタンパク質の存在およびβ−ガラクトシダーゼタンパク質の不存在につ いて試験された。 1.4 粗CAVタンパク質調製物の合成 感染されたSf9の細胞中、期待されたCAVタンパク質を発現した組換えC AVバキュロウイルスをサマーおよびスミス(1983年)に記載された方法に 従って、すくい上げた。単層状のSf9細胞を細胞あたり約5−プラーク形成単 位(pfu)の感染度(moi)を有するバキュロウイルスの1つの型で感染し た。2種または3種の違ったCAV組換えバキュロウイルスの共感染は、細胞あ たり10pfuの各々の組換えCAVバキュロウイルスのmoiを有するSf9 の細胞単層の上で実施された。感染の3日後、感染されたSf9細胞を収穫した 。粗細胞溶解物をPBS緩衝液に懸濁した。 実施例2 2.1 ニワトリをCAV−特異的タンパク質により免疫化 生後6週間のニワトリのグループに、1種またはそれ以上の組換えCAVバキ ュロウイルスで感染された106または108Sf9細胞の完全なフロイントアジ ュバント中で乳化された粗溶解物を腹腔内および皮下注射した。コントロールと して8匹の動物のグループに完全なフロイントアジュバントに乳化したPBS緩 衝液を注射し、免疫化実験を行った。免疫化の後、異なった日に血液を採取し、 そして血清を分析してCAVに対する中和抗体を調べた。 2.2 母性動物のCAVに対する免疫化 各々16雌鳥からなる4つのグループに、同時にVP1,VP2およびVP3 組換えバキュロウイルスで、またはVPIおよびVP2組換えバキュロウイルス で、またはVP1およびVP2組換えバキュロウイルスで、VP1およびVP3 組換えバキュロウイルスで、またはVP2およびVP3組換えバキュロウイルス で感染した2×107Sf9細胞の粗溶解物を注射した。細胞溶解物は、完全な フロイントアジュバントの等体積に乳化した。コントロールとして、16匹の雌 鳥のグループに完全なフロイントアジュバント中、PBS緩衝液を注射した。こ れらの溶解物またはPBS緩衝液を注射した雌鳥の卵の卵黄物質をクロロホルム で抽出し、そして中和抗体の存在を分析した。 実施例3 3.1 CAVタンパク質に特異的なモノクロナール抗体の製造と同定 モノクロナール抗体CVI−CAV−85.1は、不完全なフロイントアジュ バントを注入したMDCC−MSB1細胞をマウスの腹腔内に注射することによ り得られた。最後に、免疫化したマウスの脾臓細胞をP3×63−Ag8.65 3骨髄腫細胞に融合した(ノテボーン等,1991年)。 CAV抗原に対する他のモノクロナール抗体は、3種のCAV組換えバキュロ ウイルスで感染したSf9細胞の粗抽出物を4BALB/Cマウスの脾臓に注射 することにより得られた。免疫化したマウスの血清を免疫化の後、CAVに対す る中和抗体の有無について7週間試験した。免疫化マウスの脾臓細胞をP3×6 3−Ag8.653骨髄腫細胞に融合した。CAV抗原に対する抗体を次の異な った方法で試験した:血清中和試験;精製したCAVおよびCAV組換えバキュ ロウイルスで感染したSf9の細胞の粗溶解物に基づくELISA法;CAV感 染MDCC−MSB1またはCAV組換えバキュロウイルスで感染されたSf9 細胞についての免疫蛍光法;CAV組換えバキュロウイルスで感染され たSf9細胞の粗溶解物のウェスタンブロット法;およびCAV感染ニワトリの 胸腺分室(coupe)のイムノペルオキシダーゼ染色法。 実施例4 4.1 試験管内中和試験 粗Sf9細胞溶解物またはPBS緩衝液を注射したニワトリおよびマウスの血 清を1:2または1:4に希釈し、そして2倍連続希釈した。希釈された血清を 1時間104〜105TC1D50CAV−Cux−1でインキュベートした(フォ ン ビューロ等,1983年;フォン ビューロ等,1985年)。マレック病 ウイルスで形質転換されたT細胞系MDCC−MSB1の約100,000細胞 を希釈血清およびウイルスのこの混合物で感染させた。コントロールとして、陽 性CAV抗血清および非病原性ニワトリに由来する陰性血清で中和されたCAV でMDCC−MSB1細胞を感染した。 4.2 CAV誘発実験 免疫化された雌鳥の5つのグループの有精卵を孵化した。1日目にヒナに105.5 TC1D50CAV−Cux−1を筋肉注射した。感染6日後および14日後 に、グループあたり5匹のヒナを解剖した。胸腺を肉眼でおよび免疫組織学的に 検査した。またヘパリン血を採取し、そして血液細胞をウイルス再単離アッセイ で検査した。感染14日後にヘマトクリットを決定するために全ての動物からヘ パリン血を採取した。 実施例5 5.1 免疫組織および免疫蛍光 冷凍した胸腺分室と骨髄を作成し、ジュリセン等(1988年)に記載されて いるようにCAV−特異的モノクロナール抗体でイムノペルオキシダーゼ染色す るのに用いた。 細胞を80%アセトンで固定し、CAV−特異的モノクロナール抗体およびフ ルオロセインイソチオシアネートでコンジュゲートしたヤギ抗−マウスIgCを 用いる免疫蛍光試験に使用した。 5.2 血液試料中のCAVの検出 CAV感染されたヒナの血液試料をPBSで3回洗浄し、1mlとした。得ら れた細胞懸濁液20μlを105MDCC−MSB1細胞に添加した。CAV− 特異的細胞病原性効果が見られるまで、MDCC−MSB1細胞を4〜5日毎に 10倍希釈し、新鮮な培地に移した。10回継代培養の後、細胞病原性効果が見 られなければ、ウイルス単離は陰性とみなされた。継代培養の回数は、感染ヒナ ドリの血液中に存在する感染性CAVの量の目安である。 結果と考察 組換え転移ベクタの作製 CAVゲノムは、部分的にまたは完全に互いが重なり合う3つの大きなオープ ンリーディングフレームを含む。異なったリーディングフレームで開始コドンを 用いてCAVゲノムは3つの特異なタンパク質をコードする。CAVタンパク質 のコード配列を別々にバキュロウイルス転移ベクタpAcYM1にクローンした (VP1,図1;VP2,図2;VP3,図3)。VP3リーディングフレーム はVP2リーディングフレーム内に完全に入るので、VP2の発現の際、VPが 明らかにより少ない程度であるが合成される。転移ベクタpAcYM1は、ポリ ヘドリンのコード配列を欠く。ポリヘドリンプロモータは、その内にポリヘドリ ン遺伝子の開始コドンのA−末端およびポリアデニル化シグナルを含む3′−非 コード配列を含有する。ポリヘドリン配列の両側に挟むようにウイルス配列があ る。転移ベクタは、細菌中での増殖のための原核配列を含む(マツウラ等,19 87年)。 プラスミドpEP−51.6(ノテボーン等,1992年a)は、791位〜 2319位CAV DNA配列を含む。CAV DNA挿入部は、62bp5′ −および117bp3′非コードDNA配列によって挟まれたVP1タンパク質 の完全なコード領域を含む。プラスミドpEP−51.6を部分的にHindII Iで切断し、それからEcoRIで完 全に切断し、そして粘着末端をクレノウポリメラーゼを用いて平滑にした。1. 5kbCAV DNA断片が単離された。プラスミドpAcYM1をBamHI で直線化し、粘着末端をクレノウポリメラーゼで平滑にし、最後にアルカリホス ファターゼ(CIP)で処理した。1.53kbCAV DNA断片を直線化さ れたpAcYM1 DNAに結合した。pAcYM1 DNA中のVP1の方向 は、制限酵素分析により決定された。最終的な構築物pAcVP1を図4に示す 。 プラスミドpEP−24.0(ノテボーン等,発表日不詳)は、354位〜1 508位(ノテボーンおよびデ ボア,1990年)のCAV DNA配列を持 つ1.15kbBamHI DNA断片を含む。このCAV DNA断片は、2 6bp5′−および484bp3′非コードDNA配列で挟まれたVP2のコー ド領域を含む。VP2の開始コドンの106bp下流、別のリーディングフレー ムにVP3の開始コドンおよびVP3のための他のコード配列が見いだされる。 プラスミドpEP−24.0をBamHIで処理し、1.15kb DNA断片 を単離し、BamHIで直線化しかつCIP−処理した9.3kbpAcYM1 プラスミドに結合した。最終DNA構築物pAcVP2は、制限酵素で同定され た。これを図4に示す。 プラスミドpEP−13.3(ノテボーン等,発表日不詳)は、427位〜8 68位CAV DNA配列(ノテボーンおよびデ ボア,1990年)を持つ0 .46KbBamHI−EcoRI DNA断片を含む。CAV DNA断片は 、VP3のコード領域、すなわち58bp5′−および25bp3′非コードD NA配列を含む。プラスミドpEP−13.3を制限酵素BamHIおよびEc oRIで切断し、そして0.46kbBamHI−EcoRI断片を単離した。 転移ベクタpAcYM1 DNAをBamHIで直線化し、CIPで処理し、そ して9.3Kb断片を単離した。2つの合成DNAオリゴマ 5’−GATCC AACCCGGGTTG−3′および5′−AATTCAACCCGGG TTG−3′を互いに対合(ハイブリダイズ)し、そしてともにBamHI−E coRI DNAリンカを形成した。DNAリンカを0.46BamHI−Ec oRIおよび9.3kbBamHI DNA断片に結合した。最終構築物pAc −VP3を制限酵素消化により分析した。これを図4に示す。 組換えCAVバキュロウイルスの作製 3種の組換えCAV転移ベクタの各々をSf9細胞中、組換えバキュロウイル スAcRP23−lacZ DNAと一緒に、個別的にトランスフェクトした。 トランスフェクションは裸のバキュロウイルスDNAおよび転移ベクタDNAで 起こった。このバキュロウイルスゲノムは、ポリヘドリンプロモータの制御のも とポリヘドリン遺伝子の代わりにlacZ遺伝子を含む。相同(ホモロガス)組 換えの後、lacZ遺伝子の代わりに、そしてポリヘドリン遺伝子のプロモータ の制御下、3種のCAV遺伝子のひとつを常に導入したバキュロウイルスが得ら れた。CAV遺伝子を正しく導入したバキュロウイルスは、もはやlacZ遺伝 子を含まない。まず第1に、バキュロウイルスで感染した昆虫細胞のプラーク中 で、組換えCAVウイルスにβ−ガラクトシダーゼ活性がないことを同定した。 さらに、バキュロウイルスゲノム中へのCAV DNA配列の組み込みをハイブ リダイゼーション試験で、CAV−特異的DNAプローブを用いて決定した。 Sf9細胞中、CAVタンパク質の発現 組換えCAVで感染されたSf9細胞中での特定のCAVタンパク質の発現は 、3Hロイシンでのタンパク質ラベリングおよびPAA−SDSゲル電気泳動を 用いて分析された。 CAVタンパク質VP1は、計算分子量51.6kDaを有する(ノテボーン およびデ ボア,1990年)。組換えVP1バキュロウイルスで感染された昆 虫細胞の溶解物は、バキュロウイルス性および細胞産生物の他に52kDaのタ ンパク質を含む。52kbaのタンパク質は、 バキュロウイルスAcRP23−lacZで感染された昆虫細胞の溶解物および 非感染の細胞中には存在しない。VP1のコード配列を試験管内で発現すると、 結果として52kDaのタンパク質が得られた(ノテボーンおよびデ ボア,1 992年)。ウサギ網状赤血球溶解物中で合成されたVP1および昆虫細胞中で 合成されたVP1が同一の分子量を有するので、VP1は、おそらくグリコシル 化されていない。 VP2をコードするが、VP3のコード配列の全ても含む遺伝子を試験管内系 で翻訳すると、30および28kDaの特定のCAVタンパク質そして少量の1 6kDaタンパク質産生物が産生された。VP3をコードするオープンリーディ ングフレームのみを試験管内系で翻訳すると、しかしながら16kDaのタンパ ク質のみが産生された。感染された昆虫細胞中で、組換えVP2バキュロウイル スによりVP2を発現すると、約28kDaおよび30kDaの特定の産物が産 生された。組換えlacZバキュロウイルスで感染されたSf9細胞は、これら のCAV特異的タンパク質を含まない。16kDaのCAV特異的産生物は、非 常に少量でのみ例証されることができた。これらのデータは、VP2バキュロウ イルスがタンパク質VP2を強く発現するが、VP3を少程度発現することを示 す。その可能な説明は、バキュロウイルスゲノム上にある遺伝子内で閉じ込めら れた開始コドンが非常に非効率的に用いられるということである。 感染された昆虫細胞中で、合成された組換えVP3バキュロウイルスは、16 kDaの主生成物と分子量約21,000および12,000〜14,000を 有する幾つかのタンパク質を少量、産生した。免疫蛍光アッセイで、CAV特異 的モノクロナール抗体CVI−CAV−85.1は、VP3を発現するSf9細 胞と特異的に反応する。このモノクロナール抗体は、VP3組換えバキュロウイ ルスで感染された、放射性同位体でラベルしたSf9細胞の溶解物から分子量1 6,000を有するタンパク質のみを特異的に沈殿させた。ペプスカン(pep scan) 分析(ガイセン等,1984年)において、モノクロナール抗体CVI−CAV −85.1のエピトープはVP3のN末端に局在化されていた。ペプスカン分析 を図5に示す。 組換えCAVタンパク質で免疫化されたニワトリでの中和抗体の誘発 ニワトリ貧血症の場合、中和抗体が保護と適切に関連があることが確認されて いる。ニワトリに中和抗体を誘発するCAVタンパク質または幾つかのCAVタ ンパク質は、こうしてサブユニットワクチンの基礎を形成する。 まず第1に、本発明者らは、どのCAVタンパク質がCAVに対して抗体を誘 発し、ニワトリで中和可能か検査した。生後約6週間の8匹のニワトリを1グル ープにして、完全なフロイントアジュバントに乳化した組換えCAV感染細胞1 06または108の溶解物を注射した。コントロールとして8匹のニワトリの1グ ループに完全なフロイントアジュバントに乳化したPBS緩衝液を注射した。免 疫化前および免疫化、2、4および6週間後、血液試料を採取した。完全なフロ イントアジュバント中、PBSを注射したコントロール群の動物のどれもCAV に対する中和抗体を産生しなかった(表1)。組換えVP2または組換えVP3 バキュロウイルスで感染された106または108昆虫細胞の溶解物を注射したニ ワトリもCAVに対して中和抗体を産生しなかった。組換えVP1バキュロウイ ルス昆虫細胞で感染された溶解物を注射されたニワトリのうち3匹のニワトリが 、そして108感染細胞の投与量を注射されたニワトリのうち2匹のニワトリが 1:8〜1:32の範囲の低い力価を呈した。 3種の組換えCAVタンパク質を別々にニワトリに注射すると、全くあるいは ほんのわずかしかCAVに対する中和抗体を誘発しないと結論される。 続いて、本発明者らは3種の組換えCAVタンパク質の組み合わせがニワトリ で中和抗体を誘発することができるかどうか研究した。この目 的のために、Sf9細胞を3種の組換えCAVバキュロウイルスで同時に感染さ せた。こうして組換えVP1+VP2+VP3を含む感染された106または1 08細胞の粗溶解物が調製された。生後6〜8週間の8匹のニワトリをグループ に分け、完全なフロイントアジュバントに乳化した溶解物を注射した。コントロ ールとして、8匹のニワトリのグループに完全なフロイントアジュバント中に乳 化したPBS緩衝液を注射した。免疫化5週間後、106感染細胞の溶解物で免 疫化した8匹のニワトリは、全て32〜256の間の中和抗体力価を持つことが 見いだされた。ところが108細胞で免疫化した8匹の動物中の7匹は16〜5 12の間の中和抗体の力価を持っていた(表2a)。免疫化7週間後、両方のグ ループの全ての動物がCAVに対する中和抗体力価を呈することが見いだされた 。PBS緩衝液を注射されたニワトリのグループは、CAVに対する中和免疫応 答を示さないことが見いだされた。 CAVに対する中和抗体の誘発のためには、3種のCAVタンパク質が昆虫細 胞の中で同時に合成されることが本当に必要か? この質問に答えるために、S f9細胞をVP1,VP2およびVP3組換えバキュロウイルスで別々に感染さ せた。それから、粗細胞溶解物を組み合わせ、フロイントアジュバントと混合し そして8匹のニワトリのグループに注射した。コントロール調製物として、全て 3種のCAVタンパク質を同時に合成したSf9細胞の粗溶解物を用いた。両方 の調製物を完全なフロイントアジュバント中に乳化し、各々8匹のニワトリから なる別々のグループに注射した。 3種のCAVタンパク質が別々に合成されたSf9細胞の粗溶解物を注射され たグループのニワトリの血清は、CAVに対する中和抗体を全く含まないか、ま たはほんの少しのみしか含まないことが判った。しかしながら、3種のCAVタ ンパク質を一緒に合成したSf9細胞の粗溶解物を注射されたコントロールグル ープの動物は、期待されたように中和免疫応答を示すことが見いだされた。PB S緩衝液を注射された動物 は、陰性であることが判った。 免疫化された母性動物の卵の中の中和抗体 上記の免疫実験から、Sf9細胞中、一緒に発現された3種の組換えCAVタ ンパク質がCAVに対する中和抗体を誘発したことが示された。次の実験で、2 種のCAVタンパク質の組み合わせもまた中和抗体を誘発できるかどうか調べた 。ここでは、免疫化された母性動物の卵黄中の抗体を測定した。 生後33週間の16匹のニワトリを4つのグループに分け、組換えCAVバキ ュロウイルスの違った組み合わせで同時に感染されたSf9細胞の粗溶解物を注 射した。VP1+VP2+VP3かVP1+VP2のいずれかを含む調製物は、 ほとんどの動物で、それらの卵に明らかに認識されうる中和抗体を誘発した(表 3)。VP1+VP3か、VP2+VP3のいずれかを含む調製物を注射された ニワトリの卵は、卵黄に明らかな中和抗体を含まないことが判った。検査したニ ワトリの1匹の卵黄が低い力価の中和抗体を含むことが見いだされただけであっ た。PBS緩衝液を注射された16匹のニワトリのコントロールグループの卵に は、中和抗体が見つからなかった。組換えCAVタンパク質を用いる上記の実験 のデータから、CAV感染に対する中和抗体を誘発するにはVP1+VP2がと もに必要でありかつ充分であることが示される。しかしながら、VP1+VP2 訓製物中の少量のVP3も除外できない。 免疫化されたニワトリのヒナでのCAV挑戦に対する保護 母体抗体がCAV感染によって引き起こされる臨床学的症状から若いヒナを保 護する。本発明者らは、特定の組換えCAVタンパク質で免疫化したどのグルー プのニワトリのヒナがCAV挑戦に対して保護されるかを研究した。ここで、ウ イルスを単離し、そして胸腺の萎縮、ヘマトクリットの減少および死亡率の増大 というCAVに特徴的な臨床学的症状を観察した。 生後23日と35日の間のヒナをグループに分け、高い投与量のCA Vで挑戦した。感染の6日後、PBS緩衝液を注射された母性動物を持つ解剖さ れた5匹の動物には全て肉眼で判る胸腺の減少が見いだされた。組換えVP2+ VP3を注射された母性動物のヒナの場合、5匹の動物中、4匹に小さい胸腺が あった。しかしながら、3種の組換えCAVタンパク質を一緒に注射された母牲 動物の5匹のヒナは、解剖されると全て正常な胸腺を有することが判った。VP 1+VP2で処理された母性動物のヒナのグループでは、調べた5匹の動物のう ち、1匹のみが減少した胸腺を有することが見いだされた(表4)。感染の14 日後、グループあたり5匹の動物を解剖した。組換えVP2+VP3またはPB S緩衝液で免疫化した母性動物の全てのヒナは、胸腺萎縮を患った。3種の組換 えCAVタンパク質を一緒に注射した動物のグループの検査したヒナは全て正常 な胸腺を有していた。組換えVP1+VP2を注射した動物の調べたヒナのうち 1匹のみが減少した胸腺を有していた(表4)。組換えVP2およびVP3を注 射した母性動物のヒナについて記載されているように(コシュ,未発表結果)、 組換えVP1およびVP3を注射した母性動物のヒナが減少した胸腺を有するこ とが別の実験でも示された。感染14日後、全てのCAV感染されたヒナのヘマ トクリットを決定した。27%のヘマトクリットが貧血症の限度として選択され た。PBS緩衡液を注射した母性動物のヒナは、全て7〜19%内の値の非常に 減少したヘマトクリットを持つことが判った。組換えVP2+VP3を注射した 母性動物のヒナは、平均的にわずかばかり高いヘマトクリットを有する。これら のグループでは、1匹の動物のみが27より大きいヘマトクリットを有していた 。別の実験から、組換えVP1およびVP3を注射した母性動物のヒナは減少し たヘマトクリットを有していたことが示された(コシュ,未発表結果)。VPI ,VP2およびVP3を含む調製物を注射した動物のヒナで調べた35匹のうち 、1匹の動物のみがはずれたヘマトクリットを持っていた。ところが、VP1+ VP2グループの中では、29匹の調べた動物のうち、2匹が27%以下の ヘマトクリットを有した。 組換えVP2およびVP3を注射した母性動物のヒナについて50.9%の高 い死亡率が、そしてPBSを注射したグループでは48.3%の死亡率が観察さ れた。組換えVP1+VP2+VP3を注射した母性動物のヒナのグループでは 、死亡率は9%であり、VP1+VP2グループでは15.4%であった。しか し、動物のほとんどは、挑戦後5日以内に死亡した。CAV感染による死亡は、 一般に後で起こる。この理由から、本発明者らは、表6で挑戦後、14日目以前 と14日目以降の死亡率を区別した。14日目以前の死亡は、しばしば非特異的 であり、なかんずく注射の結果である。14日目以降の死亡率は、VP1+VP 2+VP3に対する母体抗体のある動物のグループでは、7%であり、VP1+ VP2に対する母体抗体のグループでは0%、VP2+VP3に対する母体抗体 のグループでは27.4%、そしてコントロールグループでは20.7%である 。VP2+VP3グループでは、8匹の動物が、おそらく貧血症によるヒナの劣 った条件の結果としてヘマトクリットを決定するために血液試料を採取した後、 死亡した。PBSグループでは、血液採取中、2匹の動物が死亡した。これらの 全ての動物は、明らかに減少した胸腺を持っていた。 CAV感染されたヒナのウイルス血症は、血液細胞のウイルス単離を実施する ことにより検査した。グループあたり5匹の動物のヘパリン血液試料を挑戦後、 6日および14日目に採取した。VP2+VP3またはPBSを注射し、そして 現実的にCAV感染に対して保護されていなかった母性動物のヒナは、感染6日 後および14日後に比較的高いウイルス力価を含有していることが判った。感染 の6日後、VP1+VP2+VP3またはVP1+VP2を注射した動物は、前 記のヒナより明らかに低いウイルス力価を含有することが判った。感染の14日 後、VP1+VP2+VP3を注射した動物のヒナのグループのみが他の3つの グループより明らかに低いウイルス力価を持っていた。 母性動物中で中和抗体を誘発する実験結果によって、組換えCAVタンパク質 VP1およびVP2が中和免疫応答を誘発するのに非常に重要であることが示さ れる。感染実験は、組換えCAVタンパク質VP3がVP1+VP2で得られる 効果に加えて補完的な保護を与えることを示す。 CAVに対するモノクロナール抗体の製造と同定 CAVに対するモノクロナール抗体を製造するために、VP1,VP2および VP3組換えバキュロウイルスで共感染されたSf9細胞の粗溶解物をマウスに 注射した。全部でCAV抗原に対するモノクロナール抗体を産生する9の異なっ たハイブリドーマ細胞系が得られた。 バキュロウイルス発現系で製造されたCAV抗原のウエスタンブロットによっ て、モノクロナール抗体111.1,111.2,111.4,112.1,1 12.2,120.1および120.2がVP2に対して強く指向しており、そ してモノクロナール抗体111.3および120.3がVP3に対して強く指向 していることが示された。VP2と強く反応するモノクロナール抗体は、全てV P3と弱い交差反応を示す。逆に、VP3に対するモノクロナール抗体は、VP 2と弱い交差反応を示す。 ハイブリドーマ製造のために用いた免疫化マウスの血清がCAVに対する中和 活性を有するにもかかわらず、得られたモノクロナール抗体がいずれもCAVに 対する中和活性を有しないことが血清中和試験によって示された。 ペプスカン分析(ゲイセン等,1984年)で、モノクロナール抗体111. 2のエピトープはVP2の中央に局在化していた(図6)。モノクロナール抗体 111.3は、VP3のN末端のエピトープ(図7)、すなわちモノクロナール 抗体CVI−CAV−85.1(図5)によって認識されるVP3エピトープの 傍らに、指向することが見いだされた。 VP2およびVP3に対するモノクロナール抗体がCAV感染された MDCC−MSB1細胞中で、特定の構造を認識することが免疫蛍光法によって 示された。CAV抗原に対するモノクロナール抗体のいずれも非感染のMDCC −MSB1細胞と反応しなかった。CAV感染細胞中で、VP2特異的モノクロ ナール抗体はVP3特異的モノクロナール抗体よりも他の構造を認識する。 ニワトリ細胞でのVP3の発現によるアポプトシスの誘発 ジュリセン等は、CAVが感染された胸腺細胞でアポプトシスを起こすことを 示した。本発明者らは、CAVタンパク質のうちの1つ、特にVP3が単独でニ ワトリT細胞中、アポプトシスを起こすことが可能がどうか研究した。 VP3のコード配列を発現ベクトルpRSV−20Hにクローンした。427 位−868位のCAV DNA配列(ノテボーン等,1991年)を持つ0.4 6kb BamHI−EcoRI断片をプラスミドpEP−13.3から単離し た。CAV DNA断片は、VP3のコード配列そしてさらに58bp5′およ び25bp3′−を挟む配列を含む。ベクタpRSV−H20をBglIIで直 線化し、CIPで処理し、そして4.3kb断片を単離した。2つの合成DNA オリゴマ5’−GATCCAACCCGGGTTG−3′および5′−AATT CAACCCGGGTTG−3′をハイブリダイズし、そして2本鎖BamHI −EcoRIリンカを形成した。BamHI−EcoRI DNAリンカおよび 0.46kb BamHI−EcoRI DNA断片を4.3kb BglII DNA断片に結合した。最終構築物pRSV−VP3は、ラウス肉腫ウイルス プロモータ制御のもとでのVP3のコード配列を含んでいた。そして制限酵素分 析によって確認された(図8a,ノテボーン等,1993年)。 MDCC−MSB1細胞をDEAEデキストラン方法を用いてpRSV−VP 3のDNAでトランスフェクトした。トランスフェクションの42時間後、細胞 を固定し、そしてモノクロナール抗体CVI−CAV −85.1で染色して、VP3の発現について分析した。細胞をさらに、無傷の 核のDNAを非常に強く染色するが、アポプトシスされた核のDNAを弱く染色 するヨウ化プロピジウム(propidium iodide)で染色した(テ ルフォード等,1992年)。トランスフェクトされた細胞の90%以上で、ヨ ウ化プロピジウムで染色された核の中に微顆粒状のVP3が分配されて含まれて いた。感染の2日後、VP3を発現する細胞の40%は、ヨウ化プロピジウムで 弱く染色される核を含むことが見いだされ、そしてVP3は集合体(団粒)とし て存在した。感染3日目およびその後で、VP3含有細胞の90%以上は、VP 3集合体およびヨウ化プロピジウムで弱く染色されたDNAを含むことが見いだ された(図9)。トランスフェクションの3日後、VP3でトランスフェクトさ れた細胞のDNAは、アポプトシスに特徴的なオリゴヌクレオソマール ラダー パターン(oligonucleosomal ladder patter n)を示した。 トランスフェクト細胞中に観察されたVP3分布は、CAV感染されたMDC C−MSB1細胞のそれとよく対応する。感染後、初期(1〜1.5日後)には 、VP3は核に微顆粒状に分布され、細胞DNAはこの段階では無傷である。感 染の後期(約3日後)に、VP3は核中で集合体を形成する(コシュ,発表日不 詳)。CAV感染された細胞のDNAは断片化されている(ジュリセン等,19 92年)。 本発明者らの結論は、VP3それ自身MDCC−MSB1細胞中、CAV特異 的アポプトシスを誘発できるということである。単核細胞系LSCC−HD11 中で、VP3をコードするpRSV−VP3を発現させても、これらの細胞でア ポプトシスを引き起こした。 MDCC−MSB1細胞中でのVP2タンパク質の発現は、また細胞DNAに 損傷を起こす。VP2をコードするDNAでMDCC−MSB1細胞を感染した 3日後、トランスフェクトされた細胞の20%が、そして感染5日後、細胞の約 半分が、核がヨウ化プロピジウムで弱く染色 される。この理由から、VP2もまたVP3より程度が少ないが、CAV特異的 細胞死の誘発に関与しているようである。 MDCC−MSB1細胞中でのアポプトシスの誘発について末端を切り取った (トランケート)VP3の影響 VP3は、鎖長121アミノ酸からなるタンパク質で、2つのプロリンが豊富 な片、疎水性領域および2つの弱い正の荷電部分を含む(図8b)。正の荷電領 域は、おそらく核局在化シグナルおよび/またはDNA−結合領域である(ノテ ボーン等,1987年,ラマクリシュナン,1993年)。 本発明者らは、VP3の基本C末端がVP3のアポプトシス活性に関与してい るかどうか研究した。この目的のために、VP3コード配列のC末端で11コド ンを取り除いて、末端が切り取られたVP3生成物を製造した。プラスミドpE P−VP3を制限酵素BamHIおよびHindIIIで切断し、そして0.38 kb BamHI−HindIII DNAを単離した。2つの合成DNAオリゴ マ5′−AGCTTGATTACCACTACTCCCTGAG−3′および5 ′−TCGACTCAGGGAGTAGTGGTAATCA−3′をハイブリダ イズし、そして2本鎖HindIII−SalI DNAリンカを形成した。プラ スミドpRSV−H20をBglIIおよびSalIで切断し、アルカリフォスフ ァターゼで処理し、そして4.3kb DNA断片を単離した。HindIII− SalI DNAリンカおよび0.38kb BamHI−HindIII断片を 4.3kb BglII−SalI断片の中で結合した。RSVプロモータの制御 のもと、末端の切り取られたVP3タンパク質のコード配列を含む最終構築物を 制限酵素および配列分析によって分析した(図8a)。 MDCC−MSB1細胞を一過的にpRSV−t−DNAでトランスフェクト し、そしてトランスフェクションの後、異なった時期にモノクロナールCVI− CAV−85.1およびヨウ化プロピジウムで染色し た。トランスフェクション42時間後、末端を切り取られたVP3を発現する細 胞は、ほとんどその核に微顆粒状VP3を含んでいることを免疫蛍光が示した。 細胞DNAは、ヨウ化プロピジウムで強く染色された。トランスフェクションの 3日後でも、まだ末端を切り取られたVP3を発現する細胞の80%がヨウ化プ ロピジウムで強く染色された核を持つていた(図9)。pRSV−trでトラン スフェクションの3日後、MDCC−MSB1細胞から単離されたDNAは、p RSV−VP3でトランスフェクトされたMDCC−MSB1細胞から単離され たDNAより分解しないことが判った。末端を切り取られたVP3を発現する細 胞のヨウ化プロピジウム陽性核の割合は、トランスフェクション後、5日目で約 50%にまで緩やかに滅少した。末端を切り取られたVP3を含みそしてヨウ化 プロピジウムで弱く染色された細胞のほとんどは、顆粒状VP3分布を有してい た。単一の細胞のみがVP3集合体を含んでいた。MDCC−MSB1細胞中で の末端を切り取られたVP3の発現では、野生型VP3の発現よりもかなり効率 悪く細胞死が誘発された。VP3変異体は、野生型VP3よりも少なくしか集合 体を形成できないことも注目できる。 ヒト腫瘍細胞中でのVP3発現によるアポプトシスの誘発 ヒト細胞でVP3を発現するために、発現ベクタpRSV−VP3(図8a) およびpCMV−VP3を用いた。VP3のコード配列を、シトメガロウイルス (CMV)の強カプロモータとその近傍に初期(early)遺伝子を含む発現 ベクタにクローンした(ボスハート等,1985年)。427位〜868位のC AV DNA配列を有する0.46BamHI断片(ノテボーン等,1991年 )をプラスミドpAc−VP3から単離した(図4)。ベクタpCMV−neo をBamHIで直線化し、CIPで処理し、そして7.5kb断片を単離した。 0.46BamHI DNA断片を7.5BamHI DNA断片に結合した。 最終構築物pCMV−VP3中のCMVプロモータに関して、VP3コ ード配列の正しい方向は制限酵素分析を用いて決定した(図10)。 ヒト細胞中、端を切り取ったVP3を発現するために、端を切り取ったVP3 をコードするプラスミドpRSV−trの0.46kbXhoI−SalI断片 をクレノウポリメラーゼと処理して平滑断端を与えそして単離した。pCMV− neoベクタをBamHIで直線化し、平滑断端を与え、そしてCIPで処理し て脱リン酸化した。0.46kb平滑断端DNA断片を7.5平滑断端DNA断 片に結合した。構築物pCMV−trはCMVプロモータの制御のもと、端の切 り取られたVP3のコード配列を含む(図10)。 まず第1に、VP3を3つのヒト造血腫瘍細胞系KG−1,DOHH−2およ びK562そして不死化した細胞系Jobo−0中で発現した。細胞系KG−1 およびK562は、ヒト骨髄球性白血病の異なった患者に(コフラーおよびコル ディ,1980年)そしてDOHH−2系は濾胞B−リンパ腫(ランデゲント等 ,未公表結果)の患者に由来する。Jobo−0細胞をエプスタイン、バールウ イルス(ランデゲント,未公表結果)で不死化した。4つのヒト細胞系をpRS V−VP3(KG−1)のDNAまたはpCMV−VP3(DOHH−2,K5 62およびJobo−1)のDNAでトランスフェクトした。細胞を固定化し、 そしてモノクロナールCVI−CAV−85.1で染色することによりVP3発 現を、ならびにヨウ化プロピジウムで染色することによりアポプトシスの誘発を 分析した。トランスフェクション後、すぐにVP3陽性細胞でヨウ化プロピジウ ムで染色された核中に微顆粒状VP3の分布が観察され、そしてプロピジウムで 染色されなかった核中にVP3集合体を含む核が観察された。ヨウ化プロピジウ ムで染色されずVP3集合体を含む核を有するVP3陽性細胞の割合は、4つの 異なった造血細胞系について、トランスフェクションの5日後で75〜95%の 間の範囲にあることが判った(図11a)。続いてK562細胞を、C末端が切 り取られたVP3を発現するプラスミドpCMV−trのDNAでトラン スフェクトした。K562細胞中で末端が切り取られたVP3を発現すると、野 生型VP3より細胞死の誘発がより効率的ではなかった。 本発明者らの結論は、ヒト造血腫瘍細胞系でVP3の発現は、アポプトシスの 特異的な誘発をもたらすということである。ヒト乳腫瘍細胞系MCF−7(リッ プマン等,1980年)中、VP3を発現しても、アポプトシスの誘発の結果と なった(ノテボーン等,未発表結果)。 機能的p53を含まない(ヒト)腫瘍および腫瘍細胞系は化学療法剤および放 射線治療による細胞死の誘発に対して感受性がないかまたは少ないと、文献には 記載されている(ロー等,1993年)。特定の抗腫瘍剤によるアポプトシスの 誘発において、腫瘍サプレサー遺伝子p53が媒介体として働く。本発明者らは 、p53を持たないかまたは変位体p53を持つヒト細胞中で、VP3がアポプ トシスを誘発できるかどうか検査した。VP3をプラスミドpCMV−VP3を 用いるDEAE−デキストラントランスフェクションによりヒト骨肉腫細胞中で 発現した。骨肉腫由来SaoS−2細胞はp53を合成できない。そしてSao S−2/Ala143細胞は、変異した、したがって機能的でないp53を発現 する。正コントロールとして野生型p53を含むU2−OS細胞系を用いた(デ ィラ等,1990年)。p53-(SaoS−2およびSaoS−2/Ala1 43)であるかp53+(U2−OS)である細胞中で、VP3は比較できる程 度にアポプトシスを誘発できることが図12aの結果から示される。トランスフ ェクションの6日後、VP3陽性細胞のほとんどは消滅している。末端の切り取 られたVP3の発現は、SaoS−2細胞で、ずっと効率悪くアポプトシスを誘 発した(図12b)。本発明者らの結論は、腫瘍サプレサー遺伝子p53を含む かまたは含まないヒト腫瘍細胞中でVP3がアポプトシスを特異的に誘発できる ということである。 図面の説明 図1は、ニワトリ貧血症ウイルスのVP1タンパク質のDNA配列お よびアミノ酸配列を表す。CAV DNA配列の順番は、オランダ国特許900 2008に記載されている。 図2は、ニワトリ貧血症ウイルスのVP2タンパク質のDNA配列およびアミ ノ酸配列を表す。CAV DNA配列の順番は、オランダ国特許9002008 に記載されている。 国3は、ニワトリ貧血症ウイルスのVP3タンパク質のDNA配列およびアミ ノ酸配列を表す。CAV DNA配列の順番は、オランダ国特許9002008 に記載されている。 図4は、3種のCAV組換え転移ベクタpAc−VP1,pAc−VP2およ びpAc−VP3の図式的表示である。 図5は、VP3由来のペプチド(12−mers)を有するモノクロナール抗 体CV1−CAV−85.1のペプスキャン分析を表す。CV1−CAV−85 .1がそれに対して指向する核配列PSTVFRは、VPアミノ酸配列の12位 〜17位である(ノテボーン等,1991年)。 図6は、VP2由来のペプチド(12−mers)を有するモノクロナール抗 体111.2のペプスキャン分析を表す。モノクロナール111.2は、VP2 アミノ酸配列の109位〜116位であるエピトープGLEDRSTQを指向す る(ノテボーン等,1991年)。ペプチド番号1〜140で得られた結果のみ が示されている(ペプチド番号141〜206の吸光度≦0.103)。 図7は、VP3由来のペプチド(12−mers)を有するモノクロナール抗 体111.3のペプスキャン分析を表す。モノクロナール111.3は、VP3 アミノ酸配列の19位〜23位であるエピトープPTSSRを指向する。 図8パネルAは、2種の発現ベクタpRSV−VP3およびpRSV−trの 図式的表示である。パネルBは、CAVタンパク質VP3のアミノ酸配列を表す 。プロリン残基はイタリック体で印刷され、基本アミ ノ酸は太字で印刷されている。発現ベクタ中、コドンが取り除かれている11の C末端アミノ酸には下線が施されている。 図9は、VP3または末端が切り取られたVP3のアポプトシス効果の速度論 (kinetics)を表す。MDCC−MSB1細胞をプラスミドpRSV− VP3(0)またはpRSV−trでトランスフェクトし、固定しそしてトラン スフェクション後、異なったときにモノクロナール抗体CV1−CAV−85. 1で染色した。通常、ヨウ化プロピジウムで染色される、免疫蛍光を呈す細胞の 百分率が示されている。一試験あたり、VP3または末端の切り取られたVP3 を発現した少なくとも100細胞が数えられた。 図10は、発現ベクタpCMV−VP3およびpCMV−trの図式的表示で ある。 図11は、ヒト造血(腫瘍)細胞に対するVP3のアポプトシス効果の速度論 を表す。KG1細胞系をプラスミドpRSV−VP3でトランスフェクトし、そ して細胞系DOHH−2,K562およびJobo−0をプラスミドpCMV− VP3でトランスフェクトした。ヨウ化プロピジウムで弱く染色される核を有す るVP3陽性細胞、すなわち消滅細胞の百分率が示されている。一試験あたり少 なくとも200細胞を数えた。 図12は、ヒト骨肉腫細胞系に対するVP3のアポプトシス効果の速度論を表 す。細胞系Saos−2,Saos−2/Ala143およびU2−OSの細胞 をプラスミドpCMV−VP3でトランスフェクトした。ヨウ化プロピジウムで 弱く染色する核を有するVP3陽性細胞、すなわち消滅細胞の百分率が示されて いる。一試験あたり少なくとも500細胞を数えた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12N 15/02 9453−4B C12Q 1/68 A C12P 21/08 9356−4H C07K 14/01 C12Q 1/68 9281−4B C12N 5/00 B // C07K 14/01 9162−4B 15/00 C (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.自然環境から遊離された、ニワトリ貧血症ウイルスに由来し、図1、図2 または図3のうちの1つの少なくとも一部分を含んで成り、かつニワトリ貧血症 ウイルスに対してアポプトシスを誘発することができるか、または直接あるいは 間接酌に抗体を産生することができることを特徴とするポリペプチド。 2.アポプトシスを誘発する能力を減少させる変異がその中で提供されている 請求項1記載のポリペプチド。 3.ニワトリ貧血症ウイルス感染予防用組成物であり、少なくとも請求項1ま たは2記載のポリペプチドとアジュバントとを含んで成ることを特徴とする組成 物。 4.請求項1または2記載の1種以上のポリペプチドをコードすることを特徴 とする組換えDNA分子。 5.図1、図2または図3の核酸配列の鎖の1本の少なくとも一部分を含んで 成るか、あるいは図1、図2または図3の核酸配列の鎖の1本の少なくとも一部 分を含んで成るDNA分子と、厳酷な条件下でハイブリダイズする請求項4記載 のDNA分子。 6.少なくとも請求項2または5記載のDNA分子と発現のための公知の制御 因子とを含んで成ることを特徴とするベクタ。 7.ウイルスに由来する請求項6記載のベクタ。 8.レトロウイルスに由来する請求項7記載のベクタ。 9.少なくとも部分的にバキュロウイルスに由来する請求項6記載のベクタ。 10.生きたウイルスベクタに由来する請求項6記載のベクタ。 11.請求項4または5記載の他のDNA分子を、第2のDNA分子として含ん で成る請求項6〜10のいずれかに記載のベクタ。 12.キメラタンパク質をコードする請求項6〜10のいずれかに記載のベクタ 。 13.請求項6〜12のいずれかに記載のベクタでトランスフェクトされたこと を特徴とする宿主細胞。 14.請求項9記載のベクタでトランスフェクトされたことを特徴とする昆虫細 胞。 15.請求項10記載のベクタとアジュバントとを含んで成ることを特徴とする 家禽類でのニワトリ貧血症予防用組成物。 16.少なくとも1つのウイルスタンパク質をコードするDNA中に、アポプト シスを誘発する能力が減少されるような変異を有することを特徴とする末端が切 り取られたニワトリ貧血症ウイルス。 17.前記変異は、図8bのポリペプチドの11C末端アミノ酸をウイルスが発 現しないような変異である請求項16記載のウイルス。 18.請求項16または17記載のウイルスとアジュバントとを含んで成ること を特徴とする家禽類でのニワトリ貧血症感染予防用組成物。 19.請求項1または2記載のポリペプチドに対して指向することを特徴とする 抗体、その誘導体またはその断片。 20.少なくとも請求項1または2記載のポリペプチドと、検出用の試薬とを含 んで成ることを特徴とするニワトリ貧血症ウイルスに対する抗体を検出する装置 。 21.少なくとも請求項19記載の抗体、その誘導体またはその断片と、検出用 の試薬とを含んで成ることを特徴とする請求項1記載のポリペプチド検出する装 置。 22.細胞死の誘発における請求項1記載のポリペプチドの用途。 23.腫瘍の治療における請求項1記載のポリペプチドの用途。 24.請求項4または5記載のDNA分子が腫瘍細胞中で発現されることを特徴 とする腫瘍の治療法。 25.前記DNA分子が、ウイルス性ベクタによって腫瘍細胞に導入される請求 項24記載の治療法。 26.前記DNA分子が、レセプタ仲介による取込みを経て腫瘍細胞に 導入される請求項24記載の治療法。 27.前記DNA分子がリポゾームによって腫瘍細胞に導入される請求項24記 載の治療法。 28.請求項1記載のポリペプチドと腫瘍に関連するタンパク質、糖質またはリ ン脂質に親和性を有する物質とを少なくとも含んで成ることを特徴とする腫瘍治 療のためのコンジュゲート。 29.腫瘍に親和性のある物質が抗体、その誘導体またはその断片である請求項 28記載のコンジュゲート。 30.DNAが直接、腫瘍に注射される請求項24の治療法。 31.DNAがエレクトロポレーションによって腫瘍細胞に導入される請求項2 4記載の治療法。 32.DNAがパーティクルボンバードメント(粒子爆撃)によって腫瘍細胞に 導入される請求項24記載の治療法。 33.少なくともポリペプチドが、パーティクルボンバートメント(粒子爆撃) によって腫瘍細胞に導入される請求項28および29記載の治療法。
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