JPH09504738A - 可変フランジ・ビーム・ブランク及び連続鋳造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 仕上げ圧延に先立って鋳造時の形状をブレークダウン圧延機で変更することを要せずに、鋳造された状態のものを、構造用製品の１つのシリーズに含まれる全ての製品サイズに圧延するのに適したビーム・ブランク、及び、ビーム・ブランクを連続鋳造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】 可変フランジ・ビーム・ブランク及び連続鋳造方法 発明の背景 本発明は、構造用ビーム製品をローリング（圧延）で得るための連続鋳造のビ ーム・ブランク（長尺半製品）に関し、特に、仕上げ圧延に先立って、鋳造され たままの形状をブレークダウン圧延機で変更する必要がなく、構造用ビーム製品 シリーズに含まれる全ての完成品のビーム形状に圧延するのに適した、可変フラ ンジ・ビーム・ブランクを連続鋳造する方法に関する。 川崎製鉄技報Ｎo.３（１９８１年９月）は、最新技術のビーム・ブランクは、 圧延後の完成品のビームサイズに出来るだけよく近似した形状に連続鋳造される ことを開示している。この鋳造のプラクティスは、それがビーム完成品の品質及 び歩留りの双方を改善することから確立されたものである。この改善は、ビーム 完成品に圧延するのに必要な寸法変更が小さければ、凸縁部（タング）の伸びや 、端部のクロップ損失や、不規則なフランジ厚み等の多くの圧延（ローリング・ ミル）の問題を低減することから、理解されるものである。これら圧延の問題は 、一般に、鋳造ビーム・ブランクの種々の要素とビーム完成品との間の容積上の 関係についての不適切な理解のために起きるものである。従来技術の連続鋳造の ビーム・ブランクは、完成品のビーム・サイズに出来るだけ近い寸法にされるの で、鋳造されたままでは、それは選択されたほんの少しの種類のビーム完成品に 汎用圧延し得るのみである。 この点を更に強調するため、アメリカ鉄鋼協会（ＡＩＳＩ）の第７７総会で提 供された「アルゴマ・スチール社におけるビーム・ブランクの連続鋳造」なる標 題の論文を参照する。このＡＩＳＩ刊行物は、アルゴマ社が、図１に示されたビ ーム・ブランクＡ〜Ｃを連続鋳造して使用したことを教示している。アルゴマ社 は、ビーム・ブランクＡが１４種類の完成品のビームサイズに圧延するのに適し ていること、ビーム・ブランクＢが１２種類のビーム製品を生産すること、及び 、ビーム・ブランクＣが７種類の完成品のサイズに圧延され得ることを開示する 。その全ての場合において、アルゴマ社の鋳造されたままのビーム・ブランクは 、汎用圧延機で仕上げ圧延する前に、まず従来のブレークダウン圧延機で圧延し て、鋳造されたままの形状を実質的に変更しなければならない。 ビーム・ブランクの技術が進むと共に、業界は、鋳造ビーム・ブランクとそれ に対応するビーム完成品との間の関係を考慮する必要性を認識し始めた。業界は 、更に、生産量及び歩留りを増大させるために、調節可能な鋳造型を設ける必要 性を認識した。 フォワード等に与えられた米国特許第5,082,746号は、１）所望のビーム又は 他の構造用形鋼の完成品の形状に近似する、２）圧延工程の数、つまり、所望の 最終サイズに達する迄に行なわなければならない工程数を最小にする、又は、３ ）ウエブ厚みとフランジ厚みとの関係を制御して要求される加工への制御を行な い、ビーム・ブランクのフランジの破断、並びに、ウエブ部分の望ましくない伸 び、及び／又は、座屈を最小にする、連続鋳造されたままのビーム・ブランクを 開示することにより、これに関した必要性に言及する。フォワードは、更に、ブ ランクのウエブが３インチ以下の平均厚みを有し、フランジに形成される部分の 平均厚みとウエブ部分の平均厚みの比が０．５：１から約２：１の間にある連続 鋳造ビーム・ブランクを提供することを開示する。 フォワードは、鋳造ビーム・ブランクのウエブ部分とフランジ部分の厚み比を 考量する必要性を教示するものの、ウエブ／フランジの断面積比を考量する必要 性を認識していない。彼は、また、そのようなウエブ／フランジ比と、所望の完 成品におけるこれに対応する比とを関連づける必要性を認識していなかった。 ストルーベル等は、米国特許第5,036,902号の中で、調節可能な連続鋳造型の 必要性に言及している。彼は、連続鋳造型の端壁を調整してビーム・ブランクの フランジ厚みを変化させることを教示する。しかし、ストルーベルは、所望の完 成品での対応する比に実質的に等しい所望のウエブ／フランジ面積比を得るため に鋳造ビーム・ブランクのフランジ厚みを変化させることを教示せず、また、示 唆すらしていない。多くの場合には、このような教示なしでは、ストルーベルの 鋳造ビーム・フランジは、貧弱な生産歩留りを実現するのみで、且つ、上述の少 なからぬ圧延問題を招くこととなろう。 このような現在の鋳造ビーム・ブランクの技術のため、製造者は、鋳造された ままのビーム・ブランクに対してまずブレークダウン圧延機で有意の修正を加え ることなしには、構造用ビーム製品シリーズの全てに圧延するのに適したビーム ・ブランクを鋳造することが出来ない。構造用ビーム製品シリーズとは、同じビ ーム深さ（ｄ）を有する各種ビームサイズの全ての範囲のことである。例えば、 「ベスレヘム構造用形鋼」のカタログ３２７７及びカタログ折込み３２７７Ａに 列挙された広幅フランジビームのサイズ、Ｗ３６×３００からＷ３６×１３５の 範囲に含まれるビーム完成品の全てである。 発明の概要 従って、本発明の目的は、鋳造されたままのビーム・ブランクにブレークダウ ン圧延機で有意の修正を加えることなしに、ビーム完成品の１シリーズの全範囲 の如何なる最終ビームサイズにも圧延するのに適した、単一の連続鋳造可変フラ ンジ・ビーム・ブランクを提供することである。 本発明の更なる目的は、ビーム完成品のための圧延中に凸縁部の伸び量を大き く減らすことである。 本発明の更に別の目的は、ビーム完成品のための圧延中における、フランジ厚 み又はウエブ厚みの何れのバラツキをも最小にすることである。 最後に、本発明の更なる目的は、ビーム完成品の１シリーズの全範囲の如何な る最終のビームサイズにも圧延するのに適した可変フランジ・ビーム・ブランク を連続鋳造する方法を提供することである。 発明者等は、ビーム完成品の１つのシリーズにおける最大ｂfよりも大きなフ ランジ幅（ｂf）、汎用圧延機（ユニバーサル・ロール・ミル）の圧延幅に近い ウエブ深さ（ｄw）、及び、ビーム製品シリーズに含まれる所望の完成品のビー ムサイズのＡw／Ａf比と実質的に等しいウエブ面積／フランジ面積比（Ａw／Ａf ）を有するビーム・ブランクを連続鋳造する方法により、上述の目的が達成され ることを見出した。 図面の簡単な説明 図面は、調節可能な連続鋳造型及び連続鋳造ビーム・ブランク長尺材の断面の 端面図である。 発明の詳細な説明 図面を参照すると、連続鋳造型１０内に示された、連続鋳造されるビーム・ブ ランク長尺材１の断面は、断面積Ａwにより特定されたウエブ部分２と、断面積 Ａfにより特定された２つのフランジ部分３とを有する。様々な構造用鋼材製造 者は、現在のところ、同図に示された一般的な形状を有する連続的に鋳造された ビーム・ブランクからビーム完成品を圧延している。しかしながら、これら従来 技術の鋳造ビーム・ブランクは、鋳造されたままでは、限られたビームサイズに のみ圧延できることが見出された。殆どの場合には、そのようなビーム・ブラン クは、汎用の圧延仕上げをする前にブレークダウン圧延機により有意の修正を加 えることが必要である。これらの制限は、主として業界の、鋳造ビーム・ブラン クの種々の部分間の容積上の関係と、これら部分とビーム完成品のこれら部分に 対応する部分との関連とに関する理解についての大きな欠如の結果である。 前記各特許に示されたように、また、特に米国特許第5,082,746号に開示され たように、ビーム・ブランクの最新技術は、圧延作業中に経験された前述の問題 を克服するために、ビーム・ブランクのウエブ部分とフランジ部分との間の厚み 関係をバランスさせる必要性を教示している。この目的のために、フォワードは 、特に、フランジとウエブの厚み比率が０．５：１から２：１迄のビーム・ブラ ンクを鋳造することを教示している。しかしながら、鋳造ビーム・ブランクを上 述の基準に基づくものとすると、それらは、数種類の所望の完成品のビームサイ ズとなるように圧延するためには、厳密に規定された寸法範囲内に鋳造するか、 或いは、ブレークダウン圧延機で有意の修正を加えるかしなければならない。 本発明は、所望のビーム完成品のウエブ面積対フランジ面積比（Ａw／Ａf）に 実質的に等しいウエブ面積対フランジ面積比（Ａw／Ａf）を有する形状に鋳造さ れるビーム・ブランクに向けられており、ビーム・ブランクを、厳密に規定され た厚み寸法に鋳造する必要性を除くものである。また、鋳造型を調節し、これに より、鋳造ビーム・ブランクと所望の完成品との間でＡw／Ａf比を実質的に等し く維持することによりフランジ面積を変更すると、そのような連続鋳造ビーム・ ブランクは、ビーム製品の１つのシリーズの全体に含まれる如何なる最終ビーム サイズにも圧延可能であることもまた発見された。更に、Ａw／Ａf比が等しいの で、ブレークダウン圧延機の必要性が除かれ、フランジ部分とウエブ部分との間 で圧延伸びが等しくなる。その結果、凸縁部の伸び及び端面クロップの切取りが 大きく低減され、製品品質及び歩留りの双方が改善される。 ウエブ厚みとフランジ厚みの比（ｔw／ｔf）に基づいた寸法特性を有する連続 鋳造ビーム・ブランクと、Ａw／Ａf比に基づいた寸法を有する同じ鋳造ビーム・ ブランクとの間の固有の差を更によく示すために、ベスレヘム・スチール社によ り製造される、３６インチ深さの広幅フランジビーム製品の前記シリーズの全体 を参照する。表１に示したように、Ｗ３６×３９３ビーム完成品は、37.38イン チのトータル深さ（ｄ）を有し、33.400インチのウエブ深さ（ｄw）と、1.220イ ンチのウエブ厚み（ｔw）と、16.830インチのフランジ幅（ｂf）と、0.555のｔw ／ｔf比とを有する。フォワードの教示によると、彼の連続鋳造ビーム・ブラン クは、２つの基準に基づいている。第１の基準は、ビーム完成品の形状に近似す る形状にビーム・ブランクが鋳造されることを要求し、第２の基準は、ビーム・ ブランクのｔw／ｔf比が０．５：１〜約２：１の範囲内にあることを要求する。 次に、ビーム・ブランクのフランジ厚み（ｔf）を変化させるために鋳造型を 調節するフォワードの教示を使用して、ビーム・ブランクの１シリーズを連続鋳 造するとどんなことが起きるかを考える。我々は、完成品に近似するブランクを 鋳造することを欲するものであるから、Ｗ３６シリーズにおける最大ビームサイ ズの形状を複製するように型の大きさを決めるものと仮定する。鋳造型１０の調 節可能な端壁１１を、その完成品に適合する2.200インチのｔfを鋳造するように 設定すると、表１に示したように、この鋳造ビーム・ブランクは完成品によく適 合する。従って、このビーム・ブランクを鋳造し、且つ、殆ど或いは全く問題な しに、汎用圧延機で直接に圧延することが出来るであろう。 更に、フォワードの教示について続ける。鋳造型１０のウエブ開口１２又はフ ランジ幅１３の何れをも調節できなかったことを考慮し、ビーム完成品のＷ３６ シリーズにおいてリストアップされたビームサイズの範囲を見るときに、我々は 、ビーム・ブランクのフランジ３のｔfを増加又は減少させるために型の端壁を 調節する。表１に更に示されるように、鋳造ビーム・ブランクのｔfが所望のビ ームサイズのｔfに適合するように変更されるときには、ビーム・ブランクが完 成品の形状に近似し、且つ、ビーム・ブランクのｔw／ｔf比が０．５：１〜２： １の比率範囲にあることにおいて、その鋳造ビーム・ブランクは、フォワードの 教示の範囲内に留まる。 表１は、厚み比がフォワードの範囲内にあるとしても、ビーム・ブランクが最 終ビームサイズに圧延されたときに問題が生じることを示している。例えば、Ｗ ３６×３９３ビームのウエブとフランジの断面積を比較すると、鋳造された状態 のビーム・ブランクをその完成品に圧延する際には、ウエブ部分とフランジ部分 の双方は均一に伸びる（即ち、ウエブ40.748/40.748＝１、フランジ37.026/37.0 26＝１）。これは、同表の同じ値のＡw／Ａf比1.101で確認できる。しかしなが ら、もし、Ｗ３６シリーズに含まれるその他のビームサイズのために、フォワー ドの教示をこの鋳造されたままのビーム・ブランクと完成品との双方に適用し続 けると、鋳造された状態でのＡw／Ａf比は、もはや完成品のＡw／Ａf比に等しく ないことが判る。例えば、Ｗ３６×２５６ビームサイズの場合には、鋳造された ままのビーム・ブランクをその完成品に鋳造する際には、ウエブ部分とフランジ 部分とが不均一に伸びることが判る、即ち、（ウエブ40.748/32.611=1.250、フ ランジ37.009/21.132=1.751）。これは、仕上げ圧延の際に金属の相互流動がな ければ、Ｗ３６×２５６の鋳造されたままのビーム・ブランクのウエブ部分は、 そのフランジ部分よりも１．４０２倍（即ち、1.75/1.250=1.402）長くなろうと するからである。ウエブ部分とフランジ部分との間のこの不均一な伸びは、製品 の仕上げ圧延の際にウエブの座屈及び／又はフランジの薄肉化の傾向を増大させ 、そのような圧延の問題の制御は、不可能ではないにしろ、困難である。汎用圧 延機では、高いレベルで金属の相互流動を起こすことは極めて困難である。多量 の金属相互流動を達成するには、汎用圧延機での仕上げ圧延作業に送る前に、ま ず、鋳造されたままのビーム・ブランクを、ブレークダウン圧延機で再成形しな ければならない。そのときでさえ、多くの余分な材料が、伸びた凸縁を形成し、 ブレークダウン圧延製品の端縁クロップの切取りの際に失われる。従って、フォ ワードの鋳造されたままのビーム・ブランクは、汎用圧延機に直接に送ることが 出来ず、そのビーム・ブランクをブレークダウン圧延機で再成形する工程は、不 均一な伸び及びクロップ切取りのために、実質的な製品ロスをを引き起こす。 表１に明白に示されたように、所望のビーム完成品のｔfに合わせてビーム・ ブランクのｔfを対称的に変化させた場合には、そして、ビーム・ブランクの形 状が前記教示されたｔw／ｔf比の範囲内にあったとしても、ビーム・ブランクの フランジ部分とウエブ部分との間の不均一な分布は、そのビームシリーズの全体 で再び生ずる問題となる。 本発明は、ビーム製品の所定のシリーズに含まれる完成品のビームサイズの何 れにも圧延できる改良された可変フランジ・ビーム・ブランクを連続鋳造するた めの、これまでに知られていなかった方法に向けられる。フランジの不均一や、 凸縁部の伸びや、クロップ切取りロスの何れをも伴うことなしに、完成品のビー ムサイズが汎用圧延機で直接に圧延される。改良されたビーム・ブランクを連続 鋳造するために、３つの基準を守らなければならない。第１の基準は、連続鋳造 型１０のフランジ幅開口１３を、ビーム製品シリーズに含まれる最大のビームサ イズのフランジ幅（ｂf）よりも大きくしなければならない。第２に、鋳造型の ウエブ開口１２の大きさは、汎用圧延機のロール幅に近いウエブ深さ（ｄw）を 有するビーム・ブランクを鋳造するように決めなければならない。そして、第３ には、所望の完成品のビームサイズのＡw／Ａf比と実質的に等しいＡw／Ａf比を 有するビーム・ブランクを鋳造するように、鋳造型の端壁１１を調節しなければ ならない。 表２及び図面を参照し、第１の基準を満たすためにこれらを見ると、Ｗ３６シ リーズの最大の完成品ビームサイズはＷ３６×３９３ビームである。このビーム は、16.830インチのｂf、1.220インチのウエブ厚みｔwを有する。Ｗ３６×３９ ３のｂfが16.830インチであることを知ると、Ｗ３６シリーズのビームにおける 最大ｂfよりも大きな幅を有する開口ｂfを設けることにより、適切なサイズのフ ランジ幅開口を鋳造型１０に設けることが出来る。例えば、16.830"（Ｗ３６の 最大ｂf）＋1.000"＝17.830"（鋳造型のｂf）である。 第２の基準を満足し、改良されたビーム・ブランクのウエブ深さ（ｄw）を汎 用圧延機のロール幅に適合させることを保証するために、単に、ウエブ開口１２ のｄwを、ビームシリーズにリストアップされた共通のｄwに設定する。この場合 、開口（ｄw）は33.380インチである。ｄwの選択に関連して、型の開口１２のウ エブ厚みも考慮しなければならない。鋳造されたままのビーム・ブランクのｔw は、ビーム完成品のｔwよりも大きくなければならない。しかしながら、ｔwの選 択は、完成品で望まれる金属学的性質に基づくべきである。従って、ｔwは、完 成品に適切な粒子構造を与える圧延減少率を許容できる大きさにすべきである。 このケースでは、減少率４．１：１、つまり、多くの構造用製品で共通の減少率 を得るために5.000インチのｔwが選ばれた。しかし、圧延される材料の組成及び 完成品の所望の粒子構造に依存して減少率が広い範囲で変動し得ることを考慮す べきである。従って、重要な基準は、鋳造された状態で完成品のｔwよりも大き なｔwを有するビーム・ブランクを供給することである。 かくて、第１及び第２の基準は、改良された鋳造ビーム・ブランクが、Ｗ３６ ビームシリーズにリストアップされた最大ｂfよりも大きなｂfを有するであろう こと、及び、そのｄwが汎用圧延機のロールに適合するであろうことにおいて、 満足される。鋳造型の開口１２及びフランジ幅の開口１３の双方は、鋳造ビーム ・ブランクの形状変更のために調節することは出来ない、固定寸法である。 第３の基準は、Ａw／Ａf比に向けられ、ビーム完成品のＡw／Ａf比に等しくな るように、改良されたビーム・ブランクのＡw／Ａf比を変更できるように調節可 能とすることである。図面に示したように、型の端壁１１は、鋳造型１０のＸ− Ｘ軸に向かって近づき又はこれから遠ざかるように調節可能である。そのような 端壁の稠節は、改良された鋳造ビーム・ブランク長尺材のフランジ断面積Ａfを 広い範囲で変更可能とする。ウエブ開口１２の断面積が166.90平方インチである ことを知れば、151.59平方インチのＡfを有する改良されたビーム・ブランクを 鋳造して、1.101のＡw／Ａf比への適合を得るように端壁１１を調節しなければ ならないと計算することは簡単なことである。 ビーム・ブランクの151.59平方インチのフランジ面積を得るのに必要な、要求 された端壁調節を計算するために、図面を再び参照する。ビーム・ブランクのフ ランジ３は、ビーム・ブランクのウエブ２に隣接するテーパー部ｔf1と、鋳造型 の調節可能な端壁１１に隣接する矩形部ｔf2とを有する。テーパー部ｔf1は所定 の断面積を有し、他方、断面積部分ｔf2は、型の端壁１１を調節することにより 変更可能である。 汎用圧延の通常のプラクティスでは、ビーム・ブランク部分ｔf1の内側フラン ジ角度１４を、１０°〜２０°の角度内にすべきと確立されている。しかしなが ら、０°〜９０°のビーム・ブランクのフランジ角度の殆ど何れもが使用できる ことを理解すべきである。この例では、１５°の角度が選定され、この角度を知 ることにより、ｔf1で規定されるフランジ部分の面積が19.630平方インチの固定 断面積を有することが計算できる。これから、端壁１１が、131.96平方インチの 長方形フランジ開口を形成するように調節しなければならないことが判る、つま り、151.59Ａf−19.630ｔf1＝131.96平方インチである。従って、ｂf開口が17.8 30インチであることを知っているので、要求された131.96インチ断面積を得るの には、ｔf2を7.40インチに調節しなければならない。 表２に示したように、本発明に従ってｔf2開口を変更するように端壁１１を対 称的に調節するならば、Ａw／Ａf比はそのビームシリーズの全体に適合し、且つ 、フランジ部分とウエブ部分との間の金属分布が等しくなる。Ｗ３６シリーズの Ａw／Ａf比は、１：１から２：１迄の比率範囲に含まれる。Ｉ型ビームの全ライ ンアップ又はＷ４０シリーズからＷ４シリーズ迄を始めとする広幅ビーム製品を 考えると、完成品のＡw／Ａf比が０．４：１から約２．６：１迄の比率範囲にあ ることが判る。 そのような、改良された連続鋳造ビーム・ブランクは、汎用圧延機に直接に送 ることができ、ブレークダウン圧延機での圧延による凸縁部の伸びや収率損失を 生ずることがないことにおいて、圧延作業を容易にする。更に、表２に示される ように、ビーム・ブランクの、この例では１７の異なるビームサイズの、１つの シリーズの全てを鋳造するのに単一の鋳造型が使用でき、これにより工業生産性 を向上させる。 本発明を好適な態様に従って詳細に説明したが、請求の範囲で示される本発明 の範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正が可能であることが理解され る。例えば、Ａw／Ａf比に基づいた連続鋳造方法の発明は、ビーム製品の２以上 のシリーズに含まれる全ての範囲の完成品のビームサイズを圧延するのに適した 改良ビーム・ブランクを鋳造する単一の調節方法に適用することが出来る。この 新規なＡw／Ａf比のビーム・ブランク連続鋳造方法は、構造用Ｔ形鋼やレールの ような他の構造用製品や、２つのフランジを個々に考慮するときには、ビーム製 品の対称なフランジをも、鋳造し且つ圧延することに適合させることが出来る。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９５年１月１８日 【補正内容】 請求の範囲 １． 鋳造された状態のものを、１つのビームシリーズに含まれる完成品のビー ムサイズの何れにも直接に仕上げ圧延する、ビーム・ブランクを連続鋳造する方 法であって： （ａ） 下記i）〜iii）を有する鋳造型を設けるステップ、 i）調節可能な端壁、 ii）鋳造型を貫いて延びると共に前記鋳造型内に所定の断面積（Ａw）を有する ウエブ開口、及び iii）前記鋳造型を貫いて延び、前記ウエブ開口に隣接すると共に前記鋳造型内 に可変断面積（Ａf）を有する少なくとも１つのフランジ開口； （ｂ） 前記ウエブ開口に向かって近づき又はこれから遠ざかるように少なくと も１つの端壁を調節し、前記断面積Ａfを変更して前記ビームシリーズに含まれ るビーム完成品のＡw／Ａf比に等しいＡw／Ａf比を得るステップ； （ｃ） 前記鋳造型を貫いて延びる前記ウエブ開口及び前記フランジ開口内に液 状鋼を注ぐステップ； （ｄ） 前記ビーム・ブランクを鋳造するステップ；及び （ｅ） 前記鋳造型のＡw／Ａf比と等しいＡw／Ａf比を有するビーム完成品を圧 延するステップ を有することを特徴とする方法。 ２． 請求項１に記載の発明であって、前記可変断面積部Ａfが、 （ａ） 前記ウエブ開口に隣接し所定の断面積を有するテーパー部（ｔf1）と、 （ｂ） 前記鋳造型の少なくとも１つの調節可能な端壁に隣接し、可変の断面積 を有する矩形部と を有することを特徴とする方法。 ３． 請求項２に記載の発明であって、前記テーパー部（ｔf1）が、 （ａ） 前記ビームシリーズの完成品のビームサイズの範囲に含まれる最大フラ ンジ幅ｂfよりも大きなフランジ幅（ｂf）と、 （ｂ） ０°〜９０°の範囲の内部フランジ角と を有することを特徴とする方法。 ４． 請求項３に記載の発明であって、前記テーパー部（ｔf1）の前記フランジ 幅（ｂf）が、前記ビームシリーズの完成品のビームサイズの範囲に含まれる最 大フランジ幅（ｂf）よりも大きいことを特徴とする方法。 ５． 請求項４に記載の発明であって、前記テーパー部（ｔf1）の前記フランジ 幅（ｂf）が、前記ビームシリーズの前記最大のフランジ幅（ｂf）よりも大きい か又は等しいことを特徴とする方法。 ６． 請求項１に記載の発明であって、前記所定の断面積部（Ａw）が、 （ａ） 前記ビームシリーズのｄwと等しいウエブ深さ（ｄw）と、 （ｂ） 前記ビームシリーズの完成品のビームサイズの範囲に含まれる最大ｔw よりも大きなウエブ厚み（ｔw）と を有することを特徴とする方法。 ７． 請求項１に記載の発明であって、前記鋳造型の前記端壁が、前記ビームシ リーズのＡw／Ａf比の範囲に含まれるＡw／Ａf比を得るために調節されることを 特徴とする方法。 ８． 請求項２に記載の発明であって、前記鋳造型の前記端壁が、前記ビームシ リーズのＡw／Ａf比の範囲に含まれるＡw／Ａf比を得るために調節されることを 特徴とする方法。 ９． 請求項１に記載の発明であって、前記連続鋳造ビーム・ブランクが、鋳造 された状態で、２以上のビームシリーズに含まれる完成品のサイズの全範囲に仕 上げ圧延するのに適していることを特徴とする方法。 １０． 請求項１に記載の発明であって、前記鋳造型が、前記ウエブ開口の第１ 端部に隣接する第１のフランジ開口と、前記ウエブ開口の第２端部に隣接する第 ２のフランジ開口とを有し、前記第１及び第２のフランジ開口が夫々、前記鋳造 型内に可変断面積（Ａf）を有することを特徴とする方法。 １１． 請求項９に記載の発明であって、前記連続鋳造ビーム・ブランクが、鋳 造された状態で、ビームシリーズの完成品のビームサイズの全範囲に仕上げ圧延 するのに適していることを特徴とする方法。 １２． 請求項９に記載の発明であって、前記連続鋳造ビーム・ブランクが、鋳 造された状態で、２以上のＩ型ビームシリーズに含まれる完成品のＩ型ビームサ イズの全範囲に仕上げ圧延するのに適していることを特徴とする方法。 １３． 鋳造された状態で、１つのビームシリーズに含まれる完成品のビームサ イズの何れにも直接に仕上げ圧延する、ビーム・ブランクを連続鋳造する方法で あって： （ａ） 下記1）〜iii）を有する鋳造型を設けるステップ、 i）調節可能な端壁、 ii）前記鋳造型を貫いて延び、前記鋳造型内に所定の断面積（Ａw）を有するウ エブ開口、及び iii）前記鋳造型を貫いて延び、前記ウエブ開口に隣接すると共に前記鋳造型内 に可変断面積（Ａf）を有する少なくとも１つのフランジ開口； （ｂ） 前記鋳造型を貫いて延びる前記ウエブ開口及びフランジ開口内に液状鋼 を注ぐステップ； （ｃ） 前記ウエブ開口に向かって近づき又はこれから遠ざかるように少なくと も１つの端壁を調節し、前記断面積（Ａf）を変更して前記ビームシリーズに含 まれる完成品のビームのＡw／Ａf比に等しいＡw／Ａf比を得るステップ； （ｄ） 前記ビーム・ブランクを鋳造するステップ；及び （ｅ） 前記鋳造型の前記Ａw／Ａf比に等しいＡw／Ａf比を有するビーム完成品 を圧延するステップ を有することを特徴とする方法。 １４． 鋳造された状態で、１つのビームシリーズに含まれる完成品のビームサ イズの何れにも直接に仕上げ圧延する、ビーム・ブランクを連続鋳造する方法で あって： （ａ） 下記i）〜iii）を有する鋳造型を設けるステップ、 i）調節可能な端壁、 ii）前記鋳造型を貫いて延び、前記鋳造型内に所定の断面積（Ａw）を有するウ エブ開口、及び iii）前記鋳造型を貫いて延び、前記ウエブ開口に隣接すると共に前記鋳造型内 に可変断面積（Ａf）を夫々有する２つのフランジ開口； （ｂ） 前記ウエブ開口に向かって近づき又はこれから遠ざかるように前記端壁 を調節し、前記断面積（Ａf）を変更して前記ビームシリーズに含まれるビーム 完成品のＡw／Ａf比に等しいＡw／Ａf比を得るステップ； （ｃ） 前記鋳造型を貫いて延びる前記ウエブ開口及びフランジ開口内に液状鋼 を注ぐステップ； （ｄ） 前記ビーム・ブランクを鋳造するステップ；及び （ｅ） 前記鋳造型の前記Ａw／Ａf比に等しいＡw／Ａf比を有するビーム完成品 を圧延するステップ を有することを特徴とする方法。 １５． 鋳造された状態で、ビームシリーズに含まれる完成品のビームサイズの 何れにも直接に仕上げ圧延する、ビーム・ブランクを連続鋳造する方法であって ： （ａ） 下記i）〜iii）を有する鋳造型を設けるステップ、 i）調節可能な端壁、 ii）前記鋳造型を貫いて延び、前記鋳造型内に所定の断面積（Ａw）を有するウ エブ開口、及び iii）前記鋳造型を貫いて延び、前記ウエブ開口に隣接すると共に前記鋳造型内 に可変断面積（Ａf）を夫々有する２つのフランジ開口； （ｂ） 前記鋳造型を貫いて延びる前記ウエブ開口及びフランジ開口内に液状鋼 を注ぐステップ； （ｃ） 前記ウエブ開口に向かって又はこれから遠ざかるように少なくとも１つ の端壁を調節し、前記断面積（Ａf）を変更して前記ビームシリーズに含まれる ビーム完成品のＡw／Ａf比に等しいＡw／Ａf比を得るステップ； （ｄ） 前記ビーム・ブランクを鋳造するステップ；及び （ｅ） 前記鋳造型の前記Ａw／Ａf比に等しいＡw／Ａf比を有するビーム完成品 を圧延するステップ を有することを特徴とする方法。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ， ＣＡ，ＣＨ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，Ｈ Ｕ，ＪＰ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＵ，ＭＧ，ＭＮ ，ＭＷ，ＮＬ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ， ＳＤ，ＳＥ，ＳＫ，ＵＡ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 調節可能な端壁を有する型を備える連続鋳造装置で、鋳造されたままで１ つの構造用製品シリーズに含まれる全範囲の製品サイズに圧延するのに適したビ ーム・ブランクを連続鋳造する方法であって、端壁と、鋳造型に沿って延びると 共に鋳造型内に所定の断面積（Ａw）を有するウエブ開口と、該ウエブ開口に隣 接し鋳造型を貫いて延びると共に鋳造型内に調節可能な断面積（Ａf）を有する フランジ開口とを有する鋳造型を選定するステップを有する方法において、前記 ウエブ開口に向かって近づき又はこれから遠ざかるように前記鋳造型の端壁を調 節し、該端壁の調節は、前記断面積（Ａf）を変更して前記構造用製品シリーズ に含まれる完成品のサイズのＡw／Ａf比と等しいＡw／Ａf比を得るものであるこ とを特徴とする方法。 ２． 請求項１に記載の方法であって、前記可変断面積部（Ａf）が、 （ａ） 前記ウエブ開口に隣接し、所定の断面積を有するテーパ一部（ｔf1）と 、 （ｂ） 前記鋳造型の前記調節可能な端壁に隣接し、可変断面積を有する矩形部 （ｔf2）と を含むことを特徴とする方法。 ３． 請求項２に記載の方法であって、前記テーパー部（ｔf1）が、 （ａ） 前記構造用製品シリーズの異なるサイズ（ｂf）の範囲に含まれる最大 ｂf値よりも大きなフランジ幅（ｂf）と、 （ｂ）０°〜９０°の範囲の内側フランジ角度と を有することを特徴とする方法。 ４． 請求項３に記載の方法であって、前記テーパー部（ｔf1）の前記フランジ 幅（ｂf）が、前記構造用製品シリーズの異なるサイズ（ｂf）の範囲に含まれる 最大幅（ｂf）以上であることを特徴とする方法。 ５． 請求項１に記載の方法であって、前記所定の断面積部（Ａw）が、 （ａ） 前記構造用製品シリーズの深さ（ｄw）と等しいウエブ深さ（ｄw）と、 （ｂ） 前記構造用製品シリーズに含まれる最大厚み（ｔw）よりも大きなウエ ブ厚みと を有することを特徴とする方法。 ６． 請求項１に記載の方法であって、前記鋳造型が、前記ウエブ開口の第１の 端部に隣接する第１のフランジ開口と、前記ウエブ開口の第２の端部に隣接する 第２のフランジ開口とを備え、前記第１及び第２のフランジ開口の夫々が可変断 面積（Ａf）を有することを特徴とする方法。 ７． 構造用製品シリーズに含まれる全ての範囲の製品サイズに圧延するのに適 した可変フランジ・ビーム・ブランクであって、所定の断面積（Ａw）を有する ウエブ部と、前記ウエブ部に隣接し可変断面積（Ａf）を有するフランジ部とを 備えるものにおいて、前記可変断面積（Ａf）が、前記構造用製品シリーズに含 まれる完成品のサイズのＡw／Ａf比に等しいＡw／Ａf比を与えるように調節され ることを特徴とする、可変フランジ・ビーム・ブランク。 ８． 請求項７に記載のブランクであって、前記フランジ部が、 （ａ） 可変断面積を有する矩形部（ｔf2）と、 （ｂ） 前記ウエブ部と前記矩形部（ｔf2）との間に配置され、所定の断面積を 有するテーパー部（ｔf1）と を有することを特徴とするブランク。 ９． 請求項８に記載のブランクであって、前記テーパー部（ｔf1）が、 （ａ） 前記構造用製品シリーズに含まれる異なるサイズ（ｂf）の範囲に含ま れる最大幅（ｂf）よりも大きなフランジ幅（ｂf）と、 （ｂ） ０°〜９０°の範囲の内側フランジ角度と を有することを特徴とするブランク。 １０． 請求項９に記載のブランクであって、前記フランジ幅（ｂf）が、構造 用製品シリーズの異なるサイズ（ｂf）の範囲に含まれる最大のフランジ幅（ｂf ）よりも大きいことを特徴とするブランク。 １１． 請求項７に記載のブランクであって、前記所定の断面積部（Ａw）が、 （ａ） 前記構造用製品シリーズの幅（ｄw）に等しいウエブ深さ（ｄw）と、 （ｂ） 前記構造用製品シリーズに含まれる最大厚み（ｔw）よりも大きなウエ ブ厚み（ｔwo）と を有することを特徴とするブランク。