JPH0679301A - フランジを有する形鋼の自在圧延方法 - Google Patents

フランジを有する形鋼の自在圧延方法

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JPH0679301A
JPH0679301A JP7651892A JP7651892A JPH0679301A JP H0679301 A JPH0679301 A JP H0679301A JP 7651892 A JP7651892 A JP 7651892A JP 7651892 A JP7651892 A JP 7651892A JP H0679301 A JPH0679301 A JP H0679301A
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rolling mill
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Shinya Hayashi
慎也 林
Kazue Ikuta
和重 生田
Taneharu Nishino
胤治 西野
Takatoshi Hiroguchi
貴敏 廣口
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 斜行ロール方式によって大きなウェブ高さの
拡幅を行っても、ウェブくびれを発生させず、またウェ
ブ高さの拡幅を行わない場合でも良好なウェブ厚み分布
の製品を得る。 【構成】 形鋼のユニバーサル圧延工程の中間圧延工程
と仕上圧延工程との間で、左右一対の斜行ロールを被圧
延材のフランジ内側に配置してウェブ高さを拡幅圧延す
る際に、前記中間圧延工程のうち、少なくとも1基以上
のユニバーサル圧延機RUにおける上下水平ロール2H
の左右両端周面の各々に、目標拡幅量と製品ウェブ厚か
ら求めた所定断面積の凹部を設け、圧延材のウェブ両端
部に余肉18を形成し、該ユニバーサル圧延機列の入側
または出側の少なくとも一方に上下水平ロールからなる
余肉調整用圧延機を設け、前記余肉を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フランジを有する形鋼
の圧延方法に関し、特にH形鋼のウェブ高さを形状不良
を発生させず、効率的かつ自在に造り分ける圧延方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、圧延にて製造されている形鋼は、
品種・サイズの数が非常に多いのが特徴であり、需要家
ニーズの多様化に伴い、さらに多品種・多サイズ化の傾
向が強まりつつある。既知の従来圧延方法で、これらの
多品種、多サイズの形鋼を製造するためには、その形鋼
に対応した多数の専用圧延ロール及び専用ガイドが必要
であり、ロール・ガイドの組替え回数が多くなるため、
時間損失が増大し、生産性を著しく損なうことになる。
【0003】この具体例としてH形鋼の場合を以下に述
べる。図11(a)は、従来のH形鋼圧延設備列の代表
例を示したものであるが、1台のブレークダウン圧延機
(BD)1、その後引続いて4ロールユニバーサル圧延
機(RU)とエッジャー圧延機(E)からなる単数また
は複数のRU−E群2、および仕上げ用4ロールユニバ
ーサル圧延機(FU)3で構成されている。
【0004】図11(b)は図11(a)における各圧
延機1、2、3で造形された圧延材料の各々の形状4、
5、6を示す。図12はH形鋼を圧延するユニバーサル
圧延法の圧延用ロールと圧延される材料の関係を示して
おり、ユニバーサル圧延機の機能上、圧延中に同一セッ
トのロール対で自由に変化が可能となる寸法は、上水平
ロール7と下水平ロール8の間の隙間9および左右垂直
ロール10、11と上下水平ロール側面との間の隙間1
2、13のみとなる。したがって、H形鋼のウェブ厚9
とフランジ厚の12、13については変化させることが
できるが、ウェブ内幅IWは一定にならざるを得ない。
その結果、H形鋼製品のウェブ厚み9が異なるシリーズ
を圧延するに際し、左右のフランジ厚12、13を変化
させれば当然ウェブ内幅IWと左右のフランジ厚12、
13を合計したウェブ高さOWは種々の寸法に変化せざ
るを得ないことになる。
【0005】すなわち、従来の圧延法で圧延されるH形
鋼は、図13に示すごとくウェブ内幅IWが一定であ
り、フランジ厚Tf1 がTf2 に変化することによって
ウェブ高さOW1 がOW2 に変化する、いわゆるウェブ
内幅一定の製品シリーズとなる。もし、ウェブ高さ一定
のH形鋼製品シリーズをユニバーサル圧延機を用いた従
来圧延法で製造しようとすると、ウェブ内幅の変化に応
じて、粗圧延〜中間圧延〜仕上げ圧延の全工程における
上下水平ロールの大半を準備することになり、大量のロ
ール本数を必要とするとともに頻繁なロール組替え作業
を行わなければならず、著しく製造コスト高をまねくの
で、実質的にこの方法を採用することは不可能である。
【0006】本願出願人は、このような従来法における
欠点を解消する一つの方法として、『斜行ロール方式に
よるフランジを有する形材の圧延方法』(特公平3−4
2122号公報)を先に提案している。『斜行ロール方
式圧延方法』の特徴は、図8(a)および(b)に示す
ように、上下各2個づつの斜行ロール15、15′およ
び16、16′の外側面19、19′、20、20′が
材料17のフランジ内側21、22に接し、かつロール
軸Sが水平面内において圧延方向に垂直な平面に対しθ
H 、また、圧延方向に垂直な平面内において水平面とθ
V の角度を保ちつつ材料のフランジに近接するウェブ部
(以下、余肉部と称する)18を圧下することによっ
て、圧下された部分の材料を幅方向へ流動せしめ、ウェ
ブ波などを全く生じさせずに、ウェブを幅方向に拡げる
ことができる機能を有することである。
【0007】図9(a)に、この『斜行ロール方式圧延
方法』を採用した圧延機14を、H形鋼の熱間圧延設備
列に組み込んだ例を示す。図中の中間ユニバーサル圧延
機(RU−E)2と斜行ロール方式圧延機(SS)14
と仕上げ圧延機(FU)3を組み合わせることによっ
て、前述の代表的ニーズである同図(c)の「ウェブ高
さ一定のH形鋼製品シリーズ」を少ないロール数で製造
することが基本的に可能となる。
【0008】さらに図9(a)、(b)により、ウェブ
高さOW一定のH形鋼製品シリーズの製造に斜行ロール
方式を適用した例を詳細に説明する。まず、中間ユニバ
ーサル圧延機(RU−E)2で、粗圧延機(BD)1か
ら供給されるビームブランク4を最終製品のフランジ厚
とウェブ厚およびウェブ内幅IW5 、IW6 を加味した
図示例のような断面形状25まで造形を行う。このよう
に成形される断面形状25の種類の数は限定されるもの
ではない。すなわち、素材は中間工程においてユニバー
サル圧延機で圧延し造形されるから、ウェブ厚とフラン
ジ厚を自由に変化させることが可能であり、製品のシリ
ーズに応じて必要な数の異なる断面形状が造形される。
ここでウェブ内幅IW1 は一定でありウェブ高さOW1
は必ずしも一定とはならない。中間ユニバーサル圧延機
2で造形された断面形状25、あるいは必要に応じてウ
ェブ厚とフランジ厚がさらに異なる断面形状に造形され
た圧延素材は、斜行ロール方式圧延機(SS)14に送
り込まれる。これら圧延素材は各々斜行ロール方式圧延
機14によって製品のシリーズに応じた必要な種々のウ
ェブ内幅寸法IW2 に拡幅圧延され圧延素材27とな
る。
【0009】斜行ロール方式圧延機14で造り分けられ
た圧延素材27は、仕上げ圧延機(FU)3によって製
品シリーズに応じた種々のウェブ内幅IW4 を持った断
面28に整形圧延され、ウェブ高さ一定でかつ製品シリ
ーズに応じた内幅IW6 を持つ製品29となる。また、
製品シリーズのなかでフランジ厚が最大でウェブ内幅が
最小の製品31は、斜行ロール方式圧延機14によるウ
ェブ拡幅を行わずに、仕上げ圧延機3に直接中間ユニバ
ーサル圧延機2の断面形状25を用いることによって製
造することが可能である。ただしこの場合、製品ウェブ
内幅IW5 に対応する断面30のウェブ内幅IW3 と、
中間ユニバーサル圧延機2の断面形状25の内幅IW1
とは相互に適合した値に設定される。
【0010】このように、特公平3−42122号公報
の斜行ロール方式圧延方法は良好なウェブ拡幅機能を有
するが、異なるシリーズの製品を同一セットのロールか
ら製造するために、大きなウェブ拡幅を行おうとする
と、(イ)図10に示すようなコーナーR部32、余肉
部と平行部33の境界34における局所的な厚み減少
(以下、くびれと称する)を発生させないために多量の
余肉が必要である、(ロ)余肉量が形材の各サイズに対
して同一量であるため、ウェブ高さを拡幅しない場合に
ついては非常に大きな余肉を仕上げ圧延機で圧下しなく
てはならない、(ハ)仕上げ圧延機は形材のウェブ内幅
の変化に対応して水平ロールの胴幅を可変な構造とする
必要があり、従来の一体ロールに比較してロールの剛性
と強度が低くならざるを得ない、以上3つの理由から、
仕上げ圧延後の製品ウェブに余肉が残存するという問題
が生じる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、異なるシリ
ーズの製品を上記のような問題を発生させずに同一セッ
トのロールから各シリーズ内ウェブ高さ一定で製造する
ために、斜行ロール方式圧延機を用いてウェブ拡幅を行
う前圧延工程において、余肉量を調整する圧延方法を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段・作用】本発明の要旨とす
るところは次のとおりである。すなわち、粗圧延工程、
中間圧延工程、および仕上げ圧延工程からなる形鋼圧延
プロセスの前記中間圧延工程と仕上げ圧延工程との間
で、その軸芯が圧延方向に水平な面内でかつ圧延方向に
垂直な面に対して所定の角度θH を有する左右一対の斜
行ロールを被圧延材のフランジ内側に配置してウェブ高
さの拡幅を行う形鋼の圧延方法において、前記中間圧延
工程のうち、少なくとも1基以上のユニバーサル圧延機
における上下水平ロールの左右両端周面の各々に、目標
拡幅量と製品ウェブ厚とから求めた必要最大余肉面積の
少なくとも1/4に相当する断面積の凹部を設け、形鋼
のウェブ両端部に余肉部を形成し、該ユニバーサル圧延
機と近接して配置したエッジャー圧延機で被圧延材のフ
ランジ先端部を整形圧延するとともに、前記中間ユニバ
ーサル圧延機の入側または出側の少なくとも一方に上下
水平ロールからなる余肉調整用圧延機を近接して設け、
該圧延機で前記余肉部を圧下調整するフランジを有する
形鋼の自在圧延方法、および上記余肉調整用圧延機の上
下水平ロールを幅方向調整可能に設け、余肉部を圧下調
整するフランジを有する形鋼の自在圧延方法であり、さ
らには、中間圧延工程のうち少なくとも1基以上のユニ
バーサル圧延機の竪ロールを圧延出側または圧延入側へ
移動させ、ウェブ高さの拡幅量に応じてフランジからウ
ェブへのメタルフローを制御し、余肉量を調整するフラ
ンジを有する形鋼の自在圧延方法である。
【0013】以下、本発明の基本圧延プロセス、前記ユ
ニバーサル圧延機の上下水平ロールに設けた凹部の量の
決定方法、余肉調整に従来の単純な孔型方式のエッジャ
ーロールを使用できない理由、上下水平ロールによる余
肉量調整方法、について図1〜図7および図14を用い
て、さらに詳細に説明する。
【0014】本発明の基本圧延プロセスは図1に示すよ
うに、ビームブランク4を供給する粗圧延機(BD)
1、該ビームブランク4を略H形状に圧延するとともに
ウェブ2aの両端部に余肉18を成形するユニバーサル
圧延機RU、フランジ部1aの幅Fを成形するエッジャ
ー圧延機E、左右フランジ間に設けた上下水平ロールに
より余肉18の量を圧下調整する余肉調整用圧延機4
0、前記余肉を圧延しながらウェブ高さの拡幅を行う斜
行ロール方式圧延機14、そして製品まで圧延する仕上
げ圧延機3により構成される。
【0015】次に、図2に示した前記ユニバーサル圧延
機RUの上下水平ロール2Hの左右両端周面の各々(4
カ所)に設けた凹部50の量の決定方法について説明す
る。異なるシリーズの製品を同一セットのロールで、か
つ各シリーズ内ウェブ高さ一定で製造する場合の、斜行
ロール方式圧延機14での各製品の目標拡幅量ΔWi
は、図3に示すように対象製品シリーズ中の最小ウェブ
内幅IWmin とウェブ高さを一定化した後の想定ウェブ
内幅IWiとの差であり、この目標拡幅量ΔWiと製品
ウェブ中央厚twとの積の最大値が図1のユニバーサル
圧延機RUで成形する余肉18の量、すなわち斜行ロー
ル方式圧延機14で圧延する際の必要最大余肉面積であ
る。上下左右4カ所の凹部50の量(断面積)A0 は少
なくともこの必要最大余肉面積の1/4(4カ所均等)
に相当するように設定する。
【0016】また、余肉調整に従来の孔型方式のエッジ
ャーロールを単純に使用できない理由は以下の通りであ
る。通常、ユニバーサル圧延機の竪ロールでH形鋼のフ
ランジ部を圧下することにより、圧延初期と圧延後期と
ではフランジ幅が大きく変化する。このフランジ幅を所
定の値に圧下調整するのが、ユニバーサル圧延機と近接
して配置した従来のエッジャーロールの役割である。図
14に示すように、従来のエッジャーロール2Eを用い
て余肉18を圧下調整すると、孔型深さKが固定である
ため、拡幅量および製品ウェブ厚に応じて中間圧延工程
で最終的に付加する余肉18の量によって、中間圧延工
程仕上がりのフランジ幅Fが左右されることになる。す
なわち、同一シリーズのウェブ厚が同じ製品においても
フランジ厚の違いによって製品のフランジ幅が異なって
しまうという問題がある。
【0017】そこで、このような問題点を生じさせない
で余肉を拡幅量に最適な量に圧下調整するために、本発
明では中間圧延工程においてユニバーサル圧延機とエッ
ジャー圧延機とは別に、図1、図4(a)に示すよう
な、上下水平ロール41、41′により構成される余肉
調整用の圧延機40を配置して拡幅量に最適な余肉量に
制御するものである。また製品サイズに制約を受けずに
1組のロールで余肉量を制御するためには、この上下水
平ロールを図4(b)のように分割型42、42′にし
て製品のウェブ高さに応じてロール胴幅を変更して圧延
すればよい。その他、余肉調整用の圧延機40を新たに
配置する代わりに、図5(a),(b)のように斜行ロ
ール方式圧延機14の傾斜角θH を0°にして余肉量の
調整に利用することも可能である。
【0018】しかし、このように上下水平ロールで余肉
部を圧下すると、圧下量の一部がウェブ高さを拡げる方
向へのメタルフローとなって、材料はウェブ内幅の拡大
を生じるために、次にユニバーサル圧延機RUで圧延す
るときにウェブ高さを縮小する圧延になる。しかも水平
ロール2Hの左右両端周面に余肉付加用の凹部50が存
在するため、ウェブ高さ縮小圧延によって縮小された肉
量の一部は、凹部50に余肉として再び還ってしまう。
また、ウェブ高さが縮小圧延される際にウェブ両端部は
保持されないため、ウェブ高さの縮小量が大きい場合に
はウェブ中心偏りが発生しやすい。したがって余肉調整
用圧延機40で一回に圧下する肉量をあまり大きくしな
いことが必要であり、そうすれば荷重も小さくなり、こ
の余肉調整用圧延機40は簡易な圧延装置にすることも
可能となる。
【0019】具体的には、上記圧延機40による余肉の
圧下を複数パスにわたって行うか、もしくは図6に示す
ように中間ユニバーサル圧延機列2の前面および後面に
余肉調整用圧延機40を近接して配置し、より多パスで
余肉調整を行うようにしてもよい。
【0020】更なる手段は、本出願人が特開昭63−1
99001号公報で提案した、竪ロールを圧延出側およ
び入側に移動可能なユニバーサル圧延機で余肉の成形を
行うことである。図7に、ユニバーサル圧延時のフラン
ジからウェブへのメタルフローの一般的な模式図を示し
た。図中の記号は、Aw0 、Aw1 が圧延前後のウェブ
断面積を、Af0 、Af1 が圧延前後のフランジ断面積
を、ΔMはフランジからウェブへのメタルフローを、各
々示している。また、ΔMは式で表される。 ΔM=(Af0 ・Aw1 −Aw0 ・Af1 )/(2Af0 +Aw0 )…
【0021】特開昭63−199001号公報では、竪
ロールを圧延入側に移動させることにより、フランジか
らウェブへのメタルフローΔMを大きくでき、竪ロール
を圧延出側に移動させると逆にフランジからウェブへの
メタルフローΔMを小さくできる、という特性を用いて
フランジ幅の制御を行ったが、本発明では、大きな余肉
が必要な場合には竪ロールを入側に移動させ、フランジ
からウェブへのメタルフローΔMを大きくして図2のユ
ニバーサル圧延機の水平ロールに施した凹部50に材料
がより充満するようにし、小さな余肉でよい場合には竪
ロールを出側に移動させ、フランジからウェブへのメタ
ルフローΔMを小さくして凹部50への材料の充満を抑
える。これにより、ユニバーサル圧延機での1パス当り
の余肉成形量を粗調整できるため、水平ロールによる余
肉圧下時の荷重を軽減でき、余肉の調整可能範囲を更に
拡大することが可能となる。
【0022】またウェブ中心偏りの抑制に関しては、特
開平04−22501号公報にあるように、上述の竪ロ
ールを圧延出側および入側に移動可能なユニバーサル圧
延機において、竪ロールを圧延出側に移動して、フラン
ジの竪ロールへの噛み込みに対しウェブの水平ロールへ
の噛み込みを先行させることでウェブ中心偏りを抑制す
ることが出来る。あわせて中間ユニバーサル圧延機のガ
イドを強化することでウェブ中心偏りの発生を抑えるこ
とが出来る。
【0023】
【実施例】以下の実施例は、ウェブ高さ600mm、フラ
ンジ幅200mmのH形鋼とウェブ高さ650mm、フラン
ジ幅200mmのH形鋼を同一ロールにて製造する場合に
ついて、従来の斜行ロール方式圧延方法(特公平3−4
2122号公報)のみを適用した場合と本発明を適用し
た場合を比較したものである。
【0024】表1には、従来の斜行ロール方式圧延方法
を適用して、以下の4サイズを造り分けた実施例を示し
た。設定余肉面積は一定(738mm2 )であるため、拡
幅量が小さくてもよいサイズについては斜行ロールで圧
下されずに残った余肉を仕上げ圧延機で圧下しなくては
ならないが、仕上げ圧延機はその構造上ミル剛性が低
く、かつロール強度上の制約から十分な圧下量を確保で
きないため、大きな余肉残存量(ウェブ余肉部厚−ウェ
ブ中央部厚)が生じた。なお、十分な余肉を付けている
ため拡幅圧延時のくびれは発生しなかった。
【0025】
【表1】
【0026】これに対して、本発明を適用した例では、
拡幅量に応じて余肉調整用圧延機40の水平ロール4
1、41′で余肉を圧下調整した。表2は本発明を適用
した場合の余肉調整の後の余肉部全体厚、その際の上下
水平ロールによる余肉圧下量を示した。表中の余肉全体
厚とは、拡幅圧延前の設定余肉量の半分(半分としたの
は、ウェブ両端に余肉を付けるため)を余肉幅(80m
m)で除して上下余肉部分の厚みを求め、その厚みにウ
ェブ厚を加えた値であり、すなわち、ウェブ両端部の厚
みを示す。また上下水平ロールによる余肉圧下量は、図
2のユニバーサル圧延機の水平ロールの施した凹部50
に材料が完全に充満した場合に1パスで余肉を圧下する
ときの圧下量を示す。しかし本実施例では、各サイズと
も中間圧延工程の最後から表中に示した圧下パス数で余
肉量を調整したため、各パスでの圧下量は本値よりもか
なり小さくなっている。
【0027】表3には本発明を適用した場合の圧延結果
を示した。また本実施例のH600×200×9/1
2、H600×200×12/28については、中間圧
延工程の数パスおいて竪ロールを圧延出側に移動して余
肉部へのメタルフロー量を減少させるとともに、ウェブ
中心偏りの発生を抑制した。その結果として、拡幅量が
小さなサイズでも仕上げ圧延後の余肉残存量は微少で、
また、拡幅時のくびれも発生せず、ウェブ中心偏り量も
ほぼ従来レベルである、良好な寸法精度の製品が得られ
た。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】本発明を斜行ロール方式によるフランジ
を有する形鋼の製造プロセスに適用することにより、斜
行ロールで大きなウェブ拡幅を実施してもウェブにくび
れを発生させず、また、ウェブ拡幅を行わない場合でも
良好なウェブ厚み分布を有する製品を圧延することが可
能であり、任意のウェブ高さのH形鋼製品シリーズを良
好な品質でかつ極めて少ないロール数で製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b):本発明によるH形鋼の圧延方
法の概略図。
【図2】(a),(b):本発明の中間ユニバーサル圧
延機の上下水平ロールの左右両端周面に凹みを設ける方
法の説明図。
【図3】必要最大余肉面積の決定方法の説明図。
【図4】(a):上下水平ロールにより構成される圧延
機により余肉量を調整する方法の説明図。 (b):上下水平ロールを幅方向調整可能に設けて余肉
量を調整する方法の説明図。
【図5】(a),(b):斜行ロール方式圧延機を用い
て余肉調整する方法の説明図。
【図6】本発明によるH形鋼の圧延方法の概略図。
【図7】ユニバーサル圧延時のフランジからウェブへの
メタルフローの模式図。
【図8】斜行ロール方式圧延法の説明図。
【図9】(a),(b):斜行ロール方式圧延の装置お
よび圧延機の機能説明図。 (c):斜行ロール方式圧延法による製品の略図。
【図10】ウェブくびれの説明図。
【図11】(a),(b):従来のH形鋼圧延装置列の
代表例と、粗、中間、仕上げの各圧延機で圧延された各
材料断面形状の説明図。
【図12】H形鋼を圧延するユニバーサル圧延ロールと
被圧延材との関係に基づくユニバーサル圧延機の機能説
明図。
【図13】ウェブ内幅一定の製品シリーズの説明図。
【図14】従来エッジャーロールによる余肉圧下調整時
の問題点の説明図。
【符号の説明】
1 ブレークダウン圧延機 2 RU−E群 3 仕上ユニバーサル圧延機 4〜6 圧延材 14 斜行ロール方式圧延機 15、15′ 斜行ロール 16、16′ 斜行ロール 18 余肉 40 余肉調整用圧延機 41、41′ 余肉調整用水平ロール 42、42′ 余肉調整用胴幅可変水平ロール 50 凹部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】本発明によるH形鋼の圧延方法の概略図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣口 貴敏 大阪府堺市築港八幡町1番地 新日本製鐵 株式会社堺製鐵所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗圧延工程、中間圧延工程、および仕上
    圧延工程からなる形鋼圧延プロセスの前記中間圧延工程
    と仕上圧延工程との間で、その軸芯が圧延方向に水平な
    面内でかつ圧延方向に垂直な面に対して所定の角度θH
    を有する左右一対の斜行ロールを被圧延材のフランジ内
    側に配置してウェブ高さの拡幅を行う形鋼の圧延方法に
    おいて、前記中間圧延工程のうち、少なくとも1基以上
    のユニバーサル圧延機における上下水平ロールの左右両
    端周面の各々に、目標拡幅量と製品ウェブ厚とから求め
    た必要最大余肉面積の少なくとも1/4に相当する断面
    積の凹部を設け、形鋼のウェブ両端部に余肉部を形成
    し、該ユニバーサル圧延機と近接して配置したエッジャ
    ー圧延機で被圧延材のフランジ先端部を整形圧延すると
    ともに、前記中間ユニバーサル圧延機の入側または出側
    の少なくとも一方に上下水平ロールからなる余肉調整用
    圧延機を近接して設け、該圧延機で前記余肉部を圧下調
    整することを特徴とするフランジを有する形鋼の自在圧
    延方法。
  2. 【請求項2】 余肉調整用圧延機の上下水平ロールを幅
    方向調整可能に設け、余肉部を圧下調整することを特徴
    とする請求項1記載のフランジを有する形鋼の自在圧延
    方法。
  3. 【請求項3】 中間圧延工程のうちの少なくとも1基以
    上のユニバーサル圧延機の竪ロールを圧延出側または圧
    延入側へ移動させ、ウェブ高さの拡幅量に応じてフラン
    ジからウェブへのメタルフローを制御し、余肉量を調整
    することを特徴とする請求項1または2記載のフランジ
    を有する形鋼の自在圧延方法。
JP7651892A 1992-03-31 1992-03-31 フランジを有する形鋼の自在圧延方法 Withdrawn JPH0679301A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102794298A (zh) * 2012-08-16 2012-11-28 中冶赛迪工程技术股份有限公司 H型钢的轧制工艺和装置
KR101246438B1 (ko) * 2011-02-24 2013-03-21 현대제철 주식회사 압연롤 폭 가변 장치

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