JP2826044B2 - フランジを有する形材の圧延方法および圧延装置列 - Google Patents

フランジを有する形材の圧延方法および圧延装置列

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JP2826044B2 JP19757793A JP19757793A JP2826044B2 JP 2826044 B2 JP2826044 B2 JP 2826044B2 JP 19757793 A JP19757793 A JP 19757793A JP 19757793 A JP19757793 A JP 19757793A JP 2826044 B2 JP2826044 B2 JP 2826044B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フランジを有する形
材、例えばH形鋼、溝形鋼およびこれに類似の金属ある
いは非金属形材、特にH形鋼のウェブ高を形状不良なく
効率的かつ自在に造り分ける方法およびその圧延装置列
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フランジを有する形鋼材、例えばH形鋼
の圧延では主としてユニバーサル圧延機が使用される。
図7に示すように、従来圧延方法は同一シリーズでは同
一胴幅の水平ロール2Hを使用するためH形鋼のウェブ
内幅WB が一定となり、フランジ厚tF が違う場合に
は、それに応じてウェブ高Wが変化するため同一シリー
ズでありながらウェブ高が異なることになる。このよう
な圧延H形鋼を互いに接合して建築構造物の梁を造る場
合に、通常一方のフランジ外面を合わせるため他方にフ
ランジ厚の2倍のずれを生じ施工上不都合である。ま
た、鉄骨鉄筋コンクリートの被覆厚みがサイズによって
異なり設計上も不都合である。このため、従来の圧延H
形鋼はビルの柱と梁、梁と梁、柱と柱の継ぎ合わせなど
の用途によっては一部使い難い面があり、図8に示すよ
うな同一シリーズ内のウェブ高Wが一定の圧延H形鋼の
製造を強く望まれていた。
【0003】この要望に応えるため、特公平1−472
41号公報および特開平2−6001号公報などで、H
形鋼のウェブ高を同一ロールチャンス内で調整する手段
の一つとして、粗ユニバーサルミル圧延後の中間圧延材
のウェブ高を仕上圧延工程で縮小する圧延方法、いわゆ
るウェブ高縮小圧延法が開示されている。
【0004】このウェブ高縮小圧延法は、ロール胴幅が
可変な上下一対の水平ロールと左右一対の竪ロールを備
えた仕上ユニバーサル圧延機を配置し、該圧延機でH形
鋼を圧延する際には、水平ロール胴幅をH形鋼の内幅よ
り小さく設定するとともに、竪ロールと水平ロール側面
との隙(竪ロール隙)を製品フランジ厚に対応して設定
し、竪ロールにて形材のウェブ相当部をその幅方向より
圧下して形材のウェブ高を調整する圧延法である。この
圧延手段は比較的に安価な設備投資で簡便に形材のウェ
ブ高の調整を可能とした実用的な手段である。しかし、
ウェブ部は内幅WB に対する厚みtw の比(細長比)が
比較的大きいためにウェブ内幅縮小量が大きい場合に
は、図9ようにウェブが座屈しやすい、また、竪ロール
による被圧延材の拘束が水平ロールによる被圧延材の拘
束よりも先行し、水平ロールによる材料の正規位置への
誘導作用が低下し、前記のウェブの座屈と相乗して図1
0のようにウェブの中心偏りeが非常に大きくなる難点
がある。最近、建設現場の省力化および自動化が進展す
る中で、部材である圧延H形鋼に対して高寸法精度化、
特にウェブの中心偏りの高精度化が求められており、上
記の中心偏りeの増大は重大な問題である。
【0005】この中心偏りeは、ガイドの構造の工夫に
よって仕上ユニバーサル圧延機への被圧延材の誘導精度
を高めたり、仕上ユニバーサル圧延機でのフランジ圧下
率を調整し全体の延伸バランスを工夫することにより、
ある程度の改善は可能であるが、成形の基本的なメカニ
ズム上からウェブ高の縮小量は実用上あまり大きくでき
ない。このような背景から、成形メカニズムを変えるこ
とを提案した発明として、特開平3−94903号公
報、特開平3−216201号公報、および特開平3−
268802号公報に記述された各手段が提案されてい
る。
【0006】特開平3−94903号公報には、フラン
ジ投影接触長の所定の割合以上の部分または全域にわた
って、水平ロールの一部と被圧延材が接触するように材
料のフィレット部形状を予備成形し、ウェブを縮小する
際の座屈の発生点をフィレット部からウェブ中央部へ移
動させることにより、中心偏りを抑制することが記載さ
れている。
【0007】特開平3−216201号公報に記述され
ている発明は、ウェブ投影接触長がフランジ投影接触長
以上になるようにフィレット部形状を予備成形された材
料を用いて縮小圧延を行うことにより、中心偏りを抑制
するというものである。仕上ユニバーサル圧延機の水平
ロールとしては、胴幅が固定であるものまたは幅調整可
能なものを使用する。
【0008】さらに、特開平3−268802号公報に
は、 10°≦θ≦60°、かつR1 ≧r、かつR2 ≧r ここで、θ :フィレット部の直線部がウェブ面に対し
てなす角度 R1 :該フィレット部とフランジ内面との結合部の円弧
半径 R2 :該フィレット部とウェブ面との結合部の円弧半径 を満足するようにフィレット部形状を予備成形された材
料を用いて縮小圧延を行うことにより、中心偏りを抑制
することが開示されている。仕上ユニバーサル圧延機の
水平ロールとしては、胴幅が固定であるものまたは幅調
整可能なものを使用する。
【0009】上記公報は、いずれも、ウェブの座屈を極
力小さく抑制すること、および座屈発生位置をフィレッ
ト部からウェブ中央部へ移動させることを狙って、ウェ
ブ高縮小圧延時の水平ロールによるウェブ拘束範囲がフ
ランジ投影接触長以上となるようにフィレット部形状を
決定することを提案している。
【0010】しかしながら、上記のように適正なフィレ
ット部形状を決定すると、ウェブ高縮小量が小さいもの
についてはウェブ投影接触長がフランジ投影接触長より
極端に長くなり、水平ロールがウェブに接触し始めてか
らウェブ高縮小が開始されるまでの間は、竪ロールによ
る左右方向の拘束(ガイド)がない状態でウェブが単独
で圧延される。このため、材料は非常に不安定な状態で
圧延されることになり、極端な場合には左右どちらかに
材料が流され、その後のウェブ高縮小圧延時には片側の
縮小量が極端に大きくなり、図11に示すように結果と
して片方のフィレット部に折れ込み疵PLが発生する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の問題点を解決するためになされたものであり、被
圧延材のウェブ高の比較的大幅な縮小をロール工具の取
り替えなしで実施でき、ウェブの座屈、中心偏り、およ
びフィレット部の折れ込み疵などのない高品質な製品を
製造できるフランジを有する形材の圧延方法およびその
圧延装置列の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、以下に
示す圧延方法および圧延装置列にある。すなわち本発明
の圧延方法は、 粗圧延工程、中間圧延工程、および仕上圧延工程から
なる形鋼圧延プロセスの仕上圧延工程でフランジを有す
る形材のウェブ高を縮小する圧延方法において、前記中
間圧延工程の少なくとも1基以上のユニバーサル圧延機
で形材のウェブ両端部に余肉を形成した後、仕上圧延工
程の前段に設けた余肉圧下装置により前記余肉部の厚み
を圧下調整するフランジを有する形材の圧延方法。 中間圧延工程の少なくとも1基以上のユニバーサル圧
延機の竪ロールを、圧延出側または圧延入側へ移動させ
余肉部の厚みを調整圧延する前記項のフランジを有す
る形材の圧延方法。および 中間圧延工程の少なくとも1基以上のユニバーサル圧
延機の上下水平ロール対により形材のウェブ両端部に余
肉を形成する過程で、フランジ圧下率とウェブ圧下率と
の比率を変え余肉部の厚みを調整圧延する前記、また
は項記載のフランジを有する形材の圧延方法である。
また、本発明の装置列は、 粗圧延工程、中間圧延工程、および仕上圧延工程から
なる形鋼圧延プロセスの仕上圧延工程に水平ロール胴幅
可変のユニバーサル圧延機を配置したフランジを有する
形材の圧延装置列において、前記中間圧延工程に上下水
平ロール対の左右両端周面の各々に刻設した凹部により
余肉部を形成する少なくとも1基以上のユニバーサル圧
延機を設け、前記ユニバーサル圧延機とは別に仕上圧延
工程の前段に、余肉部の厚みを圧下調整する余肉圧下装
置を設けたフランジを有する形材の圧延装置列であり、 中間圧延工程のうち、少なくとも1基以上のユニバー
サル圧延機が圧延出側もしくは圧延入側へ位置可変な竪
ロールを有する前記項記載のフランジを有する形材の
圧延装置列である。
【0013】
【作用】以下、本発明法および本発明法を実施する装置
列について図1〜図6を用いて、さらに詳細に説明す
る。図1(a),(b)は、本発明で提供する圧延装置
列の代表例を示す。図1(a)は、ビームブランク4を
供給する粗圧延工程1の粗圧延機BD、該ビームランク
4を大略H形状に圧延するとともに、ウェブ2aの両端
部に余肉18を形成するための凹部(切り欠き部)19
を左右両端周面のそれぞれに形成した上下水平ロール2
Hを有する中間圧延工程2のユニバーサル圧延機RU、
フランジ部1aの幅Fを形成する中間圧延工程2のエッ
ジャー圧延機E、余肉18の厚みを圧下調整する余肉圧
下装置YS、および胴幅可変機構を持つ水平ロールを有
する仕上圧延工程3の仕上ユニバーサル圧延機FUによ
り構成される装置列である。前記余肉圧下装置YSはユ
ニバーサル式もしくは2重式の圧延装置を用いることが
できる。
【0014】図1(b)は、ビームランク4を供給する
粗圧延工程1の粗圧延機BD、該ビームブランク4を大
略H形状に圧延するとともに、ウェブ2aの両端部に余
肉18を形成するための凹部(切り欠き部)19を左右
両端周面のそれぞれに形成した上下水平ロール2Hと、
圧延出側もしくは圧延入側へと位置を変える機構を持つ
竪ロール2Vとを有する中間圧延工程2のユニバーサル
圧延機RU、フランジ部1aの幅Fを形成する中間圧延
工程2のエッジャー圧延機E、余肉18の厚みを圧下調
整する余肉圧下装置YS、および胴幅可変機構を持つ水
平ロールを有する仕上圧延工程3の仕上ユニバーサル圧
延機FUにより構成される装置列である。ただし、図1
(a)および(b)にはユニバーサル式の余肉圧下装置
YSを、ユニバーサル圧延機RUと仕上ユニバーサル圧
延機FUとの間に設置した場合を例示した。
【0015】次に、前記の圧延装置列を用いた本発明の
圧延方法について説明する。本発明の基本思想は、全て
のウェブ高の縮小量に対してウェブ投影接触長とフラン
ジ投影接触長とが等しくなるように、余肉部厚を仕上圧
延工程以前で圧下調整するというものである。これは、
従来の圧延方法ではフィレット部形状(本発明では余肉
部に相当)を固定したことに起因してウェブ高の縮小量
によってはウェブ投影接触長がフランジ投影接触長より
極端に長くなるため、圧延が非常に不安定な状態とな
り、フィレット部に折れ込み疵が発生するという問題点
が生じることを勘案したものである。以下では、上記基
本思想に基づいた余肉部厚の圧下調整方法および適正な
余肉部形状について説明する。
【0016】図2(a),(b)に仕上ユニバーサル圧
延機FUによるウェブ高縮小圧延状況を模式的に示す。
この図において、ウェブ投影接触長Lw は一般に(1)
式で表せる。
【数1】 また、フランジ投影接触長Lf は(2)式で表せる。
【数2】 Lw =Lf という条件から、必要な余肉圧下量は以下の
(3)式で表すことができる。 Δtw =ΔWr ・Rv /RH ……………………………(3)
【0017】余肉圧下量Δtw は、ウェブ高縮小量ΔW
r によって変化する。したがって、全てのウェブ高縮小
量ΔWr に対して、常に(3)式が成り立つように以下
の方法で余肉部を成形する。まず、最大縮小量ΔWrmax
に対する最大余肉圧下量Δtwmax((3)式より計算)
が十分とれるように、中間圧延工程のユニバーサル圧延
機によりウェブ両端部に余肉を成形する。この際、該ユ
ニバーサル圧延機の上下水平ロールの左右両端周面に設
けた凹部(切り欠き部)の凹み量は、最大でΔtwmax/
2に設定する。次に、縮小量がΔWrmaxより小さい場合
に対しては、中間圧延工程のユニバーサル圧延機により
成形された余肉を、別に設けたユニバーサル式もしくは
2重式の圧延装置を用いた余肉圧下装置により圧下調整
する。すなわち、中間圧延工程でウェブ中央部よりΔt
wmaxだけ厚く成形したウェブ両端部のみを別に設けた圧
延装置を用いて1パスまたは多パスで(Δtwmax−Δt
wi)だけ圧下する。ただし、Δtwiは所要の縮小量ΔW
riを(3)式に代入して計算した所要の余肉圧下量であ
る。このような圧延を行うことにより、図3に示すよう
に竪ロールによるウェブ高の縮小圧延の開始とともに、
水平ロールによる余肉部圧下が開始され、ウェブを拘束
しながらのウェブ高さ縮小圧延となり、ウェブは座屈し
ない。また、ウェブが単独で圧延される領域がないた
め、被圧延材の左右ぶれは生じない。結果として、従来
方法に比べて中心偏りが小さく、フィレット部に折れ込
み疵のない良好な製品を安定して製造することができ
る。
【0018】次に、余肉部の適正形状について説明す
る。まず、フィレット部の半径Rを変えることにより、
Δtw を制御し、ウェブ投影接触長をフランジ投影接触
長と等しくする場合について検討する。この場合のロー
ルと被圧延材との幾何学的位置関係を図4に示す。図中
の記号を使用すると、フィレット部の半径Rは(4)式
で表すことができる。
【数3】 たとえば、ΔWr =30mmの場合には、(3)式よりΔ
tw は21.4mm(ただし、RH =1400mm、Rv =
1000mm)であり、(4)式よりRは43.6mmであ
る。
【0019】次に、その外形がフィレット部とフラット
部からなる余肉を付与してウェブ投影接触長とフランジ
投影接触長とを等しくする場合のロールと被圧延材との
幾何学的な関係を図5に示す。この場合には、最初に水
平ロールと余肉のフラット部が接触するため、フィレッ
ト部の半径Rを特別に規定する必要がなく、従来通りの
値に設定する。しかしながら、フラット部の形状につい
ては、以下のように規定する必要がある。すなわち、余
肉部厚を、余肉部圧下量Δtw が(3)式を満足するよ
うに与えるとともに、余肉の幅uを(5)式を満足する
ように設定する。
【数4】
【0020】その他、複数の円弧を組み合わせた余肉部
形状も考えられる。この場合も前記の(3)および
(4)式から円弧の半径Rを規定すれば基本的にはウェ
ブ投影接触長とフランジ投影接触長を等しくできる。し
かしながら、1個または複数の円弧からなる余肉部形状
の場合には、余肉部厚を調整する際に専用圧延装置の水
平ロールを組替える必要があるため、ロール組替えなし
にウェブ高を調整するという本発明の主旨には合わな
い。そこで、本発明では、主として図5に示した余肉部
形状を採用し、図6に示したように余肉部厚を調整する
余肉圧下装置YSの上下水平ロールδt の隙を変えるこ
とにより余肉部厚twyを圧下調整する。
【0021】また、前記の中間圧延工程のユニバーサル
圧延機による余肉成形圧延において、該ユニバーサル圧
延機の竪ロールを圧延入側または圧延出側に移動させる
方法、またはフランジ圧下率とウェブ圧下率との比を変
える方法により、余肉量を粗調整してもよい。これは竪
ロールを圧延入側または圧延出側に移動させること、ま
たはフランジ圧下率とウェブ圧下率との比を変えること
により、フランジからウェブへの鋼材流動を制御できる
ことを活用したものであり、その結果として前記ユニバ
ーサル圧延機の上下水平ロールの左右両端周面の凹部へ
充満する鋼材量、すなわち余肉量、を変えるものであ
る。
【0022】
【実施例】具体的に、シリーズ内でウェブ高が一定のH
形鋼を製造する場合、中間圧延工程で造形された中間圧
延材までは全てのサイズに対してウェブ内幅一定とし、
中間圧延材で最もフランジ厚の薄いサイズのウェブ高を
基準に、それよりフランジ厚の厚いサイズについては、
所定縮小量(対象材のフランジ厚と基準材のフランジ厚
との差の2倍)だけウェブ高を縮める。このウェブ高の
縮小圧延は、その水平ロールの胴幅が可変である仕上ユ
ニバーサル圧延機を用いて行う。すなわち、前記水平ロ
ールの胴幅を基準値に対して前記の所定縮小量だけ狭く
設定し、中間圧延材が仕上ユニバーサル圧延機で圧延さ
れる際に竪ロールでウェブ高方向に圧下してウェブ高を
所要の寸法に調整するのである。
【0023】以下では、製品呼称シリーズH550×2
00のウェブ高一定のH形鋼を圧延する際に、本発明を
適用した例について示す。圧延装置列としては、図1
(b)を用いた。まず、ウェブ厚およびフランジ厚が各
々(6mm×9mm),(6mm×12mm),(6mm×16m
m),(9mm×16mm),(9mm×19mm),(9mm×
22mm),(12mm×16mm),(12mm×19mm),
(12mm×22mm),(12mm×25mm)の製品サイズ
に相当する中間圧延材を中間圧延工程2で所要の厚みま
で圧延した。この際、左右両端周面に凹部を形成した上
下水平ロール2Hにより、中間圧延材のウェブ2aの両
端部に余肉18を併せて成形した。この余肉18の形状
は、図5に示したものを採用し、仕上ユニバーサル圧延
機で圧下する余肉量の最大値Δtwmaxを(3)式で求め
((3)式にウェブ高さ縮小量の最大値ΔWrmaxを代入
して算出)、その幅uは前記の(5)式が成り立つよう
にしたものである。ここで、上記の対象サイズ内で、基
準となるサイズは(6mm×9mm)であり、最もウェブ高
縮小量が大きいサイズは(12mm×25mm)であるの
で、ウェブ高縮小量の最大値ΔWrmaxは、(フランジ厚
の差)×2=(25−9)×2=32mmとなる。したが
って、余肉圧下量の最大値はΔWrmax×Rv /RH=3
2×1000/1400=22.9mmである。また、余
肉幅uは、(5)式よりΔWrmax/2=32/2=16
mm以上であればよいので、20mmに設定した。なお、余
肉幅uの増大に伴い、仕上ユニバーサル圧延機で余肉を
圧下する際の水平ロールに作用する荷重が増大し、余肉
を消去することが難しくなるので、余肉幅を必要以上に
大きくすべきではない。
【0024】次に、このように成形された中間圧延材の
ウェブ高を仕上ユニバーサル圧延機で縮小した。サイズ
(12mm×25mm)に対しては、中間圧延工程で上記の
ように成形された中間圧延材をそのまま、水平ロール胴
幅を基準となる胴幅532mmよりウェブ高縮小量32mm
だけ小さく設定し、竪ロールと水平ロール側面との隙を
圧延後のフランジ厚が25mmとなるように設定した仕上
ユニバーサル圧延機FUで圧延した。
【0025】一方、ウェブ高縮小量が最大値より小さい
サイズについては、そのウェブ高縮小量に対応した余肉
圧下量((3)式で算出)となるように、余肉圧下装置
YSで圧下調整した、その後、水平ロール胴幅を基準と
なる胴幅532mmよりウェブ高縮小量だけ小さく設定
し、竪ロールと水平ロール側との隙を所望のフランジ厚
に対応して設定した仕上ユニバーサル圧延機FUで圧延
した。なお、前述の余肉圧下装置YSは、2重式または
ユニバーサル式のどちらの場合でも、余肉圧下量を所望
の値に調整できた。ただし2重式の場合には竪ロールに
よるウェブ高方向の拘束がないため、前記圧下装置YS
で余肉を圧下する際にウェブ高が拡がったため、仕上ユ
ニバーサル圧延機FUでのウェブ高さ縮小量が増大し
た。そこで、この場合には中間圧延工程2のユニバーサ
ル圧延機RUでウェブ両端部に余肉18を成形する際
に、竪ロール2Vの位置およびフランジ圧下率とウェブ
圧下率との比率を調整して、中間圧延材の余肉の量がで
きる限り小さくなるように圧延した。その結果、製品呼
称シリーズH550×200のウェブ高一定のH形鋼を
ロールの組替えなしに行うことができた。さらに、圧延
は極めて安定しており、製品はウェブ座屈に起因する中
心偏りが小さく、余肉の残存およびフィレット部の折れ
込み疵のない良好な品質を有するものであった。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、ロール工具の取替えな
しで、フランジを有する形材のウェブ高の縮小を実施で
きるため、同一シリーズ内でフランジ厚が異なってもウ
ェブ高を一定に造り込むことができる。また、従来の縮
小圧延で懸念されたウェブの中心偏り、フィレット部の
折れ込み疵なども抑制でき、高品質の製品の製造が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b):本発明の圧延装置列の概略
図。
【図2】(a),(b):本発明によるウェブ高縮小圧
延状況の模式図。
【図3】ウェブ高さ縮小後の被圧延材断面形状に関し
て、従来圧延法と本発明とを比較した概略図。
【図4】仕上ユニバーサル圧延機の水平ロールと被圧延
材のフィレット部との幾何学的関係を示す模式図。
【図5】仕上ユニバーサル圧延機の水平ロールと被圧延
材の余肉フラット部との幾何学的関係を示す模式図。
【図6】余肉部厚の圧下調整方法を示す概略図。
【図7】従来のユニバーサル圧延方法を示す模式図。
【図8】圧延H形鋼の製品形状を示す断面図。
【図9】仕上圧延工程における不良成形状況を示す模式
図。
【図10】寸法・形状不良が発生した圧延H形鋼の製品
形状を示す断面図。
【図11】仕上圧延工程における不良圧延状況を示す模
式図。
【符号の説明】
1 粗圧延工程 2 中間圧延工程 3 仕上圧延工程 4 ビームブランク 18 余肉 19 凹部 BD 粗圧延機 RU ユニバーサル圧延機 E エッジャー圧延機 YS 余肉圧下装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 1/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗圧延工程、中間圧延工程、および仕上
    圧延工程からなる形鋼圧延プロセスの仕上圧延工程でフ
    ランジを有する形材のウェブ高を縮小する圧延方法にお
    いて、前記中間圧延工程の少なくとも1基以上のユニバ
    ーサル圧延機で形材のウェブ両端部に余肉を形成した
    後、仕上圧延工程の前段に設けた余肉圧下装置により前
    記余肉部の厚みを圧下調整することを特徴とするフラン
    ジを有する形材の圧延方法。
  2. 【請求項2】 中間圧延工程の少なくとも1基以上のユ
    ニバーサル圧延機の竪ロールを、圧延出側または圧延入
    側へ移動させ余肉部の厚みを調整圧延することを特徴と
    する請求項1記載のフランジを有する形材の圧延方法。
  3. 【請求項3】 中間圧延工程の少なくとも1基以上のユ
    ニバーサル圧延機の上下水平ロール対により形材のウェ
    ブ両端部に余肉を形成する過程で、フランジ圧下率とウ
    ェブ圧下率との比率を変え余肉部の厚みを調整圧延する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のフランジを有
    する形材の圧延方法。
  4. 【請求項4】 粗圧延工程、中間圧延工程、および仕上
    圧延工程からなる形鋼圧延プロセスの仕上圧延工程に水
    平ロール胴幅可変のユニバーサル圧延機を配置したフラ
    ンジを有する形材の圧延装置列において、前記中間圧延
    工程に、上下水平ロール対の左右両端周面の各々に刻設
    した凹部により余肉部を形成する少なくとも1基以上の
    ユニバーサル圧延機を設け、前記ユニバーサル圧延機と
    は別に仕上圧延工程の前段に、余肉部の厚みを圧下調整
    する余肉圧下装置を設けたことを特徴とするフランジを
    有する形材の圧延装置列。
  5. 【請求項5】 中間圧延工程のうち、少なくとも1基以
    上のユニバーサル圧延機が圧延出側もしくは圧延入側へ
    位置可変な竪ロールを有することを特徴とする請求項4
    記載のフランジを有する形材の圧延装置列。
JP19757793A 1993-08-09 1993-08-09 フランジを有する形材の圧延方法および圧延装置列 Expired - Lifetime JP2826044B2 (ja)

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