JP4645761B2 - T形鋼 - Google Patents

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Description

本発明は、造船、橋梁、建築等の分野で用いられるT形鋼であって、特に各種船舶(例えば、石炭船、鉱石船、鉱炭兼用船、原油タンカー、LPG船、LNG船、ケミカルタンカー、コンテナ船、ばら積み船、木材専用船、チップ専用船、冷凍運搬船、自動車専用船、重量物船、RORO船、石灰石専用船、セメント専用船など)の構造材として好適であり、なかでもロンジ材(縦通材)として最適なT形鋼に関するものである。
船体構造の補強用形鋼として、古くは球平形鋼が用いられていたが、船体の大型化により断面性能の向上と使用鋼材の重量低減とを目的として、不等辺不等厚山形鋼(以下、NABという)が用いられることが多くなってきた。しかし、NABは左右非対称の断面形状であるため、船体を補強する場合に断面性能に方向性を有し、船体外部から水圧などの力を受けると断面内でねじり力が発生する。そのため、構造上要求される性能から、非対称であるがために発生する上記ねじり力に耐え得る断面性能の形鋼を使用しなければならず、より断面積の大きい寸法のものを使用することにより、船体重量が増加するというデメリットをもたらす場合がある。
さらに、近年新造される原油タンカーでは、改正された海洋汚染防止条約により、(a)船底と船側の構造を二重にして座礁や衝突等により船体が破れても原油が流出し難いように構成する二重船殻(ダブルハル)構造、(b)原油タンクを上下の二層に分けて船側だけを二重構造にするとともに、上下のタンクを分ける中間デッキを喫水線より下に配置することにより、下側のタンクの原油の圧力が常に周囲の水圧よりも低く保たれるようにし、座礁等により船底に穴が開いても下側のタンクの原油が浸入する海水の圧力で上に押し上げられてタンク内に閉じ込められるようにしたミッドデッキ構造、のいずれかを採用することが義務づけられている。特に二重船殻内は、積荷がない時に海水を注入して船舶の安定航行を可能とするバラストウォータータンクとして使用される。このため、船底や船壁に配置されるロンジ材は、海水に直接的に浸漬されるので、十分な耐食性を備えるようにするための防錆塗装が施され、この塗膜の密着性を確保することが要求される。
近年では、T形の断面形状で、ウェブを中心として線対称な横断面形状を有するTロンジ材が船体補強用部材として用いられるようになってきた。このTロンジ材としては、厚板を切断し、溶接組立したものが広く使用されており、このようなTロンジ材(以下、「溶接Tロンジ材」という場合がある)はウェブとフランジの接合部に溶接部を有する。この溶接部上に塗装を行った場合、溶接ビードが凹凸を有する形状であるため、塗膜厚みが不均一となり、溶接ままの表面凹凸部分やエッジ部分が選択的に腐食される原因となり、船体構造部材の腐食劣化という重大な問題が発生する。このような不健全な塗膜の形成を防ぐため、溶接Tロンジ材については、溶接ビード部表面が滑らかになるようにグラインダー等を用いた補修が行われ、その後に塗装が行われる。このような塗装前の溶接ビード部の補修は、形鋼の長手方向の全長にわたって補修が必要な部位を検査した上で、人手をかけてグラインダー等で手入れをするため、補修に時間がかかるとともに、人件費の増加によるコスト上昇を招いていた。
一方、このような溶接Tロンジ材に対して、熱間圧延で得られる形鋼をTロンジ材に利用することが行われており、このTロンジ材の場合は、溶接Tロンジ材のような溶接組立がないため、上述したような溶接部の塗装による問題は生じない。
また、橋梁の分野においては、箱桁の横リブ、ブラケット、鋼床板の側縦桁にTロンジ材が用いられるようになってきた。この部位に用いられるTロンジ材としては、船体構造用部材と同じく、厚板を切断し、溶接組立したものが使用されている。このTロンジ材はウェブとフランジの接合部に溶接部を有する。そのため、溶接部に応力集中が発生し、溶接止端部から疲労亀裂が発生し、疲労耐久性が低下する問題があった。
一方、このような溶接Tロンジ材に対して、熱間圧延で得られる形鋼をTロンジ材に利用することが行われており、このTロンジ材の場合は、溶接Tロンジ材のような溶接組立がないため、上述したような溶接部の疲労耐久性の問題は生じない。
特許文献1には、熱間圧延でH形鋼に成形した後に、ウェブ部を半裁(2分割)して製造されるT形鋼(以下、「カットT形鋼」という場合がある)をTロンジ材として使用することが示されている。
また、特許文献2〜4には、熱間圧延して得られたT形鋼(以下、「圧延T形鋼」という場合がある)そのものをTロンジ材として使用することが示されている。また、特許文献4には、C:0.01〜0.2mass%、Si:0.001〜1mass%、Mn:0.1〜3mass%、Al:0.001〜0.2mass%、残部Fe及び不純物からなり、不純物としてP:0.03mass%以下、S:0.03mass%以下を含むとともに、Pcm(=C+(Si/30)+(Mn/20)+(Cu/20)+(Ni/60)+(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)+5B)の値が0.23mass%以下である鋼組成の圧延T形鋼が示されている。
特開2002−301501号公報 特開平11−342401号公報 特開2007−331027号公報 特開2008−254063号公報
しかし、上述した従来技術のカットT形鋼や圧延T形鋼によるTロンジ材には、以下のような問題があることが判明した。
Tロンジ材は、船体の長手方向に沿った長尺部材として使用されることが多く、その場合、長さ10〜20m程度のTロンジ材(T形鋼)を長手方向で複数本溶接接合し、長尺の船体構造材(補強材)としている。このようなTロンジ材どうしの溶接接合部は、船体構造材という性質上、すべてに適正な強度を有することが求められる。しかしながら、本発明者らによる検討の結果、従来技術のカットT形鋼や圧延T形鋼を使用した場合、Tロンジ材どうしの溶接接合部に亀裂が発生・進展し、接合部の強度低下を招くという問題が発生する可能性があり、これを防ぐために溶接施工の作業能率が大幅に低下することが判明した。
また、船体が外部から水圧などの力を受けるとねじり力が発生する。カットT形鋼や圧延T形鋼からなるTロンジ材は、ウェブとフランジの結合部に断面円弧状のフィレット部(図1においてfiで示す円弧部)を有しているが、Tロンジ材が上記のようなねじり力を繰り返し受けると、フィレット部に疲労亀裂が発生し、この亀裂が進展することでTロンジ材が破断するおそれがあることが判明した。特許文献4では、圧延T形鋼のPcmを規定しているが、このPcmは溶接低温割れの対策の判断に用いられる指標であり、フィレット部での疲労亀裂の発生・進展の抑制には効果がない。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、造船、橋梁、建築等の分野で構造材等に適用できるT形鋼であって、特に船体構造用のTロンジ材に適用した場合に、Tロンジ材どうしの溶接接合の施工性に優れ、且つフィレット部の耐疲労亀裂進展性にも優れたT形鋼を提供することにある。
本発明者らは、まず、従来技術のカットT形鋼や圧延T形鋼をTロンジ材に適用した場合に、Tロンジ材どうしの溶接接合において生じる問題とその対策について検討を行い、以下のような知見を得た。
Tロンジ材の端部どうしを溶接接合する場合、突き合わせ部を開先加工した上で溶接が行われるが、フランジとウェブの溶接線が交差することによる材質劣化および溶接欠陥発生を避ける目的で、フランジと接するウェブの一部を扇形状に切り抜くスカラップ加工が施される。図1にTロンジ材(T形鋼)の接合部の開先加工例を示す。同図において(イ)はTロンジ材の端部の側面図、(ロ)はTロンジ材の端部の正面図であり、破線で囲んだ部分がスカラップ加工部である。ここで、カットT形鋼や圧延T形鋼では、ウェブとフランジの結合部に断面円弧状のフィレット部(図1においてfiで示す円弧部)を有しており、上記スカラップ加工では、フランジ内面が平坦になるようにフィレット部を除去する必要がある。このフィレット部を除去した加工面の仕上げが不十分で凹凸がある粗い加工面となった場合に、上述したような問題、すなわち応力集中やひずみ集中などにより溶接接合部に亀裂が発生・進展する問題を生じる可能性がある。
Tロンジ材に使用される従来のカットT形鋼や圧延T形鋼は、以下に述べるような理由から、断面円弧状で且つその円弧の半径(一般にフィレットRと称される)が比較的大きいフィレット部を有している。
まず、カットT形鋼については、熱間圧延で得られたH形鋼(圧延H形鋼)のウェブ部を半裁(2分割)して製造されるため、圧延H形鋼相当のフィレット部を有している。圧延H形鋼のフィレット部のフィレットRの寸法は日本工業規格(JIS)に規格化されており、H形鋼のサイズが大きくなるほどフィレットRも大きくなる。一般に船体構造用のTロンジ材は、ウェブ高さが150mm以上であって且つウェブ高さがフランジ幅の2倍以上の寸法であることが多い。日本工業規格(JIS)ではウェブ高さ300mmの圧延H形鋼のフィレットRは13mmであるので、圧延H形鋼から得られるウェブ高さ150mm以上のTロンジ材用のカットT形鋼は、フィレットRが13mm以上である。
一方、圧延T形鋼のフィレットRの寸法については、圧延H形鋼のような規格化されたものはないが、従来の圧延T形鋼の製造方法では、圧延H形鋼と同様に相当程度大きいものとならざるを得ない。例えば、特許文献3,4の圧延T形鋼を製造する方法では、粗ユニバーサル圧延機と仕上ユニバーサル圧延機を使用して、T形鋼の熱間圧延が行われる。この熱間圧延では、T形鋼のフィレット部となるべき部分は、粗ユニバーサル圧延機の水平ロールのロールコーナー部(フランジ側ロールコーナー部)で圧延され、さらに仕上ユニバーサル圧延機の水平ロールのロールコーナー部(フランジ側ロールコーナー部)で成形されて断面円弧状に作り込まれる。これら粗ユニバーサル圧延機および仕上ユニバーサル圧延機の水平ロールコーナーR(半径)はほぼ同じ大きさとすることが多いが、そのロールコーナーRは、以下のような理由からあまり小さくすることができない。
(a)ロールコーナーRを小さくすると、ロールコーナー部とフランジ内面との接触条件が厳しくなり、両者の間に焼き付きが発生する。このためフランジ内面に焼き付き疵が発生し、適正な品質の製品形鋼が製造できなくなる。
(b)ロールコーナー部でのロール摩耗が大きくなり、圧延を続けるにしたがってロールコーナーRが大きくなる上に、円弧形状が崩れて滑らかな単一半径の円弧が成形できなくなる。そのため、ロール交換を頻繁に行う必要が生じ、生産性が低下するとともに、製造コストが増加し、製品を低コストに大量生産することが困難となる。
(c)ロールコーナーRを小さくするほどロールコーナー部の温度が上昇しやすくなるため、熱によるロールの材質劣化や損傷が発生する。ロールコーナー部に亀裂や欠け落ちなどが発生した場合には、ロールの交換を余儀なくされ、生産性が低下する。
以上のような問題は、圧延回数が多く且つ圧下率が高い粗ユニバーサル圧延機において特に顕著である。このため水平ロールのロールコーナーRは、上記(a)〜(c)の問題を生じさせないような十分に大きい寸法に構成され、その結果、製造される圧延T形鋼のフィレットRの寸法も相当する大きさになる。
また、特許文献2の圧延T形鋼を製造する方法では、上下ロールを備えた孔型圧延機を使用して、T形鋼の熱間圧延が行われる。この熱間圧延では、T形鋼のフィレット部となるべき部分は、孔型を構成する上下ロールの特定部位で圧延されるが、この特定のロール部位の円弧半径を小さくすると、フランジ内面が垂直に近い角度となる上ロールにおいて、そのロール部位の円弧先端とフランジ内面に焼き付きが生じ、このためフランジ内面に焼き付き疵が発生し、適正な品質の製品形鋼が製造できない。このためフィレット部を圧延すべきロール部位の円弧半径は、上記の問題を生じさせないような十分に大きい寸法に構成され、その結果、製造される圧延T形鋼のフィレットRの寸法も相当する大きさになる。なお、特許文献2の形鋼はT形断面ではあるが、フランジの厚みが先端ほど薄いテーパが付与された断面形状であり、特許文献2に記載の形鋼の製造方法では、フランジ厚が全幅で均一なT形鋼を製造することはできない。
上述したスカラップ加工では、フィレットR(図2においてフィレットRをr1で示す)が大きいほどフィレット部の体積と幅が大きくなり、スカラップ加工で除去すべき体積と平坦に仕上げるべき部分の幅が増大することになるが、従来のカットT形鋼や圧延T形鋼のような大きなフィレットRを有するものでは、スカラップ加工の仕上げ面積が大きいため仕上げ精度が十分でない部分が生じやすく、これが上述したような溶接作業能率の低下という問題を生じさせる原因となることが判った。具体的には、スカラップ加工でのウェブおよびフィレット部の除去を例えばガス切断で行った場合、一般にガス切断面の仕上げは手作業によるグラインダー仕上げで行うことから、仕上げ面積が大きいほど仕上げ精度にバラツキも出易く、ガスノッチを十分に除去するための作業時間が長くかかり、溶接作業の能率が大きく低下する。また、研削機械による加工の場合は、仕上げ加工の面積が大きいために研削チップの損耗が多くなり、交換頻度が増すことで加工能率が低下する。しかし、仮に仕上げ精度が不十分な部分があると、溶接接合後に応力集中や歪み集中により亀裂が発生・進展してしまうため、溶接作業の能率が悪化しても加工面を高精度に仕上げなければならない。
以上のような知見に基づき、Tロンジ材として使用されるT形鋼のフィレット部の最適な形状・大きさについて検討した結果、断面円弧状のフィレット部のフィレットRを10mm以下、好ましくは8mm以下とすることにより、スカラップ加工の仕上げ不良による溶接接合部の強度低下を招くことなく、スカラップ加工の作業能率が大幅に向上するという結論を得た。さらに、Tロンジ材は船殻に沿うように曲げ加工を施すことも必要となるが、フィレットRが小さいとフィレット部の断面が小さくなることで曲げ加工性が向上し、このためTロンジ材を曲げ加工する際の作業効率も高められることが判った。
さらに、成分組成とフィレットRの寸法を変化させた圧延T形鋼を製造し、繰り返しねじれ力を受けた場合の鋼材の耐疲労亀裂進展性について検討した結果、断面円弧状のフィレット部のフィレットRを2mm以上とするともに、成分組成、特にCeq値を最適化することにより、優れた耐疲労亀裂進展性が得られることが判った。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]ウェブ高さが150mm以上の溶接部を有しないT形鋼であって、
C:0.05〜0.25mass%、Si:0.05〜0.50mass%、Mn:0.1〜2.0mass%、P:0.025mass%以下、S:0.01mass%以下、Al:0.005〜0.10mass%、N:0.001〜0.008mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、且つ下記(1)式で規定されるCeq値が0.23〜0.40である成分組成を有し、
ウェブとフランジとの結合部に形成されるフィレット部の形鋼幅方向での断面形状がウェブとフランジに接する円弧状であり、且つその円弧の半径r1が2〜10mmであることを特徴とするT形鋼。
Ceq=[%C]+[%Mn]/6+([%Cr]+[%Mo]+[%V])/5+([%Ni]+[%Cu])/15 …(1)
但し [%C]:C含有量(mass%)、[%Mn]:Mn含有量(mass%)、[%Cr]:Cr含有量(mass%)、[%Mo]:Mo含有量(mass%)、[%V]:V含有量(mass%)、[%Ni]:Ni含有量(mass%)、[%Cu]:Cu含有量(mass%)
[2]上記[1]のT形鋼において、さらに、Cr:0.20mass%未満、Cu:0.5mass%以下、Ni:0.25mass%以下、Mo:0.5mass%以下、Co:1.0mass%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とするT形鋼。
[3]上記[1]または[2]のT形鋼において、さらに、W:0.5mass%以下、Nb:0.1mass%以下、Ti:0.1mass%以下、Zr:0.1mass%以下、V:0.2mass%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とするT形鋼。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかのT形鋼において、さらに、B:0.003mass%以下を含有することを特徴とするT形鋼。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかのT形鋼において、さらに、Ca:0.01mass%以下、REM:0.015mass%以下、Y:0.1mass%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とするT形鋼。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかのT形鋼において、ウェブ高さがフランジ幅の2倍以上であることを特徴とするT形鋼。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかのT形鋼において、熱間圧延によりT形鋼に加工されたことを特徴とするT形鋼。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかのT形鋼において、ウェブ両面側のフィレット部の円弧の半径r1が、それぞれ形鋼全長にわたって一定であることを特徴とするT形鋼。
[9]上記[1]〜[8]のいずれかのT形鋼において、フランジ先端のコーナー部の形鋼幅方向での断面形状が円弧状であり、且つその円弧の半径が2mm以上であることを特徴とするT形鋼。
[10]上記[1]〜[9]のいずれかのT形鋼において、船体構造用熱間圧延T形鋼であることを特徴とするT形鋼。
本発明のT形鋼は、ウェブとフランジとの結合部に形成されるフィレット部の形状と大きさを最適化し、従来のT形鋼に較べてフィレットRを小さくすることにより、Tロンジ材として端部どうしを溶接接合する場合に行われるスカラップ加工の仕上げ不良による溶接接合部の強度低下を招くことなく、スカラップ加工の作業能率が大幅に向上するとともに、Tロンジ材を船殻に沿うように曲げ加工する際の曲げ加工性も向上するという効果がある。さらに、フィレット部のフィレットRの下限を規定し、且つCeq値を含む成分組成を最適化することにより、フィレット部における疲労亀裂の発生・進展を抑制することができる。したがって、本発明のT形鋼は、優れた溶接接合施工性と耐疲労亀裂進展性を有する。
Tロンジ材の端部どうしを溶接接合する際の開先加工の一例を示すもので、(イ)はTロンジ材端部の側面図、(ロ)はTロンジ材端部の正面図 本発明のT形鋼の断面形状の一例を示す説明図 優れた耐疲労亀裂進展性が得られるCeq値とフィレットRの範囲を示すグラフ 本発明のT形鋼を製造するための圧延設備の一例を示す説明図 図4の圧延設備における第1の粗ユニバーサル圧延機のロール構成を模式的に示す正面図 図4の圧延設備におけるエッジャ圧延機のロール構成を模式的に示す正面図 図4の圧延設備における第2の粗ユニバーサル圧延機のロール構成を模式的に示す正面図 図4の圧延設備における仕上ユニバーサル圧延機のロール構成を模式的に示す正面図 図5に示す粗ユニバーサル圧延機の水平ロールコーナー部近傍に潤滑油供給装置Xを設置した状態を示すもので、(イ)は正面図、(ロ)は水平ロールの側面図
まず、本発明のT形鋼の寸法形状について説明する。
図2は、本発明のT形鋼の幅方向断面形状の一例を示すものであり、fがフランジ、wがウェブ、fiがウェブwとフランジfとの結合部、すなわちウェブwとフランジfとで構成されるコーナー部に形成されるフィレット部である。また、寸法として示すAがウェブ高さ、Bがフランジ幅、t1がウェブ厚、t2がフランジ厚である。さらに、r1がフィレット部fiの円弧半径(形鋼幅方向断面の円弧半径)、r2がフランジ先端内面側のコーナー部の円弧半径(形鋼幅方向断面の円弧半径)、r3がフランジ先端外面側のコーナー部の円弧半径(形鋼幅方向断面の円弧半径)である。
本発明のT形鋼は、ウェブ高さAが150mm以上の溶接部を有しないT形鋼であって、フィレット部fiの形鋼幅方向での断面形状がウェブwとフランジfに接する円弧状であり、且つその円弧半径r1(以下、「フィレットR」という場合がある)を2〜10mmとする。溶接部を有しないということは、厚板を溶接組み立てして得られる、いわゆる溶接T形鋼ではないが、熱間圧延で得られたH形鋼のウェブを半裁(2分割)して得られる、いわゆるカットT形鋼であってもよい。但し、生産性やウェブを半裁する工程を追加することによるコストの増加という観点からは、熱間圧延によりT形鋼に加工されて得られる、いわゆる圧延T形鋼であることが好ましい。また、溶接施工性の観点から、フランジ厚がフィレット部やフランジ先端付近を除く全幅で均一なT形鋼であることが好ましい。
本発明のT形鋼の形状による効果はフィレットRの規定により得られるので、T形鋼のウェブ高さAとフランジ幅Bは任意であるが、船体構造用部材としての用途の場合には、ウェブ高さAがフランジ幅Bの2倍以上であることが好ましい。ウェブ高さAとフランジ幅Bの組合せは、例えば、250mm×100mm、300mm×100mm、300mm×125mm、350mm×125mm、400mm×125mm、500mm×150mm、600mm×150mmなど、任意の組合せで選択できる。ウェブ厚t1とフランジ厚t2の組合せも任意であり、例えば、カットT形鋼の板厚(規格化されているH形鋼のウェブ厚とフランジ厚)に準じて選択することができるが、船体構造用部材としての用途の場合には、フランジ厚t2はウェブ厚t1よりも大きいことが好ましい。
本発明のT形鋼では、フィレット部fiのフィレットR(円弧半径r1)は、ウェブ高さAやフランジ幅Bにかかわらず2〜10mmとする。
さきに述べたように、Tロンジ材の端部どうしを溶接接合する場合、突き合わせ部を開先加工した上で溶接が行われるが、フランジとウェブの溶接線が交差することによる材質劣化および溶接欠陥発生を避ける目的で、フランジと接するウェブおよびフィレット部の一部を扇形状に切り抜くスカラップ加工が施される(図1参照)。フィレットRが10mmを超えると、フィレット部の体積と幅が大きくなるため、このスカラップ加工において、溶接接合部の強度低下を招くような仕上げ不良を生じさせないようにするために、仕上げ工程を含めたスカラップ加工の作業効率が低下してしまい、また、Tロンジ材を船殻に沿うように曲げ加工する際の曲げ加工性も低下する。
表1に、フィレットRが13mm〜2mmのT形鋼のフィレット部断面積とフィレット幅を示す。ここで、フィレット部断面積は、図2における片側のフィレット部fi(ウェブ部とフランジ部を除いたもの)の断面積を指し、フィレットRがゼロでウェブとフランジが直角に形成されている場合、フィレット部断面積はゼロとする。また、フィレット幅は、図2において片側のフィレット部fiの始まりから、ウェブを挟んで反対側のフィレット部fiの終わりまでの長さを指す。
表1によれば、フィレットRが13mmの場合(従来のカットT形鋼の最小のフィレットR)に比べ、フィレットRを10mmまで小さくすると、フィレット部断面積は41%減少し、フィレット幅は17%減少することが判る。スカラップ加工において除去すべきフィレット部の断面積と幅がこの程度小さくなると、仕上げ工程を含めたスカラップ加工における作業の効率化に大きな効果がある。また、フィレットRを8mmまで小さくすると、フィレットRが13mmの場合に比べ、フィレット部断面積は62%、フィレット幅は28%減少し、さらにフィレットRを5mmまで小さくすると、同じくフィレット部断面積は85%、フィレット幅は44%減少し、より一層大きな効果が得られる。
Figure 0004645761
本発明のT形鋼は、後述するように従来技術とは異なる手法を取り入れた製造方法で製造されることにより、フィレットRを10mm以下とすることが可能となるが、そのような製造方法によっても、フィレットRを極端に小さくすることは難しい。
通常、本発明のT形鋼を熱間圧延で製造するには、粗および仕上ユニバーサル圧延機を使用し、これらユニバーサル圧延機による圧延の際に、フィレット部は水平ロールのロールコーナー部で圧延、成形される。したがって、このロールコーナー部のロールコーナーRを小さくすれば、フィレットRを小さくできることになるが、さきに特許文献3に関して述べたように、単純にロールコーナーRを小さくしただけでは、(a)ロールコーナー部とフランジ内面との接触条件が厳しくなり、両者の間に焼き付きが発生することにより、フランジ内面に焼き付き疵が発生し、適正な品質の製品形鋼が製造できない、(b)ロールコーナー部でのロール摩耗が大きくなり、圧延を続けるにしたがってロールコーナーRが大きくなる上に、円弧形状が崩れて滑らかな単一半径の円弧が成形できなくなる、などの問題を生じるので、従来技術ではロールコーナーRを小さくできず、結果として、フィレットRも本発明のような小さい寸法にすることができなかった。
これに対して本発明者らは、粗および仕上ユニバーサル圧延機の圧延時に特定のロール部位に圧延潤滑油を噴射することなど(この製造方法については後に詳述する)により、水平ロールのロールコーナーRを小さくすることでフィレットRの寸法を十分に小さくしても、上記問題を生じることなく圧延できることを見出した。但し、このような製造方法を採用したとしても、水平ロールのロールコーナーRが極端に小さいと、フランジ内面の焼き付き疵の発生を防止することができず、またロールの摩耗や損傷が大きく、実質的に熱間圧延でT形鋼を量産することができなくなるので、フィレットRをできるだけ小さくするといっても、それには一定の限界がある。
一方、本発明のT形鋼では、耐疲労亀裂進展性の観点から、フィレットRの下限を2mmに限定する。すなわち、フィレットRを2mm以上とし、且つCeq値を含む成分組成を最適化することにより、優れた耐疲労亀裂進展性が得られる。フィレットRが2mm未満では、Ceq値などを最適化しても、フィレット部の応力集中が高くなるため、フィレット部で疲労亀裂が発生・進展し、優れた耐疲労亀裂進展性が得られない。また、以上の観点から、好ましいフィレットRは3mm以上である。
以上の理由から、本発明のT形鋼は、フィレットRの大きさを2〜10mm、好ましくは3〜10mmとする。
本発明のT形鋼は、図2における左右のフィレット部fi(ウェブ両面側のフィレット部)のフィレットRが、それぞれ形鋼全長にわたって一定であることが好ましい。熱間圧延により本発明のT形鋼を製造すると、左右のフィレット部fiはユニバーサル圧延機の水平ロールのロールコーナー部で圧延、成形されるため、全長にわたって同じ半径のフィレット部fiを得ることができる。すなわち、溶接T形鋼のような接合部が長手方向に不均一な形状でない、均一なフィレット部fiが得られ、部材の品質管理が容易になるという利点がある。ここで、フィレットRの変動が±20%以下であれば、形鋼全長にわたって一定と見做すことができる。
また、本発明のT形鋼は、塗装の健全性を確保するために、フランジ先端のコーナー部(フランジ先端内面側のコーナー部とフランジ先端外面側のコーナー部の計4箇所のコーナー部)の形鋼幅方向での断面形状が円弧状であり、且つその円弧半径r2,r3が2mm以上であることが好ましい。
次に、本発明のT形鋼の成分組成について説明する。
・C:0.05〜0.25mass%
Cは、鋼の強度を高め、疲労特性を向上させるのに有効な元素であり、このような効果を得るために0.05mass%以上含有させる。一方、0.25mass%を超える添加は、鋼の耐疲労亀裂進展性や溶接部の靱性を低下させる。このためC含有量は0.05〜0.25mass%とする。また、以上のような観点から、より好ましいC含有量は0.08〜0.20mass%である。
・Si:0.05〜0.50mass%
Siは、脱酸剤として、また、鋼の強度を高め、疲労特性を向上させるために添加される元素であり、本発明では0.05mass%以上添加する。しかし、0.50mass%を超える添加は、鋼の耐疲労亀裂進展性や溶接部の靭性を低下させるので、Si含有量の上限は0.50mass%とする。また、以上のような観点から、より好ましいSi含有量は0.10〜0.45mass%である。
・Mn:0.1〜2.0mass%
Mnは、熱間脆性を防止し、鋼の強度を高め、疲労特性を向上させる効果がある元素であり、0.1mass%以上添加する。しかし、2.0mass%を超える添加は、鋼の耐疲労亀裂進展性や溶接部の靱性を低下させるため、Mn含有量の上限は2.0mass%とする。また、以上のような観点から、より好ましいMn含有量は0.5〜1.6mass%である。
・P:0.025mass%以下
Pは、鋼の母材靭性、溶接性および溶接部靭性を低下させる有害な元素であり、できるかぎり低減するのが好ましい。特に、P含有量が0.025mass%を超えると、母材靭性および溶接部靭性の低下が大きくなる。このためP含有量は0.025mass%以下とする。また、以上のような観点から、より好ましいP含有量は0.014mass%以下である。
・S:0.01mass%以下
Sは、鋼の靭性および溶接性を低下させる有害な元素であるので、できるかぎり低減することが好ましく、本発明では0.01mass%以下とする。
・Al:0.005〜0.10mass%
Alは、脱酸剤として添加される元素であり、0.005mass%以上添加する必要がある。しかし、0.10mass%を超えて添加すると、粗大な酸化物系介在物が鋼中に存在するようになるため、鋼の耐疲労亀裂進展性や靭性が却って低下するので、Al含有量の上限は0.10mass%とする。また、以上のような観点から、より好ましいAl含有量は0.005〜0.06mass%である。
・N:0.001〜0.008mass%
Nは、鋼の靭性に対して有害な成分である。したがって、靭性の向上を図るためには、Nはできるだけ低減することが望ましく、0.008mass%以下とする。しかし、工業的には、Nを0.001mass%未満に低減するのは難しい。よって、N含有量は0.001〜0.008mass%とする。
・Ceq:0.23〜0.40
下記(1)式で規定されるCeq値は、母材の強度を見積もるために必要な指数である。Ceq値が0.23未満では、母材の強度が低下し、フィレットRに疲労亀裂が発生しやすくなり、耐疲労亀裂進展性が低下する。一方、Ceq値が0.40を超えると、母材の強度が高くなりすぎるため、フィレットRに応力集中が発生して疲労亀裂が生じやすくなり、この場合も耐疲労亀裂進展性が低下する。このため本発明では、Ceq値は0.23〜0.40とする。また、以上のような観点から、より好ましいCeq値は0.23〜0.36である。
Ceq=[%C]+[%Mn]/6+([%Cr]+[%Mo]+[%V])/5+([%Ni]+[%Cu])/15 …(1)
但し [%C]:C含有量(mass%)、[%Mn]:Mn含有量(mass%)、[%Cr]:Cr含有量(mass%)、[%Mo]:Mo含有量(mass%)、[%V]:V含有量(mass%)、[%Ni]:Ni含有量(mass%)、[%Cu]:Cu含有量(mass%)
成分組成とフィレットRの大きさを変えたT形鋼(圧延T形鋼)を製造し、T形鋼が繰り返しねじれ力を受けた場合の耐疲労亀裂進展性を調べた。耐疲労亀裂進展性は、実施例に記載の試験方法で評価した。表2にT形鋼の成分組成を、表3にT形鋼のフィレットRと耐疲労亀裂進展性を示す。また、図3は、その結果に基づき、優れた耐疲労亀裂進展性が得られるフィレットRとCeq値の範囲を示したものであり、○は「破断なし」、×は「破断あり」を示している。
この試験では、成分組成およびフィレットRの大きさが耐疲労亀裂進展性に及ぼす影響を調べるため、各T形鋼の断面寸法および製造条件は同等にした。図2に示すT形鋼の断面寸法は、A=300mm、B=125mm、t1=10mm、t2=16mm、r2=5mm、r3=3mmとした。また、熱間圧延の加熱温度は1280〜1300℃、圧延仕上温度は780〜800℃とした。
表3および図3によれば、フィレット部のフィレットRを2.0mm以上、Ceq値を0.23〜0.40とすることで、優れた耐疲労亀裂進展性が得られることが判る。
Figure 0004645761
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本発明のT形鋼は、上記成分組成に加えて、さらに下記A〜D群の中から選ばれる少なくとも1つの群の元素を含有することができる。
・A群;Cr:0.20mass%未満、Cu:0.5mass%以下、Ni:0.25mass%以下、Mo:0.5mass%以下、Co:1.0mass%以下の中から選ばれる1種または2種以上
Cr、Cu、Ni、MoおよびCoは、いずれも鋼の強度を高め、耐疲労亀裂進展性を向上させる元素であり、必要とする強度などに応じて選択して添加することができる。しかし、Crは0.20mass%以上、またCu、Moは0.5mass%、Niは0.25mass%、Coは1.0mass%をそれぞれ超えて添加すると、却って鋼の耐疲労亀裂進展性や靭性が低下するため、Cr、Cu、Ni、Mo、Coを添加する場合は、上記値を上限として添加する。なお、上記のような効果を得るためには、Cr、Cu、Niはそれぞれ0.005mass%以上、Mo、Coはそれぞれ0.01mass%以上添加することが好ましい。
・B群;W:0.5mass%以下、Nb:0.1mass%以下、Ti:0.1mass%以下、Zr:0.1mass%以下、V:0.2mass%以下の中から選ばれる1種または2種以上
W、Nb、Ti、ZrおよびVは、いずれも鋼の強度を高め、耐疲労亀裂進展性を向上させる元素であり、必要とする強度などに応じて選択して添加することができる。しかし、Wは0.5mass%、Nb、Ti、Zrは0.1mass%、Vは0.2mass%をそれぞれ超えて添加すると、却って鋼の耐疲労亀裂進展性や靭性が低下するため、W、Nb、Ti、Zr、Vを添加する場合は、上記値を上限として添加する。なお、上記のような効果を得るためには、W、Nb、Ti、Zrはそれぞれ0.001mass%以上、Vは0.002mass%以上添加することが好ましい。
・C群;B:0.003mass%以下
Bは、鋼の強度を高め、耐疲労亀裂進展性を向上させる元素であり、必要に応じて含有することができる。しかし、Bを0.003mass%を超えて添加すると、却って鋼の耐疲労亀裂進展性や靭性が低下するため、Bを添加する場合は、上記値を上限として添加する。なお、上記のような効果を得るためには、Bを0.0002mass%以上添加することが好ましい。
・D群;Ca:0.01mass%以下、REM:0.015mass%以下、Y:0.1mass%以下の中から選ばれる1種または2種以上
Ca、REMおよびYは、いずれも溶接熱影響部の靭性向上に効果のある元素であり、必要に応じて選択して添加することができる。しかし、Ca:0.01mass%、REM:0.015mass%、Y:0.1mass%をそれぞれ超えて添加すると、却って鋼の耐疲労亀裂進展性や靭性の低下を招くので、Ca、REM、Yを添加する場合は、上記値を上限として添加する。なお、上記のような効果を得るためには、Caは0.0002mass%以上、REMは0.0002mass%以上、Yは0.0001mass%以上添加することが好ましい。
本発明のT形鋼の上記以外の成分は、Feおよび不可避的不純物である。但し、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、上記以外の成分を含有することを妨げない。
次に、本発明のT形鋼(圧延T形鋼)を得るのに好適な製造方法について説明する。
この製造方法では、上述した成分組成を有する鋼を常法に従い溶製し、鋳造することでスラブやブルームなどの鋼素材とし、この鋼素材を加熱炉で加熱した後、熱間圧延してT形鋼とする。この熱間圧延では、粗ユニバーサル圧延機および仕上ユニバーサル圧延機などを用い、T形鋼を製造する。具体的には、例えば、粗造形圧延機などで得られたT形鋼片を、第1の粗ユニバーサル圧延機、エッジャ圧延機、第2の粗ユニバーサル圧延機、仕上ユニバーサル圧延機で順次圧延することにより、T形鋼を製造する。このような粗ユニバーサル圧延機および仕上ユニバーサル圧延機を用いた製造方法では、ユニバーサル圧延機の水平ロールのロールコーナー部でフィレット部fiが圧延、成形される。
そこで、粗および仕上ユニバーサル圧延機の水平ロールのロールコーナーR(半径)を、製造しようとする本発明のT形鋼のフィレットR(2〜10mm)を成形できる寸法とした上で、粗および仕上ユニバーサル圧延機での圧延中に水平ロールのロールコーナー部に、潤滑油供給装置から圧延潤滑油(熱間圧延用潤滑油)を噴射し、水平ロールコーナー部を潤滑する。このときフランジ内面にも圧延潤滑油を噴射すれば、焼き付き防止効果がさらに向上し、ロールコーナー部とフランジ内面の焼き付きをより一層効果的に防止することができる。
また、ロールコーナー部の温度がロールコーナーRを小さくするほど上昇しやすくなり、ロールの損傷が発生しやすくなる問題への対策として、少なくとも粗ユニバーサル圧延機の圧延出側に水平ロールコーナー部専用の冷却水噴射ノズルを配置し、この冷却水噴射ノズルから水平ロールコーナー部に冷却水を噴射してロールコーナー部の冷却を強化することにより、過度のロールの温度上昇を防止し、ロールの損傷を防止することができる。
以上のような製造方法により、フィレットRが小さい本発明のT形鋼を製造することができる。なお、本発明のT形鋼の製造方法は、上述した製造方法に限定されないことは言うまでもない。
以上述べたように本発明のT形鋼は、船体構造用として、なかでもTロンジ材として最適なものであるが、橋梁、建築等の分野において構造材等として使用することもできる。
[実施例1]
本発明のT形鋼(船体構造用T形鋼)の熱間圧延による製造例を以下に示す。この製造例では、C:0.13mass%、Si:0.21mass%、Mn:1.31mass%、P:0.009mass%、S:0.005mass%、Al:0.031mass%、N:0.0029mass%、Ceq値:0.35の成分組成を有するブルームを用いてT形鋼を製造した。なお、設備構成、圧延機の構造、ロール形状、各寸法などは一例であり、これらに限定されるものではない。
図4に示す圧延設備を用いて、厚さ250mm、幅310mmの長方形断面を有するブルームから、ウェブ高さ300mm、フランジ幅100mm、ウェブ厚9mm、フランジ厚16mmを目標寸法とするT形鋼を圧延した。このT形鋼では、フィレット部の円弧半径r1(フィレットR)を8mmとした。
図4において、1は粗造形圧延機、2は第1の粗ユニバーサル圧延機、3はエッジャ圧延機、4は第2の粗ユニバーサル圧延機、5は仕上ユニバーサル圧延機である。
粗造形圧延機1は、通常、孔型を有するロールが装備された二重式圧延機である。
図5は、第1の粗ユニバーサル圧延機2のロール構成を模式的に示したものであり、この粗ユニバーサル圧延機2は、対向する1対の水平ロール21a,21bと、対向する1対の堅ロール22a,22bを備え、水平ロール21a,21bの圧下面の幅W1を、ウェブwの内法寸法L(フランジ内面からウェブ先端部までの距離)より大きくしてある。水平ロール21a,21bの側面には傾斜角が付けられている。
図6は、エッジャ圧延機3のロール構成を模式的に示したものであり、このエッジャ圧延機3は、対向する1対の水平ロール31a,31bを備え、各水平ロール31a,31bは、大径ロール部33と小径ロール部32をそれぞれ有している。
図7は、第2の粗ユニバーサル圧延機4のロール構成を模式的に示したものであり、この第2の粗ユニバーサル圧延機4は、対向する1対の水平ロール41a,41bと、対向する1対の堅ロール42a,42bを備え、水平ロール41a,41bのロール面の幅W2を、ウェブwの内法寸法L(フランジ内面からウェブ先端部までの距離)以下(好ましくは未満)としてある。水平ロール41a,41bのフランジfに接する側面には傾斜角が付けられている。
図8は、仕上ユニバーサル圧延機5のロール構成を模式的に示したものであり、この仕上ユニバーサル圧延機5は、対向する1対の水平ロール51a,51bと、対向する1対の堅ロール52a,52bを備えている。水平ロール51a,51bの側面は垂直面となっている。
加熱炉(図示せず)から搬出された素材鋼片(図示せず)を、まず、粗造形圧延機1によって断面略T形状のT形鋼片に圧延した。このT形鋼片は、ウェブ厚40mm、フランジ厚75mm、ウェブ高さ375mm、フランジ幅130mmであった。
次いで、このT形鋼片を、第1の粗ユニバーサル圧延機2、エッジャ圧延機3、第2の粗ユニバーサル圧延機4が近接して配置された圧延設備列で5パスの往復圧延を行い、T形鋼片のウェブとフランジを圧下した(中間圧延工程)。
この中間圧延工程では、まず、第1の粗ユニバーサル圧延機2において、図5に示すように水平ロール21a,21bによりウェブwの全長をその板厚方向で圧下し、堅ロール22aと、水平ロール21a,21bの側面でフランジfをその板厚方向で圧下した。次いで、エッジャ圧延機3において、図6に示すように水平ロール31a,31bの大径ロール部33間にウェブwを誘導し、小径ロール部32によりフランジfの端面をフランジ幅方向で圧下した。次いで、第2の粗ユニバーサル圧延機4において、図7に示すように水平ロール41a,41bによりウェブwの大部分をその板厚方向で圧下するとともに、堅ロール42aと、水平ロール41a,41bの側面でフランジfをその板厚方向で圧下し、さらに、堅ロール42bでウェブwの先端部をウェブ高さ方向で圧下し、ウェブ高さの調整を行った。
このように中間圧延工程で得られたT形鋼を、仕上ユニバーサル圧延機5で製品寸法に仕上圧延した。この仕上ユニバーサル圧延機5では、図8に示すように水平ロール51a,51bによりウェブwの全長をその板厚方向で軽圧下し、堅ロール52aと、水平ロール51a,51bの側面でフランジfの傾斜を垂直に整形した。
以上のような一連の圧延工程で使用した粗ユニバーサル圧延機2,4および仕上ユニバーサル圧延機5において、水平ロールコーナー部のロールコーナーR(半径)は、2台の粗ユニバーサル圧延機2,4については9mm、仕上ユニバーサル圧延機5については8mmとした。そして、水平ロールコーナー部の近傍に図9に示すような潤滑油供給装置Xを設置し、この潤滑油供給装置Xから水平ロールコーナー部に圧延潤滑油(熱間圧延用潤滑油)を供給した。図9は、第1の粗ユニバーサル圧延機2に潤滑油供給装置Xを設置した状態を示しており、(イ)は正面図、(ロ)は水平ロールの側面図である。2台の粗ユニバーサル圧延機2,4では往復圧延を行うため、圧延機の前面(上流側)と後面(下流側)にそれぞれ潤滑油供給装置Xを設置し、圧延入側になる方の潤滑油供給装置Xから圧延潤滑油を噴射し、水平ロールコーナー部に圧延潤滑油を付着させた状態で圧延を行った。また、仕上ユニバーサル圧延機5では、1パスのみの圧延が行われるため、潤滑油供給装置Xは圧延機の前面(上流側)のみに設置し、粗ユニバーサル圧延機と同様に圧延入側で圧延潤滑油を噴射しつつ圧延した。このように圧延潤滑油を供給しながら圧延した結果、ロールとフランジ内面の焼き付きが発生せず、フランジ内面に焼き付き疵のない、良好な表面を有する製品が圧延できた。また、1000ton以上の製品を圧延した後にも、顕著なロールコーナー部の摩耗はなく、ほぼ同じフィレットRの製品が最後まで圧延できた。
一方、圧延潤滑油を供給しないで圧延したところ、フランジ内面に焼き付き疵が発生し、十分な品質の製品が製造できなかった。
次に、図4に示す圧延設備を用いて、上述した製造例と同じ寸法のT形鋼であって、フィレット部の円弧半径r1(フィレットR)が5mmの製品を製造した。
水平ロールコーナー部のロールコーナーR(半径)は、2台の粗ユニバーサル圧延機で6mm、仕上ユニバーサル圧延機で5mmとした。上述した製造例と同様に、各ユニバーサル圧延機2,4,5の水平ロールコーナー部に潤滑油供給装置Xから圧延潤滑油を噴射しつつ圧延を行ったところ、水平ロールとフランジ内面の焼き付きは防止できたものの、150ton程度の製品を圧延した後に2台の粗ユニバーサル圧延機2,4の水平ロールコーナー部に割れが発生したため、圧延を中断した。ロールコーナー部の過度な温度上昇が原因と考えられたため、対策として粗ユニバーサル圧延機2,4の潤滑油供給装置Xに隣接した位置に冷却水を噴射する冷却水噴射ノズルを設け、この冷却水噴射ノズルから圧延出側の水平ロールコーナー部に冷却水を噴射することで、被圧延材と接触した直後の水平ロールコーナー部を水冷した。すなわち、水平ロールコーナー部に対して圧延入側では圧延潤滑油を、圧延出側では冷却水をそれぞれ噴射して圧延を行った。その結果、フィレット部の円弧半径r1が5mmの製品を約1000ton圧延しても水平ロールコーナー部に割れが発生していないことが確認できた。
[実施例2]
表4および表5に示す成分組成を有する鋼を真空溶解炉または転炉で溶製してブルームとし、このブルームを加熱炉に装入して1100〜1350℃に加熱した後、実施例1に記載した製造例に準じた方法により、仕上圧延温度600〜850℃の範囲で熱間圧延し、表6に示す断面寸法のT形鋼を製造した。なお、仕上圧延温度は、最終圧延パスの圧延機出側での材料温度であり、放射温度計でフィレット部を測定した。
得られたT形鋼の耐疲労亀裂進展性、溶接部靱性を評価するため、以下のような試験を行った。その結果を表7に示す。
(1)耐疲労亀裂進展試験(耐疲労亀裂進展性)
疲労亀裂進展は、実際に船体に溶接を行い評価するのが最も望ましいが、それでは試験に長時間を要する。そこで本実施例では、前川試験機製作所製「パルセーター250PUS」を使用して、繰り返し3点曲げ試験を実施して評価した。圧延後のT形鋼を1500mmに切断し、試験荷重:100トン、繰返し速度:600rpm、曲げ支点間隔:1000mmで350万回3点曲げを実施し、破断の有無で評価した。
(2)衝撃試験(溶接部靭性)
T形鋼の突合せ溶接を行うために、フランジおよびウェブに開先加工を、またウェブにスカラップ加工を施した。その後、20kJ/cmの入熱で突合せ多層盛り溶接(GMAW)を行った。溶接したT形鋼のHAZ中央部から、2mmVノッチシャルピー衝撃試験片を採取し、―20℃でのシャルピー衝撃試験における吸収エネルギーを測定し、47J/cm以上であれば衝撃特性は良好と判断した。
表7によれば、No.1〜11およびNo.22〜33の本発明例は、いずれも優れた耐疲労亀裂進展性と溶接継手性能が得られている。これに対して、Ceq値を含む成分組成やフィレットRが本発明範囲外であるNo.12〜21の比較例は、少なくとも耐疲労亀裂進展性、溶接継手特性のいずれか一方が劣っている。
Figure 0004645761
Figure 0004645761
Figure 0004645761
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f フランジ
w ウェブ
fi フィレット部
1 粗造形圧延機
2 第1の粗ユニバーサル圧延機
3 エッジャ圧延機
4 第2の粗ユニバーサル圧延機
5 仕上ユニバーサル圧延機
21a,21b 水平ロール
22a,22b 堅ロール
31a,31b 水平ロール
32 小径ロール部
33 大径ロール部
41a,41b 水平ロール
42a,42b 堅ロール
51a,51b 水平ロール
52a,52b 堅ロール
X 潤滑油供給装置

Claims (10)

  1. ウェブ高さが150mm以上の溶接部を有しないT形鋼であって、
    C:0.05〜0.25mass%、Si:0.05〜0.50mass%、Mn:0.1〜2.0mass%、P:0.025mass%以下、S:0.01mass%以下、Al:0.005〜0.10mass%、N:0.001〜0.008mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、且つ下記(1)式で規定されるCeq値が0.23〜0.40である成分組成を有し、
    ウェブとフランジとの結合部に形成されるフィレット部の形鋼幅方向での断面形状がウェブとフランジに接する円弧状であり、且つその円弧の半径r1が2〜10mmであることを特徴とするT形鋼。
    Ceq=[%C]+[%Mn]/6+([%Cr]+[%Mo]+[%V])/5+([%Ni]+[%Cu])/15 …(1)
    但し [%C]:C含有量(mass%)、[%Mn]:Mn含有量(mass%)、[%Cr]:Cr含有量(mass%)、[%Mo]:Mo含有量(mass%)、[%V]:V含有量(mass%)、[%Ni]:Ni含有量(mass%)、[%Cu]:Cu含有量(mass%)
  2. さらに、Cr:0.20mass%未満、Cu:0.5mass%以下、Ni:0.25mass%以下、Mo:0.5mass%以下、Co:1.0mass%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のT形鋼。
  3. さらに、W:0.5mass%以下、Nb:0.1mass%以下、Ti:0.1mass%以下、Zr:0.1mass%以下、V:0.2mass%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のT形鋼。
  4. さらに、B:0.003mass%以下を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のT形鋼。
  5. さらに、Ca:0.01mass%以下、REM:0.015mass%以下、Y:0.1mass%以下の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のT形鋼。
  6. ウェブ高さがフランジ幅の2倍以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のT形鋼。
  7. 熱間圧延によりT形鋼に加工されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のT形鋼。
  8. ウェブ両面側のフィレット部の円弧の半径r1が、それぞれ形鋼全長にわたって一定であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のT形鋼。
  9. フランジ先端のコーナー部の形鋼幅方向での断面形状が円弧状であり、且つその円弧の半径が2mm以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のT形鋼。
  10. 船体構造用熱間圧延T形鋼であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のT形鋼。
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