JPH091203A - 形鋼の圧延装置およびその装置を用いた形鋼の圧延方法 - Google Patents

形鋼の圧延装置およびその装置を用いた形鋼の圧延方法

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JPH091203A
JPH091203A JP15318595A JP15318595A JPH091203A JP H091203 A JPH091203 A JP H091203A JP 15318595 A JP15318595 A JP 15318595A JP 15318595 A JP15318595 A JP 15318595A JP H091203 A JPH091203 A JP H091203A
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Yutaka Kano
裕 鹿野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】寸法精度の優れた外法一定の形鋼の提供。 【構成】ブレークダウンミルと、粗ミルおよびエッジ
ャーミルが近接配置された中間ミル群、ならびに仕上げ
ミルが連続に配設された形鋼の圧延装置であって、粗ミ
ルとしてロールの両端部の直径が中央部よりも大きな段
付き水平ロールを備えたユニバーサル粗ミルが配置され
た形鋼の圧延装置。 ユニバーサル粗ミルとユニバーサルエッジャーミルと
が近接配置されたミル群を中間圧延工程の最終段に用
い、中間圧延の最終パスで被圧延材のフランジの先端、
フランジ外面の一部およびウェブ面の一部を圧下しつつ
ウェブの内幅の縮小を行う形鋼の圧延方法であって、ウ
ェブの縮小圧延に先行するユニバーサル粗ミルで被圧延
材のウェブ両端部の厚さを中央部より小さくする圧延方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築や土木などに用い
られるH形鋼や平行フランジ溝形鋼等の形鋼の熱間圧延
方法、特にフランジ厚さが異なりウェブ高さが等しい外
法一定の形鋼を寸法精度よく製造するときのユニバーサ
ル粗ミルからユニバーサル仕上げミルまでの熱間圧延装
置とその装置を用いた圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の鉄骨は、H形鋼や溝形鋼等の形
鋼で組み立てられる。建築物が高層化されることに伴っ
て、多サイズの形鋼や外法一定の形鋼が必要となってき
た。
【0003】図11は、H形鋼の断面形状と各部の寸法を
示す図である。Hはウェブ高さ、Bはフランジ幅、t1
ウェブ厚さ、t2はフランジ厚さ、rはフィレット半径、
b1およびb2はウェブからフランジ先端までの長さであ
る。H形鋼の呼称は、H500 ×B200 ×10/16のごとく
表示される。H500 はウェブ高さHが500 mm、B200 は
フランジ幅Bが200 mm、10/16はウェブ厚さt1が10mm、
フランジ厚さt2が16mmであることを示す。
【0004】外法一定のH形鋼とは、例えば、図11の
(a) および(b) に示すように複数のH形鋼がウェブ高さ
Hおよびフランジ幅Bを等しく、ウェブ厚さt1およびフ
ランジ厚さt2を異にして、ウェブ内幅Hi の異なるH形
鋼のシリーズである。前記のH500 ×B200 ×10/16で
フランジ厚さを変えた異サイズH形鋼は、JISではH
499 ×B199 × 9/16、H506 ×B201 ×11/19とな
り、ウェブ高さとフランジ幅が一定でない。これを一定
としたものを外法一定のH形鋼という。外法一定のH形
鋼を使用することによって、建築物の重量を軽く、美し
くすることができる。しかし、外法一定のH形鋼を製造
するには、それぞれのウェブ厚さとフランジ厚さに応じ
た孔型ロールやユニバーサルミルを必要とし、製造コス
トは高くなる。従って、外法一定のH形鋼としては、溶
接H形鋼が使用されることが多い。
【0005】熱間圧延H形鋼の圧延寸法公差は、JIS
(日本工業規格)で規定され、例えば、ウェブ高さ500
mmの場合には±3.0 mmである。ウェブやフランジの寸法
が異なると構造物としたとき美観を損なうとともに、結
合部等に不具合を起こし強度低下を引き起こすことがあ
る。特に、ウェブのフランジ中心からの偏りS(図11に
おいてS=(b1-b2)/2 、以下「ウェブの中心偏り」と記載
する。)が大きくなると、部材同士の接合の際に不具合
を生じる。従って、ウェブの中心偏りは、ウェブ高さ30
0 mm以上のH形鋼で±3.5 mm以下となっている。
【0006】ウェブ両端部Wの厚さが大きくなると、部
材同士の突き合わせ接合の際に不具合が生じるほか、単
位長さ当たりの重量が不必要に重くなり、製造する際の
歩留りの低下を招く。
【0007】呼称寸法の異なる多種類のH形鋼を製造す
るには、それぞれのウェブ高さに応じた孔型ロールやユ
ニバーサルロールを必要とする。これらのロール本数を
削減する圧延方法の提案が数多くされている。例えば、
出願人は既にユニバーサル仕上げミル(以下、これを
「UFミル」と記載する。)でウェブ高さを縮小する方
法(特開平2-84203 号公報)、ユニバーサル粗ミル(以
下、これを「URミル」と記載する。)またはUFミル
のいずれかでウェブ高さを縮小する方法(特開平4-2583
01号公報)を提案した。その外、中間圧延または仕上げ
圧延においてウェブ高さを縮小する方法を開示するもの
として、特開昭59-133902 号公報、特開昭60-82201号公
報、特開昭60-83702号公報、特開昭60-118301 号公報、
特開昭62-93008号公報などがあげられる。また、中間圧
延または仕上げ圧延においてウェブ高さを拡大する方法
を開示するものとして、特開昭63-30102号公報、特開昭
63-72402号公報、特開昭63-168204 号公報、特開昭61-2
62403 号公報、特開昭62-161403 号公報、ウェブ高さを
縮小または拡大する方法を開示するものとして、特開昭
61-262402 号公報、特開昭61-262404 号公報などがあげ
られる。
【0008】ウェブ高さ縮小、拡大のいずれの方法も、
フランジ先端部はロールによる拘束を受けず、フランジ
幅拡がりは自由である。このために、特にウェブ高さを
縮小する場合にはウェブ部からフランジ部へ材料が流れ
る現象が起こり、約4%以上のフランジ幅拡がりが生
じ、ウェブ中心偏りが大きくなり、公差外れとなる。
【0009】このように、従来の方法ではウェブ高さの
変更時においても、ウェブ中心偏りが大きくなり、場合
によってはエッジャーミルによる矯正効果が損なわれて
しまうという問題がある。これを解消するため、本出願
人は、URミルとユニバーサルエッジャーミル(以下、
これを「UEミル」と記載する。)が近接配置された中
間圧延のUEミルの最終圧延において、フランジ先端と
ウェブ面を拘束しながら垂直ロールでウェブ高さを縮小
し、ウェブ高さの異なるH形鋼を寸法精度良く製造する
方法を、国際特許出願(出願番号PCT/JP 95/2123)し
た。
【0010】図9は、ブレークダウンミルの後段にユニ
バーサルミルを配置したH形鋼の圧延装置を示す図であ
り、(a) は圧延ラインを示す図、(b) は圧延パスを示す
図、(c) はURミルのロール配置を示す図、(d) はUF
ミルのロール配置を示す図、(e) および(f) はUEミル
のロール配置を示す図である。BDは2重ブレークダウ
ンミル(以下、「2Hi-BDミル」と記載する。)、U
Rはユニバーサル粗ミル(URミル)、UEはURミル
に近接配置されたユニバーサルエッジャーミル(UEミ
ル)、UFはユニバーサル仕上ミル(UFミル)であ
る。ここで「近接配置された」とは、2つのスタンド間
にテーブルロールが存在せず、これらのスタンドが連続
して配列された状態をいう。
【0011】H形鋼は、図9(a) に示す圧延ラインで、
鋳片または鋼片を図(b) に示すように2Hi-BDミルBD
での往復圧延によってドックボーン形状の粗形材とした
後、URミルURとUEミルUEとの中間圧延によって製品
寸法に近い寸法にまで仕上げられ、次いでUFミルでの
整形圧延によって製品に仕上げられる。URミルでは、
図(c) に示すようにフランジ厚さおよびウェブ厚さの圧
下が行なわれる。最終パス〔図(b) のLE〕を除くUEミ
ルでは、図(e) に示すように垂直ロールでフランジ外面
を拘束し、かつフランジ先端だけを圧下し、最終パスで
図(f) に示すようにウェブ厚さおよびフランジ先端を拘
束しながらフランジ外面を圧下(H0-H1)してウェブ内幅
の縮小が行われる。次いで、図(d) に示すようにUFミ
ルUFで、1パスの整形圧延を施して製品寸法に仕上げら
れる。
【0012】外法一定のH形鋼は、図9に示す圧延装置
を用い、UEミルおよびUFミルの水平ロールとして、
図(e) および(d) に示すようにロールが軸方向に分割
(図では2分割)され、圧延中にロールの幅を変更する
ことができる機構を備えた水平ロール(以下、これを
「ロール幅可変の水平ロール」と記載する。)を配設し
た圧延装置によって製造される。UEミルの水平ロール
E1には、図(f) に示すように軸方向の端部に肩部1が設
けられ、水平ロールE1と垂直ロールE2とで孔型2 が形成
される。この孔型で圧延材のフランジ部を拘束し、ロー
ル幅を縮小(H0-H1)してウェブ高さの縮小圧延が行われ
る。これにより製品全長にわたってウェブ中心偏りの矯
正効果およびフランジ幅変動の矯正効果がえられ、高寸
法精度の外法一定のH形鋼が製造できる。
【0013】図10は、URミル、UEミルおよびUFミ
ルの3つのミルを圧延方向に近接配置したH形鋼の圧延
装置と各ミルのロール配置および圧延材の断面を示す図
であり、(a) は圧延ラインを示す図、(b) は圧延パスを
示す図、(c) 〜(e) はURミル、UEミルおよびUFミ
ルのロール配置と圧延材の断面を示す図である。
【0014】この圧延装置においてはUFミルにロール
幅可変の水平ロールを配設し、かつ3つのミルを近接配
置することにより、UFミルでの最終パスLFを除くパス
においてウェブ厚さとフランジ厚さの圧下が施され、U
Rミルに等しい圧延を行うことができる。これにより、
圧延能率を向上させることができる。また、最終パスLF
においてUEミルでのウェブ内幅縮小量に応じてロール
幅を変更し、フランジの角(θE )を修正し、寸法精度
の優れたH形鋼を圧延することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】前記図9または図10に
示す圧延装置を用い、ウェブ内幅の縮小圧延を施したH
形鋼には、図11(b) に示すようにウェブの両端部Wに厚
さ(フィレット半径部を除く厚さ)が大きくなることが
ある。これは、ウェブ幅を縮小することによりUEミル
の水平ロールに作用する垂直方向の荷重が大きくなり、
圧延機の容量が不足することと、圧延材の圧延方向に圧
縮応力が発生し、圧延終了後復肉(厚さが大きくなる)
するためである。ウェブの両端部の厚さが大きくなる
と、次のUFミルでの圧下においても厚さを均一にする
ことができず、寸法不良となる。また、ウェブの厚さが
薄い(例えば、6〜9mm)場合には、UEミルまたはU
Fミルでウェブを強圧下するとウェブの両端部に局部的
な「波打ち」現象が起こることがある。図12は、H形鋼
のウェブ部に発生した「波打ち」を示す図である。
【0016】本発明の目的は、ウェブ厚さが均一で、ウ
ェブに局部的な波打ちのない寸法精度の優れた形鋼を熱
間圧延で製造する方法、特に呼称サイズの異なる多種類
の形鋼や外法一定の形鋼を1群のユニバーサルミルを用
いて熱間圧延する方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、図9に示
すH形鋼の圧延装置を用いてH形鋼(H650 ×B200×9
/12、H650 ×B200 ×9/22およびH650 ×B200 ×12/
28 )の圧延試験を行った。URミルには、幅固定の上
下の水平ロール(側面テーパ角θR が3〜5°)R1,R1
と左右の垂直ロールR2,R2 からなる通常のユニバーサル
タイプを用いた。UEミルには、ロール幅可変の上下の
水平ロールE1,E1 と左右の垂直ロールE2,E2 からなるユ
ニバーサルタイプを用いた。UFミルには、ロール幅可
変の上下の水平ロールF1,F1 と左右の垂直ロールF2,F2
からなるユニバーサルタイプを用いた。
【0018】URミルとUEミルとによる往復圧延の最
終パスのUEミルにおいて〔図9(b) のLE〕、被圧延材
のウェブ内幅縮小量(dH=H0-H1)を種々変化させた試験を
行い、圧延材のウェブ厚さを測定した。
【0019】図13は、UEミルの最終パスでウェブ内幅
縮小量を変化させたときのウェブ厚さの分布を示す図で
ある。同図から、ウェブ内幅縮小量(dH)を大きくする
(ウェブ中央部の厚さ(t1m) に等しい値からその3倍ま
で)と、ウェブ両端部の厚さt1が大きくなり、また厚さ
の大きくなる領域がウェブ両端部から中央部に向かって
拡大する(約50、80、150 mm)ことがわかる。また、上
記の試験結果から、ウェブ内幅縮小量(dH)をウェブ中央
部の厚さ(t1m) で除したウェブ内幅縮小率(dH/t1m)と、
ウェブ最大厚さ増加量(dt1max)をウェブ中央部の厚さ(t
1m) で除したウェブ両端部の厚さ増加率(dt1max/t1m)を
計算した。
【0020】図14は、ウェブ内幅縮小率とウェブ厚さ増
加率との関係を示す図である。同図から、ウェブ両端部
の厚さ増加率dt1max/t1m(dt1maxは最大厚さ増加量、t1
m はウェブ中央部の厚さ)とウェブ内幅縮小率dH/t1mの
間には比例関係が認められることがわかる。
【0021】圧延材のウェブ両端部の厚さが大きくなっ
た部分は、UFミルで整形圧延を施した後も残存し、製
品寸法公差を外れることになる。これを修正するには、
UEミルまたはUFミルでの圧延において水平ロールの
開度を小さくし、ウェブ厚さの局部圧下が施される。し
かし、ウェブの両端の厚さの圧下にともないウェブ中央
の厚さが減少(圧延方向の引張り力が作用するため)
し、また圧延方向の圧縮力が作用し圧延終了後復肉する
ため、結果的にウェブ両端部の厚さを小さくすることが
できなかった。また、極端にロール開度を小さくする
と、ウェブ厚さが薄い(6〜9mm)場合には、図12に示
すようにウェブ両端に局部的な波打ちが発生し、製品不
良となることもある。
【0022】そこで本発明者らは、URミルでの圧延
を、UEミルでのウェブ内幅縮小圧延にともなうウェブ
両端部の厚さ増加に相当する量だけウェブの両端部の厚
さを小さく仕上げることを考えた。即ち、URミルの水
平ロールの長手方向断面のプロファイルをロールの両端
部から中央に向かってある長さの範囲の直径を大きくし
たものとする。これにより被圧延材の両端部のウェブ厚
さは中央部に比べて小さく圧延され、UEミルの最終パ
スでのウェブ内幅縮小圧延においてウェブ厚さが均一に
なる。また、UFミルにおいてもウェブ両端部の局部的
な圧下による波打ちが起こらないことを知見した。
【0023】本発明は、上記の知見を基に完成され、そ
の要旨は、図3〜図7に示す下記ないしの形鋼の圧
延装置、およびそれらの装置を用いた下記またはに
示す形鋼の圧延方法にある。
【0024】ブレークダウンミル(BD)と、ユニバーサ
ル粗ミルおよびエッジャーミルが近接配置された中間ミ
ル群と、仕上げミルとが連続に配置された形鋼の圧延装
置であって、ユニバーサル粗ミルの水平ロールはロール
の両端部の直径が中央部よりも大きな段付きロールであ
る形鋼の圧延装置(図3参照)。
【0025】ブレークダウンミル(BD)と、ユニバーサ
ル粗ミルおよびエッジャーミルが近接配置された中間ミ
ル群と、仕上げミルとが連続に配置された形鋼の圧延装
置であって、ユニバーサル粗ミルの水平ロールはロール
の両端部の直径が中央部よりも大きく、かつロール幅を
可変とする段付きロールであり、エッジャーミルはロー
ル幅を可変とする水平ロールが配設されたユニバーサル
エッジャーミルである形鋼の圧延装置。
【0026】ブレークダウンミルと、ユニバーサル粗
ミルおよびエッジャーミルからなる中間ミル群と、仕上
げミルとが連続に配置された形鋼の圧延装置であって、
中間ミル群として、2基のユニバーサル粗ミル(UR1,UR
3) が1基のエッジャーミル(E)の前後に圧延方向に近接
配置され、ユニバーサル粗ミルの1つ(UR1) がロールの
両端部の直径が中央部よりも大きな段付き水平ロール(R
11) を備え、他の1つ(UR3) がロール幅を可変とし、か
つロール長手方向の両端部に圧延材のフランジ先端を圧
下できる孔型(2) が形成された水平ロール(R13) を備え
た形鋼の圧延装置(図4参照)。
【0027】ブレークダウンミルと、粗ミルおよびエ
ッジャーミルとからなる中間ミル群と、仕上げミルとが
連続に配置された形鋼の圧延装置であって、中間ミル群
として、2基のユニバーサル粗ミル(UR1またはUR2 、UR
4)と1基のロール幅を可変とした水平ロールを備えたユ
ニバーサルエッジャーミル(UE)とが圧延方向に近接配置
され、ユニバーサル粗ミルの1つ(UR1 またはUR2 )が
ロールの両端部の直径が中央部よりも大きな段付き水平
ロール(R11) 、またはロールの両端部の直径が中央部よ
りも大きく、かつロール幅を可変とした段付き水平ロー
ル(R12) を備え、他の1つ(UR4) がロール幅を可変とし
た水平ロール(R14) を備えた形鋼の圧延装置(図5また
は図6参照)。
【0028】ブレークダウンミルに続くユニバーサル
粗ミル、ユニバーサルエッジャーミルおよびユニバーサ
ル仕上げミルの3つのミルが圧延方向に近接配置された
形鋼の圧延装置であって、ユニバーサル粗ミル(UR1 ま
たはUR2 )がロールの両端部の直径が中央部よりも大き
な段付き水平ロール(R11) 、またはロールの両端部の直
径が中央部よりも大きく、かつロール幅を可変とした段
付き水平ロール(R12) を備え、ユニバーサルエッジャー
ミル(UE)およびユニバーサル仕上げミル(UF)がロール幅
を可変とした水平ロール(E1 、F1) を備えた形鋼の圧延
装置(図7参照)。
【0029】少なくとも1基のユニバーサル粗ミルと
1基のユニバーサルエッジャーミルまたはエッジャーミ
ルとが近接配置されたミル群を中間圧延工程の少なくと
も最終段に用い、中間圧延のユニバーサルエッジャーミ
ルまたはユニバーサル粗ミルの最終パスで被圧延材のフ
ランジの先端およびウェブ面を圧下しつつフランジ外面
を圧下して、ウェブの内幅の縮小圧延を施す形鋼の圧延
方法であって、ウェブの縮小圧延に先行するユニバーサ
ル粗ミルのパスで被圧延材のウェブ両端部の厚さを中央
部より小さくする形鋼の圧延方法。
【0030】ユニバーサル粗ミル、ユニバーサルエッ
ジャーミルおよびユニバーサル仕上げミルが近接配置さ
れたミル群を用いて往復圧延を施した後、ユニバーサル
エッジャーミルの最終パスで被圧延材のフランジの先
端、フランジ外面の一部およびウェブ面の一部を圧下し
つつウェブの内幅の縮小を施す形鋼の圧延方法であっ
て、ウェブの縮小圧延に先行するユニバーサル粗ミルで
被圧延材のウェブ両端部の厚さを中央部より小さくする
形鋼の圧延方法。
【0031】
【作用】本発明の形鋼の圧延装置として、H形鋼を圧延
する装置を例として、以下詳細に説明する。
【0032】本発明は、圧延の途中でウェブ内幅を縮小
して異サイズの形鋼を圧延するときの圧延ロールと、そ
の圧延ロールをどのように配置するかに特徴がある。
【0033】図1は、URミルのロール配置と圧延材の
断面を示す図であり、(a) はロール幅固定の段付き水平
ロールが配設されたURミルを示す図、(b) はロール幅
可変の段付き水平ロールが配設されたURミルを示す
図、(c) はロール幅可変の肩付き水平ロールが配設され
たURミルを示す図、(d) はロール幅可変の水平ロール
が配設されたURミルを示す図である。
【0034】図1(a)に示すURミルUR1 は、ロールの両
端部(Wで示す範囲)の直径D1が中央部の直径D2よりも
大きく(1〜2mm)製作された上下の水平ロールR11,R11
(以下、これを「ロール幅固定の段付き水平ロール」と
いう。)と、左右の垂直ロールR2,R2 が配設されてい
る。水平ロールの直径を大きくする範囲Wは、H形鋼の
大きさやUEミルでのウェブ内幅縮小量によっても変わ
るが、50〜200 mmに設定するのが望ましい。ロール両端
部の断面は、H形鋼断面のフィレット半径rに等しい円
弧とし、その円弧とロール中央部の外径部とを半径Rの
円弧で連結するようにロールの直径を変化させるのが望
ましい。このようなURミルで粗形材を圧延すると、被
圧延材のウェブ両端部の板厚は中央部に比べ小さくな
る。
【0035】図1(b)に示すURミルUR2 は、ロールの両
端部の直径が中央部の直径よりも大きく、かつ軸方向に
分割(この場合は3分割)され圧延の途中でロール幅を
変更することが可能な上下の段付き水平ロールR12,R12
(以下、これを「ロール幅可変の段付き水平ロール」と
いう。)と、左右の垂直ロールR2,R2 が配設されてい
る。図(a) および図(b) に示す段付き水平ロールをもっ
たURミルは、いずれもエッジャーミルの前に設置され
る。
【0036】図1(c)に示すURミルUR3 は、軸方向に分
割(この場合は2分割)され圧延の途中でロール幅を変
更することが可能であり、かつロール両端部に肩部1が
設けられた上下の水平ロールR13,R13 (以下、これを
「ロール幅可変の肩付き水平ロール」という。)と、左
右の垂直ロールR2,R2 が配設されている。このロール幅
可変の肩付き水平ロールは、垂直ロールと協動して圧延
材のフランジ部を拘束する孔型2を形成する。
【0037】図1(d)に示すURミルUR4 は、軸方向に分
割(この場合は2分割)され圧延の途中でロール幅を変
更することが可能な上下の水平ロールR14,R14 (以下、
これを「ロール幅可変の水平ロール」という。)と、左
右の垂直ロールR2,R2 が配設されている。図(c) および
図(d) に示すURミルは、いずれもエッジャーミルの後
に設置される。
【0038】図2は、ブレクダウンミルからユニバーサ
ル仕上げミルまでのH形鋼の圧延ラインを示す図であ
り、(a) はURミルとUEミルとが近接配置されたライ
ン、(b) はEミルを挟んで2つのURミルが近接配置さ
れたライン、(c) および(d) はUEミルを挟んで2つの
URミルが近接配置されたライン、(e) および(f) はU
Rミル、UEミルおよびUFミルが近接配置されたライ
ンを示す図である。いずれのラインにおいても、ユニバ
ーサルミルを近接配置することによって、圧延の最終工
程でH形鋼のウェブ内幅(ウェブ高さ)を縮小すること
ができ、外法一定のH形鋼を寸法精度良く、しかも圧延
効率よく製造することができる。
【0039】図1に示したURミルが、図2で示す圧延
ラインに設置されたときの作用、効果について説明す
る。
【0040】図3は、H形鋼の圧延装置と、各ミルに配
設されたロール形状と圧延材の断面を示す図であり、
(a) は圧延ラインを示す図、(b) は圧延パスを示す図、
(c) はURミルに配設されたロールと圧延材の断面を示
す図、(d) はUEミルに配設されたロールと圧延材の断
面を示す図、(e) はUFミルに配設されたロールと圧延
材の断面を示す図である。
【0041】ブレークダウンミルBDは、通常の2Hi-孔型
ミルが配置され、鋳片または鋼片を孔型中を往復させて
圧延することによってドックボーン形状の粗形材に圧延
する。続く中間ミル群は、URミルとUEミルとが圧延
方向に近接して配置され、粗形材を往復させて圧延する
ことによってほぼ製品寸法に圧延する。最後にUFミル
では、整形圧延することによって製品に仕上げる。
【0042】URミルUR1 には、上下にロール幅固定の
段付き水平ロールR11,R11 と、左右に垂直ロールR2,R2
が配設されている。このようなURミルで粗形材を圧延
すると、圧延材のウェブ両端部の板厚は中央部に比べ小
さくなる。
【0043】UEミルUEには、上下にロール幅可変な水
平ロールE1,E1 と、左右に垂直ロールE2,E2 とが配設さ
れている。水平ロールとして、ロール幅可変のロールを
配設したので、H形鋼のフランジ先端のみを圧下する通
常のエッジャーミルとしての圧延を行うことができる。
また、UEミルの最終パスLEにおいて、水平ロールの幅
を小さく設定し、圧延材のウェブ内幅を縮小する圧延を
行うことができる。このウェブの縮小圧延では、ウェブ
両端部の厚さが大きくなる傾向にあるが、前述したよう
に先行するURミルでウェブ両端部の厚さは中央部に比
べ小さく圧延されているので、ウェブ厚さの等しいH形
鋼がえられる。
【0044】UFミルUFには、上下にロール幅可変の水
平ロールF1,F1 と、左右に垂直ロールF2,F2 とが配設さ
れている。水平ロールとして、ロール幅を変更すること
が可能なロールを配設したので、UFミルのロール幅を
UEミルで縮小されたウェブ幅に合わせて整形圧延を施
すことができる。これにより、寸法精度に優れたH形鋼
を圧延することができる。
【0045】図15は、UEミルの最終パスでウェブ内幅
を縮小する圧延を施したときの圧延前後のウェブ厚さ分
布の比較を示す図である。これらの3本の線は、最終の
URミルでフランジ厚さとウェブ厚さが圧下され、最終
のUEミルで水平ロール幅を小さくし、水平ロールでフ
ランジ先端とウェブ厚さを圧下しながら垂直ロールでウ
ェブ高さを圧下することによってえられたものである。
UEミルでの最終パス前のURミルでウェブ両端部の厚
さを予め 0.5〜1.5 mm小さくした材料(太線で示すウェ
ブ内幅縮小圧延前)は、UEミルの最終パスでウェブ内
幅縮小圧延によってウェブ両端部の厚さ(細線で示す)
は中央部とほぼ等しくなり、寸法公差内にはいることが
わかる。なお、URミルの最終パス後のウェブ両端部の
厚さ分布は、最終パスにおいて水平ロール開度を調整す
ることで変更するものである。
【0046】ウェブ内幅の縮小圧延が施されたのち、U
Fミルで所定の寸法に整形圧延されるので、シリーズ内
でウェブ厚さおよびフランジ厚さが変化しウェブ高さが
一定である外法一定のH形鋼が、高い寸法精度で圧延す
ることができる。
【0047】以上、本発明の圧延装置を用いた圧延方法
によれば、URミル−UEミルの往復圧延で、URミル
の水平ロール両端の段付き部で被圧延材のウェブ両端部
の厚さが中央部に比べ小さく圧延される。したがって、
その後のUEミルにおけるウェブ内幅縮小圧延において
被圧延材のウェブ両端部の厚さが大きくなっても、中央
部に較べて大きくなることなく、UFミルでの仕上げ圧
延後のウェブ厚さが均一になる。
【0048】図4は、中間ミル群として、2基のURミ
ルと1基のエッジャーミルを配置したH形鋼の圧延装置
と各ミルに配設されたロールおよび圧延材の断面を示す
図であり、(a) は圧延ラインを示す図、(b) はロール幅
固定の段付き水平ロールが配設されたURミルを示す
図、(c) は通常の2重の水平ロールが配設されたエッジ
ャーミルを示す図、(d) はロール幅可変の肩付き水平ロ
ールが配設されたURミルを示す図、(e) は幅可変の水
平ロールが配設されたUFミルを示す図である。
【0049】エッジャーミルE の前段にロール幅固定の
段付き水平ロールR11 が配設されたURミルUR1 での圧
延は、図3に示したURミルと同様である。エッジャー
ミルEの後段に配置され、ロール幅可変の肩付き水平ロ
ールR13 が配設されたロール幅可変孔型URミルUR3 で
は、最終パスを除く各パスについてのウェブ厚さおよび
フランジ厚さの積極的な圧延が行われ、図3で示すUR
ミル−UEミル圧延の場合に比べて高能率な圧延が可能
となるほか、最終パスではフランジ端部を拘束しつつウ
ェブ高さ(ウェブ内幅)の縮小を施すことで、中心偏り
の発生を抑制する効果がある。
【0050】図5は、中間ミル群として、2基のURミ
ルと1基のUEミルを配置したH形鋼の圧延装置と各ミ
ルに配設されたロールおよび圧延材の断面を示す図であ
り、(a) は圧延ラインを示す図、(b) はロール幅固定の
段付き水平ロールが配設されたURミルを示す図、(c)
は幅可変の水平ロールが配設されたUEミルを示す図、
(d) は幅可変の水平ロールが配設されたURミルを示す
図、(e) は幅可変の水平ロールが配設されたUFミルを
示す図である。
【0051】UEミルUEの前段に配置され、ロール幅固
定の段付き水平ロールR11 が配設されたURミルUR1 で
の圧延は、図3に示したURミルと同様である。エッジ
ャーミルとして、ロール幅可変の水平ロールE1が配設さ
れたUEミルUEでは、最終パスを除く各パスにおいては
フランジ端部の圧下を主体とした圧延が行われ、最終パ
スではフランジ端部とウェブを拘束しつつウェブ高さを
縮小することでウェブ中心偏りを防止する効果がある。
また、UEミルUEの後段に配置され、ロール幅可変の水
平ロールR14 が配設されたURミルUR4 では、UR1 と組
み合わせて各パスにおいてウェブとフランジ厚さの圧下
を積極的に施す圧延が行われ、高能率圧延が可能となる
ほか、製品のウェブ高さが変化してもロール交換が不要
となり、ロール保有数を削減できる効果がある。
【0052】図6は、中間ミル群として、2基のURミ
ルと1基のUEミルを配置したH形鋼の圧延装置と各ミ
ルに配設されたロールおよび圧延材の断面を示す図であ
り、(a) は圧延ラインを示す図、(b) はロール幅可変の
段付き水平ロールが配設されたURミルを示す図、(c)
は幅可変の水平ロールが配設されたUEミルを示す図、
(d) は幅可変の水平ロールが配設されたURミルを示す
図、(e) は幅可変の水平ロールが配設されたUFミルを
示す図である。
【0053】UEミルの前段に配置され、ロール幅可変
の段付き水平ロールが配設されたURミルUR2 での圧延
は、UR4 ミルと組み合わせてウェブとフランジ厚さの積
極的な圧下を行うのが特徴である。エッジャーミルとし
てロール幅可変の水平ロールE1が配設されたUEミルUE
では、最終パスを除く各パスにおいてフランジ幅の調整
を行うべくフランジ端部の圧延が行われ、最終パスでフ
ランジ端部を拘束しつつウェブ高さを縮小することで中
心偏りの発生を防止させる効果がある。
【0054】図7は、URミル−UEミル−UFミルが
近接配置されたH形鋼の圧延ラインと各ミルに配設され
たロールと圧延材の断面を示す図であり、(a) は圧延ラ
インを示す図、(b) および(d) はURミルに配設された
ロールと圧延材の断面を示す図、(c) はUEミルに配設
されたロールと圧延材の断面を示す図、(e) はUFミル
に配設されたロールと圧延材の断面を示す図である。
【0055】URミル−UEミル−UFミルが近接配置
された圧延ラインでは、URミルの水平ロールとして、
ロール幅固定の段付き水平ロールR11,R11 、またはロー
ル幅可変の段付き水平ロールR12,R12 を配置することが
できる。UEミルおよびUFミルの水平ロールには、幅
可変ロール(2分割)が配設される。
【0056】この圧延装置においても、ブレークダウン
圧延は従来と同様に行う。URミル−UEミル−UFミ
ルが近接配置され、URミルの水平ロールには幅固定の
段付きロールR11 が配設され、UEミルおよびUFミル
の水平ロールには幅可変ロール(E1,F1) が配設されてい
るので、UFミルでもウェブ厚さとフランジ厚さを圧下
するURミルと同様な圧延を施すことができる。これに
より、図3の場合に比べ圧延能率が向上する。また、U
Rミルの水平ロールとして、幅可変の段付きロールR12
が配設された場合には、製品のウェブ高さが大きく異な
る場合にも、ロールを交換せずに圧延でき、ロール保有
数を削減できる効果がある。
【0057】以上述べたように、本発明の圧延装置は、
URミルの水平ロールとして段付きロールが配置されて
いるので、その後のウェブ内幅縮小圧延を施してもウェ
ブ両端部の厚さが大きくなることはなく、寸法精度の優
れたH形鋼が圧延できる。
【0058】以上の説明では、H形鋼の圧延について述
べたが、平行フランジ溝形鋼などの形鋼の圧延にも適用
できる。
【0059】図8は、URミルとUEミルとを近接配置
した溝形鋼の圧延装置を示す図であり、(a) は圧延ライ
ンを示す図、(b) はブレークダウンミルの孔型断面と圧
延材の断面を示す図、(c) は幅固定の段付き水平ロール
が配設されたURミルを示す図、(d) は幅可変の水平ロ
ールが配設されたUEミルを示す図、(e) は幅可変の水
平ロールが配設されたUFミルを示す図である。
【0060】平行フランジ溝形鋼の圧延方法に関して
は、前記図3に示すH形鋼の圧延の場合と同様に行うこ
とができる。
【0061】
【実施例】
(実施例1)図3に示す圧延装置を用い、幅1290mm、厚
さ 250mm、長さ5000mmの連続鋳造鋳片から製品寸法H650
×B200×9/12、H650×B200×9/22およびH650×B200×12
/28の3サイズの外法一定のH形鋼を製造する試験を行
った。
【0062】各URミルの水平ロールは、図1(a) に示
す形状とし、D1=1500mm、D2=1498mm、r=17mm、R=
20000mm およびW=200 mmとした。比較例として、D1
D2=1500mmとした水平ロールを用いた。
【0063】ブレークダウンミルで得られた粗形材を、
URミル−UEミルの15パスで3種類のH形鋼のウェブ
内幅の等しい(この場合は626 mm)中間圧延材を圧延す
る。
【0064】製品寸法H650×B200×9/12の中間圧延材
は、そのままUFミルに送られ製品に仕上げ圧延され
る。H650×B200×9/22およびH650×B200×12/28 の中間
圧延材は、UEミルの最終パスでウェブ高さを20mmまた
は32mm縮小した後、UFミルに送られ製品に仕上げ圧延
される。UFミルでは、フランジ角度起こしを兼ねた整
形圧延(ウェブ内幅縮小は行わず)を施した。
【0065】これらの試験の結果を圧延状況、製品寸法
および評価として表1に示した。
【0066】
【表1】
【0067】表1から、本発明の段付き水平ロールを配
設したURミルを設置した圧延装置を用いることによ
り、ウェブ厚さの均一なH形鋼が圧延できることがわか
る。しかし、段付きロールでない水平ロールを配設した
URミルを設置した比較例の圧延装置で圧延された圧延
材には、ウェブに波打ちが発生するもの、またはウェブ
厚さが寸法外れとなるものがあった。
【0068】(実施例2)図5に示す圧延装置を用い、
幅 670mm、厚さ 300mm、長さ5000mmの連続鋳造鋳片から
製品寸法H400×B200×6/9 、H400×B200×6/16およびH4
00×B200×12/22の3サイズの外法一定のH形鋼を製造
した。
【0069】URミルの水平ロールは幅固定とし、図1
(a) においてD1=1500mm、D2=1499mmおよびW=50mmと
した。比較例のURミルの水平ロールは、D1=D2=1500
mmとした。
【0070】圧延試験は、実施例1と同様にして行っ
た。
【0071】図5に示す圧延装置では、URミル−UE
ミル−UFミルが近接配置されているので、UEミルを
エッジャーミルとしてのフランジ先端のみを圧下し、U
Fミルでウェブ厚さとフランジ厚さを圧下する圧延を7
パス行った。即ち、UFミルは、最終パスを除き各パス
について使用し、ウェブ厚さおよびフランジ厚さの圧下
を行った。最終圧延においては、UEミル圧延後のウェ
ブ内幅に合わせてUFミルの水平ロール幅を調整し、フ
ランジの角度起こしを主体とした整形圧延(ウェブ内幅
縮小は行わず)を行った。
【0072】これらの試験の結果を圧延状況、製品寸法
および評価にまとめ表2に示した。
【0073】
【表2】
【0074】表2から、本発明の段付き水平ロールを配
設したURミルを設置した圧延装置を用いることによ
り、ウェブ厚さの均一なH形鋼を圧延することができ
た。しかし、段付きロールでない水平ロールを配設した
URミルを設置した比較例の圧延装置では、ウェブに波
打ちやウェブ厚さ寸法外れとなった。また、この圧延装
置では、UFミルにURミルに等しい圧延を行わせるこ
とができるので、圧延能率が実施例1の場合に比べ約2
倍に向上した。
【0075】(実施例3)実施例1または2と同様な試
験を、図4、図6、図7、図8、図9および図10に示す
圧延装置について行い、それらの結果をまとめて表3に
示した。
【0076】
【表3】
【0077】表3から、本発明の段付き水平ロールを配
設したURミルを設置したいずれの圧延装置でも、ウェ
ブ厚さの均一なH形鋼または溝形鋼を圧延することがで
きた。しかし、段付きロールでない水平ロールを配設し
たURミルを設置した比較例の圧延装置では、ウェブに
波打ちが発生するものやウェブ厚さ寸法外れとなるもの
がみられた。
【0078】
【発明の効果】本発明の形鋼の圧延装置は、URミルの
水平ロールとして段付きロールを配設したので、ウェブ
内幅縮小にともなうウェブ厚さの増肉を解消し、ウェブ
波打ちがなく寸法精度の優れた外法一定の形鋼を圧延す
ることができる。また、この装置を用いた形鋼の圧延方
法によれば、圧延中に圧延荷重が増大する現象やロール
の摩耗を軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】URミルのロール配置と圧延材の断面を示す図
であり、(a) は幅固定の段付き水平ロールが配設された
URミルを示す図、(b) は幅可変の段付き水平ロールが
配設されたURミルを示す図、(c) は幅可変の肩付き水
平ロールが配設されたURミルを示す図、(d) は幅可変
の水平ロールが配設されたURミルを示す図である。
【図2】ブレクダウンミルからユニバーサル仕上げミル
までのH形鋼の圧延ラインを示す図であり、(a) はUR
ミルとUEミルが近接配置されたライン、(b) はEミル
を挟んで2つのURミルが近接配置されたライン、(c)
および(d) はUEミルを挟んで2つのURミルが近接配
置されたライン、(e) および(f) はURミル、UEミル
およびUFミルが近接配置されたラインを示す図であ
る。
【図3】H形鋼の圧延装置と、各ミルに配設されたロー
ル形状と圧延材の断面を示す図であり、(a) は圧延ライ
ンを示す図、(b) は圧延パスを示す図、(c) はURミル
に配設されたロールと圧延材の断面を示す図、(d) はU
Eミルに配設されたロールと圧延材の断面を示す図、
(e) はUFミルに配設されたロールと圧延材の断面を示
す図である。
【図4】中間ミル群として、2基のURミルと1基のエ
ッジャーミルが配置されたH形鋼の圧延装置と各ミルに
配設されたロールおよび圧延材の断面を示す図であり、
(a) は圧延ラインを示す図、(b) はロール幅固定の段付
き水平ロールが配設されたURミルを示す図、(c) は通
常の2Hi-の水平ロールが配設されたエッジャーミルを示
す図、(d) は幅可変の肩付き水平ロールが配設されたU
Rミルを示す図、(e) は幅可変の水平ロールが配設され
たUFミルを示す図である。
【図5】中間ミル群として、2基のURミルと1基のU
Eミルが配置されたH形鋼の圧延装置と各ミルに配設さ
れたロールおよび圧延材の断面を示す図であり、(a) は
圧延ラインを示す図、(b) はロール幅固定の段付き水平
ロールが配設されたURミルを示す図、(c) は幅可変の
水平ロールが配設されたUEミルを示す図、(d)は幅可
変の水平ロールが配設されたURミルを示す図、(e) は
幅可変の水平ロールが配設されたUFミルを示す図であ
る。
【図6】中間ミル群として、2基のURミルと1基のU
Eミルが配置されたH形鋼の圧延装置と各ミルに配設さ
れたロールおよび圧延材の断面を示す図であり、(a) は
圧延ラインを示す図、(b) はロール幅可変の段付き水平
ロールが配設されたURミルを示す図、(c) は幅可変の
水平ロールが配設されたUEミルを示す図、(d)は幅可
変の水平ロールが配設されたURミルを示す図、(e) は
幅可変の水平ロールが配設されたUFミルを示す図であ
る。
【図7】URミル−UEミル−UFミルが近接配置され
たH形鋼の圧延ラインと各ミルに配設されたロールと圧
延材の断面を示す図であり、(a) は圧延ラインを示す
図、(b) および(d) はURミルに配設されたロールと圧
延材の断面を示す図、(d)はUEミルに配設されたロー
ルと圧延材の断面を示す図、(e) はUFミルに配設され
たロールと圧延材の断面を示す図である。
【図8】URミルとUEミルとが近接配置された溝形鋼
の圧延装置を示す図であり、(a) は圧延ラインを示す
図、(b) はブレークダウンミルの孔型断面と圧延材の断
面を示す図、(c) は幅固定の段付き水平ロールが配設さ
れたURミルを示す図、(d) は幅可変の水平ロールが配
設されたUEミルを示す図、(e) は幅可変の水平ロール
が配設されたUFミルを示す図である。
【図9】ブレークダウンミルの後段にユニバーサルミル
が配置されたH形鋼の圧延装置を示す図であり、(a) は
圧延ラインを示す図、(b) は圧延パスを示す図、(c) は
URミルのロール配置を示す図、(d) はUFミルのロー
ル配置を示す図、(e) および(f) はUEミルのロール配
置を示す図である。
【図10】URミル、UEミルおよびUFミルの3つの
ミルを圧延方向に近接配置したH形鋼の圧延装置と各ミ
ルのロール配置および圧延材の断面を示す図であり、
(a)は圧延ラインを示す図、(b) は圧延パスを示す図、
(c) 〜(e) はURミル、UEミルおよびUFミルのロー
ル配置と圧延材の断面を示す図である。
【図11】H形鋼の断面形状と各部の寸法を示す図であ
る。
【図12】H形鋼のウェブ部に発生した波打ちを示す図
である。
【図13】UEミルの最終パスでウェブ内幅縮小量を変
化させたときのウェブ厚さの分布を示す図である。
【図14】ウェブ内幅縮小圧下率とウェブ厚さ増加率と
の関係を示す図である。
【図15】UEミルの最終パスでウェブ内幅を縮小する
圧延を施したときの圧延前後のウェブ厚さ分布の比較を
示す図である。
【符号の説明】
BD. ブレークダウンミル M.圧延材 UR1.ロール幅固定段付きユニバーサル粗ミル UR2.ロール幅可変段付きユニバーサル粗ミル UR3.ロール幅可変肩付きユニバーサル粗ミル UR4.ロール幅可変ユニバーサル粗ミル UE.ロール幅可変ユニバーサルエッジャーミル E.2Hi-エッジャーミル 1.肩部
2.孔型 E1. 幅可変エッジャー水平ロール E2. エッジャ
ー垂直ロール UF.ロール幅可変ユニバーサル仕上げミル R11.幅固定粗圧延段付き水平ロール R12.幅可変粗
圧延段付き水平ロール R13.幅可変粗圧延肩付き水平ロール R14.幅可変粗
圧延水平ロール R2. 粗圧延垂直ロール

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレークダウンミルと、ユニバーサル粗ミ
    ルおよびエッジャーミルが近接配置された中間ミル群
    と、仕上げミルとが連続に配置された形鋼の圧延装置で
    あって、ユニバーサル粗ミルの水平ロールはロールの両
    端部の直径が中央部よりも大きな段付きロールであるこ
    とを特徴とする形鋼の圧延装置。
  2. 【請求項2】ブレークダウンミルと、ユニバーサル粗ミ
    ルおよびエッジャーミルが近接配置された中間ミル群
    と、仕上げミルとが連続に配置された形鋼の圧延装置で
    あって、ユニバーサル粗ミルの水平ロールはロールの両
    端部の直径が中央部よりも大きく、かつロール幅を可変
    とする段付きロールであり、エッジャーミルはロール幅
    を可変とする水平ロールが配設されたユニバーサルエッ
    ジャーミルであることを特徴とする形鋼の圧延装置。
  3. 【請求項3】ブレークダウンミルと、ユニバーサル粗ミ
    ルおよびエッジャーミルからなる中間ミル群と、仕上げ
    ミルとが連続に配置された形鋼の圧延装置であって、中
    間ミル群として、2基のユニバーサル粗ミルが1基のエ
    ッジャーミルの前後に圧延方向に近接配置され、ユニバ
    ーサル粗ミルの1つはロールの両端部の直径が中央部よ
    りも大きな段付き水平ロールを備え、他の1つはロール
    幅を可変とし、かつロール長手方向の両端部に圧延材の
    フランジ先端を圧下できる孔型が形成された肩付き水平
    ロールを備えたことを特徴とする形鋼の圧延装置。
  4. 【請求項4】ブレークダウンミルと、粗ミルおよびエッ
    ジャーミルとからなる中間ミル群と、仕上げミルとが連
    続に配置された形鋼の圧延装置であって、中間ミル群と
    して、2基のユニバーサル粗ミルと1基のロール幅を可
    変とした水平ロールを備えたユニバーサルエッジャーミ
    ルとが圧延方向に近接配置され、ユニバーサル粗ミルの
    1つがロールの両端部の直径が中央部よりも大きな段付
    き水平ロール、またはロールの両端部の直径が中央部よ
    りも大きく、かつロール幅を可変とした段付き水平ロー
    ルを備え、他の1つがロール幅を可変とした水平ロール
    を備えたことを特徴とする形鋼の圧延装置。
  5. 【請求項5】ブレークダウンミルに続くユニバーサル粗
    ミル、ユニバーサルエッジャーミルおよびユニバーサル
    仕上げミルの3つのミルが圧延方向に近接配置された形
    鋼の圧延装置であって、ユニバーサル粗ミルがロールの
    両端部の直径が中央部よりも大きな段付き水平ロール、
    またはロールの両端部の直径が中央部よりも大きく、か
    つロール幅を可変とした段付き水平ロールを備え、ユニ
    バーサルエッジャーミルおよびユニバーサル仕上げミル
    がロール幅を可変とした水平ロールを備えたことを特徴
    とする形鋼の圧延装置。
  6. 【請求項6】少なくとも1基のユニバーサル粗ミルと1
    基のユニバーサルエッジャーミルまたはエッジャーミル
    とが近接配置されたミル群を中間圧延工程の少なくとも
    最終段に用い、中間圧延のユニバーサルエッジャーミル
    またはユニバーサル粗ミルの最終パスで被圧延材のフラ
    ンジの先端およびウェブ面を圧下しつつフランジ外面を
    圧下して、ウェブの内幅の縮小圧延を施す形鋼の圧延方
    法であって、ウェブ内幅の縮小圧延に先行するユニバー
    サル粗ミルでの被圧延材のウェブ両端部の厚さを中央部
    より小さくすることを特徴とする形鋼の圧延方法。
  7. 【請求項7】ユニバーサル粗ミル、ユニバーサルエッジ
    ャーミルおよびユニバーサル仕上げミルが近接配置され
    たミル群を用いて往復圧延を施した後、ユニバーサルエ
    ッジャーミルの最終パスで被圧延材のフランジの先端、
    フランジ外面の一部およびウェブ面の一部を圧下しつつ
    ウェブの内幅の縮小を施す形鋼の圧延方法であって、ウ
    ェブの縮小圧延に先行するユニバーサル粗ミルで被圧延
    材のウェブ両端部の厚さを中央部より小さくすることを
    特徴とする形鋼の圧延方法。
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