JPH09503448A - 電磁空気式機械加工用ジグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 フライス盤、研削盤等のベッドに取り付けられる電磁空気式機械加工用ジグである。本ジグは、機械加工のため、工具ヘッドに対して所望の位置にシリンダヘッド等の工作物を保持する。本機械加工用ジグは、それらの間に前記工作物を保持するための一対のジグ台（１０）を有する。この一対のジグ台（１０）は、前記機械の前記ベッド上に、互いの位置を選択可能に取り付けられる。各ジグ台（１０）は、調整可能な台（１６、１７、１８）上に工作物結合手段（２２、２５）を有する。この台は、空気浮動手段（５４、５５、５６）及び電磁石手段（１３、５３）を含む基部（１１、１２）上に支持される。この空気浮動手段（５４、５５、５６）によって、前記一対のジグ台（１０）の基部が浮動している間に、ジグ台間に固定された工作物が前記工具ヘッドに対して位置づけられる。空気浮動が完了すると、電磁石手段（１３、５３）が励磁され、各ジグ台（１０）が機械の取付板に固定される。

Description

【発明の詳細な説明】 電磁空気式機械加工用ジグ 発明の分野 この発明は、工作物を支持するためのジグ、さらに具体的には、調整可能な電 磁空気式機械加工用ジグに関する。技術背景 機械加工される工作物を略々水平な面内において保持するため、種々の装置が 使用されている。これらの従来の装置は、工作物の移動範囲、移動速度、及びこ れらの調整の精度において限界がある。発明の要約 本発明は、一面において、フライス盤、研削盤等の機械のベッドに取り付け可 能な、機械加工のために工作物を保持する電磁空気式機械加工用ジグに関するも のであって、この機械加工用ジグは、機械のベッド上に互いの位置を選択可能に 取り付けられ、工作物を保持するための一対のジグ台を有し、各ジグ台は、空気 浮動手段及び電磁石手段を有する基部に取り付けられた調整可能なスタンドに、 工作物結合手段を有し、前記空気浮動手段によって、前記基部が浮動している間 にジグ台間に工作物が位置決めされ、空気浮動が終了した時に、電磁石手段が励 磁され、各ジグ台を機械の取付板に固定するように構成されている。 好適には、前記空気浮動手段は、各基部内において、圧縮空気源に接続される 入口部、及び取付板に向けられた出口部を有する空気流路で構成される。 また、上記電磁石手段は、基部に埋め込まれた電磁コイルの形式としてもよい 。 さらに、前記調整用スタンドは、工作物が接続される軸、及びこの軸を回転さ せる手段を含むものであってもよい。また、前記基部に対して軸を上下させるた めの手段を設けてもよい。図面の簡単な説明 下記図面を参照することにより、本発明がより迅速に理解できるとともに、よ り具体的に表現される。 図１は、本発明にかかる電磁空気式機械加工用ジグを示す斜視図である。 図２は、フライス盤のベッドに装着され、その間に工作物を支持する、本発明 にかかる一対の電磁空気式機械加工用ジグを示す斜視図である。 図３は、図１に示すジグの側面図である。 図４は、図１に示すジグの正面図である。 図５は、図１に示すジグの平面図である。 図６は、図４のＡ−Ａ線断面図である。好適実施例の説明 図示の電磁空気式機械加工用ジグには、それぞれ鋳鉄製の取付板１１上に支持 されるとともに、空気浮動ジグベース１２を有する一対のジグ台１０が設けられ る。空気浮動ジグベース１２には、電磁コイル１３と、調整可能に工作物支持す る手段を移動させる支持台１６を構成し、間隔を置いて配置された垂直部材１４ 、１５が設けられる。 支持台１６の内側には、両側が裁断された球１８を支持する負荷支持用ホルダ 、すなわちハウジング１７が位置する。このハウジング１７は、好ましくは鉄製 であって、このハウジング１７を軸１９が貫通する。軸１９は、軸方向に延びる 孔部を有し、この孔部をボルト６１が貫通する。このボルト６１によって、チャ ック基板２１及び旋盤用チャック２２が軸１９に固定される。チャック２２は、 ネジ２３及び回転ピン２４によって基板２１に結合される。チャック２２には、 工作物２６を掴むための顎部２５が設けられる（図２参照）。 図５に描かれているように、ハウジング１７の各側面は、長手方向に延びる凹 部２７を有し、この凹部２７によって、内側に向かって延びる垂直部材１４、１ ５のキー２８が受けられる。ハウジング１７は、スタッド２９及びナット３０に よって垂直部材１４、１５に固定される。ハウジング１７の頂部には、ネジ３２ によって保持された支持ロックハンドル３１が位置する。 電動モータ３３を運転することにより、ハウジング１７を支持台１６に対して 、上下方向に移動させることができる。この電動モータ３３は、高さ調整用ウォ ー ム３５を回転するための駆動軸３４を有し、この高さ調整用ウォーム３５は交互 に、ネジ部が形成されたジャッキボルト、すなわちジャッキシャフト３７に装着 された高さ調整用ウォームギヤ３６を回転する。 ジャッキボルト３７は、支持部３８内に位置し、空気浮動ジグベース１２に固 定可能に装着された交差部材に形成された雌ねじ部と螺合するネジ部を有する。 高さ調整用ウォームギヤ３６が回転すると、ジャッキボルト３７が支持部３８ 内で回転し、交差部材と螺合しているため、ジャッキボルト３７が上下する。こ れによって、両側が裁断された鋼球１８を支持するハウジング１７の高さが調整 される。 尚、前記ねじジャッキボルトを調整用ハンドルを介して手動にて動作させるこ とも可能である。 ハウジング１７には、貫通溝すなわち貫通スロット６３が形成され、この貫通 スロット６３には、両側が裁断された鋼球１８に取り付けられた回り止めバネ及 びプランジャ６４（詳細は図示せず）が係合する。回り止めバネ及びプランジャ ６４と貫通溝６３との係合によって、ハウジング１７における両側が裁断された 鋼球１８の不必要な回転が防止される。 ハウジング１７と高さ調整用ウォームギヤ３６間の摩擦を減少させるため、高 さ調整用ウォームギヤ３６とハウジング１７間の軌道に玉軸受３９が備えられる 。 回転方向調整用ウォーム４２を回転させる駆動軸４１を有する電動モータ４０ によって、軸１９が回転可能である。この回転方向調整用ウォームギヤ４２は、 交互に、キー４４を介して軸１９に固定された角度調整用ギヤ４３を回転する。 両側が裁断された鋼球１８に装着されたウォームギヤハウジング４５によって、 回転に対して軸１９を係止することができるカムロック４６が移動する。無頭ネ ジ４７によって角度調整用ギヤ４３が軸１９に係止される。 軸１９は、手動調整用ノブ５２（図４参照）を使用することによって、手動に て回転させることができる。 取付板１１の下方には、保持板４８と、取付板１１をフライス盤５１のベッド ５０に固定するため、（図示しない）ナットを受けるネジ４９が位置する（図２ 参照）。 空気浮動ジグベース１２は、上記のとおり、電磁コイル１３を有し、この電磁 コイル１３は、電線５３と接続されている。電線５３は、電磁石をオン・オフす るためのスイッチを介して電源に接続される。空気浮動ジグベース１２もまた、 空気供給配管５５と結合された空気流路５４を有する。空気の流れは、オンオフ バルブ５６によって制御される。空気流路５４の出口は、取付板１１の方向に向 けられる。円環状ワイパ５７が空気浮動ジグベース１２の周囲に延設され、取付 板１１に係合する。 図２に示すように、工作物２６は、ジグ台１０として機能する一対の類似のジ グによって支持される。右方ジグ台１０は、ウォームによって駆動される回転ギ ヤ（４２、４３）を必要としない。もちろん、両方の軸スタンドには、高さ調整 用ギヤ（３５、３６）が必要である。所望であれば、電動モータを使用しないで 、高さの調整を手動で行うこともできる。その際には、電動モータを省略するこ とができる。 上述のように、本発明では、基本的に、それぞれが空気浮動ジグベース１２を 有する、二つのジグ台が設けられる。そして、この空気浮動ジグベース１２には 、円形の取付板１１の頂部に据えられた埋め込み電磁コイル１３が設けられる。 各空気浮動ジグベース１２の上方には、工作物２６を種々の角度から機械加工す ることが可能なように保持する調整用ホルダ部が位置する。工作物２６は、ジグ 台１０の間に位置し、工具ヘッド５８の下方への位置決めは、基部１２の空気浮 動状態においてなされる。一旦、所望の位置が決定されたならば、空気の流れが 止められ、電磁石にスイッチが入れられる。これによって、二つの空気浮動ジグ ベース１２が固定され、工作物は精度よく所定の位置に固定される。各基部に取 り付けられた調整用ホルダ手段は、長手方向に延びる軸の角度が種々変化しても 、固定された工作物が該軸の回りに３６０度回転可能となるように設計されてい る。固定された工作物のいずれか一方の端部または両端が、工具ヘッド５８、及 びジグが取り付けられる機械ベッド５０に対して上下可能である。これによって 、工作物２６の高さ方向及び回転方向の変位を、長手方向に一定の角度範囲で、 無限に変化させることができる。この構成は、空気浮動方式と組み合わされるこ とにより、迅速な再調整及び再位置決めを可能としている。 ジグに保持される工作物の長さは、ジグが取り付けられる機械ベッドの長さに よって制限を受けるのみである。しかし、極端に長い工作物が弓なりに撓むのを 防止するため、中間的な長さを有する支持ジャッキが必要となる場合がある。ジ グが支持することのできる工作物の重量は、例えば、ジグベースにおいて空気圧 が３６．３ｋｇ／ｃｍ²（８０ポンド／ｃｍ²）の場合に、少なくとも２７２ｋｇ （６００ポンド）である。３６０度の回転範囲を維持した場合、固定される工作 物の幅は最大で４０６ｍｍ（１６インチ）である。例えば、水平方向（長手方向 ）に対して傾斜することのできる自動車のシリンダヘッドの角度は、少なくとも ３０度である。また、シリンダヘッドがそのように傾斜しても、長手方向に回転 可能であり、工具ヘッドに対して位置決めに必要な空気浮動を受けることができ る。 自動二輪車のシリンダヘッドを含むいかなるシリンダヘッドであっても、工作 物を一度取り付けると、弁座を切削することができ、挿入物を取り付け、弁ガイ ドライナを機械加工するとともに、取り付けが可能となり、多岐管の表面をフラ イカットし、または研削し、ヘッドガスケットの結合面をフライカットまたは研 削し、弁ばね座の機械加工を行い、弁軸のシール、弁ポート及び弁口を拡大する とともに、その他の種々の加工をすることができる。このジグによって、排気及 び吸気多岐管その他の工作物を機械加工のために保持することができ、クランク シャフトをクロスドリルするために保持することができる。また、旋盤チャック 及び割出しヘッドによって、ピストンのクラウン部のフライカットが可能となる 。本ジグは、自動車工業以外の分野におけるその他の工作物についても使用する ことができる。産業上の利用分野 本発明にかかる電磁空気式機械加工用ジグは、フライス盤その他の機械の工具 に対して精度良く工作物を位置決めするために使用することができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 ＰＭ５６２８ (32)優先日 1994年５月13日 (33)優先権主張国 オーストラリア（ＡＵ） (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ)，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，Ｃ Ｎ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ， ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，Ｎ Ｌ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 機械加工の対象となる工作物を保持するために、フライス盤、研削盤等の ベッドに取り付けられる電磁空気式機械加工用ジグであって、工作物を保持する ための一対のジグ台を設け、これらのジグ台は、機械のベッド上に互いの位置を 選択可能に取り付けられ、上記各ジグ台は、空気浮動手段及び電磁石手段を有す る基部上に取り付けられた調整可能なスタンドに、工作物結合手段を有し、前記 空気浮動手段によって、前記基部が浮動している間にジグ台間に工作物が位置づ けられ、空気浮動が終了した時に、電磁石手段が励磁され、各ジグ台を機械の取 付板に固定することを特徴とする電磁空気式機械加工用ジグ。 ２．前記各基部取り付けられた前記空気浮動手段が、圧縮空気源に接続される入 口部と、前記取付板に案内される出口部を有する空気流路とで構成されることを 特徴とする請求項１に記載の電磁空気式機械加工用ジグ。 ３．前記電磁石手段が、前記基部に埋め込まれた電磁コイルを有することを特徴 とする請求項１または２に記載の電磁空気式機械加工用ジグ。 ４．さらに、前記調整可能なスタンドに装着され、工作物が取り付けられる軸と 、該軸を回転させるための手段を設けたことを特徴とする請求項１乃至３のいず れかに記載の電磁空気式機械加工用ジグ。 ５．さらに、前記基部に対して前記軸を上下させる手段を設けたことを特徴とす る請求項４に記載の電磁空気式機械加工用ジグ。 ６．前記調整用スタンドによって支持される、両側が裁断された球を設けたこと を特徴とする請求項４に記載の電磁空気式機械加工用ジグ。