JPH09502944A - スリップ制御付き液圧ブレーキシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ディジタル制御可能な電磁作動の入口弁および出口弁（１，１７）を備え、この入口弁８１）に差圧に対応したオリフィス弁制御機構が設けられるスリップ制御付きブレーキシステムに関する。切換可能オリフィス（４）の早期作用を防止するため、入口弁（１）の上流側かつ切換可能オリフィス（４）の下流側の主圧力管路中に、固定オリフィス（２６，２７）が配置される。

Description

【発明の詳細な説明】 スリップ制御付き液圧ブレーキシステム 本発明は、請求項１の前段部分に記載のスリップ制御付き液圧ブレーキシステ ムに関し、（ドイツ特許出願第４３１９２２７．０号）に記載の発明の主題を更 に具体化したしたものである。 入口弁および出口弁をディジタル制御することにより、スリップ制御付きブレ ーキシステムの圧力流体を不連続的に制御することは、パルス状の圧力変動によ り望ましくない騒音を発生させる。 上記主出願に記載のブレーキシステムは、ブレーキを急速に作動したときに（ 緊急制動）、入口弁の下流側に接続されたオリフィスの望ましくない早期作動を 確実に防止することはできない。このようなオリフィスの早期作動はペダル感覚 および車両に関連した増圧速度（Druckaufbaugradient）を変化させる。特に、 絞り効果により増圧速度が低下すると、スリップなしの動的に安定した走行中に おける制動効率が低下する。 したがって、本発明の目的は、主出願によるブレーキシステムの簡単な構造を 実質的に変更することなく維持し、切換可能なオリフィスの望ましくない早期作 動を防止することにある。 この目的は、本発明によると請求項１に記載の特徴により 達成され、固定オリフィス（Fesblende）が、主圧力管路中で、入口弁の上流側 および切換可能なオリフィス（schaltbare Blende）の下流側に配置される。 したがって、オリフィス弁（Blendenventil）を作動する制御圧ポートの増圧 速度は、マスタシリンダの作動による増圧段階で、入口弁の上流側に接続された 固定オリフィスにより制限される。切換可能オリフィスの下流側に接続された固 定オリフィスは、オリフィス弁の他の制御圧ポート内の対応して上昇した増圧速 度により、切換可能オリフィスを不作動状態に維持し、したがって、切換可能オ リフィスはスリップなしの通常の制動状態で作用しない。 本発明の他の特徴、利点および利用可能性は、以下の複数の実施例の説明から 明らかとなる。 図中、 第１図は、本発明によるブレーキシステムの液圧回路である。 第２図は、本発明によるブレーキシステムの入口弁の部分断面図である。 第３図は、入口弁の他の実施例の他の部分図である。 第１図は本発明のブレーキシステムの液圧回路の概略図である。制動圧発生装 置５は、主圧力管路２によりホイールブレーキ３に接続されている。通常状態で 開の入口弁１と、この入口弁１の下流側に接続されて通常状態で不作動のオリフ ィス４とが、主圧力管路２内に備えられている。切換可能オリフィス４は２方向 ２位置方向制御弁として示されている。第１制御圧ポート６には、制動圧発生装 置５の圧力およびポンプ圧が作用する。２方向２位置方向制御弁の反対側に作用 する第２制御圧ポート６′には、ホイールブレーキ３内の圧力が作用する。２／ ２ウエイ弁上に概略的に示す圧縮ばね７は、ホイールブレーキ３への圧力流体流 が、初期には絞られないことを確保する。更に、戻り管路１６は、ホイールブレ ーキ３に接続され、その通常状態で閉の電磁作動の出口弁１７により、補助圧ポ ンプ１８の吸入側に接続されている。更に、戻り管路１６は低圧アキュムレータ １９を有し、過剰の圧力流体流を回路中で保持する。補助圧ポンプ１８の圧力側 は、補助圧管路２０により制動圧発生装置５に接続され、更に、主圧力管路２に 接続される。固定オリフィス２６が、主圧力管路２に対する補助圧管路２０の結 合部と入口弁１との間に配置されている。他の固定オリフィス２７が、切換可能 オリフィス４と、ホイールブレーキ３の上流側の主圧力管路２に対する出口弁１ ７の接続部との間に位置する。圧力制御ポート６の上流側に接続された固定オリ フィス２６は、固定オリフィスの下流側に接続された液圧システム内の所要の増 圧速度を常に維持し、したがって、緊急制動時の圧力ピークは通常制動モードに おけるオリフィス４の望ましくない作用を生じさせない。 本発明による絞り弁あるいはオリフィス弁構造は、スリップ制御中、したがっ てポンプ１８の作動中における入口弁１ の弁作動ノイズを減少することができ、これは、入口弁が閉じた状態で、固定オ リフィス２６により校正された態様で上昇する入口弁１の前部の圧力が、オリフ ィス４の作動を対応して制御するホイールブレーキ圧に比した差圧を、増大させ るときに生じる。切換可能オリフィス４の下流側に接続された固定オリフィス２ ７は、他の圧力制御ポート６′と、主圧力管路２に対する戻り管路１６の接続部 との間に介挿され、したがって、制動中に、他の圧力制御ポート６′を所定の増 圧速度とし、オリフィス４の作動ポイントを定める。ホイールブレーキ３内にお ける急激な減圧は、固定オリフィスの作用では損なわれず、これは、車輪の制動 圧が逆止弁２９を介して、あるいは、スリップ制御中に開の出口弁１７を介して 排出されるのが阻害されないからである。 第２図は、弁収容部材９内における固定オリフィス２７の配置構成例、および 、入口弁１の構造の実施例を示す。入口弁１は、弁閉鎖部材１１と主圧力管路２ の流路とを含む弁キャリア１０を有する。この弁キャリア１０はカートリッジ構 造（ねじ込みカートリッジ）で弁収容部材９内に一体化するのが好ましい。主圧 力管路２内の圧力流体は、制動圧発生装置５（図式的に示す）から、固定オリフ ィス２６（弁収容部材内には明瞭に示してない）を通り、更に、プレート状フィ ルタ２１と開の弁閉鎖部材と弁キャリア１０内に挿入された環状フィルタ部材２ ２とを介して、図中、環状ピストン８と部分的にオーバーラップしている横方向 孔１３に伝達される。前端部に配置されたそのオリフィス４により、環状ピスト ン ８は絞り作用をなし、環状ピストン８のストローク、したがって横方向孔１３と 環状ピストンの端面との間の流路断面積を、差圧の作用として変化させる。環状 ピストン８は、弁キャリア１０の延長部上で半径方向を案内され、圧縮ばね７の 作用により、弁収容部材９の段付き孔と延長部との間のストッパとして作用する ビード上で支えられる。プレート状フィルタ２１は、延長部上に固定された保持 ボウルにより、取付けられている。圧縮ばね７は、ヘリカルばねとして、弁キャ リア１０の拡大端面と環状ピストン８の隣接端面との間で、装着スペースの要求 を最適化する態様で圧縮される。なお、弁閉鎖部材１１を収容する弁座あるいは 延長部等の弁キャリア１０の部材に、固定オリフィス２６を設けることができる 。 環状ピストンの両側の端面に作用する液圧の差圧したがって入口弁１の前後に おける液圧管路２中の差圧が増大すると、環状ピストン８が圧縮ばね７に抗して 上方に移動される。これにより、環状ピストンは横方向孔１３に重なり、オリフ ィス孔のサイズに対する流路断面積を減少する。圧縮ばね７から離隔した環状ピ ストン８の小さな環状端面を加圧するために、対応するスペースが、プレート状 フィルタ２１の周面と案内リング３０の周面との間に設けられる。このスペース は、Ｏリング２４および環状ピストン８の底部を液圧で作動させる。対応した寸 法に形成されたときに、スペースは、更に、固定オリフィス２６の作用をなすこ とができる。 更に、プレート状フィルタ２１は、プラスチック部材として弁キャリア１０の 周部にスナップ嵌めすることができる。 弁組立体を改善するために、間隙の小さな案内リング３０とＯリング２４とがこ の装置の上部に配置されており、弁キャリア１０内に別個に配置された球状逆止 弁２３により、圧力リリーフ作用が行われる。したがって、Ｏリング２４は環状 ピストン８をシールするためだけのものである。更に、球状逆止弁２３に代え、 Ｏリング２４の位置に環状スリーブを用いることもできる。 例として、弁を取付けるためにスクリュータイプのねじが用いられる。コーキ ングあるいはＣリングによる形状的な噛合い結合の他の取付け形式も可能である 。 第２図の実施例に対して、第３図は入口弁１の他の構造を示し、弁閉鎖部材１ １と構造的に平行に配置された制御ピストン１４による上述の固定オリフィスの 配置と共働して切換可能オリフィスの作用をなす。制御ピストン１４は、Ｏリン グ２４によりピストンステムをシールされ、弁キャリア１０内で半径方向を案内 され、その端面を、弁キャリア１０内にスナップ嵌めされたストッパディスク２ ５上で支えられる。制御ピストン１４の反対側端面には、上述の実施例と同様に 圧縮ばね７が作用する。制御ピストン１４の開口は一端が閉じた盲孔を有し、こ の孔に垂直でこの孔で終端するオリフィス４を有する。この形状に対応して、オ リフィスは、主圧力管路２に設けられるオリフィス流路断面を横方向孔１３に有 し、したがって、制御ピストン１４は、制動圧発生装置５とホイールブレーキ３ との間の差圧が増加したときに、断面を絞ることを除き、横方向孔１３を遮断す ることはない。弁キ ャリアの横方向孔１３は、固定オリフィス２７を収容する。上述の実施例の特徴 は、制御ピストン１４および関連する収容孔１５を低コストで製造できることで ある。弁キャリア１０は、図示の実施例では、セルフコーキングにより弁収容部 材９内に保持されている。しかし、弁の取付けは、力の作用によるロック（forc e locking）及び／又は形状的な噛合いによるロック（form locking）の他の適 宜の手段を用いることも可能であり、この点について詳細な説明は要しない。 ホイールブレーキ側における固定オリフィス２７と同様に、主圧力管路２に対 する補助圧管路２０の接続部に設けられた他の固定オリフィス２６が、弁キャリ ア１０内、したがって制御ピストン１４の下側に好適に配置されている。流路を 形成可能であれば、固定オリフィス２６を、弁収容部材９内に配置することもで きる。 ここに記載の実施例は、弁構造の複雑な変更を必要とすることなく、切換可能 オリフィスと固定オリフィスとを弁キャリア１０あるいは弁収容部材９内に特に コンパクトに一体化することができる。第２図とは対照的に、逆止弁２３は弁キ ャリア１０内に配置され、弁キャリア１０内の通路によりホイールブレーキ３に 接続される主圧力管路２（環状チャンバ）に接続される。 もちろん、入口弁に関する上記の実施例は、第１図で説明した液圧回路の固定 オリフィス２６，２７の配置に関わりなく用いることができる。したがって、入 口弁構造は、本発明にかかわらず、好ましい具体例として考えることができる。 参照符号のリスト １ 入口弁 ２ 主圧力管路 ３ ホイールブレーキ ４ オリフィス ５ 制動圧発生装置 ６ 制御圧ポート ６′ 制御圧ポート ７ 圧縮ばね ８ 環状ピストン ９ 弁収容部材 １０ 弁キャリア １１ 弁閉鎖部材 １２ 環状シール １３ 横方向孔 １４ 制御ピストン １５ 収容孔 １６ 戻り管路 １７ 制御ピストン １８ 補助圧ポンプ １９ 低圧アキュムレータ ２０ 補助圧管路 ２１ プレート状フィルタ ２２ 環状フィルタ ２３ 逆止弁 ２４ Ｏリング ２５ ストッパディスク ２６ 固定オリフィス ２７ 固定オリフィス ２８ バイパス管路 ２９ 逆止弁 ３０ 案内リング

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フォルツ、ペーター ドイツ連邦共和国、デー―64291 ダルム シュタット、イン・デン・ビンゲルテン 14

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 主圧力管路により少なくとも１のホイールブレーキに液圧的に接続された 制動圧発生装置と、ホイールブレーキと圧力流体収集手段とに接続された戻り管 路と、補助圧管路を有して制動圧発生装置に液圧的に接続された補助圧ポンプと 、主圧力管路および戻り管路に介挿されて主圧力管路および戻り管路の圧力流体 路を閉じあるいは開状態を維持する人口弁および出口弁と、入口弁とホイールブ レーキとの間の主圧力管路中に配置された切換可能オリフィスとを備え、この切 換可能オリフィスは第１作動位置で液圧流体流を阻害せずかつ第２作動位置でホ イールブレーキへの圧力流体流を制限するスリップ制御付き液圧ブレーキシステ ムであって、 入口弁（１）の上流側および切換可能オリフィス（４）の下流側で、主圧力管 路（２）中に固定オリフィス（２６，２７）が配置されていることを特徴とする 液圧ブレーキシステム。 ２． 入口弁（１）の前側の固定オリフィス（２６）は、主圧力管路（２）に対 する補助圧管路（２０）の接続部と、切換可能オリフィス（４）に設けられた制 御圧ポート（６）との間に配置され、切換可能オリフィス（４）の下流側に直列 に配置された固定オリフィス（２７）は、主圧力管路（２）に対する戻り管路（ １６）の接続部と、オリフィス（４）に設けられた他の制御圧ポート（６′）と の間に介挿されていることを特徴とする液圧ブレーキシステム。 ３． 前記オリフィス（４）に絞り効果を形成する一方の制御圧ポートは、固定 オリフィス（２６）と入口弁（１）との間に配置され、オリフィス（４）に絞り 効果を形成しない通常状態とする他方の制御圧ポート（６′）は、他の固定オリ フィス（２７）と切換可能オリフィス（４）との間に配置されることを特徴とす る請求項１または２に記載の液圧ブレーキシステム。 ４． 制動圧発生装置（５）の方向に開の逆止弁（２９）を含むバイパス管路が 、第１固定オリフィス（２６）の上流側と第２固定オリフィス（２７）の下流側 とに接続されることを特徴とする請求項１から３のいずれか１に記載の液圧ブレ ーキシステム。 ５． 固定オリフィス（２６，２７）は、入口弁（１）および切換可能オリフィ ス（４）を収容する弁収容部材（９）と一体の部材であることを特徴とする請求 項１から４のいずれか１に記載の液圧ブレーキシステム。