JPH0948838A - エポキシアクリレート樹脂およびその用途 - Google Patents

エポキシアクリレート樹脂およびその用途

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JPH0948838A
JPH0948838A JP8081328A JP8132896A JPH0948838A JP H0948838 A JPH0948838 A JP H0948838A JP 8081328 A JP8081328 A JP 8081328A JP 8132896 A JP8132896 A JP 8132896A JP H0948838 A JPH0948838 A JP H0948838A
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啓輔 詫摩
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式(1)で表されるエポキシアクリ
レート樹脂、該エポキシアクリレート樹脂をカルボン酸
またはその無水物と反応させて得られる酸変性エポキシ
アクリレート樹脂、ならびに上記のエポキシアクリレー
ト樹脂を含有する硬化性樹脂組成物およびその硬化物。 【効果】 現像性に優れ、かつ、硬度、耐湿性、半田耐
熱性、耐酸性、耐アルカリ、耐溶剤性、耐金メッキ性、
耐電解腐食性等に優れた皮膜を有する硬化性樹脂組成物
を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシアクリレ
ート樹脂に関し、さらに該樹脂を含有する硬化性樹脂組
成物ならびにそれらの硬化物に関する。該樹脂はソルダ
ーレジスト組成物、絶縁塗料、接着剤、印刷インキ、コ
ーティング剤等として利用可能であり、特に、ソルダー
レジスト組成物として有用である。
【0002】
【従来の技術】紫外線硬化型樹脂は低公害化、省資源
化、高性能化、機能性付与等の時代の要請に最も対応し
た樹脂であり、これらの中でも特に、エポキシアクリレ
ート樹脂は、高耐薬品性、高耐熱性、高硬度、高接着性
等の種々の利点を有することから注目されている。プリ
ント配線基板加工分野においてもソルダーレジストイン
キ、マーキングインキ等の種々のインキが熱硬化型樹脂
から紫外線硬化型樹脂へと移行しており、それらの中で
も特に、ソルダーレジストインキはいち早く紫外線硬化
型樹脂へと移行した。プリント配線基板のレジストパタ
ーン形成方法には、スクリーン印刷法が多く用いられて
いるが、該方法を用いた場合、印刷時のブリード、滲
み、ダレ等の現象により、得られるレジストパターンの
精度が減少し、最近のプリント配線基板の高密度化には
対応できなくなってきている。
【0003】これらの問題を解決するため、ドライフィ
ルム型のフォトレジストや液状で現像可能なレジストイ
ンキが提案されている。しかしながら、ドライフィルム
型のフォトレジストの場合、熱圧着の際に気泡を生じ易
く、耐熱性および密着性にも問題がある。また、液状レ
ジストを用いる際には、現像液として、有機溶剤または
希アルカリ水溶液が用いられており、有機溶剤を用いた
場合、硬化物の耐溶剤性や耐酸性に不安が残る上、大気
汚染等の問題が生じるおそれもある。一方、希アルカリ
水溶液で現像するタイプの樹脂組成物においては、例え
ば、フェノールノボラック型エポキシアクリレート樹脂
またはビスフェノールAエポキシアクリレート樹脂、あ
るいはこれらエポキシアクリレート樹脂と2価の酸無水
物との反応物などが公知である(例えば、特開昭61−
243869、特公昭56−40329など)。しかし
ながら、これらの公知のエポキシアクリレート樹脂また
はその酸変性物を、例えば、ソルダーレジスト用樹脂組
成物として用いた場合、得られる硬化皮膜の硬度、耐湿
性、耐熱性、耐薬品性、耐金メッキ性、耐電解腐食性が
不十分である上に、未照射部の希アルカリ水溶液に対す
る溶解性(以下、現像性と称する)が充分ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前述
の問題点を解決した、硬化皮膜の硬度、耐湿性、耐熱
性、耐薬品性、耐金メッキ性、耐電解腐食性等に優れ、
かつ現像性に優れた樹脂および硬化性樹脂組成物を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点に関して鋭意検討した結果、本発明に到達した。すな
わち、本発明は、一般式(1)(化3)表されるエポキ
シアクリレート樹脂に関し、また、一般式(2)(化
4)で表されるエポキシ樹脂と、アクリル酸およびメタ
クリル酸より選ばれる少なくとも1種とから得られるエ
ポキシアクリレート樹脂に関する。
【0006】
【化3】 (式中、R1 は水素原子、置換基を有していてもよい直
鎖、分岐または環状のアルキル基、置換基を有していて
もよいアルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表
し、R2 は水素原子またはメチル基を表し、mは1〜3
の整数を表し、nは0〜10の整数を表す)
【0007】
【化4】 (式中、R1 は水素原子、置換基を有していてもよい直
鎖、分岐または環状のアルキル基、置換基を有していて
もよいアルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表
し、mは1〜3の整数を表し、nは0〜10の整数を表
す)
【0008】さらに、本発明は、前記一般式(2)で表
されるエポキシ樹脂と、アクリル酸およびメタクリル酸
より選ばれる少なくとも一種とから得られるエポキシア
クリレート樹脂を、さらにカルボン酸またはその無水物
と反応させて得られる酸変性エポキシアクリレートル樹
脂に関するものである。また、前記エポキシアクリレー
ト樹脂または酸変性エポキシアクリレート樹脂を含有す
る硬化性樹脂組成物ならびにソルダーレジスト組成物に
関し、さらにはこれらの組成物を硬化してなる硬化物に
関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
一般式(1)または(2)で表される化合物において、
1 は水素原子、置換基を有していてもよい直鎖、分岐
または環状のアルキル基、置換基を有していてもよいア
ルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表し、好ま
しくは、水素原子、置換基を有していてもよい直鎖、分
岐または環状の炭素数1〜20のアルキル基、置換基を
有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、ニト
ロ基またはハロゲン原子を表す。これらの中でも、R1
は、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜10の無置
換の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜10の無
置換の直鎖または分岐のアルコキシ基または塩素原子で
あり、さらに好ましくは、水素原子、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エト
キシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブ
トキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基また
は塩素原子である。特に好ましくは、R1 は水素原子ま
たはメチル基である。
【0010】R1 の具体例としては、例えば、水素原
子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシ
ル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デ
シル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−オ
クタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、
4−tert−ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチ
ル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルメチル基、シ
クロヘキシルエチル基、テトラヒドロフルフリル基、2
−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−n−
ブトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、3−エト
キシプロピル基、3−n−プロポキシプロピル基、3−
n−ブトキシプロピル基、3−n−ヘキシルオキシプロ
ピル基、2−メトキシエトキシエチル基、2−エトキシ
エトキシエチル基、2−フェノキシメチル基、2−フェ
ノキシエトキシエチル基、クロロメチル基、2−クロロ
エチル基、3−クロロプロピル基、2,2,2−トリク
ロロエチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキ
シ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキ
シ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n
−ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシオキシル基、n
−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシ
ルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−オクタデ
シルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシ
ルオキシ基、4−tert−ブチルシクロヘキシルオキ
シ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ
基、シクロヘキシルメチルオキシ基、シクロヘキシルエ
チルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基、2−エト
キシエチルオキシ基、2−n−ブトキシエチルオキシ
基、3−メトキシプロピルオキシ基、3−エトキシプロ
ピルオキシ基、3−n−プロポキシプロピルオキシ基、
3−n−ブトキシプロピルオキシ基、3−n−ヘキシル
オキシプロピルオキシ基、2−メトキシエトキシエチル
オキシ基、2−フェノキシメチルオキシ基、2−フェノ
キシエトキシエチルオキシ基、クロロメチルオキシ基、
2−クロロエチルオキシ基、3−クロロプロピルオキシ
基、2,2,2−トリクロロエチルオキシ基、ニトロ
基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙
げることができる。一般式(1)において、R2 は水素
原子またはメチル基を表す。また、一般式(1)または
一般式(2)において、mは1〜3の整数であり、nは
0〜10の整数を表す。
【0011】一般式(1)で表されるエポキシアクリレ
ート樹脂は、反応それ自体は公知の方法、例えば、特公
昭44−31472号公報、特公昭45−1465号公
報に記載の方法に従って、好適に製造される。すなわち
代表的には、例えば、一般式(2)で表されるエポキシ
樹脂とアクリル酸、メタクリル酸または両者の混合物と
を反応させることにより製造することができる。一般式
(2)で表されるエポキシ樹脂は、例えば、特開昭63
−150270号公報等に記載の方法で製造される。す
なわち、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,3’
−テトラメチル−1,1’−スピロビインダンとエピハ
ロヒドリンとを脱ハロゲン化水素剤の存在下に反応させ
る方法等により製造することができる。本発明の一般式
(1)で表されるエポキシアクリレート樹脂を製造する
際に、一般式(2)で表されるエポキシ樹脂に対するア
クリル酸、メタクリル酸または両者の混合物の使用量
は、特に制限されるものではないが、好ましくは、該エ
ポキシ樹脂組成物のエポキシ基の1化学当量に対してア
クリル酸、メタクリル酸または両者の混合物を0.1〜
5化学当量であり、好ましくは、0.3〜3化学当量で
ある。
【0012】反応の際、希釈剤を添加することは好まし
いことであり、該希釈剤としては、例えば、ブチルセロ
ソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、メチ
ルエチルケトン、カルビトールアセテート、イソプロピ
ルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ソルベントナフサ等の有機溶剤またはスチ
レン、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、ブチルアク
リレート、カルビトール(メタ)アクリレート、フェノ
キシエチル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イ
ソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げるこ
とができる。
【0013】更に、反応を促進させる目的で、触媒を用
いることは好ましい。好ましい触媒の具体例としては、
例えば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、
N,N−ジメチルベンジルアミン、ジメチルアニリン、
メチルトリエチルアンモニウムクロリド、トリエチルベ
ンジルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチル水酸
化アンモニウム、トリフェニルスチビン、トリフェニル
ホスフィン、水酸化カリウム等を例示することができ
る。該触媒の使用量は、反応原料混合物に対して、好ま
しくは、0.1〜10重量%、より好ましくは、0.3
〜5重量%である。また、反応中の重合を防止するため
に、重合禁止剤を使用することは好ましいことである。
好ましい重合禁止剤としては、例えば、メトキノン、ハ
イドロキノン、フェノチアジン等を例示することができ
る。この際重合禁止剤の使用量は原料混合物に対して、
好ましくは、0.01〜3%、より好ましくは、0.0
5〜1%である。
【0014】反応温度は、触媒により異なるが、一般式
(2)で表されるエポキシ樹脂と、アクリル酸またはメ
タクリル酸との反応が進行し、かつ原料、反応中間体お
よび生成物の熱重合が起こらない温度が好ましく、より
好ましくは、60℃〜150℃であり、特に80℃〜1
30℃の反応温度が好ましい。反応時間は反応温度にも
依存するが、好ましくは、2〜80時間であり、より好
ましくは、3〜50時間である。反応終了後は、余剰の
(メタ)アクリル酸、希釈剤等を留去等の方法で除去し
ても良いし、これらを除去することなく使用しても差し
支えない。
【0015】次に本発明の酸変性エポキシアクリレート
樹脂について説明する。本発明の酸変性エポキシアクリ
レート樹脂は、一般式(2)で表されるエポキシ樹脂
と、アクリル酸またはメタクリル酸より選ばれる少なく
とも1種とから得られる上記エポキシアクリレート樹脂
を、カルボン酸またはその無水物と反応させることによ
り製造される。該カルボン酸は、1価または多価カルボ
ン酸であり、好ましくは、1価または多価脂肪族カルボ
ン酸、あるいは、1価または多価芳香族カルボン酸であ
り、より好ましくは、1価または2価の脂肪族カルボン
酸、あるいは、1価または2価の芳香族カルボン酸であ
る。
【0016】該カルボン酸またはその無水物としては、
例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、トリメチ
ル酢酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エ
チルヘキサン酸、ミリスチル酸、シクロヘキサンカルボ
ン酸、4−メチルシクロヘキサンカルボン酸、メトキシ
酢酸、フェノキシ酢酸、フェニル酢酸、アクリル酸、メ
タクリル酸、安息香酸、4−メチル安息香酸、4−te
rt−ブチル安息香酸、3−メトキシ安息香酸、2,4
−ジメチル安息香酸、4−ビフェニルカルボン酸、1−
ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、マレイン酸、コハク酸、
イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサ
ヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンド
メチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチル
テトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロリット
酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等およびこれらの
酸無水物を挙げることができる。これらのカルボン酸ま
たはその無水物の使用量は、前記エポキシアクリレート
樹脂中の水酸基1化学当量に対し、0.01〜1.2化
学当量であり、好ましくは、0.05〜1.0化学当量
である。
【0017】また、反応の際に、所望に応じて各種公知
のエステル化触媒、上述の希釈剤等をさらに添加しても
差し支えない。反応温度は特に制限はないが、原料のエ
ポキシアクリレート樹脂等が熱重合しない温度が好まし
く、好ましくは、50℃〜180℃であり、特に好まし
くは、80℃〜150℃である。反応時間は、反応温度
にも依存するが、好ましくは、30分〜80時間であ
り、より好ましくは、1〜50時間である。
【0018】本発明の酸変性エポキシアクリレート樹脂
は、反応後、蒸留等の公知の方法により分離できる。な
お、本発明の酸変性エポキシアクリレート樹脂は、分子
内にエポキシ基を含有していてもよい。すなわち、上述
したように、エポキシ樹脂に対するアクリル酸、メタク
リル酸または両者の混合物の使用量を前記の範囲内で所
望の量に調節することにより、得られるエポキシアクリ
レート樹脂中に未反応のエポキシ基を残存させ、これを
さらに酸変性することにより、エポキシ基を含有する酸
変性エポキシアクリレート樹脂が得られるものである。
該酸変性エポキシアクリレート樹脂において、例えば、
エポキシ基の含有量が多くなる、すなわち、(メタ)ア
クリロイル基の含有量が少なくなる、と紫外線等に対す
る感度(光硬化性)が低下する傾向にあるものの、熱硬
化性が増大して加熱硬化後の皮膜特性が優れるなどの効
果を発現させることが可能であり、本発明の所望の効果
を損なわない範囲でエポキシ基を含有していることは差
し支えのないことである。酸変性エポキシアクリレート
樹脂の酸価は、用途に応じて適当に調整することが可能
であるが、好ましくは、20〜300mg/KOHgで
あり、より好ましくは、30〜250mg/KOHgで
あり、特に好ましくは、50〜150mg/KOHgで
ある。
【0019】次に、本発明の硬化性樹脂組成物について
詳述する。該硬化性樹脂組成物は、上述した本発明のエ
ポキシアクリレート樹脂または酸変性エポキシアクリレ
ート樹脂のいずれかを含有することを特徴とするもので
あり、後述の公知の樹脂、光および/または熱重合開始
剤等を添加することも可能である。該硬化性樹脂はこの
他に、所望に応じてさらに、無機充填材、着色顔料等で
構成され得る。本発明のエポキシアクリレート樹脂また
は酸変性エポキシアクリレート樹脂としては、前記反応
生成物をそのまま利用することもできる。本発明の硬化
性樹脂組成物において、組成物中に含有される本発明の
上記エポキシアクリレート樹脂の量は、10〜90重量
%が好ましく、より好ましくは、20〜80重量%であ
る。
【0020】本発明の硬化性樹脂組成物は、上述した本
発明のエポキシアクリレート樹脂の他に、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリス
(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート等のエ
ポキシ化合物、これらのエポキシ化合物と(メタ)アク
リル酸との反応物であるエポキシ(メタ)アクリレー
ト、ポリエステルアクリレートおよび前述の反応性単量
体等のプレポリマーまたは重合性モノマー等を含有して
いてもよい。これらの使用量は、本発明のエポキシアク
リレート樹脂100重量部に対して、好ましくは、20
0重量部以下であり、より好ましくは、100重量部以
下である。また、エポキシ化合物を使用する場合、エポ
キシ樹脂硬化剤を用いることができ、該エポキシ樹脂硬
化剤としては、例えば、ジシアンジアミドおよびその誘
導体、イミダゾール化合物、トリアジン化合物、ウレア
化合物、芳香族アミン、ポリフェノール化合物、光カチ
オン重合触媒を挙げることができる。該エポキシ樹脂硬
化剤の使用量は、前述のエポキシ化合物100重量部に
対して、好ましくは、0.1〜50重量部、より好まし
くは、0.5〜30重量部である。勿論、本発明のエポ
キシアクリレート樹脂の2種以上を併用してもよい。
【0021】光重合開始剤としては、公知の種々の光重
合開始剤を使用することができる。好ましい光重合開始
剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンジル、ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、
アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルア
セトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル
−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノ
ールプロパン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセ
トフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルア
ントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、
1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノ
ン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチ
ルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、
2,4−ジイソプロピルチオキサントン、アセトフェノ
ンジメチルケタール、ベンゾフェノン、4−メチルベン
ゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン,4,
4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーズ
ケトン等を例示することができる。これらは単独または
2種以上で使用することができる。光重合開始剤の使用
量は、本発明のエポキシアクリレート樹脂または酸変性
エポキシアクリレート樹脂100重量部に対して、好ま
しくは、0〜50重量部であり、より好ましくは、4〜
35重量部である。
【0022】さらに、これらの光重合開始剤と公知の光
増感剤の1種または2種以上を同時に使用することは、
好ましいことである。該光増感剤としては、例えば、
N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,
N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、トリ
エタノールアミン、トリエチルアミン等を挙げることが
できる。光重合開始剤と光増感剤の好ましい組み合わせ
としては、2,4−ジエチルチオキサントンまたは2−
イソプロピルチオキサントンとN,N−ジメチルアミノ
安息香酸エチルエステルとの組み合わせ、また、上記の
光重合開始剤同士の好ましい組み合わせとしては、2−
メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフ
ォリノールプロパン−1−オンと2,4−ジエチルチオ
キサントンまたは2−イソプロピルチオキサントンとの
組み合わせ等が挙げられる。
【0023】熱重合を行う際のラジカル重合開始剤は特
に限定されるものではない。好ましいラジカル重合開始
剤としては、例えば、公知のベンゾイルパーオキサイ
ド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロ
ピルパーオキシカーボネート、ジ−2−エチルヘキシル
パーオキシカーボネート、tert−ブチルパーオキシ
ピバレート等の過酸化物、およびアゾビスイソブチロニ
トリル等のアゾ化合物等を例示することができる。熱重
合開始剤の使用量は、本発明のエポキシアクリレート樹
脂100重量部に対して、好ましくは、0〜50重量部
であり、より好ましくは、0.01〜35重量部であ
る。
【0024】さらに本発明の硬化性樹脂組成物を製造す
る際には、必要に応じて、無機充填剤(例えば、タル
ク、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、酸化マグネシウ
ム等)、チキソトロピー剤(例えば、アエロジェル
等)、メラミン樹脂(例えば、ヘキサメトキシメラミ
ン、ヘキサブトキシメラミン等)、レベリング剤(例え
ば、シリコーン、フッ素系ポリマー、アクリル共重合体
等)、着色顔料(例えば、シアニングリーン、シアニン
ブルー等)、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、重合
禁止剤、流動調節剤等を添加することも可能である。こ
のようにして得られた硬化性樹脂組成物は、ソルダーレ
ジスト組成物、絶縁塗料、接着剤、印刷インキ、コーテ
ィング剤等の各種用途に有用であるが、特に、ソルダー
レジスト組成物として良好な性能を有する。本発明の硬
化性樹脂組成物をソルダーレジスト組成物として用いる
場合、前記硬化性樹脂組成物に使用し得る各種化合物を
添加することができる。
【0025】本発明の硬化物は、前述の方法で得られた
本発明の硬化性樹脂組成物を、公知の方法、例えば、電
子線、紫外線および熱による硬化方法に従って硬化する
ことにより得られる。好ましくは、紫外線で硬化した
後、さらに必要に応じて熱硬化を行い、硬化物を製造す
る方法である。熱硬化を行う場合、加熱温度は好ましく
は、80℃〜180℃であり、より好ましくは、120
℃〜170℃である。また加熱時間は、加熱温度にも影
響されるが、通常、5分〜20時間であり、好ましく
は、10分〜10時間であり、より好ましくは、30分
〜2時間である。
【0026】本発明のエポキシアクリレート樹脂をソル
ダーレジスト組成物として使用する場合、例えば、以下
の方法に従って硬化物を得ることができる。すなわち、
プリント配線基板に、スクリーン印刷法、スプレー法、
ロールコート法、静電塗装法、カーテンフローコート法
等の方法により、10〜100μmの膜厚で本発明のエ
ポキシアクリレート樹脂を塗布し、塗膜を好ましくは、
室温〜100℃、より好ましくは、60℃〜80℃で乾
燥させる。これにソルダーマスクパターンフィルムを塗
膜に直接接触させ、次いで紫外線を照射し、さらに0.
5〜2%炭酸ソーダ水溶液、0.5〜1%苛性ソーダ水
溶液または苛性カリ水溶液等のアルカリ水溶液で塗膜の
未照射部分を溶解除去する。さらにこれを、加熱温度
が、好ましくは、80℃〜180℃、より好ましくは、
120℃〜170℃で、加熱時間が、好ましくは、10
分〜10時間、より好ましくは、30分〜2時間で、熱
硬化することにより硬化皮膜を製造することができる。
【0027】
【実施例】以下、製造例および実施例により本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はこれらの製造例および
実施例に限定されるものではない。 参考製造例:エポキシ樹脂の製造方法 反応容器に、6,6’−ジヒドロキシ−3,3,3’,
3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン15
4gおよびエピクロルヒドリン463gを装入し、95
℃に昇温し溶解させる。これに40%水酸化ナトリウム
水溶液110gを3時間かけて滴下し、90〜100℃
で2時間攪拌した。これを冷却した後、メチルエチルケ
トン200mlを装入し、塩化物及び少過剰の水酸化ナ
トリウムが除去されるまで水洗を繰り返した。有機層よ
り溶剤及びエピクロルヒドリンを減圧留去し、下記式
(3)(化5)で表されるエポキシ樹脂211gを得
た。収率89%。液体クロマトグラフィーによる分析の
結果、組成はn=0が86%、n=1が8%、n≧2が
6%(Area%、以下同じ)であった。またエポキシ
当量は238g/eq、軟化点は50℃であった。
【0028】
【化5】
【0029】製造例1 反応容器に、上記参考製造例に記載の方法で得られた上
記式(3)で表されるエポキシ樹脂〔n=0;86%,
n=1;8%,n≧2;6%、エポキシ当量238g/
eq〕238g、アクリル酸72g、トリエチルアミン
0.9g、ハイドロキノン0.1gおよび希釈剤として
スチレン31gを装入し、空気を吹き込みながら80℃
で1時間、その後130℃で3時間攪拌しワックス状の
エポキシアクリレート樹脂327gを得た。この化合物
の酸価(mgKOH/g)は3.0、ICI粘度は1.
8ポイズ(100℃)であった。また、得られたエポキ
シアクリレート樹脂を液体クロマトグラフィーにより分
析した結果、下記式(1−i)(化6)で表されるエポ
キシアクリレート樹脂の組成は、n=0が86%、n=
1が8%、n≧2が6%(Area%)であり、原料の
エポキシ樹脂の組成と誤差範囲内でほぼ一致していた。
【0030】
【化6】
【0031】製造例2 反応容器に、参考製造例に記載の方法と同様な方法で得
られた前記式(3)で表されるエポキシ樹脂[n=0;
84%、n=1;7%、n≧2;9%、エポキシ当量2
45g/eq]245g、アクリル酸144g、トリエ
チルアミン1.2g、ハイドロキノン0.2gおよび希
釈剤としてスチレン39gを装入し、空気を吹き込みな
がら80℃で1時間、130℃で3時間攪拌した。その
後、余剰のアクリル酸を留去し、ワックス状のエポキシ
アクリレート樹脂344gを得た。このものの酸価(m
gKOH/g)は24.4、ICI粘度は21.0ポイ
ズ(100℃)であった。
【0032】製造例3 反応容器に、参考製造例に記載の方法と同様な方法で得
られた下記式(4)(化7)で表されるエポキシ樹脂
[n=0;81%、n=1;14%、n≧2;5%、エ
ポキシ当量285g/eq]285g、アクリル酸72
g、トリエチルアミン0.9g、ハイドロキノン0.1
gおよび希釈剤として1,6−ヘキサンジオールジアク
リレート31gを装入し、空気を吹き込みながら80℃
で1時間、その後130℃で3時間攪拌し、ワックス状
のエポキシアクリレート樹脂327gを得た。このもの
の酸価(mgKOH/g)は6.7、ICI粘度は1
9.6ポイズ(100℃)であった。
【0033】
【化7】
【0034】製造例4 反応容器に、参考製造例記載の方法で得られた前記式
(3)で表されるエポキシ樹脂〔n=0;86%,n=
1;8%,n≧2;6%、エポキシ当量238g/e
q〕238g、アクリル酸72g、トリエチルアミン
0.9g、ハイドロキノン0.1g、および、希釈剤と
してスチレン31gを装入し、空気を吹き込みながら、
80℃で1時間、その後130℃で3時間攪拌し、ワッ
クス状の反応物327gを得た。さらにこの反応物32
7gに無水マレイン酸130gを加え、100℃で10
時間反応させて、酸変性エポキシエステル樹脂412g
を得た。このものの酸価(mgKOH/g)は104.
3、ICI粘度は8ポイズ(100℃)であった。
【0035】製造例5 反応容器に、参考製造例記載の方法と同様な方法で得ら
れた前記式(3)で表されるエポキシ樹脂〔n=0;8
4%,n=1;7%,n≧2;9%、エポキシ当量24
5g/eq〕245g、アクリル酸144g、トリエチ
ルアミン1.2g、メトキノン0.2g、および希釈剤
としてスチレン50gを装入し、空気を吹き込みなが
ら、80℃で1時間、130℃で3時間攪拌した。その
後、余剰のアクリル酸およびスチレンを留去し、ワック
ス状の反応物344gを得た。次にこの反応物にテトラ
ヒドロ無水マレイン酸120gおよびカルビトールアセ
テート80gを加え、90℃で20時間反応させて、酸
変性エポキシアクリレート樹脂498gを得た。このも
のの酸価(mgKOH/g)は98.4、ICI粘度は
17ポイズ(100℃)であった。
【0036】製造例6 反応容器に、参考製造例記載の方法と同様な方法で得ら
れた前記式(4)で表されるエポキシ樹脂組成物〔n=
0;81%,n=1;14%,n≧2;5%、エポキシ
当量285g/eq〕285g、アクリル酸72g、ト
リエチルアミン0.9g、ハイドロキノン0.1g、お
よび希釈剤として1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート31gを装入し、空気を吹き込みながら、80℃で
1時間、その後130℃で3時間攪拌し、反応物327
gを得た。次にこの反応物にトリメリット酸無水物19
0gを加え、90℃で20時間反応させて、酸変性エポ
キシアクリレート樹脂511gを得た。このものの酸価
(mgKOH/g)は112.1、ICI粘度は24ポ
イズ(100℃)であった。
【0037】製造例7 製造例4において、アクリル酸72gの代わりにアクリ
ル酸36gを使用した以外は、製造例4に記載の方法に
従って、酸変性エポキシアクリレート樹脂365gを得
た。このものの酸価(mgKOH/g)は51.5、I
CI粘度は79ポイズ(100℃)であった。
【0038】製造例8 製造例4において、アクリル酸72gの代わりにアクリ
ル酸54gを、無水マレイン酸130gの代わりに無水
マレイン酸150gを使用した以外は、製造例4に記載
の方法に従って、酸変性エポキシアクリレート樹脂39
1gを得た。このものの酸価(mgKOH/g)は7
4.3、ICI粘度は55ポイズ(100℃)であっ
た。
【0039】製造例9 製造例4において、アクリル酸72gの代わりにアクリ
ル酸54gを、無水マレイン酸130gの代わりに酢酸
無水物110gを使用した以外は、製造例4に記載の方
法に従って、酸変性エポキシアクリレート樹脂350g
を得た。このものの、ICI粘度は52ポイズ(100
℃)であった。
【0040】実施例1〜9 製造例1〜9で得られたエポキシアクリレート樹脂、お
よび、第1表(表1、2)に示した各種材料を用い、第
1表に示した配合組成(数値は重量部)で配合し、ロー
ルミルで混練して、ソルダーレジスト組成物(インキ)
を作製した。このソルダーレジスト組成物(インキ)を
用いて、下記のレジスト塗布基板の製造方法に従ってレ
ジスト塗布基板を得、下記の評価方法により評価し、そ
の結果を第2表(表3、4)に示した。
【0041】比較例1〜3 従来より用いられている下記の樹脂組成物および第1表
に示した各種材料を用い、実施例と同様にしてソルダー
レジスト組成物(インキ)を作製し、実施例と同様に評
価して、結果を第2表に示した。 比較例1:KAYARAD R-5027 :日本化薬(株)製、フェ
ノールノボラック型エポキシアクリレートと二塩基酸無
水物との反応物、ブチルセロソレブアセテート40重量
%含有品、酸価(mgKOH/g)68.5 比較例2:KAYARAD R-5089 :日本化薬(株)製、ビス
フェノールA型エポキシアクリレートと二塩基酸無水物
との反応物、カルビトールアセテート40重量%含有
品、酸価(mgKOH/g)63 比較例3:KAYARAD R-114 :日本化薬(株)製、ビス
フェノールA型エポキシアクリレート
【0042】〔レジスト塗布基板の製造方法〕ソルダー
レジスト組成物(インキ)を、スクリーン印刷法によ
り、乾燥後の膜厚が15〜25μmとなるように、銅ス
ルーホールプリント配線基板に全面塗布し、70℃、1
5分間予備乾燥した。これと同様の方法で、背面にもソ
ルダーレジスト組成物を塗布し、70℃、25分間予備
乾燥した。次に、ソルダーマスクパターンフィルムを塗
布面に接触させ、メタルハライドランプ両面同時露光装
置(オーク製作所製、HMW680)を用いて、500
nJ/cm2 の光量で露光し、ついで、1.0wt%の
炭酸ソーダ水溶液で、塗膜の未照射部分をスプレー圧
2.5Kg/cm2 、液温25℃で60秒間現像し、溶
解除去した。得られた硬化前のレジスト塗布基板の現像
性について後述の評価を行った。その後、熱風乾燥器で
150℃、60分間加熱硬化を行い、得られた硬化膜を
有するレジスト塗布基板について、後述の要領で、硬化
膜硬度(鉛筆硬度)、耐湿性、半田耐熱性、耐酸性、耐
アルカリ性、耐溶剤性、耐金メッキ性および耐電解腐食
性の試験を行った。
【0043】〔レジスト塗布基板の評価方法〕上述の方
法により製造されたレジスト塗布基板を用いて、以下の
方法により、レジスト材料の特性を測定した。 (1)現像性:硬化前のレジスト塗布基板を用い、現像
性を拡大鏡にて目視判定した。 ○:完全に現像できたもの △:薄く現像されない部分があるもの ×:現像されない部分がかなりあるもの (2)硬化膜硬度:硬化膜を有するレジスト塗布基板を
用いて、硬化膜の鉛筆硬度をJIS−K−5400に準
じ測定した。 (3)耐湿性:硬化膜を有するレジスト塗布基板を用
い、100℃の煮沸水中で2時間煮沸後の、硬化膜の外
観変化を目視で観察した。 ○:外観変化無し △:硬化膜の一部分に膨潤が見られる ×:硬化膜のかなりの部分に膨潤または変形が見られる (4)半田耐熱性:硬化膜を有するレジスト塗布基板を
用い、JISC6481に準じ、260℃の半田浴〔J
S−64P:山栄化学(株)製〕への試験片の10秒浸
漬を10回行い、外観の変化を目視で観察した。 ○:外観変化無し △:硬化膜の一部分に変色が認められる ×:硬化膜のかなりの部分に浮き、剥がれが見られ、半
田潜りあり (5)耐酸性:試験片を10vol%硫酸水溶液に25
℃で15分浸漬し、硬化膜の外観変化を目視で観察し
た。 ○:外観変化無し △:硬化膜の一部分が剥がれる ×:硬化膜のかなりの部分に浮きが見られ、硬化膜が容
易に剥がれる
【0044】(6)耐アルカリ性試験:試験片を10w
t%の水酸化ナトリウム水溶液に25℃、15分間浸漬
し、硬化膜の外観変化を目視で観察した。 ○:外観変化無し △:硬化膜の一部分が剥がれる ×:硬化膜のかなりの部分に浮きが見られ、硬化膜が容
易に剥がれる (7)耐溶剤性:試験片をジクロロメタン中に25℃、
30分間浸漬し、硬化膜の外観変化を目視で観察した ○:外観変化無し △:硬化膜の一部分に膨潤が見られる ×:硬化膜のかなりの部分に膨潤および溶剤の浸透が見
られる (8)耐金メッキ性:試験片をセルレックス社製オート
ロネクスCI(メッキ液)を用いて1.0A/dm2
電流密度で30分間金メッキを行った後、粘着テープ
(セロテープ:積水化学(株)社製)により剥離テスト
を行い目視で観察した。 ○:全く剥がれない △:硬化膜の一部が剥がれる ×:硬化膜のほとんどが剥がれる (9)耐電解腐食性:試験片を120℃、100%R
H、2気圧、30時間、印加電圧100Vの条件下に放
置後、変色および表面の変化を目視で観察した。 ○:+側および−側のいずれにも変色および表面の変化
が見られない △:+側および−側のいずれかに、わずかに変色が見ら
れるもの ×:+側および−側の両方に変色および表面の異常が見
られるもの 第1表に示した配合のソルダーレジスト組成物を用い
て、上記の評価を行った。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】・KAYARAD R-5027 :日本化薬(株)製、
フェノールノボラック型エポキシアクリレートと二塩基
酸無水物との反応物、ブチルセロソルブアセテート40
重量%含有品、酸価(mgKOH/g)68.5 ・KAYARAD R-5089:日本化薬(株)製、ビスフェノー
ルA型エポキシアクリレートと二塩基酸無水物との反応
物、カルビトールアセテート40重量%含有品、酸価
(mgKOH/g)63 ・KAYARAD R-114 :日本化薬(株)製、ビスフェノー
ルA型エポキシアクリレート ・KAYARAD R-2058 :日本化薬(株)製、フェノールノ
ボラック型エポキシアクリレート、ブチルセロソルブア
セテート30重量%含有品 ・TEPIC-S :日産化学(株)社製、トリス(2,3−エ
ポキシプロピル)イソシアヌレート、融点95〜125
℃ ・EPPNー201:日本化薬(株)製、フェノールノボラック
型エポキシ樹脂、軟化点65℃ ・KAYARAD DPHA:日本化薬(株)製、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート ・CAR−Ac:カルビトールアセテート ・Irgacure-907:イルガキュア−907、チバ・ガイギ
ー社製、光重合開始剤 ・DIAMID(硬化剤) :ジシアンジアミド、エポキシ樹脂
硬化剤 ・Pc-green(顔料) :フタロシアニングリーン ・KS−603:信越化学工業(株)製、消泡剤 以上の実施例1〜9および比較例1〜3の評価結果を第
2表に示した。
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】第2表より明らかなように、本発明のエポ
キシアクリレート樹脂または酸変性エポキシアクリレー
ト樹脂のいずれかをソルダーレジスト組成物として使用
した場合、従来より知られているエポキシアクリレート
樹脂をソルダーレジスト組成物を使用した場合と比較し
て、特に硬化膜硬度(鉛筆硬度)、耐湿性、耐酸性、耐
アルカリ性、耐溶剤性、耐金メッキ性および耐電解腐食
性が優れており、現像性も遜色ない。
【0051】
【発明の効果】本発明により、現像性に優れ、その硬化
膜が諸特性(硬化膜硬度、耐湿性、耐酸性、耐アルカリ
性、耐溶剤性、耐金メッキ性および耐電解腐食性)に優
れたエポキシアクリレート樹脂および酸変性エポキシア
クリレート樹脂、ならびにこれらの樹脂を含有する硬化
性樹脂組成物を提供することができる。該硬化性樹脂は
ソルダーレジスト用組成物として非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)(化1)で表されるエポキ
    シアクリレート樹脂。 【化1】 (式中、R1 は水素原子、置換基を有していてもよい直
    鎖、分岐または環状のアルキル基、置換基を有していて
    もよいアルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表
    し、R2 は水素原子またはメチル基を表し、mは1〜3
    の整数を表し、nは0〜10の整数を表す)
  2. 【請求項2】 一般式(2)(化2)で表されるエポキ
    シ樹脂と、 【化2】 (式中、R1 は水素原子、置換基を有していてもよい直
    鎖、分岐または環状のアルキル基、置換基を有していて
    もよいアルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を表
    し、mは1〜3の整数を表し、nは0〜10の整数を表
    す)アクリル酸およびメタクリル酸より選ばれる少なく
    とも1種とから得られるエポキシアクリレート樹脂。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のエポキシアクリレート樹
    脂を、カルボン酸またはその無水物と反応させて得られ
    る酸変性エポキシアクリレート樹脂。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のエポキ
    シアクリレート樹脂を含有する硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のエポキ
    シアクリレート樹脂を含有するソルダーレジスト組成
    物。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の組成物を硬化し
    てなる硬化物。
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