JPH0948821A - アクリル樹脂及びその製造方法 - Google Patents

アクリル樹脂及びその製造方法

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JPH0948821A
JPH0948821A JP15889296A JP15889296A JPH0948821A JP H0948821 A JPH0948821 A JP H0948821A JP 15889296 A JP15889296 A JP 15889296A JP 15889296 A JP15889296 A JP 15889296A JP H0948821 A JPH0948821 A JP H0948821A
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JP
Japan
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meth
reaction
acrylic resin
acrylate
general formula
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Application number
JP15889296A
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English (en)
Inventor
Masami Shinohara
雅美 篠原
Hideki Matsui
秀樹 松井
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗料、光硬化性樹脂、接着剤等の硬化反応に
利用可能な側鎖に二重結合を有するアクリル樹脂及びそ
の製造方法を提供する。 【構成】 下記一般式(1)で表される構造単位を有す
るアクリル樹脂、および特定構造を有する(メタ)アク
リレートを重合させるか、またはそれと他の反応性二重
結合を有するモノマーとを溶液中でラジカル共重合させ
ることを特徴とする前記アクリル樹脂の製造方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料、光硬化性樹
脂、接着剤等の硬化反応に利用可能な側鎖に二重結合を
有するアクリル樹脂及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】分子内に複数個の二重結合を有する反応
性オリゴマーあるいはポリマーは、酸化硬化型のコーテ
ィング樹脂、光硬化型樹脂、ヒドロシリル化反応を利用
した硬化性樹脂として利用されている。この様な用途に
は現在、アリルメタクリレート共重合体が広く用いられ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アリルメタク
リレート共重合体は二重結合の安定性が低く、アリルメ
タクリレートの重合体の合成時はもちろん、各種アクリ
ルモノマーをラジカル共重合する場合、ゲル化するとい
う問題点があった。また、アリル基は炭素数が短くリジ
ッドであるため、得られる共重合体の可撓性が不十分で
ある。
【0004】本発明は、特定構造を有する(メタ)アク
リレートの単独重合体または様々な反応性二重結合を有
する他のモノマーとを共重合させて得られるアクリル樹
脂であり、塗料、光硬化性樹脂、接着剤等の硬化反応に
利用可能である。これらはアリルメタクリレート共重合
体とは異なる環境にある側鎖二重結合を有するため硬化
物の柔軟性に優れ、あるいは好ましくは内部にも二重結
合を有するため、硬化時の架橋密度の向上が可能なアク
リル樹脂及びその製造方法に関する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、1分子内に内部あるいは内部と末端の両方に反
応性二重結合を有する特定のモノマーからなる重合体、
または前記モノマーと他の重合性モノマーとの共重合体
をゲル化を防いで合成したところ、塗料などに用いた場
合に塗膜の柔軟性に優れ、また硬化時の架橋密度を向上
させ得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、下記一般式(1)で表
される構造単位を有するアクリル樹脂を提供するもので
ある。また、下記一般式(1−1)、(1−2)(1−
3)、(1−4)、(1−5)で表される構造単位を有
するアクリル樹脂を提供するものである。さらに、下記
一般式(3)で表わされる(メタ)アクリレートを単独
重合させるか、または下記一般式(3)で表わされる
(メタ)アクリレートと他の反応性二重結合を有するモ
ノマーとを溶液中でラジカル共重合させることを特徴と
する前記アクリル樹脂の製造方法を提供するものであ
る。加えて、一般式(3)で表わされる(メタ)アクリ
レートと他の反応性二重結合を有するモノマーとの反応
系中の濃度が、20〜80重量%の範囲であることを特
徴とする前記アクリル樹脂の製造方法を提供するもので
ある。また、分子状酸素含有ガス存在下でラジカル共重
合させることを特徴とする前記アクリル樹脂の製造方法
を提供するものである。以下本発明について詳細に説明
する。
【0007】
【化8】
【0008】
【化9】
【0009】
【化10】
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のアクリル樹脂は、上記一
般式(1)の構造単位を有し、特に好ましくは一般式
(1−1)〜(1−5)で表される構造単位を有するも
のである。本発明による一般式(1)の構造単位を有す
るアクリル樹脂は、一般式(3)で表される(メタ)ア
クリレートを使用して得ることができる。
【0011】(一般式(3)の(メタ)アクリレート)
一般式(3)の(メタ)アクリレートとしては、3−メ
チル−2−ブテン−1−オール、3−メチル−3−ブテ
ン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オー
ル、2,7−オクタジエノール、7−オクテン−1−オ
ール、1,7−オクタジエン−3−オールなどの1分子
中に1個以上の二重結合を有するアルコール類と、アク
リル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸及びその
アルコールとのエステルをエステル化あるいはエステル
交換することにより製造されるものが例示される。
【0012】一般式(3)で示される(メタ)アクリレ
ートの製造において使用する(メタ)アクリル酸または
そのエステルの量は、アルコールに対して理論的には
1.0モル倍であるが、0.1〜10.0モル倍使用す
ることが好ましい。さらには1.0〜3.0モル倍が、
反応速度的にも経済的にも最も好ましい。0.1モル倍
未満の場合は、(メタ)アクリル酸またはそのエステル
の重合によるロスは減少するが、アルコールの回収に多
大のエネルギーを要するため好ましくない。逆に10モ
ル倍以上の場合は、アルコールの選択率及び転化率の点
で好ましいが、(メタ)アクリル酸またはそのエステル
の重合による損失が大きく、未反応の(メタ)アクリル
酸またはそのエステルの回収に多大の費用を要するなど
の欠点がある。
【0013】上記反応には、エステル化またはエステル
交換触媒として公知の触媒が使用できる。具体的には、
p−トルエンスルホン酸、メタスルホン酸、フルオロ硫
酸の様な有機スルホン酸、硫酸、リン酸、過塩素酸の様
な無機酸、ナトリウムアルコラート、水酸化リチウム、
アルミニウムアルコラート、水酸化ナトリウム等の塩基
類、オクチル酸スズ、ジブチルスズジラウレート、モノ
ブチルスズオキシド、塩化第一スズ等のスズ化合物、テ
トラブチルチタネート、テトラエチルチタネート、テト
ライソプロピルチタネート等のチタン化合物が用いられ
る。これらのうち反応速度の点で、p−トルエンスルホ
ン酸等の有機スルホン酸類が好ましい。触媒量は出発原
料に対して重量基準で1ppm〜10%、好ましくは5
ppm〜1.0%である。触媒の使用量が1ppm以下
では、反応速度が遅かったり、収率が悪いなどの不都合
があり、逆に10%にすると生成物が着色したり、副反
応によりゲル物の発生等が起こり好ましくない。
【0014】反応は無溶媒でも溶媒を用いても行うこと
ができるが、反応の進行と共に水あるいはアルコールが
生成するので、これらを共沸除去できる反応溶媒を用い
ることが反応速度を高める上で有効である。共沸溶媒と
してはトルエン、ベンゼン、キシレン、n−ヘキサン、
n−ヘプタン、メチルイソブチルケトンなどを用いるこ
とができる。共沸溶媒の使用量は反応物に対して0.1
〜10倍であり、好ましくは2〜5倍である。水ととも
に留出した共沸溶媒は分液して循環使用することができ
る。
【0015】反応は、反応時間短縮と重合防止の点から
温度65〜150℃、好ましくは75〜120℃で行わ
れるのが有利である。65℃以下であると反応速度が遅
すぎ、収率が悪い等の不都合を生じ、150℃以上であ
ると(メタ)アクリル酸またはそのエステルの熱重合が
起こるため望ましくない。
【0016】反応には、(メタ)アクリル酸またはその
エステルの熱重合を防止するために重合禁止剤を添加
し、反応途中は空気の存在下で行うことが好ましい。使
用される重合禁止剤としてはハイドロキノン、ハイドロ
キノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、
2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、3−ヒ
ドロキシチオフェノール、α−ニトロソ−β−ナフトー
ル、p−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−p−キ
ノン、銅塩等を使用することができるが、安定性などの
点でハイドロキノン、p−メトキシフェノールが好まし
い。重合禁止剤の添加量は得られる(メタ)アクリレー
トに対して0.001〜5.0重量%、好ましくは0.
01〜1.0重量%である。添加量が0.001%未満
の場合には重合禁止効果が小さく、また、逆に5.0%
以上であっても効果は向上しないため無駄となる。
【0017】反応は、常圧かあるいは若干減圧した状態
で行うのが好適である。
【0018】反応で得られたエステル化反応粗液は、過
剰の(メタ)アクリル酸またはそのエステルを含むた
め、反応粗液を水洗、あるいは中和して低沸点成分を除
去する方が好ましい。中和に用いるアルカリ水溶液とし
ては、例えば、NaOH、KOH、K2CO3、Na2
3、NaHCO3、KHCO3、NH3等のような水溶液
を使用することができ、その際その濃度は広い範囲内で
自由に使用できる。中和した後、水洗せずに低沸分を除
去し製品化すると製品中に中和塩が残存することになる
ので、中和後に水洗することが好ましい。中和あるいは
水洗を行った反応粗液から脱低沸分を除去するには薄膜
式蒸発器等を用いるのが良い。
【0019】(アクリル樹脂)本発明のアクリル樹脂
は、上記により得た(メタ)アクリレートの単独重合、
または上記(メタ)アクリレートとこれと共重合できる
「他の反応性二重結合を有するモノマー」との共重合に
より製造することができる。
【0020】他の「反応性二重結合を有するモノマー」
としては、通常のアクリル樹脂の製造に使用される種々
なものが使用される。反応性二重結合を有していれば特
に制限はなく、具体的にはスチレン、2−メチルスチレ
ン、酢酸ビニル、塩化ビニル等のビニル単量体、(メ
タ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、プロピ
ル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)
アクリレート等の(メタ)アクリル酸及び(メタ)アク
リル酸アルキルエステル類、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプ
ロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ートなどの水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル
類が挙げられる。さらに、メトキシジエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、イソオクチルオキシジエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエ
チレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレートなどの(メ
タ)アクリレート類、2−トリメチルシリロキシエチル
(メタ)アクリレートなどのシランまたはシリル基末端
のアクリレート類、グリシジル(メタ)アクリレート、
3、4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリ
レート等の末端にエポキシ基を有する(メタ)アクリル
酸エステル類、無水マレイン酸やその誘導体などの不飽
和ジカルボン酸なども使用し得る。このようなモノマー
は単独で用いても、または2種類以上で混合して用いて
もよい。
【0021】上記重合反応において、一般式(3)で表
わされる(メタ)アクリレートと他の反応性二重結合を
有するモノマーの配合比は、アクリル樹脂の分子側鎖の
エチレン性二重結合が、好ましくは0.5〜7.0モル
/kg、特には1.3〜3.4モル/kgになるように
決定することが好ましい。アクリル樹脂の分子側鎖のエ
チレン性二重結合の濃度を7.0モル/kg以上にする
と、重合中にゲル化が起こりやすくなり、逆に0.5モ
ル/kg以下にすると重合は容易になるが、得られる共
重合体は、例えば光または熱による架橋を形成するのに
必要なエチレン性二重結合含有量が少なくなり、工業的
価値が著しく低下することになる。同様に一般式(3)
で表わされる(メタ)アクリレートの単独重合の場合
も、得られるアクリル樹脂の分子側鎖のエチレン性二重
結合が、好ましくは0.5〜7.0モル/kg、特には
1.3〜3.4モル/kgになるようなモノマーを選択
することが好ましい。
【0022】重合反応における反応系中の総モノマーの
濃度は、5〜100重量%、特に10〜40重量%の範
囲であることが好ましい。ここに総モノマーとは、一般
式(3)で表わされる(メタ)アクリレートと必要に応
じて加えられる他の反応性二重結合を有するモノマーを
いう。濃度が5重量%以下であると重合反応は行いやす
いが、溶媒量が多くなるためその回収に費用を要し、ま
た設備規模など生産性の点で不利となる。
【0023】重合反応は、一般的に使用されているラジ
カル重合による。ラジカル反応は、例えば乳化重合、懸
濁重合、溶液重合、塊状重合等のいずれの方法でも構わ
ないが、特に溶液重合がゲル化を防ぎ、均一な反応を行
いやすいなどの点から好ましい。
【0024】ラジカル重合は、分子状酸素含有ガス存在
下で行うことが好ましい。分子状酸素含有ガスとしては
通常空気が用いられ、反応器内に吹き込まれる。吹き込
み量は任意に選べるが、多すぎると、溶媒ロスが大きく
なるので好ましくない。また、酸素濃度は高いほど効果
があるが、爆発混合気体形成を回避するために、爆発下
限界酸素濃度より低いことが好ましい。
【0025】反応温度は通常のラジカル重合が行える温
度、例えば、約30〜120℃であればよいが、50〜
100℃が好ましい。
【0026】反応中使用できる溶媒は、(メタ)アクリ
レートモノマー等のモノマーおよびポリマーを溶解でき
るものであれば特に制限はなく、例えば、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メタノール、エ
タノール、2−プロパノール等のアルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオ
キサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸イソブチル、
エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコ
ールモノアルキルアセテート等のエステル類、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、四
塩化炭素、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素等が用
いられる。これらの溶媒は単独で、または混合して使用
してもよい。
【0027】アクリル樹脂をラジカル重合で製造する
際、重合開始剤を使用することができる。重合開始剤は
通常のラジカル重合開始剤を用いることができ、例え
ば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’
−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)など
のアゾ系、ラウロイルパーオキサイド、ジ−t−ブチル
パーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシ
ル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ
(2ーエチルヘキサノエート)、メチルエチルケトンパ
ーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物
を単独あるいは混合して使用する。
【0028】本発明のアクリル樹脂は、一般式(3)の
(メタ)アクリレートおよびこれと共重合できる任意の
他の反応性二重結合を有するモノマーを選択使用でき
る。このため様々の性能を有するアクリル樹脂を得るこ
とができる。例えば、他の反応性二重結合を有するモノ
マーとして(メタ)アクリル酸と一般式(3)で表わさ
れる(メタ)アクリレートとの共重合により得たアクリ
ル樹脂は、側鎖に(メタ)アクリル酸由来のカルボキシ
ル基を有するため、アルカリ現像型のフォトレジスト樹
脂等へ使用できる。また、一般式(3)で表わされる
(メタ)アクリレート由来の二重結合を有するため、ヒ
ドロシリル化反応による熱硬化性樹脂へも応用できる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明は、実施例の範囲に限定されるものではない。
【0030】(実施例1)攪拌機、空気バブリング管、
脱水管及び冷却管を備えた2リットルのナス型フラスコ
に7−オクテン−1−オール(クラレ株式会社製 商品
名:7−OEA)250gとメタクリル酸205g、n
−ヘプタン200g、p−トルエンスルホン0.46
g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.35gを加
え、120℃で脱水反応を行った。反応は約9時間で終
了した。反応粗液は過剰のメタクリル酸他を除去するた
めアルカリ水洗を行い、さらに水洗を2回行った後、空
気をバブリングしながらエバポレーターで低沸点成分を
除き、生成物を収量361.0gで得た。
【0031】得られた生成物についての1H−NMRの
δ値を以下に示す。 δ1.2〜1.85付近(10H):−CH2−基中
のプロトン、 δ2.0〜2.1付近(2.0H):ビニル基のとな
りの−CH2−基中のプロトン、 δ1.95付近(3.0H):メタクリル基の−CH
3中のプロトン、 δ4.1〜4.2付近(2.1H):エステル結合部
分の酸素原子に結合した−CH2−基中のプロトン、 δ4.9〜5.1付近(1.6H):ビニル基のCH
2中のプロトン、 δ5.5〜5.6付近(1.0H):メタクリル基の
二重結合のCH2中の一方のプロトン、 δ5.7〜5.9付近(0.8H):ビニル基のCH
中のプロトン、 δ6.1〜6.2付近(1.0H):メタクリル基の
二重結合のCH2中の一方のプロトン。 これらの値より、メタクリル酸7−オクテニル(単量体
A)が得られたことが確認できる。
【0032】次に攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロ
ート、及び空気バブリングを備えた500mlセパラブ
ルフラスコに、ジオキサン50g、開始剤としてパーブ
チルO(日本油脂(株)社製)3gを仕込んだ後、上記
で得られた単量体A43g、およびこれらのモノマー類
とは別にジオキサン50g、開始剤としてパーブチルO
(日本油脂(株)社製)4gをフラスコの温度を80℃
として攪拌しながら約2時間で滴下し、さらに3時間熟
成した。反応液をガスクロマトグラフィーの内部標準法
により分析し、残存単量体Aが1%未満であることを確
認し、反応を終了した。生成した樹脂は固形分濃度30
%の溶液として得られ、数平均分子量18,000であ
った。
【0033】(実施例2)実施例1と同様にして単量体
Aを得た。次に攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロー
ト、及び空気バブリングを備えた500mlセパラブル
フラスコに、ジオキサン50g、開始剤としてパーブチ
ルO(日本油脂(株)社製)3gを仕込んだ後、メタク
リル酸メチル54g、メタクリル酸6g、上記で得られ
た単量体A40g、およびこれらのモノマー類とは別に
ジオキサン50g、開始剤としてパーブチルO(日本油
脂(株)社製)4gをフラスコの温度を80℃として攪
拌しながら約2時間で滴下し、さらに3時間熟成した。
反応液をガスクロマトグラフィーの内部標準法により分
析し、残存単量体Aが1%未満であることを確認し、反
応を終了した。生成した樹脂は固形分濃度50%の溶液
として得られ、数平均分子量20,000、酸価(JI
S K0211に準拠、以下同じ)18.5mgKOH
/gであった。
【0034】(実施例3)攪拌機、空気バブリング管、
脱水管及び冷却管を備えた2リットルのナス型フラスコ
に3−メチル−2−ブテン−1−オール(クラレ株式会
社製 商品名:プレノール)400gとメタクリル酸8
00g、n−ヘプタン400g、チタンテトラブトキシ
ド1.2g、ハイドロキノンモノメチルエーテル6.0
gを加え、120℃で脱水反応を行った。反応は約12
時間で終了した。反応粗液は過剰のメタクリル酸他を除
去するためアルカリ水洗を行い、さらに水洗を2回行っ
た後、空気をバブリングしながらエバポレーターで低沸
点成分を除き、生成物を収量555.9gで得た。
【0035】得られた生成物についての1H−NMRの
δ値を以下に示す。 δ1.7〜1.8付近(6.0H):二重結合炭素に
結合した−CH3中のプロトン、 δ1.95付近(3.0H):メタクリル基の−CH
3中のプロトン、 δ4.6〜4.7付近(2.0H):エステル結合部
分の酸素原子に結合した−CH2−基中のプロトン、 δ5.3〜5.5付近(1.0H):二重結合のCH
中のプロトン、 δ5.5〜5.6付近(1.0H):メタクリル基の
二重結合のCH2中の一方のプロトン、 δ、6.1〜6.2付近(1.0H):メタクリル基
の二重結合のCH2中の一方のプロトン。 これらの値より、メタクリル酸3−メチル−2−ブテニ
ル(単量体B)が得られたことが確認できる。
【0036】次に攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロ
ート、及び空気バブリングを備えた500mlセパラブ
ルフラスコに、ジオキサン50g、開始剤としてパーブ
チルO(日本油脂株式会社製)3gを仕込んだ後、メタ
クリル酸メチル54g、メタクリル酸6g、上記で得ら
れた単量体B40g、およびこれらのモノマー類とは別
にジオキサン50g、開始剤としてパーブチルO(日本
油脂株式会社製)4gをフラスコの温度を80℃として
攪拌しながら約2時間で滴下し、さらに3時間熟成し
た。反応液をガスクロマトグラフィーの内部標準法によ
り分析し、残存単量体Bが1%未満であることを確認
し、反応を終了した。生成した樹脂は固形分濃度50%
の溶液として得られ、数平均分子量17,000、酸価
18.7mgKOH/gであった。
【0037】(実施例4)攪拌機、空気バブリング管、
脱水管及び冷却管を備えた2リットルのナス型フラスコ
に3−メチル−3−ブテン−1−オール(クラレ株式会
社製 商品名:イソプレノール)400gとメタクリル
酸800g、n−ヘプタン400g、モノブチルスズオ
キシド1.2g、ハイドロキノンモノメチルエーテル
6.0gを加え、120℃で脱水反応を行った。反応は
約12時間で終了した。反応粗液は過剰のメタクリル酸
他を除去するためアルカリ水洗を行い、さらに水洗を2
回行った後、空気をバブリングしながらエバポレーター
で低沸点成分を除き、生成物を収量507.1gで得
た。
【0038】得られた生成物についての1H−NMRの
δ値を以下に示す。 δ1.7〜1.8付近(3.0H):二重結合炭素に
結合した−CH3中のプロトン、 δ1.95付近(3.0H):メタクリル基の−CH
3中のプロトン、 δ2.3〜2.5付近(2.0H):二重結合炭素の
となりのCH2中のプロトン、 δ4.2〜4.3付近(2.0H):エステル結合部
分の酸素原子に結合した−CH2−基中のプロトン、 δ4.7〜4.9付近(1.0H):二重結合炭素の
CH2中のプロトン、 δ5.5〜5.6付近(1.0H):メタクリル基の
二重結合のCH2中の一方のプロトン、 δ6.1〜6.2付近(1.0H):メタクリル基の
二重結合のCH2中の一方のプロトン。 これらの値より、メタクリル酸3−メチル−3−ブテニ
ル(単量体C)が得られたことが確認できる。
【0039】次に攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロ
ート、及び空気バブリングを備えた500mlセパラブ
ルフラスコに、ジオキサン50g、開始剤としてパーブ
チルO(日本油脂株式会社製)3gを仕込んだ後、メタ
クリル酸メチル54g、メタクリル酸6g、上記で得ら
れた単量体C40g、およびこれらのモノマー類とは別
にジオキサン50g、開始剤としてパーブチルO(日本
油脂株式会社製)4gをフラスコの温度を80℃として
攪拌しながら約2時間で滴下し、さらに3時間熟成し
た。反応液をガスクロマトグラフィーの内部標準法によ
り分析し、残存単量体Cが1%未満であることを確認
し、反応を終了した。生成した樹脂は固形分濃度50%
の溶液として得られ、数平均分子量17,000、酸価
18.7mgKOH/gであった。
【0040】(実施例5)攪拌機、空気バブリング管、
脱水管及び冷却管を備えた2リットルのナス型フラスコ
に2,7−オクタジエノール(クラレ株式会社製 商品
名:7−ODA)378gとメタクリル酸310g、n
−ヘプタン200g、p−トルエンスルホン酸2.1
g、ハイドロキノンモノメチルエーテル3.4gを加
え、120℃で脱水反応を行った。反応は約9時間で終
了した。反応粗液は過剰のメタクリル酸やp−トルエン
スルホン酸を除去するためアルカリ水洗を行い、さらに
水洗を2回行った後空気をバブリングしながらエバポレ
ーターで低沸点成分を除き、生成物(単量体D)を収量
489.8gで得た。次に攪拌機、温度計、還流冷却
管、滴下ロート、及び空気バブリングを備えた500m
lセパラブルフラスコに、ジオキサン50g、開始剤と
してパーブチルO(日本油脂株式会社製)3gを仕込ん
だ後、メタクリル酸メチル54g、メタクリル酸6g、
上記で得られた単量体D40g、およびこれらのモノマ
ー類とは別にジオキサン50g、開始剤としてパーブチ
ルO(日本油脂株式会社製)4gをフラスコの温度を8
0℃として攪拌しながら約2時間で滴下し、さらに3時
間熟成した。反応液をガスクロマトグラフィーの内部標
準法により分析し、残存単量体Dが1%未満であること
を確認し、反応を終了した。生成した樹脂は固形分濃度
50%の溶液として得られ、数平均分子量17,00
0、酸価19.1mgKOH/gであった。
【0041】(実施例6)攪拌機、温度計、還流冷却
管、滴下ロート、及び空気導入管を備えた500mlセ
パラブルフラスコに、キシレン50g、開始剤としてパ
ーブチルO(日本油脂株式会社製社製)3gを仕込んだ
後、メタクリル酸メチル54g、アクリル酸−nブチル
5g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル5g、メタク
リル酸3g、PCLFM−1(ダイセル化学工業株式会
社製:カプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレ
ートモノマー,平均分子量244)5g、実施例5で得
られた単量体D10g、およびこれらのモノマー類とは
別にキシレン50g、開始剤としてパーブチルO(日本
油脂株式会社製)4gをフラスコの温度を80℃として
攪拌しながら約2時間で滴下し、さらに3時間熟成し
た。反応液をガスクロマトグラフィーの内部標準法によ
り分析し、残存単量体Dが1%未満であることを確認
し、反応を終了した。生成した樹脂は固形分濃度38%
の溶液として得られ、数平均分子量20,000、酸価
12.3mgKOH/g、水酸基価(JISK0211
に準拠、以下同じ)20.1mgKOH/gであった。
【0042】(実施例7)攪拌機、温度計、還流冷却
管、滴下ロート、及び空気導入管を備えた500mlセ
パラブルフラスコに、キシレン50g、開始剤としてパ
ーブチルO(日本油脂株式会社製)3gを仕込んだ後、
メタクリル酸メチル20g、アクリル酸n−ブチル5
g、スチレン10g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル5g、メタクリル酸2g、実施例6で用いたPCLF
M−1を5g、実施例3で得られた単量体B10g、お
よびこれらのモノマー類とは別にキシレン50g、開始
剤としてパーブチルO(日本油脂株式会社)4gをフラ
スコの温度を80℃として攪拌しながら約2時間で滴下
し、さらに3時間熟成した。反応液をガスクロマトグラ
フィーの内部標準法により分析し、残存単量体Bが1%
未満であることを確認し、反応を終了した。生成した樹
脂は固形分濃度37%の溶液として得られ、数平均分子
量17,000、酸価8.0mgKOH/g、水酸基価
20.5mgKOH/gであった。
【0043】(実施例8)攪拌機、空気バブリング管、
脱水管及び冷却管を備えた2リットルのナス型フラスコ
に7−オクテン−1−オール(クラレ株式会社製 商品
名:7−OEA)250gとアクリル酸169g、n−
ヘプタン200g、p−トルエンスルホン0.42g、
ハイドロキノンモノメチルエーテル1.26gを加え、
120℃で脱水反応を行った。反応は約9時間で終了し
た。反応粗液は過剰のアクリル酸他を除去するため、ア
ルカリ水洗を行い、さらに水洗を2回行った後、空気を
バブリングしながらエバポレーターで脱沸点を行い、生
成物を収量318.2gで得た。
【0044】得られた生成物についての1H−NMRの
δ値を以下に示す。 δ1.2〜1.85付近(10H):−CH2−基中
のプロトン、 δ2.0〜2.1付近(2.0H):ビニル基のとな
りの−CH2−基中のプロトン、 δ4.1〜4.2付近(2.1H):エステル結合部
分の酸素原子に結合した−CH2−基中のプロトン、 δ4.9〜5.1付近(1.6H):ビニル基のCH
2中のプロトン、 δ5.7〜5.9付近(1.8H):ビニル基のCH
中のプロトン、アクリル基の二重結合のCH2中の一方
のプロトン、 δ6.0〜6.2付近(1.0H):アクリル基の二
重結合のCH中のプロトン、 δ6.3〜6.5付近(1.0H):アクリル基の二
重結合のCH2中の一方のプロトン。 これらの値より、アクリル酸7−オクテニル(単量体
E)が得られたことが確認できる。
【0045】次に攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロ
ート、及び空気バブリングを備えた500mlセパラブ
ルフラスコに、ジオキサン50g、開始剤としてパーブ
チルO(日本油脂(株)社製)3gを仕込んだ後、上記
で得られた単量体E43g、およびこれらのモノマー類
とは別にジオキサン50g、開始剤としてパーブチルO
(日本油脂(株)社製)4gをフラスコの温度を80℃
として攪拌しながら約2時間で滴下し、さらに3時間熟
成した。反応液をガスクロマトグラフィーの内部標準法
により分析し、残存単量体Eが1%未満であったことを
確認し、反応を終了した。生成した樹脂は固形分濃度3
0%の溶液として得られ、数平均分子量20,000で
あった。
【0046】
【発明の効果】本発明のアクリル樹脂は、側鎖に反応性
二重結合を有しているため、種々の硬化機構を利用して
硬化させることができ、コーティング材料、接着剤、光
硬化性樹脂へ応用することができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される構造単位を
    有するアクリル樹脂。 【化1】
  2. 【請求項2】 下記一般式(1−1)で表される構造単
    位を有するアクリル樹脂。 【化2】
  3. 【請求項3】 下記一般式(1−2)で表される構造単
    位を有するアクリル樹脂。 【化3】
  4. 【請求項4】 下記一般式(1−3)で表される構造単
    位を有するアクリル樹脂。 【化4】
  5. 【請求項5】 下記一般式(1−4)で表される構造単
    位を有するアクリル樹脂。 【化5】
  6. 【請求項6】 下記一般式(1−5)で表される構造単
    位を有するアクリル樹脂。 【化6】
  7. 【請求項7】 下記一般式(3)で表わされる(メタ)
    アクリレートを単独重合させるか、または下記一般式
    (3)で表わされる(メタ)アクリレートと他の反応性
    二重結合を有するモノマーとを溶液中でラジカル共重合
    させることを特徴とする請求項1記載のアクリル樹脂の
    製造方法。 【化7】
  8. 【請求項8】 一般式(3)で表わされる(メタ)アク
    リレートと他の反応性二重結合を有するモノマーとの反
    応系中の濃度が、20〜80重量%の範囲であることを
    特徴とする請求項7記載のアクリル樹脂の製造方法。
  9. 【請求項9】 分子状酸素含有ガス存在下でラジカル共
    重合させることを特徴とする請求項7または8記載のア
    クリル樹脂の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1997027515A1 (fr) * 1996-01-26 1997-07-31 Nippon Zeon Co., Ltd. Composition de resist
US11845818B2 (en) 2019-03-19 2023-12-19 Kuraray Co., Ltd. Active energy ray crosslinkable thermoplastic polymer and composition containing the same

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