JPH0943657A - レンズ鏡筒及びそれを用いた光学機器 - Google Patents

レンズ鏡筒及びそれを用いた光学機器

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JPH0943657A
JPH0943657A JP21419395A JP21419395A JPH0943657A JP H0943657 A JPH0943657 A JP H0943657A JP 21419395 A JP21419395 A JP 21419395A JP 21419395 A JP21419395 A JP 21419395A JP H0943657 A JPH0943657 A JP H0943657A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防振用の光学要素を保持した補正手段を光軸
と直交する面内で少ない摩擦力で効率的に駆動させて画
像振れを補正したレンズ鏡筒及びそれを用いた光学機器
を得ること。 【解決手段】 光学要素を保持して光軸と直交方向に駆
動する光学保持手段を鏡筒内に固定した支持手段に駆動
可能に装着すると共に、該鏡筒の一部に該鏡筒に加わる
振れ情報を検出する為の振れ検出手段と該振れ検出手段
で得られた振れ検出信号に所定周期的毎に所定量の信号
を加算若しくは減算させる制御手段とを設け、該振れ検
出信号と該所定量の信号とに基づいて駆動手段により該
光学保持手段を駆動して画像ブレを補正していること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレンズ鏡筒及びそれを用
いた光学機器に関し、特に手振れ等の比較的低い周波数
(1Hz〜12Hz程度)の振動を受けたときに像面上
に生じる画像振れを光学系中の一部のレンズ(光学要
素)を保持する光学保持手段(補正手段)を光軸と直交
する方向に駆動させて補正するようにした35mmフィ
ルムカメラやビデオカメラ等の光学機器(カメラ)に好
適なものである。
【0002】
【従来の技術】現在のカメラは露出決定やピント合わせ
等の撮影にとって重要な作業は全て自動化されている
為、カメラ操作に未熟な人でも撮影失敗を起こす可能性
は非常に少なくなっている。
【0003】又最近ではカメラに加わる手振れを防ぐシ
ステム(防振システム)も研究されており、撮影者の撮
影ミスを誘発する要因はほとんどなくなってきている。
ここで、手振れを防ぐシステムについて簡単に説明す
る。
【0004】撮影時のカメラの手振れは、周波数として
通常1Hz乃至12Hzの振動である。シャッターのレ
リーズ時点においてこのような手振れを起こしていても
像振れのない写真を撮影可能とする為の基本的な考えと
しては、上記手振れによるカメラの振動を検出し、その
検出値に応じて補正レンズを変位させることである。従
ってカメラの振れが生じても像振れを生じない写真を撮
影する為には、第1にカメラの振動を正確に検出し、第
2に手振れによる光軸変化を補正することである。この
振動(カメラ振れ)の検出は、原理的にいえば角加速
度,角速度,角変位等を検出する振動検出手段と、該振
動検出手段からの出力信号を電気的或は機械的に積分し
て角変位を出力するカメラ振れ検出手段とをカメラに搭
載することによって行っている。そしてこの検出情報に
基づきレンズやプリズム等の光学要素を保持した光学保
持手段(補正手段)を光軸と直交する方向に偏位させて
像振れを防止している。
【0005】図15はカメラ等に用いられている従来の
振動検出手段を用いた防振システムの要部概略図であ
る。同図は矢印81方向(カメラ縦振れ81p,カメラ
横振れ81y)における像振れを抑制するシステムを示
している。
【0006】図中、82はレンズ鏡筒、83p,83y
は各々振動検出手段であり、カメラ縦振れ振動(振動方
向84p)、カメラ横振れ振動(振動方向84y)を検
出している。85は振動による像振れを補正する為の補
正手段であり、補正用光学素子(プリズムやレンズ等)
を保持している。86p,86yは各々コイルであり、
補正手段85に推力を与えている。87p,87yは各
々位置検出素子であり、補正手段85の位置を検出して
いる。補正手段85は位置制御ループを利用して振動検
出手段83p,83yからの出力信号を目標値として駆
動し、これにより振動における像振れを補正している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、撮影の際に
はカメラを上向き,下向き等してあらゆる姿勢で行って
いる。その際に、このような像振れ補正機能手段を設け
た撮影レンズをカメラ本体に取り付け撮影を行うには、
防振用の光学要素(補正レンズ)を保持した光学保持手
段を鏡筒内に固定した支持手段に駆動可能に取着する際
に用いるチャージバネのバネ定数を光学要素の自重によ
って光軸方向の倒れが発生し光学性能が不安定となる為
にある程度大きくしておく必要がある。
【0008】しかしながら、チャージバネのバネ定数を
大きくすると、それと共に用いる支持球と、該支持球が
当接する支持手段の当接面における摩擦力も大きくな
る。そうなると光学要素の動きが悪くなり、像振れ補正
残りが増えてしまう。
【0009】一般的に、摩擦力を低減する方法の一つと
して、フルイダイジングという方法がある。この方法
は、静摩擦力より動摩擦力の方が小さいという現象を応
用したもので、摩擦力が発生する部分を振動させること
によって、摩擦の状態を静摩擦から動摩擦へと変化さ
せ、摩擦力を低減する方法である。そして、その振動振
幅が大きいほど、摩擦力の低減の効果が大きい。
【0010】この方法を像振れ補正機構に応用すればチ
ャージバネ力のアップによる摩擦力の増加の影響を低減
することができる。このとき光学要素を振動させる振幅
は当然のことながら光学性能に影響を与えない程度の微
小振幅とする必要がある。しかしながら、光学要素を振
動させると、その振動が光学機器にも伝わり、振動や音
が発生するので撮影者に不快感を与えてしまう。
【0011】本発明は、防振の為に光学要素(補正レン
ズ)を駆動させる為にフルイダイジング方法を利用して
摩擦力を低減させて駆動制御する際にフルイダイジング
の動作を適切に制御することにより、撮影者に伝わる振
動を少なくし、撮影者に不快感を与えることなく、振動
等による画像ブレを効果的に防止したレンズ鏡筒及びそ
れを用いた光学機器の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明のレンズ鏡筒は、光学要素を保持して光軸
と直交方向に駆動する光学保持手段を鏡筒内に固定した
支持手段に駆動可能に装着すると共に、該鏡筒の一部に
該鏡筒に加わる振れ情報を検出する為の振れ検出手段と
該振れ検出手段で得られた振れ検出信号に所定周期的毎
に所定量の信号を加算若しくは減算させる制御手段とを
設け、該振れ検出信号と該所定量の信号とに基づいて駆
動手段により該光学保持手段を駆動して画像ブレを補正
していることを特徴としている。
【0013】特に、前記制御手段により、前記振れ検出
信号に所定量の信号を加算若しくは減算させる際の所定
周期の時間又は/及び所定量の信号を変更する変更手段
を有していることを特徴としている。
【0014】(2)本発明の光学機器は、前述の構成
(1)のレンズ鏡筒を用いて所定面上に画像を形成する
ようにしたことを特徴としている。
【0015】特に、前記変更手段は撮影準備中と撮影中
とで前記所定周期の時間又は/及び所定量の信号を変更
していることや、前記光学機器はシャッター手段を有し
ており、前記変更手段は該シャッター手段のシャッター
時間によって前記所定周期の時間又は/及び所定量の信
号を変更していること等を特徴としている。
【0016】
【実施例】図1は本発明の防振システムを用いた光学機
器のレンズ鏡筒の実施例1の要部斜視図である。同図に
おいて地板71の背面突出耳71a(同図では3ヶ所設
けているが、図では2ヶ所示している。)は鏡筒(不図
示)に嵌合し、公知の鏡筒コロ等が孔71bにネジ止め
され、鏡筒に固定されている。
【0017】磁性体より成り、光沢メッキが施された第
2ヨーク(固定部)72は円周上に設けた孔72aを貫
通するネジで地板71の孔71cにネジ止めされてい
る。又第2ヨーク72にはネオジウムマグネット等の永
久磁石73(シフトマグネット)が磁気的に吸着されて
いる。尚、矢印73aは各永久磁石73の磁化方向であ
る。74は防振用の光学要素としてのレンズである。レ
ンズ74をCリング等で固定した支持枠75にはコイル
76p,76y(シフトコイル)がパッチン接着され、
又IRED等の投光素子77p,77yも支持枠75の背面
に接着されている。投光素子77p,77yからの光束
はスリット75ap,75ayを通して後述するPSD
等の位置検出素子78p,78yに入射する。
【0018】支持枠75の孔75b(3ヶ所)には図2
に示すようにPOM等の先端球状の支持球79a,79
b及びチャージバネ710が装入され、支持球79aが
支持枠75に熱カシメされ固定されている(支持球79
bはチャージバネ710のバネ力に逆らって孔75bの
延出方向に摺動可能となっている。)。
【0019】図2はレンズ鏡筒の組立後の横断面図を示
しており、支持枠75の孔75bに矢印79c方向に支
持球79b,チャージしたチャージバネ710,支持球
79a,の順に装入して、次いで(支持球79a,79
bは同形状部品)最後に孔75bの周端部75cを熱カ
シメして支持球79aの抜け止めを行っている。
【0020】図3は図2の孔75bと直交する要部断面
図、図4は図3の矢印79c方向から見たときの要部平
面図である。図4における各点A〜Dは図3(C)の各
点A〜Dに対応している。ここで支持球79aの羽根部
79aaの後端部は深さA面の範囲で受けられ規制され
ている。この為周端部75cを熱カシメすることにより
支持球79aを支持枠75に固定している。
【0021】支持球79bの羽根部79baの先端部は
深さB面の範囲で受けられている。この為に支持球79
bがチャージバネのチャージバネ力で孔75bより矢印
79cの方向に抜けてしまうことがないようにしてい
る。レンズ鏡筒の組立が終了すると支持球79bは第2
ヨーク72に受けられる。この為支持枠75より抜け出
ることは無くなるが、組立性を考慮して抜け止め範囲に
B面を設けている。
【0022】図2〜図4において支持枠75の孔75b
の形状は支持枠75を成形で作る場合においても複雑な
内径スライド型を必要とせず、矢印79cと反対側に型
を抜く単純な2分割型で成形可能としてその分、寸法精
度を厳しく設定できるようにしている。又支持球79
a,79bとも同部品である為、組立ミスがなく部品管
理上も有利となっている。図1において支持枠75の軸
受部75dには例えばフッ素系のグリスを塗布し、L字
形の軸711(非磁性のステンレス材)を装入し、L字
軸711の他端を地板71に形成された軸受部71d
(同様にグリス塗布)に装入し、3ヶ所の支持球79b
と共に第2ヨーク72に乗せて支持枠75を地板71内
に収めている。
【0023】次に第1ヨーク712の位置決め孔712
a(3ヶ所)を地板71のピン71f(図5の3ヶ所)
に嵌合させ、受け面71e(5ヶ所)にて第1ヨーク7
12を受けて地板71に対し、磁気的に結合する(永久
磁石73の磁力方向73a)。これにより第1ヨーク7
12の背面が支持球79aと当接し、図2に示すように
支持枠75を第1ヨーク712と第2ヨーク72にて挟
持して、光軸方向の位置決めをしている。
【0024】支持球79a,79bと第1ヨーク712
と第2ヨーク72の互いの当接面にもフッ素系グリスが
塗布してあり、支持枠75は地板71に対して光軸と直
交する平面内にて自由に摺動可能となっている。L字軸
711は支持枠75が地板71に対し矢印713p,7
13y方向にのみ摺動可能となるように支持しており、
これにより支持枠75の地板71に対する光軸回りの相
対的回転(ローリング)を規制している。
【0025】尚、L字軸711と軸受部71d,75d
の嵌合ガタは光軸方向には大きく設定してあり、支持球
79a,79bと第1ヨーク712,第2ヨーク72の
挟持による光軸方向規制と重複嵌合してしまうことを防
いでいる。第1ヨーク712の表面には絶縁用シート7
14が被せられ、その上に複数のIC(位置検出素子7
8p,78y、出力増幅用IC、コイル(75p,76
y)、駆動用IC等)を有するハード基板715が位置
決め孔715a(2ヶ所)を地板71のピン71h(図
5の2ヶ所)に嵌合され、孔715b,第1ヨーク71
2の孔712bと共に地板71の孔71gにネジ結合さ
れている。
【0026】ここでハード基板715には位置検出素子
78p,78yが工具にて位置決めされてハンダ付けし
て固定している。又信号伝達用のフレキシブル基板71
6も面716aがハード基板715の背面に破線で囲む
範囲715cに熱圧着している。フレキシブル基板71
6からは光軸と直交する平面方向に一対の腕716b
p,716byが延出しており、図6に示すように各々
支持枠75の引っ掛け部75ep,75eyに引っ掛け
られIRED77p,77yの端子及びコイル76p,76
yの端子がハンダ付けされている。
【0027】これによりIRED77p,77yとコイル7
6p,76yの駆動をハード基板715よりフレキシブ
ル基板716を介在して行っている。フレキシブル基板
716の腕部716bp,716byには各々屈曲部7
16cp,716cyが設けられており、この屈曲部7
16cp,716cyの弾性により支持枠75が光軸と
直交する平面内に動き回ることに対する腕部716b
p,716byの負荷を低減している。
【0028】第1ヨーク712はエンボスによる突出面
712cを有し、突出面712cは絶縁シート714の
孔714aを通りハード基板715と直接接触してい
る。この接触面のハード基板715側にはアース(GN
D;グランド)パターンが形成されており、ハード基板
715を地板71にネジ結合することで第1ヨーク71
2はアースされ、アンテナになってハード基板715に
ノイズを与えることが無くなるようにしている。
【0029】マスク717は地板71のピン71hに位
置決めされてハード基板715上に両面テープにて固定
されている。地板71には永久磁石用の貫通孔71iが
開けられており、ここから第2ヨーク72の背面が露出
している。この貫通孔71iにはヨーク727に設けた
永久磁石718(ロックマグネット)が組み込まれ、第
2ヨーク72と磁気結合している(図2)。
【0030】図7は組立終了後のレンズ鏡筒を図1の背
面方向から見たときの概略図である。ロックリング(係
止部)719の外径切り欠き部719c(図8の3ヶ
所)を地板71の内径突起71j(3ヶ所)に位相を合
わせてロックリング719を地板71に押し込み、その
後ロックリング719をアンロック方向(図示反時計回
り方向)に回して地板71に対しバヨネット結合してい
る。これによりロックリング719が地板71に対し光
軸方向に拘束し、光軸回りには回転可能となるようにし
ている。
【0031】そしてロックリング719が回転して再び
該ロックリング719の切り欠き部719cが突起71
jと同位相になり、バヨネット結合が外れてしまうこと
を防ぐ為に弾性部材としてロックゴム(制限部材)72
6を地板71に設けている。これによりロックリング7
19がロックゴム726により規制される駆動範囲(切
り欠き部719dの角度θ0 )しか回転できないように
回転規制している。
【0032】即ち、ロックゴム726を設けていないと
きはロックリング719は地板71に対して広い駆動範
囲を持つようになる。これによってもバヨネット結合、
バヨネット結合の解除が可能であるが、ロックゴム72
6を設け、駆動範囲を角度θ0 に規制することにより外
径切り欠き部719cが内径突起71jと同位相まで回
転できなくなり、これによりバヨネット抜け止めをして
いる。
【0033】ここでロックゴム726は地板71の孔
(不図示)に圧入して植設している。ロックゴム26の
倒れ方向に関しては地板71の背面突出耳71aとネジ
穴(セルフタップ穴)71L周辺の地板71に対する凸
形状部により、外周の略半周を囲むことにより規制して
いる。又ヨーク727を地板71にネジ結合して図11
(図7の周方向に沿った断面概略図)のようにロックゴ
ム726をヨーク727と第2ヨーク72との間に挟ん
でゴムの弾性を若干チャージして抜け止めしている。こ
れによりネジや接着剤の追加を行うこと無しでロックゴ
ム726を地板71に固定している。
【0034】次に図9,図10を用いてロックゴム72
6とロックリング719との当接位置関係及びロックリ
ング719の駆動範囲について説明する。図9,図10
は図7の平面部から要部のみ抜出した概略図であり、説
明を解りやすくする為に実際の組立状態とは若干、形
状,レイアウトを変化させている。
【0035】図9はロック状態を示す平面図である。図
中、ロックリング719はロックバネ728で時計回り
に付勢されているが、ロックゴム726がロックリング
719の辺719iと当接して回り止めしている。そし
てこのロックリング719の回り止めは地板71とは別
体のゴムの為、弾性的に行われ、ロック時の衝撃を吸収
し、大きな音を発生しないようにしている。又ロックゴ
ム726の当接辺719iはコイル720の近傍に設け
ている。コイル720近傍はロックリング719の中で
も質量が集中している部分であり、ロックリング719
の回転時に最も大きな慣性力を有する。
【0036】フック719eの部分で回り止めをすると
コイル720と離れている為にロックリング719が変
形し、この変形によりロック時の衝撃時の音質が悪く、
不快となり、且つロックリング719が地板71より抜
けやすくなる(パッチン結合の為)。この為本発明にお
いてはコイル720近傍でロックリング719を弾性的
に回り止めして緩衝作用があること、質量集中点で受け
ることによりロックリング719のロック時の変形がな
く、且つロック時の音が小さく、且つ音質も良くなるよ
うにしている。
【0037】又バヨネット結合はパッチン結合より強固
であり、且つロックリング719の変形がない為ロック
リング719が地板71から外れることがない。ロック
リング719はロック方向とアンロック方向に駆動され
るが、この駆動が規制され、止められる時の音も両方向
で発生する。
【0038】しかしアンロック方向の駆動終了直前で
は、まずはじめにアーマチュア724が吸着ヨーク72
9に弱い力で当接(アーマチュアバネ723の弾性力に
よる)し、そのとき小さな金属音がするが、その後アー
マチュアバネ723の弾性により駆動終了時の音は発生
しない。又上記金属音も撮影者のレリーズ操作(防振シ
ステムオン時)に同期して発生する為、撮影者にとって
不快感は少ない。以上のようにしてロック時の発生音を
小さくしている。
【0039】本実施例では上述したようにロックゴム7
26を設けてコイル720近傍でロックリング719と
当接するようにしている。このように本実施例では (A1)ロック方向に付勢バネを有するロックリング7
19を (A2)地板71に対してロック方向(時計回り方向)
に回して装入し、 (A3)次いでアンロック方向に回してバヨネット結合
し、ロックゴムで抜け止めする。
【0040】以上3つの構成を捕らえることにより、 (B1)簡易なバヨネット抜け止め構造でロックリング
を地板に対して安定的に結合でき、 (B2)ロック時の発生音を小さく抑えることができる (B3)更にロックゴムの配置をコイル近傍にすること
でロックリングの変形を防ぎ、ロック時発生音質を悪化
させることがない。等の効果を得ている。
【0041】又本発明に係るロックゴム726はロック
リング719のアンロック時のストッパーにもなってい
ることを特徴としている。
【0042】図10はロックリング719がアンロック
方向に回転してアーマチュア724が吸着ヨーク729
に当接した瞬間の概略図である。この時ロックゴム72
6の外周とロックリングの辺719jのクリアランスを
θ2 、ロックリング耳部719aとアーマチュア724
のクリアランスをφ(アーマチュア724を吸着ヨーク
729にイコライズする駆動余裕量)としたとき θ2 <φ となっている。
【0043】即ち辺719jがないと図9の状態から図
10の状態(駆動余裕量を使い切った状態)迄のロック
リング719の駆動角をθ1 とすると θ1 −φ<θ0 <θ1 の関係になっている。
【0044】これにより図10の状態で更にロックリン
グ719がアンロック方向に駆動を続けてもロックゴム
726が辺719jと弾性的に当接する方がロックリン
グ耳部719aがアーマチュア724を押し付けるより
も早い為にアーマチュア724は吸着ヨーク729に確
実に吸着される。
【0045】以上のように両方向を回転を規制するスト
ッパとし、且つストッパを1つの弾性手段で形成するこ
と及びストッパは部材の部品間に挟まれるだけで固定さ
れていること、及びストッパはバヨネット抜け止めを兼
用させることで組立作業性が良く、作動時に不快な発生
音がなく、安定した機構且つ確実に作動する係止手段
(係止装置)を得ている。
【0046】以上のレンズ鏡筒における機構部は大別す
ると、レンズ74、支持枠75、コイル76p,76
y、IRED77p,77y、支持球79a,79b、チャ
ージバネ710、支持軸711は光軸を偏心させる光学
保持手段(補正手段)の一要素を構成し、地板71、第
2ヨーク72、永久磁石73、第1ヨーク712は補正
手段を支持する支持手段の一要素を構成し、永久磁石7
18、ロックリング719、コイルバネ720、アーマ
チュア軸721、アーマチュアゴム722、アーマチュ
アバネ723、アーマチュア724、ヨーク727、ロ
ックバネ728、吸着ヨーク729、吸着コイル730
は補正手段を係止する係止手段の一要素を構成してい
る。アーマチュア724、ヨーク729、コイル730
は保持部の一要素を構成している。アーマチュア軸72
1、アーマチュアゴム722、アーマチュアバネ723
はイコライズ手段の一要素を構成している。
【0047】次に図1に戻り、ハード基板715上のI
C731p,731yは各々位置検出素子78p,78
yの出力増幅用のICである。図12はその内部構成の
説明図である(IC731p,731yは同構成の為、
ここではIC731pのみ示す。)。
【0048】同図において、電流−電圧変換アンプ73
1ap,731bpは投光素子77pにより位置検出素
子78p(抵抗R1 ,R2 より成る)に生じる光電流7
i1p ,78i2p を電圧に変換している。差動アンプ7
31cpは各電流−電圧変換アンプ731ap,731
bpの差出力を求め増幅している。
【0049】投光素子77p,77yからの射出光は前
述したとおりスリット75ap,75ayを経由して位
置検出素子78p,78y上に入射する。支持枠75が
光軸と垂直な平面内で移動すると位置検出素子78p,
78yへの入射位置が変化する。位置検出素子78pは
矢印78ap方向に感度を持っており、又スリット75
apは矢印78apとは直交する方向(78ay方向)
に光束が拡がり、矢印78ap方向には光束が絞られる
形状をしている。
【0050】この為支持枠75が矢印713p方向に動
いたときのみ位置検出素子78pの光電流78i1p ,7
i2p のバランスは変化し、差動アンプ731cpは支
持枠75の矢印713p方向に応じた出力をする。位置
検出素子78yは矢印78ay方向に検出感度を持ち、
スリット75ayは矢印78ayとは直交する方向(7
8ap方向)に延出する形状の為に支持枠75が矢印7
13y方向に動いたときのみ位置検出素子78yは出力
を変化させる。
【0051】加算アンプ731dpは電流−電圧変換ア
ンプ731ap,731bpの出力の和(位置検出素子
78pの受光量総和)を求め、この信号を受ける駆動ア
ンプ731apはこれに従って投光素子77pを駆動す
る。
【0052】上記の投光素子76pは温度等に極めて不
安定にその投光量が変化する為、それに伴い位置検出素
子78p,78yの光電流78i1p ,78i2p の絶対量
78i1p +78i2p が変化する。その為支持枠75の位
置を示す78i1p −78i2pである差動アンプ731c
pの出力も変化してしまう。
【0053】この為、上記のように受光量総和一定とな
るように前述の駆動回路によって投光素子77pを制御
して差動アンプ731cpの出力変化がなくなるように
している。
【0054】図1のコイル76p,76yは永久磁石7
3、第1のヨーク712、第2のヨーク72で形成され
る閉磁路内に位置し、コイル76pに電流を流すことで
支持枠75は矢印713p方向に駆動し、(公知のフレ
ミングの左手の法則)コイル76yに電流を流すことで
支持枠75は矢印713y方向に駆動している。
【0055】一般に位置検出素子78p,78yの出力
をIC731p,731yで増幅し、その出力でコイル
76p,76yを駆動すると支持枠75が駆動されて位
置検出素子78p,78yの出力が変化する構成とな
る。ここでコイル76p,76yの駆動方向(極性)を
位置検出素子78p,78yの出力が小さくなる方向に
設定すると(負帰還)コイル76p,76yの駆動力に
より位置検出素子78p,78yの出力が略零になる位
置で支持枠75は安定する。
【0056】このように位置検出素子78p,78yか
らの出力を負帰還して駆動を行う手法(ここでは位置制
御手法という。)で、例えば外部から目標値(例えば手
振れ角度信号)をIC731p,731yに混合させる
と、支持枠75は目標値に従って極めて忠実に駆動す
る。
【0057】実際には差動アンプ731cp,731c
yの出力はフレキシブル基板716を経由して不図示の
メイン基板に送られ、そこでアナログ−デジタル変換
(A/D変換)が行われ、マイコンに取り込まれる。マ
イコン内では適宜目標値(手振れ角度信号)と比較増幅
され、デジタルフィルタ手法による位相進み補償(位置
制御をより安定させる為)が行われた後、再びフレキシ
ブル基板716を通りIC732(コイル76p,76
y駆動用)に入力する。
【0058】IC732は入力される信号を基にコイル
76p,76yをPWM(パルス幅変調)駆動を行い、
支持枠75を駆動する。支持枠75は矢印713p,7
13y方向に摺動可能であり、上述した位置制御手法に
より位置を安定させている。尚カメラ等の民生用光学機
器においては電源消耗防止の観点からも常に支持枠75
を制御している訳ではない。支持枠75は非制御状態時
には光軸と直交する平面内にて自由に動き回ることがで
きるようになる為、そのときのストローク端での衝突の
音発生や損傷に対して以下のように対策している。
【0059】図6乃至図10に示すように支持枠75の
背面には3ヶ所の放射状に突出した突起75fを設けて
あり、図7或いは図9に示すように突起75fの先端が
メカロックリング719の内周面719gに嵌合してい
る。これにより支持枠75が地板71に対して総ての方
向に拘束されるようにしている。
【0060】図13はメカロックリング駆動のタイミン
グチャートであり、矢印719iでコイル720に通電
(720bに示すPWM駆動)すると同時に吸着マグネ
ット730にも通電(730a)する。その為吸着ヨー
ク729にアーマチュア724が当接し、イコライズさ
れた時点でアーマチュア724は吸着ヨークに吸着され
る。
【0061】次に720cに示す時点でコイル720へ
の通電を止めるとロックリング719はロックバネ72
8の力で時計回りに回転しようとするが、上述したよう
にアーマチュア724が吸着ヨーク729に吸着されて
いる為回転は規制される。このとき支持枠75の突起7
5fはカム719fと対向する位置にある(カム719
fが回転してくる)為、支持枠は突起75fとカム71
9fの間のクリアランス分だけ動けるようになる。
【0062】この為、重力Gの方向に支持枠75が落下
することになるが、図13の矢印719iの時点で支持
枠75も制御状態にする為、落下することはない。支持
枠75は非制御時はロックリング719の内周で拘束さ
れているが、実際には突起75fと内周壁719gの嵌
合ガタ分だけガタを有する。即ち、このガタ分だけ支持
枠75は重力方向下方に落ちており、支持枠75の中心
と地板71の中心がずれていることになる。その為矢印
719iの時点から、例えば1秒費やしてゆっくり地板
の中心(光軸の中心)に移動させる制御をしている。
【0063】これは急激に中心に移動させるとレンズ7
4を通して像の揺れを撮影者が感じて不快である為であ
り、この間に露光が行われても支持枠75の移動による
像劣化が生じないようにする為である(例えば1/8秒
で支持枠を5μm移動させる)。詳しくは矢印719i
時点での位置検出素子78p,78yの出力を記憶し、
その値を目標値として支持枠75の制御を始め、その後
1秒間費やして予め設定した光軸中心のときの目標値に
移動してゆく(75g)。ロックリング719が回転さ
れ(アンロック状態)た後、振動検出手段からの目標値
も基にして(前述した支持枠の中心位置移動動作に重な
って)支持枠75が駆動され防振が始まることになる。
【0064】ここで防振を終る為に矢印719jの時点
で防振オフにすると振動検出手段からの目標値が本装置
に入力されなくなり、支持枠75は中心位置に制御され
て止まる。このときに吸着コイル730への通電を止め
る(730b)。すると吸着ヨーク729のアーマチュ
ア724の吸着力が無くなり、ロックリング719はロ
ックバネ728により時計回りに回転され、図9の状態
に戻る。このときロックリング719はストッパピン7
26に当接して回転規制される。その後(例えば20ms
ec後)本装置への制御を断ち、図13のタイミングチャ
ートは終了する。
【0065】図14は本発明の光学機器の実施例1の要
部ブロック図である。同図は光学機器として一眼レフカ
メラに適用した場合を示している。同図においてLYS
はレンズ鏡筒(レンズ),KYSはカメラ本体(カメラ
ボディ)を示す。101はレンズ鏡筒側に設けた制御手
段や変更手段等を有するマイコン(レンズマイコン)で
あり、カメラボディ側から通信用の接点109c(クロ
ック信号用),109d(ボディ→レンズ信号伝達用)
を通じて通信を受け、その指令値によって振れ補正系
(振れ検出手段)102,フォーカス駆動系104,絞
り駆動系105の動作を行わせたり、振れ補正系102
の制御を行ったりする。
【0066】前記振れ補正系102は振れを検知する振
れセンサ106、補正レンズの変位検出用の位置センサ
107及び前記振れセンサ106と位置センサ107の
出力を基にレンズマイコン101にて算出された制御信
号によって補正レンズを駆動して像ブレ補正を行う振れ
補正駆動系108からなる。
【0067】又、124(SWISとも記す)は像振れ
補正動作を選択する為の像振れ補正動作用スイッチであ
り、像振れ補正動作を選択する場合にはこのスイッチS
WISをONにする。
【0068】前記フォーカス駆動系104はレンズマイ
コン101からの指令値によって焦点調節用のレンズ
(フォーカスレンズ)を駆動してフォーカシングを行
う。前記絞り駆動系105はレンズマイコン101から
の指令値によって絞りを設定された位置まで絞る又は開
放状態に復帰させるという動作を行う。
【0069】又、前記レンズマイコン101はレンズ内
の状態(ズーム位置、フォーカス位置、絞り値の状態
等)や、レンズに関する情報(開放絞り値,焦点距離,
測距演算に必要なデータ等)を通信用の接点109e
(レンズ→ボディ信号伝達用)よりカメラボディ側に伝
達することも行う。
【0070】レンズマイコン101,振れ補正系10
2,フォーカス駆動系104,絞り駆動系105から、
レンズ電気系110が構成される。そしてこのレンズ電
気系110に対しては接点109a,グランド接点10
9bを通じてカメラ内電源118から供給が行われる。
【0071】カメラボディ内部にはカメラボディ内電気
系111として、測距部112,測光部113,シャッ
タ部114,表示部115,その他の制御部116及び
これらの動作開始・停止等の管理、露出演算、測距演算
等を行うカメラマイコン117が内蔵されている。これ
らのカメラボディ内電気系111に対しても、その電源
はカメラ内電源118より供給される。
【0072】また121(SW1とも記す)は測光や測
距を開始させる為のスイッチであり、122(SW2と
も記す)はレリーズ動作を開始させる為のレリーズスイ
ッチであり、これらは一般的には2段ストロークスイッ
チであって、レリーズボタンの第1ストロークでスイッ
チSW1がONし、第2ストロークでレリーズスイッチ
SW2がONになるように構成されている。123(S
WMとも記す)は露出モード選択スイッチであり、露出
モード変更は該スイッチのON,OFFで行ったり、該
スイッチ123と他の操作部材との同時操作により行う
方法などがある。
【0073】次に、上記構成のカメラ(光学機器)の交
換レンズ(レンズ鏡筒)側での動作の説明を行う。レン
ズマイコン101は図16のフローチャートに示すよう
に動作し、前述のレンズ制御を行っている。図16に従
って動作説明をする。カメラでSW1のON等の何らか
の操作がなされると、カメラからレンズへ通信がなさ
れ、レンズマイコン101はステップ#1から動作を開
始する。
【0074】[ステップ#1]レンズ制御、像振れ補正
制御の為の初期設定を行う。
【0075】[ステップ#2]カメラからの指令に基づ
いてフォーカス駆動を行う。
【0076】[ステップ#3]ズーム・フォーカスポジ
ションの検出を行う。
【0077】[ステップ#4]カメラからの通信、SW
ISの状態に応じて像振れ補正装置のロック・アンロッ
ク制御を行う。
【0078】[ステップ#5]カメラからHALT(レ
ンズ内のアクチュエータの全駆動を停止する)命令を受
信したかどうかの判定を行う。
【0079】[ステップ#6]HALT制御を行う。こ
こでは全駆動を停止し、マイコンをスリープ(停止)状
態にする。
【0080】これらの動作の間に、カメラからの通信に
よるシリアル通信割込み、像振れ補正制御割込みの要求
があれば、それらの割込み処理を行う。シリアル通信割
込み処理は、通信データのデコード、絞り駆動等のレン
ズ処理を行う。そして、通信データのデコードによっ
て、SW1のON,SW2のON,シャッタ秒時等が判
別できる。又、像振れ補正割込は一定周期毎に発生し、
その処理動作を示すフローチャートを図17に示し、動
作説明をする。カメラのメイン動作中に割込みが発生す
ると、レンズマイコン101は図17のステップ#11
から像振れ補正の制御を開始する。
【0081】[ステップ#11]振れセンサ106であ
る角速度センサの出力を取り込み、A/D変換を行う。
【0082】[ステップ#12]像振れ補正を行うかど
うかの判定を行う。これは、例えばSWISのONとS
W1のONのANDによって像振れ補正が開始するシス
テムの場合、メインルーチンで、その判定を行い、その
結果をフラグに反映し、ここではそのフラグによって判
定を行う。
【0083】[ステップ#13]像振れ補正を行わない
のでハイパスフィルタ・積分演算の初期化を行う。
【0084】[ステップ#14]ハイパスフィルタ演算
を行う。
【0085】[ステップ#15]積分演算を行う。この
演算結果は角変位となる。
【0086】[ステップ#16]ズーム・フォーカスの
ポジションによって、振れ角変位に対する補正レンズの
偏心量(敏感度)が変化するので、その調整を行う。
【0087】[ステップ#17]演算結果(像振れ補正
駆動用データ)をマイコン内のSFTDRVで設定され
るRAM領域に格納する。
【0088】[ステップ#18]SW2の状態を判定す
る。これも、メインルーチンでカメラからの通信で判別
されるSW2の状態をフラグに反映し、そのフラグによ
り判定する。ONであればステップ#19へ、OFFで
あればステップ#20へ進む。
【0089】[ステップ#19]SW2のON、つまり
露光中であるので、特性を良くする為にフルイダイジン
グレベル(RAMのHFLVLに設定)を2に設定す
る。
【0090】[ステップ#20]露光中ではないので、
撮影者に与える振動を少なくする為に、フルイダイジン
グレベル(RAMのHFLVLに設定)を1に設定す
る。
【0091】[ステップ#21]フルイダイジングの設
定周期に達したかを判定する。一定周期でフルイダイジ
ングを行う為には、例えばこの割込みが500μsec
であるとすると、割込みの回数をカウントして行き、そ
のカウント値が設定した周期の値に達すれば、フルイダ
イジングのタイミングが設定できる。
【0092】[ステップ#22]フルイダイジングのタ
イミングに達していないので、割込み回数のカウントを
+1する。
【0093】[ステップ#23]フルイダイジングのタ
イミングに達したので、SFTDRVにHFLVLを加
算し、像振れ補正駆動用データとする。そして、フルイ
ダイジングのカウントを0に戻しておく。
【0094】[ステップ#24]補正レンズの位置セン
サからの出力をA/D変換し、その結果をRAMのSF
TPSTに格納する。
【0095】[ステップ#25]フィードバック演算
(SFTDRV−SFTPST)を行う。
【0096】[ステップ#26]ループゲインとステッ
プ#25の演算結果を乗算する。
【0097】[ステップ#27]安定な制御系にする為
に位相補償演算を行う。
【0098】[ステップ#28]ステップ#27の結果
をPWMとしてマイコンのポートに出力し、補正レンズ
駆動用のコイルドライバーに入力され、補正レンズが駆
動され、像ブレが補正される。そして、割込みが終了す
る。
【0099】以上のように動作すれば、露光中以外の撮
影結果に関係ない場合は多少特性が悪くてもかまわない
ので、撮影者に伝わる振動を少なくする為に、フルイダ
イジングのレベルを小さく(当然ゼロでも良い)し、時
間的に短い露光中は多少大きくすることで、撮影者に振
動による不快感を与えずに撮影結果の向上を図ってい
る。
【0100】次に本発明の実施例2について説明する。
実施例1ではフルイダイジングのレベルを変更する例を
示したが、本実施例では一定周期を変更している。前述
の本発明の像振れ補正機構を有したレンズ鏡筒は、高次
の制御系であり、閉ループ特性は160Hz付近に共振
点を持つ。フルイダイジングの効果は、その周波数が制
御系の共振周波数と同じである時、最大となる。これは
共振点では応答振幅が最大になるので、振動振幅量に依
存するフルイダイジングの効果も最大となる。
【0101】図18に実施例2の動作を示すフローチャ
ートを示す。構成は実施例1と同様の構成とし、説明は
省略する。実施例1と違うステップはステップ#39〜
ステップ#43なので、その部分のみ説明する。
【0102】[ステップ#39]露光中であるので、フ
ルイダイジングの周期HFTIMEを6msec(約1
60Hz)に設定し、効果を最大にする。
【0103】[ステップ#40]露光中ではないので、
フルイダイジングの周期HFTIMEを4msec(2
50Hz)に設定し、撮影者に与える振動を押さえる。
【0104】[ステップ#41]フルイダイジングの周
波数設定用カウント値がHFTIMEに設定した値に達
したかを判定する。
【0105】[ステップ#42]フルイダイジングのタ
イミングに達していないので、周波数設定用カウント値
を+1する。
【0106】[ステップ#43]フルイダイジングのタ
イミングに達したので、像振れ補正駆動用データにレベ
ル1を加算し、新しい像振れ補正駆動用データとする。
【0107】以上のように、フルイダイジングの周波数
を変更することによっても、実施例1と同様の効果を得
ている。
【0108】次に本発明の実施例3について説明する。
フルイダイジングはその振幅とシャッタ秒時によっては
逆効果になる可能性がある。例えば、手振れの影響の少
ない高速秒時では摩擦による悪影響はほとんどなく、解
像力も高いのに、フルイダイジングをしてしまうとその
振動により解像力が落ち、多少ぼやけた撮影結果になっ
てしまう。従って、手振れの影響の大きい低秒時のみフ
ルイダイジングを行えば、このようなことは無くなる。
【0109】図19のフローチャートにこの動作手順を
示す。構成は前実施例と同様とし、説明は省略する。
又、図17のフローチャートにステップ#51と#52
が加わっただけなので、その部分のみ説明する。
【0110】[ステップ#51]ステップ#18でSW
20Nとなったので、シャッタ秒時が1/15よりも遅
いかどうかの判定を行う。シャッタ秒時はメインルーチ
ンでのカメラとの通信により判明する。シャッタ秒時が
1/15以下であればステップ#19へ、1/15より
速ければステップ#52へ進む。
【0111】[ステップ#52]シャッタ秒時が1/1
5より速いのでフルイダイジングのレベルを0にし、フ
ルイダイジングを行わないようにする。
【0112】このように動作を行えば、手振れの影響の
少ない高速秒時でフルイダイジングの振動により解像力
が落ちることはなくなり、低速秒時では像振れ補正の特
性が向上するので、性能が向上する。ここでは、シャッ
タ秒時によってフルイダイジングのレベルを変更する例
を示したが、フルイダイジングの周波数を変更しても良
い。
【0113】上記の実施例では像振れ補正装置は交換レ
ンズに組み込んだ例を示したが、像振れ補正装置が交換
レンズ内になく、エクステンダーのようにカメラとレン
ズの間に入るアダプタや、交換レンズの前方に取り付け
るコンバージョン・レンズのどの中に入る付属品として
の形態をとっても良い。
【0114】又、レンズシャッタカメラ,ビデオカメラ
等のカメラに適用しても良く、更には、その他の光学機
器や他の装置、構成ユニットとしても適用することがで
きる。又、上記実施例では振れセンサとして角速度セン
サを例にしているが、角加速度センサ,加速度センサ,
速度センサ,角変位センサ,変位センサ,更には画像振
れ自体を検出する方法等、振れが検出できるものであれ
ばどのようなものであっても良い。
【0115】
【発明の効果】本発明によれば以上のように各要素を設
定することにより、防振の為に光学要素(補正レンズ)
を駆動させる為にフルイダイジング方法を利用して摩擦
力を低減させて駆動制御する際にフルイダイジングの動
作を適切に制御することにより、撮影者に伝わる振動を
少なくし、撮影者に不快感を与えることなく、振動等に
よる画像ブレを効果的に防止したレンズ鏡筒及びそれを
用いた光学機器を達成することができる。
【0116】又本発明によれば、撮影準備中と撮影中で
フルイダイジングのレベル、周波数を変更できるので、
撮影準備中はレベルを少なくして撮影者に伝わる振動を
殆どなくし、時間的に短い撮影中は大きくしても振動は
気にならなく、撮影結果も向上する。
【0117】更にシャッタ秒時でも変更できるようにな
っているので不必要な高速シャッタ秒時の場合は、小さ
いレベル又はゼロにすればフルイダイジングによる解像
力の低下を招くことはなく、低速シャッタ秒時では像振
れ補正の特性が向上するので、性能面での向上が図れる
等の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の一部分の要部斜視図
【図2】図1の一部分の要部断面図
【図3】図2の一部分の説明図
【図4】図3の矢印79c方向から見たときの要部平面
【図5】図1の一部分の要部斜視図
【図6】図1の一部分の要部斜視図
【図7】図1の一部分の要部平面図
【図8】図1の一部分の要部斜視図
【図9】図1の一部分の要部平面図
【図10】図1の一部分の要部平面図
【図11】図1の一部分の要部断面図
【図12】本発明の実施例1の説明図
【図13】本発明の実施例1の説明図
【図14】本発明の実施例1の要部ブロック図
【図15】従来のレンズ鏡筒の要部斜視図
【図16】本発明の実施例1に係る動作のフローチャー
【図17】本発明の実施例1に係る動作のフローチャー
【図18】本発明の実施例2に係る動作のフローチャー
【図19】本発明の実施例3に係る動作のフローチャー
【符号の説明】
71 地板(支持手段) 72 第2ヨーク 73,718 永久磁石 712 第1ヨーク 719 ロックリング(係止部) 727 ヨーク 75 支持枠(光学保持手段) 726 弾性手段(制限部材)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学要素を保持して光軸と直交方向に駆
    動する光学保持手段を鏡筒内に固定した支持手段に駆動
    可能に装着すると共に、該鏡筒の一部に該鏡筒に加わる
    振れ情報を検出する為の振れ検出手段と該振れ検出手段
    で得られた振れ検出信号に所定周期的毎に所定量の信号
    を加算若しくは減算させる制御手段とを設け、該振れ検
    出信号と該所定量の信号とに基づいて駆動手段により該
    光学保持手段を駆動して画像ブレを補正していることを
    特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 【請求項2】 前記制御手段により、前記振れ検出信号
    に所定量の信号を加算若しくは減算させる際の所定周期
    の時間又は/及び所定量の信号を変更する変更手段を有
    していることを特徴とする請求項1のレンズ鏡筒。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のレンズ鏡筒を用い
    て所定面上に画像を形成するようにしたことを特徴とす
    る光学機器。
  4. 【請求項4】 前記変更手段は撮影準備中と撮影中とで
    前記所定周期の時間又は/及び所定量の信号を変更して
    いることを特徴とする請求項3の光学機器。
  5. 【請求項5】 前記光学機器はシャッター手段を有して
    おり、前記変更手段は該シャッター手段のシャッター時
    間によって前記所定周期の時間又は/及び所定量の信号
    を変更していることを特徴とする請求項3の光学機器。
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