JPH09292642A - 防振カメラ及び防振制御装置 - Google Patents

防振カメラ及び防振制御装置

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JPH09292642A
JPH09292642A JP12629396A JP12629396A JPH09292642A JP H09292642 A JPH09292642 A JP H09292642A JP 12629396 A JP12629396 A JP 12629396A JP 12629396 A JP12629396 A JP 12629396A JP H09292642 A JPH09292642 A JP H09292642A
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JP
Japan
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signal
vibration
release
camera
shake
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JP12629396A
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English (en)
Inventor
Koichi Washisu
晃一 鷲巣
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リアルタイムモードでの撮影時における像振
れを無くすと共に、光学性能の劣化を防ぐ。 【解決手段】 撮影前までの防振装置の振れ補正特性
を、通常モードによるレリーズシーケンスとリアルタイ
ムモードによるレリーズシーケンスとで、異ならせる特
性変更手段23を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振れ補正機能を有
した防振カメラや、カメラ等の光学機器に具備される防
振制御装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在のカメラは露出決定やピント合せ等
の撮影にとって重要な作業は全て自動化されているた
め、カメラ操作に未熟な人でも撮影失敗を起す可能性は
非常に少なくなっている。
【0003】また、最近では、カメラに加わる手振れを
防ぐシステムも研究されており、撮影者の撮影失敗を誘
発する要因は殆ど無くなってきている。
【0004】ここで、手振れを防ぐシステムについて簡
単に説明する。
【0005】撮影時のカメラの手振れは、周波数として
通常1Hz乃至12Hzの振動であるが、シャッタのレ
リーズ時点においてこのような手振れを起していても像
振れの無い写真を撮影可能とする為の基本的な考えとし
て、上記手振れによるカメラの振動を検出し、その検出
値に応じて補正レンズを変位させてやらなければならな
い。従って、カメラの振れが生じても像振れを生じない
写真を撮影できることを達成するためには、第1にカメ
ラの振動を正確に検出し、第2に手振れによる光軸変化
を補正することが必要となる。
【0006】この振動(カメラ振れ)の検出は、原理的
にいえば、角加速度,角速度,角変位等を検出する振動
検出手段と、該センサの出力信号を電気的或は機械的に
積分して角変位を出力するカメラ振れ検出手段とをカメ
ラに搭載することによって行うことができる。そして、
この検出情報に基づいて撮影光軸を偏心させる補正光学
装置を駆動させることにより、像振れ抑制が可能とな
る。
【0007】ここで、振動検出手段を用いた防振システ
ムについて、図20を用いてその概要を説明する。
【0008】図20の例は、図示矢印81方向のカメラ
縦振れ81p及び横振れ81yに由来する像振れを抑制
するシステムの図である。
【0009】同図中、82はレンズ鏡筒、83p,83
yは各々カメラ縦振れ振動、カメラ横振れ振動を検出す
る振動検出手段で、それぞれの振動検出方向を84p,
84yで示してある。85は補正光学装置(86p,8
6yは各々補正光学装置85に推力を与えるコイル、8
6p,86yは補正手段85の位置を検出する位置検出
素子)であり、該補正光学装置85には後述する位置制
御ループを設けており、振動検出手段83p,83yの
出力を目標値として駆動され、像面88での安定を確保
する。
【0010】図21はかかる目的に好的に用いられる補
正光学装置(詳細は後述するが、補正手段や該補正手段
を支持したり、係止したりする手段より成る)の構造を
示す分解斜視図であり、以下図22〜図30を参照しつ
つ、この構造について説明する。
【0011】地板71(図24に拡大図あり)の背面突
出耳71a(3ケ所(1ケ所は隠れて見えない))は不
図示の鏡筒に嵌合し、公知の鏡筒コロ等が孔71bにネ
ジ止めされ、鏡筒に固定される。
【0012】磁性体であり光択メッキが施された第2ヨ
ーク72は、孔72aを貫通するネジで地板71の孔7
1cにネジ止めされる。又、第2ヨーク72にはネオジ
ウムマグネット等の永久磁石(シフト用マグネット)7
3が磁気的に吸着されている。なお、各永久磁石73の
磁化方向は図21に図示した矢印73aの方向である。
【0013】補正レンズ74がCリング等で固定された
支持枠75(図25に拡大図あり)にはコイル76p,
76y(シフト用コイル)がパッチン接着(強引に押し
込まれて接合された状態を意味する)され(図25は未
接着)、又、IRED等の投光素子77p,77yも支
持枠75の背面に接着され、スリット75ap,75a
yを通してその射出光が後述するPSD等の位置検出素
子78p,78yに入射する。
【0014】支持枠75の孔75b(3ケ所)にはPO
M(ポリアセタール樹脂)等の先端球状の支持球79
a,79b及びチャージバネ710が挿入され(図22
及び図24も参照)、支持球79aが支持枠75に熱カ
シメされ固定される(支持球79bはチャージバネ71
0のバネ力に逆らって孔75bの延出方向に摺動可能で
ある)。
【0015】上記図21は補正光学装置の組立後の横断
面図であり、支持枠75の孔75bに矢印79c方向に
支持球79b,チャージしたチャージバネ710,支持
球79aの順に挿入してゆき(支持球79a,79bは
同形状の部品)、最後に孔75bの周端部75cを熱カ
シメして支持球79aの抜け止めを行う。
【0016】孔75bの図24と直交する方向の断面図
を図23(a)に示し、又図23(a)の断面図を矢印
79c方向より見た平面図を図23(b)に示してお
り、図23(b)の符合A〜Dに示す範囲の深さを図2
3(a)のA〜Dに示す。
【0017】ここで、支持球79aの羽根部79aaの
後端部は深さA面の範囲で受けられ規制される為、周端
部75aを熱カシメする事で支持球79aは支持枠75
に固定される。
【0018】支持球79bの羽根部79baの先端部は
深さB面の範囲で受けられる為に、該支持球79bがチ
ャージバネ710のチャージバネ力で孔75bより矢印
79cの方向に抜けてしまう事はない。
【0019】勿論補正光学装置の組立が終了すると支持
球79bは図21に示す様に第2ヨーク72に受けられ
る為、支持枠75より抜け出る事はなくなるが、組立性
を考慮して抜け止め範囲B面を設けている。
【0020】図22及び図23に示す支持枠75の孔7
5bの形状は、該支持枠75を成形で作る場合において
も複雑な内径スライド型を必要とせず、矢印79cと反
対側に型を抜く単純な2分割型で成形可能な為、その分
寸法精度を厳しく設定出来る。
【0021】この様に、支持球79a,79bが同一部
品となっている為に部品コストが下がるばかりでなく、
組立ミスが無く、部品管理上も有利である。
【0022】上記支持枠75の軸受部75dには例えば
フッソ系のグリスを塗布し、ここにL字形の軸711
(非磁性のステンレス材)を挿入し(図21参照)、L
字軸711の他端は地板71に形成された軸受部71d
(同様にグリスを塗布し)に挿入し、3カ所の支持球7
9bを共に第2ヨーク72に乗せて支持枠75を地板7
1内に収める。
【0023】次に、図21に示す第1ヨーク712の位
置決め孔712a(3ケ所)を地板71の図23に示す
ピン71f(3ケ所)に嵌合させ、同じく図24に示す
受け面71e(5ケ所)にて第1ヨーク712を受けて
地板71に対し磁気的に結合する(永久磁石73の磁力
により)。
【0024】これにより、第1ヨーク712の背面が支
持球79aと当接し、図22に示す様に支持枠75は第
1ヨーク712と第2ヨーク72にて挟持され、光軸方
向の位置決めが為される。
【0025】支持球79a,79bと第1ヨーク71
2,第2ヨーク72の互いの当接面にもフッソ系グリス
が塗布してあり、支持枠75は地板71に対して光軸と
直交する平面内にて自由に摺動可能である。
【0026】上記L字軸711は支持枠75が地板71
に対し矢印713p,713y方向にのみ摺動可能に支
持していることになり、これにより支持枠75の地板7
1に対する光軸回りの相対的回転(ローリング)を規制
している。
【0027】尚、前記L字軸711と軸受部71d,7
5dの嵌合ガタは光軸方向には大きく設定しており、支
持球79a,79bと第1ヨーク712,第2ヨーク7
2の挾持による光軸方向規制と重複嵌合してしまうこと
を防いでいる。
【0028】前記第1ヨーク712の表面には絶縁用シ
ート714が被せられ、その上に複数のICを有するハ
ード基板715(位置検出素子78p,78y、出力増
幅用IC,コイル76p,76y駆動用IC等)が位置
決め孔715a(2ケ所)を地板71の図24に示すピ
ン71h(2ケ所)に嵌合され、孔715b,第1ヨー
ク712の孔712bとともに地板71の孔71gにネ
ジ結合される。
【0029】ここで、ハード基板715には位置検出素
子78p,78yが工具にて位置決めされて半田付けさ
れ、又信号伝達用のフレキシブル基板716も面716
aがハード基板715の背面に破線で囲む範囲715c
(図21参照)に熱により圧着される。
【0030】前記フレキシブル基板716から光軸と直
交する平面方向に一対の腕716bp,716byが延
出しており、各々支持枠75の引っ掛け部75ep,7
5ey(図25参照)に引っ掛けられ、投光素子77
p,77yの端子及びコイル76p,76yの端子が半
田付けされる。
【0031】これにより、IRED等の投光素子77
p,77y、コイル76p,76yの駆動はハード基板
715よりフレキシブル基板716を介在して行われる
ことになる。
【0032】前記フレキシブル基板716の腕部716
bp,716by(図25参照)には各々屈折部716
cp,716cyを有しており、この屈折部の弾性によ
り支持枠75が光軸と直交する平面内に動き回る事に対
する該腕部716bp,716byの負荷を低減してい
る。
【0033】前記第1ヨーク712は型抜きによる突出
面712cを有し、該突出面712cは絶縁シート71
4の孔714aを通り、ハード基板715と直接接触し
ている。この接触面のハード基板715側にはアース
(GND:グランド)パターンが形成されており、ハー
ド基板715を地板にネジ結合する事で第1ヨーク71
2はアースされ、アンテナになってハード基板715に
ノイズを与える事を無くしている。
【0034】図20に示すマスク717は地板71のピ
ン71hに位置決めされ、前記ハード基板715上に両
面テープにて固定される。
【0035】前記地板71には永久磁石貫通孔71i
(図21,図24参照)が開けられており、ここから第
2ヨーク72の背面が露出している。そして、この貫通
孔71iに永久磁石718(ロック用マグネット)が組
み込まれ、第2ヨーク72と磁気結合している(図22
参照)。
【0036】ロックリング719(図21,図22,図
26参照)にはコイル720(ロック用コイル)が接着
され、又ロックリング719の耳部719aの背面には
軸受719b(図27参照)があり、アマーチュアピン
721(図21参照)にアマーチュアゴム722を通
し、該アマーチュアピン721を軸受719bに通した
後、該アマーチュアピン721にアマーチュアバネ72
3を通し、アマーチュア724に嵌入してカシメ固定す
る。
【0037】従って、アマーチュア724はアマーチュ
アバネ723のチャージ力に逆らってロックリング71
9に対し矢印725方向に摺動出来る。
【0038】図27は組立終了後の補正光学装置を、図
21の背面方向から見た平面図であり、この図におい
て、ロックリング719の外径切り欠き部719c(3
ケ所)を地板71の内径突起71j(3ケ所)に合せて
ロックリング719を地板71に押し込み、その後ロッ
クリングを時計方向に回して抜け止めを行う公知のバヨ
ネット結合により、ロックリング719は地板71に取
り付いている。
【0039】従って、ロックリング719は地板71に
対し光軸回りに回転可能である。しかし、ロックリング
719が回転して再びその切り欠き719cが突起71
jと同位相になり、バヨネット結合が外れてしまうのを
防ぐ為にロックゴム726(図21,図27参照)を地
板71に圧入して、該ロックリング719がロックゴム
726に規制される切り欠き部719dの角度θ(図2
7参照)しか回転出来ない様に回転規制している。
【0040】磁性体のロック用ヨーク727(図21参
照)にも永久磁石718(ロック用マグネット)が取り
付けられ、その孔727a(2ケ所)を地板71のピン
71k(図27参照)に嵌合して嵌め込み、孔727b
(2ケ所)と71n(2ケ所)によりねじ結合してい
る。
【0041】地板71側の永久磁石718とロック用ヨ
ーク727側の永久磁石718、及び、第2のヨーク7
2,ロック用ヨーク727により、公知の閉磁路を形成
している。
【0042】又、前記ロックゴム726はロック用ヨー
ク727がネジ結合される事で抜け止めされる。尚、図
27においては上記の説明の為にロックヨーク727は
省いて図示している。
【0043】前記ロックリング719のフック719e
と地板71のフック71m間(図27参照)にはロック
バネ728が掛けられており、ロックリング719を時
計まわりに付勢している。吸着ヨーク729(図21,
図27参照)には吸着コイル730が差し込まれ、地板
71の孔729aによりネジ結合される。
【0044】コイル720の端子及び吸着コイル730
の端子は、例えば4本縒り線のテトロン被覆線のツイス
トペア構成にしてフレキシブル基板716の幹部716
dに半田付けされる。
【0045】以上説明した補正光学装置の機構部は大別
すると、光軸を偏心させる補正手段と、該補正手段を支
持する支持手段と、前記補正手段を係止する係止手段の
3つの要素で構成されている。
【0046】前記補正手段は、レンズ74、支持枠7
5、コイル76p,76y、IRED77p,77y、
位置検出素子78p,78y、IC731p,731
y、支持球79a,79y、チャージバネ710、支持
軸711で組み立てられている。また、支持手段は、地
板71、第2ヨーク72、永久磁石73、第1ヨーク7
12で組み立てられている。又係止手段は、永久磁石7
18、ロックリング719、コイル720、アーマチュ
ア軸721、アーマチュアゴム722、アーマチュアバ
ネ723、アーマチュア724、ロックゴム726、ヨ
ーク727、ロックバネ728、吸着ヨーク729、吸
着コイル730で組み立てられている。
【0047】また、前記補正手段を構成するうちの、レ
ンズ74、支持枠75により補正光学系を成し、PSD
78p,79y、IC731p,731y、IRED7
7p,77yが位置検出手段を成し、コイル76p,7
6y、第2ヨーク72、永久磁石73、第1ヨーク71
2が駆動手段を成す。つまり、補正手段は、補正光学
系,位置検出手段,前記補正光学系を駆動する駆動手段
を主たる構成要素として成るものである。
【0048】そして、前記補正光学装置と振動検出手段
(図20参照)等により、防振システム(防振装置)が
構成される。
【0049】前記ハード基板715上のIC731p,
731yは各々位置検出端子78p,78yの出力増幅
用のICであるが、その内部構成は図28の様になって
いる(IC731p,731yは同構成の為、ここでは
731pのみ示す)。
【0050】図28において、電流−電圧変換アンプ7
31ap,731bpは投光素子77pにより位置検出
素子78p(抵抗R1,R2より成る)に生じる光電流
78i1p,78i2pを電圧に変換し、差動アンプ7
31cpは各電流−電圧変換アンプ731ap,731
bpの差出力を求め増幅している。
【0051】投光素子77p,77yの射出光は、前述
した通り、スリット75ap,75ayを経由して位置
検出素子78p,78y上に入射するが、支持枠75が
光軸と垂直な平面内で移動すると位置検出素子78p,
78yへの入射位置が変化する。
【0052】前記位置検出素子78pは矢印78ap方
向(図21参照)に感度を持っており、又スリット75
apは矢印78apとは直交する方向(78ay方向)
に光束が拡がり、矢印78ap方向には光束が絞られる
形状をしている為、支持枠75が矢印713p方向に動
いた時のみ該位置検出素子78pの光電流78i1 p,
78i2 pのバランスは変化し、差動アンプ731cp
は支持枠75の矢印713p方向に応じた出力をする。
【0053】又位置検出素子78yは矢印78ay方向
(図21参照)に検出感度を持ち、スリット75ayは
矢印78ayとは直交する方向(78ap方向)に延出
する形状の為に、支持枠75が矢印713y方向に動い
た時のみ該位置検出素子78yは出力を変化させる。
【0054】加算アンプ731dpは電流−電圧変換ア
ンプ731ap,731bpの出力の和(位置検出素子
78pの受光量総和)を求め、この信号を受ける駆動ア
ンプ731epはこれに従って投光素子77pを駆動す
る。
【0055】上記投光素子77pは温度等に極めて不安
定にその投光量が変化する為、それに伴い位置検出素子
78pの光電流78i1 p,78i1 pの絶対量(78
1p+78i2 p)が変化する。その為、支持枠75
の位置を示す(78i1 p−78i2 p)である差動ア
ンプ731cpの出力も変化してしまう。
【0056】しかし、上記の様に受光量の総和が一定と
なる様に前述の駆動回路によって投光素子77pを制御
すれば、差動アンプ731cpの出力変化が無くなる。
【0057】図21に示すコイル76p,76yは永久
磁石73,第1のヨーク712,第2のヨーク72で形
成される閉磁路内に位置し、コイル76pに電流を流す
事で支持枠75は矢印713p方向に駆動され(公知の
フレミングの左手の法則)、コイル76yに電流を流す
事で支持枠75は矢印713y方向に駆動される。
【0058】一般に位置検出素子78p,78yの出力
をIC731p,731yで増幅し、その出力でコイル
76p,76yを駆動すると、支持枠75が駆動されて
位置検出素子78p,78yの出力が変化する構成とな
る。
【0059】ここで、コイル76p,76yの駆動方向
(極性)を位置検出素子78p,78yの出力が小さく
なる方向に設定すると(負帰還)、該コイル76p,7
6yの駆動力により位置検出素子78p,78yの出力
がほぼ零になる位置で支持枠75は安定する。
【0060】この様に位置検出出力を負帰還して駆動を
行う手法を位置制御手法と云い、例えば外部から目標値
(例えば手振れ角度信号)をIC731p,731yに
混合させると、支持枠75は目標値に従って極めて忠実
に駆動される。
【0061】実際には差動アンプ731cp,731c
yの出力はフレキシブル基板716を経由して不図示の
メイン基板に送られ、そこでアナログ−ディジタル変換
(A/D変換)が行われ、マイコンに取り込まれる。
【0062】マイコン内では適宜目標値(手振れ角度信
号)と比較増幅され、公知のディジタルフィルタ手法に
よる位相進み補償(位置制御をより安定させる為)が行
われた後、再びフレキシブル基板716を通り、IC7
32(コイル76p,76y駆動用)に入力する。IC
732は入力される信号を基に前記コイル76p,76
yを公知のPWM(パルス幅変調)駆動を行い、支持枠
75を駆動する。
【0063】支持枠75は前述した様に矢印713p,
713y方向に摺動可能であり、上述した位置制御手法
により位置を安定させている訳であるが、カメラ等の民
生用光学機器においては電源消耗防止の観点からも常に
該支持枠75を制御しておく事は出来ない。
【0064】また、支持枠75は非制御状態時には光軸
と直交する平面内にて自由に動き回る事が出来る様にな
る為、その時のストローク端での衝突の音発生や損傷に
対しても対策しておく必要がある。
【0065】図27及び図29に示す様に支持枠75の
背面には3ケ所の放射状に突出した突起75fを設けて
あり、図29に示す様に突起75fの先端がロックリン
グ719の内周面719gに嵌合している。従って、支
持枠75は地板71に対して全ての方向に拘束されてい
る。
【0066】図29(a),(b)はロックリング71
9と支持枠75の動作の関係を示す平面図であり、図2
7の平面図から要部のみ抜出した図である。尚、説明を
解り易くする為に実際の組立状態とは若干レイアウトを
変化させている。又、図28(a)のカム部719f
(3ケ所)は、図22,図26に示す通り、ロックリン
グ719の円筒の母線方向全域に渡って設けられている
訳ではないので図27の方向からは実際には見えない
が、説明の為に図示している。
【0067】図22に示した通り、コイル720(72
0aは図示しないフレキシブル基板等でロックリング7
19の外周を通り、端子719hよりフレキシブル基板
716の幹部716d上の端子716eに接続される4
本縒り線の引き出し線)は永久磁石718で挟まれた閉
磁路内に入っており、コイル720に電流を流す事でロ
ックリング719を光軸回りに回転させるトルクを発生
する。
【0068】このコイル720の駆動も不図示のマイコ
ンからフレキシブル基板716を介してハード基板71
5上の駆動用IC733に入力する指令信号で制御さ
れ、IC733はコイル720をPWM駆動する。
【0069】図27(a)において、コイル720に通
電するとロックリング719に反時計回りのトルクが発
生する様にコイル720の巻き方向が設定されており、
これによりロックリング719はロックバネ728のバ
ネ力に逆らって反時計方向に回転する。
【0070】尚、ロックリング719は、コイル720
に通電前はロックバネ728の力によりロックゴム72
6に当接して安定している。
【0071】ロックリング719が回転すると、アマー
チュア724が吸着ヨーク729に当接してアマーチュ
アバネ723を縮め、吸着ヨーク729とアマーチュア
724の位置関係をイコライズしてロックリング719
は図29(b)の様に回転を止める。
【0072】図30はロックリング駆動のタイミングチ
ャートである。
【0073】図30の矢印719iでコイル720に通
電(720bに示すPWM駆動)すると同時に吸着マグ
ネット730にも通電(730a)する。その為、吸着
ヨーク729にアマーチュア724が当接し、イコライ
ズされた時点でアマーチュア724は吸着ヨーク729
に吸着される。
【0074】次に、図30の720cに示す時点でコイ
ル720への通電を止めると、ロックリング719はロ
ックバネ728の力で時計回りに回転しようとするが、
上述した様にアマーチュア724が吸着ヨーク729に
吸着されている為、回転は規制される。この時、支持枠
75の突起75fはカム部719fと対向する位置に在
る(カム部719fが回転して来る)為、支持枠75は
突起75fとカム部719fの間のクリアランス分だけ
動ける様になる。
【0075】この為、重力G(図29(b)参照)の方
向に支持枠75が落下する事になるが、図31の矢印7
19iの時点で支持枠75も制御状態にする為、落下す
る事は無い。
【0076】支持枠75は非制御時はロックリング71
9の内周で拘束されているが、実際には突起75fと内
周壁719gの嵌合ガタ分だけガタを有する。即ち、こ
のガタ分だけ支持枠75は重力G方向に落ちており、支
持枠75の中心と地板71の中心がずれている事にな
る。
【0077】その為、矢印719iの時点から例えば1
秒費やしてゆっくり地板71の中心(光軸の中心)に移
動させる制御をしている。
【0078】これは急激に中心に移動させると補正レン
ズ74を通して像の揺れを撮影者が感じて不快である為
であり、この間に露光が行われても、支持枠75の移動
による像劣化が生じない様にする為である。(例えば1
/8秒で支持枠を5μm移動させる)詳しくは、図30
の矢印719i時点での位置検出素子78p,78yの
出力を記憶し、その値を目標値として支持枠75の制御
を始め、その後1秒間費やしてあらかじめ設定した光軸
中心の時の目標値に移動してゆく(図30の75g参
照)。
【0079】ロックリング719が回転され(アンロッ
ク状態)た後、振動検出手段からの目標値を基にして
(前述した支持枠75の中心位置移動動作に重なって)
支持枠75が駆動され、防振が始まる事になる。
【0080】ここで、防振を終わる為に矢印719jの
時点で防振オフにすると、振動検出手段からの目標値が
補正手段を駆動する補正駆動手段に入力されなくなり、
支持枠75は中心位置に制御されて止まる。この時に吸
着コイル730への通電を止める(730b)。する
と、吸着ヨーク729によるアマーチュア724の吸着
力が無くなり、ロックリング719はロックバネ728
により時計回りに回転され、図29(a)の状態に戻
る。この時、ロックリング719はロックゴム726に
当接して回転規制される為に回転終了時の該ロックリン
グ719の衝突音は小さく抑えられる。
【0081】その後(例えば20msec後)、補正駆
動手段への制御を断ち、図30のタイミングチャートは
終了する。
【0082】図31及び図32は防振システムの概要を
示すブロック図である。
【0083】これらの図において、91は図30の振動
検出手段83p,83yに相当する振動検出手段であ
り、振動ジャイロ等の角速度を検出する振れ検出センサ
と該振れ検出センサ出力のDC成分をカットした後に積
分して角変位を得るセンサ出力演算手段より構成され
る。
【0084】この振動検出手段91からの角変位信号は
目標値設定手段92に入力される。この目標値設定手段
92は、図31に示す様に、可変差動増幅器92aとサ
ンプルホールド回路92bより構成されており、サンプ
ルホールド回路92bは常にサンプル中の為に可変差動
増幅器92aに入力される両信号は常に等しく、その出
力はゼロである。しかし、後述する遅延手段93からの
出力にて前記サンプルホールド回路92bがホールド状
態になると、可変差動増幅器92aはその時点をゼロと
して連続的に出力を始める。
【0085】可変差動増幅器92aの増幅率は防振敏感
度設定手段94の出力により可変になっている。何故な
らば、目標値設定手段92の目標値信号は補正手段91
0を追従させる目標値(指令信号)であるが、該補正手
段910の駆動量に対する像面の補正量(防振敏感度)
はズーム,フォーカス等の焦点変化に基づく光学特性に
より変化するために、その防振敏感度変化を補う為であ
る。
【0086】従って、防振敏感度設定手段94は、図3
1に示す様に、ズーム情報出力手段95からのズーム焦
点距離情報と露光準備手段96の測距情報に基づくフォ
ーカス焦点距離情報が入力されており、その情報を基に
防振敏感度を演算あるいはその情報を基にあらかじめ設
定した防振敏感度情報を引き出して、目標値設定手段9
2内の可変差動増幅器92aの増幅率を変更させる。
【0087】補正駆動手段97は、図21のハード基板
715上に実装されたIC731p,731y,732
に相当し、目標値設定手段92からの目標値が指令信号
として入力される。
【0088】補正起動手段98は、図21のハード基板
715上のIC732と補正手段910に具備されたコ
イル76p,76yの接続を制御するスイッチであり、
図32に示す様に、通常時はスイッチ98aを端子98
cに接続させておく事でコイル76p,76yの各々の
両端を短絡しておき、論理積手段99の信号が入力され
るとスイッチ98aを端子98bに接続し、補正手段9
10を制御状態(未だ振れ補正は行わないが、コイル7
6p,76yに電力を供給し、位置検出素子78p,7
8yの信号がほぼゼロになる位置に補正手段910を安
定させておく)にする。又この時同時に論理積手段99
の出力信号は係止手段914にも入力され、これにより
係止手段914は補正手段910の係止を解除する。
【0089】尚、補正手段910はその位置検出素子7
8p,78yの位置信号を補正駆動手段97に入力し、
前述した様に位置制御を行っている。
【0090】論理積手段99はレリーズ手段911のレ
リーズ半押しSW1信号と防振切換手段912の出力信
号の両信号が入力された時に、その構成要素であるアン
ドゲード99a(図31参照)が信号を出力する。つま
り、図31に示す様に、防振切換手段912の防振スイ
ッチを撮影者が操作し、且つレリーズ手段911でレリ
ーズ半押しを行った時に補正手段910は係止解除さ
れ、制御状態になる。
【0091】レリーズ手段911のSW1信号は、図3
1に示す様に、露光準備手段96に入力され、これによ
り測光,測距,レンズ合焦駆動が行われ、ここで得られ
たフォーカス情報が防振敏感度設定手段94に入力され
る。
【0092】遅延手段93は論理積手段99の出力信号
を受けて、例えば1秒後に出力して前述した様に目標値
設定手段92より目標値信号を出力させる。
【0093】図示していないが、レリーズ手段911の
SW1信号に同期して振動検出手段91も起動を始め
る。そして、前述した様に積分器等、大時定回路を含む
センサ出力演算は起動から出力が安定する迄に、ある程
度の時間を要する。
【0094】前記遅延手段93は前記振動検出手段91
の出力が安定する迄待機した後に、補正手段910へ目
標値信号を出力させる役割を演じ、振動検出手段91の
出力が安定してから防振を始める構成にしている。
【0095】露光手段913はレリーズ手段911のレ
リーズ押切りSW2信号入力によりミラーアップを行
い、露光準備手段96の測光値を基に求められたシャッ
タスピードでシャッタを開閉して露光を行い、ミラーダ
ウンして撮影を終了する。
【0096】撮影終了後、撮影者がレリーズ手段911
から手を離し、SW1信号をオフにすると、論理積手段
99は出力を止め、目標値設定手段92のサンプルホー
ルド回路92bはサンプリング状態になり、可変差動増
幅器92aの出力はゼロになる。従って、補正手段91
0は補正駆動を止めた制御状態に戻る。
【0097】論理積手段99の出力がオフになった事に
より、係止手段914は補正手段910を係止し、その
後に補正起動手段98のスイッチ98aは端子98cに
接続され、補正手段910は制御されなくなる。
【0098】振動検出手段91は、不図示のタイマによ
り、レリーズ手段911の操作が停止された後も一定時
間(例えば5秒)は動作を継続し、その後に停止する。
これは、撮影者がレリーズ操作を停止した後に引き続き
レリーズ操作を行う事は頻繁にあるわけで、その様な時
に毎回振動検出手段91を起動するのを防ぎ、その出力
安定迄の待機時間を短くする為であり、振動検出手段9
1が既に起動している時には該振動検出手段91は起動
既信号を遅延手段93に送り、その遅延時間を短くして
いる。
【0099】図33は、上記の動作をマイクロコンピュ
ータにより処理した場合の一連の動作を示すフローチャ
ートであり、以下これに従って簡単に説明する。
【0100】カメラに電源が投入されると、マイクロコ
ンピュータは、まず防振スイッチの状態を調べ、オンで
あれば次にレリーズ半押し信号SW1が発生しているか
否かを判別する(#5001→#5002)。レリーズ
半押し信号SW1が発生していれば、内部タイマをスタ
ートさせ(#5003)、次に測光,測距,レンズ合焦
駆動、振れ検出の開始、更には補正手段910による防
振制御を可能にする為にその係止解除を行う(#500
4)。
【0101】次に、上記タイマでの計時内容が所定の時
間t1に達したか否かを調べ、達していなければ達する
までこのステップに留まる(#5005)。これは、前
述した様にセンサ出力が安定するまでの時間待機する為
の処理である。その後、所定の時間t1が経過すると、
目標値信号に基づいて補正手段910を駆動し、防振制
御を開始する(#5006)。
【0102】次に、レリーズ押切り信号SW2が発生し
ているか否かを調べ(#5007)、発生していなけれ
ば再びレリーズ半押し信号SW1が発生しているか否か
の判別を行い、もしレリーズ半押し信号も発生していな
ければ(#5008のNO)、防振制御を停止すると共
に、補正手段910を所定の位置に係止する(#501
1→#5012)。
【0103】また、レリーズ押切り信号SW2は発生し
ていないが、レリーズ半押し信号は発生していれば、ス
テップ#5007→#5008→#5007……の動作
を繰り返す。この状態時にレリーズ押切り信号SW2が
発生すると(#5007のYES)、フィルムへの露光
動作を行う(#5009)。そして、レリーズ半押し信
号SW1の状態を調べ(#5010)、該信号が発生し
なくなったら防振制御を停止すると共に、補正手段91
0を所定の位置に係止する(#5011→#501
2)。
【0104】以上の動作を終了すると、次に上記タイマ
を一旦リセットして再度スタートさせ(#5013)、
再びレリーズ半押し信号SW1が所定時間内(ここでは
5秒以内)に発生するかどうかの判別を行う(#501
4→#5015→#5014……)。もし防振を停止し
てから5秒以内に再度レリーズ半押し信号SW1が発生
したならば(#5015のYES)、測光,測距動作及
び補正手段910の係止解除を行い(#5016)、振
れ検出はそのまま継続されているので、直ちに目標値信
号に基づいて補正手段910の駆動制御を行い(#50
06)、以下前述と同様の動作を繰り返す。
【0105】つまり、この様な処理をすることにより、
前述した様に撮影者がレリーズ操作を停止した後に引き
続きレリーズ操作をした際に、その度に振動検出手段9
1を起動してその出力安定迄待機するといった不都合を
無くすことが可能になる。
【0106】一方、防振を停止してから5秒以内にレリ
ーズ半押し信号SW1が発生しなかった場合は(#50
14のYES)、振れ検出を停止(振動検出手段91の
駆動を停止)する(#5017)。その後はステップ#
5001に戻り、防振スイッチのオン待機の状態に入
る。
【0107】
【発明が解決しようとする課題】一般的に補正手段の駆
動で補正レンズ(レンズ74)が偏心し、他の固定レン
ズ群との光軸(以下、単に光軸と記す)がずれると、光
学性能が劣化してくる。しかし、偏心に適した光学設計
を行う事で、この光学劣化を抑えることが出来る。よっ
て、振れ補正の為に補正レンズが光軸から大きくずれて
も大きな光学劣化は生じない。
【0108】ところが、上記条件にも制約があり、全て
の焦点距離で光学性能を保障させるのは極めて難しい。
例えば、28mm〜135mmのズームレンズの場合、
135mmにおいて補正レンズの偏心による光学性能劣
化を無くす様に設計した場合、28mmで補正レンズが
偏心したときの光学性能は保てなくなってしまう。
【0109】そこで、撮影直前にセンタリング動作、つ
まり補正レンズを中心に位置させ、該中心位置から再び
像振れ補正を開始させる動作を行い、露光期間中は補正
レンズをほぼ中央に位置させる事で、光学性能の劣化を
防ぐ(露光期間は短い為、この期間の振れで補正レンズ
が大幅な偏心動作をする事は無い為)事が今迄に提案さ
れている。但し、このセンタリング動作を行う為にも応
答時間が必要であり、これは主に補正手段の過渡応答に
支配され、例えば最大偏心位置から中央にセンタリング
する時、30msec程度の時間が必要である。
【0110】一般のカメラにおいては、レリーズ押切り
SW2信号が発生しても露光開始までに50msec以
上のレリーズタイムラグがあり、この原因は絞りの駆動
時間にある。従って、レリーズ押切りSW2信号の発生
でセンタリング動作を開始しても上記レリーズタイムラ
グの為にセンタリング応答遅れが吸収され、問題にはな
らない。
【0111】しかしながら、最近のカメラにおいてはリ
アルタイムモードと称するレリーズシーケンスを有する
カメラも出現しており、このリアルタイムモードが設定
されると、レリーズ半押しSW1信号が発生すると絞り
駆動まで行われ、続くレリーズ押切りSW2信号の発生
時に露光のみが行われる為にレリーズタイムラグは6〜
8msecであり、上記レリーズ押切りSW2信号発生
でセンタリング動作を開始した場合、このセンタリング
の動きが像面に写り込んでしまい、逆に像振れを引き起
こしてしまう問題があった。
【0112】(発明の目的)本発明の第1の目的は、リ
アルタイムモードでの撮影時における像振れを無くすと
共に、光学性能の劣化を防ぐことのできる防振カメラを
提供することにある。
【0113】本発明の第2の目的は、任意に補正手段の
偏心を抑え、光学性能の劣化を防ぐことのできる防振制
御装置を提供することにある。
【0114】本発明の第3の目的は、防振機能が働いて
いる為に光学機器を保持する使用者の振れ抑制意識に薄
れ、補正手段の大偏心させてしまうことを無くし、光学
性能の劣化を防ぐことのできる防振制御装置を提供する
ことにある。
【0115】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1,3〜6,9〜14記載の本発明
は、振れを補正する防振装置を備えた、複数のレリーズ
シーケンスを有する防振カメラにおいて、撮影前までの
前記防振装置の振れ補正特性を、複数のレリーズシーケ
ンス毎に異ならせる特性変更手段を設け、同じく上記第
1の目的を達成するために、請求項2〜6,9〜14記
載の本発明は、焦点距離情報を出力する焦点距離情報出
力手段と、振れを補正する防振装置を備えた、複数のレ
リーズシーケンスを有する防振カメラにおいて、選択さ
れるレリーズシーケンスと現在の焦点距離情報との組み
合わせにより、前記防振装置の振れ特性を異ならせる特
性変更手段を設けている。
【0116】具体的には、前記特性変更手段は、前記防
振装置の構成要素の一つである演算手段の特性を変更、
つまり演算手段への信号の増幅率を変更したり、演算手
段への信号の周波数特性を変更したり、演算手段への信
号に制限を加えるようにしている。
【0117】更に詳述すると、前記特性変更手段が、演
算手段への信号の増幅率を変更する手段であれば、リア
ルタイムモードによるレリーズシーケンス時には、前記
増幅率を小さくし、演算手段への信号の周波数特性を変
更する手段であれば、前記防振帯域の低周波側を狭く
し、演算手段への信号に制限を加える手段であれば、演
算手段への制限量を多くするようにして、リアルタイム
モードの時は、撮影前までは補正手段を大きく偏心させ
ないようにしている。
【0118】又、焦点距離が所定値、つまりズームワイ
ドで、かつ、リアルタイムモードによるレリーズシーケ
ンス時には、前記特性変更手段を動作させ、撮影前まで
は補正手段を大きく偏心させないようにしている。
【0119】同じく上記第1の目的を達成するために、
請求項7及び8記載の本発明は、振れを補正する補正手
段、及び、撮影直前に前記補正手段を所定の位置に移動
させるセンタリング手段を有する防振装置を備えた、複
数のレリーズシーケンスを有する防振カメラにおいて、
前記複数のレリーズシーケンス毎に前記センタリング手
段の動作を変更する動作変更手段を設け、選択されるレ
リーズシーケンスによっては、具体的にはリアルタイム
モードによるレリーズシーケンス時には、前記センタリ
ング手段の動作を禁止するようにして、リアルタイムモ
ードの時は、撮影前までは補正手段を大きく偏心させな
いようにしている。
【0120】また、上記第2の目的を達成するために、
請求項15〜19記載の本発明は、振れを補正する補正
手段と、使用者の操作に応答して、前記補正手段の位置
を所定範囲内に戻す向心制御手段と、前記補正手段を搭
載した光学機器の状態により、前記所定範囲を変更する
範囲変更手段とを設けている。
【0121】具体的には、前記範囲変更手段は、使用者
の操作に応答して、前記光学機器の焦点距離状態、露光
時の絞り状態、或いは、それらの組み合わせで所定範囲
を変更し(例えば、光学機器の焦点距離が長い時、或い
は、絞りが絞られている時は、前記所定範囲を広く
し)、又前記向心制御手段は、前記補正手段が所定範囲
に入ると、或いは、所定範囲に入っていると、前記補正
手段への向心制御を止めたり、又前記補正手段が所定範
囲に入ると、或いは、所定範囲に入っていると、向心完
了表示を行わせるようにして、使用者が任意に補正手段
をセンタリングすることを容易にしている。
【0122】また、上記第3の目的を達成するために、
請求項20及び21記載の本発明は、光学機器に搭載さ
れ、振れを補正する防振装置の防振周波数帯域の広域化
及び狭域化を所定時間毎に繰り返す帯域変更手段を備
え、使用者は最初は光学機器が振れない様に注意して保
持しているが、その後防振機能が働くことによりその振
れ抑制意識が薄れて補正手段が大きく偏心するようにな
る為、防振中は所定時間毎に防振帯域を変化させ、もし
振れ抑制意識が薄れて補正手段が大きく偏心している際
には、故意に振れ補正残りがわかるようにして、その注
意を促すようにし、又カメラが露光動作を行っている際
は、防振周波数帯域を広域に固定して、振れ補正残りが
生じないようにしている。
【0123】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。
【0124】図1及び図2は本発明の実施の第1の形態
に係るカメラの構成を示すブロック図である。
【0125】上記図31及び図32の構成と比較する
と、図1に示す様に、第2の露光準備手段96b,第2
の露光手段913b,モード入力手段11,モード切換
手段12,センタリング禁止手段13、及び、センタリ
ング手段14が新たに設けた点が異なる。
【0126】上記第2の露光準備手段96bは第1の露
光準備手段96a(この手段は図31の露光準備手段9
6と同機能)と異なり、絞り駆動までも行う。又、第2
の露光手段913bも第1の露光手段913a(この手
段は図31の露光手段913と同機能)と異なり、絞り
駆動は行わずに直接シャッタ開閉を行う。
【0127】上記の図31及び図32に示した従来のカ
メラはクイックリターンミラーを用いて光路を切り換え
ている。よって、この種のカメラでは、撮影時にクイッ
クリターンミラーを回動して(ミラーアップして)光路
をファインダ部から像面に切り換え、撮影終了で再び該
クリックリターンミラーを戻して(ミラーダウンして)
光路をファインダ部に導くようにしてある。
【0128】一方、この実施の第1の形態におけるカメ
ラはハーフミラーを用いて光路を像面とファインダ部に
分ける構成のものであり、本システムのカメラでは、ハ
ーフミラーで常に光路を2分割している為にこの動作を
不要とし、その分レリーズタイムラグを短くしている。
又この事から、第1の露光手段913a及び第2の露光
手段913bとも、ミラーアップとミラーダウンの項目
を省いている。
【0129】第1及び第2の露光準備手段96a,96
b及び第1及び第2の露光手段913a,913bに
は、レリーズ手段911のレリーズ半押しSW1信号9
11aとレリーズ押し切りSW2信号911bは直接入
力されておらず、モード切換手段12のスイッチ接片1
2a,12bにて選択的に切り換えられて、信号12
g,12h,12i,12jとして入力されている。
【0130】モード入力手段11はレリーズシーケンス
のモードを選択するためのものであり、撮影者の操作に
より第1のモード(以下、通常モードと記す)か第2の
モード(以下、RT(リアルタイム)モードと記す)の
何れかを選択でき、RTモードが選択された際には該モ
ード入力手段11は信号11aを出力することになる。
【0131】モード切換手段12のスイッチ接片12
a,12dは、通常モード時には接点12c,12fと
接続されており、故にこの際はレリーズ手段911から
の信号911a,911bは各々第1の露光準備手段9
6a,第1の露光手段913aに入力される。よって、
レリーズ操作により、通常レリーズシーケンスにて撮影
が行われる。
【0132】一方、RTモードが選択されてモード切換
手段12に信号11aが入力されると、スイッチ接片1
2a,12dは接点12b,12e側にその接続が切り
換わり、故にこの際はレリーズ手段911からの信号9
11a,911bは第2の露光準備手段96b,第2の
露光手段913bに入力される。よって、レリーズ操作
により、RTレリーズシーケンスにて撮影が行われる。
【0133】図3は撮影タイミングを示す図であり、横
軸に時間を取ってある。
【0134】図3に示す様に、レリーズ手段911での
レリーズ押切りSW2の発生から、RTレリーズシーケ
ンス時のRT露光期間と通常レリーズシーケンス時の通
常露光期間を比べると、RT露光の始まりはレリーズ押
切りSW2信号の発生直後であり、この分(即ち、レリ
ーズ半押しSW1信号の発生で既に絞りを駆動していた
分)、レリーズタイムラグを短くすることができる。
【0135】センタリング手段14は通常はスイッチを
閉じており(スイッチ接点14aは接点14bと接触し
ており)、よって、図31及び図32で説明した時と同
様に、図2の遅延手段93からの信号93aにより、目
標値設定手段92内のサンプルホールド回路92bをホ
ールド状態にして(センタリング手段14の出力信号1
4cにより)、補正駆動手段97に目標値信号92cを
出力して防振を始める。
【0136】しかし、センタリング手段14にセンタリ
ング禁止手段13から一定期間(例えば30msec)
信号13aが入力されると、その間スイッチを開放す
る。その為、この時サンプルホールド回路92bは一旦
サンプル状態に戻り、目標値信号92cはゼロになる。
従って、補正手段910は振れ補正を止め、中心位置
(ゼロ位置)に戻る。再び(30msec後)サンプル
ホールド回路92bがホールド状態になると、目標値信
号92cはゼロ出力から連続的に振れ補正目標値に変化
していく。
【0137】センタリング禁止手段13にはモード切換
手段12からの信号12jが入力されており、この信号
入力から30msec間、信号13aが出力される。即
ち、信号13aは、通常モードでレリーズ押切りSW2
信号発生時に30msec間出力され、これにより補正
手段910は一旦センタリング動作が行われる。
【0138】一方、RTモードの時には、信号13aは
出力されない為、センタリング動作は行われない。
【0139】図3の波形15は振れ補正時の補正手段9
10の駆動波形であり、縦軸はその位置を示す。
【0140】補正手段910はレリーズ半押しSW1信
号発生からその時点をゼロにして連続的に振れ補正動作
を始める。通常モード時、レリーズ押切りSW2信号発
生でセンタリング動作が行われる為、その過渡応答動作
15aの後、再び中心(ゼロ)から振れ補正を行う(破
線15b)。この時、センタリングの為の過渡応答期間
と通常露光期間は重なっていない為、センタリング動作
による像のずれが写真に写り込む事はない。
【0141】しかし、RTモードでは、RT露光期間は
過渡応答期間と重なっている為に、上記像ずれが写真に
写ってしまう。よって、RTモードでは、センタリング
禁止手段13から信号13aは出力されない様にして、
図3の実線15cの様に、レリーズ押切りSW2信号発
生ではセンタリングを行わないようにしている。
【0142】勿論、センタリングを行わない為にその時
の焦点距離や絞り値によっては光学性能、特に像の周辺
が劣化する事がある。しかし、この劣化頻度はセンタリ
ングによる像ずれの様に常に起きるものでは無く、像全
体が劣化する訳ではない(上述の様に周辺のみ)為、セ
ンタリングによる像ずれよりは悪影響が少ないものであ
る。
【0143】上記の様に、RTモードでは、センタリン
グを行わない様にする事で、該RTモードでも十分振れ
補正を行えた像を得る事ができ、もし光学性能を追究し
たい場合には通常モードで撮影を行えば良いことにな
る。
【0144】図4は、上記の動作をマイクロコンピュー
タにより行った場合のフローチャートの一部を示すもの
であり、図33と同様の動作を行う部分は同一のステッ
プ番号を付すと共に、その説明は省略する。
【0145】レリーズ半押しSW1信号が発生すると
(#5002)、次にタイマをスタートさせる(#50
03)。そして、次のステップ#1001においては、
現在のモードが通常モードかRTモードかを判別し、通
常モードであった場合には、従来例と同様にステップ#
5004へ進み、ここで測光,測距,レンズ合焦駆動,
振れ検出開始、更には補正手段910の係止解除を行
う。
【0146】一方、ステップ#1001において、RT
モードである事を判別した場合には、ステップ#100
2へ進み、ここでは上記ステップ#5004での各種の
動作に加え、絞り駆動をも行う。
【0147】その後は何れもステップ#5005及びス
テップ#5006の動作を実行する。そして、レリーズ
半押しSW2信号が発生すると(#5007)、次のス
テップ#1003においては、上記ステップ#1001
と同様、現在のモードが通常モードかRTモードかを判
別し、通常モードであった場合には、ステップ#100
4へ進み、図3に示した様に補正手段910のセンタリ
ング動作を行い、露光動作を行うステップ#5009へ
と進む。
【0148】一方、上記ステップ#1003において、
RTモードである事を判別した場合には、図3に示した
様にセンタリング動作は行わずに直ちに露光動作を行う
ステップ#5009へと進む。
【0149】以上の様に、RTモード時にはセンタリン
グを禁止すると云う簡単な構成で、RTモードにおける
問題、つまりセンタリングの動きが像面に写り込んでし
まい、逆に像振れを引き起こしてしまうとった問題を解
決できた。
【0150】(実施の第2の形態)上記実施の第1の形
態では、RTモードではセンタリングを行わない為に像
ずれによる劣化の問題は無くなったものの、光学性能の
劣化に対しては低頻度ではあるが、少なからず問題が残
っていた。この実施の第2の形態では、この問題をも解
決する事にある。
【0151】図5及び図6は本発明の実施の第2の形態
に係るカメラの構成を示すブロック図であり、図1及び
図2と同じ機能を持つ部分は同一符号を付してある。
【0152】図5及び図6においては、上記図1及び図
2のブロック図に、変更指令手段21,第1のセンサ出
力演算手段22a(以上は図5に図示)、及び、第2の
センサ出力演算手段22b,特性変更手段23,切換連
続手段24(以上は図6に図示)が追加された構成とな
っている。
【0153】尚、図1のセンタリング禁止手段13及び
センタリング手段14は説明簡略化の為に省いてある
が、モード切換手段12からの信号12jが目標値設定
手段92のサンプルホールド回路92bに入力している
事で同等の機能を持たせている。つまり、通常モードで
は、レリーズ押切りSW2信号発生でセンタリングを行
い、RTモードでは、センタリングを行わないようにし
ている。
【0154】第1のセンサ出力演算手段22aは、従来
例では図31の振動検出手段91内に含まれていたが、
説明の為に分けて図示すると共に、振動検出手段91の
信号91aが入力されて機能するようにしてある(この
機能は図31のセンサ出力演算手段と全く同一であ
る)。第2のセンサ出力演算手段22bにも信号91a
が入力されており、ここでは前記第1のセンサ出力演算
手段22aよりも低い増幅率(第2の増幅率)で信号を
増幅することになる。
【0155】前記第1のセンサ出力演算手段22a,2
2bからの信号22c,22dはそれぞれ特性変更手段
23に入力されている。該特性変更手段23のスイッチ
接片23aは変更指令手段21からの信号21aが入力
された時のみ接点23b側に接続され、通常は接点23
cと接続している。
【0156】変更指令手段21内のアンドゲート21b
には、モード入力手段11からの信号11a(RTモー
ド時に出力される)とモード切換手段12からの信号1
2i(RTモード時、且つ、レリーズ押切りSW2信号
で出力される)がそれぞれ入力され、更に信号12iは
反転されてアンドゲート21bに入力されている。よっ
て、アンドゲート21bからは、RTモード、且つ、レ
リーズ押切りSW2信号以外の時に信号21aが出力さ
れ、この時だけ特性変更手段23からの信号23dは第
2のセンサ出力演算手段22bよりの第2の増幅率で増
幅された信号22dとなる。
【0157】次に、切換連続手段24の動作について説
明する。
【0158】通常モード時、差動増幅回路24aに入力
される信号23d,22cは共に等しい(信号23dは
信号22cとなる為)為、その出力はゼロである。サン
プルホールド回路24bは常にサンプリング中である
が、信号12iはこのモードでは入力されない為、この
出力はゼロ信号として差動増幅回路24cに入力され
る。差動増幅回路24cの他端には信号22cが入力さ
れている為、この出力は信号22cと同じ(ゼロを引く
為)で、信号24dとなって目標値設定手段92に入力
される。即ち、上記実施の第1の形態で述べた防振シー
ケンスと同じで、通常モード時に、レリーズ押切りSW
2信号が発生すると、信号12jがサンプルホールド回
路92bを再ホールドし、センタリングが行われる。
【0159】RTモード時には、差動増幅回路24cに
入力される信号は信号23d(この時、信号22dとな
る)と信号22cであり、この差出力、即ち第1及び第
2のセンサ出力演算手段22a,22bの増幅率の差だ
けの信号がここより出力される。この差出力が更に差動
増幅器24cで信号22cと差を求められる事から、信
号24dは信号22dと等しくなり、第2の増幅率で防
振をする事になる(レリーズ押切りSW2信号発生まで
の期間)。
【0160】レリーズ押切りSW2信号が発生すると、
信号12iがサンプルホールド回路24bをホールドす
る。このホールドされた信号は差動増幅器24cにより
信号22cより差が求められ、信号24dになる。この
為、信号24dは信号22cと同じ増幅率であるが、上
述サンプルホールド回路24bのホールドされた信号分
だけオフセットする。
【0161】つまり、レリーズ押切りSW2信号発生前
後で信号24dは振動検出手段91信号の増幅率が変わ
っている為、この切換え前後で不連続になってしまう
が、この不連続分をサンプルホールド回路24bで記憶
してオフセット分として差し引く為に、切換え前後の信
号が連続的につながる。
【0162】具体的には、RTモードにして、レリーズ
ボタンの半押し(SW1信号発生)で防振を始めるが、
この時の補正手段910の動きは、図7の実線25の様
に、実際の手振れ26(破線)より小振幅となる(実施
の第1の形態での方法では一点鎖線27の様に実際の手
振れと同振幅となる)。そして、レリーズ押切りSW2
信号発生時に増幅率は波形27と等しくなる(十分な振
れ補正を行う)。但し、波形を連続的につなげる為に波
形27より中心側にオフセットする(ずれ量x)。
【0163】この様にすると、RTモードでは、上記実
施の第1の形態での方法に比べてレリーズ押切り時にず
れ量xだけ中心に近くなる。よって、この分光学性能の
劣化を抑える事ができる。
【0164】(実施の第3の形態)図8は本発明の実施
の第3の形態に係るカメラの要部構成を示すブロック図
であり、ここでは図5及び図6と異なる部分のみ図示し
てある。
【0165】RTモードにおいて、露光前まで防振特性
を変更させる方法としては、上記実施の第2の形態の様
に増幅率を変更させるばかりではなく、図8に示す様
に、周波数特性を変更させるようにして行ってもよい。
【0166】上記実施の第2の形態では、図5及び図6
に示した様に第1及び第2のセンサ出力演算手段22
a,22bでは第1及び第2の増幅率で演算していた
が、この実施の第3の形態では、第1及び第2のセンサ
出力演算手段22e,22fでは第1及び第2の周波数
特性により演算するようにしている。
【0167】図9は周波数特性を示すボード線図であ
り、横軸に周波数を、縦軸に利得を、それぞれ取ってあ
る。
【0168】図9において、実線28は第1の周波数特
性(第1のセンサ出力演算手段22eの周波数特性)、
一点鎖線29は第2の周波数特性(第2のセンサ出力演
算手段22f)であり、第2の周波数特性は第1の周波
数特性に比べ、より高域側まで減衰している。そして、
第2の周波数特性では、手振れ帯域の低周波数側も減衰
させている。
【0169】手振れの特性として、低周波ほど振幅が大
きくなる傾向があり、第2の周波数特性ではこの低周波
大振幅を減衰させて小振幅にしている(手振れ高周波側
は変化させない)。そのため、第2の周波数特性では、
上記実施の第2の形態と同様に、手振れの低周波領域
(大振幅の領域)においては増幅率を小さくした事にな
り、図10に示す様に、露光時にずれ量xだけ中心に近
づけることができる(210は第2の周波数特性による
補正手段910の動きを示している)。
【0170】尚、手振れの高周波領域においては、RT
モードでも被写体を狙っている間十分防振しており、こ
の領域の振れ補正不足は特に防振感触を落とすが、本構
成にする事で、防振感触も保ちつつRTモードの問題を
解決している。
【0171】(実施の第4の形態)図11は本発明の実
施の第4の形態に係るカメラの要部構成を示すブロック
図であり、ここでは図5及び図6と異なる部分のみ図示
してある。
【0172】RTモードにおいて、露光前まで防振特性
を変更させる方法としては、上記実施の第2の形態の様
に増幅率を変更させたり、上記の実施の第3の形態の様
に周波数特性を変更させるのみならず、出力制限幅を設
ける事で行ってもよい。
【0173】図11において、第1及び第2のセンサ出
力演算手段22g,22hは、増幅率も周波数特性も同
一である。しかしながら、第2のセンサ出力演算手段2
2hではその信号の制限幅が狭くなっている。すなわ
ち、大振幅の場合には信号を通さない(上限値に貼り付
かせたままにする)。
【0174】この様な回路は例えばウインドコンパレー
タ等を用いることで極めて簡単に構成、又、振幅が制限
値以下の場合には防振特性は通常モードと全く変わらな
い為、十分な防振ができている。
【0175】図12はRTモードの時の補正手段910
の動きを示しており、実際の手振れ26に基づいて補正
手段910はレリーズ半押しSW1信号発生から振れ補
正を開始する。しかし、矢印213の時点で出力に制限
がかかり(クリップする)、それ以上の大振幅は行わな
い。
【0176】そして、レリーズ押切りSW2信号発生時
点でその位置より(切換連続手段24の作用により)第
1のセンサ出力演算手段23gの制限の無い特性に連続
的に切り換えて、露光中は十分な防振が行える。
【0177】以上の構成により、簡単な回路でRTモー
ドでの問題点を解決した。
【0178】ここで、上記の実施の第2〜第4の形態で
の説明をまとめると、以下の様になる。
【0179】RTモードでは、センタリングはせず、又
該RTモードでは、露光前まで通常モードとは防振特性
を切り換える。特にRTモードでは露光前までセンサ出
力演算手段の増幅率を小さくする、周波数特性の低周波
側帯域を狭くする、或は、出力制限幅を狭くするように
している為、補正手段910を大振幅にさせずに露光中
の光学劣化を防ぐことができる。
【0180】また、RTモードの露光前後の特性切換え
は連続的につながる様にして、この間の過渡応答による
像飛びが引き起こす像ずれを防ぎ、露光前までの特性を
露光後に反映させる(特性を元に戻す事で、折角駆動振
幅を小さく抑えていたのが元の大振幅駆動位置に戻って
しまうことを無くす)ことができた。
【0181】(実施の第5の形態)図13は本発明の実
施の第5の形態に係るカメラの要部構成を示すブロック
図であり、ここでは図5及び図6と異なる部分のみ図示
してある。
【0182】上記の実施の第2〜第4の形態において、
第2のセンサ出力演算手段の特性(増幅率,周波数特
性,制限)は固定されているが、これらをズーム,フォ
ーカスや絞り、或は、撮影者の操作で変更する構成にし
てもよい。
【0183】図13はその例を示すものであり、特性変
更手段214に、防振敏感度設定手段94のズーム,フ
ォーカス,焦点距離の各情報94aも入力している点が
異なる。
【0184】そして、例えばズームテレの時には、変更
指令手段21から信号21aが入力されても、スイッチ
接片23aを接点23bに接続しない。即ち、ズームテ
レでは、RTモードでも露光前までの振幅制限は行わな
い。
【0185】ズームテレでは、補正手段910が偏心し
ても光学性能の劣化が起きない光学設定にすれば(ズー
ムテレもズームワイドも共に補正手段910の偏心時の
光学性能を保障する事は難しく、どちらかのみ光学性能
を保つ事はできる)、上記振幅制限をする必要がないか
らである。
【0186】振れはズームワイドよりズームテレで目立
つ為に、ズームテレで振幅制限をしない事は、RTモー
ドにおいても全てのズーム領域で十分な防振感触を得ら
れる事になる。何故ならば、例えばズームテレでは、露
光中に補正手段910が中心より大変位していても像の
光学劣化は少ない為、このような時には第2のセンサ出
力演算手段の特性を第1のセンサ出力演算手段の特性に
近づけて被写体を狙っている時も十分な防振をできる様
にすることができ、絞りが絞られている場合も同様な事
が云える(RTモードの時、レリーズ半押しSW1信号
発生より絞り駆動されている為、絞りの位置は分かって
いる)。
【0187】また、撮影者が光学性能より防振感触を優
先させたい場合もあり、任意に特性変更ができた方が便
利な為である。
【0188】(実施の第6の形態)図14は本発明の実
施の第6の形態に係るカメラの構成を示すブロック図で
あり、ここでは実施の第2の形態(図5及び図6)と異
なる部分のみ図示してある。
【0189】上記実施の第1〜第4の形態においては、
通常モードとRTモードは絞り駆動が露光準備手段で行
われるか、露光手段で行われるかの差であった。
【0190】コンパクトカメラにおいては、一般的にレ
リーズボタンの半押し(露光準備)で、測光,測距が行
われ、レリーズボタンの押切り(露光)で、レンズ合焦
駆動,シャッタ開閉が行われる。その為、レリーズ押切
り信号SW2発生からシャッタ開閉までレンズ合焦駆動
分、レリーズタイムラグを生ずる。
【0191】コンパクトカメラにおいても、このレリー
ズタイムラグを無くす為、レリーズ半押しSW1信号発
生で、レンズ合焦駆動まで完了させるRTモードを有す
る機種も出てきている。その様な場合も、図14の様に
して同様の問題を解決することができる。
【0192】図14において、図5と異なるのは、第1
の露光準備手段96a’は、図5の第1の露光準備手段
96からレンズ合焦駆動を省き、第1の露光手段913
a’にそのレンズ合焦駆動を追加し、該第1の露光手段
913’からは絞り駆動を省いており、又第2の露光準
備手段96b’から絞り駆動を省いている点のみであ
る。尚、図6に相当する部分の構成は同一であるので、
ここではその図示は省略してある。
【0193】(実施の第7の形態)図15及び図16は
本発明の実施の第7の形態に係るカメラの構成を示すブ
ロック図であり、図1,図2や図5,図6等と同じ機能
を持つ部分は同一符号を付してある。
【0194】この実施の第7の形態は、RTモードと通
常モードで防振特性を変更する事は行わず、撮影者の意
志で補正手段910をセンタリングを可能にする構成に
したものである。
【0195】撮影者は露光前や必要に応じて補正手段9
10をセンタリングできる為、光学性能劣化の心配をす
る必要がない。
【0196】図15に示す41はセンタリング操作手段
であり、鏡筒の外部に備えられた撮影者が操作できるス
イッチであり、該スイッチのオンで信号41aが発生
し、図16に示す向心演算手段43に入力される。図1
5に示す駆動範囲決定手段42には、防振敏感度設定手
段94からのフォーカス,ズーム(焦点距離)の各情報
94aと第1及び第2の露光準備手段96a,96bか
らの絞り情報96cが入力されており、この両者の情報
からセンタリング範囲S1を決定する。このセンタリン
グ範囲S1は光学性能保障範囲S2より狭く設定されて
おり、補正手段910がこの範囲S1より少し外れて
も、露光時の光学性能は劣化しない。定められたセンタ
リング範囲S1の情報も、図16に示す向心演算手段4
3に伝えられる。
【0197】向心量演算手段43には、補正手段910
の現在位置情報も入力されており、常に補正手段910
の位置S3の絶対値(中心位置をゼロとした時、その中
心より振り分けてどの極性位置にあってもその絶対値を
出力)と、センタリング範囲S1の絶対値(同様に、中
心位置をゼロとして中心からセンタリング範囲までの
幅)の差を求めており、信号41aの入力に同期してそ
の差が負の時、即ち補正手段910がセンタリング範囲
S1内にあるときはゼロ信号を出力し、差が正の時は差
に応じた信号43aを出力する。尚、向心量演算手段4
3に信号41aが入力されていない時は、信号43aは
常にゼロ信号を出力している。
【0198】図16に示す極性判別手段44にも補正手
段910の位置情報910aが入力されており、その極
性(中心からどちらの位置にあるか)に応じた信号をセ
ンタリング手段45に出力し、極性によってスイッチ接
片45aを接点45b側か45c側に接続する。差動器
45d,加算器45eは、目標値設定手段92からの信
号92cと信号43aの出力の差、又は和を求めてい
る。
【0199】通常、センタリング操作手段41を操作し
ていない時、又は補正手段910がセンタリング範囲S
1内にある時は、信号43aはゼロの為、信号45fは
信号92cと等しく、従来通り防振動作を行っている。
【0200】センタリング操作が行われ、且つ補正手段
910がセンタリング範囲S1外のとき、信号43aは
補正手段910の位置S3とセンタリング範囲S1との
差に応じた信号になる。その為、前記差動器45dの出
力、或は、加算器45eの出力のいずれかが、目標値信
号92cを中心に近づける(センタリング範囲に入れ
る)信号となり、他方が中心より遠ざける信号となる。
そして、この2信号の中で中心に近づける信号が、接点
45bからの信号か、接点45cからの信号かは、極性
判別手段44で判別できる。
【0201】具体的には、補正手段910の位置出力が
中心よりプラスで、センタリング範囲外のとき、信号4
3aはその差に応じた出力(プラス出力)となる。そし
て、この時差動器45dでは目標値信号92cと信号4
3aの差が求められ、接点45bからの信号は中心値に
近くなるが、加算器45eでは信号92cと信号43a
の和が求められる為、接点45cからの信号は中心値よ
り遠くなる。
【0202】この時、極性判別手段44にはプラスの信
号910aが入力されている為、信号44aはプラス出
力となり、スイッチ接片45aを接点45b側に接続す
る。補正手段910の位置出力が中心よりマイナスの出
力で、センタリング範囲S1外のとき、信号43aはそ
の差出力に応じた信号(プラス出力)となる。そして、
この時差動器45dでは信号92cと信号43aの差が
求められ、接点45bからの信号は中心より遠ざかった
信号となる。何故ならば、信号92cは信号910aと
ほぼ対応しており、信号910aがマイナスのときは信
号92cもマイナスであり、マイナス信号がプラス信号
を引くと、その絶対値は大きくなる為である。
【0203】逆に加算器45eからの信号は中心値に近
くなる。このとき、極性判別手段44からの信号44a
はマイナス出力(信号910aがマイナスの為)の為、
スイッチ接片45aは接点45c側と接続する。即ち、
センタリング操作が行われ、補正手段910がセンタリ
ング範囲S1外の時には、如何なる場合も信号45fの
目標値は信号92cをより中心に近づける(センタリン
グ範囲の際まで近づける)出力となる。この信号45f
が新たな目標値として、補正駆動手段97に入力され
る。
【0204】よって、センタリング操作手段41を操作
する事で、補正手段910はセンタリング範囲S1まで
向心される事になるが、このときセンタリング表示手段
46はセンタリング操作手段41と同期して機能を始
め、信号43aがほぼゼロの時にセンタリングOK表示
を行う。
【0205】具体的には、補正手段910が予めセンタ
リング範囲S1内にある時は、センタリング操作でセン
タリング表示が行われ、範囲S1外にある時にはセンタ
リングが行われ、補正手段910がセンタリング範囲S
1に近づくと、センタリングOK表示が行われる。
【0206】以上述べた事を、補正手段910の動きで
説明すると、図17の様になる。
【0207】図17において、横軸に時間を、縦軸に補
正手段910の位置を取ってあり、図中、波形54は補
正手段910の駆動波形、53は補正手段910の全ス
トロークである。又、52は光学性能保障範囲S2で、
この範囲は撮影時のズームや絞りで可変であり、例えば
ズームテレや小絞りの時にこの範囲S2は広がる。そし
て、この範囲S2内に補正手段910が位置している際
に撮影すると、光学性能は保障される。51はセンタリ
ング範囲S1で、前記範囲S2を一定の比率で小さくし
た範囲である。
【0208】図17において、矢印56の時点でセンタ
リング操作をしても、補正手段910はセンタリング範
囲S1内の為、動作に変化なく、センタリング表示手段
46にてセンタリングOK表示が行われる。また、矢印
57の時点でセンタリング操作をすると、センタリング
操作をしない時の駆動波形55に比べて補正手段910
はセンタリング範囲S1の際まで向心され、この時点で
センタリングOK表示が行われる。この後、再び駆動波
形はセンタリング範囲S1を外れるが、光学性能保障範
囲S2中の為にこの間で撮影しても光学性能の劣化は生
じない。
【0209】センタリング範囲S1をズーム,絞りで可
変にするのは、出来るだけセンタリング量を少なくする
為である。センタリング動作を行うと、その瞬間フレー
ミングがずれることになる(補正手段910の位置がず
れる為)。この量が大きいと不快である。又、一般的に
補正手段910のずれ量が一定ならば撮影者が感じるフ
レーミングの変化はズームワイドよりズームテレの方が
大きい(画角が狭い為)。その為、ズームテレでのセン
タリング量を減らすようにしている。
【0210】ところで、光学設計上、補正手段910が
偏心した時の光学性能劣化量をズームテレの時に少なく
する事はできる(全てのズーム領域で光学性能劣化量を
少なくする事はできない)。即ち、ズームテレにおいて
は、補正手段910がある程度偏心しても光学性能の劣
化を少なくできる為、ズームテレにおいてセンタリング
範囲を広くとる事で、センタリング量を減らす事ができ
る。同様に絞りについても一般的に絞られているほど光
学性能の劣化が少ないので、このときセンタリング範囲
を広げて、フレーミング変化を少なくする事ができる。
【0211】(実施の第8の形態)図18及び図19は
本発明の実施の第8の形態に係るカメラの構成を示すブ
ロック図であり、図1,図2や図5,図6等と同じ機能
を持つ部分は同一符号を付してある。
【0212】防振システムを使用すると、撮影者の手振
れそのものは大きくなる(像面での振れは少なくなる)
と云う問題がある。
【0213】カメラを構えている時の手振れは体の振
れ、腕の振れで構成されており、その中でも低周波大振
幅の振れは撮影者の目で感知され、腕、体にフィードバ
ックされて振れを防いでいる。ところが、防振を行った
場合、振れによる外界の変化が目に入らなくなる為にこ
のフィードバックが弱くなり、上述低周波大振れが現れ
て来る。完璧な防振が行われていると仮定した場合、撮
影者の見ている像は全く振れが無い。これは目をつぶっ
ている時と同じ状態になる。目をつぶって立っていると
次第に体の揺れが大きくなってゆくのと同じ様に、防振
をすると大きな振れが出てくる。よって、補正手段91
0を大振幅で動かす必要が出て来る。
【0214】具体的には、撮影者がカメラを構え、防振
オンにする。オン直後は未だ大振れは生じていないが、
カメラを構え続けているうちに大振れが現れて来る。そ
の為補正手段910は大振幅で動いており、この時露光
が行われると、該補正手段910が大きく偏心している
事による光学性能の劣化を生ずる恐れがある。
【0215】上記問題を解決する為の構成が、図18及
び図19であり、基本的な構成は図図5及び図6と同様
であるが、変更指令手段21の代わりに変更指令手段6
1(図18に図示)が設けられている。又、図5及び図
6の第1及び第2のセンサ演算手段22e,22fが、
図8に示す第1及び第2のセンサ演算手段22g,22
h(図9の特性を持つ)に置換されている。
【0216】変更指令手段61は、レリーズ手段911
からのレリーズ半押しSW1信号911aの入力に同期
してカウントを開始し、一定時間毎(例えば4秒)一定
期間(例えば2秒)信号61aを出力するインターバル
信号出力手段である。但し、レリーズ手段911のレリ
ーズ押切りSW2信号911bが入力されると、その間
は信号61aの出力を止める。
【0217】前記信号61aは特性変更手段23に入力
され、信号61aが出力されている時はスイッチ接片2
3aを接点23b側に接続し、それ以外は接点23c側
と接続している。即ち、レリーズ半押しSW1信号発生
から一定期間毎に防振の特性が交互に切り換わり、レリ
ーズ半押しSW1信号の発生当初は第1の周波数特性で
十分な防振を行い、次に第2の周波数特性で振れの中で
も低周波成分の振れ補正能力を弱くする。
【0218】その為、撮影者は低周波の振れを目で感知
する為に、無意識に低周波の大きな振れを抑える。そし
て再び第1の周波数特性に戻し十分な防振を行う。この
様に防振の効き具合を交互に変えて、十分な防振により
大振れが発生する前に防振の効きを落として大振れを止
め、再び十分に防振する構成にする事で、補正手段91
0が大振幅で駆動を続ける事を防ぎ、露光中の光学劣化
を生じないようにしている。
【0219】尚、この構成では、通常モードにおいても
レリーズ押切りSW2信号発生で補正手段910をセン
タリングしない構成になっているが、通常モードのとき
はセンタリングする構成にしても良い。
【0220】また、時間毎の周波数特性の切換えはズー
ムや絞りによってその切換間隔を変化させたり、又、例
えばズームテレでは第1の周波数特性に固定(ズームテ
レは補正手段偏心しても光学性能劣化の無い設計をす
る)しても良い。
【0221】更には、第2の周波数特性をズームや絞り
で変更しても良い。
【0222】(発明と実施の形態の対応)上記実施の各
形態において、特性変更手段23が請求項1記載の特性
変更手段に相当し、特性変更手段214が請求項2記載
の特性変更手段に相当する。また、センサ演算手段22
a,22b,22e,22f,22g,22hが請求項
3記載の演算手段に相当し、センタリング手段14が請
求項7に記載のセンタリング手段に相当する。
【0223】また、センタリング手段45が請求項15
記載の向心制御手段に相当し、駆動範囲決定手段42が
請求項7記載の範囲変更手段に相当し、センタリング表
示手段46が請求項19記載の向心完了表示手段に相当
し、特性切換手段62が請求項20記載の帯域変更手段
に相当し、変更指令手段61が請求項21記載の帯域固
定手段に相当する。
【0224】以上が実施の形態の各構成と本発明の各構
成の対応関係であるが、本発明は、これら実施の形態の
構成に限定されるものではなく、請求項で示した機能、
又は実施の形態がもつ機能が達成できる構成であればど
のようなものであってもよいことは言うまでもない。
【0225】(変形例)本発明は、一眼レフカメラやコ
ンパクトカメラに適用した例を述べているが、ビデオカ
メラや電子スチルカメラ等の映像装置にも適用可能であ
る。その他、防振機能、更には焦点調節機能を具備した
光学機器や他の装置への適用、更には構成ユニットとし
ても適用することができるものである。
【0226】更に、本発明は、以上の実施の各形態、又
はそれらの技術を適当に組み合わせた構成にしてもよ
い。
【0227】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
リアルタイムモードでの撮影時における像振れを無くす
と共に、光学性能の劣化を防ぐことができるものであ
る。
【0228】また、本発明によれば、任意に補正手段の
偏心を抑え、光学性能の劣化を防ぐことができるもので
ある。
【0229】また、本発明によれば、防振機能が働いて
いる為に光学機器を保持する使用者の振れ抑制意識に薄
れ、補正手段の大偏心させてしまうことを無くし、光学
性能の劣化を防ぐことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの構成
の一部を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの構成
の残りの部分を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの撮影
時のタイミングチャートである。
【図4】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの主要
部分の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の第2の形態に係るカメラの構成
の一部を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の第2の形態に係るカメラの構成
の残りの部分を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の第2の形態に係るカメラの撮影
時のタイミングチャートである。
【図8】本発明の実施の第3の形態に係るカメラの構成
の一部を示すブロック図である。
【図9】図8の第1及び第2のセンサ演算手段の周波数
特性を示す図である。
【図10】本発明の実施の第3の形態に係るカメラの撮
影時のタイミングチャートである。
【図11】本発明の実施の第4の形態に係るカメラの構
成の一部を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の第4の形態に係るカメラの撮
影時のタイミングチャートである。
【図13】本発明の実施の第5の形態に係るカメラの構
成の一部を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施の第6の形態に係るカメラの構
成の一部を示すブロック図である。
【図15】本発明の実施の第7の形態に係るカメラの構
成の一部を示すブロック図である。
【図16】本発明の実施の第7の形態に係るカメラの構
成の残りの部分を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施の第7の形態に係るカメラのセ
ンタリング操作時の動作を説明する為のタイミングチャ
ートである。
【図18】本発明の実施の第8の形態に係るカメラの構
成の一部を示すブロック図である。
【図19】本発明の実施の第8の形態に係るカメラの構
成の残りの部分を示すブロック図である。
【図20】従来の防振システムの概略構成を示す斜視図
である。
【図21】図20の補正光学装置の構造を示す分解斜視
図である。
【図22】図21の挟持手段が挿入される支持枠の孔の
形状を説明する為の図である。
【図23】図21の地板に支持枠を組み込んだ時の様子
を示す断面図である。
【図24】図21に示す地板を示す斜視図である。
【図25】図21に示す支持枠を示す斜視図である。
【図26】図21に示すロックリングを示す斜視図であ
る。
【図27】図21の支持枠等を示す正面図である。
【図28】図21の位置検出素子の出力を増幅するIC
の構成を示す回路図である。
【図29】図21のロックリングが駆動される時の様子
を示す図である。
【図30】図29のロックリング駆動時における信号波
形を示す図である。
【図31】防振システムが搭載されたカメラの防振系の
回路構成の一部を示すブロック図である。
【図32】防振システムが搭載されたカメラの防振系の
回路構成の残りの部分を示すブロック図である。
【図33】図31及び図32の回路構成におけるカメラ
の概略動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 モード入力手段 12 モード切換手段 13 センタリング禁止手段 14 センタリング手段 22a,22b 第1及び第2のセンサ演算手段 22e,22f 第1及び第2のセンサ演算手段 22g,22h 第1及び第2のセンサ演算手段 23,214 特性変更手段 41 センタリング操作手段 42 駆動範囲決定手段 45 センタリング手段 46 センタリング表示手段 61 変更指令手段 62 特性切換手段 910 補正手段 911 レリーズ手段

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振れを補正する防振装置を備えた、複数
    のレリーズシーケンスを有する防振カメラにおいて、 撮影前までの前記防振装置の振れ補正特性を、複数のレ
    リーズシーケンス毎に異ならせる特性変更手段を設けた
    ことを特徴とする防振カメラ。
  2. 【請求項2】 焦点距離情報を出力する焦点距離情報出
    力手段と、振れを補正する防振装置を備えた、複数のレ
    リーズシーケンスを有する防振カメラにおいて、 選択されるレリーズシーケンスと現在の焦点距離情報と
    の組み合わせにより、前記防振装置の振れ特性を異なら
    せる特性変更手段を設けたことを特徴とする防振カメ
    ラ。
  3. 【請求項3】 前記防振装置は、振れを検出する振動検
    出手段と、該振動検出手段からの信号を演算する演算手
    段と、該演算手段からの信号に基づいて振れ補正を行う
    補正光学装置とを具備しており、 前記特性変更手段は、前記演算手段の特性を変更する手
    段であることを特徴とする請求項1又は2記載の防振カ
    メラ。
  4. 【請求項4】 前記特性変更手段は、前記演算手段への
    信号の増幅率を変更する手段であることを特徴とする請
    求項3記載の防振カメラ。
  5. 【請求項5】 前記特性変更手段は、前記演算手段への
    信号の周波数特性を変更する手段であることを特徴とす
    る請求項3記載の防振カメラ。
  6. 【請求項6】 前記特性変更手段は、前記演算手段への
    信号に制限を加える手段であることを特徴とする請求項
    3記載の防振カメラ。
  7. 【請求項7】 振れを補正する補正手段、及び、撮影直
    前に前記補正手段を所定の位置に移動させるセンタリン
    グ手段を有する防振装置を備えた、複数のレリーズシー
    ケンスを有する防振カメラにおいて、 前記複数のレリーズシーケンス毎に前記センタリング手
    段の動作を変更する動作変更手段を設けたことを特徴と
    する防振カメラ。
  8. 【請求項8】 前記動作変更手段は、選択されるレリー
    ズシーケンスによっては、前記センタリング手段の動作
    を禁止する手段であることを特徴とする請求項7記載の
    防振カメラ。
  9. 【請求項9】 前記複数のレリーズシーケンスは、第1
    のスイッチのオンで測光を、第2のスイッチのオンで絞
    り駆動,露光を行う通常モードによるレリーズシーケン
    スと、第1のスイッチのオンで測光,絞り駆動を、第2
    のスイッチのオンで露光を行うリアルタイムモードによ
    るレリーズシーケンスであることを特徴とする請求項
    1,2,3又は7記載の防振カメラ。
  10. 【請求項10】 前記複数のレリーズシーケンスは、第
    1のスイッチのオンで測距を、第2のスイッチのオンで
    合焦動作,露光を行う通常モードによるレリーズシーケ
    ンスと、第1のスイッチのオンで測距,合焦動作を、第
    2のスイッチのオンで露光を行うリアルタイムモードに
    よるレリーズシーケンスであることを特徴とする請求項
    1,2,3又は7記載の防振カメラ。
  11. 【請求項11】 前記演算手段への信号の増幅率を変更
    する特性変更手段は、前記第2のモードによるレリーズ
    シーケンス時には、前記増幅率を小さくすることを特徴
    とする請求項4,9又は10記載の防振カメラ。
  12. 【請求項12】 前記演算手段への信号の周波数特性を
    変更する特性変更手段は、前記リアルタイムモードによ
    るレリーズシーケンス時には、防振帯域の低周波側を狭
    くすることを特徴とする請求項5,9又は10記載の防
    振カメラ。
  13. 【請求項13】 前記演算手段への信号に制限を加える
    特性変更手段は、前記リアルタイムモードによるレリー
    ズシーケンス時には、前記演算手段への制限量を多くす
    ることを特徴とする請求項5,9又は10記載の防振カ
    メラ。
  14. 【請求項14】 焦点距離が所定値で、かつ、前記リア
    ルタイムモードによるレリーズシーケンス時に、前記特
    性変更手段を動作させることを特徴とする請求項9又は
    10記載の防振カメラ。
  15. 【請求項15】 振れを補正する補正手段と、使用者の
    操作に応答して、前記補正手段の位置を所定範囲内に戻
    す向心制御手段と、前記補正手段を搭載した光学機器の
    状態により、前記所定範囲を変更する範囲変更手段とを
    設けたことを特徴とする防振制御装置。
  16. 【請求項16】 前記範囲変更手段は、前記光学機器の
    焦点距離状態、露光時の絞り状態、或いは、それらの組
    み合わせで所定範囲を変更する手段であることを特徴と
    する請求項15記載の防振制御装置。
  17. 【請求項17】 前記範囲変更手段は、前記光学機器の
    焦点距離が長い時、或いは、絞りが絞られている時は、
    前記所定範囲を広くする手段であることを特徴とする請
    求項16記載の防振制御装置。
  18. 【請求項18】 前記向心制御手段は、前記補正手段が
    所定範囲に入ると、或いは、所定範囲に入っていると、
    前記補正手段への向心制御を止める手段であることを特
    徴とする請求項15記載の防振制御装置。
  19. 【請求項19】 前記向心制御手段は、前記補正手段が
    所定範囲に入ると、或いは、所定範囲に入っていると、
    向心完了表示手段にその旨の表示を行わせる手段である
    ことを特徴とする請求項15記載の防振制御装置。
  20. 【請求項20】 光学機器に搭載され、振れを補正する
    防振装置の防振周波数帯域の広域化及び狭域化を所定時
    間毎に繰り返す帯域変更手段を備えた防振制御装置。
  21. 【請求項21】 前記光学機器はカメラであり、前記帯
    域変更手段は、前記カメラが露光動作を行っている際
    は、防振周波数帯域を広域に固定する手段であることを
    特徴とする請求項20記載の防振制御装置。
JP12629396A 1996-04-24 1996-04-24 防振カメラ及び防振制御装置 Pending JPH09292642A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6097731A (en) * 1996-10-24 2000-08-01 Nec Corporation Data retransmission method used in confirmation information transmissions
JP2008257212A (ja) * 2007-03-13 2008-10-23 Hoya Corp 像ブレ補正装置
JP2009025686A (ja) * 2007-07-23 2009-02-05 Fujifilm Corp 撮影装置およびその制御方法並びにプログラム

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