JPH0943246A - 検体搬送システム - Google Patents

検体搬送システム

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JPH0943246A
JPH0943246A JP19090495A JP19090495A JPH0943246A JP H0943246 A JPH0943246 A JP H0943246A JP 19090495 A JP19090495 A JP 19090495A JP 19090495 A JP19090495 A JP 19090495A JP H0943246 A JPH0943246 A JP H0943246A
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Minobu Okumura
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A & T Kk
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分注処理及び検査処理の高速化を図り,処理
分散して搬送制御及びシステム構築の柔軟性を高めた検
体搬送システムを提供することを目的とする。 【解決手段】 検体101bと,ラック102bと,第
1搬送ライン103bと,子検体101aと,子検体用
ラック102aと,第2搬送ライン103aと,第3搬
送ライン103と,各種分析装置111と,第1搬送ラ
インと接続する第1移動ライン152〜154と,第2
搬送ラインと接続する第2移動ライン106aと,ラッ
クに含まれる所定の検体を子検体用ラックの子検体に分
注するよう制御する分注制御手段と,第1移動ラインま
たは第1搬送ラインから搬出されるラック或いは第2移
動ラインから搬出される子検体用ラックを,何れかの第
3搬送ラインに搬入するライン選択手段155と,を備
える分注機151とを具備して構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,血液,尿等の検体を分
注処理した後,分散して設置されている各種分析装置に
搬送して自動的に検査する検体搬送システムに係り,特
に,高度に省力化・合理化が行えると共に,正確で確実
な検査を行うことができ,また,分注及び検査処理の高
速化を図り,更には,処理分散して搬送制御の柔軟性及
びシステム構築の柔軟性を高めた検体搬送システムに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の検体搬送システムとしては,例え
ば,特開昭63−52061号公報で開示された検体検
査自動化ラインシステムがある。この検体検査自動化ラ
インシステムでは,自動仕分機により,載置された検体
収納ラックを幹線搬送路に投入し,投入された検体収納
ラックの番号・行先を読取装置で読み取って記憶部に記
憶する。また制御装置では,各種分析装置からの状態信
号と記憶部の読取データに基づいて,自動仕分機上で待
機している検体収納ラックの内から適切なラックを選定
し,幹線搬送路に投入させる。投入された検体収納ラッ
クは支線搬送路を介して検査すべき各種分析装置まで自
動的に到達し,検査が自動的に行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この従来の検体搬送シ
ステムにおいては,搬送制御は,本質的にシーケンシャ
ルな定型的処理に基づくものであり,検体の種類が多様
化し,検査すべき検査項目も多様化している今日,処理
を定型的にしか組み込めない従来の検体搬送システムで
は,その都度,サブ的な定型処理を追加したり変更した
りする必要があり,システムの仕様変更や追加に柔軟に
対処できず,また対処できたとしてもシステムが複雑に
なるという問題があった。
【0004】また,生化学,血清(免疫),凝固,尿生
化学等を混在させて一括して分析を行う多項目分析処理
を可能とした検体搬送システムでは,1個の検体につい
て幾種類もの検査項目が必要となり,また検体と試薬を
反応させて分析を行う検査項目も少なくなく,検体を幾
つかの子検体に分注して複数種の検査項目に対処してい
る。
【0005】しかしながら,従来の検体搬送システムに
あっては,自動化された検体搬送システムとは別に分注
装置が設置された,いわゆるオフライン分注が主流であ
り,自動化の概念の導入は,例えば,特開平3−191
866号に開示されている「分注システム」のように分
注処理の自動化に留まっていたり,特開平2−2595
75号に開示されている「自動分析装置」のように,輸
血検査における交差適合試験のような特定の分野に限定
されたシステムであり,混在一括分析型の多項目分析処
理を行う検体搬送システムにおいて,高速なオンライン
分注を可能としたものは未だに提案されていない。
【0006】更に,上述のように,医療技術の進歩に伴
って検体の種類が多様化し,検査すべき検査項目も多様
化し,それに付随して各種分析装置の新型機種のリリー
スのサイクルも短くなってきている。従って,検体搬送
システムもこのような技術的進歩に逐次追随していく必
要があるが,従来のような本質的にシーケンシャルな定
型的処理に基づく検体搬送システムでは,その都度制御
シーケンスを追加・変更する必要があり,また,各種分
析装置の仕様によっては,既存の検体搬送システムと整
合できず,新型の各種分析装置の使用を断念せざるを得
ないか,或いは新たに検体搬送システムを構築し直さな
ければならないという問題を招いていた。
【0007】本発明は,上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであって,血液,尿等の多種多様な検体を分散
して設置されている各種分析装置に搬送して,自動的に
多項目分析する検体搬送システムにおいて,高速なオン
ライン分注を可能とし,高度に省力化・合理化を図り得
る検体搬送システムを提供することを目的としている。
【0008】また本発明の他の目的は,多様な検体の種
類や,多様な検査項目に対しても柔軟に対応でき,正確
で確実な検査を行うことができる検体搬送システムを提
供することである。
【0009】更に本発明の他の目的は,分散処理システ
ムの概念を導入して,新たな各種分析装置の追加・変更
等に対しても,接続ユニットの付加,並びに,データベ
ース等のシステム仕様を具現している部分の追加・変更
等で対処でき,システム構築における柔軟性を高めた検
体搬送システムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に,本発明の請求項1に係る検体搬送システムは,読み
取り可能な検体識別コードの付された検体と,所定数の
前記検体をひとまとめにして含み,読み取り可能なラッ
ク識別コードの付されたラックと,前記ラックを所定方
向に搬送する第1搬送ラインと,読み取り可能な検体識
別コードが付され,前記検体を少量に分注して持つ子検
体と,所定数の前記子検体をひとまとめにして含み,読
み取り可能なラック識別コードの付された子検体用ラッ
クと,前記子検体用ラックを所定方向に搬送する第2搬
送ラインと,前記ラックまたは前記子検体用ラックを所
定方向に搬送する少なくとも1本以上の第3搬送ライン
と,前記第1搬送ラインまたは前記第3搬送ラインに接
続され,前記検体識別コードに対応して与えられる検査
項目の内,所定項目について分析を行う各種分析装置
と,前記第1搬送ラインと接続する第1移動ラインと,
前記第2搬送ラインと接続する第2移動ラインと,前記
第1移動ライン上の前記ラックに含まれる所定の検体
を,前記第2移動ライン上の前記子検体用ラックの子検
体に分注するよう制御する分注制御手段と,前記第1移
動ラインまたは前記第1搬送ラインから搬出されるラッ
ク,或いは前記第2移動ラインから搬出される子検体用
ラックを,何れか1本の第3搬送ラインに搬入するライ
ン選択手段と,を備える分注機と,を具備するものであ
る。
【0011】また,請求項2に係る検体搬送システム
は,読み取り可能な検体識別コードの付された検体と,
所定数の前記検体をひとまとめにして含み,読み取り可
能なラック識別コードの付されたラックと,前記ラック
を所定方向に搬送する第1搬送ラインと,前記検体識別
コード及び前記ラック識別コードを読み取る第1コード
読み取り手段を備え,前記第1搬送ラインに投入すべき
前記ラックを複数個保持するスタートストッカーと,読
み取り可能な検体識別コードが付され,前記検体を少量
に分注して持つ子検体と,所定数の前記子検体をひとま
とめにして含み,読み取り可能なラック識別コードの付
された子検体用ラックと,前記子検体用ラックを所定方
向に搬送する第2搬送ラインと,前記ラック識別コード
を読み取る第2コード読み取り手段を備え,前記第2搬
送ラインに投入すべき前記子検体用ラックを複数個保持
する子検体用スタートストッカーと,前記ラックまたは
前記子検体用ラックを所定方向に搬送する少なくとも1
本以上の第3搬送ラインと,前記第1搬送ラインまたは
前記第3搬送ラインに接続され,前記検体識別コードに
対応して与えられる検査項目の内,所定項目について分
析を行う各種分析装置と,前記第1搬送ラインと接続す
る第1移動ラインと,前記第2搬送ラインと接続する第
2移動ラインと,前記第1移動ライン上の前記ラックに
含まれる所定の検体を,前記第2移動ライン上の前記子
検体用ラックの子検体に分注するよう制御する分注制御
手段と,前記第1移動ラインまたは前記第1搬送ライン
から搬出されるラック,或いは前記第2移動ラインから
搬出される子検体用ラックを,何れか1本の第3搬送ラ
インに搬入するライン選択手段と,を備える分注機と,
当該検体搬送システムに供給される前記検体及び前記子
検体及びまたは前記ラック及び子検体用ラックの検査項
目等の依頼データ及び分析結果データを統括し,前記ラ
ック及び子検体用ラックの搬送制御を行う統括制御手段
と,を具備し,前記第1コード読み取り手段は,前記ス
タートストッカーに保持されているラックの内,所定数
のラック(以下,第1選択投入対象ラック群という)に
ついて,前記検体識別コード及び前記ラック識別コード
を順次読み取って前記統括制御手段に報知し,前記第2
コード読み取り手段は,前記子検体用スタートストッカ
ーに保持されている子検体用ラックの内,所定数の子検
体用ラック(以下,第2選択投入対象ラック群という)
について,前記ラック識別コードを順次読み取って前記
統括制御手段に報知し,前記統括制御手段は,前記第1
選択投入対象ラック群の依頼データ並びに前記各種分析
装置の負荷情報に基づいて,前記第1選択投入対象ラッ
ク群から前記第1搬送ラインに投入するラックを選択
し,前記第1選択投入対象ラック群の投入状況に応じ
て,前記第2選択投入対象ラック群から前記第2搬送ラ
インに投入するラックを選択するものである。
【0012】また,請求項3に係る検体搬送システム
は,請求項2記載の検体搬送システムにおいて,前記検
体搬送システムは,前記第1搬送ラインまたは前記第3
搬送ラインと前記各種分析装置とを接続する接続手段で
あって,前記第1搬送ラインまたは前記第3搬送ライン
上のラックまたは子検体用ラックを選択的に取り込み,
接続する各種分析装置に供給する接続ユニットを具備
し,前記接続ユニットは,前記第1搬送ラインまたは前
記第3搬送ライン上のラックまたは子検体用ラックの選
択的取込み,並びに接続する各種分析装置へのラックま
たは子検体用ラックの供給を制御する接続制御手段を具
備し,前記接続制御手段は,接続する各種分析装置と相
互に信号の授受を行う信号伝達手段を介して接続され,
前記統括制御手段と相互にデータの授受を行うデータ通
信手段を介して接続され,前記各種分析装置は,前記統
括制御手段と相互にデータの授受を行うデータ通信手段
を介して接続されるものである。
【0013】また,請求項4に係る検体搬送システム
は,請求項2または3記載の検体搬送システムにおい
て,前記分注制御手段は,分注機本体と相互に信号の授
受を行う信号伝達手段を介して接続され,前記統括制御
手段と相互にデータの授受を行うデータ通信手段を介し
て接続され,前記分注機本体は,前記統括制御手段と相
互にデータの授受を行うデータ通信手段を介して接続さ
れるものである。
【0014】また,請求項5に係る検体搬送システム
は,請求項2,3または4記載の検体搬送システムにお
いて,前記統括制御手段は,前記ラック識別コードをキ
ーとし,少なくとも該ラックまたは子検体用ラックが含
む検体の検体識別コード及び該検体のラック内位置情報
を保持するラック情報データベースと,前記検体識別コ
ードをキーとし,少なくとも該検体または子検体につい
て行うべき検査項目の情報を保持する検体情報データベ
ースと,を具備するものである。
【0015】また,請求項6に係る検体搬送システム
は,請求項1,2,3,4または5記載の検体搬送シス
テムにおいて,前記分注機は,前記第1搬送ラインから
供給されるラックのラック識別コードを読み取る第3コ
ード読み取り手段を具備し,前記第1移動ラインは,所
定数までラックを保持するバッファ部を具備し,前記第
3コード読み取り手段は,前記ラックのラック識別コー
ドを読み取る際に,当該第3コード読み取り手段の移動
によって,前記第1搬送ライン上のラックを一旦停止さ
せ,前記分注制御手段は,前記ラックの読み取ったラッ
ク識別コードに基づき前記第1移動ラインに該ラックを
供給すべきか否かを判断し,供給すべき場合には該ラッ
クを前記バッファ部の最後部に取り込み,供給すべきで
ない場合には前記第3コード読み取り手段の元の位置へ
の移動によって,該ラックを前記第1搬送ライン上に戻
すものである。
【0016】また,請求項7に係る検体搬送システム
は,請求項1,2,3,4,5または6記載の検体搬送
システムにおいて,前記第1移動ラインは,所定数まで
ラックを保持するバッファ部と,前記バッファ部から供
給されるラックを,前記分注機本体の分注動作に同期し
て移動させる第1フィーダ部と,前記分注機本体による
分注の終了したラックを前記第1搬送ライン上に戻す第
2フィーダ部と,を具備し,前記分注制御手段は,前記
分注機本体の分注対象のラック内の各検体について,該
ラックのラック識別コード及び該検体の検体識別コード
に基づいて分注が必要か否かを判断し,分注不要の検体
については所定の分注位置に停止しないように前記ラッ
クの移動制御を行うものである。
【0017】また,請求項8に係る検体搬送システム
は,請求項1,2,3,4,5,6または7記載の検体
搬送システムにおいて,前記分注機は,人手により子検
体または子検体用ラックを載置し得るオフライン用投入
部と,前記第2移動ライン上の子検体用ラックに対して
分注を行う第1分注モードとは独立した,前記オフライ
ン用投入部上の子検体または子検体用ラックに対して分
注を行う第2分注モードに,前記分注機本体の動作を遷
移させる切換スイッチと,を具備するものである。
【0018】また,請求項9に係る検体搬送システム
は,請求項1,2,3,4,5,6,7または8記載の
検体搬送システムにおいて,前記バッファ部は,先に取
り込まれたラックの検体並び方向の側面と,次に取り込
まれたラックの検体並び方向の側面が接するように,ラ
ックを保持するものである。
【0019】また,請求項10に係る検体搬送システム
は,請求項1,2,3,4,5,6,7または8記載の
検体搬送システムにおいて,前記バッファ部は,先に取
り込まれたラックの検体並び方向に垂直の側面と,次に
取り込まれたラックの検体並び方向に垂直の側面が接す
るように,ラックを保持するものである。
【0020】更に,請求項11に係る検体搬送システム
は,請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9または
10記載の検体搬送システムにおいて,前記検体搬送シ
ステムは,前記第1搬送ライン上のラックに含まれる検
体の蓋を,該検体の検体識別コードに基づき容器種別を
判断して,自動的に開栓する開栓機を具備するものであ
る。
【0021】
【作用】本発明の請求項1に係る検体搬送システムで
は,読み取り可能な検体識別コードの付された検体また
は子検体を搬送するために,読み取り可能なラック識別
コードの付されたラックまたは子検体用ラックに該検体
または子検体を所定数分ひとまとめに載置して行うラッ
ク方式を採用している。
【0022】また分注機においては,分注制御手段によ
り,分注機本体が,第1移動ライン上に選択的に取り込
まれたラックに含まれる所定の検体を,第2移動ライン
上の子検体用ラックの子検体に分注するように制御し,
ライン選択手段により,第1搬送ラインから搬出される
ラック,第1移動ラインから搬出される分注処理後のラ
ック,或いは第2移動ラインから搬出される分注処理さ
れた子検体用ラックを,第3搬送ラインの内の何れか1
本に搬入するようにしている。
【0023】このように,分注機において,分注の必要
なラックを選択的に取り込んで,個々の検体に固有の検
査項目等に応じて分注処理を行い,それぞれのラックま
たは子検体用ラックが含む検体または子検体の検査項目
等に応じて,搬送先である第3搬送ラインのライン選択
を行うので,高速なオンライン分注が可能となる。
【0024】更に,第3搬送ラインに所定の分析処理を
局所的に制御し得る各種分析装置を配置して,機能分散
的に制御することとすれば,柔軟性の高い検体搬送シス
テムを実現することができ,また,血液,尿等の多種多
様な検体を自動的に多項目分析でき,高度に省力化・合
理化を図り得る検体搬送システムを実現することができ
る。
【0025】尚,分注機のライン選択手段の搬出先を1
本の第3搬送ラインとして構成しても良い。これによ
り,分散制御される各種分析装置と合わせて,より小規
模のシステム構成で多種多様な検査項目に対処し得る検
体搬送システムを実現できる。
【0026】また,請求項2に係る検体搬送システムで
は,読み取り可能な検体識別コードの付された検体また
は子検体を搬送するために,読み取り可能なラック識別
コードの付されたラックまたは子検体用ラックに該検体
または子検体を所定数分ひとまとめに載置して行うラッ
ク方式を採用している。また,統括制御手段は,当該検
体搬送システムに供給される検体及び子検体或いはラッ
クまたは子検体用ラックの検査項目等の依頼データ及び
分析結果データを統括すると共に,ラックまたは子検体
用ラックの搬送制御を行うようにしている。
【0027】またスタートストッカーにおいて,第1コ
ード読み取り手段は,スタートストッカーに保持されて
いるラックの内,第1選択投入対象ラック群について,
検体識別コード及びラック識別コードを順次読み取って
統括制御手段に報知し,統括制御手段は,選択投入対象
ラック群の依頼データ及び各種分析装置の負荷情報に基
づいて,選択投入対象ラック群からラックを選択して,
順次,第1搬送ラインに投入するようにしている。
【0028】更に子検体用スタートストッカーにおい
て,第2コード読み取り手段は,子検体用スタートスト
ッカーに保持されている子検体用ラックの内,第2選択
投入対象ラック群について,検体識別コード及びラック
識別コードを順次読み取って統括制御手段に報知し,統
括制御手段は,第1選択投入対象ラック群の投入状況に
応じて,第2選択投入対象ラック群から子検体用ラック
を選択して,順次,第2搬送ラインに投入するようにし
ている。
【0029】従って,偏った依頼情報を持つ検体または
子検体或いはラックまたは子検体用ラックが一時期に集
中した場合でも,依頼データ及び各種分析装置の負荷情
報に基づいて第1搬送ラインに投入すべきラックを選択
し,第1搬送ラインのラックの投入状況に応じて第2搬
送ラインに投入すべき子検体用ラックを選択するので,
第1搬送ライン,第2搬送ライン及び第3搬送ライン上
で渋滞を引き起こすことなく,結果として,検体処理の
高速化を図ることができる。
【0030】また分注機においては,分注制御手段によ
り,分注機本体が,第1移動ライン上に選択的に取り込
まれたラックに含まれる所定の検体を,第2移動ライン
上の子検体用ラックの子検体に分注するように制御し,
ライン選択手段により,第1搬送ラインから搬出される
ラック,第1移動ラインから搬出される分注処理後のラ
ック,或いは第2移動ラインから搬出される分注処理さ
れた子検体用ラックを,第3搬送ラインの内の何れか1
本に搬入するようにしている。
【0031】以上のように,スタートストッカーまたは
子検体用スタートストッカーにおける第1搬送ラインま
たは第2搬送ラインへのラックまたは子検体用ラックの
選択投入,分注機における分注処理及び第3搬送ライン
へのライン選択,更には,各種分析装置における所定の
分析処理のそれぞれが,局所的に処理され,換言すれば
機能分散的に処理されて,柔軟性の高い検体搬送システ
ムを実現することができる。また,血液,尿等の多種多
様な検体を,分散して設置されている各種分析装置に搬
送して自動的に多項目分析できると共に,高速なオンラ
イン分注を可能とし,高度に省力化・合理化を図り得る
検体搬送システムを実現することができる。
【0032】尚,分注機のライン選択手段の搬出先を1
本の第3搬送ラインとして構成しても良い。例えば,ラ
イン選択手段の搬送先を検査項目に従って大別し,分類
した項目に対応した第3搬送ライン及びそれに接続され
る各種分析装置を構成すれば搬送制御がより単純化され
るという利点もあるが,第3搬送ラインを1本として種
々の各種分析装置を接続した構成しても,局所的な分散
制御で分析処理及び搬送制御を行うこととすれば,制御
が複雑になることもなく,より小規模のシステム構成で
多種多様な検査項目に対処し得る検体搬送システムを実
現できる。
【0033】また,請求項3に係る検体搬送システムで
は,第1搬送ラインまたは第3搬送ラインと各種分析装
置との接続手段として接続ユニットを具備し,該接続ユ
ニットは,第1搬送ラインまたは第3搬送ライン上のラ
ックまたは子検体用ラックを選択的に取り込み,接続す
る各種分析装置に供給するようにしている。また,接続
ユニットには,第1搬送ラインまたは第3搬送ライン上
のラックまたは子検体用ラックの選択的取込み,並びに
接続する各種分析装置へのラックまたは子検体用ラック
の供給を制御する接続制御手段を具備しており,該接続
制御手段は,接続する各種分析装置と相互に信号の授受
を行う例えばRS232C等の信号伝達手段を介して接
続され,また,統括制御手段と相互にデータの授受を行
う例えばイーサネット等のデータ通信手段を介して接続
され,更に,各種分析装置は,統括制御手段と相互にデ
ータの授受を行う例えばイーサネット等のデータ通信手
段を介して接続されている。
【0034】このような構成,並びに,検体識別コード
に対応して与えられる検査項目の内,所定項目について
分析を行う各種分析装置を,当該検体搬送システムの各
所に設置することにより,分析処理についての分散処理
システムを実現し,また同時に,各種分析装置に接続さ
れる接続ユニットによって,各種分析装置へのラックま
たは子検体用ラックの選択的な供給制御若しくはその地
点における搬送制御を行うことにより,搬送制御につい
ての分散処理システムをも実現している。
【0035】このように,検体搬送システム全体の大ま
かなラックまたは子検体用ラックの搬送制御を統括制御
手段によって行い,一方,各種分析装置が第1搬送ライ
ンまたは第3搬送ラインに接続される地点では,より細
かいラックまたは子検体用ラックの搬送制御を接続制御
手段によって行うこととしているので,統括制御手段に
かかる処理の負担が軽減され,例えば,新たに各種分析
装置を追加したり,或いは,各種分析装置を変更する等
の場合には,該各種分析装置に接続ユニットを付加また
は変更して第1搬送ラインまたは第3搬送ラインと接続
すればよく,また,統括制御手段においては,データベ
ース等のシステム仕様を具現している部分の追加または
変更等で対処でき,システム構築における柔軟性を高め
た検体搬送システムを実現することが可能となる。
【0036】また,細かいラックまたは子検体用ラック
の搬送制御を接続ユニットの接続制御手段によって局所
的に行うので,緊急処理等の不定期な特別処理に対して
も総括制御手段に負担をかけることなく,接続制御手段
により個別に,柔軟に,また的確に処理でき,検体搬送
システム全体として矛盾を生じることもないので,結果
として,高速な処理を実現でき,また,人手を煩わせる
ことなく高度に省力化・合理化を図ることができる。
【0037】また,請求項4に係る検体搬送システムで
は,分注制御手段は,分注機本体と相互に信号の授受を
行う例えばRS232C等の信号伝達手段を介して接続
され,また,統括制御手段と相互にデータの授受を行う
例えばイーサネット等のデータ通信手段を介して接続さ
れ,更に,分注機本体は,統括制御手段と相互にデータ
の授受を行う例えばイーサネット等のデータ通信手段を
介して接続されている。
【0038】このような構成により,個々の検体に固有
の検査項目等に応じて行う分注処理についても機能的分
散処理を行うこととなり,また同時に,分注処理に関わ
る搬送制御についても分散処理システムを実現すること
となる。
【0039】また,請求項5に係る検体搬送システムで
は,統括制御手段に,ラック識別コードをキーとし,少
なくとも該ラックまたは子検体用ラックが含む検体の検
体識別コード及び該検体または子検体のラック内位置情
報を保持するラック情報データベースと,検体識別コー
ドをキーとし,少なくとも該検体または子検体について
行うべき検査項目の情報を保持する検体情報データベー
スとを備えた構成としている。
【0040】これらラック情報データベース及び検体情
報データベースにより,当該検体搬送システムが保有す
るラックまたは子検体用ラック及び検体または子検体に
関する情報について,一元的な管理が可能となり,分析
結果情報データベース等の当該検体搬送システムの他の
データベースとのネットワーク等による連携によって,
システムの拡張性が保証される。
【0041】また,不定期な期間の処理に対しても,例
えば緊急処理に対処するためには,ラック情報データベ
ースが表形式であれば,新たに項目を追加して,また接
続制御ユニットの接続制御手段が行う制御シーケンスに
新たな判断処理を追加する等によって対処でき,搬送制
御の柔軟性を高めた検体搬送システムを実現できる。
【0042】また,請求項6に係る検体搬送システムで
は,第3コード読み取り手段は,第1搬送ラインから供
給されるラックのラック識別コードを読み取る際に,当
該第3コード読み取り手段の移動によって,第1搬送ラ
イン上のラックを一旦停止させ,分注制御手段は,ラッ
クの読み取ったラック識別コードに基づき,例えばラッ
ク識別情報データベースを参照して,第1移動ラインに
該ラックを供給すべきか否かを判断し,供給すべき場合
には該ラックをバッファ部の最後部に取り込み,供給す
べきでない場合には第3コード読み取り手段の元の位置
への移動によって,該ラックを第1搬送ライン上に戻す
ようにしている。
【0043】これにより,分注処理の不要なラックにつ
いて,分注機に取り込むことなく第1搬送ライン上をそ
のまま素通りさせて,分注不要ラックのバイパス機能を
実現でき,無駄な迂回によって該ラックの処理時間を長
引かせることなく,検体搬送システム全体の処理効率を
向上させることができる。
【0044】また,請求項7に係る検体搬送システムで
は,第1移動ラインにおいて,バッファ部から供給され
るラックを,第1フィーダ部上に移動した後,分注機本
体の分注動作に同期して移動させるが,この時,分注制
御手段は,第1フィーダ部上にあるラックのラック識別
コード及び該ラックに含まれる検体の検体識別コードに
基づき,例えばラック情報データベース及び検体情報デ
ータベースを参照して,分注機本体の分注対象であるラ
ック内の各検体について,分注が必要か否かを判断し,
分注不要の検体については所定の分注位置に停止しない
ように前記ラックの移動制御を行うこととしている。
【0045】また,分注機本体により分注処理の終了し
たラックについては,第2フィーダ部によって第1搬送
ラインに戻すようにしている。これにより,分注処理の
不要な検体について処理を飛ばす,いわゆる分注不要検
体のジャンプ機能を実現でき,分注機における分注処理
を高速化できる。
【0046】また,請求項8に係る検体搬送システムで
は,分注機において,例えば,バッファ部,第1フィー
ダ部または第2フィーダ部とは別の位置にオフライン用
投入部を設け,該オフライン用投入部に人手により子検
体または子検体用ラックを載置し,切換スイッチによっ
て,第2移動ライン上の子検体用ラックに対して分注を
行う第1分注モードとは独立した,オフライン用投入部
上の子検体または子検体用ラックに対して分注を行う第
2分注モードに分注機本体の動作を遷移させ,検体搬送
システムにおけるオンライン分注及び搬送制御とは独立
したオフライン分注を可能としている。
【0047】非常に高い緊急度で処理を要する場合な
ど,不測の事態は必然的に発生するものであり,いかな
る自動化を実現したとしても,これに対処し得ない場合
が生じることもあり得る。通常動作を行う第1モードと
は独立したマニュアル投入の第2モードを具備すること
により,このような不測の事態にも的確に対処すること
が可能となり,より柔軟な検体搬送システムの構築が可
能となる。
【0048】また,請求項9に係る検体搬送システムで
は,バッファ部を,先に取り込まれたラックの検体並び
方向の側面と,次に取り込まれたラックの検体並び方向
の側面が接するように,ラックを保持するように構成す
るのが望ましい。
【0049】また,請求項10に係る検体搬送システム
では,バッファ部を,先に取り込まれたラックの検体並
び方向に垂直の側面と,次に取り込まれたラックの検体
並び方向に垂直の側面が接するように,ラックを保持す
るように構成するのが望ましい。システムが備える分注
機の構造やシステムレイアウトに応じて,請求項9に係
る検体搬送システムと組み合わせることにより,より柔
軟なシステム設計が可能となる。
【0050】更に,請求項11に係る検体搬送システム
では,開栓機により,第1搬送ライン上のラックに含ま
れる検体の蓋を,該検体の検体識別コードに基づき容器
種別を判断して,自動的に開栓するようにしている。例
えば,検体識別コードのコード形式に容器の種別情報を
含む構成としておけば,該検体識別コードを認識するだ
けで検体容器の高さや径の情報を得て,該情報に応じて
開栓機構の高さ等を自動調節でき,全自動の開栓機を実
現することができる。
【0051】
【実施例】以下,本発明の検体搬送システムの一実施例
について,図面を参照して詳細に説明する。図1は,本
発明の一実施例に係る検体搬送システムの全体構成図で
ある。
【0052】〔実施例の全体構成〕本実施例の検体搬送
システムは,検体識別バーコード(読み取り可能な検体
識別コード)の付された親検体101bまたは子検体1
01aを搬送するために,ラック識別バーコード(読み
取り可能なラック識別コード)の付された親検体用ラッ
ク102bまたは子検体用ラック102aに,例えば親
検体または子検体10本をひとまとめに載置するラック
方式を採用している。
【0053】図1において,本実施例の検体搬送システ
ムは,親搬送ライン103b(請求項にいう第1搬送ラ
イン),子搬送ライン103a(第2搬送ライン),搬
送ライン103(第3搬送ライン),親検体用スタート
ストッカー104b(スタートストッカー),子検体用
スタートストッカー104a,コンソール105(入力
手段),各種分析装置111,接続ユニット112,タ
ーンテーブル114,ターミナルストッカー116a及
び116b,開栓機150,分注機151,並びに,ホ
スト計算機121(統括制御手段)を備えて構成されて
いる。
【0054】子検体用スタートストッカー104a及び
親検体用スタートストッカー104bは,それぞれFI
FO形式のストッカーを複数個具備して構成され,各ス
トッカーへの子検体用ラック102aまたは親検体用ラ
ック102bの投入は,当該検体搬送システムが取り扱
う検査項目に応じて行われるのが望ましい。尚,検査項
目とストッカーの対応が1対1対応とならない場合に
は,検査項目のより上位の概念で予めグループ化し,該
グループ対応で投入するようにしても良い。また,検査
項目毎,或いはグループ毎に仕分ける方法としては,人
手による方法,また,特に親検体用スタートストッカー
104bの場合には,前段に設置される自動仕分機(図
示せず)による方法がある。
【0055】ターンテーブル114は,親搬送ライン1
03b,子搬送ライン103aまたは搬送ライン103
上の分岐点または方向転換点に設置され,ホスト計算機
121の制御指示に基づき,当該ターンテーブル114
上に載置されたラックを回転させて,搬送方向を転換す
るものである。尚,載置される子検体用ラック102a
または親検体用ラック102bの識別は,当該ターンテ
ーブル114の投入口直前の親搬送ライン103b,子
搬送ライン103aまたは搬送ライン103上に設置さ
れているバーコードリーダによって,該子検体用ラック
102aまたは親検体用ラック102bのラック識別コ
ードを読み取ることにより行われる。
【0056】ターミナルストッカー116aは,子検体
用ラック102aまたは親検体用ラック102b内の全
ての検体について行われるべき全検査項目の分析が終了
したラックを,順次蓄積していくストッカーである。ま
た,ターミナルストッカー116bは,分注機151に
よる分注処理で,親検体用ラック102b内の全ての検
体について分析不要となったラックを,順次蓄積してい
くストッカーである。
【0057】コンソール105は,当該検体搬送システ
ムの入力手段であって,親検体用スタートストッカー1
04bに親検体用ラック102bを投入する際に,緊急
度(優先レベル)等の付属情報を入力する場合などに使
用されるものである。またコンソール105は,当該検
体搬送システムの各構成要素(各種分析装置や分注機
等)毎に,データや制御コマンド等の入力手段として構
成しても良い。
【0058】ホスト計算機121は,当該検体搬送シス
テムに供給される子検体101aまたは親検体101b
及び子検体用ラック102aまたは親検体用ラック10
2bの検査項目等の依頼データ及び分析結果データを統
括すると共に,子検体用ラック102aまたは親検体用
ラック102bの当該検体搬送システムにおける搬送制
御を行うものである。例えば,DECpcXL PCI
(UNIXオペレーティングシステム)をCPU122
とし,ハードディスク及び光ディスク等を具備する構成
で実現される。尚,ホスト計算機121は,後述するラ
ック情報データベース124及び検体情報データベース
123等の各種データベースの管理,並びにデータ通信
手段161を通信媒体として構成されるLANの通信制
御,等の機能も果たす。
【0059】各種分析装置111は,検体識別コードに
対応して与えられる検査項目の内,所定項目について分
析を行うものであり,例えば,血清,血漿または尿等に
ついてグルコース,電解質または生化学項目等の分析を
行うものである。各種分析装置111は,装置単独で,
或いは後述する接続ユニット112を介して,搬送ライ
ン103等に接続される。尚,各種分析装置111は,
ホスト計算機121と相互にデータの授受を行うべく,
例えばイーサネット等のLAN(データ通信手段16
1)を介して接続されている。
【0060】接続ユニット112は,それぞれ搬送ライ
ン103等と各種分析装置111とを接続する接続手段
であって,搬送ライン103等上の子検体用ラック10
2aまたは親検体用ラック102bを選択的に取り込
み,各種分析装置111の処理状況に応じて,子検体用
ラック102aまたは親検体用ラック102bを各種分
析装置111に供給するものである。
【0061】また接続ユニット112は,搬送ライン1
03等上の子検体用ラック102aまたは親検体用ラッ
ク102bの選択的取込み,並びに接続する各種分析装
置111への子検体用ラック102aまたは親検体用ラ
ック102bの供給を制御する接続制御手段113を具
備している。
【0062】この接続制御手段113は,接続する各種
分析装置111と相互に信号の授受を行うべく,例えば
RS232C等の信号伝達手段162を介して接続さ
れ,また,ホスト計算機121と相互にデータの授受を
行うべく,例えばイーサネット等のLAN(データ通信
手段161)を介して接続されている。従って,接続制
御手段113は,後述する子検体用ラック102aまた
は親検体用ラック102bのバッファ機能や移動機能を
実現する制御機構の他に,上記LANとのインタフェー
ス及びRS232Cインタフェース等も備えるものであ
る。
【0063】また開栓機151は,親搬送ライン103
b上の親検体用ラック102bに含まれる親検体101
bの蓋を,該親検体101bの検体識別コードに基づき
容器種別を判断して,自動的に開栓する。
【0064】更に分注機151は,分注制御手段(図示
しないが分注機本体151内に含まれる)により,分注
機本体151が,第1移動ライン152〜154上に選
択的に取り込まれた親検体用ラック102bに含まれて
いる親検体101bの内,所定の検査項目を行うことと
なっている親検体101bを,第2移動ライン106a
上の子検体用ラック102aの子検体101aに分注す
るように制御する。
【0065】また,分注制御手段の制御の下にラックチ
ェンジャー155(ライン選択手段)により,第1搬送
ライン152〜154から搬出される親検体用ラック1
02b,第1移動ライン152〜154から搬出される
分注処理後の親検体用ラック102b,或いは第2移動
ライン106aから搬出される分注処理された子検体用
ラック102aを,搬送ライン103またはターミナル
ストッカー116bに向けて搬出する。
【0066】尚,分注機151のライン選択手段の搬出
先を搬送ライン103のみとして構成しても良い。つま
り,ターミナルストッカー116bを無くし,分析が終
了した,或いは,分析不要となった子検体用ラック10
2aまたは親検体用ラック102bを全てターミナルス
トッカー116aに蓄積させる構成である。
【0067】また例えば,ラインチェンジャー155の
搬送先を検査項目に従って大別し,分類した項目に対応
した搬送ライン103及びそれに接続される各種分析装
置111を構成すれば搬送制御がより単純化されるとい
う効果が得られるが,本実施例の検体搬送システムのよ
うに,搬送ライン103を1本として種々の各種分析装
置111等を接続した構成しても,局所的な分散制御で
分析処理及び搬送制御を行うこととすれば,制御が複雑
になることもなく,より小規模のシステム構成で多種多
様な検査項目に対処し得る検体搬送システムを実現でき
る。
【0068】本実施例の検体搬送システムでは,以上の
ような構成により,分析処理についての分散処理システ
ムを実現し,また同時に,各種分析装置111に接続さ
れる接続ユニット112によって,各種分析装置111
への子検体用ラック102aまたは親検体用ラック10
2bの選択的な供給制御,若しくはその地点における搬
送制御を行うことにより,搬送制御についての分散処理
システムをも実現している。
【0069】〔実施例の各構成要素の具体例〕次に,本
実施例の検体搬送システムにおける各構成要素の具体例
について,図を参照しながら詳細に説明する。
【0070】先ず,親検体101bまたは子検体101
aは,図2(a)に示す如く,血清,血漿または尿等の
入った試験管201であって,試験管201には,ラベ
ル属性203とバーコード204とが記載されている検
体ラベル202が貼付されている。バーコード204は
検体識別コードであって,その内容は,例えば,日付
(2桁),受付番号(4桁),容器種別(2桁)及び容
器シーケンス(1桁)で構成される9桁のコードであ
る。また,ラベル属性203としては,ID,氏名,受
付番号,検体種別,緊急マーク,特記事項等が記載され
る。
【0071】また親検体用ラック102bまたは子検体
用ラック102aは,例えば図2(b)に示すような東
亜医用電子製のSYSMEXラック210を使用する。
試験管201を10本まで搭載可能な構成であり,当該
ラックの搬送方向に対して垂直となる側面には,ラック
ラベル211が貼付されている。
【0072】次に,ホスト計算機121が具備するラッ
ク情報データベース124及び検体情報データベース1
23について,図3を参照して説明する。検体情報デー
タベース123は,図3(a)に示す如く,検体識別コ
ードをキーとし,少なくとも該検体の種別,行うべき検
査項目,優先レベルの情報を保持する。検体識別コード
は,検体ラベル202に記載されているバーコード20
4に該当するものである。また優先レベルは,コンソー
ル105等の入力手段により設定されるものである。
【0073】またラック情報データベース124は,図
3(b)に示す如く,ラック識別コードをキーとし,少
なくとも該子検体用ラック102aまたは親検体用ラッ
ク102bが含む子検体102aまたは親検体101b
のラック内位置情報を,位置1から位置10に対応した
検体識別コードとして保持する。ラック識別コードは,
ラックラベル211に記載されているバーコードに該当
するものである。尚,優先レベルについて,ここでは検
体情報データベース123内に検体識別コード毎に付加
される項目として構成したが,ラック情報データベース
124内でラック識別コード毎に付加する構成,或いは
両方のデータベース123及び124で保持する構成と
しても良い。
【0074】このような検体情報データベース123及
びラック情報データベース124の構成により,本実施
例の検体搬送システムが取り扱う子検体101aまたは
親検体101b及び子検体用ラック102aまたは親検
体用ラック102bに関する情報について,一元的な管
理が可能となる。また,分析結果を保持する分析結果情
報データベース等の,当該検体搬送システムにおいて構
成される他のデータベースとのネットワーク等による連
携,或いは,リレーショナルなデータベースシステムを
構築することにより,システムの拡張性も保証されるこ
ととなる。
【0075】また,不定期な期間の処理,例えば,緊急
処理に対しては,本実施例のように検体情報データベー
ス123及びラック情報データベース124を表形式と
した場合には,項目「優先レベル」を付加した構成とす
ることにより対処可能である。尚,優先レベルを考慮し
たラックの搬送制御及び分配制御については,後述す
る。
【0076】次に,スタートストッカー104について
図4を参照して説明する。図4は,本実施例で使用する
親検体用スタートストッカー104bの構成図である。
尚,子検体用スタートストッカー104aについても親
検体用スタートストッカー104bと同等或いは類似の
構成であるので,説明を省略する。
【0077】図4において,本実施例の親検体用スター
トストッカー104bは,緊急投入口104b−1,F
IFO形式のストッカー104b−2及び104b−
3,緊急投入口104b−1並びに各ストッカー104
b−2及び104b−3の最前列のラックのラック識別
コードを130b−1〜130b−3の位置に移動して
読み取るバーコードリーダー130b(請求項にいう第
1コード読み取り手段),親搬送ライン103bの投入
口に設置されたバーコードリーダー131b,並びに,
バーコードリーダー130b及び131bで読み取りエ
ラーの発生したラックをストックする待避ストッカー1
04b−4を備えて構成されている。
【0078】本実施例のスタートストッカー104bで
は,緊急投入口104b−1並びに各ストッカー104
b−2及び104b−3への親検体用ラック102bの
投入は,人手によって行われることを前提としている
が,各ストッカー104b−2及び104b−3の切り
分けは,当該検体搬送システムが取り扱う検査項目或い
は検体の種類に応じて行われるのが望ましい。
【0079】例えば,電解質分析についてはストッカー
104b−2,グルコース分析についてはストッカー1
04b−3に,或いは,血液の検体についてはストッカ
ー104b−2,尿の検体の分析についてはストッカー
104b−3に,といった具合である。尚,検体搬送シ
ステムが取り扱う検査項目等とストッカーの対応が1対
1対応とならない場合には,検査項目のより上位の概念
で予めグループ化し,該グループ対応で投入するように
しても良い。
【0080】親搬送ライン103bに投入する親検体用
ラック102bの選択方法については,各種分析装置1
11等及び接続ユニット112等の構造に関わるので,
接続ユニット112等のバッファ部141のバッファ数
の設定及び再設定方法と併せて説明する。
【0081】次に,開栓機151の動作について図5を
参照して説明する。図5は本実施例における親検体を搭
載した親検体用ラック102bの断面図である。
【0082】開栓機151は,親搬送ライン103b上
の親検体用ラック102bに含まれる親検体101bに
ついて,検体識別コードに基づき容器501−1〜50
1−10の種別を判断して,該親検体101bの蓋50
2を自動的に開栓する。検体情報データベース124の
説明で述べたように,検体識別コードのコード形式には
容器の種別情報を含んでおり,該検体識別コードを認識
するだけで検体容器501−1〜501−10の高さや
径の情報を得ることができ,該情報に応じて開栓機構の
高さ等を自動的に調節することにより,開栓動作を全自
動で行うことができる。
【0083】次に,分注機について図6を参照して説明
する。図6は本実施例で使用する分注機の構成図であ
る。
【0084】図6において,本実施例の分注機は,分注
機本体151,親搬送ライン103bと接続する第1移
動ライン152〜154,子搬送ライン103aと接続
する第2移動ライン106a,第1移動ライン152〜
154上の親検体用ラック102bに含まれている分注
が必要な親検体101bを,第2移動ライン106a上
の子検体用ラック102aの子検体101aに分注する
よう制御する分注制御手段,並びに,第1移動ライン1
52〜154または親搬送ライン103bから搬出され
る親検体用ラック102b,或いは第2移動ライン10
6aから搬出される子検体用ラック102aを搬送ライ
ン103またはターミナルストッカー116bに搬出す
るラインチェンジャー155を備えて構成されている。
【0085】更に,親搬送ラインから第1移動ライン1
52〜154への取り込み口には,親検体用ラック10
2bのラック識別コードを読み取るバーコードリーダー
133b(第3コード読み取り手段)を具備し,また,
子搬送ライン103aと第2移動ライン106aとを接
続する場所には,子検体用ラック102aのラック識別
コードを読み取るバーコードリーダー133aを具備し
ている。
【0086】また第1移動ラインは,所定数まで親検体
用ラック102bを保持するFIFO形式のバッファ部
152,該バッファ部152から供給される親検体用ラ
ック102bを分注機本体151の分注動作に同期して
移動させる第1フィーダ部153,並びに,分注機本体
151による分注の終了した親検体用ラック102bを
親搬送ライン103b上に戻す第2フィーダ部154を
備えて構成されている。
【0087】次に,第1移動ライン152〜154にお
いて,分注制御手段によって行われる,親検体用ラック
102bのバッファ部152への取り込み及び蓄積,第
1フィーダ部153への供給及び第1フィーダ部153
における移動,第2フィーダ部154における移動等の
制御について説明する。
【0088】先ず,バーコードリーダー133bが位置
133b’に移動することによって親搬送ライン103
b上の親検体用ラック102bを一旦停止させ,該親検
体用ラック102bのラック識別コードを読み取る。分
注制御手段が行う親検体用ラック102bの取込み判断
は,先ず,該親検体用ラック102bのラック識別コー
ドをキーとしてラック情報データベース124及び検体
情報データベース123にアクセスし,親検体用ラック
102b中に分注機151によって分注すべき検体が含
まれているか否かを判断することによって行われる。
【0089】つまり,分注すべき検体が含まれている時
に,バッファ部152に親検体用ラック102bが取り
込まれることになる。また,そうでないときには,バー
コードリーダー133bを位置133b’から元の位置
に移動することにより,親検体用ラック102bはその
まま親搬送ライン103b上を移動することとなる。
【0090】これにより,分注を要しない親検体用ラッ
ク102bについては,親搬送ライン103b上をその
まま素通りさせて,「分注不要ラックのバイパス機能」
を実現でき,無駄な迂回によって該親検体用ラック10
2bの処理時間を長引かせることなく,また,分注機1
51に不要な負荷を課することなく搬送制御することが
でき,検体搬送システム全体の処理効率を向上させるこ
とができる。
【0091】次に,こうしてバッファ部152に順次ラ
ックが蓄積されていくと同時に,バッファ部152で
は,取り込まれた順に,即ちFIFO順に,第1フィー
ダ部153に対して親検体用ラック102bを押し出す
ことによって,親検体用ラック102bを供給する。
【0092】第1フィーダ部153では,親検体用ラッ
ク102bを分注機本体151の分注動作に同期して順
次移動させる。この時,分注制御手段は,第1フィーダ
部153上にある親検体用ラック102bのラック識別
コードに基づき,ラック情報データベース124及び検
体情報データベース123を参照して,分注機本体15
1の分注対象の親検体用ラック102b内の各親検体1
01bについて分注が必要か否かを判断し,分注不要の
検体については所定の分注位置に停止しないように親検
体用ラック102bの移動制御を行う。これにより,分
注不要な検体について飛ばす,「分注不要検体のジャン
プ機能」を実現でき,当該分注機151におけるオンラ
イン分注の処理を高速化できる。
【0093】またバッファ部152は,第1フィーダ部
153上に親検体用ラック1個分のスペースが生じる
と,すぐに第1フィーダ部153に対して親検体用ラッ
ク102bを押し出し,また,親検体用ラック102b
内の検体の相互間隔と,親検体用ラックの終端に位置す
る検体とそれに続く親検体用ラックの先端に位置する検
体の相互間隔が等しくなるよう親検体用ラック102b
を形成しているので,親検体用ラックが数珠繋ぎ式に第
1フィーダ部153に供給される限り,間断無く分注機
151は処理を行うことができ,処理効率を向上させる
ことができる。
【0094】更に,分注機本体151による分注の終了
した親検体用ラック102bは,第2フィーダ部154
によって,親搬送ライン103b上に押し戻され,ライ
ンチェンジャー155内の移動治具611へと移動す
る。つまり,移動治具611の移動によって,分注処理
後の親検体用ラック102bは,分析処理が必要な場合
には搬送ライン103に,分析処理が不要な場合にはタ
ーミナルストッカー116bへと搬出される。
【0095】一方では,バッファ部152に親検体用ラ
ック102bが取り込まれると,ホスト計算機121
は,該親検体用ラック102bのラック識別コードに基
づき,ラック情報データベース124及び検体情報デー
タベース123を参照して,含まれている各親検体10
1bについて,必要な検査項目から適正分注量を自動的
に計算し,必要な子検体101aを含む子検体用ラック
102aを子検体用スタートストッカー104aから,
順次,子搬送ライン102aに搬出する。尚,分注量は
検査項目によって定まり,例えば,25〜1000[u
l]の広い範囲の分注量をカバーできることとしてい
る。
【0096】子搬送ライン103a上の子検体用ラック
102aは,バーコードリーダー133aでラック識別
コードが読み取られた後に第2移動ライン106aに搬
入されるが,子検体用ラック102aの第2移動ライン
106aへの搬入及び第2移動ライン106a上での移
動制御は,第1フィーダ部153上の親検体用ラック1
02bの移動制御に同期して行われ,分注対象の親検体
101bについて適正分注量となるように行われる。つ
まり,分注量に応じて第2移動ライン106a上の子検
体用ラック102aの移動速度を変化させるので,子検
体用ラック102a内の子検体101aに順番に分注す
ることができ,空きの子検体を生じることがない。
【0097】更に,分注機本体151による分注の終了
した子検体用ラック102aは,第2移動ライン106
aによってラインチェンジャー155内の移動治具61
1へ押し出される。ラインチェンジャー155では,移
動治具611の移動によって,分注処理後の子検体用ラ
ック102aは搬送ライン103へと搬出される。
【0098】このように,分注機151において,分注
の必要な親検体用ラック102bを選択的に取り込ん
で,個々の親検体101bに固有の検査項目等に応じて
分注処理を行い,更にラインチェンジャー155では,
それぞれの親検体用ラック102bまたは子検体用ラッ
ク102aが含む親検体101bまたは子検体101a
の検査項目等に応じて,搬送ライン103またはターミ
ナルストッカー116bへのライン選択を行うので,高
速なオンライン分注が可能となる。
【0099】また,図6に示す具体例の構成図では,分
注機は,人手により子検体101aまたは子検体用ラッ
ク102aを載置し得るオフライン用分注子検体テーブ
ル601(請求項にいうオフライン用投入部)を具備し
ている。つまり,該オフライン用分注子検体テーブル6
01に人手によって子検体101aまたは子検体用ラッ
ク102aを載置し,システムの搬送制御に伴うオンラ
イン分注処理とは独立または並行して,オフライン分析
用の分注処理を可能としている。
【0100】オンライン分注処理と独立してオフライン
分析用の分注処理を行う場合には,切換スイッチ等によ
って,第2移動ライン106a上の子検体用ラック10
2aについて分析を行う第1分注モードとは独立して,
オフライン用分注子検体テーブル601上の子検体10
1aまたは子検体用ラック102aに対して分注を行う
第2分注モードに各種分析装置の動作を遷移させ,シス
テムの搬送制御によるオンライン分注処理とは独立した
分注を行うこととなる。
【0101】また,検体間のクロスコンタミを無くすた
めに,ディスポチップ設置エリア602を設けて,使用
済みの分注プローブを廃棄して,異なる検体間では分注
プローブをディスポーザブルに扱うこととしている。
尚,図6中,603は分注ヘッドが移動可能な領域を示
している。
【0102】更に,オンライン分注またはオフライン分
注の処理において,検体量が不足している場合や,フィ
ブリン検出(ハードウェアの障害)等のエラーが検出さ
れた場合には,例えばコンソール105に,その旨を表
示するようにしている。
【0103】次に,ターミナルストッカーについて図7
を参照して説明する。図7は,本実施例で使用するター
ミナルストッカー116aの構成図であり,ターミナル
ストッカー116bについても同様である。
【0104】図7において,ターミナルストッカー11
6aは,バーコードリーダー734,並びに,ストッカ
ー116a−1及び116a−2を備えて構成されてい
る。ストッカー116a−1及び116a−2には,親
検体用ラック102bまたは子検体用ラック102a内
の全ての親検体101bまたは子検体101aについ
て,当該検体搬送システムによって行われるべき全検査
項目の分析が終了したラックを,順次蓄積していく。
【0105】バーコードリーダー734は,位置73
4’に移動することによって搬送されてくる親検体用ラ
ック102bまたは子検体用ラック102aを停止させ
るストッパーの機能も有しており,該位置534’にお
いて,親検体用ラック102bまたは子検体用ラック1
02aのラック識別コードを読み取り,ホスト計算機1
21の制御の下,所定の分類法に基づいてストッカー1
16a−1及び116a−2に仕分けする。尚,所定の
分類法には,検査項目や検体の種類等に基づく分類があ
る。
【0106】次に,接続ユニットについて図8を参照し
て説明する。図8は,第1具体例に係る接続ユニット1
11の構成図であり,バーコードリーダー132,バッ
ファ部141,第1フィーダ部142,第2フィーダ部
143及び接続制御手段113を備えて構成されてい
る。
【0107】第1具体例の接続ユニット112の特徴的
な処はバッファ部141の形状である。即ち,先に取り
込まれたラックの検体並び方向の側面と,次に取り込ま
れるラックの検体並び方向の側面が接するように,ラッ
クを保持する構成であり,移動制御が最も簡単とされる
FIFO形式のバッファである。
【0108】接続制御手段113は,親搬送ライン10
3bまたは搬送ライン103上の親検体用ラック102
bまたは子検体用ラック102aの選択的取込み,バッ
ファ部141の最大バッファ数の設定及び変更,並び
に,接続する各種分析装置111への親検体用ラック1
02bまたは子検体用ラック102aの供給等を制御す
る。また接続制御手段113は,接続する各種分析装置
111と相互に信号の授受を行うため,RS232Cの
信号伝達手段162を介して接続され,また,ホスト計
算機121と相互にデータの授受を行うため,イーサネ
ットのLAN(データ通信手段161)を介して接続さ
れている。従って,接続制御手段113は,LANとの
インタフェース及びRS232Cインタフェース等も備
える。
【0109】以上の構成を前提として,先に,親検体用
スタートストッカー104bにおける親搬送ライン10
3bに投入する親検体用ラック102bの選択方法につ
いて,図4を参照して説明する。先ず,緊急投入口10
4b−1に設置された親検体用ラック102bについて
は,バーコードリーダー130bによって該ラックのラ
ック識別コードが読み取られ,ホスト計算機121に報
知される。ホスト計算機121では,該ラックの依頼デ
ータ,該依頼データについて処理可能な各種分析装置1
11等のバッファ数或いは処理可能なラック数,検体数
または分析回数の最大値,並びに,バッファ部141が
現時点で保持している子検体用ラックまたは親検体用ラ
ックのラック識別コード等々に基づき,搬送先の各種分
析装置を決定して,親搬送ライン103bに該親検体用
ラックを投入する。
【0110】また,ストッカー104b−2及び104
b−3に設置された親検体用ラックについては,バーコ
ードリーダー130bを130b−2,130b−3の
位置に移動して,ストッカー104b−2及び104b
−3の最前列にある親検体用ラックについてラック識別
コードが読み取られ,ホスト計算機121に報知され
る。ホスト計算機121では,該ラック群の依頼デー
タ,該依頼データについて処理可能な各種分析装置11
1等のバッファ数或いは処理可能なラック数,検体数ま
たは分析回数の最大値,並びに,バッファ部141が現
時点で保持している子検体用ラックまたは親検体用ラッ
クのラック識別コードに基づいて,該ラック群から親搬
送ライン103bに投入すべき親検体用ラックを選択す
ると共に,搬送先の各種分析装置を決定している。
【0111】このように,投入すべき親検体用ラック1
02bの選択及び該ラックの搬送先である各種分析装置
の決定は,ホスト計算機121により,当該検体搬送シ
ステムの運用・稼働状況等によって行われる。これによ
り,検体搬送システムが備える各種分析装置の負荷状況
及びシステム全体の負荷状況に応じた運用が可能とな
り,ボトルネックを回避して,検体搬送システム全体の
検査処理の高速化を図ることができる。
【0112】また,各種分析装置111等の負荷状況の
判断は,例えば次のような方法が採られる。つまり,図
8において,該各種分析装置111の接続制御手段11
3に,接続ユニット112内のバッファ部141が現時
点で保持している子検体用ラックまたは親検体用ラック
のラック識別コードをホスト計算機121に報知させ,
ホスト計算機121が各種分析装置111の分析所要時
間を予測する方法である。
【0113】尚,分析所要時間を予測する方法として
は,バッファ部141が保持するラック群について,ラ
ック識別コードに基づきラック情報データベース124
を参照し,該ラックに含まれる検体について検体情報デ
ータベース123を参照することにより,各種分析装置
111が処理すべき検査項目毎の検体数または分析回数
を算出し,検査項目毎に予め設定されている単位処理時
間を掛け合わせ,これらの総和をとって得られる時間を
分析所要時間とする方法がある。
【0114】このように,ホスト計算機121が,各種
分析装置111等における検査項目毎の分析すべき検体
数を算出して,ある親検体用ラック102bを親搬送ラ
イン103b上に投入した場合に,各種分析装置111
における該親検体用ラックまたは分注生成される子検体
用ラックの検査終了時間を予測でき,例えば,該親検体
用ラックまたは子検体用ラックが所有する検体の種類,
検査項目,或いは,該親検体用ラックに課せられている
緊急度等に応じて,選択投入対象である親検体用ラック
群から何れの親検体用ラックを投入すべきかを適格に判
断することができるので,検査処理の高速化を図ること
が可能となる。
【0115】一方,子検体用スタートストッカー104
aにおける子搬送ライン103aに投入する子検体用ラ
ック102aの選択方法は,親検体用スタートストッカ
ー104bにおける親検体用ラック102bの親搬送ラ
イン103bへの投入状況に応じて行われる。例えば,
先の分注機151の説明でも示したように,ホスト計算
機121が,分注機のバッファ部152に親検体用ラッ
ク102bが取り込まれる際に,該親検体用ラック10
2bのラック識別コードに基づいて,ラック情報データ
ベース124及び検体情報データベース123を参照し
て,該親検体用ラック102bに含まれている各親検体
101bについて,必要な検査項目から適正分注量を計
算し,必要な子検体101aを含む子検体用ラック10
2aを子検体用スタートストッカー104aから,順
次,子搬送ライン102aに搬出する,という方法であ
る。
【0116】次に,接続ユニット112におけるバッフ
ァ部141のバッファ数の設定または再設定の方法につ
いて説明する。図8において,バッファ部141の最大
バッファ数の設定は,ホスト計算機121により,当該
検体搬送システムの運用・稼働状況等によって設定され
るものである。またホスト計算機121は,各種分析装
置の処理能力及び親検体用ラック102bまたは子検体
用ラック102aの投入状況等に応じて最大バッファ数
を再設定する。これにより,親搬送ライン103bまた
は搬送ライン103上に親検体用ラック102bまたは
子検体用ラック102aが滞ることなく,スムーズな搬
送制御が可能となる。また,この最大バッファ数を,ホ
スト計算機121内で設定されるパラメータとして取り
扱い,コンソール105によってユーザが設定できるよ
うにしても良い。
【0117】また,バッファ部141の最大バッファ数
の再設定は,接続ユニット112の処理状況に応じて,
接続制御手段113が単独で行うようにすることも可能
である。例えば,緊急処理や後述のマニュアル投入に対
応して,任意に最大バッファ数を再設定することが可能
であれば,不定期な特別の処理に柔軟に対応できると共
に,当該検体搬送システムの他の部分に対して及ぼす影
響を低減でき,検体搬送システムの全体的な処理能力を
低下させることなく,不定期な特別の処理を行うことが
できる。
【0118】尚,接続制御手段113単独による最大バ
ッファ数の再設定は,ホスト計算機121の制御下で行
うべきである。つまり,ホスト計算機121が許可する
場合にのみ,接続制御手段113による再設定が行える
よう許容/禁止フラグ等を具備するのが望ましい。
【0119】また,接続制御手段113が行う最大バッ
ファ数の再設定の方法としては,バッファ部141が保
持するラック群について,接続する各種分析装置111
の分析所要時間を予測し,該分析所要時間に基づきバッ
ファ数を設定する方法もある。
【0120】尚,分析所要時間を予測する方法として
は,バッファ部141が保持するラック群について,ラ
ック識別コードに基づきラック情報データベース124
を参照し,該ラックに含まれる親検体または子検体につ
いて検体情報データベース123を参照することによ
り,各種分析装置111が処理すべき検査項目毎の検体
数または分析回数を算出し,検査項目毎に予め設定され
ている単位処理時間を掛け合わせ,これらの総和をとっ
て得られる時間を分析所要時間とする方法がある。
【0121】このような分析所要時間の予測に基づい
て,例えば,各種分析装置111が過負荷状態にあると
判断した場合には,接続制御手段113により,接続ユ
ニット112のバッファ数141をより少ない数に再設
定すれば,後に続く親検体用ラックまたは子検体用ラッ
クは,同一の検査項目を分析する他の各種分析装置に回
されて,各種分析装置111に親検体用ラックまたは子
検体用ラックが滞ってボトルネックとなることを回避で
きる。
【0122】また別の最大バッファ数の再設定の方法と
して,接続制御手段113がバッファ部141に保持さ
れているラック群のラック識別コードをホスト計算機1
21にデータ通信手段161を介して報知し,ホスト計
算機121により再設定することとしても良い。即ち,
ホスト計算機121は,報知されたラック識別コードに
基づいて各種分析装置111における分析所要時間を予
測し,該分析所要時間に基づき接続ユニット112の最
大バッファ数を再設定する。
【0123】このように,各種分析装置毎に,接続制御
手段113がバッファ部141に保持されるラック群の
ラック識別コードをホスト計算機121に報知すれば,
ホスト計算機121は,各種分析装置の分析所要時間を
予測して,各種分析装置毎に負荷状態を的確に把握する
ことが可能となり,例えばある各種分析装置が過負荷状
態にあると判断した場合には,該接続ユニットのバッフ
ァ数をより少ない数に再設定することにより,該各種分
析装置が当該検体搬送システムの搬送経路におけるボト
ルネックとなることを回避できる。
【0124】また,この予測した分析所要時間を,ラッ
クの分配処理においても考慮することとすれば,検体搬
送システム全体の検査処理の高速化を図ることが可能と
なる。尚,本実施例の検体搬送システムの基調は,分散
処理システムにあることから,親検体用ラック102b
または子検体用ラック102aの搬送制御については,
可能な限り接続ユニット112等の接続制御手段113
に分担させ,システム全体の統括的な制御のみをホスト
計算機121が司るように構成するのが望ましい。
【0125】次に,接続ユニット112において,接続
制御手段113によって,親検体用ラック102bまた
は子検体用ラック102aの移動,蓄積及び供給等の制
御がどのようにして行われるかについて説明する。尚,
以下では,親検体101bまたは子検体101aを検体
101といい,親検体用ラック102bまたは子検体用
ラック102aをラック102といい,親搬送ライン1
03bまたは搬送ライン103を搬送ライン103とい
うものとする。
【0126】先ず,バーコードリーダー132が位置1
32’に移動することによって搬送ライン103上のラ
ック102を一旦停止させ,該ラック102のラック識
別コードを読み取る。当該接続ユニット112が接続す
る各種分析装置111が,他の各種分析装置とグループ
(群)を形成している場合には,該ラック102をバッ
ファ部141に取り込むか否かの判断は,後述するホス
ト計算機121の分配処理に委ねられ,グループを形成
していない場合には,接続制御手段113が該ラック1
02をバッファ部141に取り込むか否かを判断する。
【0127】接続制御手段113が行うラック102の
取込み判断は,先ず,該ラック102のラック識別コー
ドをキーとしてラック情報データベース124及び検体
情報データベース123にアクセスし,ラック102中
に各種分析装置111によって検査すべき検体が含まれ
ているか否かを判断し,次に,バッファ部141がホス
ト計算機121または接続制御手段113により設定ま
たは再設定された最大バッファ数に達しているか否かを
判断することによって行われる。
【0128】つまり,検査すべき検体が含まれ且つ最大
バッファ数に達していないときに,バッファ部141に
ラック102が取り込まれることになる。また,そうで
ないときには,バーコードリーダーを位置132’から
元の位置132に移動することにより,ラック102は
そのまま搬送ライン103上を移動することとなる。
【0129】これにより,各種分析装置111について
検査を要しないラックについては,搬送ライン103上
をそのまま素通りさせて,「測定不要ラックのバイパス
機能」を実現でき,無駄な迂回によって該ラックの処理
時間を長引かせることなく,また,各種分析装置に不要
な負荷を課することなく搬送制御することができ,更
に,同一検査項目についての複数台接続による負荷配分
並行運転が可能となると同時に,相互にバックアップ運
転が可能となり,検体搬送システム全体の処理効率を向
上させることができる。
【0130】また,接続制御手段113が行う供給すべ
きか否かの判断を,各種分析装置111が検査すべき検
体の有無によって行うのでなく,装置に固有のラック内
検体数によって行うようにしても良い。つまり,接続制
御手段113は,各種分析装置111が行う分析項目に
ついて分析することとなっている該ラック内の検体数を
算出し,該各種分析装置111に固有の所定数以上であ
れば供給せず,また所定数未満であれば供給することと
して,他の各種分析装置に委ねるようにするものであ
る。これにより,例えば各種分析装置113の処理能力
に応じた前記固有数を設定することとすれば,検体搬送
システム全体として適切な負荷分配が可能となり,処理
効率を向上させることができる。
【0131】次に,こうしてバッファ部141に順次ラ
ックが蓄積されていくと同時に,バッファ部141で
は,取り込まれた順に,即ちFIFO順に,第1フィー
ダ部142に対してラック102を押し出すことによっ
て,ラック102を供給する。
【0132】第1フィーダ部142では,ラック102
を各種分析装置111の分析動作に同期して順次移動さ
せる。この時,接続制御手段111は,第1フィーダ部
142上にあるラック102のラック識別コードに基づ
き,ラック情報データベース124及び検体情報データ
ベース123を参照して,各種分析装置111の分析対
象のラック102内の各検体について分析が必要か否か
を判断し,分析不要の検体については所定の分析位置に
停止しないようにラック102の移動制御を行う。これ
により,測定不要な検体について飛ばす,「測定不要検
体のジャンプ機能」を実現でき,当該各種分析装置にお
ける分析処理を高速化できる。
【0133】またバッファ部141は,第1フィーダ部
142上にラック1個分のスペースが生じると,すぐに
第1フィーダ部142に対してラック102を押し出
し,また,ラック102内の検体の相互間隔と,ラック
の終端に位置する検体とそれに続くラックの先端に位置
する検体の相互間隔が等しくなるようラック102を形
成しているので,ラックが数珠繋ぎ式に第1フィーダ部
142に供給される限り,間断無く各種分析装置111
は処理を行うことができ,処理効率を向上させることが
できる。
【0134】更に,各種分析装置111による分析の終
了したラック102は,第2フィーダ部143によっ
て,搬送ライン103上に押し戻され,次の各種分析装
置またはターミナルストッカー116へと移動する。
【0135】また,図8に示す具体例の構成図では,接
続ユニット112において,バッファ部141と第2フ
ィーダ部143とを隔てる壁部に,マニュアル投入部を
設け,該マニュアル投入部の範囲も各種分析装置111
のサンプリングポイントとし得る構造となっている。つ
まり,該マニュアル投入部に人手によってラックまたは
検体を載置し,システムの搬送制御による検体測定とは
独立または並行して,マニュアルによる割り込み測定を
可能としている。
【0136】搬送ライン検体測定と独立してマニュアル
割り込み測定を行う場合には,切換スイッチ等によっ
て,第1フィーダ部142上のラックについて分析を行
う第1モードとは独立して,マニュアル投入部上のラッ
クについて分析を行う第2モードに各種分析装置の動作
を遷移させ,システムの搬送制御による検体測定とは独
立した分析を行うこととなる。
【0137】このように,通常動作を行う第1モードと
は独立して,ラックまたは検体単位でマニュアル投入し
得る第2モードを具備することにより,上述のような不
測の事態に的確に対処することが可能となる。また,S
TAT(マニュアル操作による緊急割込測定),再検処
理(検体搬送システム内で測定が終了した検体について
の再度の測定),コントロール測定(患者検体ではな
く,分析装置の精度管理のために行われる概値検体測
定),オフライン測定(システム管理外のコンピュータ
に登録されていない検体の測定)等においても有効であ
り,より柔軟な検体搬送システムの実現が可能となる。
【0138】尚,各種分析装置が第2モードの間は,統
括制御手段は,該各種分析装置を稼働休止状態にあると
みなして,同等の検査項目について分析し得る他の各種
分析装置に該分析を委ね,接続制御手段により,ラック
のバッファ部への取り込みを禁止して,ラックをバイパ
スさせるように制御して,第1モードに復帰後,該各種
分析装置を元の状態から再開させるようにすることも可
能である。
【0139】また図9は,第2具体例に係る接続ユニッ
ト112の構成図であり,バーコードリーダー132
b,ターンテーブル915,バッファ部141b,第1
フィーダ部142b,第2フィーダ部143b及び接続
制御手段113bを備えて構成されている。
【0140】第2具体例の接続ユニット112bの特徴
的な処はバッファ部141bの形状である。即ち,先に
取り込まれたラックの検体並び方向に垂直の側面と,次
に取り込まれたラックの検体並び方向に垂直の側面が接
するように,ラックを保持する構成であり,移動制御が
最も簡単とされるFIFO形式のバッファである。
【0141】先に説明した第1具体例の接続ユニット1
12と第2具体例の接続ユニット112bの使い分け
は,当該検体搬送システムが具備すべき各種分析装置の
構造やシステムレイアウトによる制約等に従って行わ
れ,両者を組み合わせることにより,より柔軟なシステ
ム設計が可能となる。
【0142】第2具体例の接続ユニット112bにおけ
る,バッファ部141bの最大バッファ数の設定及び再
設定の方法,測定不要ラックのバイパス機能,測定不要
検体のジャンプ機能,ラック単位のエマージェンシイモ
ード等は,第1具体例の接続ユニット112と同様であ
る。
【0143】第2具体例の接続ユニット112bでは,
先ずバーコードリーダー132bの位置132b’への
移動によってラック102のラック識別コードを読み取
り,次にターンテーブル915を介してラック102の
取込みまたは搬送ライン103上の移動が行われる。第
1具体例の接続ユニット112と同様の取込み判断によ
り,取り込む場合にはターンテーブル915を90
[度]回転させて接続ユニット112bのバッファ部1
41bの方向に移動方向を転換する。また,取り込まな
い場合には,ターンテーブル915をそのままとして搬
送ライン103上を移動させる。
【0144】尚,第2具体例の接続ユニット112bに
おいても,バッファ部141bと第1フィーダ部142
bとを隔てる壁部に厚みを持たせて,第1具体例と同様
に,マニュアル投入部を設け,通常動作を行う第1モー
ドとは独立して,ラックまたは検体単位でマニュアル投
入し得る第2モードを具備することも可能である。
【0145】また,本実施例の更なる変形例として,分
注機におけるバッファ部152の構成を,第2具体例に
係る接続ユニット(図9参照)のバッファ部141bに
準じた構造で形成してもよい。
【0146】つまり,図6で示したバッファ部152
は,先に取り込まれた親検体用ラック102bの親検体
101bの並び方向の側面と,次に取り込まれた親検体
用ラック102bの親検体101bの並び方向の側面が
接するように,親検体用ラック102bを保持する構造
であったが,変形例のバッファ部は,先に取り込まれた
親検体用ラック102bの親検体101bの並び方向に
垂直の側面と,次に取り込まれた親検体用ラック102
bの親検体101bの並び方向に垂直の側面が接するよ
うに,親検体用ラック102bを保持する構造である。
【0147】〔実施例の検体搬送システムによる効果〕
以上,本実施例の検体搬送システムについて,構成要素
等の特徴的説明に付随してそれぞれの効果を述べたが,
検体搬送システム全体としても以下のような効果を奏す
る。つまり,検体搬送システム全体の大まかな親検体用
ラック102bまたは子検体用ラック102aの搬送制
御をホスト計算機121によって行い,一方,各種分析
装置111等が親搬送ライン103bまたは搬送ライン
103に接続される地点では,より細かい親検体用ラッ
ク102bまたは子検体用ラック102aの搬送制御を
接続制御手段113等によって行うこととしているの
で,ホスト計算機121にかかる処理の負担が軽減さ
れ,例えば,新たに各種分析装置を追加したり,或い
は,各種分析装置を変更する等の場合には,該各種分析
装置に接続ユニットを付加または変更して搬送ライン1
03等と接続すればよく,また,ホスト計算機121に
おいては,データベース等のシステム仕様を具現してい
る部分の追加または変更等で対処でき,システム構築に
おける柔軟性を高めた検体搬送システムを実現すること
が可能となる。
【0148】また,細かい親検体用ラック102bまた
は子検体用ラック102aの搬送制御を接続ユニット1
12等の接続制御手段113等によって局所的に行うの
で,緊急処理等の不定期な特別処理に対してもホスト計
算機121に負担をかけることなく,接続制御手段11
3等により個別に,柔軟に,また的確に処理でき,検体
搬送システム全体として矛盾を生じることもないので,
結果として,高速な処理を実現でき,また,人手を煩わ
せることなく高度に省力化・合理化を図ることができ
る。
【0149】
【発明の効果】以上説明したように,本発明の請求項1
に係る検体搬送システムによれば,ラック方式を採用
し,分注機において,分注の必要なラックを選択的に取
り込んで,個々の検体に固有の検査項目等に応じて分注
処理を行い,それぞれのラックまたは子検体用ラックが
含む検体または子検体の検査項目等に応じて,搬送先で
ある第3搬送ラインのライン選択を行うこととしたの
で,高速なオンライン分注が可能な検体搬送システムを
提供することができる。
【0150】また,第3搬送ラインに所定の分析処理を
局所的に制御し得る各種分析装置を配置して,機能分散
的に制御することとすれば,柔軟性の高い検体搬送シス
テムを実現することができ,また,血液,尿等の多種多
様な検体を自動的に多項目分析でき,高度に省力化・合
理化を図り得る検体搬送システムを提供することができ
る。
【0151】また,分注機のライン選択手段の搬出先を
1本の第3搬送ラインとして構成すれば,分散制御され
る各種分析装置と合わせて,より小規模のシステム構成
で多種多様な検査項目に対処し得る検体搬送システムを
提供することができる。
【0152】また,請求項2に係る検体搬送システムに
よれば,ラック方式を採用し,統括制御手段は,当該検
体搬送システムに供給される検体及び子検体或いはラッ
クまたは子検体用ラックの検査項目等の依頼データ及び
分析結果データを統括すると共に,ラックまたは子検体
用ラックの搬送制御を行い,またスタートストッカーに
おいて,第1コード読み取り手段は,スタートストッカ
ーに保持されているラックの内,第1選択投入対象ラッ
ク群について,検体識別コード及びラック識別コードを
順次読み取って統括制御手段に報知し,統括制御手段
は,選択投入対象ラック群の依頼データ及び各種分析装
置の負荷情報に基づいて,選択投入対象ラック群からラ
ックを選択して,順次,第1搬送ラインに投入し,更に
子検体用スタートストッカーにおいて,第2コード読み
取り手段は,子検体用スタートストッカーに保持されて
いる子検体用ラックの内,第2選択投入対象ラック群に
ついて,検体識別コード及びラック識別コードを順次読
み取って統括制御手段に報知し,統括制御手段は,第1
選択投入対象ラック群の投入状況に応じて,第2選択投
入対象ラック群から子検体用ラックを選択して,順次,
第2搬送ラインに投入することとしたので,偏った依頼
情報を持つ検体または子検体或いはラックまたは子検体
用ラックが一時期に集中した場合でも,依頼データ及び
各種分析装置の負荷情報に基づいて第1搬送ラインに投
入すべきラックを選択し,第1搬送ラインのラックの投
入状況に応じて第2搬送ラインに投入すべき子検体用ラ
ックを選択するので,第1搬送ライン,第2搬送ライン
及び第3搬送ライン上で渋滞を引き起こすことなく,結
果として,検体処理の高速化を図り得る検体搬送システ
ムを提供することができる。
【0153】また分注機において,分注制御手段によ
り,分注機本体が,第1移動ライン上に選択的に取り込
まれたラックに含まれる所定の検体を,第2移動ライン
上の子検体用ラックの子検体に分注するように制御し,
ライン選択手段により,第1搬送ラインから搬出される
ラック,第1移動ラインから搬出される分注処理後のラ
ック,或いは第2移動ラインから搬出される分注処理さ
れた子検体用ラックを,第3搬送ラインの内の何れか1
本に搬入することとし,スタートストッカーまたは子検
体用スタートストッカーにおける第1搬送ラインまたは
第2搬送ラインへのラックまたは子検体用ラックの選択
投入,分注機における分注処理及び第3搬送ラインへの
ライン選択,更には,各種分析装置における所定の分析
処理のそれぞれが,局所的,機能分散的に処理されて,
柔軟性の高い検体搬送システムを実現でき,また,血
液,尿等の多種多様な検体を,分散して設置されている
各種分析装置に搬送して自動的に多項目分析できると共
に,高速なオンライン分注を可能とし,高度に省力化・
合理化を図り得る検体搬送システムを提供することがで
きる。
【0154】また,請求項3に係る検体搬送システムに
よれば,第1搬送ラインまたは第3搬送ラインと各種分
析装置との接続手段として接続ユニットを具備して,第
1搬送ラインまたは第3搬送ライン上のラックまたは子
検体用ラックを選択的に取り込み,接続する各種分析装
置に供給し,また,接続ユニットには,第1搬送ライン
または第3搬送ライン上のラックまたは子検体用ラック
の選択的取込み,並びに接続する各種分析装置へのラッ
クまたは子検体用ラックの供給を制御する接続制御手段
を具備して,該接続制御手段を,接続する各種分析装置
と相互に信号の授受を行う信号伝達手段を介して接続
し,また,統括制御手段と相互にデータの授受を行うデ
ータ通信手段を介して接続し,更に,各種分析装置を,
統括制御手段と相互にデータの授受を行うデータ通信手
段を介して接続する構成として,分析処理についての分
散処理システム並びに搬送制御についての分散処理シス
テムをも実現し,検体搬送システム全体の大まかなラッ
クまたは子検体用ラックの搬送制御を統括制御手段によ
って行い,一方,各種分析装置が第1搬送ラインまたは
第3搬送ラインに接続される地点では,より細かいラッ
クまたは子検体用ラックの搬送制御を接続制御手段によ
って行うこととしているので,統括制御手段にかかる処
理の負担が軽減され,例えば,新たに各種分析装置を追
加したり,或いは,各種分析装置を変更する等の場合に
は,該各種分析装置に接続ユニットを付加または変更し
て第1搬送ラインまたは第3搬送ラインと接続すればよ
く,また,統括制御手段においては,データベース等の
システム仕様を具現している部分の追加または変更等で
対処でき,システム構築における柔軟性を高めた検体搬
送システムを提供することができる。
【0155】また,細かいラックまたは子検体用ラック
の搬送制御を接続ユニットの接続制御手段によって局所
的に行うので,緊急処理等の不定期な特別処理に対して
も総括制御手段に負担をかけることなく,接続制御手段
により個別に,柔軟に,また的確に処理でき,検体搬送
システム全体として矛盾を生じることもないので,結果
として,高速な処理を実現でき,また,人手を煩わせる
ことなく高度に省力化・合理化を図ることができる。
【0156】また,請求項4に係る検体搬送システムに
よれば,分注制御手段を,分注機本体と相互に信号の授
受を行う信号伝達手段を介して接続し,また,統括制御
手段と相互にデータの授受を行うデータ通信手段を介し
て接続し,更に,分注機本体を,統括制御手段と相互に
データの授受を行うデータ通信手段を介して接続する構
成としたので,個々の検体に固有の検査項目等に応じて
行う分注処理について機能的分散処理を行うと同時に,
分注処理に関わる搬送制御についても分散処理システム
を実現した検体搬送システムを提供することができる。
【0157】また,請求項5に係る検体搬送システムに
よれば,統括制御手段にラック情報データベース及び検
体情報データベースとを備えた構成としたので,当該検
体搬送システムが保有するラックまたは子検体用ラック
及び検体または子検体に関する情報について,一元的な
管理が可能となり,分析結果情報データベース等の当該
検体搬送システムの他のデータベースとのネットワーク
等による連携によって,システムの拡張性を保証し,搬
送制御の柔軟性を高めた検体搬送システムを提供するこ
とができる。
【0158】また,請求項6に係る検体搬送システムに
よれば,第3コード読み取り手段は,第1搬送ラインか
ら供給されるラックのラック識別コードを読み取る際
に,当該第3コード読み取り手段の移動によって,第1
搬送ライン上のラックを一旦停止させ,分注制御手段
は,ラックの読み取ったラック識別コードに基づき,例
えばラック識別情報データベースを参照して,第1移動
ラインに該ラックを供給すべきか否かを判断し,供給す
べき場合には該ラックをバッファ部の最後部に取り込
み,供給すべきでない場合には第3コード読み取り手段
の元の位置への移動によって,該ラックを第1搬送ライ
ン上に戻すこととし,分注処理の不要なラックについ
て,分注機に取り込むことなく第1搬送ライン上をその
まま素通りさせて,分注不要ラックのバイパス機能を実
現でき,無駄な迂回によって該ラックの処理時間を長引
かせることなく,システム全体の処理効率を向上させ得
る検体搬送システムを提供することができる。
【0159】また,請求項7に係る検体搬送システムに
よれば,第1移動ラインにおいて,バッファ部から供給
されるラックを第1フィーダ部上に移動した後分注機本
体の分注動作に同期して移動させる際に,分注制御手段
は,第1フィーダ部上にあるラックのラック識別コード
及び該ラックに含まれる検体の検体識別コードに基づ
き,分注機本体の分注対象であるラック内の各検体につ
いて,分注が必要か否かを判断し,分注不要の検体につ
いては所定の分注位置に停止しないようにラックの移動
制御を行うこととしたので,分注処理の不要な検体につ
いて処理を飛ばす,いわゆる分注不要検体のジャンプ機
能を実現でき,分注機における分注処理を高速化し得る
検体搬送システムを提供することができる。
【0160】また,請求項8に係る検体搬送システムに
よれば,分注機において,オフライン用投入部に人手に
より子検体または子検体用ラックを載置し,切換スイッ
チによって,第2移動ライン上の子検体用ラックに対し
て分注を行う第1分注モードとは独立した,オフライン
用投入部上の子検体または子検体用ラックに対して分注
を行う第2分注モードに分注機本体の動作を遷移させる
こととしたので,検体搬送システムにおけるオンライン
分注及び搬送制御とは独立したオフライン分注を行うこ
とができ,より柔軟なシステム構築が可能な検体搬送シ
ステムを提供することができる。
【0161】また,請求項9に係る検体搬送システムに
よれば,バッファ部を,先に取り込まれたラックの検体
並び方向の側面と,次に取り込まれたラックの検体並び
方向の側面が接するように,ラックを保持するように構
成し,また,請求項10に係る検体搬送システムによれ
ば,バッファ部を,先に取り込まれたラックの検体並び
方向に垂直の側面と,次に取り込まれたラックの検体並
び方向に垂直の側面が接するように,ラックを保持する
ように構成することとしたので,システムが備える分注
機の構造やシステムレイアウトに応じて,請求項9また
は請求項10に係る検体搬送システムを組み合わせるこ
とにより,より柔軟なシステム設計が可能となる。
【0162】更に,請求項11に係る検体搬送システム
によれば,開栓機により,第1搬送ライン上のラックに
含まれる検体の蓋を,該検体の検体識別コードに基づき
容器種別を判断して,自動的に開栓することとしたので
全自動の開栓機を備える検体搬送システムを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る検体搬送システムの全
体構成図である。
【図2】図2(a)は検体の外観図であり,図2(b)
はラックの斜視図である。
【図3】図3(a)は検体情報データベースの構成説明
図であり,図3(b)はラック情報データベースの構成
説明図である。
【図4】実施例で使用するスタートストッカーの構成図
である。
【図5】実施例で使用する検体を搭載したラックの側面
図である。
【図6】実施例で使用する分注機の構成図である。
【図7】実施例で使用するターミナルストッカーの構成
図である。
【図8】第1具体例に係る接続ユニットの構成図であ
る。
【図9】第2具体例に係る接続ユニットの構成図であ
る。
【符号の説明】
101 検体 101a 子検体 101b 親検体 102 ラック 102a 子検体用ラック 102b 親検体用ラック 103 搬送ライン 103a 子搬送ライン 103b 親搬送ライン 104a 子検体用スタートストッカー 104b 親検体用スタートストッカー 105 コンソール(入力手段) 111 各種分析装置 112,112b 接続ユニット 113,113b 接続制御手段 114,915 ターンテーブル 116a,116b ターミナルストッカー 121 ホスト計算機(統括制御手段) 122 CPU 123 検体情報データベース 124 ラック情報データベース 130a〜133b バーコードリーダー(コード読み
取り手段) 141,141b バッファ部 142,142b 第1フィーダ部 143,143b 第2フィーダ部 150 開栓機 151 分注機本体 152〜154 第1移動ライン 106a 第2移動ライン 152 バッファ部 153 第1フィーダ部 154 第2フィーダ部 155 ラインチェンジャー(ライン選択手段) 161 データ通信手段 162,162b 信号伝達手段 201 試験管 202 検体ラベル 203 ラベル属性 204 バーコード 210 SYSMEXラック 211 ラックラベル 104b−1〜104b−4 ストッカー 501−1〜501−10 検体 502 蓋 601 オフライン用分注子検体テーブル 602 ディスポチップ設定エリア 603 分注ヘッド移動エリア 611 ラック移動載置具 734 バーコードリーダー

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 読み取り可能な検体識別コードの付され
    た検体と,所定数の前記検体をひとまとめにして含み,
    読み取り可能なラック識別コードの付されたラックと,
    前記ラックを所定方向に搬送する第1搬送ラインと,読
    み取り可能な検体識別コードが付され,前記検体を少量
    に分注して持つ子検体と,所定数の前記子検体をひとま
    とめにして含み,読み取り可能なラック識別コードの付
    された子検体用ラックと,前記子検体用ラックを所定方
    向に搬送する第2搬送ラインと,前記ラックまたは前記
    子検体用ラックを所定方向に搬送する少なくとも1本以
    上の第3搬送ラインと,前記第1搬送ラインまたは前記
    第3搬送ラインに接続され,前記検体識別コードに対応
    して与えられる検査項目の内,所定項目について分析を
    行う各種分析装置と,前記第1搬送ラインと接続する第
    1移動ラインと,前記第2搬送ラインと接続する第2移
    動ラインと,前記第1移動ライン上の前記ラックに含ま
    れる所定の検体を,前記第2移動ライン上の前記子検体
    用ラックの子検体に分注するよう制御する分注制御手段
    と,前記第1移動ラインまたは前記第1搬送ラインから
    搬出されるラック,或いは前記第2移動ラインから搬出
    される子検体用ラックを,何れか1本の第3搬送ライン
    に搬入するライン選択手段と,を備える分注機と,を有
    することを特徴とする検体搬送システム。
  2. 【請求項2】 読み取り可能な検体識別コードの付され
    た検体と,所定数の前記検体をひとまとめにして含み,
    読み取り可能なラック識別コードの付されたラックと,
    前記ラックを所定方向に搬送する第1搬送ラインと,前
    記検体識別コード及び前記ラック識別コードを読み取る
    第1コード読み取り手段を備え,前記第1搬送ラインに
    投入すべき前記ラックを複数個保持するスタートストッ
    カーと,読み取り可能な検体識別コードが付され,前記
    検体を少量に分注して持つ子検体と,所定数の前記子検
    体をひとまとめにして含み,読み取り可能なラック識別
    コードの付された子検体用ラックと,前記子検体用ラッ
    クを所定方向に搬送する第2搬送ラインと,前記ラック
    識別コードを読み取る第2コード読み取り手段を備え,
    前記第2搬送ラインに投入すべき前記子検体用ラックを
    複数個保持する子検体用スタートストッカーと,前記ラ
    ックまたは前記子検体用ラックを所定方向に搬送する少
    なくとも1本以上の第3搬送ラインと,前記第1搬送ラ
    インまたは前記第3搬送ラインに接続され,前記検体識
    別コードに対応して与えられる検査項目の内,所定項目
    について分析を行う各種分析装置と,前記第1搬送ライ
    ンと接続する第1移動ラインと,前記第2搬送ラインと
    接続する第2移動ラインと,前記第1移動ライン上の前
    記ラックに含まれる所定の検体を,前記第2移動ライン
    上の前記子検体用ラックの子検体に分注するよう制御す
    る分注制御手段と,前記第1移動ラインまたは前記第1
    搬送ラインから搬出されるラック,或いは前記第2移動
    ラインから搬出される子検体用ラックを,何れか1本の
    第3搬送ラインに搬入するライン選択手段と,を備える
    分注機と,当該検体搬送システムに供給される前記検体
    及び前記子検体及びまたは前記ラック及び子検体用ラッ
    クの検査項目等の依頼データ及び分析結果データを統括
    し,前記ラック及び子検体用ラックの搬送制御を行う統
    括制御手段と,を有し,前記第1コード読み取り手段
    は,前記スタートストッカーに保持されているラックの
    内,所定数のラック(以下,第1選択投入対象ラック群
    という)について,前記検体識別コード及び前記ラック
    識別コードを順次読み取って前記統括制御手段に報知
    し,前記第2コード読み取り手段は,前記子検体用スタ
    ートストッカーに保持されている子検体用ラックの内,
    所定数の子検体用ラック(以下,第2選択投入対象ラッ
    ク群という)について,前記ラック識別コードを順次読
    み取って前記統括制御手段に報知し,前記統括制御手段
    は,前記第1選択投入対象ラック群の依頼データ並びに
    前記各種分析装置の負荷情報に基づいて,前記第1選択
    投入対象ラック群から前記第1搬送ラインに投入するラ
    ックを選択し,前記第1選択投入対象ラック群の投入状
    況に応じて,前記第2選択投入対象ラック群から前記第
    2搬送ラインに投入するラックを選択することを特徴と
    する検体搬送システム。
  3. 【請求項3】 前記検体搬送システムは,前記第1搬送
    ラインまたは前記第3搬送ラインと前記各種分析装置と
    を接続する接続手段であって,前記第1搬送ラインまた
    は前記第3搬送ライン上のラックまたは子検体用ラック
    を選択的に取り込み,接続する各種分析装置に供給する
    接続ユニットを有し,前記接続ユニットは,前記第1搬
    送ラインまたは前記第3搬送ライン上のラックまたは子
    検体用ラックの選択的取込み,並びに接続する各種分析
    装置へのラックまたは子検体用ラックの供給を制御する
    接続制御手段を有し,前記接続制御手段は,接続する各
    種分析装置と相互に信号の授受を行う信号伝達手段を介
    して接続され,前記統括制御手段と相互にデータの授受
    を行うデータ通信手段を介して接続され,前記各種分析
    装置は,前記統括制御手段と相互にデータの授受を行う
    データ通信手段を介して接続されることを特徴とする請
    求項2記載の検体搬送システム。
  4. 【請求項4】 前記分注制御手段は,分注機本体と相互
    に信号の授受を行う信号伝達手段を介して接続され,前
    記統括制御手段と相互にデータの授受を行うデータ通信
    手段を介して接続され,前記分注機本体は,前記統括制
    御手段と相互にデータの授受を行うデータ通信手段を介
    して接続されることを特徴とする請求項2または3記載
    の検体搬送システム。
  5. 【請求項5】 前記統括制御手段は,前記ラック識別コ
    ードをキーとし,少なくとも該ラックまたは子検体用ラ
    ックが含む検体の検体識別コード及び該検体のラック内
    位置情報を保持するラック情報データベースと,前記検
    体識別コードをキーとし,少なくとも該検体または子検
    体について行うべき検査項目の情報を保持する検体情報
    データベースと,を有することを特徴とする請求項2,
    3または4記載の検体搬送システム。
  6. 【請求項6】 前記分注機は,前記第1搬送ラインから
    供給されるラックのラック識別コードを読み取る第3コ
    ード読み取り手段を有し,前記第1移動ラインは,所定
    数までラックを保持するバッファ部を有し,前記第3コ
    ード読み取り手段は,前記ラックのラック識別コードを
    読み取る際に,当該第3コード読み取り手段の移動によ
    って,前記第1搬送ライン上のラックを一旦停止させ,
    前記分注制御手段は,前記ラックの読み取ったラック識
    別コードに基づき前記第1移動ラインに該ラックを供給
    すべきか否かを判断し,供給すべき場合には該ラックを
    前記バッファ部の最後部に取り込み,供給すべきでない
    場合には前記第3コード読み取り手段の元の位置への移
    動によって,該ラックを前記第1搬送ライン上に戻すこ
    とを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の検
    体搬送システム。
  7. 【請求項7】 前記第1移動ラインは,所定数までラッ
    クを保持するバッファ部と,前記バッファ部から供給さ
    れるラックを,前記分注機本体の分注動作に同期して移
    動させる第1フィーダ部と,前記分注機本体による分注
    の終了したラックを前記第1搬送ライン上に戻す第2フ
    ィーダ部と,を有し,前記分注制御手段は,前記分注機
    本体の分注対象のラック内の各検体について,該ラック
    のラック識別コード及び該検体の検体識別コードに基づ
    いて分注が必要か否かを判断し,分注不要の検体につい
    ては所定の分注位置に停止しないように前記ラックの移
    動制御を行うことを特徴とする請求項1,2,3,4,
    5または6記載の検体搬送システム。
  8. 【請求項8】 前記分注機は,人手により子検体または
    子検体用ラックを載置し得るオフライン用投入部と,前
    記第2移動ライン上の子検体用ラックに対して分注を行
    う第1分注モードとは独立した,前記オフライン用投入
    部上の子検体または子検体用ラックに対して分注を行う
    第2分注モードに,前記分注機本体の動作を遷移させる
    切換スイッチと,を有することを特徴とする請求項1,
    2,3,4,5,6または7記載の検体搬送システム。
  9. 【請求項9】 前記バッファ部は,先に取り込まれたラ
    ックの検体並び方向の側面と,次に取り込まれたラック
    の検体並び方向の側面が接するように,ラックを保持す
    ることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7
    または8記載の検体搬送システム。
  10. 【請求項10】 前記バッファ部は,先に取り込まれた
    ラックの検体並び方向に垂直の側面と,次に取り込まれ
    たラックの検体並び方向に垂直の側面が接するように,
    ラックを保持することを特徴とする請求項1,2,3,
    4,5,6,7または8記載の検体搬送システム。
  11. 【請求項11】 前記検体搬送システムは,前記第1搬
    送ライン上のラックに含まれる検体の蓋を,該検体の検
    体識別コードに基づき容器種別を判断して,自動的に開
    栓する開栓機を有することを特徴とする請求項1,2,
    3,4,5,6,7,8,9または10記載の検体搬送
    システム。
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