JPH0940423A - 六チタン酸アルカリ金属複合化合物粉末およびその製造方法 - Google Patents
六チタン酸アルカリ金属複合化合物粉末およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH0940423A JPH0940423A JP18872595A JP18872595A JPH0940423A JP H0940423 A JPH0940423 A JP H0940423A JP 18872595 A JP18872595 A JP 18872595A JP 18872595 A JP18872595 A JP 18872595A JP H0940423 A JPH0940423 A JP H0940423A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- alkali metal
- powder
- hexatitanate
- compound
- granules
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】自動車用ブレーキパッド等の摩擦材,樹脂補強
材,塗料充填材等として有用なチタン酸アルカリ金属複
合化合物粉末を提供する。 【構成】この粉末は、六チタン酸アルカリ金属とチタニ
アとの微細結晶粒が混在結合した球状粒子(例えば平均
粒径40μm)からなる。チタン化合物とアルカリ金属
化合物を、TiO2 /M2 O>6(Mは、K,Na,L
i,Rb等のアルカリ金属元素)となる割合に配合した
微細粉末混合物を造粒し、約700〜1300℃で焼成
処理した後、解砕処理(振動ふるい)することにより得
られる。粉末の球状粒子径は、例えば100μm以下で
あり、これは原料粉末混合物の造粒粉の粒径により任意
に制御することができる。
材,塗料充填材等として有用なチタン酸アルカリ金属複
合化合物粉末を提供する。 【構成】この粉末は、六チタン酸アルカリ金属とチタニ
アとの微細結晶粒が混在結合した球状粒子(例えば平均
粒径40μm)からなる。チタン化合物とアルカリ金属
化合物を、TiO2 /M2 O>6(Mは、K,Na,L
i,Rb等のアルカリ金属元素)となる割合に配合した
微細粉末混合物を造粒し、約700〜1300℃で焼成
処理した後、解砕処理(振動ふるい)することにより得
られる。粉末の球状粒子径は、例えば100μm以下で
あり、これは原料粉末混合物の造粒粉の粒径により任意
に制御することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摩擦材,強化プラ
スチックの補強材,樹脂塗料充填材等として有用な、耐
摩耗性,補強性,耐熱性等にすぐれた六チタン酸アルカ
リ金属複合化合物の球状粒子からなる粉末およびその製
造方法に関する。
スチックの補強材,樹脂塗料充填材等として有用な、耐
摩耗性,補強性,耐熱性等にすぐれた六チタン酸アルカ
リ金属複合化合物の球状粒子からなる粉末およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チタン酸アルカリ金属は、一般式:M2
Tin O2n+1〔式中,Mはアルカリ金属元素,nは2〜
8〕で示される合成無機化合物である。なかでも、トン
ネル型結晶構造を有する六チタン酸アルカリ金属(M2
Ti6 O13)は、耐熱性,耐摩耗性,補強性,化学的安
定性等にすぐれ、アスベスト繊維の代替材として各種分
野での工学的応用が期待され、例えば自動車用ブレーキ
装置の摩擦材料,強化プラスチック用補強材,樹脂塗料
用充填材,断熱材,耐熱材等として実用化が試みられて
いる。
Tin O2n+1〔式中,Mはアルカリ金属元素,nは2〜
8〕で示される合成無機化合物である。なかでも、トン
ネル型結晶構造を有する六チタン酸アルカリ金属(M2
Ti6 O13)は、耐熱性,耐摩耗性,補強性,化学的安
定性等にすぐれ、アスベスト繊維の代替材として各種分
野での工学的応用が期待され、例えば自動車用ブレーキ
装置の摩擦材料,強化プラスチック用補強材,樹脂塗料
用充填材,断熱材,耐熱材等として実用化が試みられて
いる。
【0003】チタン酸アルカリ金属の代表的な合成法の
一つとして焼成法が知られている。焼成法によれば、二
酸化チタン(TiO2 )または加熱によりTiO2 を生
成するチタン化合物と、酸化アルカリ金属(M2 O)ま
たは加熱によりM2 Oを生成するアルカリ金属化合物と
を所定の比率に混合し、焼成処理することにより、反応
生成物としてチタン酸アルカリ金属が生成する。通常チ
タン酸アルカリ金属の粉末は、微細単結晶繊維(ウィス
カー)または多結晶繊維として製造されている。これ
は、繊維形状に基づく配向性により、樹脂等の他材種と
の複合材を製造する場合の補強作用を高めることを意図
したものである。他方、粉末の形態を球状粒子とするこ
とにより、粉末の流動性や他材種に配合する場合の分散
性等を高め、複合成形品の均質性・寸法精度等を改善す
ること等も提案されている(特開平7-53214 号公報)。
一つとして焼成法が知られている。焼成法によれば、二
酸化チタン(TiO2 )または加熱によりTiO2 を生
成するチタン化合物と、酸化アルカリ金属(M2 O)ま
たは加熱によりM2 Oを生成するアルカリ金属化合物と
を所定の比率に混合し、焼成処理することにより、反応
生成物としてチタン酸アルカリ金属が生成する。通常チ
タン酸アルカリ金属の粉末は、微細単結晶繊維(ウィス
カー)または多結晶繊維として製造されている。これ
は、繊維形状に基づく配向性により、樹脂等の他材種と
の複合材を製造する場合の補強作用を高めることを意図
したものである。他方、粉末の形態を球状粒子とするこ
とにより、粉末の流動性や他材種に配合する場合の分散
性等を高め、複合成形品の均質性・寸法精度等を改善す
ること等も提案されている(特開平7-53214 号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、チタン酸ア
ルカリ金属の特性を改良することを目的とするものであ
り、六チタン酸アルカリ金属とチタニアとを混在させた
球状粒子からなる粉末が六チタン酸アルカリ金属単相の
繊維または球形状を有する粉末では得られない改良され
た特性を有することを見出してなされたものである。
ルカリ金属の特性を改良することを目的とするものであ
り、六チタン酸アルカリ金属とチタニアとを混在させた
球状粒子からなる粉末が六チタン酸アルカリ金属単相の
繊維または球形状を有する粉末では得られない改良され
た特性を有することを見出してなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の六チタン酸アル
カリ金属複合化合物粉末は、六チタン酸アルカリ金属
〔M2 Ti6 O13〕(Mはアルカリ金属元素)の結晶粒
とチタニアの結晶粒とが結合した球形状を有する粒子か
らなることを特徴としている。本発明の上記粉末は、T
iO2 または加熱によりTiO2 を生成するチタン化合
物と、M2 O〔Mは上記と同じ〕または加熱によりM2
Oを生成するアルカリ金属化合物とを、TiO2 /M2
O(モル比)>6となる割合に混合した粉末混合物を造
粒し、700〜1300℃で焼成処理する工程により製
造される。
カリ金属複合化合物粉末は、六チタン酸アルカリ金属
〔M2 Ti6 O13〕(Mはアルカリ金属元素)の結晶粒
とチタニアの結晶粒とが結合した球形状を有する粒子か
らなることを特徴としている。本発明の上記粉末は、T
iO2 または加熱によりTiO2 を生成するチタン化合
物と、M2 O〔Mは上記と同じ〕または加熱によりM2
Oを生成するアルカリ金属化合物とを、TiO2 /M2
O(モル比)>6となる割合に混合した粉末混合物を造
粒し、700〜1300℃で焼成処理する工程により製
造される。
【0006】本発明の複合化合物粉末は、六チタン酸ア
ルカリ金属とチタニアの混相効果および球形粒子である
形状効果として、例えば摩擦材の用途においては、六チ
タン酸アルカリ金属単相からなる繊維状ないし球状粉末
では得られない高摩擦係数を確保することを可能にす
る。球状粒子の粒径は、焼成原料粉末の造粒粉の粒径に
より、また六チタン酸アルカリ金属結晶とチタニアの複
合比率(量比)は、原料粉末混合物のTiO2 /M 2 O
のモル比によりそれぞれ任意に制御される。
ルカリ金属とチタニアの混相効果および球形粒子である
形状効果として、例えば摩擦材の用途においては、六チ
タン酸アルカリ金属単相からなる繊維状ないし球状粉末
では得られない高摩擦係数を確保することを可能にす
る。球状粒子の粒径は、焼成原料粉末の造粒粉の粒径に
より、また六チタン酸アルカリ金属結晶とチタニアの複
合比率(量比)は、原料粉末混合物のTiO2 /M 2 O
のモル比によりそれぞれ任意に制御される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の複合化合物粉末は、チタ
ン化合物とアルカリ金属化合物とからなる原料粉末混合
物を、TiO2 /M2 O(モル比)>6となるように調
合し、これを造粒し、焼成処理することにより製造され
る。複合化合物粉末を構成する六チタン酸アルカリ金属
とチタニアの結晶相の量比は、原料混合物のTiO2 /
M2 Oのモル比により制御される。すなわち、原料混合
物中のTiO2 とM2 Oは、TiO2 /M2 O=6の比
率(モル比)で反応して六チタン酸アルカリ金属の結晶
を生成し、その結晶中に、余剰のTiO2 量が混在した
複合化合物が得られる。原料混合物のTiO2 /M2 O
(モル比)をNで表すと、複合化合物を構成する両相の
量比(チタニア結晶/六チタン酸アルカリ金属結晶のモ
ル比)は、(N−6)/1である。
ン化合物とアルカリ金属化合物とからなる原料粉末混合
物を、TiO2 /M2 O(モル比)>6となるように調
合し、これを造粒し、焼成処理することにより製造され
る。複合化合物粉末を構成する六チタン酸アルカリ金属
とチタニアの結晶相の量比は、原料混合物のTiO2 /
M2 Oのモル比により制御される。すなわち、原料混合
物中のTiO2 とM2 Oは、TiO2 /M2 O=6の比
率(モル比)で反応して六チタン酸アルカリ金属の結晶
を生成し、その結晶中に、余剰のTiO2 量が混在した
複合化合物が得られる。原料混合物のTiO2 /M2 O
(モル比)をNで表すと、複合化合物を構成する両相の
量比(チタニア結晶/六チタン酸アルカリ金属結晶のモ
ル比)は、(N−6)/1である。
【0008】本発明の複合粉末を製造するための焼成原
料粉末の一方の成分であるチタン化合物は、精製アナタ
ーゼ粉末,精製ルチル粉末等であり、またハロゲン化
物,硫酸塩,硝酸塩,水和物等を使用することもでき
る。チタン化合物に配合されるアルカリ金属(Na,
K,Rb,Li等)の化合物は、酸化物,炭酸塩等が好
ましく、この他に,硫酸塩,硝酸塩,ハロゲン化合物,
水酸化物等を使用することもできる。これらの粉末は比
較的微細な粒度のものが好ましく使用される。
料粉末の一方の成分であるチタン化合物は、精製アナタ
ーゼ粉末,精製ルチル粉末等であり、またハロゲン化
物,硫酸塩,硝酸塩,水和物等を使用することもでき
る。チタン化合物に配合されるアルカリ金属(Na,
K,Rb,Li等)の化合物は、酸化物,炭酸塩等が好
ましく、この他に,硫酸塩,硝酸塩,ハロゲン化合物,
水酸化物等を使用することもできる。これらの粉末は比
較的微細な粒度のものが好ましく使用される。
【0009】チタン化合物とアルカリ金属化合物とから
なる原料粉末混合物は、これに適量の水(例えば、粉末
重量の約1〜3倍量)を加えてスラリーとし、湿式噴霧
乾燥処理に付し、乾燥物として適度の粒度を有する造粒
粉を得、ついでこれを焼成処理する。焼成処理は、温度
約700〜1300℃で行なうことを要する。700℃
を下限とするのは、それより低い温度域では、六チタン
酸アルカリ金属結晶の生成反応が生起しないからであ
る。好ましくは、800℃以上の温度が適用される。1
300℃を上限とするのは、それを越えると、六チタン
酸アルカリ金属の繊維成長が助長され、より高温化する
と、生成したチタン酸アルカリ金属結晶の溶融を生じ、
結果として製品粉末の球状粒子形態が損なわれるからで
ある。なお、焼成反応で生成する六チタン酸アルカリ金
属の結晶中に混在するチタニアの結晶相は焼成温度によ
り異なる。比較的低温度(約900℃以下)の焼成処理
を行った場合のチタニアはアナターゼ型であり、比較的
高温域(約950℃以上)の処理ではルチル型のチタニ
アとなり、その中間の温度域ではアナターゼ型とルチル
型の混合となる。
なる原料粉末混合物は、これに適量の水(例えば、粉末
重量の約1〜3倍量)を加えてスラリーとし、湿式噴霧
乾燥処理に付し、乾燥物として適度の粒度を有する造粒
粉を得、ついでこれを焼成処理する。焼成処理は、温度
約700〜1300℃で行なうことを要する。700℃
を下限とするのは、それより低い温度域では、六チタン
酸アルカリ金属結晶の生成反応が生起しないからであ
る。好ましくは、800℃以上の温度が適用される。1
300℃を上限とするのは、それを越えると、六チタン
酸アルカリ金属の繊維成長が助長され、より高温化する
と、生成したチタン酸アルカリ金属結晶の溶融を生じ、
結果として製品粉末の球状粒子形態が損なわれるからで
ある。なお、焼成反応で生成する六チタン酸アルカリ金
属の結晶中に混在するチタニアの結晶相は焼成温度によ
り異なる。比較的低温度(約900℃以下)の焼成処理
を行った場合のチタニアはアナターゼ型であり、比較的
高温域(約950℃以上)の処理ではルチル型のチタニ
アとなり、その中間の温度域ではアナターゼ型とルチル
型の混合となる。
【0010】焼成処理の後、焼成反応生成物を、振動ふ
るい等の軽度の解砕処理に付すことにより、六チタン酸
アルカリ金属とチタニアの結晶粒からなる球状粒子の粉
末が収得される。得られる粉末は、原料粉末混合物の造
粒粉の粒子形態をほぼそのまま受け継ぎ、真球に近似し
た球形状を有している。球状粒子からなる粉末の粒度
は、粉末の用途・使用態様等により異なるが、例えば1
0〜100μm程度の粒径ものもが好適である。その粒
径は上記のように原料粉末の造粒粉の粒径により制御す
ることができる。
るい等の軽度の解砕処理に付すことにより、六チタン酸
アルカリ金属とチタニアの結晶粒からなる球状粒子の粉
末が収得される。得られる粉末は、原料粉末混合物の造
粒粉の粒子形態をほぼそのまま受け継ぎ、真球に近似し
た球形状を有している。球状粒子からなる粉末の粒度
は、粉末の用途・使用態様等により異なるが、例えば1
0〜100μm程度の粒径ものもが好適である。その粒
径は上記のように原料粉末の造粒粉の粒径により制御す
ることができる。
【0011】
【実施例】二酸化チタン粉末(精製アナターゼ粉末)と
アルカリ金属炭酸塩の粉末を混合して出発原料とする。
精製アナターゼ粉末の粒径は約1μm以下である。上記
粉末混合物に、2倍量(重量比)の水を添加してスラリ
ーを調製した後、湿式噴霧乾燥機(スプレードライヤ
ー)で処理して造粒粉(平均粒径:約45μm)を得
る。造粒粉をアルミナるつぼに入れ、電気炉で焼成処理
し、焼成処理後、反応生成物を振動ふるいにかけ、解砕
された粉末を得る。
アルカリ金属炭酸塩の粉末を混合して出発原料とする。
精製アナターゼ粉末の粒径は約1μm以下である。上記
粉末混合物に、2倍量(重量比)の水を添加してスラリ
ーを調製した後、湿式噴霧乾燥機(スプレードライヤ
ー)で処理して造粒粉(平均粒径:約45μm)を得
る。造粒粉をアルミナるつぼに入れ、電気炉で焼成処理
し、焼成処理後、反応生成物を振動ふるいにかけ、解砕
された粉末を得る。
【0012】表1に、原料粉末混合物の配合組成(Ti
O2 /M2 Oのモル比),焼成処理温度、および焼成反
応生成物の結晶構成を示す。表中、No.1〜6 は発明例、
No.11 および12は比較例(TiO2 /M2 O≦6)であ
る。得られた粉末は、走査型電子顕微鏡により、造粒粉
の粒子形態と同様の真球に近似した球状粒子であること
が観察される(平均粒径は約40μm)。発明例No.1〜
6 の製品粉末を構成する六チタン酸アルカリ金属とチタ
ニアの結晶相は、原料粉末のTiO2 /M2 O比に対応
した混相構成を有し、他方比較例No.11 (原料粉末のT
iO2 /M2 O=6)の粉末は、六チタン酸アルカリ金
属結晶の単相粒子からなる粉末であり、No.12 (原料粉
末のTiO2 /M2 O=4)の粉末は、四チタン酸アル
カリ金属の単相粒子からなる粉末である。
O2 /M2 Oのモル比),焼成処理温度、および焼成反
応生成物の結晶構成を示す。表中、No.1〜6 は発明例、
No.11 および12は比較例(TiO2 /M2 O≦6)であ
る。得られた粉末は、走査型電子顕微鏡により、造粒粉
の粒子形態と同様の真球に近似した球状粒子であること
が観察される(平均粒径は約40μm)。発明例No.1〜
6 の製品粉末を構成する六チタン酸アルカリ金属とチタ
ニアの結晶相は、原料粉末のTiO2 /M2 O比に対応
した混相構成を有し、他方比較例No.11 (原料粉末のT
iO2 /M2 O=6)の粉末は、六チタン酸アルカリ金
属結晶の単相粒子からなる粉末であり、No.12 (原料粉
末のTiO2 /M2 O=4)の粉末は、四チタン酸アル
カリ金属の単相粒子からなる粉末である。
【0013】
【表1】
【0014】
(自動車用ブレーキ・パッドの製作および摩擦特性の評
価) (1)供試ディスク・パッドの製造 表2に示す組成物A,BおよびCを調製し、常法に従っ
て予備成形(加圧力:15MPa,時間:1分)、およ
び金型による結着成形(加圧力:15MPa,温度:1
70℃,時間:5分)を行い、離型後、熱処理(180
℃に3Hr保持)し、ついで研摩加工を施して供試ディ
スク・パッドA,BおよびCを得る。表中、「基材欄」
のS1 は、前記実施例欄の発明例No. 2の複合化合物粉
末、S2 は、同No. 4の複合化合物粉末であり、S3 は
比較例No.11 の六チタン酸カリウム単相粉末である。
価) (1)供試ディスク・パッドの製造 表2に示す組成物A,BおよびCを調製し、常法に従っ
て予備成形(加圧力:15MPa,時間:1分)、およ
び金型による結着成形(加圧力:15MPa,温度:1
70℃,時間:5分)を行い、離型後、熱処理(180
℃に3Hr保持)し、ついで研摩加工を施して供試ディ
スク・パッドA,BおよびCを得る。表中、「基材欄」
のS1 は、前記実施例欄の発明例No. 2の複合化合物粉
末、S2 は、同No. 4の複合化合物粉末であり、S3 は
比較例No.11 の六チタン酸カリウム単相粉末である。
【0015】(2)摩擦試験 各供試ディスク・パッドについて、JASO C 406「乗用車
ブレーキ装置ダイナモメータ試験方法」に準拠した第2
効力試験を行うと共に、摩擦試験後の相手材表面の損傷
状況から対面損傷性を判定し、表3に示す結果を得た。 制動初速度…50km/h,100km/h 減速度…0.3G 相手材…FC250 鋳鉄材 表3に示したように、本発明の複合粉末を基材成分とし
て製造されたディスク・パッドAおよびBは、チタン酸
アルカリ金属単相粉末を基材としたディスク・パッドC
を凌ぐ高い摩擦係数μを安定に維持している。また対面
損傷性も良好である。
ブレーキ装置ダイナモメータ試験方法」に準拠した第2
効力試験を行うと共に、摩擦試験後の相手材表面の損傷
状況から対面損傷性を判定し、表3に示す結果を得た。 制動初速度…50km/h,100km/h 減速度…0.3G 相手材…FC250 鋳鉄材 表3に示したように、本発明の複合粉末を基材成分とし
て製造されたディスク・パッドAおよびBは、チタン酸
アルカリ金属単相粉末を基材としたディスク・パッドC
を凌ぐ高い摩擦係数μを安定に維持している。また対面
損傷性も良好である。
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【発明の効果】本発明の複合化合物粉末は、例えば自動
車等の制動装置を構成する摩擦材料として適用すること
により、改良された摩擦特性を付与するすることを可能
にするる。また、その複合化合物粉末は球状粒子からな
るので、微細針状形態のアスベスト繊維に指摘されてい
るような環境汚染・健康上の懸念がなく、安全性にすぐ
れている。本発明の複合化合物粉末は、このほかプラス
チック補強材,塗料充填材,断熱材,耐熱材等として有
用である。
車等の制動装置を構成する摩擦材料として適用すること
により、改良された摩擦特性を付与するすることを可能
にするる。また、その複合化合物粉末は球状粒子からな
るので、微細針状形態のアスベスト繊維に指摘されてい
るような環境汚染・健康上の懸念がなく、安全性にすぐ
れている。本発明の複合化合物粉末は、このほかプラス
チック補強材,塗料充填材,断熱材,耐熱材等として有
用である。
Claims (2)
- 【請求項1】 六チタン酸アルカリ金属〔M2 Ti6 O
13〕(Mはアルカリ金属元素)の結晶粒とチタニアの結
晶粒とが結合した球形状を有する粒子からなることを特
徴とする六チタン酸アルカリ金属複合化合物粉末。 - 【請求項2】 TiO2 または加熱によりTiO2 を生
成するチタン化合物と、M2 O〔Mはアルカリ金属元
素〕または加熱によりM2 Oを生成するアルカリ金属化
合物とを、TiO2 /M2 O(モル比)>6となる割合
に混合した粉末混合物を造粒し、700〜1300℃で
焼成処理することを特徴とする請求項1に記載の六チタ
ン酸アルカリ金属複合化合物粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18872595A JPH0940423A (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | 六チタン酸アルカリ金属複合化合物粉末およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18872595A JPH0940423A (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | 六チタン酸アルカリ金属複合化合物粉末およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0940423A true JPH0940423A (ja) | 1997-02-10 |
Family
ID=16228694
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18872595A Pending JPH0940423A (ja) | 1995-07-25 | 1995-07-25 | 六チタン酸アルカリ金属複合化合物粉末およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0940423A (ja) |
-
1995
- 1995-07-25 JP JP18872595A patent/JPH0940423A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3393276B2 (ja) | 複合チタン化合物粉末およびその製造方法 | |
JP6030277B2 (ja) | 多孔質チタン酸塩化合物粒子及びその製造方法 | |
CN110062747B (zh) | 钛酸钾粉末及其制造方法、摩擦调整材料、树脂组合物、摩擦材料以及摩擦部件 | |
CN108137341B (zh) | 多孔质钛酸盐化合物颗粒及其制造方法 | |
JP3537066B2 (ja) | 複合チタン化合物粉末およびその製造方法 | |
JP3240272B2 (ja) | 微細ウィスカー及びその製造法 | |
JPS62192480A (ja) | 研摩粒子の製造方法 | |
JPH0940423A (ja) | 六チタン酸アルカリ金属複合化合物粉末およびその製造方法 | |
JP3393277B2 (ja) | 球状六チタン酸アルカリ金属粉末およびその製造方法 | |
JP2000178026A (ja) | 複合チタン化合物粉末およびその製造方法 | |
JP2000178536A (ja) | 摩擦材 | |
JP3467577B2 (ja) | チタン酸アルカリ金属系複合化合物粉末およびその製造方法 | |
JP3165875B2 (ja) | 薄片状二酸化チタンの製造方法 | |
JPH10279924A (ja) | 非石綿系ブレーキ用摩擦材 | |
JPH10287424A (ja) | 複合チタン化合物の製造方法 | |
JPH04321517A (ja) | 薄片状六チタン酸カリウム多結晶体粒子の製造方法 | |
JP4319285B2 (ja) | 粒状8チタン酸カリウムの製造方法 | |
JPH0473218A (ja) | 八チタン酸カリウム多結晶繊維の製造方法 | |
JP4144817B2 (ja) | 六チタン酸カリウム単結晶繊維の製造方法 | |
JPH10139894A (ja) | 耐フェード性にすぐれたブレーキ用摩擦材 | |
JP2990565B2 (ja) | 摩擦材 | |
JPH0920517A (ja) | チタン酸アルカリ金属系複合化合物粉末およびその製造方法 | |
KR100229289B1 (ko) | 티탄화합물분말 | |
JP2009155356A (ja) | 摩擦材およびその製造方法 | |
JPH10279925A (ja) | 非石綿系摩擦材 |