JPH0939419A - Idカード - Google Patents

Idカード

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JPH0939419A
JPH0939419A JP7188729A JP18872995A JPH0939419A JP H0939419 A JPH0939419 A JP H0939419A JP 7188729 A JP7188729 A JP 7188729A JP 18872995 A JP18872995 A JP 18872995A JP H0939419 A JPH0939419 A JP H0939419A
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JP
Japan
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group
protective layer
resin
dye
layer
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Pending
Application number
JP7188729A
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English (en)
Inventor
Seiichi Kubodera
征一 久保寺
Masakazu Morigaki
政和 森垣
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication of JPH0939419A publication Critical patent/JPH0939419A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作成直後及び保存中の黄ばみ黄変の少ないI
Dカードを提供する。 【解決手段】 支持体上に受像層を有し、下記一般式
〔A〕で表わされる化合物をUV硬化樹脂保護層に含有
するIDカード。 【化20】 (式中、Ra1 ,Ra2 およびRa3 は同一でも異なっ
てもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル
基、アシル基またはヘテロ環基を表わす。ただし、Ra
1 ,Ra2 およびRa3 のいずれもが水素原子であるこ
とはない。Ra2とRa3 が互いに結合して5〜6員環
を形成してもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はIDカードに関し、
更に詳しくは大量生産に好適であり、耐久性に優れ、し
かも変造防止効果のあるIDカードに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、運転免許証等の免許証類を初め、
身分証明証、写真付会員証、認証識別カード、写真付名
刺等、多くの各種IDカードが普及している。
【0003】これらのIDカード、例えば運転免許証等
は、支持体の表面に、銀塩写真法により顔写真が形成さ
れると共に印刷法等により必要な情報が記載され、更に
その表面に保護層が形成されていた。この銀塩写真法等
による顔写真の形成は、露光、現像、定着、漂白等の複
雑な多段階の工程を有するので、大量かつ迅速にIDカ
ードを生産しなければならない現場においては、必ずし
も適切ではない。
【0004】近時、このような事情の下、支持体の表面
に、昇華型感熱転写記録方式により階調情報含有画像
等、又は熱溶融型感熱転写記録方式により文字情報含有
画像等の転写画像を形成した受像層を設け、更に前記受
像層における転写画像の全表面に紫外線(UV)硬化性
樹脂を塗布し、これにUV照射をすることによりUV硬
化保護層を形成してなる、大量生産に好適で便利なID
カードが提案されている。
【0005】しかし、受像層上に直接UV硬化性樹脂を
塗布すると、画像を形成している色素とUV硬化性樹脂
の組合せによっては色素がUV硬化性樹脂の硬化を阻害
する場合があり、色素もUV硬化性樹脂により変色する
場合があった。色素とUV硬化樹脂層が直接接しないよ
うに受像層とUV硬化樹脂層の間に透明保護層を設ける
ことも提案されている。しかし、UV硬化性樹脂からな
る保護層は、UV照射時またはIDカードの保存中に黄
変し、カードの品質を著しく劣化させることがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、かかる保護層の黄変を防止し、品質の劣化のないI
Dカードを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
には、IDカードが支持体上に受像層を有し、下記一般
式〔A〕で表わされる化合物を少なくとも一種、
【化2】 (式中、Ra1 ,Ra2 およびRa3 は同一でも異なっ
てもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル
基、アシル基またはヘテロ環基を表わす。ただし、Ra
1 ,Ra2 およびRa3 のいずれもが水素原子であるこ
とはない。Ra2とRa3 が互いに結合して5〜6員環
を形成してもよい。)含有するUV硬化樹脂からなる保
護層を設けることである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。本発明に係るIDカードの構成は、少なくともUV
硬化樹脂からなる保護層、受像層、支持体からなり、支
持体は受像層を兼ねることもできる。又、必要に応じて
筆記層を設けることができる。
【0009】−支持体− 本発明におけるIDカードの支持体としては、IDカー
ドとしての必要な機械的強度を有していれば特に制限は
なく、例えば紙、コート紙及び合成紙等のそれ自体公知
の各種紙類、白色の塩化ビニル系樹脂シートもしくはポ
リエチレンテレフタレート(PET)ベースフィルム等
の各種プラスチックフィルムあるいはシート、各種の金
属で形成されたフィルムあるいはシート又は各種のセラ
ミックス類で形成されたフィルムあるいはシート等を挙
げることができる。又、このIDカードの支持体は、前
記各種の素材からなる単独のシートであってもよいし、
前記各種の素材からなるシートを組合せた複合積層シー
トであってもよい。これらの中で好ましいのは、白色の
PETベースフィルム、PETシートを有する複合積層
シートである。
【0010】支持体中には、受像層に形成する転写画像
の鮮明性を高めるために、チタンホワイト、炭酸マグネ
シウム等の白色顔料が添加されていることが好ましい。
これらの中で、運転免許証等のIDカードとするのであ
れば、前記白色顔料を含有する塩化ビニル系樹脂組成物
からなるシート又はフィルム、白色のPETベースフィ
ルム又はPETシートを有する複合積層シートが一般的
である。
【0011】支持体の厚みとしては、通常100〜1,
000μm、好ましくは100〜800μmであり、更
に好ましくは200〜800μmである。支持体には、
必要に応じてエンボス、サイン、ICメモリー、光メモ
リー、磁気記録層、他の印刷等を設けてもよい。
【0012】−受像層− 本発明のIDカードにおける受像層は基本的には受像層
用バインダーによって形成される。この受像層上層には
離型剤を含んでもよく、又、受像層上層及び下層には必
要に応じて各種の添加剤を含んでもよい。又、受像層は
色素染着性が良く画像を担持する層、色素透過性で色素
染着性が悪く色素とUV硬化性樹脂の接触を実質的に防
ぐ層、離型性を発揮する層など必要に応じて多層構成と
することができる。前記支持体の表面に形成される受像
層の厚みとしては通常0.5〜20μmであり、好まし
くは1〜10μmである。
【0013】上記の要求を満たす樹脂としては、例えば
ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマー(例え
ばイソブチルビニルエーテル、プロピオン酸ビニルエス
テル等)との共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルアルコール、
ポリカーボネート、三酢酸セルロース、ポリスチレン、
スチレンと他のモノマー(例えばアクリル酸エステル、
アクリロニトリル、塩化エチレン等)との共重合体、ビ
ニルトルエンアクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リアミド樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹
脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹
脂、及びそれらの変性物などを挙げることができる。
【0014】これらの中でも、ポリ塩化ビニル樹脂、塩
化ビニルと他のモノマーとの共重合体、ポリエステル樹
脂、ポリビニルアセタール系樹脂、スチレンと他のモノ
マーとの共重合体、エポキシ樹脂が好ましい。これらの
樹脂はその1種を単独で用いることもできるし、2種以
上を組み合わせて用いることもできる。上記各種の樹脂
は、種々の方法により新たに合成して使用してもよい
が、市販品を使用することもできる。
【0015】上述した各種の樹脂はその反応活性点を利
用して(反応活性点が無い場合は、それを樹脂に付与す
る)、放射線、熱、湿気、触媒等により架橋又は硬化す
ることにより形成することができる。かかる場合には、
エポキシ、アクリルの如き放射線活性モノマーや、イソ
シアナートの如き架橋剤を用いることができる。
【0016】−離型剤− 前記受像層には、後述する画像形成後のインクシートと
受像層との剥離を容易ならしめるために、離型剤を添加
することが好ましい。又、この離型剤は、その種類と含
有量とを適切に選択することにより、受像層と支持体と
の接着力、又は受像層と中間層との接着力を調整するこ
ともできる。
【0017】この離型剤としては、例えばシリコーンオ
イル(シリコーン樹脂と称されるものも含む)、ポリエ
チレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等
の固型ワックス類、弗素系、燐酸エステル系の界面活性
剤、金属微粉末、シリカゲル、金属酸化物、カーボンブ
ラック及び樹脂微粉末などのフィラー等を挙げることが
できる。これらは1種単独でも2種以上を併用すること
もできる。
【0018】前記シリコーンオイルには、単に添加する
タイプ(単純添加型)と、硬化又は反応させるタイプ
(硬化反応型)とがある。単純添加型の場合には、バイ
ンダーとの相溶性を向上させるために、変性シリコーン
オイル(例えばポリエステル変性シリコン樹脂、ウレタ
ン変性シリコン樹脂、アクリル変性シリコン樹脂等)を
使用するのが好ましい。これら単純添加型のシリコーン
オイルの添加量は、その種類に応じて様々に変化するこ
とがあるから一律に決定することができないが、一般的
には、通常、受像層用バインダーに対して0.1〜30
重量%であり、好ましくは0.5〜20重量%である。
【0019】硬化反応型のシリコーンオイルとしては、
反応硬化型(アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変
性シリコーンオイルを反応硬化させたもの)、光硬化
型、触媒硬化型等を挙げることができる。これら硬化型
シリコーンオイルの添加量は受像層用バインダーの0.
5〜30重量%が好ましい。上記のシリコーンオイル以
外の離型剤の添加量は、受像層に対し通常、1〜40重
量%が好ましい。
【0020】−添加剤− 前記受像層は、酸化防止剤、UV吸収剤、光安定剤、フ
ィラー(無機微粒子、有機樹脂粒子)、顔料を、又、増
感剤として可塑剤、熱溶融性物質等を添加剤として含有
してもよい。これらの添加剤は受像層と支持体との接着
力、あるいは受像層と中間層との接着力に影響を与える
場合には、添加剤の種類と添加量とを適切に選択するの
が望ましい。
【0021】酸化防止剤としては、特開昭59−182
785号、同60−130735号、特開平1−127
387号各公報等に記載の酸化防止剤、及び写真その他
の画像記録材料における画像耐久性を改善するものとし
て公知の化合物を挙げることができる。
【0022】UV吸収剤及び光安定剤としては、特開昭
59−158287号、同63−74686号、同63
−145089号、同59−19692号、同62−2
29594号、同63−122596号、同61−28
3595号、特開平1−204788号各公報等に記載
の化合物、及び写真その他の画像記録材料における画像
耐久性を改善するものとして公知の化合物を挙げること
ができる。
【0023】フィラーとしては無機微粒子や有機樹脂粒
子を挙げることができ、これらは上述した離型剤を兼ね
てもよい。この無機微粒子としては、シリカゲル、炭酸
カルシウム、酸化チタン、酸性白土、活性白土、アルミ
ナ等を挙げることができ、有機微粒子としては弗素樹脂
粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコ
ン樹脂粒子等の樹脂粒子を挙げることができる。これら
の無機・有機樹脂粒子は比重により異なるが、0.1〜
70重量%の添加が好ましい。顔料としては、代表例と
してチタンホワイト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸
バリウム、シリカ、タルク、クレー、カオリン、活性白
土、酸性白土などを挙げることができる。
【0024】可塑剤としては、フタル酸エステル類、ト
リメリット酸エステル類、アジピン酸エステル類、その
他飽和又は不飽和カルボン酸エステル類、枸櫞酸エステ
ル類、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキ
システアリン酸類、正燐酸エステル類、亜燐酸エステル
類、グリコールエステル類などを挙げることができる。
【0025】熱溶融性物質としては、フェノール等のア
ルコール類、アセトアミド等のアミド類、桂皮酸ベンジ
ル等のエステル類、クラウンエーテル等のエーテル類、
p−メチルアセトフェノン等のケトン類、ジメトキシベ
ンズアルデヒド等のアルデヒド類、スチルベン等の炭化
水素類、マルガリン酸等の高級脂肪酸、エイコサノール
等の高級アルコール、バルミチン酸セチル等の高級脂肪
酸エステル、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミ
ド、ベヘニルアミン等の高級アミンなどに代表される単
分子化合物、パラフィンワックスなどのワックス類、ロ
ジンフェノール樹脂等のロジン誘導体、フェノール樹
脂、ケトン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、テルペン樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペン
タジエン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコールなどのポリオレフ
ィンオキサイドなどに代表される高分子化合物などを挙
げることができる。本発明においては、上記熱溶融性物
質は、融点又は軟化点が10〜150℃の化合物が好ま
しい。
【0026】なお、本発明では、上記の添加剤全体の添
加量が、通常、受像層用樹脂に対して0.1〜30重量
%の範囲内において選定されるのが好ましい。
【0027】−受像層の製造− 受像層は、受像層を形成する成分を溶媒に分散又は溶解
してなる受像層形成用塗布液を調製し、前記支持体の表
面に塗布・乾燥する塗工法によって製造することができ
る。又、前記受像層を形成する成分を有する混合物を溶
融押出しし、支持体の表面に貼りつけるラミネート法等
によっても製造することができる。
【0028】上記塗工法に用いる溶媒としては、水、ア
ルコール、メチルエチルケトン、トルエン、ジオキサ
ン、シクロヘキサノンなど、従来から公知の溶媒を挙げ
ることができる。上記ラミネート法を採用する時には、
共押出法を採用することもできる。受像層は、支持体の
一方の表面における全面に亘って形成されてもよいし、
又、一部に形成されてもよいが、本発明では支持体の一
部に形成されているものが好ましい。
【0029】−UV硬化保護層− 本発明のIDカードにおいては、UV硬化性樹脂を紫外
線照射によって硬化してなる実質的に透明なUV硬化保
護層を、転写画像を形成した受像層の表面に直接形成す
る。例えば、後述のUV硬化保護層用コーティング剤を
用いて、種々の方法を採用することにより形成すること
ができる。
【0030】UV硬化保護層の界面における接着力を大
きくする方法としては、例えば熱融着し易い類似のポリ
マーを用いること、イオン結合を形成するよう極性基を
有する化合物を使用すること、層を形成する際の圧力、
温度、時間等の条件を調節すること、UV照射時に受像
層のバインダー樹脂の官能基と反応して共有結合を形成
する構造を持たせることにより達成することができる。
【0031】UV硬化保護層は、例えば以下に示す微粒
子を含有することもできる。微粒子を含有すると、微粒
子を含有しない場合に比べて偽造、変造に対して効果が
あり、又、他のカードとの識別も容易とすることができ
る点で好ましい。微粒子の材料としては特に制約はない
が、通常、無機微粒子、有機微粒子を用いることができ
る。無機微粒子としては、チタンホワイト、炭酸マグネ
シウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、タルク、ク
レー、真鍮及びアルミニウムなどの粉体並びに箔などを
挙げることができる。有機微粒子としては、UV硬化性
樹脂モノマーなどに溶解しないものが好ましい。
【0032】又、本発明においては、UV硬化保護層に
着色剤を含有させることもできる。この着色剤として
は、染料、顔料、蛍光色素、赤外吸収色素などを挙げる
ことができる。UV硬化保護層内に着色剤を含有する
と、UV硬化保護層が特有の色調を帯びるという性質を
有するようになるので、着色剤を含まない場合に比べて
変造、偽造される恐れがない点、及び他のカードとの識
別も容易になる点で好ましい。上記着色剤としては、合
成樹脂の分野で一般に知られている顔料や染料、赤外線
吸収剤などを挙げることができる。着色剤の添加量とし
ては、転写画像の記録情報の視認に障害が無ければ特に
制限はなく、種々使用量を選択することができる。
【0033】UV硬化保護層は、更にその表面に一定パ
ターンの凸凹を形成することができる。表面に特定パタ
ーンの凹凸、例えば、ある種のマーク、細紋又は地紋な
どの紋様などを形成すると、偽造物、変造物との識別を
可能にすることができる点で好ましい。UV硬化保護層
の表面を凸凹にするには、例えばUV硬化保護層を、あ
る特定パターンのグラビヤ目を持つ版によってコーティ
ングする方法、UV硬化性樹脂が半硬化した時点で型押
しする方法などにより凹凸を形成することができる。U
V硬化保護層形成用コーティング剤としては、UV硬化
性のプレポリマー及び/又はモノマーと重合開始剤とを
主成分とする組成物によって形成することができる。
【0034】UV硬化性のプレポリマー、モノマーとし
ては、ラジカル重合によって高分子化の起こるタイプ
(主にアクリレートタイプ)や、カチオン重合により高
分子化の起こるタイプ(主にエポキシタイプ)があり、
この発明の目的においてはエポキシタイプの使用が好ま
しい。ここではエポキシタイプのUV硬化性プレポリマ
ー、モノマーを記載する。エポキシ系のプレポリマー、
モノマーとしては1分子内にエポキシ基を2個以上含有
するプレポリマーを挙げることができる。このようなプ
レポリマーとしては、例えば脂環式ポリエポキシド類、
多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコール
のポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレング
リコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオー
ルのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポ
リグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタン
ポリエポキシ化合物類及びエポキシ価ポリブタジエン類
等を挙げることができる。これらのプレポリマーは、そ
の1種を単独で使用することもできるし、又、その2種
以上を混合して使用することもできる。UV硬化保護層
形成用コーティング剤中のエポキシ基を1分子内に2個
以上有するプレポリマーの含有量は、70重量%以上で
あるのが好ましい。
【0035】重合開始剤としてはカチオン重合開始剤が
好ましく、具体的には芳香族オニウム塩を挙げることが
できる。この芳香族オニウム塩として、周期表第Va族
元素の塩、例えばホスホニウム塩(例えばヘキサフルオ
ロ燐酸トリフェニル・フェナシルホスホニウムなど)、
第VIa族元素の塩、例えばスルホニウム塩(例えばテト
ラフルオロ硼酸トリフェニルスルホニウム、ヘキサフル
オロ燐酸トリフェニルスルホニウム、ヘキサフルオロ燐
酸トリス(4−チオメトキシフェニル)、スルホニウム
及びヘキサフルオロアンチモン酸トリフェニルスルホニ
ウムなど)、及び第 VIIa族元素の塩、例えばヨードニ
ウム塩(例えば塩化ジフェニルヨードニウムなど)を挙
げることができる。このような芳香族オニウム塩をエポ
キシ化合物の重合におけるカチオン重合開始剤として使
用することは、米国特許4,058,401 号、同4,069,055
号、同4,101,513 号及び同4,161,478 号各明細書等に詳
述されている。
【0036】好ましいカチオン重合開始剤としては第VI
a族元素のスルホニウム塩が挙げられる。その中でも、
UV硬化性とUV硬化性組成物の貯蔵安定性の観点か
ら、ヘキサフルオロアンチモン酸トリアリールスルホニ
ウムが好ましい。
【0037】前記UV硬化保護層用コーティング剤中に
は、更に油類(特にシリコーン油)、シリコーン−アル
キレンオキシド共重合体(例えばユニオンカーバイド社
から市販されている商品名L−5410)のような界面
活性剤、シリコーン油含有脂肪族エポキシド類、3M社
から市販されている商品名FO−171及びFO−43
0、大日本インキ株式会社から市販されている商品名Me
gafac F−141のようなフルオロカーボン界面活性剤
等を含有させてもよい。
【0038】UV硬化保護層用コーティング剤中には、
更にスチレン、パラメチルスチレン、メタクリル酸エス
テル、アクリル酸エステル等のビニル単量体やセルロー
ス系、熱可塑性ポリエステル、フェニルグリシジルエー
テル、珪素含有モノエポキシド、ブチルグリシジルエー
テル等のモノエポキシド等が、本発明の効果を阻害しな
い範囲で含有されていてもよい。
【0039】又、このUV硬化保護層用コーティング剤
中には、不活性成分として染料、顔料、増粘剤、可塑
剤、安定剤、レベリング剤、カップリング剤、粘着付与
剤、シリコーン基含有活性剤、フルオロカーボン基含有
表面活性剤等の濡れ向上剤、その他の各種添加剤、更に
コーティング剤の塗布中における流動性改良を目的とし
て、前記カチオン重合開始剤と殆ど反応しないアセト
ン、メチルエチルケトン、メチルクロライド等の少量の
溶剤を含有させてもよい。
【0040】本発明においては、UV硬化樹脂からなる
保護層に下記一般式〔A〕で表わされる化合物を少なく
とも一種含有させる。
【化3】 (式中、Ra1 ,Ra2 およびRa3 は同一でも異なっ
てもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル
基、アシル基またはヘテロ環基を表わす。ただし、Ra
1 ,Ra2 およびRa3 のいずれもが水素原子であるこ
とはない。Ra2とRa3 が互いに結合して5〜6員環
を形成してもよい。)
【0041】一般式〔A〕で表わされる化合物をさらに
詳細に説明する。Ra1 ,Ra2 およびRa3 は同一で
も異なってもよく、それぞれ水素原子またはアルキル基
(直鎖、分岐または環状のアルキル基で、例えばメチ
ル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ベンジル、シ
クロヘキシル、sec−オクチル、sec−トリデシ
ル、n−オクタデシルが挙げられ、炭素原子数1〜30
のものが好ましい。)、アルケニル基(例えばビニル、
アリル、オレイルが挙げられ、炭素原子数2〜30のも
のが好ましい。)、アシル基(例えばホルミル、アセチ
ル、ベンゾイルが挙げられ、炭素原子数1〜37のもの
が好ましい。)またはヘテロ環基(環構成原子として炭
素原子、窒素原子、酸素原子およびイオウ原子から選択
された原子で構成される5〜6員環基であり、例えばピ
リジル、2−ピリジル、ピリミジル、1,3,5−トリ
アジン−2−イル、イミダゾリン−2−イルが挙げら
れ、炭素原子数の総和が1〜36のものが好ましい。)
を表わす。
【0042】これらの各基はさらに置換基で置換されて
いてもよく、これらの置換基としては、例えば、アルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテ
ロ環基、アルコキシ基、アルケノキシ基、アリールオキ
シ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アルケニル
チオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルア
ミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、ヒドロ
キシルアミノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ
基、シアノ基、スルホニル基、スルフィニル基、アシル
基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホ基、ホ
スホニル基、アルコキシカルボニル基、アルケノキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オ
キシカルボニル基、シリルオキシ基、カルボキシル基な
どが挙げられる。
【0043】Ra2 とRa3 が互いに結合して5〜6員
環を形成してもよく、好ましくは6員環であり、さらに
好ましくはピペラジン環である。一般式〔A〕において
好ましい基はRa1 がアルキル基であり、さらにアルキ
ル基の中で好ましくはsec−アルキル基またはシクロ
アルキル基である。Ra 1 が水素原子の場合、Ra2
水素原子またはアルキル基でかつRa3 がアシル基また
はヘテロ環基が好ましく、Ra1 がアルキル基、アルケ
ニル基、アシル基またはヘテロ環基である場合、Ra2
およびRa3 はアルキル基であるもの、さらに好ましく
はRa2 とRa3 が互いに結合して5〜6員環を形成す
るものが好ましい。
【0044】一般式〔A〕で表わされる化合物のうち、
より好ましい化合物は下記一般式〔A−I〕で表わされ
る。
【0045】
【化4】
【0046】一般式〔A−I〕において、Ra1 ′はア
ルキル基を表わし、Qは2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン環を形成するのに必要な非金属原子群を表わ
す。
【0047】以下に本発明で用いられる化合物〔A〕の
具体例A−1〜A−26を示すが、これによって本発明
が限定されるものではない。
【0048】
【化5】
【0049】
【化6】
【0050】
【化7】
【0051】
【化8】
【0052】
【化9】
【0053】
【化10】
【0054】本発明の一般式〔A〕で表わされる化合物
は、D.Klamann, METHODEN DER ORGANISCHEN CHEMIE ( H
OUBEN-WEYL ) BAND E16a「ORGANISCHE STICKSTOFF-VERB
INDUNGEN I Teil 1」,Georg Thieme Verlag, Stuttga
rt, 1990に記載の方法またはそれに準じた方法で容
易に合成できる。またいくつかのものは市販されてい
る。
【0055】UV硬化におけるUVとは紫外領域の光
(紫外線)を意味し、又、紫外線を含む光線をも含む意
味である。従って、紫外線照射として、太陽光線の照
射、低圧水銀灯の照射、高圧水銀灯の照射、超高圧水銀
灯の照射、カーボンアーク等の照射、メタルハライドラ
ンプによる照射、キセノンランプの照射等を挙げること
ができる。又、場合によって、電子線などの高エネルギ
ー線を用いてもよい。なお、硬化に際しては、紫外線の
照射時又は照射の前後において、UV硬化保護層用コー
ティング剤の塗布膜を加熱すると、硬化時間の短縮を図
ることができる。
【0056】−筆記層− IDカードの裏面に筆記をすることができるようにした
層である。このような筆記層としては、例えば特開平1
−205155号公報に記載の「書込層」を以て形成す
ることができる。筆記層は、支持体における複数の層が
積層されていない方の面に形成される。
【0057】次に、本発明のIDカードの受像層に画像
を形成するために用いる熱転写色素供与材料について述
べる。熱転写色素供与材料の支持体としては従来より知
られているものが用いられる。例えばポリエチレンテレ
フタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、グラシン
紙、コンデンサー紙、セルロースエステル、弗素ポリマ
ー、ポリエーテル、ポリアセタール、ポリオレフィン、
ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピ
レン、ポリスルフォン、セロファン等が挙げられる。熱
転写色素供与材料の支持体の厚みは、一般に2〜30μ
mである。必要に応じて下塗り層を付与してもよい。
【0058】熱移行性色素を用いた熱転写色素供与材料
は、基本的には、支持体上に熱によって可動性になる色
素とバインダーを含有する色素供与層を有するものであ
る。この熱転写色素供与材料は、従来公知の熱によって
昇華するか可動性になる色素とバインダー樹脂とを適当
な溶剤中に溶解または分散させて塗工液を調製し、これ
を従来公知の熱転写色素供与材料用の支持体の一方の面
に、例えば約0.2〜5μm、好ましくは0.4〜2μ
mの乾燥膜厚になる塗布量で塗布乾燥して色素供与層を
形成することによって得られる。色素供与層は一層で形
成されてもよいが、多数回繰り返し使用する方法に用い
る場合等のために、2層以上の構成で形成してもよい。
この場合、各層中の色素含有量、色素/バインダー比は
それぞれ異なっていてもよい。色素塗布量は0.03〜
1g/m2 、好ましくは0.1〜0.6g/m2 であ
る。このような色素供与層の形成に有用である色素とし
ては、従来熱転写色素供与材料に使用されている色素は
いずれも使用できるが、本発明で特に好ましいものは、
約150〜800程度の小さい分子量を有するものであ
り、転写温度、色相、耐光性、インキおよびバインダー
樹脂中での溶解性、分散性などを考慮して選択される。
具体的には、例えば分散染料、塩基性染料、油溶性染料
などが挙げられる。また下記の一般式(Y)で表される
イエロー色素を用いることが好ましい。
【0059】
【化11】
【0060】(式中、D1 は水素原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、アリール基、アルコキシカルボニル基、シ
アノ基又はカルバモイル基を表わし、D2 は水素原子、
アルキル基又はアリール基を表わし、D3 はアリール基
またはヘテリル基を表わし、D4 、D5 は水素原子又は
アルキル基を表わす。上記の基はさらに置換されてもよ
い。) 上記イエロー色素の具体的な化合物例を以下に示す。
【0061】
【化12】
【0062】
【化13】
【0063】
【化14】
【0064】マゼンタ色素としては次の一般式(M)で
表される色素が好ましい。
【0065】
【化15】
【0066】(式中、D6 〜D10は水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリー
ルオキシ基、シアノ基、アシルアミノ基、スルホニルア
ミノ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、
アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニ
ル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル
基、アシル基またはアミノ基を表わし、D11、D12は水
素原子、アルキル基またはアリール基を表わす。D11
12は互いに結合して環を形成してもよく、またD8
11又は/およびD9 とD12が結合して環を形成しても
よい。X、Y及びZは =C(D13)− 又は窒素原子
を表わす(D13は水素原子、アルキル基、アリール基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基を表わ
す)。またXとYが =C(D13)− の時またはYと
Zが =C(D13)− の時、2つのD13は互いに結合
して飽和ないし不飽和炭素環を形成してもよい。上記の
基はさらに置換されてもよい。) 具体的な化合物例を以下に示す。
【0067】
【化16】
【0068】
【化17】 またシアン色素としては次の一般式(C)で表される色
素が好ましい。
【0069】
【化18】
【0070】(式中、D14〜D21はD6 〜D10と同意で
あり、D22、D23はD11、D12と同意である。) 具体的な化合物例C−1〜C−3を以下に示す。
【0071】
【化19】
【0072】上記一般式(Y)、(M)、(C)で表さ
れる色素において、特開平3−205189号公報記載
の退色防止基を導入すると、光堅牢性が向上するので好
ましい。
【0073】又、上記の色素と共に用いるバインダー樹
脂としては、このような目的に従来バインダーは公知で
あるバインダー樹脂のいずれも使用することができ、通
常耐熱性が高く、しかも加熱された場合に色素の移行を
妨げないものが選択される。例えば、ポリアミド系樹
脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、ポリアクリル系樹脂(例えはポリメチルメタ
クリレート、ポリアクリルアミド、ポリスチレン−2−
アクリロニトリル)、ポリビニルピロリドンを初めとす
るビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂(例えば塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体)、ポリカーボネート系樹
脂、ポリスチレン、ポリフェニレンオキサイド、セルロ
ース系樹脂(例えばメチルセルロース、エチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、酢酸セルロース、セ
ルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテ
ートブチレート、セルローストリアセテート)、ポリビ
ニルアルコール系樹脂(例えばポリビニルアルコール、
ポリビニルブチラールなどの部分ケン化ポリビニルアル
コール)、石油系樹脂、ロジン誘導体、クマロン−イン
デン樹脂、テルペン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例
えばポリエチレン、ポリプロピレン)などが用いられ
る。このようなバインダー樹脂は、例えば色素100重
量部当たり約20〜600重量部の割合で使用するのが
好ましい。本発明において、上記の色素およびバインダ
ー樹脂を溶解または分散するためのインキ溶剤として
は、従来公知のインキ溶剤が自由に使用できる。
【0074】色素供与材料には背面より印字するときに
サーマルヘッドの熱によるスティッキングを防止し、滑
りをよくする意味で、支持体の色素供与層を設けない側
にスティッキング防止処理を施すのがよい。例えば、
ポリビニルブチラール樹脂とイソシアネートとの反応生
成物、リン酸エステルのアルカリ金属塩またはアルカ
リ土類金属塩、および充填剤を主体とする耐熱スリッ
プ層を設けるのがよい。ポリビニルブチラール樹脂とし
ては分子量が6万〜20万程度で、ガラス転移点が80
〜110℃であるもの、またイソシアネートとの反応サ
イトが多い観点からビニルブチラール部分の重量%が1
5〜40%のものがよい。リン酸エステルのアルカリ金
属塩またはアルカリ土類金属塩としては東邦化学製のガ
ファックRD720(商品名)などが用いられ、ポリビ
ニルブチラール樹脂に対して1〜50重量%、好ましく
は10〜40重量%程度用いるとよい。
【0075】耐熱スリップ層は下層に耐熱性を伴うこと
が望ましく、加熱により硬化しうる合成樹脂とその硬化
剤の組合せ、例えばポリビニルブチラールと多価イソシ
アネート、アクリルポリオールと多価イソシアネート、
酢酸セルロースとチタンキレート剤、もしくはポリエス
テルと有機チタン化合物などの組合せを塗布により設け
るとよい。色素供与材料には、支持体と色素供与層との
間には下塗り層を設けてもよい。好ましい具体例として
は、(アクリロニトリル/塩化ビニリデン/アクリル
酸)共重合体(重量比14:80:6)、(アクリル酸
ブチル/メタクリル酸−2−アミノエチル/メタクリル
酸−2−ヒドロキシエチル)共重合体(重量比30:2
0:50)、線状/飽和ポリエステル、例えばボスティ
ック7650(エムハート社、ボスティック・ケミカル
・グループ−商品名−)または塩素化高密度ポリ(エチ
レン−トリクロロエチレン)樹脂が挙げられる。下塗り
層の塗布層には特別な制限はないが、通常0.1〜2.
0g/m2 の量で用いられる。
【0076】色素供与層は、印字したとき所望の色相を
転写できるように色素を選択し、必要に応じて、色相の
異なる2層以上の色素供与量を一つの熱転写色素供与材
料に並べて形成されていてもよい。例えば、分色信号に
応じて各色の印字を繰り返してカラー写真のような画像
を形成するときには、印字したときの色相がシアン、マ
ゼンタ、イエローの各色であることが望ましく、このよ
うな色相を与える色素を含有する3つの色素供与層を並
べる。あるいは、シアン、マゼンタ、イエローに加えて
更にブラックの色相を与える色素を含有する色素供与層
を追加してもよい。なお、位置検出用のマークを設ける
と、熱記録の時の色素供与材料のスタート位置を決める
のに有効である。
【0077】色素供与材料は、シート形態又は連続のロ
ール若しくはリボンとして使用される。連続のロール若
しくはリボンを使用する場合には、唯一種の色素を有す
るか、或いは熱移行性のシアン及び/又はマゼンタ及び
/又はイエロー及び/又はブラックその他の色素のよう
な相異する色素の域を別々に有する。即ち、一色、二
色、三色、又は四色の材料が(あるいは更に多色の材料
も)、本発明の範囲内に含まれる。本発明の好ましい実
施態様では、色素供与材料はポリエチレンテレフタレー
ト支持体をシアン色素、マゼンタ色素およびイエロー色
素の逐次繰返し域で塗布したものからなり、前記工程を
各色毎に逐次実施して三色の転写画像を形成する。勿
論、この工程を単色で実施した際には、モノクロームの
転写画像が得られる。色素供与材料から受像材料に色素
を熱転写するのに、サーマルヘットが用いられる。
【0078】本発明のIDカードにおいては、熱転写記
録方式により形成された転写画像を有する受像層とUV
硬化樹脂を含む保護層との間に以下の目的で透明保護層
を形成するのが好ましい。即ち、UV硬化保護層形成の
際のUV照射による転写画像中の色素の変質や変色を防
止すると共に、転写画像の滲みの防止、転写画像の光堅
牢性の向上を目的として透明保護層を形成する。
【0079】上記のような要求を満たす透明保護層とし
ては、例えば、特開昭63−183881号公報の第9
頁左下欄第9行から第10頁左上欄第15行に記載の熱
溶融性化合物と、同公報の第10頁左上欄第16行から
第11頁左下欄第9行に例示の熱可塑性樹脂とにより形
成される層を挙げることができる。これらの中で好まし
いのは、ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレンアクリ
ルコポリマー、ポリスチレン−ポリスチレングラフトポ
リマー、ポリスチレン−アクリルグラフトポリマー、ア
クリル−アクリルグラフトポリマー及びそれらの酸変成
物、エポキシ変成物等である。更に好ましくは、ポリス
チレン、ポリスチレン−ポリメチルメタクリレートグラ
フトポリマー、ポリメチルメタクリレート、酸変成アク
リル−ポリメチルメタクリレート、酸変成アクリル−ポ
リスチレングラフトポリマー、エポキシ変成ポリスチレ
ン−ポリスチレングラフトポリマーである。
【0080】また、透明保護層中には紫外線(UV)吸
収剤を含有させておくこともできる。UV吸収剤は、U
V硬化性プレポリマーを含有するUV硬化保護層形成用
コーティング剤にUVを照射して、これを硬化する際に
照射するUV、又は長期保存時の日光などから、画像情
報を保護するのに有効である。このUV吸収剤は、UV
硬化保護層に入れることが困難な場合があるので(UV
硬化性樹脂の硬化を阻害する)透明保護層に添加するこ
とが有効となる。UV吸収剤としては、前記受像層の説
明において例示された化合物を挙げることができる。U
V吸収剤の添加量は、その種類にもよるが、通常0.6
g/m2 以上であり、好ましくは1g/m2 以上であ
る。透明保護層の厚みとしては、UV硬化保護層の均一
な塗布性を考慮して、通常0.1〜20.0μmであ
り、好ましくは0.5〜10.0μmである。
【0081】次にIDカードの作成手順について述べ
る。画像形成時に加える熱エネルギーを与える熱源とし
てはサーマルヘッドが一般的であるが、この他にレーザ
ー光、赤外線フラッシュ、熱ペンなど公知のものを使用
することができる。サーマルヘッドを用いる時は、サー
マルヘッドに印加する電圧又はパルス巾を変調すること
により、与える熱エネルギーを連続的にあるいは多段階
に変化させることができる。レーザー光を用いる時は、
レーザー光の光量や照射面積を変化させることにより与
える熱エネルギーを変化させることができる。この場
合、レーザー光を吸収し易くするため、レーザー光吸収
材料(例えば半導体レーザーの場合、カーボンブラック
や近赤外線吸収物質など)をインク層中、又はインク層
近傍に存在せしめるとよい。
【0082】文字情報の記録が必要な場合は、前記の色
素供与材料を用いることもできるが、いわゆる熱溶融型
のインクシートを用いて記録することも可能であり、こ
の場合の熱源としては前述のものが同様に使用できる。
画像記録の表面に透明保護層を形成するには熱処理によ
り透明保護層を支持体から記録面上にラミネートするこ
とができる。
【0083】上記熱処理の加熱温度及び加熱時間は熱源
によって異なるが、後述の画像を記録する際に用いる熱
源はいずれも使用でき、通常の画像記録を行なう範囲内
で熱処理を行うことができる。熱処理にヒートロールを
用いる場合の加熱温度は、通常70〜200℃、好まし
くは100〜150℃の範囲であり、又、その搬送速度
は、通常0.01〜20mm/秒、好ましくは0.05
〜5mm/秒である。
【0084】次に、このIDカードの表面にUV硬化樹
脂保護層用塗布液を塗布する。ダブルロールコータ、ス
リットコータ、エアナイフコータ、ワイヤーバーコー
タ、スライドホッパー、スプレーコーティング等の通常
の方法にて受像表面に塗布することにより、達成するこ
とができる。これらの適宜の塗布方法により、前記コー
ティング剤による塗布層が、受像の表面に、通常0.1
〜50μm、好ましくは1〜30μmの厚みになるよう
に塗布される。塗布後に、前記コーティング剤による塗
布層に紫外線が照射され、コーティング剤中の紫外線硬
化性のプレポリマーの重合反応ないし硬化反応が進行す
る。
【0085】ここで、紫外線というとき、これは紫外領
域の光を意味し、また、紫外領域の光を含む光線をも含
む意味である。したがって、紫外線の照射として、太陽
光線の照射、低圧水銀灯の照射、高圧水銀灯の照射、超
高圧水銀灯の照射、カーボンアーク等の照射、メタルハ
ライドランプによる照射、キセノンランプの照射等を挙
げることができる。紫外線を照射するときの雰囲気とし
ては、空気、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気
が好ましい。紫外線の照射時間としては、紫外線領域の
照射光源の種類によって相違するのであるが、通常0.
5秒〜5分、好ましくは3秒〜2分である。通常、照射
時間の短い場合には照射強度の大きい大型の光源を必要
とし、照射時間が長い場合には照射強度の小さい光源を
使用することもできる。もっとも、照射強度の小さな光
源では硬化作用時間が長くなり、製造工程上有利ではな
い。しかし、この発明では、200W以下の紫外線発生
ランプを用いて、3秒から2分の照射によって、実用上
十分な強度を有する硬化被膜を形成することができる。
なお、硬化に際しては、紫外線の照射時または照射の前
後において、UV硬化樹脂を含むコーティング剤の塗布
膜を加熱すると、硬化時間の短縮を図ることができる。
そのような加熱をする場合、加熱温度は30〜80℃が
好ましい。紫外線照射前においては、前記加熱温度によ
る加熱時間は長くても短くてもよいのであるが、紫外線
照射後においては、加熱時間は1分〜120分が好まし
い。
【0086】
【実施例】以下、本発明の実施例につき具体的に説明す
る。なお、以下の記述において「部」は「重量部」を表
わす。 (実施例1)IDカードの支持体の作成 厚み300μmの透明PETフィルムの両面に厚み75
μmの白色PETフィルムをエポキシ系ポリエステル樹
脂を接着剤として貼り合わせIDカードの支持体を作成
した。カードの片面に不織布をオレフィン系接着剤(ポ
リエチレン誘導体)を用いて貼り筆記層を形成した。受像層の作成 下記の受像層用塗布液を調製し、グラビアコーターで乾
燥後の厚みが8μmになるように塗布し乾燥して受像層
を形成した。
【0087】受像層用塗布液 ポリビニルブチラール樹脂 20部 ポリイソシアネート 3部 メチルエチルケトン 60部 トルエン 17部
【0088】透明保護層用シートの作成 6μmのPETフィルムに下記組成の透明保護層用塗布
液を乾燥後の厚みが1μmになるように塗布し、乾燥し
て透明保護層用シートを作成した。
【0089】透明保護層用塗布液 アクリル樹脂 4部 ポリビニルブチラール樹脂 5部 ベンゾトリアゾール型UV吸収剤 1部 メチルエチルケトン 70部 トルエン 20部
【0090】インクシートの作成 反対側に耐熱滑り層を設けた厚さ5μmのポリエチレン
テレフタレートフィルムを支持体とし、下記組成のイエ
ロー、マゼンタおよびシアンの色素供与層形成用インク
(Y−a、M−a、C−a)を乾燥後の色素塗布量が
0.4g/m2 となるように塗布して、熱転写色素供与
材料(Y−、M−、C−)を得た。
【0091】イエロー色素供用層形成用インク(Y−a) 色素(Y−1) 3 g バインダー樹脂(デンカブチラール5000A−商品名− 電気化学製) 2 g 硬化剤(タケネートD110N −商品名−武田薬品製) 0.4 g 離型剤(アミノ変成シリコーンオイル KF−857 −商品名− 信越シリコーン製) 0.01g メチルエチルケトン 70 g トルエン 30 g
【0092】マゼンタ色素供用層形成用インク(M−a) 色素(M−1) 4 g バインダー樹脂(デンカブチラール5000A 電気化学製) 3 g 硬化剤(タケネートD110N 武田薬品製) 0.45g 離型剤(アミノ変成シリコーンオイル KF−857 信越シリコーン製) 0.01g メチルエチルケトン 65 g トルエン 35 g
【0093】シアン色素供用層形成用インク(C−a) 色素(C−1) 3.5 g バインダー樹脂(デンカブチラール5000A 電気化学製) 3.5 g 硬化剤(タケネートD110N 武田薬品製) 0.5 g 離型剤(アミノ変成シリコーンオイル KF−857 信越シリコーン製) 0.01g メチルエチルケトン 75 g トルエン 25 g
【0094】画像の記録 IDカードの受像層とイエロー色素供与材料のインク層
を接するように合わせ色素供与材料側からサーマルヘッ
ドを使用し、サーマルヘッドの出力0.2W/ドット、
パルス巾0.1〜8msec、ドット密度12ドット/
mmの条件で、該画像のイエロー部の電気信号に応じて
加熱し受像層上にイエロー画像を記録した。以下、マゼ
ンタ、シアンの色素供与材料を用い同様に記録し、フル
カラーの画像を記録した。次に熱溶融型の黒色インクシ
ートを用い、文字情報に対応する電気信号により文字を
記録した。
【0095】透明保護層の形成 画像及び文字の記録されたIDカードと透明保護層用シ
ートを重ね、180℃に加熱されたヒートロールを15
kg/cm2 に加圧し画像記録の上に透明保護層を形成
した。
【0096】UV硬化樹脂保護層の形成 下記組成のUV硬化樹脂塗布液−1を調製した。 脂環式エポキシ樹脂 50 部 カプロラクトントリオール 20 部 グリシジルエーテル 25 部 トリアリルスルホニウムヘキサフルオロホスヘイト塩 5 部 シリコーンポリエーテル 0.5部 化合物A−6 1 部 この塗布液を前述の透明保護層を形成したIDカードの
表面に22μmの厚みにロッドコートした。引きつづき
400Wの高圧水銀灯で2秒間照射し保護層を硬化し、
IDカード−1を作成した。
【0097】実施例2〜6、比較例 実施例1と同様にして、化合物をA−6から表−1のも
のに替えて、IDカード−2〜6を作成した。また化合
物を含まないUV硬化樹脂保護層を有する比較用のID
カード−Aも作成した。
【0098】
【表1】
【0099】得られたIDカードの無地の部分をマクベ
ス濃度計を用いて青フィルタ濃度をUV照射直後と、6
0℃で2週間保存した場合と、Xe光照射試験機(10
万ルクス)で1週間照射した後で測定した。結果を表1
に示した。
【0100】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、一般式
〔A〕で示される化合物を含有するUV硬化樹脂保護層
を設けたIDカードは作成直後の黄ばみが少なく、かつ
保存中の温度、光による黄変も少ない。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に受像層を有し、かつUV硬化
    樹脂からなる保護層を有するIDカードであって、該U
    V硬化樹脂からなる保護層に下記一般式〔A〕で表わさ
    れる化合物を少なくとも一種、 【化1】 (式中、Ra1 ,Ra2 およびRa3 は同一でも異なっ
    てもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル
    基、アシル基またはヘテロ環基を表わす。ただし、Ra
    1 ,Ra2 およびRa3 のいずれもが水素原子であるこ
    とはない。Ra2とRa3 が互いに結合して5〜6員環
    を形成してもよい。)含有することを特徴とするIDカ
    ード。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000301869A (ja) * 1999-04-26 2000-10-31 Dainippon Printing Co Ltd 画像受容が可能なシート
JP2006082374A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Dainippon Printing Co Ltd 2重絵柄を有するカード。

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