JPH0732772A - Idカード - Google Patents

Idカード

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JPH0732772A
JPH0732772A JP5179285A JP17928593A JPH0732772A JP H0732772 A JPH0732772 A JP H0732772A JP 5179285 A JP5179285 A JP 5179285A JP 17928593 A JP17928593 A JP 17928593A JP H0732772 A JPH0732772 A JP H0732772A
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JP
Japan
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layer
image
resin
dye
receiving layer
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Application number
JP5179285A
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English (en)
Inventor
Masataka Takimoto
正高 瀧本
Kunihiro Koshizuka
国博 腰塚
Shigehiro Kitamura
繁寛 北村
Tomonori Kawamura
朋紀 河村
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大量生産に好適であり、耐久性に優れ、しか
も変造防止効果のあるIDカードを提供する。 【構成】 支持体上の受像層に直接接して設けたUV硬
化樹脂からなり、かつ最表層の保護層を有することを特
徴とするIDカード。なお、受像層最表面に色素透過性
で色素染着性の悪い層を設け、その下に色素染着性の良
い層を設けること、受像層に画像を形成後、加熱を行う
こと、画像形成方法が昇華熱転写方式であること、UV
硬化性樹脂がエポキシ系樹脂であることは好ましい態様
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はIDカードに関し、更に
詳しくは大量生産に好適であり、耐久性に優れ、しかも
変造防止効果のあるIDカードに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、運転免許証等の免許証類を初め、
身分証明証、写真付会員証、認証識別カード、写真付名
刺等、多くの各種IDカードが普及している。
【0003】これらのIDカード、例えば運転免許証等
は、支持体の表面に、銀塩写真法により顔写真が形成さ
れると共に印刷法等により必要な情報が記載され、更に
その表面に保護層が形成されていた。この銀塩写真法等
による顔写真の形成は、露光、現像、定着、漂白等の複
雑な多段階の工程を有するので、大量かつ迅速にIDカ
ードを生産しなければならない現場においては、必ずし
も適切ではない。
【0004】近時、このような事情の下、支持体の表面
に、昇華型感熱転写記録方式により階調情報含有画像
等、又は熱溶融型感熱転写記録方式により文字情報含有
画像等の転写画像を形成した受像層を設け、更に前記受
像層における転写画像の全表面にUV硬化性樹脂を塗布
し、これにUV照射をすることによりUV硬化保護層を
形成してなる、大量生産に好適で便利なIDカードが提
案されている。
【0005】しかし、受像層上に直接UV硬化性樹脂を
塗布すると、画像を形成している色素とUV硬化性樹脂
の組合せによっては色素がUV硬化性樹脂の硬化を阻害
する場合があり、色素もUV硬化性樹脂により変色する
場合があった。色素とUV硬化樹脂層が直接接しないよ
うに受像層とUV硬化樹脂層の間に透明保護層を設ける
ことも提案されているが、透明保護層を設けるための手
段をIDカード作成装置に登載せねばならずコストが上
昇してしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、かかる要請に応えると共に上記問題点を解決し、大
量生産に好適であり、耐久性に優れ、効果的に変造を防
止することのできるIDカードを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に発明者らが鋭意検討した結果、色素画像が形成された
受像層に直接UV硬化性樹脂を塗布する場合でも、受像
層最表面に色素透過性で色素染着性でない層を設け、そ
の下に色素染着性の層を設けることにより、色素を下の
色素染着性の層で保持することができ、色素とUV硬化
性樹脂が直接接しないので、UV硬化性樹脂の硬化を阻
害する色素を使用してもUV硬化性樹脂が硬化すること
を見い出した。又、画像形成後、受像層を加熱すること
により、更に本発明の効果を高められることを見い出し
た。
【0008】即ち、本発明の目的は以下の構成によって
達成された。
【0009】支持体上の受像層に直接接して設けたU
V硬化樹脂からなり、かつ最表層の保護層を有するID
カード。
【0010】受像層最表面に色素透過性で色素染着性
の悪い層を設け、その下に色素染着性の良い層を設けた
IDカード。
【0011】受像層に画像を形成後、加熱を行う又
はのIDカード。
【0012】画像形成方法が昇華熱転写方式である
〜のいずれかのIDカード。
【0013】UV硬化性樹脂がエポキシ系樹脂である
ことを特徴とする〜のいずれかのIDカード。
【0014】以下、本発明につき詳細に説明する。
【0015】本発明に係るIDカードの構成は、少なく
ともUV硬化樹脂からなる保護層、受像層、支持体から
なり、支持体は受像層を兼ねることもできる。又、必要
に応じて筆記層を設けることができる。
【0016】−支持体− 本発明におけるIDカードの支持体としては、IDカー
ドとしての必要な機械的強度を有していれば特に制限は
なく、例えば紙、コート紙及び合成紙等のそれ自体公知
の各種紙類、白色の塩化ビニル系樹脂シートもしくはポ
リエチレンテレフタレート(PET)ベースフィルム等の
各種プラスチックフィルムあるいはシート、各種の金属
で形成されたフィルムあるいはシート又は各種のセラミ
ックス類で形成されたフィルムあるいはシート等を挙げ
ることができる。又、このIDカードの支持体は、前記
各種の素材からなる単独のシートであってもよいし、前
記各種の素材からなるシートを組み合わせた複合積層シ
ートであってもよい。
【0017】これらの中で好ましいのは、白色のPETベ
ースフィルム、PETシートを有する複合積層シートであ
る。
【0018】支持体中には、受像層に形成する転写画像
の鮮明性を高めるために、チタンホワイト、炭酸マグネ
シウム等の白色顔料が添加されていることが好ましい。
【0019】これらの中で、運転免許証等のIDカード
とするのであれば、前記白色顔料を含有する塩化ビニル
系樹脂組成物からなるシート又はフィルム、白色のPET
ベースフィルム又はPETシートを有する複合積層シート
が一般的である。
【0020】支持体の厚みとしては、通常100〜1,000μ
m、好ましくは100〜800μmであり、更に好ましくは200
〜800μmである。
【0021】支持体には、必要に応じてエンボス、サイ
ン、ICメモリー、光メモリー、磁気記録層、他の印刷
等を設けもよい。
【0022】−受像層− 本発明のIDカードにおける受像層は基本的には受像層
用バインダーによって形成される。この受像層上層には
離型剤を含んでもよく、又、受像層上層及び下層には必
要に応じて各種の添加剤を含んでもよい。又、受像層は
色素染着性が良く画像を担持する層、色素透過性で色素
染着性が悪く色素とUV硬化性樹脂の接触を実質的に防
ぐ層、離型性を発揮する層など必要に応じて多層構成と
することができる。
【0023】ここでは2層構成の受像層について記述す
る。
【0024】ここで言う色素染着性の良い層、悪い層と
は支持体の表面に各種受像層を形成し、熱昇華型感熱転
写記録用インクシートを用いて同条件下にて色素の感熱
転写を行って、その転写濃度を比較することによって評
価することができる。
【0025】即ち、本発明では上層よりも下層の方が色
素染着性の良いことが好ましいので(下層の色素転写濃
度/上層の色素転写濃度)>1.0であることが好まし
く、更に好ましくは(下層の色素転写濃度/上層の色素
転写濃度)>1.2である。
【0026】色素透過性の層とは、受像層を2層構成と
し熱昇華型感熱転写記録用インクシートを用いて色素の
感熱転写を行った際に、下層にも色素が転写した場合に
その上層は色素透過性である。
【0027】色素透過性は上層の膜厚を薄くすることに
より向上させることが出来る。
【0028】<受像層下層>前記支持体の表面に形成さ
れる受像層下層の厚みとしては通常0.5〜20μmであり、
好ましくは1〜10μmである。
【0029】上記の要求を満たす樹脂としては、例えば
ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマー(例え
ばイソブチルビニルエーテル、プロピオン酸ビニルエス
テル等)との共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルアルコール、
ポリカーボネート、三酢酸セルロース、ポリスチレン、
スチレンと他のモノマー(例えばアクリル酸エステル、
アクリロニトリル、塩化エチレン等)との共重合体、ビ
ニルトルエンアクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リアミド樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹
脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹
脂、及びそれらの変性物などを挙げることができる。
【0030】これらの中でも、ポリ塩化ビニル樹脂、塩
化ビニルと他のモノマーとの共重合体、ポリエステル樹
脂、ポリビニルアセタール系樹脂、スチレンと他のモノ
マーとの共重合体、エポキシ樹脂が好ましい。
【0031】これらの樹脂はその1種を単独で用いるこ
ともできるし、2種以上を組み合わせて用いることもで
きる。
【0032】上記各種の樹脂は、種々の方法により新た
に合成して使用してもよいが、市販品を使用することも
できる。
【0033】なお、受像層下層において、上述した各種
の樹脂はその反応活性点を利用して(反応活性点が無い
場合は、それを樹脂に付与する)、放射線、熱、湿気、
触媒等により架橋又は硬化することにより形成すること
ができる。かかる場合には、エポキシ、アクリルの如き
放射線活性モノマーや、イソシアナートの如き架橋剤を
用いることができる。
【0034】<受像層上層>前記下層の表面に形成され
る受像層上層の厚みとしては通常0.03〜3.0μmである。
【0035】受像層を形成する上層の一形態として、少
なくともエチレン-アクリル酸エステル共重合体及び/
又はエチレン-アクリル酸共重合体を含有し、更に必要
に応じて各種の添加剤を含有することが好ましい。
【0036】(I)エチレン-アクリル酸エステル共重合体
及びエチレン-アクリル酸共重合体 エチレン-アクリル酸エステル共重合体としては、エチ
レン-アクリレート、エチレン-ブチルアクリレート、エ
チレン-エチルアクリレート等を挙げることができる。
【0037】本発明において、これらのエチレン-アク
リル酸エステル共重合体の好ましい分子量としては、重
量平均分子量として1,000〜100,000、特に好ましくは2,
000〜20,000を挙げることができる。
【0038】これらの分子量を有するエチレン-アクリ
ル酸エステル共重合体を使用すると、感熱転写記録用イ
ンクシートとの融着が少ないばかりでなく、感熱記録画
像形成後の表面を保護するための樹脂転写層との接着性
に優れているなどの利点がある。又、染料に対する染着
性と染料透過性を同時に兼ね備えているため転写感度が
高く、更に保持した色素を速やかに下層へ移行させるこ
とにより定着性に優れている。
【0039】エチレン-アクリル酸共重合体としては特
に制限がない。本発明において、エチレン-アクリル酸
共重合体をエチレン-アクリル酸エステル共重合体に代
えて用いてもよいし、又、エチレン-アクリル酸エステ
ル共重合体と共に使用することもできる。
【0040】本発明に好ましく用いられる具体的なエチ
レン-アクリル酸系樹脂エマルジョンの例としては、東
邦化学工業製ハイテックS−3111、3121、3125、3128、
3129、3220等が挙げられる。
【0041】(II)ウレタン変性物 本発明において、上記エチレン-アクリル酸エステル共
重合体及びエチレン-アクリル酸共重合体は、その一部
がウレタン変性されていてもよい。
【0042】ウレタン変性は、エチレン-アクリル酸エ
ステル共重合体及びエチレン-アクリル酸共重合体にお
けるカルボキシル基を反応点として、ウレタン樹脂を連
結させることよりなる。この反応は、エステル結合、ア
ミド結合、ウレタン結合を生成させる反応である。
【0043】ウレタン変性した上記共重合体(以下、ウ
レタン変性物と称することがある)の使用が好ましい理
由は以下の通りである。
【0044】即ち、ウレタン変性をすると、比較的に軟
質なエチレン-アクリル酸エステル共重合体及びエチレ
ン-アクリル酸共重合体に、比較的硬質のウレタンを導
入することによって、受像シートのウレタン変性物を含
有する受像層と感熱転写記録用インクシートとの融着が
起こり難くなるためである。
【0045】エチレン-アクリル酸エステル共重合体及
びエチレン-アクリル酸共重合体に導入されるウレタン
樹脂としては、主鎖に複数のウレタン結合を有する、公
知の脂肪族系又は芳香族系のウレタン樹脂が挙げられ
る。
【0046】ウレタン変性物の合成方法としては、重合
によって予めウレタン樹脂を合成しておき、これとエチ
レン-アクリル酸エステル共重合体又はエチレン-アクリ
ル酸共重合体とを反応させて、架橋構造を形成する手法
を挙げることができる。尤も、ウレタン変性物を合成す
るのに前記手法に限定されるものではない。
【0047】ウレタン変性により導入されるウレタン樹
脂の分子量としては、重量平均分子量で500〜10,000が
好ましく、導入されるウレタン樹脂の割合としては、ウ
レタン変性物全量の好ましくは70%以下、より好ましく
は50%以下、特に好ましくは1%以下である。
【0048】その他に、前記要求を満たし、受像層下層
の表面に形成される受像層上層としては、例えば特開昭
63-183881号の9頁左下欄9行〜10頁左上欄15行に記載
の熱溶融性化合物と、同公報10頁左上欄16行〜11頁左下
欄9行に例示される熱可塑性樹脂とにより形成される層
を挙げることができる。
【0049】これらの中で好ましいのは、ポリスチレ
ン、アクリル樹脂、スチレン-アクリルコポリマー、ポ
リスチレン-ポリスチレングラフトマー、ポリスチレン-
アクリルグラフトポリマー、アクリル-アクリルグラフ
トポリマー及びそれらの酸変性物、エポキシ変性物等で
ある。更に好ましくはポリスチレン、ポリスチレン-ポ
リメチルメタクリレートグラフトポリマー、ポリメチル
メタクリレート、酸変成アクリル-ポリメチルメタクリ
レート、酸変性アクリル-ポリスチレングラフトポリマ
ー、エポキシ変性ポリスチレン-ポリスチレングラフト
ポリマーである。
【0050】なお、受像層上層において、上述した各種
の樹脂はその反応活性点を利用して(反応活性点がない
場合は、それを樹脂に付与する)放射線、熱、湿気、触
媒等により架橋もしくは硬化することにより形成するこ
とができる。かかる場合には、エポキシ、アクリルの如
き放射線活性モノマーやイソシアナートの如き架橋剤を
用いることができる。
【0051】(離型剤)前記受像層には、後述する画像
形成後のインクシートと受像層との剥離を容易ならしめ
るために、離型剤を添加することが好ましい。又、この
離型剤は、その種類と含有量とを適切に選択することに
より、受像層と支持体との接着力、又は受像層層と中間
層との接着力を調整することもできる。
【0052】この離型剤としては、例えばシリコーンオ
イル(シリコーン樹脂と称されるものも含む)、ポリエ
チレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等
の固型ワックス類、弗素系、燐酸エステル系の界面活性
剤、金属微粉末、シリカゲル、金属酸化物、カーボンブ
ラック及び樹脂微粉末などのフィラー等を挙げることが
できる。これらは1種単独でも2種以上を併用すること
もできる。
【0053】前記シリコーンオイルには、単に添加する
タイプ(単純添加型)と、硬化又は反応させるタイプ
(硬化反応型)とがある。
【0054】単純添加型の場合には、バインダーとの相
溶性を向上させるために、変性シリコーンオイル(例え
ばポリエステル変性シリコン樹脂、ウレタン変性シリコ
ン樹脂、アクリル変性シリコン樹脂等)を使用するのが
好ましい。
【0055】これら単純添加型のシリコーンオイルの添
加量は、その種類に応じて様々に変化することがあるか
ら一律に決定することができないが、一般的には、通
常、受像層用バインダーに対して0.1〜30重量%であ
り、好ましくは0.5〜20重量%である。
【0056】硬化反応型のシリコーンオイルとしては、
反応硬化型(アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変
性シリコーンオイルとを反応硬化させたもの)、光硬化
型、触媒硬化型等を挙げることができる。
【0057】これら硬化型シリコーンオイルの添加量は
受像層用バインダーの0.5〜30重量%が好ましい。
【0058】上記のシリコーンオイル以外の離型剤の添
加量は、受像層に対し通常、1〜40重量%が好ましい。
【0059】(添加剤)前記受像層は、酸化防止剤、U
V吸収剤、光安定剤、フィラー(無機微粒子、有機樹脂
粒子)、顔料を、又、増感剤として可塑剤、熱溶融性物
質等を添加剤として含有してもよい。これらの添加剤は
受像層と支持体との接着力、あるいは受像層と中間層と
の接着力に影響を与える場合には、添加剤の種類と添加
量とを適切に選択するのが望ましい。
【0060】酸化防止剤としては、特開昭59-182785
号、同60-130735号、特開平1-127387号等に記載の酸化
防止剤、及び写真その他の画像記録材料における画像耐
久性を改善するものとして公知の化合物を挙げることが
できる。
【0061】UV吸収剤及び光安定剤としては、特開昭
59-158287号、同63-74686号、同63-145089号、同59-196
92号、同62-229594号、同63-122596号、同61-283595
号、特開平1-204788号等に記載の化合物、及び写真その
他の画像記録材料における画像耐久性を改善するものと
して公知の化合物を挙げることができる。
【0062】フィラーとしては無機微粒子や有機樹脂粒
子を挙げることができ、これらは上述した離型剤を兼ね
てもよい。
【0063】この無機微粒子としては、シリカゲル、炭
酸カルシウム、酸化チタン、酸性白土、活性白土、アル
ミナ等を挙げることができ、有機微粒子としては弗素樹
脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリ
コン樹脂粒子等の樹脂粒子を挙げることができる。これ
らの無機・有機樹脂粒子は比重により異なるが、0.1〜7
0重量%の添加が好ましい。
【0064】顔料としては、代表例としてチタンホワイ
ト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリ
カ、タルク、クレー、カオリン、活性白土、酸性白土な
どを挙げることができる。
【0065】可塑剤としては、フタル酸エステル類、ト
リメリット酸エステル類、アジピン酸エステル類、その
他飽和又は不飽和カルボン酸エステル類、枸櫞酸エステ
ル類、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキ
システアリン酸類、正燐酸エステル類、亜燐酸エステル
類、グリコールエステル類などを挙げることができる。
【0066】熱溶融性物質としては、フェノール等のア
ルコール類、アセトアミド等のアミド類、桂皮酸ベンジ
ル等のエステル類、クラウンエーテル等のエーテル類、
p-メチルアセトフェノン等のケトン類、ジメトキシベン
ズアルデヒド等のアルデヒド類、スチルベン等の炭化水
素類、マルガリン酸等の高級脂肪酸、エイコサノール等
の高級アルコール、パルミチン酸セチル等の高級脂肪酸
エステル、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、
ベヘニルアミン等の高級アミンなどに代表される単分子
化合物、パラフィンワックスなどのワックス類、ロジン
フェノール樹脂等のロジン誘導体、フェノール樹脂、ケ
トン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、テ
ルペン樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタジエ
ン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなどのポリオレフィンオ
キサイドなどに代表される高分子化合物などを挙げるこ
とができる。
【0067】本発明においては、上記熱溶融性物質は、
融点又は軟化点が10〜150℃の化合物が好ましい。
【0068】なお、本発明では、上記の添加剤全体の添
加量が、通常、受像層用樹脂に対して0.1〜30重量%の
範囲内において選定されるのが好ましい。
【0069】《受像層の製造》受像層は、受像層を形成
する成分を溶媒に分散又は溶解してなる受像層形成用塗
布液を調製し、前記支持体の表面に塗布・乾燥する塗工
法によって製造することができる。又、前記受像層を形
成する成分を有する混合物を溶融押出しし、支持体の表
面に貼りつけるラミネート法等によっても製造すること
ができる。
【0070】上記塗工法に用いる溶媒としては、水、ア
ルコール、メチルエチルケトン、トルエン、ジオキサ
ン、シクロヘキサノンなど、従来から公知の溶媒を挙げ
ることができる。
【0071】上記ラミネート法を採用する時には、共押
出法を採用することもできる。
【0072】受像層は、支持体の一方の表面における全
面に亘って形成されてもよいし、又、一部に形成されて
もよいが、本発明では支持体の一部に形成されているも
のが好ましい。
【0073】−UV硬化保護層− 本発明のIDカードにおいては、UV硬化性樹脂を紫外
線照射によって硬化してなる実質的に透明なUV硬化保
護層を、転写画像を形成した受像層の表面に直接形成す
る。例えば、後述のUV硬化保護層用コーティング剤を
用いて、種々の方法を採用することにより形成すること
ができる。
【0074】UV硬化保護層の界面における接着力を大
きくする方法としては、例えば熱融着し易い類似のポリ
マーを用いること、イオン結合を形成するよう極性基を
有する化合物を使用すること、層を形成する際の圧力、
温度、時間等の条件を調節すること、UV照射時に受像
層のバインダー樹脂の官能基と反応して共有結合を形成
する構造を持たせることにより達成することができる。
【0075】UV硬化保護層は、例えば以下に示す微粒
子を含有することもできる。微粒子を含有すると、微粒
子を含有しない場合に比べて偽造、変造に対して効果が
あり、又、他のカードとの識別も容易とすることができ
る点で好ましい。
【0076】微粒子の材料としては特に制約はないが、
通常、無機微粒子、有機微粒子を用いることができる。
無機微粒子としては、チタンホワイト、炭酸マグネシウ
ム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、タルク、クレ
ー、真鍮及びアルミなどの粉体並びに箔などを挙げるこ
とができる。有機微粒子としては、UV硬化性樹脂モノ
マーなどに溶解しないものが好ましい。
【0077】又、本発明においては、UV硬化保護層に
着色剤を含有させることもできる。この着色剤として
は、染料、顔料、蛍光色素、赤外吸収色素などを挙げる
ことができる。
【0078】UV硬化保護層内に着色剤を含有すると、
UV硬化保護層が特有の色調を帯びるという性質を有す
るようになるので、着色剤を含まない場合に比べて変
造、偽造される恐れがない点、及び他のカードとの識別
も容易になる点で好ましい。
【0079】上記着色剤としては、合成樹脂の分野で一
般に知られている顔料や染料、赤外線吸収剤などを挙げ
ることができる。着色剤の添加量としては、転写画像の
記録情報の視認に障害が無ければ特に制限はなく、種々
使用量を選択することができる。
【0080】UV硬化保護層は、更にその表面に一定パ
ターンの凸凹を形成することができる。表面に特定パタ
ーンの凹凸、例えば、ある種のマーク、細紋又は地紋な
どの紋様などを形成すると、偽造物、変造物との識別を
可能にすることができる点で好ましい。
【0081】UV硬化保護層の表面を凸凹にするには、
例えばUV硬化保護層を、ある特定パターンのグラビヤ
目を持つ版によってコーティングする方法、UV硬化性
樹脂が半硬化した時点で型押しする方法などにより凹凸
を形成することができる。
【0082】UV硬化保護層形成用コーティング剤とし
ては、UV硬化性のプレポリマー及び/又はモノマーと
重合開始剤とを主成分とする組成物によって形成するこ
とができる。
【0083】UV硬化性のプレポリマー、モノマーとし
ては、ラジカル重合によって高分子化の起こるタイプ
(主にアクリレートタイプ)や、カチオン重合により高
分子化の起こるタイプ(主にエポキシタイプ)があり、
この発明の目的においてはエポキシタイプの使用が好ま
しい。
【0084】ここではエポキシタイプのUV硬化性プレ
ポリマー、モノマーを記載する。エポキシ系のプレポリ
マー、モノマーとしては1分子内にエポキシ基を2個以
上含有するプレポリマーを挙げることができる。このよ
うなプレポリマーとしては、例えば脂環式ポリエポキシ
ド類、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アル
コールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキ
レングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポ
リオールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオー
ルのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウ
レタンポリエポキシ化合物類及びエポキシ化ポリブタジ
エン類等を挙げることができる。これらのプレポリマー
は、その1種を単独で使用することもできるし、又、そ
の2種以上を混合して使用することもできる。
【0085】UV硬化保護層形成用コーティング剤中の
エポキシ基を1分子内に2個以上有するプレポリマーの
含有量は、70重量%以上であるのが好ましい。
【0086】重合開始剤としてはカチオン重合開始剤が
好ましく、具体的には芳香族オニウム塩を挙げることが
できる。
【0087】この芳香族オニウム塩として、周期表第V
a族元素の塩、例えばホスホニウム塩(例えばヘキサフ
ルオロ燐酸トリフェニル・フェナシルホスホニウムな
ど)、第VIa族元素の塩、例えばスルホニウム塩(例
えばテトラフルオロ硼酸トリフェニルスルホニウム、ヘ
キサフルオロ燐酸トリフェニルスルホニウム、ヘキサフ
ルオロ燐酸トリス(4-チオメトキシフェニル)、スルホ
ニウム及びヘキシサフルオロアンチモン酸トリフェニル
スルホニウムなど)、及び第VIIa族元素の塩、例え
ばヨードニウム塩(例えば塩化ジフェニルヨードニウム
など)を挙げることができる。
【0088】このような芳香族オニウム塩をエポキシ化
合物の重合におけるカチオン重合開始剤として使用する
ことは、米国特許4,058,401号、同4,069,055号、同4,10
1,513号及び同4,161,478号等に詳述されている。
【0089】好ましいカチオン重合開始剤としては第V
Ia族元素のスルホニウム塩が挙げられる。その中で
も、UV硬化性とUV硬化性組成物の貯蔵安定性の観点
から、ヘキサフルオロアンチモン酸トリアリールスホニ
ウムが好ましい。
【0090】前記UV硬化保護層用コーティング剤中に
は、更に油類(特にシリコーン油)、シリコーン-アル
キレンオキシド共重合体(例えばユニオンカーバイド社
から市販されているL−5410)のような界面活性剤、シ
リコーン油含有脂肪族エポキシド類、3M社から市販さ
れているFO−171及びFO−430、大日本インキ株式会社か
ら市販されているMegafac F−141のようなフルオロカ
ーボン界面活性剤等を含有させてもよい。
【0091】UV硬化保護層用コーティング剤中には、
更にスチレン、パラメチルスチレン、メタクリル酸エス
テル、アクリル酸エステル等のビニル単量体やセルロー
ス系、熱可塑性ポリエステル、フェニルグリシジルエー
テル、珪素含有モノエポキシド、ブチルグリシジルエー
テル等のモノエポキシド等が、本発明の効果を阻害しな
い範囲で含有されていてもよい。
【0092】又、このUV硬化保護層用コーティング剤
中には、不活性性成分として染料、顔料、増粘剤、可塑
剤、安定剤、レベリング剤、カップリング剤、粘着付与
剤、シリコーン基含有活性剤、フルオロカーボン基含有
表面活性剤等の濡れ向上剤、その他の各種添加剤、更に
コーティング剤の塗布中における流動性改良を目的とし
て、前記カチオン重合開始剤と殆ど反応しないアセト
ン、メチルエチルケトン、メチルクロライド等の少量の
溶剤を含有させてもよい。
【0093】UV硬化におけるUVとは紫外領域の光
(紫外線)を意味し、又、紫外線を含む光線をも含む意
味である。従って、紫外線照射として、太陽光線の照
射、低圧水銀灯の照射、高圧水銀灯の照射、超高圧水銀
灯の照射、カーボンアーク等の照射、メタルハライドラ
ンプによる照射、キセノンランプの照射等を挙げること
ができる。又、場合によって、電子線などの高エネルギ
ー線を用いてもよい。
【0094】なお、硬化に際しては、紫外線の照射時又
は照射の前後において、UV硬化保護層用コーティング
剤の塗布膜を加熱すると、硬化時間の短縮を図ることが
できる。
【0095】−筆記層− 筆記層は、IDカードの裏面に筆記をすることができる
ようにした層である。このような筆記層としては、例え
ば特開平1-205155号に記載の「書込層」を以て形成する
ことができる。
【0096】筆記層は、支持体における複数の層が積層
されていない方の面に形成される。
【0097】次に、本発明のIDカードの受像層に画像
を形成するために用いる感熱転写記録材料について述べ
る。
【0098】〈感熱転写記録用インクシート〉感熱転写
記録用インクシートは、基本的に支持体上にインク層を
積層してなる。
【0099】−支持体− 本発明に用いられる支持体としては、寸法安定性が良
く、感熱ヘッドでの記録の際の熱に耐えるものならば何
でもよいが、コンデンサー紙、グラシン紙のような薄葉
紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、
ポリスルホン、ポリビニルアルコール、セロファン、ポ
リスチレンのような耐熱性のプラスチックフィルムを用
いることができる。
【0100】支持体の厚さは2〜10μmが好ましい。支
持体の形状については特に制限がなく、例えば広幅のシ
ート又はフィルム、細幅のテープやカードなど任意の形
状がある。
【0101】−インク層− インク層は必須成分として熱拡散性色素とバインダーと
を含有する。
【0102】(熱拡散性色素)熱拡散性色素としてはシ
アン色素、マゼンタ色素、イエロー色素を挙げることが
でき、シアン色素としては、特開昭59-78896号、同59-2
27948号、同60-24966号、同60-53563号、同60-130735
号、同60-131292号、同60-239289号、同61-19396号、同
61-22993号、同61-31292号、同61-31467号、同61-35994
号、同61-49893号、同61-148269号、同62-191191号、同
63-91288号、同63-91287号、同63-290793号等に記載さ
れているナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、
アゾメチン系色素等が挙げられる。
【0103】マゼンタ色素としては、特開昭59-78896
号、同60-30392号、同60-30394号、同60-253595号、同6
1-262190号、同63-5992号、同63-205288号、同64-159
号、同64-63194号等に記載されているアントラキノン系
色素、アゾ色素、アゾメチン系色素等が挙げられる。
【0104】又、イエロー色素としては、特開昭59-788
96号、同60-27594号、同60-31560号、同60-53565号、同
61-12394号、同63-122594号等に記載されているメチン
系色素、アゾ系色素、キノフタロン系色素、アントライ
ソチアゾール系色素が挙げられる。
【0105】又、熱拡散性色素として特に好ましいの
は、開鎖型又は閉鎖型の活性メチレン基を有する化合物
と、p-フェニレンジアミン誘導体の酸化体又はp-アミノ
フェノール誘導体の酸化体とのカップリング反応により
得られるアゾメチン色素、及びフェノール又はナフトー
ル誘導体とp-フェニレンジアミン誘導体の酸化体又はp-
アミノフェノール誘導体の酸化体とのカップリング反応
により得られるインドアニリン色素である。
【0106】インク層に含有される熱拡散性色素は、形
成しようとする画像が単色であるならば、イエロー色
素、マゼンタ色素及びシアン色素の何れであってもよ
い。又、形成しようとする画像の色調によっては、前記
3種の色素のいずれか2種以上あるいは他の熱拡散性色
素を含んでいてもよい。
【0107】熱拡散性色素の使用量は、通常、支持体1
m2当たり0.1〜5g、好ましくは0.2〜2gである。
【0108】(バインダ−)インク層のバインダーとし
ては、セルロース付加化合物、セルロースエステル、セ
ルロースエーテル等のセルロース系樹脂、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセトア
セタール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタ
ール樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポ
リアクリルアミド、スチレン系樹脂、ポリ(メタ)アク
リル酸系エステル、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)
アクリル酸共重合体などのビニル系樹脂、ゴム系樹脂、
アイオノマー樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹
脂等が挙げられる。
【0109】これらの樹脂の中でも、保存性の優れたポ
リビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール又は
セルロース系樹脂が好ましい。
【0110】前記各種のバインダーは、その1種を単独
で使用することもできるし、又、2種以上を併用するこ
ともできる。
【0111】バインダーと前記熱拡散性色素との重量比
は、1:10〜10:1が好ましく、2:8〜7:3の範囲
が特に好ましい。
【0112】(その他の任意成分)更に、前記インク層
には各種の添加剤を適宜に添加することができる。
【0113】その添加剤としては、シリコン樹脂、シリ
コンオイル(反応硬化タイプも可)、シリコン変性樹
脂、弗素樹脂、界面活性剤及びワックス類等の剥離性化
合物、金属微粉末、シリカゲル、金属酸化物、カーボン
ブラック及び樹脂微粉末等のフィラー、バインダー成分
と反応可能な硬化剤(例えばイソシアナート類やアクリ
ル類やエポキシ類等の放射線活性化合物)などを挙げる
ことができる。
【0114】更に又、添加剤として転写を促進するため
の熱溶融性物質、例えばワックスや高級脂肪酸エステル
など、特開昭59-106997号記載の化合物を挙げることが
できる。
【0115】−その他の層− 感熱転写記録用インクシートは、支持体とインク層とか
らなる2層構成に限られず、その他の層が形成されてい
てもよい。例えば、感熱転写記録用受像シートとの融着
や熱拡散性色素の裏移り(ブロッキング)を防止する目
的で、インク層の表面にオーバーコート層を設けてもよ
い。
【0116】又、支持体には、バインダーとの接着性の
改良や色素の支持体側への転写、染着を防止する目的で
下引層を有していてもよい。更に支持体の裏面(インク
層と反対側)には、走行安定性、耐熱性、帯電防止等の
目的でバッキング層を設けてもよい。
【0117】このオーバーコート層、下引層及びバッキ
ング層の厚みは、通常0.1〜1μmである。
【0118】〈感熱転写記録用インクシートの製造〉感
熱転写記録用インクシートは、インク層を形成する前記
各種の成分を溶媒に分散又は溶解してインク層形成用塗
工液を調製し、支持体の表面に塗工し、乾燥することに
より製造できる。
【0119】なお、前記バインダーは、1種又は2種以
上を溶媒に溶解又はラテックス状に分散させて用いる。
【0120】前記溶媒としては、水、エタノール、テト
ラヒドロフラン、メチルエチルケトン、トルエン、キシ
レン、クロロホルム、ジオキサン、アセトン、シクロヘ
キサン、酢酸ブチルなどを挙げることができる。
【0121】前記塗工には、従来から公知のグラビアロ
ールによる面順次塗り別け塗布法、押出塗布法、ワイヤ
ーバー塗布法、ロール塗布法等を採用することができ
る。
【0122】インク層は、支持体の表面の全面又は一部
の表面に、単色の熱拡散性色素を含有する層として形成
されてもよいし、又、バインダーとイエロー色素とを含
有するイエローインク層、バインダーとマゼンタ色素と
を含有するマゼンタインク層及びバインダーとシアン色
素とを含有するシアンインク層が、平面方向に沿って一
定の繰返しで支持体の表面の全面又は一部の表面に形成
されてもよい。
【0123】又、平面方向に沿って配列された上記3層
のインク層に加えて、黒色画像形成物質を含む黒色イン
ク層が介在してもよい。なお、黒色インク層について
は、拡散転写型でも溶融転写型でも鮮明な画像が得られ
る。
【0124】形成されたインク層の膜厚は、通常0.2〜1
0μmであり、好ましくは0.3〜3μmである。
【0125】なお、感熱転写記録用インクシートに、パ
ーフォレーションを形成したり、又は色相の異なる区域
の位置を検出するための検知マークなどを設けることに
より使用時の便を図ることもできる。
【0126】《熱転写記録方法》画像を形成するには、
感熱転写記録用インクシートのインク層と受像シートの
受像層とを重ね合わせ、インク層と受像層との界面にイ
メージワイズに熱エネルギーを与える。
【0127】インク層中の熱拡散性色素は、熱エネルギ
ーに応じた量だけ気化又は昇華し、受像層側に移行され
受容されて画像が形成される。
【0128】この熱処理の手段としては公知の手段が用
いられ、例えば通常よく用いられるヒートロール、ホッ
トスタンプ以外に画像形成時に用いられる後述の熱源、
即ちサーマルヘッド、レーザー光、赤外線フラッシュ、
熱ペンなども用いることができる。
【0129】本発明においては、最終的には受像層の下
層側に色素を拡散させるのであるから、十分に上層の受
像層に熱エネルギーが供給される必要がある。熱処理時
の加熱は、上層表面側、支持体側、又、その両側からの
いずれであってもよいが、効率的な熱処理をすることが
必要である。
【0130】上記熱処理の加熱温度及び加熱時間は熱源
によって異なるが、後述の画像を記録する際に用いる熱
源はいずれも使用でき、通常の画像記録を行う範囲内で
熱処理を行うことができる。
【0131】熱処理にヒートロールを用いる場合の加熱
温度は、通常70〜200℃、好ましくは100〜150℃の範囲
であり、又、その搬送速度は、通常0.01〜20mm/秒、好
ましくは0.05〜5mm/秒である。
【0132】画像形成時に加える熱エネルギーを与える
熱源としてはサーマルヘッドが一般的であるが、この他
にレーザー光、赤外線フラッシュ、熱ペンなど公知のも
のを使用することができる。
【0133】サーマルヘッドを用いる時は、サーマルヘ
ッドに印加する電圧又はパルス巾を変調することによ
り、与える熱エネルギーを連続的にあるいは多段階に変
化させることができる。
【0134】レーザー光を用いる時は、レーザー光の光
量や照射面積を変化させることにより与える熱エネルギ
ーを変化させることができる。この場合、レーザー光を
吸収し易くするため、レーザー光吸収材料(例えば半導
体レーザーの場合、カーボンブラックや近赤外線吸収物
質など)をインク層中、又はインク層近傍に存在せしめ
るとよい。
【0135】なお、レーザー光を用いる時は、感熱転写
記録用インクシートと受像シートとを充分に密着させて
行うとよい。
【0136】音響光学素子を内蔵したドットジェネレー
ターを用いれば網点の大小に応じた熱エネルギーを与え
ることもできる。
【0137】赤外線フラッシュランプを用いる時は、レ
ーザー光を用いる場合と同様に、加熱を黒色又は赤外線
吸収物質を含有する着色層を介して行うとよい。あるい
は、黒色などの、画像の濃淡を連続的に表現したパター
ン又は網点パターンを介して加熱を行ってもよいし、
又、一面の黒色などの着色層と前記パターンのネガに相
当するネガパターンを組み合わせて加熱を行ってもよ
い。
【0138】画像形成時の熱エネルギーの与え方として
は、感熱転写記録用インクシート側から行っても、受像
シート側から行っても、あるいは両側から行ってもよい
が、熱エネルギーの有効利用を優先させるなら、感熱転
写記録用インクシート側から行うのが望ましい。
【0139】以上の熱転写記録により、受像シートの受
像層に一色の画像を記録することができるが、下記の方
法によると、各色の掛合せからなるカラー写真調のカラ
ー画像を得ることもできる。例えばイエロー、マゼン
タ、シアン及び必要に応じて黒色の感熱転写記録用感熱
シートを順次取り換えて、各色に応じた熱転写を行う
と、各色の掛合せからなるカラー写真調のカラー画像を
得ることもできる。
【0140】又、次の方法も有効である。
【0141】即ち、上記のように各色の感熱転写記録用
インクシートを用いる代わりに、予め各色に塗り分けて
形成した区域を有する感熱転写記録用インクシートを用
いるのである。そして、まずイエローの区域を用いてイ
エローの分色画像を熱転写し、次にマゼンタの区域を用
いてマゼンタの分色画像を熱転写し、以下、順次に繰り
返すことによりイエロー、マゼンタ、シアン及び必要に
より黒色の分色画像を順に熱転写する方法を採る。
【0142】この方法でも、カラー写真調のカラー画像
を得ることが可能であるが、更に好都合なことに、この
方法には前記のような感熱転写記録用感熱シートの交換
が不要になるという利点がある。
【0143】又、前記熱処理をサーマルヘッドで行う場
合に、上記のように予め各色に塗り分けて形成した区域
を有する感熱転写記録用インクシートに、インク層を付
してない領域を更に設けておくと、熱処理するために別
のシートを用意するという問題がなくなる。
【0144】《IDカードの製造》本発明のIDカード
は、次のようにして製造することができる。
【0145】即ち、上述のようにIDカードにおける受
像層と昇華型感熱転写記録用インクシートにおけるイン
ク層とを重ね合わせ、熱源、例えばサーマルヘッド等に
より像様に加熱することにより受像層に熱昇華性色素を
拡散移動させて階調情報含有画像を形成する。次いで、
階調情報含有画像を形成していない受像層表面に、熱溶
融型感熱転写記録用インクシートを用いて種々の文字情
報含有画像を形成する。
【0146】画像を形成した受像層を熱処理することに
より、色素を下層により担持させることができる。その
後、受像層全体に亘って、UV硬化性樹脂を塗工し、紫
外線を照射することによりUV硬化保護層を形成する。
【0147】
【実施例】以下、この発明の実施例につき具体的に説明
する。なお、以下の記述において「部」は「重量部」を
表す。
【0148】実施例1 (支持体の作成)厚み350μmのPET樹脂シート(ICI
製:メリネックス226)の両面に、厚みが50μmとなるよ
うに低密度ポリエチレン樹脂(三井石油化学製:ミラソ
ン16P)に酸化チタン15%を混合した組成物を、押出コ
ーティング法により押し出すことにより、厚み450μmの
幅広な複合樹脂シートを得た。この複合樹脂シートの一
方の面に、25W/m2・minでコロナ放電処理を施し支持体
として以下の各層の積層を行った。
【0149】(受像層の作成)形成された中間層の表面
に、下記組成の第1受像層形成用塗布液と第2受像層形
成用塗布液とをこの順に、それぞれ厚み3.0μm、0.5μm
となるように積層し、受像層Aを形成した。
【0150】第1受像層形成用塗布液 ポリビニルブチラール樹脂 10部 (エスレックBX−1:積水化学工業製) メチルエチルケトン 80部 シクロヘキサノン 10部第2受像層形成用塗布液 アクリルエマルジョン(43%固形分) 25部 (カネボウエヌエスシー社製:AD-51) ポリエチレン系ワックスエマルジョン(35%固形分) 5部 (東邦化学工業(株)製:ハイテックE1000) 水 70部 (筆記層の形成)支持体における受像層とは反対の面に
下記組成の筆記層形成用塗布液を塗布・乾燥して、厚み
40μmの筆記層を形成した。
【0151】筆記層形成用塗布液 コロイダルシリカ 2.5部 ゼラチン 7.0部 2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-s-トリアジン・ナトリウム 0.2部 (硬膜剤) 水 90.0部UV硬化性層形成用塗布液 ビス(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル) 70.0部 アジペート(UCC社製:ERL4299) ビスフェノールAグリシジルエーテル 10.0部 1,4-ブタンジオールグリシジルエーテル 13.0部 トリアリールスルホニウムフルオロアンチモン 7.0部 (昇華型インクシートの作成)支持体として厚み6μm
のPETフィルム(東レ製:ルミラー6CF531)の耐熱保護
層の裏面に、下記組成のインク層形成用塗工液をワイヤ
ーバーコーティング法により、乾燥後の厚みが1μmに
なるように塗布・乾燥して感熱転写記録用インクシート
を得た。
【0152】インク層形成用塗工液 分散染料(日本化薬製:カヤセットブルー136) 4.0部 ポリビニルブチラール 4.0部 (積水化学工業製:エスレックBX−1) メチルエチルケトン 82部 シクロヘキサノン 10部 (転写画像の形成)支持体に、受像層及び筆記層を設け
た前記IDカード用積層体をJIS規格に準じたカードサ
イズに裁断し、得られたIDカード用積層体の受像層
と、熱昇華型感熱転写用インクシートの熱昇華性色素を
含有するインク層とを重ね合わせ、インクシート側から
サーマルヘッドを用いて出力0.23W/ドット、パルス幅
0.3〜4.5msec、ドット密度16ドット/mmの条件で加熱す
ることにより、受像層に諧調性のある人物顔画像を形成
した。
【0153】次いで、溶融型感熱転写シートを用いて40
0dpiのラインサーマルヘッドを搭載したカードプリンタ
にて印字を行ない受像層に文字情報含有画像を形成し
た。
【0154】次に、受像層表面にUV硬化樹脂層形成用塗
布液を20g/m2の塗布量になるようにワイヤーバー法に
より塗布し、下記の硬化条件にてUV硬化樹脂層形成用塗
料を硬化させた。
【0155】(硬化条件) 光照射源:60W/cm2の高圧水銀ランプ 照射距離:10c
m 照射モード:3cm/分で光走査 実施例2 転写画像の形成までは実施例1と同様に作成した。
【0156】次に、下記加熱処理手段で受像層を加熱し
た。
【0157】直径5cmのシリコーンゴムローラー(ゴム
硬度80)の表面を150℃に加熱して、25μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(ダイアホイルヘキスト(株)
製:T-25)を介して、線圧が10kg/cm、搬送速度5mm
/秒となるように加熱・加圧する。
【0158】その後、実施例1と同様にUV硬化性樹脂層
を設けた。
【0159】比較例1 受像層上層を設けない以外は実施例1と同様にIDカー
ドを作成した。
【0160】上記の各IDカードについて、以下の評価
を行った。
【0161】《評価項目》 硬度;UV硬化性樹脂の硬化状態をJIS K5401の鉛筆硬
度試験に準じて評価した。
【0162】変色;UV硬化性樹脂の浸透による色素の
変色を目視で評価した。
【0163】結果を以下に示す。
【0164】
【0165】
【発明の効果】本発明によれば、耐久性に優れ変造防止
効果もあるIDカードを簡便かつ迅速に作成することが
できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/08 8413−4F B41M 5/38 G06K 19/10 (72)発明者 河村 朋紀 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の受像層に直接接して設けたU
    V硬化樹脂からなり、かつ最表層の保護層を有すること
    を特徴とするIDカード。
  2. 【請求項2】 受像層最表面に色素透過性で色素染着性
    の悪い層を設け、その下に色素染着性の良い層を設けた
    ことを特徴とする請求項1記載のIDカード。
  3. 【請求項3】 受像層に画像を形成後、加熱を行うこと
    を特徴とする請求項1又は2記載のIDカード。
  4. 【請求項4】 画像形成方法が昇華熱転写方式である請
    求項1〜3のいずれかに記載のIDカード。
  5. 【請求項5】 UV硬化性樹脂がエポキシ系樹脂である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のID
    カード。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6001893A (en) * 1996-05-17 1999-12-14 Datacard Corporation Curable topcoat composition and methods for use

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US6187129B1 (en) 1996-05-17 2001-02-13 Datacard Corporation Curable topcoat composition and methods for use

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