JPH06286350A - 受像シート、受像シートの製造方法、画像の保護方法、画像記録体および画像記録体の製造方法 - Google Patents

受像シート、受像シートの製造方法、画像の保護方法、画像記録体および画像記録体の製造方法

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JPH06286350A
JPH06286350A JP5074022A JP7402293A JPH06286350A JP H06286350 A JPH06286350 A JP H06286350A JP 5074022 A JP5074022 A JP 5074022A JP 7402293 A JP7402293 A JP 7402293A JP H06286350 A JPH06286350 A JP H06286350A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、転写感度が高く、融着を
起こすことなく、定着性の良好な画像を形成することの
できる受像シート及びその製造方法を提供し、受像シー
ト上の画像を保護することのできる画像保護方法を提供
し、又、そのような受像シートを用いたところの、自動
車免許証等のIDカードに好適な画像記録体及びその製
造方法を提供することにある。 【構成】 この発明の受像シートは、支持体上に下層及
び特定のバインダーを含有する上層からなる受像層を設
けてなり、この発明の画像保護方法は、画像を有する受
像層に保護層を形成するものであり、この発明の画像記
録体は、支持体上に形成された下層の表面の一部を被覆
するように上層を形成し、この上層に昇華性色素による
転写画像を形成し、下層には溶融型転写画像を形成して
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、受像シート、受像シ
ートの製造方法、画像保護方法、画像記録体および画像
記録体の製造方法に関し、更に詳しくは、転写感度が高
く、画像形成時の加熱によっても融着を起こすことのな
い受像シート、その受像シートを製造する方法、受像層
に形成された画像の保護方法、前記受像シートを使用し
て製造された画像記録体およびその画像記録体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】一般に感
熱転写記録方式は、操作や保守が容易であること、装置
の小型化、低コスト化が可能であること等の利点を有し
ている。
【0003】この感熱転写記録方式には、以下の二種類
がある。
【0004】すなわち、支持体上に溶融性インク層を有
する転写シートをレーザーあるいはサーマルヘッドによ
りイメージワイズに加熱して、該溶融性インク層を感熱
転写記録用受像シート上に溶融転写する方式と、支持体
上に昇華性色素(熱拡散性色素)を含むインク層を有す
る感熱転写記録用インクシートを用いて、感熱転写記録
用受像シートに前記熱拡散性色素を拡散転写する熱拡散
転写方式との二種類である。
【0005】これらのうち、熱拡散転写方式はサーマル
ヘッドの熱エネルギーの変化に応じて、色素の転写量を
変化させて画像の階調をコントロールすることができる
ので、シアン、マゼンタ、イエローの重ね記録を行なう
ことによって、色の濃淡に連続的な変化を有するカラー
画像が得られる方式として、近年注目されている。な
お、この方式においては、熱エネルギーの印加はサーマ
ルヘッドに限らず、赤外レーザー、通電ヘッド等によっ
て行うことができる。
【0006】しかしながら、これまでの熱拡散転写方式
は、種々の問題点を抱えている。
【0007】(1) たとえば、従来の感熱転写記録用受像
シートでは、感熱転写時に、感熱転写記録用インクシー
トから移行してくる色素の定着性が必ずしも良好でな
い。
【0008】また、形成された画像の耐熱保存性、耐光
保存性も十分でなく、特に光りに晒したり高温環境下で
長期間にわたって保存しておくと、色素が滲んだり色素
のブリードアウトが生じて、画像形成時の鮮明な高品質
の画像を維持することができない。
【0009】さらには、この熱拡散転写方式において
は、熱エネルギーの印加により昇華性色素を感熱転写記
録用受像シートに移行させるのであるから、大量の熱エ
ネルギーを印加しても十分な濃度の画像を感熱転写記録
用受像シートに形成することができず、転写感度が低い
という評価しか得られていなかった。また、転写感度を
高めるために大量の熱エネルギーを感熱転写記録用イン
クシートに付加するのであるから、その熱によって感熱
転写記録用受像シートが熱エネルギー印加手段たとえば
サーマルヘッドに融着するという、致命的な問題点もあ
る。
【0010】そして、感熱転写記録用受像シートに昇華
性色素による画像を首尾良く形成することができたとし
ても、形成された画像の光沢が強くて画像を観察するの
に具合が悪いという問題もあった。
【0011】なお、画像の耐熱保存性等を高めるため
に、画像を形成した感熱転写記録用受像シートに樹脂フ
ィルムを接着層を介してラミネ−トしたり、あるいは単
層構造の受像層に画像を有する感熱転写記録用受像シー
トに熱処理を施す対策が一部で行なわれているが、前者
の場合では接着層に熱拡散性色素が移行してしまうとい
う問題点が生じ、また後者の場合では十分な効果が得ら
れないという問題点がある。
【0012】(2) 従来の熱拡散転写方式においては、以
下のような問題点もある。
【0013】すなわち、感熱転写記録用受像シートに昇
華性色素による画像を形成しても、感熱転写記録用受像
シートにおける受像層中の画像が熱拡散の容易な昇華性
色素で形成されているので、例えば画像を有する感熱転
写記録用受像シートと合成樹脂製の他の部材と重ねてお
くと、時間の経過とと共に、感熱転写記録用受像シート
における画像が他の部材に移行してしまうという問題点
である。
【0014】(3) 一方、熱拡散転写方式の感熱転写記録
用受像シートには、単層の受像層を有するものと受像層
および他の層からなる二層構成を有するものとがある。
【0015】従来、感熱転写記録用受像シートにおける
単層の受像層はポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹
脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂等
で形成されているのであるが、ポリオレフィン系樹脂で
形成された受像層は、画像形成時に感熱転写記録用イン
クシートには融着しないが、受像層に形成された画像が
熱により拡散し易いので画像の定着性が悪いという問題
点がある。また、塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹
脂、ポリビニルアセタール系樹脂などで形成された受像
層は画像の定着性は良好であるものの、画像転写後の昇
華性色素が受像層の表面近傍に多く分布しているので画
像の劣化が著しく、長期保存に耐える画像を形成するこ
とができず、また、画像転写時の熱エネルギーによって
感熱転写記録用インクシートあるいはサーマルヘッドと
受像層とが融着を起こし易いという問題点もある。
【0016】感熱転写記録用受像シートと感熱転写記録
用インクシートとの融着を防止するために、受像層の表
面に、離型性を発揮させるための滑性層を有する二層構
成の感熱転写記録用受像シートにおいては、次のような
問題点がある。
【0017】すなわち、シリコンオイルを使用した滑性
層を有する感熱転写記録用受像シートにおいては、感熱
転写記録用受像シートの受像側表面に指紋が着き易く、
また汚れ易い。カルナバワックス、マイクロクリスタリ
ン、パラフィン、ミツロウ、ライスワックスなどのワッ
クスを受像層に塗布した感熱転写記録用受像シートにお
いては、単色の画像を形成するときには融着現象が生じ
ず受像面の滑り性も良好であるが、複数の感熱転写記録
用インクシートで多色の画像を形成しようとする場合
に、1色目の画像形成時に感熱転写記録用インクシート
のインク層表面に感熱転写記録用受像シートにおけるワ
ックスが付着してしまうことにより、2色目の画像形成
時にはワックスの除去された感熱転写記録用受像シート
と感熱転写記録用インクシートとが融着してしまう。
【0018】(4) 前述したように融着を防止するため
に、感熱転写記録用受像シートにおける受像層の表面
に、ワックスなどの離型剤を含有する滑性層を設けた
り、受像シート中に離型剤を添加したりする工夫がなさ
れてきた。
【0019】しかしながら、離型剤を使用すると、昇華
性色素で形成した画像を有する表面を保護するための保
護膜が接着し難くなり、その結果として支持体、画像を
形成した層、画像を保護する保護膜を有するカードを満
足に製造することができなくなり、たとえ見かけ上のカ
ードを作成することができるとしても、保護膜と画像を
形成した層との剥離が容易になり偽造・変造を簡単に行
うことができるという重大な欠点を有することになる。
【0020】そこで離型剤を含有した受像層あるいは離
型剤を有する滑性層を有する受像層を有しつつ、接着性
良く保護膜を設けるために、支持体上に形成される受像
層の面積を必要最小限にするのが良いという、改良案が
考えられる。
【0021】実際上、支持体上に、昇華性色素による画
像を形成するのに必要な最小限の面積をもって受像層を
形成するという提案がある。
【0022】しかしながら、支持体上に、支持体全面を
被覆せず、支持体の一部の面積を被覆するように受像層
を形成すると、そのような支持体と受像層とに大きな段
差を生じることになってモノリシック性に著しく欠ける
という新たな問題点を生じる。
【0023】(5) 現在、自動車免許証等の免許証類をは
じめ、身分証明証、写真付き会員証、認証識別カード、
写真付き名刺等の多くの各種IDカードを初めとする画
像記録体が普及してきている。
【0024】これらのIDカード、例えば、自動車免許
証等のIDカードは、支持体の表面に、銀塩写真法によ
り顔写真を形成すると共に、印刷法等により必要な情報
を記載し、更にその表面に、これらの情報の保護・維
持、あるいはIDカードの耐久性の向上等を目的とし
て、紫外線硬化性樹脂を塗布し、これに紫外線を照射し
て形成する硬質の紫外線硬化保護層が設けられていた。
これら従来のIDカードは、前記銀塩写真法等による顔
写真の形成が、露光、現像、定着、漂白等の複雑な多段
階の工程を有するので、大量にしかも迅速にIDカード
を生産しなければならない現場においては、必ずしも適
切ではない。
【0025】このような事情の下、最近では、支持体の
表面に、昇華性色素を含有する感熱転写記録用インクシ
ートと感熱転写記録用受像シートとを用いる昇華型感熱
転写記録方式により階調情報含有画像等、あるいは熱溶
融型感熱転写記録用インクシートを用いる熱溶融型感熱
転写記録方式により文字情報含有画像等の転写画像を形
成した受像層を設けるようになり、銀塩写真法における
操作の煩わしさの問題は解消され、簡便な操作で画像を
形成することができるようになった。
【0026】このようなIDカードは、偽造あるいは変
造されないように作成されることが重要であるとして、
画像を形成した受像層の表面に保護層が設けられる。し
かしながら、前述したように、フルカラーの階調性転写
画像を複数の感熱転写記録用インクシートで形成する場
合、感熱転写記録用インクシートと受像層との剥離性を
高めるために、受像層中に剥離剤が含有され、あるいは
受像層の表面に剥離剤含有の滑性層が設けられているの
で、画像形成後の受像層と保護層との接着性が不良にな
り、受像層から保護層を剥離することによる偽造あるい
は変造が容易に実行されるという懸念がある。
【0027】この発明は前記事情に基づいてなされたも
のである。
【0028】(1) すなわち、この発明の目的は、転写時
に感熱転写記録用インクシートとの融着を生じず、しか
も、転写感度が高く、したがって高濃度の転写画像を形
成することができ、光沢の高い転写画像を形成すること
ができる受像シートを提供することにある。
【0029】(2) この発明の他の目的は、転写時に感熱
転写記録用インクシートとの融着を生じず、しかも、転
写感度が高く、したがって高濃度の転写画像を形成する
ことができ、さらには再転写(裏移り)の起こりにくい
転写画像を形成することのできる受像シートを提供する
ことにある。
【0030】(3) この発明の他の目的は、転写時に感熱
転写記録用インクシートとの融着を生じず、しかも転写
感度が高く、したがって高濃度の転写画像を形成するこ
とのできる受像シートの製造方法を提供することにあ
る。
【0031】(4) この発明の他の目的は、感熱転写記録
用インクシートにより受像層に形成された転写画像を保
護する方法を提供することによる。
【0032】(5) この発明の他の目的は、感熱転写記録
用インクシートにより形成されるところの、偽造ないし
変造の実行の困難なIDカードなどの画像記録体および
その製造方法を提供することにある。
【0033】
【前記課題を解決するための手段】
(1) 前記目的を達成するための請求項1に記載の発明
は、支持体上に、少なくとも二層の受像層を有し、上層
の受像層が少なくともエチレン−アクリル酸エステル共
重合体および/またはエチレン−アクリル酸共重合体を
含有し、かつ下層が熱可塑性樹脂を含有することを特徴
とする受像シートであり、請求項2に記載の発明は、前
記上層の受像層が水系エマルジョン塗工法によって形成
されてなる前記請求項1に記載の受像シートであり、請
求項3に記載の発明は、前記上層の受像層に含有される
エチレン−アクリル酸エステル共重合体および/または
エチレン−アクリル酸がウレタン変性されてなる前記請
求項1または2に記載の受像シートであり、請求項4に
記載の発明は、前記上層の受像層はその厚みが0.03
〜3μmである前記請求項1〜3のいずれかに記載の受
像シートである。
【0034】(2) 前記目的を達成するための請求項5に
記載の発明は、支持体上に、少なくとも二層の受像層を
有し、上層の受像層が少なくともポリエチレン系樹脂お
よび/またはポリプロピレン系樹脂を用いて形成され、
下層の受像層が少なくとも熱可塑性樹脂およびキレート
形成性金属含有化合物を含有することを特徴とする受像
シートであり、請求項6に記載の発明は、前記上層の受
像層が水系エマルジョン塗工法によって形成されてなる
前記請求項5に記載の受像シートであり、請求項7に記
載の発明は、前記上層の受像層に含有されるポリエチレ
ン系樹脂および/またはポリプロピレン系樹脂がウレタ
ン変性されてなる前記請求項5または6に記載の受像シ
ートであり、請求項8に記載の発明は、前記上層の受像
層はその厚みが0.03〜2μmである前記請求項5〜
7のいずれかに記載の受像シートである。
【0035】(3) 前記目的を達成するための請求項9に
記載の発明は、支持体上に、上層および下層よりなる受
像層を積層してなり、下層の厚みが上層の厚みよりも大
きく、上層の厚みが0.03〜3.0μmであり、上層
が、下層を形成するための下層形成用塗工液とは異なる
溶剤を用いたポリオレフィン系樹脂含有溶剤系塗工液ま
たはポリオレフィン系樹脂含有水系エマルジョン塗工液
で形成されてなることを特徴とする受像シートであり、
請求項10に記載の発明は、支持体上に設けられた二層
の受像層の内、上層の受像層をポリオレフィン系樹脂含
有溶剤系塗工液またはポリオレフィン系樹脂含有水系エ
マルジョン塗工液で形成すると共に下層の受像層と上層
の受像層とを異なる溶媒で調製された塗工液を塗工する
ことにより形成し、かつ上層の受像層の膜厚が下層の受
像層の膜厚よりも小さく、しかも上層の膜厚が0.03
〜3.0μmになるように上層を形成することを特徴と
する受像シートの製造方法であり、請求項11に記載の
発明は、下層が溶剤系塗工液で形成され、上層がポリオ
レフィン系樹脂含有水系エマルジョン塗工液で形成され
る前記請求項9に記載の受像シートの製造方法である。
【0036】(4) 前記目的を達成するための請求項12
に記載の発明は、支持体上に、上層および下層からなる
受像層を有し、下層が昇華性色素受容性の熱可塑性樹脂
を含有し、上層が下層表面の一部を被覆してなることを
特徴とする受像シートであり、請求項13に記載の発明
は、支持体上に形成された下層表面の一部を被覆するよ
うに形成された上層に昇華性色素で画像を形成した後
に、下層の露出面および上層表面を透明保護層で被覆す
ることを特徴とする画像保護方法である。
【0037】(5) 前記目的を達成するための請求項14
に記載の発明は、支持体上に、上層および下層からなる
受像層を有し、昇華性色素受容性の熱可塑性樹脂で下層
を形成すると共に下層表面の一部を上層が被覆し、上層
の設けられた部分に昇華性色素による画像が形成される
と共に下層の上層に被覆されていない表面に溶融型熱転
写画像を有することを特徴とする画像記録体であり、請
求項15に記載の発明は、前記下層の露出部分と前記上
層の表面とを被覆してなるヒートモード保護層を有する
前記請求項14に記載の画像記録体であり、請求項16
に記載の発明は、上層に昇華性色素による画像を形成
し、上層により被覆されていない下層の表面に溶融型熱
転写画像を形成し、その後に上層および下層の表面にヒ
ートモード保護層を形成することを特徴とする画像記録
体の製造方法である。
【0038】以下、この発明について詳述する。
【0039】(1)請求項1に記載の発明について。
【0040】(1−A)受像シート 請求項1に記載の受像シートは、支持体上に、少なくと
も二層の受像層を有し、上層の受像層が少なくともエチ
レン−アクリル酸エステル共重合体および/またはエチ
レン−アクリル酸共重合体を含有し、かつ下層が熱可塑
性樹脂を含有する。そして、この受像シートの受像層に
は、後述する感熱転写記録用インクシートを用いて画像
を形成することができる。
【0041】−支持体− 支持体としては、たとえば紙、コート紙、合成紙(ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンもしくは、そ
れらを紙またはポリエチレンテレフタレートやポリ塩化
ビニルなどのプラスチックフィルムにはり合せた複合材
料)、白色のポリエチレンテレフタレートベースフィル
ム、透明ポリエチレンテレフタレートベースフィルム、
白色のポリ塩化ビニルベースフィルム、ポリオレフィン
被覆紙等を挙げることができる。
【0042】支持体の厚みは、通常20〜1,000μ
m、好ましくは50〜800μmである。
【0043】−下層− この下層は、支持体上に積層された少なくとも二層の受
像層のうち支持体に近いほうの受像層を言う。そして、
この下層は、熱可塑性樹脂を含有し、更に必要に応じて
各種の添加剤を含有する。
【0044】1. 熱可塑性樹脂 本発明に用いる熱可塑性樹脂はバインダーとして機能す
ることができ、例えばポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル
と他のモノマー(たとえばアルキルビニルエーテル、ア
リルグリシジルエーテル、プロピオン酸ビニル等)との
共重合体樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、あるいはポ
リエチレン樹脂、エチレン−エチルアクリレート樹脂、
エチレン−酢酸ビニル樹脂などのエチレン共重合体、ポ
リエステル樹脂、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、ポリビニルピロリドン、ポリカーボネート、ポ
リサルフォン、ポリアリレート、ポリパラバン酸、三酢
酸セルロース、スチレンアクリレート樹脂、ビニルトル
エンアクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド
樹脂、尿素樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−
無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセトアセター
ル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エチルセルロー
ス、ポリスチレン樹脂などを挙げることができる。
【0045】これらの樹脂は一種を単独に用いることも
できるし、二種以上を組み合わせて用いることもでき
る。
【0046】上記各種の熱可塑性樹脂は新たに合成して
使用しても良いが、市販品を使用することもできる。
【0047】いずれにしても、物性面から見ると、熱可
塑性樹脂としては、特にガラス転移点(Tg)が−20
〜150℃の範囲にある樹脂、特に30〜150℃の範
囲にある樹脂が好ましく、また分子量の点から言うと、
Mwが2,000〜100,000の範囲にある樹脂が
好ましい。
【0048】なお、受像層の形成に際しては、上述した
各種の熱可塑性樹脂はその反応活性点を利用して(反応
活性点が無い場合はそれを樹脂に付与する。)、放射
線、熱、湿気、触媒等により架橋もしくは硬化しても良
い。
【0049】その場合には、エポキシ、アクリルの如き
放射線活性モノマーや、イソシアネートの如き架橋剤を
用いることができる。
【0050】上記の熱可塑性樹脂において、色素の受容
能力に優れる樹脂としては、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエチレンおよびその共重
合体などのポリオレフィン系樹脂、エチルセルロースな
どのセルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、(メタ)
アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、
ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセトアセター
ル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。
【0051】しかしながら、上記の区分は樹脂そのもの
の優劣であり、共重合体の場合には、共重合させるモノ
マーの種類やモノマー比あるいは共重合体の変性のさせ
方により大きく変わる。
【0052】2. 添加剤 受像層には、酸化防止剤、UV吸収剤、光安定剤、フィ
ラー(無機微粒子、有機樹脂粒子)、顔料を添加しても
良い。また増感剤として可塑剤、熱溶剤などを添加して
も良い。
【0053】前記酸化防止剤としては、特開昭59−1
82785号公報、同60−130735号公報、特開
平1−127387号公報等に記載の酸化防止剤、およ
び写真その他の画像記録材料における画像耐久性を改善
するものとして公知の化合物を挙げることができる。
【0054】前記UV吸収剤および光安定剤としては、
特開昭59−158287号公報、同63−74686
号公報、同63−145089号公報、同59−196
292号公報、同62−229594号公報、63−1
22596号公報、同61−283595号公報、特開
平1−204788号公報などに記載の化合物、および
写真その他の画像記録材料における画像耐久性を改善す
るものとして公知の化合物を挙げることができる。
【0055】前記フィラーとしては、無機微粒子や有機
樹脂粒子を挙げることができる。
【0056】この無機微粒子としてはシリカゲル、炭酸
カルシウム、酸化チタン、酸性白土、活性白土、アルミ
ナ等を挙げることができ、有機微粒子としてはフッ素樹
脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリ
コン樹脂粒子等の樹脂粒子を挙げることができる。これ
らの無機・有機樹脂粒子は比重により異なるが、0〜3
0重量%の添加が好ましい。
【0057】前記顔料としては、代表例としてチタンホ
ワイト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シ
リカ、タルク、クレー、カオリン、活性白土、酸性白土
などを挙げることができる。
【0058】前記可塑剤としては、常温で液体および固
体のいずれの形態であっても良く、ステアリン酸あるい
はベヘン酸などの高級脂肪酸、などの高級脂肪族アルコ
ールおよびその誘導体、などのノニオン系界面活性剤、
フタル酸エステル類、トリメリット酸エステル類、アジ
ピン酸エステル類、その他飽和あるいは不飽和カルボン
酸エステル類、クエン酸エステル類、エポキシ化大豆
油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸エポキ
シ類、正リン酸エステル類、亜燐酸エステル類、グリコ
ールエステル類などがあげられる。これら例示物の外
に、この発明においては、ポリエチレンワックス、アミ
ドワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、
密蝋、モンタンワックス、合成ビニルワックス(例えば
商品名「ヘキストV」などを挙げることができる。)な
どの天然ワックスあるいは合成ワックスを、可塑剤とし
て例示することができる。
【0059】上記の各種の添加物の中でも、可塑剤なか
んずくワックス、高級脂肪酸およびその誘導体が好まし
い。これらの添加剤を受像層中に含有させると、昇華性
色素含有の感熱転写記録用インクシートで転写画像を受
像層に転写する際の転写感度が向上し、しかも上層に転
写された画像を構成する昇華性色素が下層の受像層に良
好に拡散させることができる。受像層における上層から
下層への昇華性色素の迅速な拡散移動は、転写画像の良
好な定着性を保証する。
【0060】なお、本発明では、添加剤全体の添加量
は、通常、受像層用バインダーに対して0〜50重量%
の範囲である。
【0061】−上層− 受像層を形成する上層は、少なくともエチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体および/またはエチレン−アクリ
ル酸共重合体を含有し、更に必要に応じて各種の添加剤
を含有する。
【0062】1. エチレン−アクリル酸エステル共重合
体及びエチレン−アクリル酸共重合体 エチレン−アクリル酸エステル共重合体としては、エチ
レン−アクリレート、エチレン−ブチルアクリレート、
エチレンーエチルアクリレート等を挙げることができ
る。
【0063】この発明においては、これらのエチレン−
アクリル酸エステル共重合体の好ましい分子量として
は、重量平均分子量として1,000〜100,00
0、特に好ましくは2,000〜20,000を挙げる
ことができる。
【0064】これらの分子量を有するエチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体を使用すると、感熱転写記録用イ
ンクシートとの融着が少ないことばかりでなく、感熱記
録画像形成後の表面を保護するための樹脂転写層との接
着性に優れているなどの利点がある。また、染料に対す
る染着性と染料透過性を同時に兼ね備えているため転写
感度が高く、さらに保持した色素を速やかに下層へ移行
させることにより定着性に優れている。
【0065】エチレン−アクリル酸共重合体としては、
特に制限がない。この発明においては、エチレン−アク
リル酸共重合体は、エチレン−アクリル酸エステル共重
合体に代えて用いても良いし、又、エチレン−アクリル
酸エステル共重合体と共に使用することもできる。
【0066】本発明に好ましく用いられる具体的なエチ
レンアクリル酸系樹脂エマルジョンの例としては、東邦
化学工業(株)製、ハイテックS−3111、312
1、3125、3128、3129、3220などが挙
げられる。
【0067】2. ウレタン変性物 この発明においては、前記エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体及びエチレン−アクリル酸共重合体は、その
一部がウレタン変性されていても良い。
【0068】ウレタン変性は、前記エチレン−アクリル
酸エステル共重合体及びエチレン−アクリル酸共重合体
におけるカルボキシル基を反応点として、ウレタン樹脂
を連結させることよりなる。この反応は、エステル結
合、アミド結合、ウレタン結合を生成させる反応であ
る。
【0069】ウレタン変性してなる前記共重合体(以下
においてウレタン変性物と称することがある。)を使用
すると好ましい理由は以下の通りである。すなわち、ウ
レタン変性をすると、比較的に軟質なエチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体及びエチレン−アクリル酸共重合
体に、比較的硬質のウレタンを導入することによって、
ウレタン変性物を含有する受像層において、感熱転写記
録用インクシートと受像シートとの融着が起こりにくく
させるためである。
【0070】エチレン−アクリル酸エステル共重合体及
びエチレン−アクリル酸共重合体に導入されるウレタン
樹脂は、主鎖に複数のウレタン結合を有するところの、
公知の脂肪族系もしくは芳香族系のウレタン樹脂を挙げ
ることができる。
【0071】ウレタン変性物の合成方法としては、重合
によって予めウレタン樹脂を合成しておき、得られたウ
レタン樹脂とエチレン−アクリル酸エステル共重合体も
しくはエチレン−アクリル酸共重合体とを反応させて、
架橋構造を形成する手法を挙げることができる。もっと
も、ウレタン変性物を合成するのに、前記手法に限定は
されない。
【0072】ウレタン変性により導入されるウレタン樹
脂の分子量としては、重量平均分子量で500〜10,
000が好ましく、導入されるウレタン樹脂の割合とし
ては、ウレタン変性物中の、好ましくは70%以下、特
に好ましくは50%以下、更に好ましくは1%以下であ
る。
【0073】3. 添加剤 受像層における上層には、剥離剤、酸化防止剤、UV吸
収剤、光安定剤、フィラー(無機微粒子、有機樹脂粒
子)、顔料を添加しても良い。また増感剤として可塑
剤、熱溶剤などを添加しても良い。
【0074】剥離剤は、感熱転写記録用インクシートと
受像シートとの剥離性を向上させる。
【0075】このような剥離剤としては、シリコーンオ
イル(シリコーン樹脂と称されるものも含む。);ポリ
エチレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー
等の固型ワックス類;弗素系、燐酸エステル系の界面活
性剤等が挙げられ、中でもシリコーンオイルが好まし
い。 このシリコーンオイルは、単に添加するタイプ
(単純添加型)と、硬化もしくは反応させるタイプ(硬
化反応型)とがある。
【0076】単純添加型の場合には、エチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体もしくはエチレン−アクリル酸共
重合体との相溶性を向上させるために、変性シリコーン
オイル(例えばポリエステル変性シリコン樹脂、ウレタ
ン変性シリコン樹脂、アクリル変性シリコン樹脂等)を
使用するのが好ましい。
【0077】これらの単純添加型のシリコーンオイルの
添加量は、その種類に応じて様々に変化することがある
から一律に決定することができないが、一般的にいう
と、通常、受像層用バインダーに対して0.1〜50重
量%であり、好ましくは0.5〜20重量%である。
【0078】硬化反応型のシリコーンオイルとしては、
反応硬化型(たとえばアミノ変性シリコーンオイルとエ
ポキシ変性シリコーンオイルとを反応硬化させたもの
等)、光硬化型、触媒硬化型等が挙げられる。
【0079】これら硬化型シリコーンオイルの添加量は
受像層用バインダーの0.5〜30重量%が好ましい。
【0080】なお、受像層の表面の一部に、上記剥離剤
を適当な溶媒に溶解あるいは分散させて塗布した後、乾
燥させる等によって剥離剤層を設けることもできる。
【0081】前記酸化防止剤としては、特開昭59−1
82785号公報、同60−130735号公報、特開
平1−127387号公報等に記載の酸化防止剤、およ
び写真その他の画像記録材料における画像耐久性を改善
するものとして公知の化合物を挙げることができる。
【0082】前記UV吸収剤および光安定剤としては、
特開昭59−158287号公報、同63−74686
号公報、同63−145089号公報、同59−196
292号公報、同62−229594号公報、63−1
22596号公報、同61−283595号公報、特開
平1−204788号公報などに記載の化合物、および
写真その他の画像記録材料における画像耐久性を改善す
るものとして公知の化合物を挙げることができる。
【0083】前記フィラーとしては、無機微粒子や有機
樹脂粒子を挙げることができる。
【0084】この無機微粒子としてはシリカゲル、炭酸
カルシウム、酸化チタン、酸性白土、活性白土、アルミ
ナ等を挙げることができ、有機微粒子としてはフッ素樹
脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリ
コン樹脂粒子等の樹脂粒子を挙げることができる。これ
らの無機・有機樹脂粒子は比重により異なるが、0〜3
0重量%の添加が好ましい。
【0085】前記顔料としては、代表例としてチタンホ
ワイト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シ
リカ、タルク、クレー、カオリン、活性白土、酸性白土
などを挙げることができる。
【0086】前記可塑剤としては、常温で液体及び固体
のいずれの形態であっても良く、ステアリン酸あるいは
ベヘン酸などの高級脂肪酸、高級脂肪族アルコール及び
その誘導体、ノニオン系界面活性剤、フタル酸エステル
類、トリメリット酸エステル類、アジピン酸エステル
類、その他飽和あるいは不飽和カルボン酸エステル類、
クエン酸エステル類、エポキシ化大豆油、エポキシ化ア
マニ油、エポキシステアリン酸エポキシ類、正リン酸エ
ステル類、亜燐酸エステル類、グリコールエステル類な
どがあげられる。これら例示物の外に、この発明におい
ては、ポリエチレンワックス、アミドワックス、パラフ
ィンワックス、カルナバワックス、密蝋、モンタンワッ
クス、合成ビニルワックス(例えば商品名「ヘキスト
V」などを挙げることができる。)などの天然ワックス
あるいは合成ワックスを、可塑剤として例示することが
できる。
【0087】上記の各種の添加物の中でも、可塑剤なか
んずくワックス、高級脂肪酸及びその誘導体が好まし
い。これらの添加剤を受像層中に含有させると、昇華性
色素含有の感熱転写記録用インクシートで転写画像を受
像層に転写する際の転写感度が向上氏、感熱転写記録用
インクシートとこの発明の受像シートとの画像形成時の
融着を防止することができる。
【0088】なお、本発明では、添加剤全体の添加量
は、通常、上層の全量に対して0〜50重量%の範囲で
ある。
【0089】−上層及び下層の厚み− この発明の受像シートにおいては、上層の厚みは通常、
0.03〜3μmであり、好ましく上層の厚みは0.1
〜1.5μmである。また下層の厚みは通常2μm以上
であり、好ましくは3〜20μmである。
【0090】上層の厚みが前記範囲よりも小さいと離型
性等の本発明の目的とする効果が発現しにくく、また前
期範囲よりも大きいと感熱転写印字後、上層中に残留す
る色素が多くなりこれが定着性の低下につながるため好
ましくない。
【0091】下層の厚みが前記範囲にあると、色素の定
着性が良く、下層が感熱転写印字時にクッション層とな
るため転写濃度が高い。この範囲よりも大きくてもあま
り利点はなく、塗布、乾燥に時間を要するため効率が悪
い。
【0092】−その他の層− 受像層と支持体との間に断熱性、バリアー性、クッショ
ン性、接着性等の性質を付与する目的として中間層(下
引層)を設けてもよい。
【0093】また、受像層の表面には感熱転写記録用イ
ンクシートと受像シートとの融着防止等を目的にして、
オーバーコート層が積層されていても良い。
【0094】さらに、受像層と反対の面(支持体面)に
帯電防止やカール防止等を目的としてバッキング層を設
けてもよい。
【0095】−受像シートの製造− 受像シートは、前記下層の形成成分を溶媒に分散あるい
は溶解して下層用塗工液を調製し、また上層の形成成分
を溶媒に分散あるいは溶解して上層用塗工液を調製し、
支持体の表面に下層用塗工液を塗布し、次いで上層用塗
工液を塗布し、乾燥する塗工法や、前記下層の形成成分
を有する下層用混合物及び上層の形成成分を有する上層
用混合物を支持体上に同時にあるいは順次に溶融押出
し、支持体の表面にラミネートするラミネート法等によ
り、形成することができる。
【0096】この発明の受像シートにおいては、塗工法
により形成するのが好ましい。
【0097】上記塗工法に用いる溶媒としては、水、ア
ルコール類(例えばエタノール、プロパノール)、セロ
ソルブ類(例えばメチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ)、芳香族類(例えばトルエン、キシレン、クロルベ
ンゼン)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケ
トン)、エステル系溶剤(たとえば酢酸エチル、酢酸ブ
チルなど)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、
ジオキサン)、塩素系溶剤(例えばクロロホルム、トリ
クロルエチレン)等が挙げられる。
【0098】前記塗工には、従来から公知のグラビアロ
ールによる塗布法、押し出し塗布法、ワイヤーバー塗布
法、ロール塗布法等を採用することができる。
【0099】この発明において好ましいことは、水系エ
マルジョン塗工液を下層表面に塗工して上層を形成する
水系エマルジョン塗工法を採用することである。
【0100】この場合、上層の膜厚を均一にするため
に、水系エマルジョン塗工液中の固形分の平均分散粒径
を、少なくとも3μm以下、好ましくは2μm以下にす
ることが好ましい。固形分の分散は、上層の形成成分と
水との混合物に機械的剪断力を加えることにより、ある
いはアンモニウム塩やアルカリ金属塩含有の界面活性
剤、公知のノニオン系界面活性剤(たとえばポリオキシ
エチレン系界面活性剤など)の分散剤で分散することに
より、あるいはエチレン−アクリル酸エステル共重合体
及び/またはエチレン−アクリル酸共重合体を乳化重合
することにより、調製することができる。もっとも、分
散方法については上記方法に限定されるものではない。
【0101】この発明の受像シートにおいて上層を上記
水系エマルジョン塗工液を用いて形成すると、受像層の
表面光沢に優れると共に、感熱転写記録用インクシート
を用いて画像を形成した場合に感熱転写記録用インクシ
ートと受像シートとの融着が有効に防止される。水系エ
マルジョン塗工液を用いて上層を形成すると何故に上述
した優れた効果が奏されるのかその理由について検討し
たけれど、おそらく、水系エマルジョン塗工液を下層の
表面に塗工すると、下層と上層とが入り交じらないから
であると推定している。
【0102】(1−B)感熱転写記録用インクシート 感熱転写記録用インクシートは、基本的に支持体上にイ
ンク層を積層してなる。
【0103】−支持体− 本発明に用いられる支持体としては、寸法安定性がよ
く、感熱ヘッドでの記録の際の熱に耐えるものならば、
何でもよいが、コンデンサー紙、グラシン紙のような薄
葉紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネー
ト、ポリサルフォン、ポリビニルアルコール、セロファ
ン、ポリスチレンのような耐熱性のプラスチックフィル
ムを用いることができる。
【0104】支持体の厚さは、2〜10μmが好まし
い。支持体の形状については特に制限がなく、たとえば
広幅のシートやフィルム、細幅のテープやカードなど任
意の形状がある。
【0105】−インク層− 上記インク層は、必須成分として熱拡散性色素とバイン
ダーとを含有する。
【0106】1.熱拡散性色素 熱拡散性色素としてはシアン色素、マゼンタ色素、イエ
ロー色素を挙げることができる。
【0107】前記シアン色素としては、特開昭59−7
8896号、同59−227948号、同60−249
66号、同60−53563号、同60−130735
号、同60−131292号、同60−239289
号、同61−19396号、同61−22993号、同
61−31292号、同61−31467号、同61−
35994号、同61−49893号、同61−148
269号、同62−191191号、同63−9128
8号、同63−91287号、同63−290793号
等の各公報に記載されているナフトキノン系色素、アン
トラキノン系色素、アゾメチン系色素等が挙げられる。
【0108】マゼンタ色素としては、特開昭59- 78
896号、特開昭60−30392号、特開昭60−3
0394号、特開昭60−253595号、特開昭61
−262190号、特開昭63−5992号、特開昭6
3−205288号、特開昭64−159号、特開昭6
4−63194号等の各公報に記載されているアントラ
キノン系色素、アゾ色素、アゾメチン系色素等が挙げら
れる。
【0109】イエロー色素としては、特開昭59−78
896号、特開昭60−27594号、特開昭60−3
1560号、特開昭60−53565号、特開昭61−
12394号、特開昭63−122594号等の各公報
に記載されているメチン系色素、アゾ系色素、キノフタ
ロン系色素、アントライソチアゾール系色素が挙げられ
る。
【0110】また、熱拡散性色素として特に好ましいの
は、開鎖型または閉鎖型の活性メチレン基を有する化合
物を、p−フェニレンジアミン誘導体の酸化体またはp
−アミノフェノール誘導体の酸化体とのカップリング反
応により得られるアゾメチン色素およびフェノールまた
はナフトール誘導体またはp−フェニレンジアミン誘導
体の酸化体またはp−アミノフェノール誘導体の酸化体
とのカップリング反応により得られるインドアニリン色
素である。
【0111】インク層に含有される熱拡散性色素は、形
成しようとする画像が単色であるならば、イエロー色
素、マゼンタ色素、およびシアン色素の何れであっても
良い。
【0112】また、形成しようとする画像の色調によっ
ては、前記三種の色素のいずれか二種以上もしくは他の
熱拡散性色素を含んでいても良い。
【0113】前記熱拡散性色素の使用量は、通常、支持
体1m2 当たり0.1〜5g、好ましくは0.2〜2g
である。
【0114】2. バインダ− インク層のバインダーとしてはセルロース付加化合物、
セルロースエステル、セルロースエーテル等のセルロー
ス系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマー
ル、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラー
ル等のポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリド
ン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、スチレン系
樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系エステル、ポリ(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸共重合体などのビ
ニル系樹脂、ゴム系樹脂、アイオノマー樹脂、オレフィ
ン系樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0115】これらの樹脂のうちでも保存性の優れたポ
リビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタールある
いはセルロース系樹脂が好ましい。
【0116】前記各種のバインダーは、その一種を単独
で使用することもできるし、またその二種以上を併用す
ることもできる。
【0117】バインダーと前記熱拡散性色素との重量比
は、1:10〜10:1が好ましく、2:8〜7:3の
範囲が特に好ましい。
【0118】3. その他の任意成分 さらに前記インク層には、各種の添加剤を適宜に添加す
ることができる。
【0119】その添加剤としては、シリコン樹脂、シリ
コンオイル(反応硬化タイプも可)、シリコン変性樹
脂、フッ素樹脂、界面活性剤、およびワックス類等の剥
離性化合物、金属微粉末、シリカゲル、金属酸化物、カ
ーボンブラック、および樹脂微粉末等のフィラー、バイ
ンダー成分と反応可能な硬化剤(たとえばイソシアネー
ト類やアクリル類やエポキシ類等の放射線活性化合物)
などを挙げることができる。
【0120】さらにまた、添加剤として転写を促進する
ための熱溶融性物質、たとえばワックスや高級脂肪酸エ
ステルなどの、特開昭59−106997号公報記載の
化合物を挙げることができる。
【0121】−その他の層− なお、感熱転写記録用インクシートは、支持体とインク
層とからなる二層構成に限られず、その他の層が形成さ
れていても良い。
【0122】例えば、感熱転写記録用受像シートとの融
着や熱拡散性色素の裏移り(ブロッキング)を防止する
目的で、インク層の表面にオーバーコート層を設けても
良い。
【0123】また支持体にはバインダーとの接着性の改
良や色素の支持体側への転写、染着を防止する目的で下
引層を有していてもよい。
【0124】さらに支持体の裏面(インク層と反対側)
には、走行安定性、耐熱性、帯電防止等の目的でバッキ
ング層を設けてもよい。
【0125】このオーバーコート層、下引層およびバッ
キング層の厚みは通常、0.1〜1μmである。
【0126】−感熱転写記録用インクシートの製造− 感熱転写記録用インクシートは、インク層を形成する前
記各種の成分を溶媒に分散ないし溶解してなるインク層
形成用塗工液を調製し、これを支持体の表面に塗工し、
乾燥することにより製造することができる。
【0127】なお、前記バインダーは、一種または二種
以上を溶媒に溶解もしくはラテックス状に分散させて用
いる。
【0128】前記溶媒としては、水、エタノール、テト
ラヒドロフラン、メチルエチルケトン、トルエン、キシ
レン、クロロホルム、ジオキサン、アセトン、シクロヘ
キサン、酢酸ノルマルブチルなどを挙げることができ
る。
【0129】前記塗工には、従来から公知のグラビアロ
ールによる面順次塗り別け塗布法、押し出し塗布法、ワ
イヤーバー塗布法、ロール塗布法等を採用することがで
きる。
【0130】インク層は、支持体の表面の全面あるいは
一部の表面に、単色の熱拡散性色素を含有する層として
形成されても良いし、また、バインダーとイエロー色素
とを含有するイエローインク層、バインダーとマゼンタ
色素とを含有するマゼンタインク層およびバインダーと
シアン色素とを含有するシアンインク層が、平面方向に
沿って一定の繰り返しで支持体の表面の全面あるいは一
部の表面に形成されていても良い。
【0131】また、平面方向に沿って配列された前記三
層のインク層に加えて、黒色画像形成物質を含む黒色イ
ンク層が、介在していても良い。
【0132】なお、黒色インク層については、拡散転写
型でも溶融転写型でも、鮮明な画像が得られる。
【0133】かくして形成されたインク層の膜厚は、通
常、0.2〜10μmであり、好ましくは、0.3〜3
μmである。
【0134】なお、感熱転写記録用インクシートに、パ
ーフォレーションを形成したり、あるいは色相の異なる
区域の位置を検出するための検知マークなどを設けるこ
とによって、使用時の便を図ることもできる。
【0135】(1−C) 熱転写記録方法 画像を形成するには、感熱転写記録用インクシートのイ
ンク層と受像シートの受像層とを重ねあわせ、インク層
と受像層との界面にイメージワイズに熱エネルギーを与
える。
【0136】インク層中の熱拡散性色素は、この画像形
成時に加えられた熱エネルギーに応じた量だけ気化ある
いは昇華し、受像層側に移行され受容される結果、受像
層に画像が形成される。
【0137】前記熱処理の手段としては公知の手段が用
いられ、たとえば通常よく用いられるヒ−トロ−ル、ホ
ットスタンプ以外に画像形成時に用いられる後述の熱
源、すなわちサ−マルヘッド、レ−ザ−光、赤外線フラ
ッシュ、熱ペンなども用いることができる。
【0138】この発明においては、最終的には、受像層
における下層側に色素を拡散させるのであるから、十分
に上層の受像層に熱エネルギーが供給される必要があ
る。熱処理時の加熱は、上層表面側、支持体側あるいは
その両側からのいずれであってもよいが、効率的な熱処
理をすることが必要である。
【0139】前記熱処理の加熱温度、および加熱時間は
熱源によって異なるが、後述の画像を記録する際に用い
る熱源はいずれも使用でき、通常の画像記録を行う範囲
内で熱処理を行うことができる。
【0140】前記熱処理にヒートロールを用いる場合の
加熱温度は、通常、70〜200℃、好ましくは100
〜150℃の範囲であり、またその搬送速度は、通常、
0.01〜20mm/秒、好ましくは0.05〜5mm
/秒である。また、前記熱処理にホットスタンプを用い
る場合の加熱温度は、通常、50〜200℃、好ましく
は80〜150℃の範囲で、圧力としては、通常、0.
05〜20Kg/cm2 、好ましくは0.5〜5Kg/
cm2 、また加熱時間は、通常0.1〜20秒、好まし
くは0.5〜10秒である。
【0141】ところで、前記画像形成時に加える熱エネ
ルギーを与える熱源としては、サーマルヘッドが一般的
であるが、このほかにレーザー光、赤外線フラッシュ、
熱ペンなどの公知のものを使用することができる。
【0142】上記サーマルヘッドを用いるときは、サー
マルヘッドに印加する電圧あるいはパルス巾を変調する
ことにより、与える熱エネルギーを連続的にあるいは多
段階に変化させることができる。
【0143】前記レーザー光を用いるときは、レーザー
光の光量や照射面積を変化させることにより与える熱エ
ネルギーを変化させることができる。
【0144】この場合、レーザー光を吸収し易くするた
め、レーザー光吸収材料(例えば、半導体レーザーの場
合、カーボンブラックや近赤外線吸収物質など)をイン
ク層中、もしくはインク層近傍に存在せしめるとよい。
【0145】なお、レーザー光を用いるときは感熱転写
記録用インクシートと受像シートとを充分に密着させて
行なうとよい。
【0146】音響光学素子を内蔵したドットジェネレー
ターを用いれば網点の大小に応じた熱エネルギーを与え
ることもできる。
【0147】前記赤外線フラッシュランプを用いるとき
は、レーザー光を用いる場合と同様に、加熱を黒色ある
いは赤外線吸収物質を含有するの着色層を介して行なう
とよい。
【0148】あるいは黒色などの、画像の濃淡を連続的
に表現したパターンあるいは網点パターンを介して加熱
を行なってもよいし、また一面の黒色などの着色層と前
記のパターンのネガに相当するネガパターンを組み合わ
せて加熱を行なってもよい。画像形成時の熱エネルギー
の与え方としては、感熱転写記録用インクシート側から
行なっても、受像シート側から行なっても、或いは両側
から行なってもよいが、熱エネルギーの有効利用を優先
させるなら、感熱転写記録用インクシート側から行なう
のが望ましい。
【0149】以上の熱転写記録により、受像シートの受
像層に一色の画像を記録することができるが、下記の方
法によると、各色の掛け合せからなるカラー写真調のカ
ラー画像を得ることもできる。
【0150】たとえばイエロー、マゼンタ、シアンおよ
び必要に応じて黒色の感熱転写記録用感熱シートを順次
取り換えて、各色に応じた熱転写を行なうと、各色のか
けあわせからなるカラー写真調のカラー画像を得ること
もできる。
【0151】それから、次の方法も有効である。
【0152】すなわち、上記のように各色の感熱転写記
録用インクシートを用いるかわりに、予め各色に塗り分
けて形成した区域を有する感熱転写記録用インクシート
を用いるのである。
【0153】そして、まずイエローの区域を用いてイエ
ローの分色画像を熱転写し、次にマゼンタの区域を用い
てマゼンタの分色画像を熱転写し、以下、順次に繰り返
すことによりイエロー、マゼンタ、シアン、及び必要に
より黒色の分色画像と順に熱転写する方法を採る。
【0154】この方法でも、カラー写真調のカラー画像
を得ることが可能であるが、さらに好都合なことに、こ
の方法には前記のような感熱転写記録用感熱シートの交
換が不要になるという利点がある。
【0155】また、前記熱処理をサーマルヘッドで行う
場合に、上記記載のように予め各色に塗り分けて形成し
た区域を有する感熱転写記録用インクシートにインク層
を付していない領域をさらに設けておくと、熱処理する
ために別のシートを用意するという問題がなくなる。
【0156】(2)前記請求項5に記載の発明について (2−A)受像シート この請求項5に記載の受像シートは、支持体上に、少な
くとも二層の受像層を有し、上層の受像層が少なくとも
ポリエチレン系樹脂及び/またはポリプロピレン系樹脂
を用いて形成され、下層の受像層が少なくとも熱可塑性
樹脂及びキレート形成性金属含有化合物を含有してな
る。この受像シートは、感熱転写記録用インクシートを
用いてその受像層に転写画像が形成される。
【0157】−支持体− この受像シートにおける支持体については、請求項1に
記載の受像シートにおける支持体と同様であるからその
詳細な説明を省略する。
【0158】−下層− この下層は、支持体上に積層された少なくとも二層の受
像層の内支持体に近いほうの受像層を言う。そして、こ
の下層は、熱可塑性樹脂及びキレート形成性金属化合物
を有し、更に必要に応じて各種の添加剤を含有する。
【0159】1. 熱可塑性樹脂 この発明に用いる熱可塑性樹脂はバインダーとして機能
することができ、前記請求項1に記載の発明において説
明したのと同様である。
【0160】2. キレート形成性金属含有化合物 この発明において重要なことは、この下層にキレート形
成性金属化合物を含有することである。キレート形成性
金属化合物が下層に含有されていると、このキレート形
成性金属化合物とキレートを形成する昇華性色素による
画像が上層に形成されると、上層に存在する昇華性色素
が下層に迅速に拡散し、昇華性色素とキレート形成性金
属化合物とキレートを速やかに形成するので、画像の定
着性が向上し、又画像を有する受像層に他の受像シート
等を重ねて放置しておいても、他の受像シート等に色移
り等を生じなくなる。
【0161】前記キレート形成性金属含有化合物を構成
する金属イオンとしては、例えば周期律表の第I〜第VI
II族に属する2価および多価の金属が挙げられるが、中
でもAl、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、M
o、Ni、Sn、Ti、Zn等が好ましく、特にNi、
Cu、Co、Cr、Zn等が好ましい。これらの金属イ
オンを含有する化合物としては、該金属の無機または有
機の塩および該金属の錯体が好ましい。具体例を挙げる
と、Ni2+、Cu2+、Co2+、Cr2+およびZn2+を含
有した下記一般式で表される錯体が好ましく用いられ
る。
【0162】 {M(Q1k (Q2m (Q3np+ p(L- ) ただし、式中Mは金属イオンを表し、Q1 、Q2 、Q3
は各々Mで表される金属イオンと配位結合可能な配位化
合物を表し、これらの配位化合物としては例えば「キレ
ート化学(5)(南江堂)」に記載されている配位化合
物から選択することができる。特に好ましくは、金属と
配位結合する少なくとも一個のアミノ基を有する配位化
合物を挙げることができ、更に具体的には、エチレンジ
アミンおよびその誘導体、グリシンアミドおよびその誘
導体、ピコリンアミドおよびその誘導体が挙げられる。
【0163】Lは錯体を形成しうる対アニオンであり、
Cr、SO4 、ClO4 等の無機化合物アニオンやベン
ゼンスルホン酸誘導体、アルキルスルホン酸誘導体等の
有機化合物アニオンが挙げられるが、特に好ましくはテ
トラフェニルホウ素アニオンおよびその誘導体、ならび
にアルキルベンゼンスルホン酸アニオンおよびその誘導
体である。
【0164】kは1、2または3の整数を表し、mは
1、2または0を表し、nは1または0を表すが、これ
らは前記一般式で表される錯体が4座配位か、6座配位
かによって決定されるか、あるいはQ1 、Q2 、Q3
配位子の数によって決定される。pは1、2または3を
表す。
【0165】この種のキレート形成性金属含有化合物と
しては、米国特許第4,987,049号明細書に例示
されたものを挙げることができる。
【0166】前記キレート形成性金属含有化合物を添加
する場合、その添加量は上層に対して、0.5〜20g
/m2 が好ましく、1〜15g/m2 がより好ましい。
【0167】3.添加剤 受像層には、酸化防止剤、UV吸収剤、光安定剤、フィ
ラー(無機微粒子、有機樹脂粒子)、顔料を添加しても
良い。また増感剤として可塑剤、熱溶剤などを添加して
も良い。これらについては、前記請求項1に記載の発明
において説明したのと同様である。
【0168】−上層− 受像層を形成する上層は、少なくともポリエチレン系樹
脂及び/またはポリプロピレン系樹脂を用いて形成さ
れ、又必要に応じて適宜の添加剤が配合されている。
【0169】1. ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレ
ン系樹脂 ポリエチレン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、
エチレンとプロピレン以外の他のα−オレフィンとの共
重合体、変性ポリエチレン等を挙げることができる。
【0170】ポリエチレン系樹脂の中でも、エチレンア
クリル酸変性ポリエチレン、ウレタン変性ポリエチレ
ン、パラフィン変性ポリエチレン、低分子ポリエチレン
が好ましく、特にエチレンアクリル酸変性ポリエチレ
ン、低分子ポリエチレンが好ましい。
【0171】ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、
ポリプロピレン、プロピレンとエチレン以外の他のα−
オレフィンとの共重合体、変性ポリプロピレン等を挙げ
ることができる。
【0172】ポリプロピレン系樹脂の中でも、低分子ポ
リプロピレンが好ましい。
【0173】この発明の受像シートにおいては、受像層
における上層に前記ポリエチレン系樹脂及び/またはポ
リプロピレン系樹脂を使用することにより、後述するよ
うに下層が特定成分を含有することと相俟って、高感
度、高定着性という優れた技術的効果が奏される。
【0174】この発明においては、これらのポリエチレ
ン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂の好ましい分子量と
しては、重量平均分子量として500〜15,000、
特に好ましくは1,000〜10,000を挙げること
ができる。これらの分子量を有するポリエチレン系樹脂
及び/またはポリプロピレン系樹脂を使用すると、印字
時における離型性が良く、水、または溶剤中に分散しや
すく、塗工する際に容易である、などの利点がある。
【0175】ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹
脂とはいずれかのみを使用しても良いし、またポリエチ
レン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とを混用しても良
い。
【0176】2. ウレタン変性物 この発明においては、前記ポリエチレン系樹脂及びポリ
プロピレン系樹脂は、その一部がウレタン変性されてい
ても良い。
【0177】その1例としてはエチレンアクリル酸系樹
脂のカルボキシル基の末端をウレタン変性したものなど
が挙げられる。
【0178】ウレタン変性に関しては、前記請求項1に
おける受像シートに関して説明したのと同様である。
【0179】3.添加剤 受像層における上層には、前記請求項1に記載の受像シ
ートに関する添加剤の説明と同様である。
【0180】−上層及び下層の厚み− この発明の受像シートにおいては、上層の厚みは通常、
0.03〜2μmであり、好ましくは0.1〜1.5μ
mである。また下層の厚みは通常2μm以上であり、好
ましくは3〜20μmである。
【0181】上層の厚みが前記範囲よりも小さいと離型
性等の本発明の目的とする効果が発現しにくく、また前
期範囲よりも大きいと感熱転写印字後、上層中に残留す
る色素が多くなりこれが定着性の低下につながるため好
ましくない。
【0182】下層の厚みが前記範囲にあると、色素の定
着性が良く、下層が感熱転写印字時にクッション層とな
るため転写濃度が高い。この範囲よりも大きくてもあま
り利点はなく、塗布、乾燥に時間を要するため効率が悪
い。
【0183】−その他の層− 受像層と支持体との間に断熱性、バリアー性、クッショ
ン性、接着性等の性質を付与する目的として中間層(下
引層)を設けてもよい。
【0184】また、受像層の表面には感熱転写記録用イ
ンクシートと受像シートとの融着防止等を目的にして、
オーバーコート層が積層されていても良い。
【0185】さらに、受像層と反対の面(支持体面)に
帯電防止やカール防止等を目的としてバッキング層を設
けてもよい。
【0186】−受像シートの製造− 請求項5に記載の受像シートは、前記請求項1に記載の
受像シートの製造法と同様である。
【0187】この発明の受像シートにおいて上層を上記
水系エマルジョン塗工液を用いて形成すると、受像層の
表面光沢に優れると共に、感熱転写記録用インクシート
を用いて画像を形成した場合に感熱転写記録用インクシ
ートと受像シートとの融着が有効に防止される。水系エ
マルジョン塗工液を用いて上層を形成すると何故に上述
した優れた効果が奏されるのかその理由について検討し
たけれど、おそらく、水系エマルジョン塗工液を下層の
表面に塗工すると、下層と上層とが入り交じらないから
であると推定している。
【0188】(2−B)感熱転写記録用インクシート この請求項5に記載の受像シートは、支持体上にインク
層を積層してなる感熱転写記録用インクシートを用いて
その受像層に画像が形成される。その際、この感熱転写
記録用インクシートのインク層中に含まれる昇華性色素
が、前記キレート形成性金属含有化合物とキレートを形
成する色素であるのが望ましい。昇華性色素以外につい
ては、前記請求項1に記載の受像シートにおいて説明し
た感熱転写記録用インクシートと同様である。
【0189】−昇華性色素− キレート形成性金属含有化合物とキレートを形成する昇
華性色素としては、公知の各種の化合物を適宜に選定し
て使用することができる。具体的には例えば、特開昭5
9−78893号、同59−109349号、同特願平
2−213303号、同2−214719号、同2−2
03742号に記載されているシアン画像形成色素(以
下シアン色素と称す)、マゼンタ画像形成色素(以下マ
ゼンタ色素と称す)、イエロー画像形成色素(以下イエ
ロー色素と称す)などを挙げることができる。
【0190】上記の昇華性色素の中でも、少なくとも前
記記載のキレート形成性金属含有化合物と2座のキレー
トを形成することができる色素化合物を使用するのが好
ましい。そのような色素として、例えば、下記一般式で
表される色素などを挙げることができる。
【0191】
【化1】
【0192】ただし、式中X1 は、少なくとも一つの環
が5〜7個の原子から構成される芳香族の炭素環、また
は複素環を完成するのに必要な原子の集まりを表わし、
アゾ結合に結合する炭素原子の隣接位の少なくとも一つ
が、窒素原子またはキレート化基で置換された炭素原子
である。X2 は、少なくとも一つの環が5〜7個の原子
から構成される芳香族複素環または、芳香族炭素環を表
わす。Gはキレート化基を表す。
【0193】この発明においては、前記のような、キレ
ート形成性金属含有化合物とキレートを形成する昇華性
色素と共にキレートを形成しない昇華性色素を併用して
も良い。
【0194】そのような昇華性色素としてはシアン色
素、マゼンタ色素、イエロー色素を挙げることができ
る。
【0195】前記シアン色素としては、特開昭59−7
8896号公報、同59−227948号公報、同60
−24966号公報、同60−53563号公報、同6
0−130735号公報、同60−131292号公
報、同60−239289号公報、同61−19396
号公報、同61−22993号公報、同61−3129
2号公報、同61−31467号公報、同61−359
94号公報、同61−49893号公報、同61−14
8269号公報、同62−191191号公報、同63
−91288号公報、同63−91287号公報、同6
3−290793号公報などに記載されているナフトキ
ノン系色素、アントラキノン系色素、アゾメチン系色素
等が挙げられる。
【0196】前記マゼンタ色素としては、特開昭59−
78896号公報、特開昭60−30392号公報、特
開昭60−30394号公報、特開昭60−25359
5号公報、特開昭61−262190号公報、特開昭6
3−5992号公報、特開昭63−205288号公
報、特開昭64−159号、特開昭64−63194号
公報等の各公報に記載されているアントラキノン系色
素、アゾ色素、アゾメチン系色素等が挙げられる。
【0197】イエロー色素としては、特開昭59−78
896号公報、特開昭60−27594号公報、特開昭
60−31560号公報、特開昭60−53565号公
報、特開昭61−12394号公報、特開昭63−12
2594号公報等の各公報に記載されているメチン系色
素、アゾ系色素、キノフタロン系色素、アントライソチ
アゾール系色素が挙げられる。
【0198】また、昇華性色素として特に好ましいの
は、開鎖型または閉鎖型の活性メチレン基を有する化合
物をp−フェニレンジアミン誘導体の酸化体またはp−
アミノフェノール誘導体の酸化体とのカップリング反応
により得られるアゾメチン色素およびフェノールまたは
ナフトール誘導体またはp−フェニレンジアミン誘導体
の酸化体またはp−アミノフェノール誘導体の酸化体の
とのカップリング反応により得られるインドアニリン色
素である。
【0199】インク層に含有される昇華性色素は、形成
しようとする画像が単色であるならば、イエロー色素、
マゼンタ色素、およびシアン色素の何れであっても良
い。
【0200】いずれの色素化合物を採用するにしても、
形成しようとする画像の色調によっては、前記三種の色
素のいずれか二種以上もしくは他の昇華性色素を含んで
いても良い。
【0201】前記昇華性色素の使用量は、通常、支持体
1m2 当たり0.1〜20g、好ましくは0.2〜5g
である。
【0202】(2−C) 熱転写記録方法 画像を形成するには、基本的には、感熱転写記録用イン
クシートのインク層と受像シートの受像層とを重ねあわ
せ、インク層と受像層との界面にイメージワイズに熱エ
ネルギーを与える。
【0203】画像の形成についての詳細は、前記請求項
1に記載の受像シートに関して説明したのと同様であ
る。
【0204】(3)請求項9に記載の発明について 請求項9に記載の発明は、支持体上に、上層及び下層よ
りなる受像層を積層してなり、下層の厚みが上層の厚み
よりも大きく、上層の厚みが0.03〜3.0μmであ
り、上層が、下層を形成するための下層形成用塗工液と
は異なる溶剤を用いたポリオレフィン系樹脂含有溶剤系
塗工液またはポリオレフィン系樹脂含有水系エマルジョ
ン塗工液で形成されてなることを特徴とする受像シート
であり、請求項10に記載の発明は、支持体上に設けら
れた二層の受像層の内、上層の受像層をポリオレフィン
系樹脂含有溶剤系塗工液またはポリオレフィン系樹脂含
有水系エマルジョン塗工液で形成すると共に下層の受像
層と上層の受像層とを異なる溶媒で調製された塗工液を
塗工することにより形成し、かつ上層の受像層の膜厚が
下層の受像層の膜厚よりも小さく、しかも上層の膜厚が
0.03〜3.0μmになるように上層を形成すること
を特徴とする受像シートの製造方法である。
【0205】(3−A)受像シート この受像シートは支持体と、支持体上に積層された下層
と上層とを有してなる。
【0206】−支持体− 支持体については、前記請求項1に記載の受像層におけ
る支持体と同様である。
【0207】この支持体の形態としては、長尺状であっ
ても良いし又カード状であっても良い。この受像シート
に画像を形成してなる画像記録体の用途に応じてこの支
持体の形態が適宜に選択される。この受像シートをカー
ド状にすると、この受像シートを用いて例えば自動車免
許証等のIDカードを得ることができる。
【0208】−下層− 下層の形成成分は、前記請求項1または前記請求項5に
記載の受像シートにおける下層の形成成分と同様であっ
ても良い。
【0209】1.熱可塑性樹脂 下層の形成成分である熱可塑性樹脂として、例えば、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルア
セタール系樹脂、及びポリエステル系樹脂等を挙げるこ
とができる。ただし、本発明によって形成される画像に
つき、実際的要求(たとえば画像記録体であるIDカー
ドに所定の耐熱性が要求されるなど)が存在するのであ
れば、そのような要求項目を満たすように熱可塑性樹脂
の種類あるいは組み合わせを考慮することが必要にな
る。
【0210】画像の耐熱性を例にすると、60℃以上の
耐熱性が要求されるのであれば、熱拡散性色素のにじみ
を考慮して、Tgが60℃以上である熱可塑性樹脂を使
用するのが好ましい。
【0211】ポリ塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化
ビニル樹脂のほかに塩化ビニル共重合体を挙げることが
できる。この塩化ビニル共重合体としては、塩化ビニル
をモノマーユニットとして50モル%以上の割合で含有
する塩化ビニルと他のコモノマーとの共重合体を挙げる
ことができる。
【0212】前記他のコモノマーとしては、たとえば酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、や酢酸ビニル、牛脂酸
ビニルなどの脂肪酸のビニルエステル類、アクリル酸、
メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタアクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸−2−ヒドロキ
シエチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリ
ル酸もしくはメタアクリル酸およびそのアルキルエステ
ル類、マレイン酸、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジ
ブチル、マレイン酸ジオクチルなどのマレイン酸および
そのアルキルエステル類、メチルビニルエーテル、2−
エチルヘキシルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテ
ル、パルミチルビニルエーテル、ステアリルビニルエー
テルなどのアルキルビニルエーテル等を挙げることがで
きる。
【0213】さらに、前記コモノマーとして、エチレ
ン、プロピレン、アクリロニトリル、メタアクリロニト
リル、スチレン、クロロスチレン、イタコン酸およびそ
のアルキルエステル類、クロトン酸およびそのアルキル
エステル類、ジクロロエチレン、トリフロロエチレンな
どの他ハロゲン化オレフィン類、シクロペンテン等のシ
クロオレフィン類、アコニット酸エステル類、ビニルベ
ンゾエート、ベンゾイルビニルエーテル等を挙げること
ができる。
【0214】塩化ビニル共重合体は、ブロック共重合
体、グラフト共重合体、交互共重合体、ランダム共重合
体の何れであっても良い。また、場合によっては、シリ
コン化合物などの剥離機能を有するものとの共重合体で
あっても良い。
【0215】前記セルロース系樹脂としてはエチルセル
ロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等を挙げる
ことができる。
【0216】前記ポリビニルアセタール系樹脂として
は、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマール等を挙げることができる。
【0217】前記ポリエステル系樹脂としては、特開昭
58−188695号公報、特開昭62−244696
号公報に記載されている化合物を挙げることができる。
また、ポリカーボネート系樹脂もバインダーとして使用
することができ、たとえば、特開昭62−169694
号公報に記載の各種の化合物を使用することができる。
【0218】2.キレート形成性金属化合物 下層の形成成分であるキレート形成性金属化合物を挙げ
ることができる。このキレート形成性金属化合物は前記
請求項5に記載のキレート形成性金属化合物と実質的に
同様である。
【0219】3.添加剤 下層の形成成分である添加剤としては、前記請求項1及
び請求項5に記載の下層に含有される添加剤と実質的に
同様である。
【0220】−上層− 上層は、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含有す
る。受像層が単層である場合に、その受像層の主成分が
ポリオレフィンであるときには、画像転写時に感熱転写
記録用インクシートとの融着を生じることがない反面、
画像の定着が悪い。一方、受像層が単層である場合に、
その受像層の主成分がポリ塩化ビニル系樹脂等であると
きには、画像の定着性が良好ではあるけれど、転写後の
画像形成成分の色素の分布が受像層表面に多くて、それ
が故に画像の劣化を生じ易い。
【0221】ところが、受像層を上層及び下層の二層構
成とし、しかも下層の主たる熱可塑性樹脂がポリ塩化ビ
ニル系樹脂等である場合に、上層の主たる熱可塑性樹脂
がポリオレフィン系樹脂であるときには、この受像層に
転写された画像の定着性が良好になると共に感熱転写記
録用インクシートとの融着を生じることもない。
【0222】又、このような優れた技術的効果は、後述
する受像シートにおける受像層の形成方法によっても達
成される。
【0223】1.ポリオレフィン系樹脂 ポリオレフィン系樹脂としては、前記請求項5に記載の
受像シートに関して説明されたポリエチレン系樹脂及び
ポリプロピレン系樹脂の外に、軟化点100℃以上のポ
リプロピレンワックス及びポリエチレンワックス、ナト
リウムアイオノマー、シリカ変性エチレン−アクリル酸
樹脂などを挙げることができる。
【0224】これらの中でも好ましいのは、分子量1,
500以上の低密度、中密度あるいは高密度のポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエチレンワックス、ポリプ
ロピレンワックス等である。
【0225】2.熱可塑性樹脂 この上層には、前記ポリオレフィン系樹脂の外に必要に
応じて熱可塑性樹脂を含有させることもできる。熱可塑
性樹脂の具体例としては、前記請求項1及び請求項5に
記載の受像シートにおいて説明したのと同様である。
【0226】3.添加剤 下層の形成成分である添加剤としては、前記請求項1及
び請求項5に記載の下層に含有される添加剤と実質的に
同様である。
【0227】−上層及び下層の厚み− この発明の受像シートにおいて重要なことは、下層の厚
みが上層の厚みよりも大きく、しかも上層の厚みが0.
03〜3.0μmであり、好ましくは0.10〜2.0
μmである。下層の厚みは、この条件を満たす限りにお
いて例えば0.10〜μmの範囲から任意に選定され
る。下層の厚みが上層の厚みよりも大きいと、上層の厚
みが前記範囲よりも小さいと離型性等の本発明の目的と
する効果が発現しにくく、また前期範囲よりも大きいと
感熱転写印字後、上層中に残留する色素が多くなりこれ
が定着性の低下につながるため好ましくない。
【0228】下層の厚みが前記範囲にあると、色素の定
着性が良く、下層が感熱転写印字時にクッション層とな
るため転写濃度が高い。この範囲よりも大きくてもあま
り利点はなく、塗布、乾燥に時間を要するため効率が悪
い。
【0229】−その他の層− 受像層と支持体との間に断熱性、バリアー性、クッショ
ン性、接着性等の性質を付与する目的として中間層を設
けてもよい。
【0230】また、受像層の表面には感熱転写記録用イ
ンクシートと受像シートとの融着防止等を目的にして、
オーバーコート層が積層されていても良い。
【0231】さらに、受像層と反対の面(支持体面)に
帯電防止やカール防止等を目的としてバッキング層を設
けてもよい。
【0232】(3−B)受像シートの製造 請求項9に記載の受像シートは、支持体上に少なくとも
上層及び下層の二層からなる受像層を有する受像シート
を製造するにあたり、上層を形成するための上層形成用
塗工液と下層を形成するための下層形成用塗工液とを異
なる溶媒で調製し、上層の厚みが0.01〜3.0μm
の厚みになるように、しかも上層の厚みが下層の厚みよ
りも大きくなるように、ポリオレフィン系樹脂含有溶剤
系塗工液またはポリオレフィン系樹脂含有水系エマルジ
ョン塗工液で形成することによって製造することができ
る。
【0233】以下に、下層の形成及び上層の形成の順に
説明する。
【0234】−下層の形成− 支持体上に下層を形成するには下層形成用塗工液を塗布
するのが良い。この下層形成用塗工液の溶剤としては有
機溶剤でも水であっても良い。有機溶剤としては、アル
コール類(例えばエタノール、プロパノール、ブタノー
ル)、セロソルブ類(例えばメチルセロソルブ、エチル
セロソルブ)、芳香族類(例えばトルエン、キシレン、
クロルベンゼン)、ケトン類(例えばアセトン、メチル
エチルケトン)、エステル系溶剤(たとえば酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなど)、エーテル類(例えばテトラヒド
ロフラン、ジオキサン)、塩素系溶剤(例えばクロロホ
ルム、トリクロルエチレン)等を挙げることができる。
【0235】下層形成用塗工液は、上記溶媒中に下層の
形成成分を含有する。各形成成分の下層形成用塗工液中
での含有量は、その形成成分の種類、組み合わせなどに
よって適宜に決定される。
【0236】好ましい下層形成用塗工液は、有機溶剤中
に、樹脂成分として、ポリ塩化ビニル系樹脂、エトセ
ル、ポリビニルブチラール樹脂、またはポリエステル樹
脂を分散ないし溶解してなる。
【0237】下層形成用塗工液の塗工には、従来から公
知のグラビアロールによる塗布法、押し出し塗布法、ワ
イヤーバー塗布法、ロール塗布法等を採用することがで
きる。
【0238】−上層の形成− 上層は、支持体上の下層の表面に、上層形成用塗工液と
してポリオレフィン系樹脂含有溶剤系塗工液またはポリ
オレフィン系樹脂含有水系エマルジョン塗工液を塗布す
ることにより、形成することができる。
【0239】この発明で重要なことは、下層形成用塗工
液における溶剤と上層形成用塗工液における溶剤とを異
ならせることである。溶剤が異なると、上層形成用塗工
液を下層表面に塗布するときに下層に上層形成成分が混
じらず、下層と上層との界面が明確になるから、下層に
添加した物質が塗布溶剤を介して上層に移行することに
よる悪影響を防ぐことができ、また上層と下層のバイン
ダーの混合による離型性の低下を防止できるという利点
がある。
【0240】ポリオレフィン系樹脂含有溶剤系塗工液
は、有機溶剤中にポリオレフィン系樹脂を含有する。こ
のポリオレフィン系樹脂については、「(3−A)受像
シート」の欄で説明したのと同様である。ポリオレフィ
ン系樹脂は有機溶剤中に分散しているのが好ましく、分
散するポリオレフィン系樹脂の平均粒径3.0μm以下
であるのが好ましい。ポリオレフィン系樹脂含有水系エ
マルジョン塗工液は、ポリオレフィン系樹脂をエマルジ
ョン状態で水中に分散してなる。この場合の、分散する
ポリオレフィン系樹脂の平均粒径3.0μm以下である
のが好ましい。
【0241】好ましい上層形成用塗工液は、下層形成用
塗工液が有機溶媒系の塗工液であるときには、ポリオレ
フィン系樹脂含有水系エマルジョン系塗工液である。
【0242】上層形成用塗工液の塗工には、従来から公
知のグラビアロールによる塗布法、押し出し塗布法、ワ
イヤーバー塗布法、ロール塗布法等を採用することがで
きる。
【0243】この場合、上層の膜厚を均一にするため
に、水系エマルジョン塗工液中の固形分の平均分散粒径
を、少なくとも3μm以下、好ましくは2μm以下にす
ることが好ましい。固形分の分散は、上層の形成成分と
水もしくは有機溶媒との混合物に機械的剪断力を加える
ことにより、あるいはアンモニウム塩やアルカリ金属塩
含有の界面活性剤、公知のノニオン系界面活性剤(たと
えばポリオキシエチレン系界面活性剤など)の分散剤で
分散することにより、調製することができる。もっと
も、分散方法については上記方法に限定されるものでは
ない。
【0244】(3−C)感熱転写記録用インクシート 感熱転写記録用インクシートは、基本的に支持体上にイ
ンク層を積層してなる。そして感熱転写記録用インクシ
ートの構成については、請求項1もしくは請求項5に記
載の受像シートに関連して説明した感熱転写記録用イン
クシートの内容と実質的に同じである。
【0245】(3−D) 熱転写記録方法 画像を形成するには、感熱転写記録用インクシートのイ
ンク層と受像シートの受像層とを重ねあわせ、インク層
と受像層との界面にイメージワイズに熱エネルギーを与
える。このような画像の形成方法については、請求項1
もしくは請求項5に記載の受像シートに関連して説明し
た熱転写記録方法の内容と実質的に同じである。
【0246】請求項9に記載の受像シートに感熱転写記
録用インクシートを用いて画像を転写した場合、転写感
度が良好であり、画像の定着性が良好であり、重ねて画
像を形成しても感熱転写記録用インクシートの融着を生
じることがない。
【0247】(4)請求項12及び請求項13に記載の
発明について 請求項12にかかる受像シートは、支持体上に、上層及
び下層からなる受像層を有し、下層が昇華性色素受容性
の熱可塑性樹脂を含有し、上層が下層表面の一部を被覆
してなることを特徴とし、請求項13にかかる画像保護
方法は支持体上に形成された下層表面の一部を被覆する
ように形成された上層に昇華性色素で画像を形成した後
に、下層の露出面および上層表面を透明保護層で被覆す
ることを特徴とする。
【0248】(4−A)受像シート この受像シートは、支持体上に上層及び下層からなる受
像層を有する。
【0249】−支持体− 支持体については、前記請求項1、請求項5に記載の受
像シートにおける支持体と実質的に同じである。
【0250】−下層− 下層の構成については、前記請求項1、前記請求項5に
記載の受像シートにおける下層と実質的に同じである。
【0251】−上層− 上層の構成については、前記請求項1、前記請求項5に
記載の受像シートにおける上層と実質的に同じである。
【0252】もっとも好適な上層は、バインダーとして
変性または未変性のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレ
ン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、および/または
ワックス類よりなる群から選択される少なくとも一種の
化合物を含有する。
【0253】このポリエチレン系樹脂及びポリプロピレ
ン系樹脂については、前記請求項5の受像シートに関し
て説明したポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹
脂と実質的に同じである。
【0254】ワックス類としては、カルナバロウ、木ロ
ウ、オウリキュリーロウおよびエスパルロウ等の植物ロ
ウ;蜜ロウ、昆虫ロウ、セラックロウおよび鯨ロウ等の
動物ロウ;パラフィンワックス、マイクロクリスタルワ
ックス、ポリエチレンワックス、エステルワックスおよ
び酸ワックス等の石油ロウ;ならびに、モンタンロウ、
オゾケライトおよびセレシン等の鉱物ロウ等のワックス
類、ポリエステルワックス、ポリウレタンワックス、ワ
ックス塩化物などを挙げることができる。
【0255】なかでも、ポリエチレンワックスなどのポ
リオレフィン系のワックスが好ましい。
【0256】−下層及び上層の形態− この受像シートは、カードサイズであると、この受像シ
ートを利用してIDカードなどの画像記録体を形成する
ことができる。
【0257】カードサイズの受像シートにおいては、支
持体上の下層の厚みは 0.5〜10.0μm、好まし
くは1.0〜6.0μmであり、また上層の厚みは0.
05〜5μm、好ましくは0.1 〜2μmである。そ
して、上層は下層表面の一部を被覆するように積層され
る。その理由は後述する画像記録体の項で説明する。そ
して、上層が前記範囲の厚みを有していると、下層と上
層との段差が実質的に問題のない程度になり。モノリシ
ック性を保持することができる。
【0258】この受像シートは、特に上層を形成する成
分が、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ワ
ックス類、また必要に応じて界面活性剤、高級脂肪酸、
及び高級脂肪酸の誘導体よりなる群から選択される化合
物を含有し、しかも下層表面の一部を上層が被覆する状
態になっていると、上層に画像を転写形成する際の融着
を有効に防止することができ、しかも定着性の良好な画
像を形成することができ、しかもこの上層に形成された
画像を保護するために、下層の露出面及び上層の全体に
わたって透明保護層を形成すると、その透明保護層の接
着を強固に行うことができ、透明保護層の接着が強固で
あるから、偽造や変造をすることの困難なIDカードな
どの画像記録体が形成される。
【0259】(4−B)画像保護方法 前記(4−A)の欄で説明した受像シートの受像層に
は、前記請求項1及び前記請求項5の受像シートの説明
に関連して説明した感熱転写記録用インクシートを用い
て、昇華性色素による画像を転写、形成することができ
る。
【0260】そして、前記(4−A)の欄で説明した受
像シートは上層の厚みが下層の厚みに比較すると薄いの
で、モノリシック性を保持することができる。このよう
にモノリシック性を保持した受像シートの上層に画像を
転写形成すると、定着性の良好な画像を有するIDカー
ドなどの画像記録体を得ることができる。なお、この画
像記録体と透明保護層を有する画像記録体とを区別する
ために、透明保護層を有していない画像記録体を一次画
像記録体と称することがある。もっとも、画像を有する
上層が露出したままの画像記録体においては、通常の使
用状態では、他の部材による擦過、他の樹脂製品の重ね
置きなどによって上層の画像が拡散してその輪郭が滲ん
だり、あるいは他の樹脂製品に画像が転写されて上層に
おける画像が薄くなってしまうという不都合を生じるこ
とがある。
【0261】このような不都合から上層の画像を保護す
るには、この発明の画像保護方法が有効である。
【0262】この発明の画像保護方法においては、前記
(4−A)の欄で説明した受像シートにおける上層に、
前記請求項1及び請求項5に記載の受像シートに関連し
て説明したのと同様の感熱転写記録用インクシートで、
昇華性色素による画像を形成し、次いで受像層全面にわ
たって透明保護層を被覆する。
【0263】−透明保護層− 透明保護層は、(1) UV硬化法、(2) ホットスタンプ
法、あるいは(3) ラミネート法により形成することがで
きる。
【0264】1.UV硬化法 このUV硬化法としては、紫外線硬化性樹脂を含有する
コーティング剤を、画像の形成された上層及び下層の露
出面に、塗布し、紫外線を照射する手法を挙げることが
できる。
【0265】(コーティング剤)このコーティング剤
は、紫外線硬化性のプレポリマーと重合開始剤とを主成
分とする組成物によって形成することができる。
【0266】紫外線硬化性のプレポリマーとしては、1
分子内にエポキシ基を2個以上含有するプレポリマーを
挙げることができる。このようなプレポリマーとして
は、たとえば、脂環式ポリエポキシド類、多塩基酸のポ
リグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシ
ジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポ
リグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリ
シジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジル
エーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ
化合物類およびエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げる
ことができる。これらのプレポリマーは、その一種を単
独で使用することもできるし、また、その二種以上を混
合して使用することもできる。
【0267】コーティング剤中の、エポキシ基を1分子
内に2個以上有するプレポリマーの含有量は70重量%
以上であるのが好ましい。
【0268】前記重合開始剤としては、カチオン重合開
始剤が好ましく、具体的には芳香族オニウム塩を挙げる
ことができる。
【0269】この芳香族オニウム塩として、周期表第V
a族元素の塩、例えばホスホニウム塩(例えばヘキサフ
ルオロリン酸トリフェニルフェナシルホスホニウムな
ど)、第VIa族元素の塩、例えばスルホニウム塩(例え
ばテトラフルオロホウ酸トリフェニルスルホニウム、ヘ
キサフルオロリン酸トリフェニルスルホニウム、ヘキサ
フルオロリン酸トリス(4−チオメトキシフェニル)、
スルホニウムおよびヘキシサフルオロアンチモン酸トリ
フェニルスルホニウムなど)、および第VII a族元素の
塩、例えばヨードニウム塩(例えば塩化ジフェニルヨー
ドニウムなど)を挙げることができる。
【0270】このような芳香族オニウム塩をエポキシ化
合物の重合におけるカチオン重合開始剤として使用する
ことは、米国特許第4,058,401号、同第4,0
69,055号、同第4,101,513号および同第
4,161,478号公報に詳述されている。
【0271】好ましいカチオン重合開始剤としては、第
VIa族元素のスルホニウム塩が挙げられる。その中で
も、紫外線硬化性と紫外線硬化性の組成物の貯蔵安定性
の観点からすると、ヘキサフルオロアンチモン酸トリア
リールスルホニウムが好ましい。
【0272】カチオン重合開始剤のコーティング剤中の
含有量は、3〜20重量%が好ましく、特に5〜12重
量%が好ましい。カチオン重合開始剤の含有量がコーテ
ィング剤の1重量%を越えないときには、紫外線を照射
したときに硬化速度が極端に遅くなることがあり、好ま
しくない。
【0273】紫外線硬化性の樹脂としては、前記エポキ
シ系硬化性樹脂に限られず、ラジカル重合性の樹脂、例
えば単官能性あるいは多官能性アクリレート化合物等を
挙げることができる。
【0274】コーティング剤中には、更に油類(特にシ
リコーン油)、シリコーン−アルキレンオキシド共重合
体(例えばユニオンカーバイド社から市販されているL
−5410)のような界面活性剤、シリコーン油含有脂
肪族エポキシド類、3M社から市販されているFO−1
71および3M社から市販されているFO−430、大
日本インキ株式会社から市販されているMegafac
F−141のようなフルオロカーボン界面活性剤等を
含有させてもよい。
【0275】このコーティング剤中には、さらに、例え
ば、スチレン、パラメチルスチレン、メタクリル酸エス
テル、アクリル酸エステル等のビニル単量体やセルロー
ス系、熱可塑性ポリエステル、フェニルグリシジルエー
テル、ケイ素含有モノエポキシド、ブチルグリシジルエ
ーテル等のモノエポキシド等が、この発明の効果を阻害
しない範囲で含有されていてもよい。
【0276】また、このコーティング剤中には、不活性
性成分として、例えばタルク、炭酸カルシウム、、アル
ミナ、シリカ、マイカ、硫酸バリウム、炭酸マグネシウ
ム、ガラス等の充填剤、染料、顔料、増粘剤、可塑剤、
安定剤、レベリング剤、カップリング剤、粘着付与剤、
シリコーン基含有活性剤、フルオロカーボン基含有表面
活性剤等の濡れ向上剤、その他の各種添加剤、さらにコ
ーティング剤の塗布中における流動性を改良することを
目的として、前記カチオン重合開始剤とほとんど反応し
ないアセトン、メチルエチルケトン、メチルクロライド
等の少量の溶剤を含有させてもよい。
【0277】(塗布方法および塗布条件)前記コーティ
ング剤の受像表面への塗布は、コーティング剤、場合に
より溶剤等を加えるなどして適宜の粘度に調整されたコ
ーティング剤を、ダブルロールコータ、スリットコー
タ、エアナイフコータ、ワイヤーバーコータ、スライド
ホッパー、スプレーコーティング等の通常の方法にて受
像表面に塗布することにより、達成することができる。
【0278】これらの適宜の塗布方法により、前記コー
ティング剤による塗布層が、受像の表面に、通常0.1
〜30μm、好ましくは1〜14μmの厚みになるよう
に、塗布される。
【0279】塗布後に、前記コーティング剤による塗布
層に紫外線が照射され、コーティング剤中の紫外線硬化
性のプレポリマーの重合反応ないし硬化反応が進行す
る。
【0280】ここで、紫外線というとき、これは紫外領
域の光を意味し、また、紫外領域の光を含む光線をも含
む意味である。したがって、紫外線の照射として、太陽
光線の照射、低圧水銀灯の照射、高圧水銀灯の照射、超
高圧水銀灯の照射、カーボンア−ク等の照射、メタルハ
ライドランプによる照射、キセノンランプの照射等を挙
げることができる。
【0281】紫外線を照射するときの雰囲気としては、
空気、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気が好ま
しい。
【0282】紫外線の照射時間としては、紫外線領域の
照射光源の種類によって相違するのであるが、通常0.
5秒〜5分、好ましくは3秒〜2分である。通常、照射
時間の短い場合には照射強度の大きい大型の光源を必要
とし、照射時間が長い場合には照射強度の小さい光源を
使用することもできる。もっとも、照射強度の小さな光
源では硬化作用時間が長くなり、製造工程上有利ではな
い。しかし、この発明では、200W以下の紫外線発生
ランプを用いて、3秒から2分の照射によって、実用上
十分な強度を有する硬化被膜を形成することができる。
【0283】なお、硬化に際しては、紫外線の照射時ま
たは照射の前後において、コーティング剤の塗布膜を加
熱すると、硬化時間の短縮を図ることができる。そのよ
うな加熱をする場合、加熱温度は30〜80℃が好まし
い。紫外線照射前においては、前記加熱温度による加熱
時間は長くても短くてもよいのであるが、紫外線照射後
においては、加熱時間は1分〜120分が好ましい。
【0284】2.ホットスタンプ法 ホットスタンプ法としては、例えば透明保護層形成用転
写シートを使用し、この透明保護層形成用転写シートに
おける透明保護層を、画像を有する受像層に転写する手
法を挙げることができる。
【0285】この透明保護層形成用転写シートは、支持
体上に、剥離層と、透明保護層と、必要に応じて設けら
れた接着層とをこの順に積層することにより構成するこ
とができる。
【0286】透明保護層形成用転写シートにおける透明
保護層としては、特開昭63−183881号公報の第
9頁左下欄第9行から第10頁左上欄第15行に記載の
熱溶融性化合物と同公報の第10頁左上欄第16行から
第11頁左下欄第9行に例示の熱可塑性樹脂とで形成す
ることができる。
【0287】透明保護層の厚みは、転写性を考慮して通
常0.5〜20.0μmであり、好ましくは1.0〜1
0.0μmである。
【0288】3.ラミネート法 ラミネート法としては、例えば受像層全面に、ポリオレ
フィン系樹脂特に好ましくはポリエチレンまたはポリプ
ロピレンを主成分とするラミネート層を、溶融押し出し
法(ホットメルトエクストゥルージョン・ラミネート法
と称することがある。)により形成する手法を挙げるこ
とができる。
【0289】また、このポリエチレンまたはポリプロピ
レンは、メルトフローレート(試験法;ASTM D1
238、g/10min)が0.5〜15の範囲にある
のが好ましく、更には1〜10の範囲にあるものがより
好ましい。そして、ドローダウン性が良好であれば、ホ
モポリマーあるいはコポリマーのいずれであっても良
く、また一種あるいは二種以上のポリプロピレンを併用
しても良い。
【0290】本発明におけるラミネート層の厚みは通常
5〜100μm、好ましくは10〜50μmであり、こ
のような範囲の中から適宜に選定される。ホットメルト
エクストゥルージョン・ラミネート法によるラミネート
は、特開平1−263081号、同1−271289
号、同2−106397号、同2−111586号、同
2−305688号、同3−49991号公報等に記載
されている通常の方法によって実施することができる。
【0291】(5)請求項14,15に記載の画像記録
体及び請求項16に記載の画像記録体の製造方法 請求項14に記載の画像記録体は、上層及び下層からな
る受像層と支持体上に有し、昇華性色素受容性の熱可塑
性樹脂で下層が形成されると共に下層表面の一部が上層
で被覆され、上層を設けた部分に昇華性色素による転写
画像が形成されると共に下層の上層に被覆されていない
表面には溶融型熱転写画像が形成されている。
【0292】上層を有さない部分はヒートモード保護層
との接着性に優れており、上層を有する部分は昇華画像
印字時の非融着性に優れている。
【0293】−支持体− この発明における支持体としては、例えば、紙、コート
紙、および合成紙(ポリプロピレン、ポリスチレンもし
くは、それらを紙とはり合せた複合材料)等の各種紙
類、白色の塩化ビニル系樹脂シート、白色のポリエチレ
ンテレフタレートベースフィルム、透明のポリエチレン
テレフタレートベースフィルム、ポリエチレンナフタレ
ートベースフィルム等の各種プラスチックフィルムない
しシート、各種の金属で形成されたフィルムないしシー
ト、各種のセラミックス類で形成されたフィルムないし
シート等を挙げることができる。
【0294】支持体中には、後に形成される転写画像の
鮮明性を高めるために、白色顔料、例えば、チタンホワ
イト、炭酸マグネシウム、サンカ亜鉛、硫酸バリウム、
シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム等が添加され
ているのが好ましい。
【0295】さらにまた、この画像記録体を、例えば、
自動車免許証などのIDカードとするのであれば、支持
体を、前記白色顔料と後述する塩化ビニル系樹脂との組
成物からなるシートもしくはフィルムで構成するのが一
般的である。
【0296】なお、支持体を形成する材質としては、前
述したものの外に、前記請求項1及び前記請求項5の受
像シートに関して説明した支持体と同じ材質を使用する
こともできる。
【0297】支持体の厚みは通常100〜1,000μ
m、好ましくは100〜800μmである。
【0298】なお、支持体には、必要に応じて、エンボ
ス、サイン、ICメモリー、光メモリー、磁気記録層、
他の印刷等を設けておくのも良い。
【0299】−受像層としての下層及び上層− 下層には、昇華色素受容性の熱可塑性樹脂が含有され、
必要に応じて各種の添加剤が配合されている。
【0300】昇華性色素受容性の熱可塑性樹脂として
は、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセター
ル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル系樹脂、
エチルセルロース樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル
系樹脂等を挙げることができる。
【0301】これらの樹脂は、染料に対する染着性が優
れており、加えて染料保持性が良いため定着性にも優れ
ている。
【0302】上層を形成する成分ないし材質としては、
前記請求項1及び前記請求項5の受像シートに関して説
明した上層と同じ成分ないし材質を使用することができ
るが、好ましい上層は、前記請求項13の受像シートに
関して説明した通りである。いずれの成分ないし材質を
選択するにしても、上層における昇華性色素の保持性の
程度よりも下層における昇華性色素の保持性が大きくな
るように、上層及び下層の形成成分または材質を選定す
るのが望ましい。下層のほうが上層よりも昇華性色素の
保持性が大きいと、上層に形成された昇華性色素の転写
画像が速やかに下層に拡散移動し、定着性の良好な画像
が形成されるからである。なお、定着性の良好な転写画
像を形成するためには、下層にキレート形成性金属化合
物を含有させて置くのも良い。
【0303】この画像記録体においては、下層表面の一
部を被覆するように上層が積層される。上層による被覆
面の大きさとしては、その画像記録体の用途に応じて適
宜に設計変更されるのであり、例えば画像記録体を自動
車免許証等のIDカードとするのであると、上層の面積
は人物像を表示するのに十分な大きさに設定される。
【0304】このように、上層が下層表面の一部を被覆
するように積層されていると、上層及び下層からなる受
像層の表面に、画像保護のために透明保護層を形成した
場合に、たとえ、上層に剥離剤が混入していても、下層
と透明保護層との接着が十分なものになり、受像層と透
明保護層との剥離が防止される。
【0305】−昇華性色素による転写画像− 上層には、昇華性色素を含有するインク層を備えた感熱
転写記録用インクシートを用いて転写画像が形成され
る。
【0306】感熱転写記録用インクシートについては、
前記請求項1及び請求項5の受像シートに関して説明さ
れた感熱転写記録用インクシートと同様である。
【0307】この感熱転写記録用インクシートを用いて
受像層である上層に形成される転写画像は、熱エネルギ
ー印加量の相違によって階調性を有する画像である。し
たがって、この上層に形成される転写画像は、この画像
記録体がIDカードであるときには、人物像であったり
する。
【0308】−溶融型転写画像− 下層の上層に被覆されていない部分には、溶融型転写画
像が形成される。溶融型転写画像は、それ自体公知の熱
溶融型感熱転写インクシートを用いて形成することがで
きる。この熱溶融型感熱転写インクシートは、支持体
と、この支持体上に形成されたところの、色材を含有す
るインク層とを少なくとも有してなる。
【0309】この熱溶融型感熱転写インクシートによっ
て形成される溶融型転写画像は、通常単色画像であるか
ら、この画像記録体がIDカードなどであるときには、
この溶融型転写画像は、文字、図形、記号もしくはこれ
らの組み合わせを表示する画像であったりする。
【0310】−ヒートモード透明保護層− 請求項14に記載の画像記録体は、画像を有する受像層
の表面は露出した状態ではあるけれど、それでもIDカ
ード等として有用である。そして、受像層に形成された
転写画像の耐久性を付与し、又、転写画像の改竄や偽造
を防止することを目的にするのであれば、転写画像を有
する受像層の表面全体にヒートモード保護層を形成する
のが好ましい。
【0311】このヒートモード保護層は、上層に昇華性
色素の転写画像を形成する際に、感熱転写記録用インク
シートの融着を防止するために、受像層に剥離剤が含有
されていても、上層は下層表面の一部を被覆するだけで
あるから、受像層に強固に接着している。したがって、
この請求項15に記載の画像記録体は、偽造あるいは変
造が有効に防止される。故にこの画像記録体は、自動車
免許証等の、絶対に偽造あるいは変造されてはならない
IDカードとして好適である。
【0312】ここで、ヒートモード保護層は、画像の安
定性を向上させる目的で酸化亜鉛、酸化チタンなどの無
機紫外線吸収剤やベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾー
ル系、シアノアクリレート系などの有機紫外線吸収剤、
ヒンダードフェノール系等の一般的に用いられる酸化防
止剤等を含有しても良い。
【0313】以上に詳述した画像記録体は、昇華性色素
を含有するインク層を備えた感熱転写記録用インクシー
トを用いて上層に昇華性色素の転写画像を形成し、それ
と相前後して、上層により被覆されていない下層の表面
に、熱溶融型感熱転写記録用インクシートを用いて溶融
型転写画像を形成し、その後、上層及び下層の露出面か
らなる受像層表面を、ヒートモード保護層で被覆するこ
とにより得ることができる。
【0314】このヒートモード保護層による被覆は、例
えば、ホットスタンプ法やラミネート法により行うこと
ができる。ホットスタンプ法及びラミネート法について
は前述した通りである。
【0315】このようにして製造された画像記録体は、
画像の定着性や熱や光に対する画像保存性に優れると同
時に擦過性、携帯性にすぐれているという利点を有す
る。
【0316】
【実施例】
(1) 以下の例1〜8は請求項1に関する実施例であり、
比較例1〜4は請求項1に関する比較例である。
【0317】(例1)支持体として厚み6μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルム[東レ(株)製 ルミラ
ー6CF531]の耐熱保護層の裏面に、下記組成のイ
ンク層形成用塗工液をワイヤーバーコーティング法によ
り、乾燥後の厚みが1μmになるように塗布、乾燥する
ことにより感熱転写記録用インクシートを得た。
【0318】 インク層形成用塗工液; 分散染料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4.0部 {日本化薬(株)製、カヤセットブルー136} ポリビニルブチラール・・・・・・・・・・・・・・・4.0部 {積水化学工業(株)製、エスレックBX- 1} メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・ 82部 シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10部。
【0319】次に、支持体として厚み150μmの合成
紙{商品名ユポFPG−150;王子油化合成紙(株)
製}上に下記組成の下層形成用塗工液と上層形成用塗工
液をワイヤーバー塗工法により順次、塗布・乾燥し、合
成紙上に厚み4μmの下層と厚み0.5μmの上層とか
らなる受像層を形成することによって、受像シートを得
た。
【0320】 下層形成用塗工液; ポリビニルブチラール樹脂・・・・・・・・・・・・・9.0部 {積水化学工業(株)製、エスレックBX- 1} トリメリット酸アルキルエステル・・・・・・・・・・1.0部 {旭電化工業(株)製、アデカサイザーC79} メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・80部 シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・・10部 上層形成用塗工液; ウレタン変性エチレン−アクリル酸エステル共重合体 (25%固形分)・・・・・・・・・・・・・・・・・・8部 {東邦化学工業(株)製、ハイテックS6254} ポリエチレン系ワックスエマルジョン (35%固形分)・・・・・・・・・・・・・・・・・23部 {東邦化学工業(株)製、ハイテックE1000} 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・69部。
【0321】次に、前記感熱転写記録用インクシートと
上記受像シートとを、前者のインク層表面と後者の受像
層表面とが接するように重ねあわせ、感熱転写記録用イ
ンクシートの支持体側よりサーマルヘッドを用いて出力
0.4W/ドット、パルス幅10msec、ドット密度
6ドット/mmの条件で加熱することにより、3cm×
3cmの正方形の画像記録を行なった。
【0322】画像記録後、受像層に画像を有する感熱転
写記録用受像シ−トをヒ−トロ−ル(加熱温度130
℃)に通して搬送速度1cm/秒で支持体側から熱処理
した。受像層表面の融着防止性、感度及び光沢につい
て、下記の基準で評価した。結果を表1に示す。
【0323】融着防止性:画像記録後のインクシートと
受像シートを剥離角120度で剥離するのに要する力を
(株)大場計器製作所製、丸型バネ式テンションゲージ
にて測定した。
【0324】◎・・・・ 5g/3cm以下 〇・・・・ 6〜20g/3cm △・・・・21〜50g/3cm ×・・・・50g/3cm以上。
【0325】感度:コニカ(株)製PDA−65にてレ
ッド光反射濃度を測定した。
【0326】◎・・・・2.0以上 〇・・・・1.6〜1.9 △・・・・1.0〜1.5 ×・・・・1.0以下。
【0327】光沢;日本電触(株)製 グロスメーター
で45度の光沢度を測定した。
【0328】◎・・・・30%以下 〇・・・・31〜45% △・・・・46〜60% ×・・・・61%以上。
【0329】定着性;上記印字済み受像層と印字を行っ
ていない受像層同志を対面させ環境温度60℃、押し圧
力30g/m2 、保存期間48時間の条件で保存後の画
像の転写状況を目視確認した。
【0330】◎・・・・全く転写みられず 〇・・・・かすかに転写のあとがみられた △・・・・反射濃度0.1〜0.4以上転写 ×・・・・反射濃度0.4以上転写。
【0331】(例2)下記の下層形成用塗工液を用い
て、前記例1におけるのと同様の支持体上に厚み3μm
の下層を前記例1と同様にして形成し、下記の上層形成
用塗工液を使用して例1と同様にして厚み0.9μmの
上層を形成することにより、受像シートを製造した。
【0332】この受像シートと前記例1におけるのと同
じ感熱転写記録用インクシートとを用いて、例1と同様
にして画像記録を行い、例1と同様にしてその画像を評
価した。結果を表1に示した。
【0333】 下層形成用塗工液; 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体・・・・・・・・・10部 {ユニオンカーバイド社製、VYHH} {旭電化工業(株)製、アデカサイザーC79} メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・80部 シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・・10部 上層形成用塗工液; ウレタン変性エチレン−アクリル酸エステル共重合体 (26%固形分)・・・・・・・・・・・・・・・・・・8部 {東邦化学工業(株)製、ハイテックS3148} ポリプロピレン系ワックスエマルジョン (30%固形分)・・・・・・・・・・・・・・・・・24部 {東邦化学工業(株)製、ハイテックE433N} 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・68部。
【0334】(例3)下記の下層形成用塗工液及び上層
形成用塗工液を用いた外は前記例1と同様にして、例1
におけるのと同じ支持体上に、厚みμmの下層と厚み
0.3μmの上層とを形成した。
【0335】この受像シートと前記例1におけるのと同
じ感熱転写記録用インクシートとを用いて、例1と同様
にして画像記録を行い、例1と同様にしてその画像を評
価した。結果を表1に示した。
【0336】 下層形成用塗工液; ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・10部 {東洋紡績(株)製、バイロン200} メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・80部 シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・・10部 上層形成用塗工液; ウレタン変性エチレン−アクリル酸エステル共重合体 {東邦化学工業(株)製、ハイテックS6272} (25%固形分)・・・・・・・・・・・・・・・・40部 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60部。
【0337】(例4)前記例2における下層形成用塗工
液及び下記の上層形成用塗工液を用いて、例2における
のと同様の厚みの下層及び上層を、例1におけるのと同
じ支持体上に形成して受像シートを得た。
【0338】この受像シートと前記例1におけるのと同
じ感熱転写記録用インクシートとを用いて、例1と同様
にして画像記録を行い、例1と同様にしてその画像を評
価した。結果を表1に示した。
【0339】 下層形成用塗工液; ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・10部 {東洋紡績(株)製、バイロン200} メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・80部 シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・・10部 上層形成用塗工液; エチレン−アクリル酸エステル共重合体 (25%固形分)・・・・・・・・・・・・・・・25部 {東邦化学工業(株)製、ハイテックS3125} 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 75部。
【0340】(例5)例1におけるのと同じ支持体上に
例1におけるのと同じ下層形成用塗工液を塗布して厚み
5.0μmの下層を形成し、下記組成の上層形成用塗工
液を塗布して厚み0.4μmの上層を形成することによ
り、受像シートを製造した。
【0341】この受像シートと前記例1におけるのと同
じ感熱転写記録用インクシートとを用いて、例1と同様
にして画像記録を行い、例1と同様にしてその画像を評
価した。結果を表1に示した。
【0342】 上層形成用塗工液; エチレン−アクリル酸共重合体 ・・・・・・・・・・・・・・・・・9.5部 {三井デュポンポリケミカル(株)製、エバフレックスEEA A−704} ポリエステル変性シリコーン樹脂・・・・・・・・・・0.5部 {信越シリコーン(株)製、X- 24- 8300} トルエン・・・・・・・・・・・・・・・・ 90部。
【0343】(例6)例1におけるのと同じ支持体上に
例1におけるのと同じ下層形成用塗工液を塗布して厚み
3.5μmの下層を形成し、下記組成の上層形成用塗工
液を乾燥後の厚みが0.7μmとなるように塗布した後
下記条件にて紫外線を照射し硬化させることにより上層
を形成して受像シートを製造した。
【0344】この受像シートと前記例1におけるのと同
じ感熱転写記録用インクシートとを用いて、例1と同様
にして画像記録を行い、例1と同様にしてその画像を評
価した。結果を表1に示した。
【0345】 上層形成用塗工液; エチレン−アクリル酸共重合体 ・・・・・・・・・・・・・・・・・9.5部 {三井デュポンポリケミカル(株)製、エバフレックスEEA A−709} ポリエステル変性シリコーン樹脂・・・・・・・・・・0.5部 {信越シリコーン(株)製、X- 24- 8300} テトラヒドロフラン・・・・・・・・・・・・・・・90部。
【0346】(例7)例1と同様の支持体上に、以下の
接着層形成用塗工液を塗布して厚み0.8μmの接着層
を形成し、この接着層上に、以下の下層形成用塗工液を
塗布して厚み5μmの下層を形成し、下層の上に、以下
の上層形成用塗工液を塗布して厚み0.5μmの上層を
形成することにより、受像シートを製造した。
【0347】この受像シートと前記例1におけるのと同
じ感熱転写記録用インクシートとを用いて、例1と同様
にして画像記録を行い、例1と同様にしてその画像を評
価した。結果を表1に示した。
【0348】 接着層形成用塗工液 ポリビニルアセトアセタール・・・・・・・・・・・・9部 {積水化学工業(株)製、エスレックBL−1} イソシアナート・・・・・・・・・・・・・・・・・・1部 {日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートHX} 溶剤 メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・80部 酢酸n−ブチル・・・・・・・・・・・・・・・・・10部 下層形成用塗工液; ポリビニルブチラール樹脂・・・・・・・・・・・・10部 {積水化学工業(株)製、BX−1} メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・80部 酢酸n−ブチル・・・・・・・・・・・・・・・・・10部 上層形成用塗工液; ウレタン変性エチレン−アクリル酸エステル共重合体 (25%固形分)・・・・・・・・・・・・・・・・・・8部 {東邦化学工業(株)製、ハイテックS6254} ポリエチレン系ワックスエマルジョン (35%固形分)・・・・・・・・・・・・・・・・・23部 {東邦化学工業(株)製、ハイテックE1000} 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・69部。
【0349】(例8)例1と同様の支持体上に、以下の
下層形成用塗工液を塗布して厚み5μmの下層を形成
し、下層の上に、以下の上層形成用塗工液を塗布して厚
み1μmの上層を形成することにより、受像シートを製
造した。
【0350】この受像シートと前記例1におけるのと同
じ感熱転写記録用インクシートとを用いて、例1と同様
にして画像記録を行い、例1と同様にしてその画像を評
価した。結果を表1に示した。
【0351】 下層形成用塗工液; エチルセルロース・・・・・・・・・・・・・・・・10部 {ハーキュリーズ社製 N−10} メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・80部 シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・・10部 上層形成用塗工液; ウレタン変性エチレン−アクリル酸エステル共重合体 ・・・・・・・・・・・・・・・・・20部 {東邦化学工業(株)製、ハイテックS6254} ポリエチレンワックス・・・・・・・・・・・・・・・14部 {東邦化学工業(株)製、ハイテックE1000} 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66部。
【0352】(比較例1)上層を形成しなかった外は前
記例1と同様にして受像シートを製造し、前記例1と同
様にして転写画像を評価した。結果を表1に示した。
【0353】(比較例2)上層形成用塗工液を以下の通
りにして上層を形成した外は、前記例2と同様にして受
像シートを製造し、前記例1と同様にして転写画像を評
価した。結果を表1に示した。
【0354】 上層形成用塗工液; ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・・9.5部 {東洋紡績(株)製、バイロン200} ポリエステル変性シリコーン樹脂・・・・・・・・・・0.5部 {信越シリコーン(株)製、X- 24- 8300} メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・ 80部 シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10部。
【0355】(比較例3)上層形成用塗工液を以下の通
りにして上層を形成した外は、前記例8と同様にして受
像シートを製造し、前記例1と同様にして転写画像を評
価した。結果を表1に示した。
【0356】 上層形成用塗工液; 塩化ビニル系ラテックス ・・・・・・・・・・・・・・・・・20部 {日本ゼオン(株)製、ニポールG351} ポリエチレンワックス・・・・・・・・・・・・・・・14部 {東邦化学工業(株)製、ハイテックE1000} 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66部。
【0357】(比較例4)上層を形成しなかった外は前
記例7と同様にして受像シートを製造し、前記例1と同
様にして転写画像を評価した。結果を表1に示した。
【0358】
【表1】
【0359】(2) 例13〜18までは請求項5に記載の
発明の実施例であり、例19〜22は比較例である。
【0360】(例13〜22)以下の下層形成用塗工液
と以下の上層用塗工液とを用いて、前記例1におけるの
と同じ支持体上に、表2に示す厚みの下層及び上層を形
成して、受像シートを製造した。前記例1におけるのと
同様にして画像を評価し、その結果を表2に示した。
【0361】 下層形成用塗工液; 《例13、14、17、18、19、20》 ポリビニルブチラール樹脂・・・・・・・・・・・・・6.0部 {積水化学工業(株)製、エスレックBX- 1} キレート形成性金属含有化合物・・・・・・・・・・・4.0部 {表2の脚注に示された化合物MS−1} 溶媒(混合溶媒系) メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・80部 酢酸n−ブチル・・・・・・・・・・・・・・・・・10部 《例15、16》 ポリビニルブチラール樹脂・・・・・・・・・・・・・7.0部 {積水化学工業(株)製、エスレックBX- 1} キレート形成性金属含有化合物・・・・・・・・・・・3.0部 {表2の脚注に示されたMS−2} 溶媒(混合溶媒系) メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・80部 酢酸n−ブチル・・・・・・・・・・・・・・・・・10部 《例20、21》 ポリビニルブチラール樹脂・・・・・・・・・・・・・10部 {積水化学工業(株)製、エスレックBX- 1} 溶媒(混合溶媒系) メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・80部 酢酸n−ブチル・・・・・・・・・・・・・・・・・10部 上層形成用塗工液; 《例13、14》 ポリプロピレン系ワックスエマルジョン (30%固形分)・・・・・・・・・・・・・・・・・33部 {東邦化学工業(株)製、ハイテックE433N} 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・67部 《例15、16、17、18》 上層形成用塗工液; ポリエチレン系ワックスエマルジョン (35%固形分)・・・・・・・・・・・・・・・・・・30部 {東邦化学工業(株)製、ハイテックE1000} 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70部 《例19、20、21、22》 上層形成用塗工液; ポリエステル系樹脂エマルジョン (35%固形分)・・・・・・・・・・・・・・・・・・30部 {東洋紡績(株)製、バイロナールMD−1200} 水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70部
【0362】
【表2】
【0363】 (3) 例23〜38は請求項9に記載の発明の実施例であ
り、例39〜49は比較例である。
【0364】 (例23〜44) 例1におけるのと同様の支持体上に、下記の下層形成用
塗工液を用いて表3に示す厚みの下層を形成し、下層の
表面の一部を被覆するように、下記の上層形成用塗工液
を用いて表3に示す厚みの上層を形成することにより、
受像シートを製造した。この受像シートと例1における
感熱転写記録用インクシートとを用いて上層に画像を転
写し、得られた転写画像を例1におけるのと同様にして
評価した。その結果を表3に示した。
【0365】 (例45〜49) 例1におけるのと同様の支持体上に、表2に示す種類の
単層の受像層を設けた受像シートを製造した。この受像
シートと例1における感熱転写記録用インクシートとを
用いて受像層に画像を転写し、得られた転写画像を例1
におけるのと同様にして評価した。その結果を表3に示
した。
【0366】
【表3】
【0367】 (4) 例50は請求項12に記載の発明の実施例である。
【0368】 実施例1における受像層上層をカード印字面の一部に画
像記録面よりも各辺5mm広く正方形状にグラビア印刷
にて膜厚3μmとなるように形成した受像層上に同様に
画像記録をおこない、下層が露出している面に下記構成
からなるの溶融型熱転写インクシートを用いて文字を形
成したときの印字品質を実施例1の受像層上層表面に同
様にして文字を形成したものと比較したところ、文字の
細線がより鮮明に再現され良好な文字品質であった。
【0369】 さらにこれらのサンプル上に下記構成からなる透明保護
層を有する透明保護層転写シートを用いて表面温度20
0℃に加熱した、直径5cmゴム硬度85のヒートロー
ラーを用いて圧力150kg/cm2で転写をおこなっ
た。転写後の表面をカッターナイフで幅約2mmの10
×10の碁盤目状に切れ込みを入れた後、ニチバンセロ
ハンテープを貼り120度の角度で剥離して接着性試験
をおこない剥離した升目数を数えた。
【0370】 ◎:全くはがれず ○:1〜2箇所が剥離 △:3〜10箇所が剥離 ×:11箇所以上。
【0371】 上記表の様に例50が基体周辺部の接着性が高いことか
らエッジ部の保護層剥がれなどに強い。
【0372】 {溶融型熱転写インクシート} 実施例1で用いた昇華型熱転写インクシートと同じポリ
エチレンテレフタレートベースの耐熱保護層がコーティ
ングされていない面に下記処方の剥離層、及び熱転写イ
ンク層をそれぞれ、0.4μm、1.2μmとなるよう
にグラビアコーティングで塗工、乾燥することにより溶
融型熱転写インクシートを得た。
【0373】 <熱溶融性インク層用塗工液> −剥離層− エチレンー酢酸ビニル共重合体・・・・・・0.3部 (三井デュポンポリケミカル(株)製、エバフレックスEV210) カルナバワックス・・・・・・・・・・・・9.7部 溶剤(メチルエチルケトン:メチルイソブチルケトン=1:1) ・・・・・・・・・・・90.0部 −色材層− エチレンー酢酸ビニル共重合体・・・・・・1.0部 (三井デュポンポリケミカル(株)製、エバフレックスEV40Y) カーボンブラック・・・・・・・・・・・・6.0部 フェノール樹脂・・・・・・・・・・・・13.0部 (荒川化学工業(株)製、タマノル526) メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・80.0部 {透明保護層転写シート} ダイアホイルヘキスト(株)製ポリエチレンテレフタレ
ート(S−25)の片面に下記処方の剥離層及び接着層
を膜厚がそれぞれ0.7μm、1.0μmとなる様にワ
イヤーバーコーティングにて塗工乾燥して透明保護層転
写シートを得た。 −剥離層− アクリル系樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・・・9部 (三菱レイヨン製、ダイアナールBR−87) シリコーン樹脂微粒子・・・・・・・・・・・・・・・1部 (東芝シリコーン(株)製、トスパール120) メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・40部 トルエン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50部 −接着層− スチレン系樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9部 (シェル化学(株)製、クレイトンG−1726) 水添石油樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1部 (トーネックス(株)、エスコレッツ5320HC) トルエン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60部
【0374】
【発明の効果】
(1) 請求項1に記載の発明によると、転写時に感熱転写
記録用インクシートとの融着を生じず、しかも、転写感
度が高く、したがって高濃度の転写画像を形成すること
ができ、つや消し感のある転写画像を形成する受像シー
トを提供することができ、(2) 請求項5に記載の発明に
よると、転写時に感熱転写記録用インクシートとの融着
を生じず、しかも、転写感度が高く、したがって高濃度
の転写画像を形成することができ、さらには再転写(裏
移り)の起こりにくい転写画像を形成することのできる
受像シートを提供することができ、(3) 請求項9に記載
の発明は、転写時に感熱転写記録用インクシートとの融
着を生じず、しかも転写感度が高く、したがって高濃度
の転写画像を形成することのできる受像シート及びその
製造方法を提供することができ、(4) 請求項12に記載
の発明は、定着性の優れた画像を形成することができる
と共に形成された画像を有する受像層上に保護層を設け
ても容易にその保護層の剥離が生じることのない受像シ
ートを提供することができ、請求項13に記載の発明
は、感熱転写記録用インクシートにより受像層に形成さ
れた転写画像を保護することができると共に、その保護
層が容易に剥離することがなく、したがって受像シート
をIDカードなどとした場合には、容易に改竄あるいは
偽造変造を受けることのない受像シートにすることので
きる、画像保護方法を提供することができ、(5) 請求項
14に記載の発明は、定着性の良好な画像を有すると共
に、自動車免許証等のIDカードに好適な画像記録体を
提供することができ、請求項15に記載の発明は、定着
性の良好な画像を有すると共に、自動車免許証等のID
カードに好適な、しかも容易に改竄、偽造、変造をする
ことのできない画像記録体を提供することができ、請求
項16に記載の発明は、請求項15の画像記録体の製造
方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河村 朋紀 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも二層の受像層を
    有し、上層の受像層が少なくともエチレン−アクリル酸
    エステル共重合体および/またはエチレン−アクリル酸
    共重合体を含有し、かつ下層が熱可塑性樹脂を含有する
    ことを特徴とする受像シート。
  2. 【請求項2】 前記上層の受像層が水系エマルジョン塗
    工法によって形成されてなる前記請求項1に記載の受像
    シート。
  3. 【請求項3】 前記上層の受像層に含有されるエチレン
    −アクリル酸エステル共重合体および/またはエチレン
    −アクリル酸がウレタン変性されてなる前記請求項1ま
    たは2に記載の受像シート。
  4. 【請求項4】 前記上層の受像層はその厚みが0.03
    〜3μmである前記請求項1〜3のいずれかに記載の受
    像シート。
  5. 【請求項5】 支持体上に、少なくとも二層の受像層を
    有し、上層の受像層が少なくともポリエチレン系樹脂お
    よび/またはポリプロピレン系樹脂を用いて形成され、
    下層の受像層が少なくとも熱可塑性樹脂およびキレート
    形成性金属含有化合物を含有することを特徴とする受像
    シート。
  6. 【請求項6】 前記上層の受像層が水系エマルジョン塗
    工法によって形成されてなる前記請求項5に記載の受像
    シート。
  7. 【請求項7】 前記上層の受像層に含有されるポリエチ
    レン系樹脂および/またはポリプロピレン系樹脂がウレ
    タン変性されてなる前記請求項5または6に記載の受像
    シート。
  8. 【請求項8】 前記上層の受像層はその厚みが0.03
    〜2μmである前記請求項5〜7のいずれかに記載の受
    像シート。
  9. 【請求項9】 支持体上に、上層および下層よりなる受
    像層を積層してなり、下層の厚みが上層の厚みよりも大
    きく、上層の厚みが0.03〜3.0μmであり、上層
    が、下層を形成するための下層形成用塗工液とは異なる
    溶剤を用いたポリオレフィン系樹脂含有溶剤系塗工液ま
    たはポリオレフィン系樹脂含有水系エマルジョン塗工液
    で形成されてなることを特徴とする受像シート。
  10. 【請求項10】 支持体上に設けられた二層の受像層の
    内、上層の受像層をポリオレフィン系樹脂含有溶剤系塗
    工液またはポリオレフィン系樹脂含有水系エマルジョン
    塗工液で形成すると共に下層の受像層と上層の受像層と
    を異なる溶媒で調製された塗工液を塗工することにより
    形成し、かつ上層の受像層の膜厚が下層の受像層の膜厚
    よりも小さく、しかも上層の膜厚が0.03〜3.0μ
    mになるように上層を形成することを特徴とする受像シ
    ートの製造方法。
  11. 【請求項11】 下層が溶剤系塗工液で形成され、上層
    が水系エマルジョン塗工液で形成される前記請求項10
    に記載の受像シートの製造方法。
  12. 【請求項12】 支持体上に、上層および下層からなる
    受像層を有し、下層が昇華性色素受容性の熱可塑性樹脂
    を含有し、上層が下層表面の一部を被覆してなることを
    特徴とする受像シート。
  13. 【請求項13】 支持体上に形成された下層表面の一部
    を被覆するように形成された上層に昇華性色素で画像を
    形成した後に、下層の露出面および上層表面を透明保護
    層で被覆することを特徴とする画像保護方法。
  14. 【請求項14】 支持体上に、上層および下層からなる
    受像層を有し、昇華性色素受容性の熱可塑性樹脂で下層
    を形成すると共に下層表面の一部を上層が被覆し、上層
    の設けられた部分に昇華性色素による画像が形成される
    と共に下層の上層に被覆されていない表面に溶融型熱転
    写画像を有することを特徴とする画像記録体。
  15. 【請求項15】 前記下層の露出部分と前記上層の表面
    とを被覆してなるヒートモード保護層を有する前記請求
    項13に記載の画像記録体。
  16. 【請求項16】 上層に昇華性色素による画像を形成
    し、上層により被覆されていない下層の表面に溶融型熱
    転写画像を形成し、その後に上層および下層の表面にヒ
    ートモード保護層を形成することを特徴とする画像記録
    体の製造方法。
JP07402293A 1993-03-31 1993-03-31 受像シートおよび受像シートの製造方法 Expired - Lifetime JP3544683B2 (ja)

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