JPWO2009057800A1 - 熱転写受容シート - Google Patents
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Abstract
支持体上に、染着性を有する2層の受容層を設けた熱転写受容シートにおいて、上層受容層が−10〜40℃のガラス転移温度を持つ染着性樹脂及びポリシロキサン共重合樹脂を含有し、かつ下層受容層が45〜80℃のガラス転移温度を持つ染着性樹脂を含有することを特徴とする熱転写受容シートの提供。上層受容層含有染着性樹脂が、ウレタン系樹脂であり、下層受容層含有染着性樹脂が、塩化ビニル系樹脂であることが好ましい。
Description
本発明の熱転写受容シートは、印画濃度が高く、画像の鮮明性、印画画像の耐光性、高温高湿度環境での保存性および走行性に優れた熱転写受容シートに関する。
染料熱転写方式は、染料層を有する染料熱転写シート(以下単に、「インクリボン」ともいう)と、この染料を受容する染料受容層(以下単に、「受容層」ともいう。)を有する熱転写受容シート(以下単に、「受容シート」ともいう)を用い、染料層と受容層を重ね合わせ、加熱により染料を受容層上に転写して画像を形成する。加熱はサーマルヘッドで行われ、多色の色ドットによりフルカラー画像を形成する。染料を用いているため画像は鮮明で透明性が高く、写真用途に利用可能な高品質画像が得られる。
受容層を形成する樹脂としては、染料染着性の良好な各種の熱可塑性樹脂が提案されている。中でも特に染着性が良好な樹脂は、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂などである。
印画濃度や画像耐光性には、受容層樹脂のガラス転移温度(以下Tgという。)の影響が大きい。受容層樹脂のTgが低いと、印画の際のサーマルヘッドからの熱に対し、受容層がより軟化しやすくなって染料が染着しやすくなり、印画濃度が高くなる。また、組成が類似する受容層樹脂同士を比較すると、Tgが低いほど染着した染料の耐光性が良好である。
Tgが高い受容層樹脂に染料が染着した場合は、染料は受容層内を拡散し難く、受容層の表面に局在化している。画像の耐光劣化は、光照射により発生する空気中の活性酸素が受容層表面から染着染料を攻撃することにより発生すると推定される。染料が受容層の表面に局在していると活性酸素の攻撃をうけ易く、画像が劣化しやすい。受容層樹脂のTgが低い場合、染着した染料は受容層内に浸透し易く表面に存在する染料が少ないため、活性酸素からの攻撃を受け難く、耐光性が良好となる。
前記の理由により、受容層に低Tgの樹脂を使用すると、印画濃度が高く画像耐光性が良好な熱転写受容シートが得られるのである。
しかし一方で、受容層に低Tgの樹脂を使用した場合、高温高湿度の環境に印画物が置かれると染着した染料が受容層中に拡散し、画像の滲みとして現れる問題がある。また、印画時に受容層が軟化しやすいため、インクリボンと受容層の融着や受容層剥れなどの走行不良が発生する問題がある。
上記の問題を解決するために、受容層を2層積層し、下層受容層の染着性樹脂のTgが、上層受容層の染着性樹脂のTgより高い受容シートが特許文献1に提案されている。しかし、特許文献1は、具体的なTg範囲を規定しておらず、上層受容層の好ましい温度範囲は40〜90℃、下層受容層の好ましい範囲は、70℃以上としている。
また、特許文献1の実施例ではシリコーンオイルが離型剤として使用されている。離型性を上げるためにシリコーンオイルの添加量を増やすと、下層との接着性が低下するため、離型性改善効果に限界があり、Tg40℃未満の樹脂を上層受容層に使用することは困難であった。その為、画像耐光性の改善にも限界があった。
特開2003−260878号公報(第1頁)では、Tgが40℃未満の樹脂を上層受容層に使用すると受容シート同士が貼り付いて走行性が低下することがあるとしている。
また、ポリシロキサンセグメントまたは弗化炭素セグメントまたは長鎖アルキルセグメントをグラフトした樹脂を受容層中に含まれる樹脂の30%以上含有せしめる熱転写受容シートが提案されている(特開平1−158748号公報(第1頁))。
しかし、ポリシロキサンは非常に低いTg(例:ポリジメチルシロキサンのガラス転移温度:−127℃)を有しており、受容層中にポリシロキサンセグメント部分が多く存在すると、印画した画像の輪郭が不鮮明となる。また、印画物を高温高湿環境で保存した時に画像の滲みが発生する問題がある。
受容層を形成する樹脂としては、染料染着性の良好な各種の熱可塑性樹脂が提案されている。中でも特に染着性が良好な樹脂は、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂などである。
印画濃度や画像耐光性には、受容層樹脂のガラス転移温度(以下Tgという。)の影響が大きい。受容層樹脂のTgが低いと、印画の際のサーマルヘッドからの熱に対し、受容層がより軟化しやすくなって染料が染着しやすくなり、印画濃度が高くなる。また、組成が類似する受容層樹脂同士を比較すると、Tgが低いほど染着した染料の耐光性が良好である。
Tgが高い受容層樹脂に染料が染着した場合は、染料は受容層内を拡散し難く、受容層の表面に局在化している。画像の耐光劣化は、光照射により発生する空気中の活性酸素が受容層表面から染着染料を攻撃することにより発生すると推定される。染料が受容層の表面に局在していると活性酸素の攻撃をうけ易く、画像が劣化しやすい。受容層樹脂のTgが低い場合、染着した染料は受容層内に浸透し易く表面に存在する染料が少ないため、活性酸素からの攻撃を受け難く、耐光性が良好となる。
前記の理由により、受容層に低Tgの樹脂を使用すると、印画濃度が高く画像耐光性が良好な熱転写受容シートが得られるのである。
しかし一方で、受容層に低Tgの樹脂を使用した場合、高温高湿度の環境に印画物が置かれると染着した染料が受容層中に拡散し、画像の滲みとして現れる問題がある。また、印画時に受容層が軟化しやすいため、インクリボンと受容層の融着や受容層剥れなどの走行不良が発生する問題がある。
上記の問題を解決するために、受容層を2層積層し、下層受容層の染着性樹脂のTgが、上層受容層の染着性樹脂のTgより高い受容シートが特許文献1に提案されている。しかし、特許文献1は、具体的なTg範囲を規定しておらず、上層受容層の好ましい温度範囲は40〜90℃、下層受容層の好ましい範囲は、70℃以上としている。
また、特許文献1の実施例ではシリコーンオイルが離型剤として使用されている。離型性を上げるためにシリコーンオイルの添加量を増やすと、下層との接着性が低下するため、離型性改善効果に限界があり、Tg40℃未満の樹脂を上層受容層に使用することは困難であった。その為、画像耐光性の改善にも限界があった。
特開2003−260878号公報(第1頁)では、Tgが40℃未満の樹脂を上層受容層に使用すると受容シート同士が貼り付いて走行性が低下することがあるとしている。
また、ポリシロキサンセグメントまたは弗化炭素セグメントまたは長鎖アルキルセグメントをグラフトした樹脂を受容層中に含まれる樹脂の30%以上含有せしめる熱転写受容シートが提案されている(特開平1−158748号公報(第1頁))。
しかし、ポリシロキサンは非常に低いTg(例:ポリジメチルシロキサンのガラス転移温度:−127℃)を有しており、受容層中にポリシロキサンセグメント部分が多く存在すると、印画した画像の輪郭が不鮮明となる。また、印画物を高温高湿環境で保存した時に画像の滲みが発生する問題がある。
本発明は、印画濃度が高く、画像の鮮明性、印画画像の耐光性、高温高湿度環境での保存性および走行性に優れた熱転写受容シートを提供しようとするものである。
上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、下記の技術的事項を基礎として構成される本発明に至ったのである。
(1)支持体上に、2層の受容層を設けた熱転写受容シートにおいて、上層受容層が、ISO−11359−2に準拠して測定されたガラス転移温度−10〜40℃である染着性樹脂を含有し、かつ下層受容層が、ガラス転移温度45〜70℃である染着性樹脂を含有することを特徴とする熱転写受容シート。
(2)前記上層受容層含有染着性樹脂が、ウレタン系樹脂を含んでいる(1)に記載の熱転写受容シート。
(3)前記下層受容層含有染着性樹脂が、塩化ビニル系樹脂を含んでいる(1)又は(2)に記載の熱転写受容シート。
(4)前記塩化ビニル系樹脂が、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体樹脂で、かつ該共重合体樹脂中、塩化ビニル成分が60〜90質量%である(3)に記載の熱転写受容シート。
(5)上層受容層および/又は下層受容層に主成分として含有する染着性樹脂が、カルボジイミド化合物からなる架橋剤によって架橋されている(1)〜(4)のいずれかに記載の熱転写受容シート。
(6)支持体と前記下層受容層の間に、ISO−11359−2に準拠して測定されたガラス転移温度45〜90℃である染着性樹脂と、中空粒子とを含有する中間層が設けられた(1)〜(5)のいずれかにに記載の熱転写受容シート。
(7)前記中間層の染着性樹脂が、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体樹脂で、かつ該共重合体樹脂中、塩化ビニル成分が60〜90質量%である(6)に記載の熱転写受容シート。
(8)上層受容層が、染着性樹脂100質量%に対してポリシロキサンセグメント含有水系樹脂0.1〜25質量%を含む(1)〜(7)のいずれかにに記載の熱転写受容シート。
本発明の熱転写受容シートは、印画画像の耐光性および高温高湿度環境での保存性に優れ、走行性が良好で、写真用途などに利用可能な熱転写受容シートである。
上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、下記の技術的事項を基礎として構成される本発明に至ったのである。
(1)支持体上に、2層の受容層を設けた熱転写受容シートにおいて、上層受容層が、ISO−11359−2に準拠して測定されたガラス転移温度−10〜40℃である染着性樹脂を含有し、かつ下層受容層が、ガラス転移温度45〜70℃である染着性樹脂を含有することを特徴とする熱転写受容シート。
(2)前記上層受容層含有染着性樹脂が、ウレタン系樹脂を含んでいる(1)に記載の熱転写受容シート。
(3)前記下層受容層含有染着性樹脂が、塩化ビニル系樹脂を含んでいる(1)又は(2)に記載の熱転写受容シート。
(4)前記塩化ビニル系樹脂が、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体樹脂で、かつ該共重合体樹脂中、塩化ビニル成分が60〜90質量%である(3)に記載の熱転写受容シート。
(5)上層受容層および/又は下層受容層に主成分として含有する染着性樹脂が、カルボジイミド化合物からなる架橋剤によって架橋されている(1)〜(4)のいずれかに記載の熱転写受容シート。
(6)支持体と前記下層受容層の間に、ISO−11359−2に準拠して測定されたガラス転移温度45〜90℃である染着性樹脂と、中空粒子とを含有する中間層が設けられた(1)〜(5)のいずれかにに記載の熱転写受容シート。
(7)前記中間層の染着性樹脂が、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体樹脂で、かつ該共重合体樹脂中、塩化ビニル成分が60〜90質量%である(6)に記載の熱転写受容シート。
(8)上層受容層が、染着性樹脂100質量%に対してポリシロキサンセグメント含有水系樹脂0.1〜25質量%を含む(1)〜(7)のいずれかにに記載の熱転写受容シート。
本発明の熱転写受容シートは、印画画像の耐光性および高温高湿度環境での保存性に優れ、走行性が良好で、写真用途などに利用可能な熱転写受容シートである。
以下、本発明について、更に詳細に説明する。
(支持体)
本発明における受容シートの支持体としては、セルロースパルプを主成分とする紙類や合成樹脂シート類が使用される。例えば、紙類としては上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙などが挙げられる。
合成樹脂を主成分としたシート類としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。
多孔質延伸シート類としてはポリオレフィン、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂を主成分とした、例えば合成紙、多孔質ポリエステルシートなどが挙げられる。これらの材料を単体で使用してもよいし、多孔質延伸シート同士、多孔質延伸シートと他のシート及び/又は紙などとを積層貼着させた積層体シートとしてもよい。
また、支持体としては、受容層が形成される第一の基材層、粘着剤層、離型剤層、第二の基材層を順次積層した構成でもよく、いわゆるラベルタイプ(ステッカー、シールタイプとも称される)の構造を有する支持体も勿論使用可能である。
上記支持体の中でも、セルロースパルプを主成分とする紙類が好ましい。得られる受容シートの風合いが印画紙に近いものとなり、コスト的にも有利である。
(受容層)
本発明では、支持体上に、染着性を有する2層の受容層を設けた熱転写受容シートにおいて、上層受容層含有染着性樹脂のTgが−10〜40℃であり、かつ下層受容層含有染着性樹脂のTgが45〜90℃である熱転写受容シートである。
ここでTgとは、ISO−11359−2に基づくガラス転移温度のことである。
(樹脂のガラス転移温度測定例)
測定機器:動的粘弾性測定装置DMS6100型(セイコーインスツルメンツ社製)
駆動周波数:10Hz
測定モード:引張モード
チャック間距離:20mm
昇温速度:5℃/min
樹脂の粘弾性/温度特性の測定結果から、粘弾性/温度グラフを作成し、tanδのピーク値としてTgを求めた。
(上層受容層)
本発明で使用される上層受容層は、Tgが−10〜40℃の染着性樹脂を主成分として含有する。上層受容層に主成分として含有される染着性樹脂のTgの下限温度は、好ましくは0℃以上、より好ましくは、5℃以上である。また、上層受容層に主成分として含有される染着性樹脂のTgの上限温度は、好ましくは35℃以下、より好ましくは、30℃以下である。上層受容層に主成分として含有される染着性樹脂のTgが40℃を超えると、画像の耐光性が劣る場合がある。上層受容層に主成分として含有される染着性樹脂のTgが−10℃未満では、上層受容層の耐熱性が劣り、印画の際に受容層がインクリボンと融着するなどの障害が発生する場合がある。
(ポリシロキサンセグメント含有水系樹脂)
本発明では、上層受容層に、離型剤としてポリシロキサンセグメント含有水系樹脂を含有することが好ましい。ポリシロキサンセグメント含有水系樹脂は、ポリシロキサンセグメントが他の樹脂とブロック共重合、又はグラフト共重合した樹脂ある。
従来公知のシリコーンオイルを離型剤として使用した場合、隣接する層や基材との接着性が低下するが、ポリシロキサンセグメント含有水系樹脂は、共重合した樹脂が隣接する層や基材との接着性に寄与するため、熱転写受容シートとして十分な層間強度が得られる。
また、本発明のポリシロキサンセグメント含有樹脂は、水系であることを特徴としている。
溶剤系受容層塗料に水系のポリシロキサンセグメント含有樹脂を添加した場合、塗工乾燥により受容層表面でポリシロキサンセグメント含有樹脂の局在化が顕著に起こる。
水系受容層塗料に水系のポリシロキサンセグメント含有樹脂を添加した場合、塗工乾燥により界面活性剤の作用が失われるとポリシロキサンセグメント含有樹脂の疎水化が起こり、他の受容層成分から分離して、やはり受容層表面でポリシロキサンセグメント含有樹脂の局在化が顕著に起こる。
前記の理由により、水系のポリシロキサンセグメント含有樹脂は、溶剤系のポリシロキサンセグメント含有樹脂に比べて少ない添加量で離型効果が得られるため、リボン剥離性改善効果と高温高湿環境での滲み改善効果を両立でき、Tgが40℃以下の樹脂でも受容層剥れを起こすことなく印画することができるのである。
本発明で使用されるポリシロキサンセグメント含有水系樹脂の上層受容層中の含有量は、上層受容層中の樹脂成分100質量%に対し0.1〜25質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜20質量%、更により好ましくは0.5〜10質量%である。0.1質量%未満では、離型効果が十分でなく、印画時にリボンとの離型性が不十分となり、融着することがある。25質量%を超えると、印画物を高温高湿環境で保存した場合に画像の滲みが顕著となる。更に下層受容層との接着性が悪化し、印画の際に、受容層剥れが発生する場合がある。
ポリシロキサンセグメント含有樹脂は、ポリシロキサンのモノマー材料と共重合樹脂のモノマー材料を共重合させる際に、重合完了後の樹脂にカルボニル基、スルホニル基、水酸基を付与するモノマー材料を添加する方法により親水化が可能である。
ポリマーにカルボニル基、スルホニル基、水酸基を付与するモノマー材料の例としてジメチロールプロピオン酸、5−スルホイソフタル酸などが挙げられる。
或いは、ポリシロキサン含有樹脂は、ポリシロキサンのモノマー材料、共重合樹脂のモノマー材料および重合開始剤の混合物を界面活性剤を用いて水中に乳化し重合反応に必要な温度をかけて共重合エマルジョンを作成する方法がある。
ポリシロキサン含有樹脂の合成においてポリシロキサンとの共重合に使用されるモノマーとしては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニル系樹脂の合成に使用される公知のモノマー成分や、セルロース、スチレン、アルキレンオキサイド、ビニルピロリドンなどが挙げられ、これらの中でも、染着性の点から(メタ)アクリル酸エステル、ポリエステル、カルボン酸ビニル、スチレン、アルキレンオキサイドが好ましい。
ポリシロキサン含有樹脂中のポリシロキサンの含有比率は、ポリシロキサン含有樹脂100質量%中、0.5〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
ポリシロキサンの含有比率が0.5質量%未満では、離型性改善効果が得られず、50質量%を超えるとポリシロキサン含有樹脂の水溶媒中での安定性が損なわれる。
(上層受容層樹脂)
上層受容層で使用される染着性樹脂としては、染料に対する親和性が高く、染料染着性の良好な熱可塑性樹脂を使用する。
例えば、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられ、これらの熱可塑性樹脂は単独で使用してもよいし、また二種以上を併用して使用してもよい。
上記の中でも、上層受容層で使用される染着性樹脂としては、印画された画像の耐光性に優れることからウレタン系樹脂、アクリル系樹脂が好ましく、ウレタン系樹脂が特に好ましい。ウレタン系樹脂は基材との密着性が良好であり、分子内に結晶領域を持つため、低Tgであっても高温(高速)印画時にも受容層剥がれ(インクリボンと受容層樹脂が高温で貼り付き、インクリボンを剥がす際に受容層樹脂も基材から剥がれてしまう現象)が発生しにくい。
(アクリル樹脂)
上層受容層で使用されるアクリル樹脂は、印画された画像の耐光性に優れる点から、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート又はフェノキシアルキル(メタ)アクリレートを分子構造中に含むことが好ましく、フェノキシアルキル(メタ)アクリレートの重合体であることが特に好ましい。前記分子構造は、単量体、重合体、他の樹脂とのブロック重合体、グラフト重合体で受容層中に含有することができる。
(ウレタン樹脂)
上層受容層で使用されるウレタン系樹脂は、染料染着性が極めて高く、染着した染料の耐光性が良好な点から下記組成範囲であることが好ましい。
本発明で使用するポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネートとポリオールより得られるウレタンプレポリマーを合成した後、低分子量ポリアミン化合物を用いて、前記ウレタンプレポリマーを鎖伸長して得られる。
(ウレタンプレポリマー)
本発明のポリウレタン樹脂の中間原料として用いられるウレタンプレポリマーは、ポリイソシアネートとポリオールの重縮合によって合成される。本発明は、ウレタンプレポリマーの合成においてポリイソシアネートとポリオールの比率がイソシアネート基:ヒドロキシル基のモル比率において100:40〜100:80の範囲で合成することが好ましい、より好ましくは、100:55〜100:75の範囲、より好ましくは、100:60〜100:70の範囲で合成することが好ましい。ポリイソシアネートに対するポリオールの比率が、40未満になると合成されたポリウレタン樹脂組成物の結晶領域が過多となり、染色性が低下し、熱転写印画された印画物の発色濃度が著しく低下する。また80を超えると、合成されたポリウレタン樹脂組成物の非晶領域が過多となり、得られる受容層の耐熱性が低下し、印画時に染料リボンとの融着や受容層剥がれなどの障害が発生しやすくなる。また、熱転写印画された印画物の経時滲みが発生し印画物の保存性を著しく損なう場合がある。
(ポリイソシアネート)
ポリイソシアネートは、低分子量ポリアミン化合物と結合してポリウレタン樹脂組成物中に硬質ブロックを形成する。また硬質ブロックは他の分子鎖の硬質ブロックと電気的あるいは、化学的結合により結晶領域を形成する。この結晶領域が、ウレタン樹脂に耐熱性を付与している。
ポリイソシアネートは、主に脂環族系、脂肪族系、芳香族系に分類されるが、このうち芳香族ポリイソシアネートをポリウレタン樹脂組成物の原料として使用すると画像受容層に染着した染料の耐光性を著しく低下させる。芳香族ポリイソシアネートが受容層に染着した染料低下させる原因は、明らかではないが、芳香環が規則的に配列した硬質ブロック表面のπ電子相互作用により、染料の分子結合が切断されるからではないかと推測される。
本発明は、ウレタンプレポリマーの合成に使用されるポリイソシアネート100質量%中、脂環族ポリイソシアネート及び/又は脂肪族ポリイソシアネートを90質量%以上含有することが好ましく、より好ましくは質量95%以上、更に好ましくは、98質量%以上含有することが好ましい。脂環族ポリイソシアネート及び/又は脂肪族ポリイソシアネートの含有量が90質量%未満であると得られる熱転写受容シートに熱転写された印画物の耐光性が著しく低下する場合がある。また、脂肪族ポリイソシアネートの含有量は、ウレタンプレポリマーの合成に使用されるポリイソシアネートの20質量%以下の範囲に調整することが好ましい。脂肪族ポリイソシアネートの含有量が20質量%を超えると得られるポリウレタン樹脂組成物の耐熱性が低下し、インクリボンと受容シートの剥離性が低下する或いは印画物の滲みが悪化するなどの問題が発生し易くなる。
本発明で使用できる脂肪族ポリイソシアネートとしては例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレントリイソシアネートなどが挙げられ、この中でもヘキサメチレンジイソシアネートが好ましく用いられる。脂環式ポリイソシアネートとしては例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、トリイソシアネートシクロヘキサンなどが挙げられ、この中でもイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネートが好ましく用いられる。本発明で使用できる脂肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポリイソシアネートは前記例示に限定されるものではなく、単独で使用することも、2種以上を併用することも可能である。
また、前記脂肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポリイソシアネートの他に本発明の効果を損なわない程度の範囲で芳香族ポリイソシアネートを用いることも可能である。芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどや、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリイソシアネートメチルベンゼンなどのポリイソシアネートなど芳香脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられるが、前記例示に限定されるものではなく、単独で使用することも、2種以上を併用することも可能である。
(ポリオール)
前記ポリイソシアネートとともにウレタンプレポリマーを形成するポリオールは、ポリウレタン樹脂組成物中に軟質ブロックを形成する。軟質ブロックは、画像受容層の染着性に寄与している。本発明で使用するポリウレタン樹脂組成物は、ポリオール成分として全ポリオール成分100質量%に対して芳香族ポリオールを50質量%以上含有することが好ましく、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、更により好ましくは80%質量以上含有することが好ましい。芳香族ポリオールが50質量%未満の場合、得られる画像受容層の染着性が低下し、高感度の熱転写受容シートが得られない場合がある。或いは、画像受容層の耐熱性が低下し、染料リボンの融着や受容層剥がれ等の障害が発生する場合がある。
本発明で使用可能な芳香族ポリオールとしては、例えばポリエチレンテレフタレートジオール、ポリエチレンイソフタレートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートアジペートジオール等の芳香族ポリエステルポリオール、芳香族ポリエステルのポリエチレンオキサイド付加物やエチレンオキサイド付加物が挙げられるが、前記例示に限定されるものではなく、単独で使用することも、2種以上を併用することも可能である。
また、本発明の効果を妨げない範囲で芳香族ポリオール以外のポリオールを併用することも可能である。芳香族ポリオール以外のポリオールとしては、例えば、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリエチレンサクシネートジオール、ポリブチレンサクシネートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレンアジペート)ジオールなどのポリエステルポリオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンカーボネート)ジオール、ポリ(ヘキサメチレン−1,4−シクロヘキサンジメチレン)カーボネートジオールなどのポリカーボネートポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオール、アクリルポリオールなどが挙げられ、これらは単独で使用することも、2種以上を併用することも可能である。
(ポリアミン化合物)
本発明で使用するポリウレタン樹脂組成物は、前記ウレタンプレポリマーを合成した後、低分子量ポリアミン化合物を用いて、前記ウレタンプレポリマーを鎖伸長して得られる。低分子量ポリアミン化合物、低分子量ポリオール化合物は、ポリイソシアネートとともにポリウレタン樹脂組成物中の硬質ブロックを形成する。前述のとおり、結晶性領域に芳香族成分が多く含まれると受容層に熱転写された染料の耐光性が低下すため低分子量ポリアミン化合物は非芳香族であることが好ましい。
本発明で使用可能な低分子量ポリアミン化合物としては、例えばヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、ジ(アミノシクロヘキシル)メタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、トリエチレンテトラミン等の低分子量ポリアミン等が挙げられ、これらは単独で使用することも、2種以上を併用することも可能である。
本発明のウレタン樹脂の合成方法は、特に限定されるものではなく、各種公知の方法、反応触媒、反応抑止剤を用いて合成される。
本発明のウレタン樹脂は、自己乳化型や分散剤を用いた強制乳化型などの水分散型であることが好ましい。近年では、環境への配慮から水分散型を使用することが好ましく、水分散型のなかでも自己乳化型は、塗工時の成膜性が良好で均一な画像受容層が得られるため好ましい。
ウレタン樹脂の自己乳化又は、強制乳化の方法は、特に限定されるものではなく、各種公知の方法が使用可能であるが、原料としてカルボキシルアルキルを側鎖として有するジオールを添加することによってウレタン樹脂にカルボキシル基を導入し、親水化する方法が好ましい。前記カルボキシルアルキルを側鎖として有するジオールに由来するカルボキシル基の含有比率は、前記ポリウレタン樹脂組成物100質量%に対して0.3〜6質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%、更に好ましくは2.5〜4質量%である。カルボキシル基の含有比率が0.3%未満では、ウレタン樹脂が塗工液中で不安定となり、塗工乾燥工程で塗り斑が発生し、印画画質が低下する場合がある。また、カルボキシル基の含有比率が6%を超えると得られる受容層の耐水性が劣り、印画物を高温高湿環境に保存したときに印画物の滲みが発生する或いは保存性が低下する危険がある。
上層受容層の塗工量は、0.5〜8g/m2が好ましく、より好ましくは1〜5g/m2である。0.5g/m2未満では、画像の耐光性が劣る場合がある。8g/m2を超えると、下層受容層の染着性が損なわれる場合があり、画像の滲みが発生する場合がある。
上層受容層には架橋剤を添加して耐熱性を向上させることが好ましい。架橋剤としては、カルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、有機チタンキレート化合物が好ましい。これら架橋剤の中でも、耐熱性向上の効果が高く、印画時のリボン融着などの走行性の問題が発生しにくい点や、水性塗料中での安定性の点で、カルボジイミド系架橋剤が好ましい。カルボジイミド系架橋剤の添加量は、上層受容層に含有される樹脂100質量%に対しカルボジイミド系架橋剤が1〜30質量%となるようにすることが好ましく、3〜25質量%がより好ましい。1質量%未満では、充分な架橋の効果が得られず、印画走行不良が発生する場合がある。30質量%を超えると、樹脂の染着性を硬化剤が阻害して印画画像の濃度が低下する場合がある。
(下層受容層)
本発明で使用される下層受容層は、Tgが45〜80℃の染着性樹脂を主成分として含有する。下層受容層に主成分として含有される染着性樹脂のTgの下限温度は、好ましくは48℃以上、より好ましくは、53℃以上である。また、下層受容層に主成分として含有される染着性樹脂のTgの上限温度は、好ましくは75℃以下、より好ましくは、70℃以下である。下層受容層に主成分として含有される染着性樹脂のTgが80℃を超えると、印画画像の濃度が低下する場合がある。下層受容層に主成分として含有される染着性樹脂のTgが45℃未満では、印画画像が高温高湿環境下に置かれたときに滲みが発生する場合がある。
本発明の受容シートは、下層受容層含有染着性樹脂の方が、上層受容層含有染着性樹脂よりTgが高い。上層受容層含有染着性樹脂のTgが低いにもかかわらず、得られた受容シートの画像が高温や高湿の環境でも滲みにくいのは、隣接する下層受容層含有染着性樹脂が、染着性良好でTgが高いためと考えられる。印画時に染料は、上層受容層に染着すると同時に、下層受容層にも一部が染着しており、Tgの高い下層受容層に染着した染料は、高温や高湿の環境でも層中の移動がほとんど無いので、滲みが発生しにくい。
下層受容層を形成する樹脂としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられ、これらの熱可塑性樹脂は単独で使用してもよいし、また二種以上を併用して使用してもよい。
上記樹脂の中でも、染料染着性の観点から、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂が、好ましく使用され、塩化ビニル系樹脂が特に好ましい。
塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルをモノマー単位として下記コモノマーとの共重合樹脂を挙げることができる。
(コモノマー)
コモノマーとしては、脂肪酸ビニルエステル類として酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、やし酸ビニルなどが挙げられる。アクリル酸もしくはメタクリル酸およびそのエステル類としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなどが挙げられる。マレイン酸およびそのエステル類としては、マレイン酸、マレイン酸ジエチルなどが挙げられる。アルキルビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテルが挙げられる。さらにエチレン、プロピレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレンなどを挙げることができる。なお塩化ビニル系樹脂は、ブロック共重合樹脂、グラフト共重合樹脂、交互共重合樹脂、ランダム共重合樹脂の何れであってもよい。
これらの共重合樹脂のうち、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合樹脂は、染料との親和性が良好であり、特に好ましい。また塩化ビニル系樹脂は、水酸基あるいはカルボキシル基を導入したものが好ましく使用される。
塩化ビニル系樹脂の水酸基は、塩化ビニルと例えば酢酸ビニルとを共重合させた後、一部を加水分解することにより導入する方法がある。また、カルボキシル基は、重合時にマレイン酸を添加して導入する方法がある。
塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルをモノマー単位として60〜90質量%の割合で含有することが好ましく、より好ましくは、70〜80質量%である。含有量が60質量%未満では、染着性が低下する場合があり、90質量%を超えると、成膜性が劣る場合がある。
本発明の下層受容層の塗工量は0.5〜8g/m2が好ましく、1〜5g/m2がさらに好ましい。下層受容層の塗工量が0.5g/m2未満では、画像滲みを防止する効果や走行不良を防止する効果が不足する場合がある。下層受容層の塗工量が8g/m2を越えると、コストが増大する割に得られる効果が小さい。
下層受容層には架橋剤を添加して耐熱性を向上させることが好ましい。架橋剤としては、カルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、有機チタンキレート化合物が好ましい。これら架橋剤の中でも、耐熱性向上の効果が高く、印画時のリボン融着などの走行性の問題が発生しにくい点や、水性塗料中での安定性の点で、カルボジイミド系架橋剤が好ましい。カルボジイミド系架橋剤の添加量は、下層受容層に含有される樹脂100質量%に対しカルボジイミド系架橋剤が1〜30質量%となるようにすることが好ましく、3〜25質量%がより好ましい。1質量%未満では、充分な架橋の効果が得られず、印画走行不良が発生する場合がある。30質量%を超えると、樹脂の染着性を硬化剤が阻害して印画画像の濃度が低下する場合がある。
(中間層)
支持体と下層受容層の間に、中空粒子を含有する中間層を設けることができる。中空粒子を含有する中間層は、断熱性とクッション性を付与できるので、画像鮮明性や画像均一性を向上できる。中間層で使用される中空粒子の壁を形成する材料としてアクリルニトリル、塩化ビニリデン、スチレンアクリル酸エステルの重合体などが挙げられる。それら中空粒子の製造方法としては、樹脂粒子中にブタンガスを封入したマイクロカプセルを、加熱発泡させる方式や、エマルジョン重合方式などが挙げられる。
中間層の塗工量は、1〜30g/m2が好ましい。中間層の塗工量が、1g/m2未満では、充分な断熱性とクッション性が期待できず、30g/m2を越えると、コストが増大する割に得られる効果が小さい。
中空粒子の粒径は、0.1〜10μmが好ましい。中空粒子の粒径が0.1μm未満では、中空粒子の壁が薄くなって耐熱性が不足し、塗工乾燥工程で壊れやすい。また10μmを超えると、得られた受容シートの表面凹凸が大きくなり画像均一性が劣る場合がある。
中空粒子の体積中空率は、50〜90%が好ましい。中空粒子の体積中空率が50%未満では断熱性とクッション性を付与する効果が不十分な場合がある。90%を超えると、中空粒子の壁が薄くなり、耐久性が低下することがある。
中間層の樹脂としては、Tgが40〜90℃の染着性樹脂の水分散物を含有することが好ましく。Tgが45〜80℃の染着性樹脂の水分散物を含有することが更に好ましい。
印画の際、転写した染料は、上層受容層・下層受容層そして染着性樹脂含有中間層まで染着することとなる。中間層に下層受容層と同様のTgの高い染着性樹脂を含有することで、中間層に染着した染料もまた、拡散しにくく、高温高湿環境で印画物を保存した際の画像滲みを防ぐ効果を期待できる。それと同時に、中空粒子を含有することにより、受容シートに断熱性とクッション性を付与する効果が期待できるのである。中間層に含有される染着性樹脂のTgが40℃未満では、画像滲み防止効果が得られない場合がある。また染着性樹脂のTgが90℃を超えると中間層のクッション性が低下し、鮮明な画像が得られない場合がある。
中空粒子の含有量は、30〜50質量%が好ましい。中空粒子が30質量%未満の場合、受容シートの断熱性やクッション性が劣り、印画濃度不足や、画像の白ヌケなどが発生する場合がある。50質量%を超えると、印画濃度の不足や、染着した染料が保持されず、層中を拡散するいわゆるニジミが発生しやすい場合がある。
中間層で用いられる染着性樹脂は、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられ、これらの熱可塑性樹脂は単独で使用してもよいし、また二種以上を併用して使用してもよい。
上記の中でも、染料染着性と滲み防止の観点から、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体樹脂の水分散物が好ましい。塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂水分散物中の塩化ビニル含有量は、60〜90質量%が好ましく、70〜90質量%がより好ましい。60質量%未満では、染着した染料を層中に安定に保持することが困難となり、染料が拡散して滲みが発生する場合がある。90質量%を超えると、成膜性が劣り、塗工層にヒビがはいったりする場合がある。
中間層には架橋剤を添加して耐水性を向上させることが好ましい。架橋剤としては、カルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、有機チタンキレート化合物が好ましい。これら架橋剤の中でも、耐熱性向上の効果が高く、印画時のサーマルヘッドからの熱による中間層の破損を防ぐ効果が高い点で、カルボジイミド系架橋剤が好ましい。カルボジイミド系架橋剤の添加量は、下層受容層に含有される樹脂100質量%に対しカルボジイミド系架橋剤が1〜30質量%となるようにすることが好ましく、3〜25質量%がより好ましい。1質量%未満では、充分な架橋の効果が得られない場合がある。また、30質量%を超えると、中間層が硬くなりすぎてクッション性が失われ、印画画質が低下する場合がある。
また、耐水性改善効果が高く、環境湿度による印画濃度の変動が抑えられる点では、有機チタンキレート化合物が好ましい。有機チタンキレート系架橋剤の添加量は、下層受容層に含有される樹脂100質量%に対し有機チタンキレート系架橋剤が1〜30質量%となるようにすることが好ましく、3〜25質量%がより好ましい。1質量%未満では、充分な架橋の効果が得られない場合がある。また、30質量%を超えると、中間層が硬くなりすぎてクッション性が失われ、印画画質が低下する場合がある。
(裏面層)
受容層が設けられていない側の面(裏面)上には、適宜、裏面層を設けることができる。
裏面層の目的は、走行性向上、静電気防止、受容シート相互の擦れによる受容層の傷つき防止、受容シートを重ね置きしたときの裏面への染料移行防止などである。裏面層は接着成分としての樹脂と、必要に応じて顔料や添加剤を含有する。
(カレンダー処理)
受容シートにカレンダー処理を施してもよい。カレンダー処理により、得られる受容シート表面の凹凸を減少させ、均一な画像を得ることができる。カレンダー処理は、いずれの段階で行ってもよい。カレンダー処理に使用されるカレンダー装置は、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー、クリアランスカレンダーなどの一般に製紙業界で使用されているカレンダー装置を適宜使用できる。
上記各塗工層には、一般の塗被紙製造において使用される濡れ剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤などの各種助剤が適宜添加される。
(支持体)
本発明における受容シートの支持体としては、セルロースパルプを主成分とする紙類や合成樹脂シート類が使用される。例えば、紙類としては上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙などが挙げられる。
合成樹脂を主成分としたシート類としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。
多孔質延伸シート類としてはポリオレフィン、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂を主成分とした、例えば合成紙、多孔質ポリエステルシートなどが挙げられる。これらの材料を単体で使用してもよいし、多孔質延伸シート同士、多孔質延伸シートと他のシート及び/又は紙などとを積層貼着させた積層体シートとしてもよい。
また、支持体としては、受容層が形成される第一の基材層、粘着剤層、離型剤層、第二の基材層を順次積層した構成でもよく、いわゆるラベルタイプ(ステッカー、シールタイプとも称される)の構造を有する支持体も勿論使用可能である。
上記支持体の中でも、セルロースパルプを主成分とする紙類が好ましい。得られる受容シートの風合いが印画紙に近いものとなり、コスト的にも有利である。
(受容層)
本発明では、支持体上に、染着性を有する2層の受容層を設けた熱転写受容シートにおいて、上層受容層含有染着性樹脂のTgが−10〜40℃であり、かつ下層受容層含有染着性樹脂のTgが45〜90℃である熱転写受容シートである。
ここでTgとは、ISO−11359−2に基づくガラス転移温度のことである。
(樹脂のガラス転移温度測定例)
測定機器:動的粘弾性測定装置DMS6100型(セイコーインスツルメンツ社製)
駆動周波数:10Hz
測定モード:引張モード
チャック間距離:20mm
昇温速度:5℃/min
樹脂の粘弾性/温度特性の測定結果から、粘弾性/温度グラフを作成し、tanδのピーク値としてTgを求めた。
(上層受容層)
本発明で使用される上層受容層は、Tgが−10〜40℃の染着性樹脂を主成分として含有する。上層受容層に主成分として含有される染着性樹脂のTgの下限温度は、好ましくは0℃以上、より好ましくは、5℃以上である。また、上層受容層に主成分として含有される染着性樹脂のTgの上限温度は、好ましくは35℃以下、より好ましくは、30℃以下である。上層受容層に主成分として含有される染着性樹脂のTgが40℃を超えると、画像の耐光性が劣る場合がある。上層受容層に主成分として含有される染着性樹脂のTgが−10℃未満では、上層受容層の耐熱性が劣り、印画の際に受容層がインクリボンと融着するなどの障害が発生する場合がある。
(ポリシロキサンセグメント含有水系樹脂)
本発明では、上層受容層に、離型剤としてポリシロキサンセグメント含有水系樹脂を含有することが好ましい。ポリシロキサンセグメント含有水系樹脂は、ポリシロキサンセグメントが他の樹脂とブロック共重合、又はグラフト共重合した樹脂ある。
従来公知のシリコーンオイルを離型剤として使用した場合、隣接する層や基材との接着性が低下するが、ポリシロキサンセグメント含有水系樹脂は、共重合した樹脂が隣接する層や基材との接着性に寄与するため、熱転写受容シートとして十分な層間強度が得られる。
また、本発明のポリシロキサンセグメント含有樹脂は、水系であることを特徴としている。
溶剤系受容層塗料に水系のポリシロキサンセグメント含有樹脂を添加した場合、塗工乾燥により受容層表面でポリシロキサンセグメント含有樹脂の局在化が顕著に起こる。
水系受容層塗料に水系のポリシロキサンセグメント含有樹脂を添加した場合、塗工乾燥により界面活性剤の作用が失われるとポリシロキサンセグメント含有樹脂の疎水化が起こり、他の受容層成分から分離して、やはり受容層表面でポリシロキサンセグメント含有樹脂の局在化が顕著に起こる。
前記の理由により、水系のポリシロキサンセグメント含有樹脂は、溶剤系のポリシロキサンセグメント含有樹脂に比べて少ない添加量で離型効果が得られるため、リボン剥離性改善効果と高温高湿環境での滲み改善効果を両立でき、Tgが40℃以下の樹脂でも受容層剥れを起こすことなく印画することができるのである。
本発明で使用されるポリシロキサンセグメント含有水系樹脂の上層受容層中の含有量は、上層受容層中の樹脂成分100質量%に対し0.1〜25質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜20質量%、更により好ましくは0.5〜10質量%である。0.1質量%未満では、離型効果が十分でなく、印画時にリボンとの離型性が不十分となり、融着することがある。25質量%を超えると、印画物を高温高湿環境で保存した場合に画像の滲みが顕著となる。更に下層受容層との接着性が悪化し、印画の際に、受容層剥れが発生する場合がある。
ポリシロキサンセグメント含有樹脂は、ポリシロキサンのモノマー材料と共重合樹脂のモノマー材料を共重合させる際に、重合完了後の樹脂にカルボニル基、スルホニル基、水酸基を付与するモノマー材料を添加する方法により親水化が可能である。
ポリマーにカルボニル基、スルホニル基、水酸基を付与するモノマー材料の例としてジメチロールプロピオン酸、5−スルホイソフタル酸などが挙げられる。
或いは、ポリシロキサン含有樹脂は、ポリシロキサンのモノマー材料、共重合樹脂のモノマー材料および重合開始剤の混合物を界面活性剤を用いて水中に乳化し重合反応に必要な温度をかけて共重合エマルジョンを作成する方法がある。
ポリシロキサン含有樹脂の合成においてポリシロキサンとの共重合に使用されるモノマーとしては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニル系樹脂の合成に使用される公知のモノマー成分や、セルロース、スチレン、アルキレンオキサイド、ビニルピロリドンなどが挙げられ、これらの中でも、染着性の点から(メタ)アクリル酸エステル、ポリエステル、カルボン酸ビニル、スチレン、アルキレンオキサイドが好ましい。
ポリシロキサン含有樹脂中のポリシロキサンの含有比率は、ポリシロキサン含有樹脂100質量%中、0.5〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
ポリシロキサンの含有比率が0.5質量%未満では、離型性改善効果が得られず、50質量%を超えるとポリシロキサン含有樹脂の水溶媒中での安定性が損なわれる。
(上層受容層樹脂)
上層受容層で使用される染着性樹脂としては、染料に対する親和性が高く、染料染着性の良好な熱可塑性樹脂を使用する。
例えば、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられ、これらの熱可塑性樹脂は単独で使用してもよいし、また二種以上を併用して使用してもよい。
上記の中でも、上層受容層で使用される染着性樹脂としては、印画された画像の耐光性に優れることからウレタン系樹脂、アクリル系樹脂が好ましく、ウレタン系樹脂が特に好ましい。ウレタン系樹脂は基材との密着性が良好であり、分子内に結晶領域を持つため、低Tgであっても高温(高速)印画時にも受容層剥がれ(インクリボンと受容層樹脂が高温で貼り付き、インクリボンを剥がす際に受容層樹脂も基材から剥がれてしまう現象)が発生しにくい。
(アクリル樹脂)
上層受容層で使用されるアクリル樹脂は、印画された画像の耐光性に優れる点から、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート又はフェノキシアルキル(メタ)アクリレートを分子構造中に含むことが好ましく、フェノキシアルキル(メタ)アクリレートの重合体であることが特に好ましい。前記分子構造は、単量体、重合体、他の樹脂とのブロック重合体、グラフト重合体で受容層中に含有することができる。
(ウレタン樹脂)
上層受容層で使用されるウレタン系樹脂は、染料染着性が極めて高く、染着した染料の耐光性が良好な点から下記組成範囲であることが好ましい。
本発明で使用するポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネートとポリオールより得られるウレタンプレポリマーを合成した後、低分子量ポリアミン化合物を用いて、前記ウレタンプレポリマーを鎖伸長して得られる。
(ウレタンプレポリマー)
本発明のポリウレタン樹脂の中間原料として用いられるウレタンプレポリマーは、ポリイソシアネートとポリオールの重縮合によって合成される。本発明は、ウレタンプレポリマーの合成においてポリイソシアネートとポリオールの比率がイソシアネート基:ヒドロキシル基のモル比率において100:40〜100:80の範囲で合成することが好ましい、より好ましくは、100:55〜100:75の範囲、より好ましくは、100:60〜100:70の範囲で合成することが好ましい。ポリイソシアネートに対するポリオールの比率が、40未満になると合成されたポリウレタン樹脂組成物の結晶領域が過多となり、染色性が低下し、熱転写印画された印画物の発色濃度が著しく低下する。また80を超えると、合成されたポリウレタン樹脂組成物の非晶領域が過多となり、得られる受容層の耐熱性が低下し、印画時に染料リボンとの融着や受容層剥がれなどの障害が発生しやすくなる。また、熱転写印画された印画物の経時滲みが発生し印画物の保存性を著しく損なう場合がある。
(ポリイソシアネート)
ポリイソシアネートは、低分子量ポリアミン化合物と結合してポリウレタン樹脂組成物中に硬質ブロックを形成する。また硬質ブロックは他の分子鎖の硬質ブロックと電気的あるいは、化学的結合により結晶領域を形成する。この結晶領域が、ウレタン樹脂に耐熱性を付与している。
ポリイソシアネートは、主に脂環族系、脂肪族系、芳香族系に分類されるが、このうち芳香族ポリイソシアネートをポリウレタン樹脂組成物の原料として使用すると画像受容層に染着した染料の耐光性を著しく低下させる。芳香族ポリイソシアネートが受容層に染着した染料低下させる原因は、明らかではないが、芳香環が規則的に配列した硬質ブロック表面のπ電子相互作用により、染料の分子結合が切断されるからではないかと推測される。
本発明は、ウレタンプレポリマーの合成に使用されるポリイソシアネート100質量%中、脂環族ポリイソシアネート及び/又は脂肪族ポリイソシアネートを90質量%以上含有することが好ましく、より好ましくは質量95%以上、更に好ましくは、98質量%以上含有することが好ましい。脂環族ポリイソシアネート及び/又は脂肪族ポリイソシアネートの含有量が90質量%未満であると得られる熱転写受容シートに熱転写された印画物の耐光性が著しく低下する場合がある。また、脂肪族ポリイソシアネートの含有量は、ウレタンプレポリマーの合成に使用されるポリイソシアネートの20質量%以下の範囲に調整することが好ましい。脂肪族ポリイソシアネートの含有量が20質量%を超えると得られるポリウレタン樹脂組成物の耐熱性が低下し、インクリボンと受容シートの剥離性が低下する或いは印画物の滲みが悪化するなどの問題が発生し易くなる。
本発明で使用できる脂肪族ポリイソシアネートとしては例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレントリイソシアネートなどが挙げられ、この中でもヘキサメチレンジイソシアネートが好ましく用いられる。脂環式ポリイソシアネートとしては例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、トリイソシアネートシクロヘキサンなどが挙げられ、この中でもイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネートが好ましく用いられる。本発明で使用できる脂肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポリイソシアネートは前記例示に限定されるものではなく、単独で使用することも、2種以上を併用することも可能である。
また、前記脂肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポリイソシアネートの他に本発明の効果を損なわない程度の範囲で芳香族ポリイソシアネートを用いることも可能である。芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどや、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリイソシアネートメチルベンゼンなどのポリイソシアネートなど芳香脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられるが、前記例示に限定されるものではなく、単独で使用することも、2種以上を併用することも可能である。
(ポリオール)
前記ポリイソシアネートとともにウレタンプレポリマーを形成するポリオールは、ポリウレタン樹脂組成物中に軟質ブロックを形成する。軟質ブロックは、画像受容層の染着性に寄与している。本発明で使用するポリウレタン樹脂組成物は、ポリオール成分として全ポリオール成分100質量%に対して芳香族ポリオールを50質量%以上含有することが好ましく、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、更により好ましくは80%質量以上含有することが好ましい。芳香族ポリオールが50質量%未満の場合、得られる画像受容層の染着性が低下し、高感度の熱転写受容シートが得られない場合がある。或いは、画像受容層の耐熱性が低下し、染料リボンの融着や受容層剥がれ等の障害が発生する場合がある。
本発明で使用可能な芳香族ポリオールとしては、例えばポリエチレンテレフタレートジオール、ポリエチレンイソフタレートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートアジペートジオール等の芳香族ポリエステルポリオール、芳香族ポリエステルのポリエチレンオキサイド付加物やエチレンオキサイド付加物が挙げられるが、前記例示に限定されるものではなく、単独で使用することも、2種以上を併用することも可能である。
また、本発明の効果を妨げない範囲で芳香族ポリオール以外のポリオールを併用することも可能である。芳香族ポリオール以外のポリオールとしては、例えば、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリエチレンサクシネートジオール、ポリブチレンサクシネートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレンアジペート)ジオールなどのポリエステルポリオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンカーボネート)ジオール、ポリ(ヘキサメチレン−1,4−シクロヘキサンジメチレン)カーボネートジオールなどのポリカーボネートポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオール、アクリルポリオールなどが挙げられ、これらは単独で使用することも、2種以上を併用することも可能である。
(ポリアミン化合物)
本発明で使用するポリウレタン樹脂組成物は、前記ウレタンプレポリマーを合成した後、低分子量ポリアミン化合物を用いて、前記ウレタンプレポリマーを鎖伸長して得られる。低分子量ポリアミン化合物、低分子量ポリオール化合物は、ポリイソシアネートとともにポリウレタン樹脂組成物中の硬質ブロックを形成する。前述のとおり、結晶性領域に芳香族成分が多く含まれると受容層に熱転写された染料の耐光性が低下すため低分子量ポリアミン化合物は非芳香族であることが好ましい。
本発明で使用可能な低分子量ポリアミン化合物としては、例えばヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、ジ(アミノシクロヘキシル)メタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、トリエチレンテトラミン等の低分子量ポリアミン等が挙げられ、これらは単独で使用することも、2種以上を併用することも可能である。
本発明のウレタン樹脂の合成方法は、特に限定されるものではなく、各種公知の方法、反応触媒、反応抑止剤を用いて合成される。
本発明のウレタン樹脂は、自己乳化型や分散剤を用いた強制乳化型などの水分散型であることが好ましい。近年では、環境への配慮から水分散型を使用することが好ましく、水分散型のなかでも自己乳化型は、塗工時の成膜性が良好で均一な画像受容層が得られるため好ましい。
ウレタン樹脂の自己乳化又は、強制乳化の方法は、特に限定されるものではなく、各種公知の方法が使用可能であるが、原料としてカルボキシルアルキルを側鎖として有するジオールを添加することによってウレタン樹脂にカルボキシル基を導入し、親水化する方法が好ましい。前記カルボキシルアルキルを側鎖として有するジオールに由来するカルボキシル基の含有比率は、前記ポリウレタン樹脂組成物100質量%に対して0.3〜6質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%、更に好ましくは2.5〜4質量%である。カルボキシル基の含有比率が0.3%未満では、ウレタン樹脂が塗工液中で不安定となり、塗工乾燥工程で塗り斑が発生し、印画画質が低下する場合がある。また、カルボキシル基の含有比率が6%を超えると得られる受容層の耐水性が劣り、印画物を高温高湿環境に保存したときに印画物の滲みが発生する或いは保存性が低下する危険がある。
上層受容層の塗工量は、0.5〜8g/m2が好ましく、より好ましくは1〜5g/m2である。0.5g/m2未満では、画像の耐光性が劣る場合がある。8g/m2を超えると、下層受容層の染着性が損なわれる場合があり、画像の滲みが発生する場合がある。
上層受容層には架橋剤を添加して耐熱性を向上させることが好ましい。架橋剤としては、カルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、有機チタンキレート化合物が好ましい。これら架橋剤の中でも、耐熱性向上の効果が高く、印画時のリボン融着などの走行性の問題が発生しにくい点や、水性塗料中での安定性の点で、カルボジイミド系架橋剤が好ましい。カルボジイミド系架橋剤の添加量は、上層受容層に含有される樹脂100質量%に対しカルボジイミド系架橋剤が1〜30質量%となるようにすることが好ましく、3〜25質量%がより好ましい。1質量%未満では、充分な架橋の効果が得られず、印画走行不良が発生する場合がある。30質量%を超えると、樹脂の染着性を硬化剤が阻害して印画画像の濃度が低下する場合がある。
(下層受容層)
本発明で使用される下層受容層は、Tgが45〜80℃の染着性樹脂を主成分として含有する。下層受容層に主成分として含有される染着性樹脂のTgの下限温度は、好ましくは48℃以上、より好ましくは、53℃以上である。また、下層受容層に主成分として含有される染着性樹脂のTgの上限温度は、好ましくは75℃以下、より好ましくは、70℃以下である。下層受容層に主成分として含有される染着性樹脂のTgが80℃を超えると、印画画像の濃度が低下する場合がある。下層受容層に主成分として含有される染着性樹脂のTgが45℃未満では、印画画像が高温高湿環境下に置かれたときに滲みが発生する場合がある。
本発明の受容シートは、下層受容層含有染着性樹脂の方が、上層受容層含有染着性樹脂よりTgが高い。上層受容層含有染着性樹脂のTgが低いにもかかわらず、得られた受容シートの画像が高温や高湿の環境でも滲みにくいのは、隣接する下層受容層含有染着性樹脂が、染着性良好でTgが高いためと考えられる。印画時に染料は、上層受容層に染着すると同時に、下層受容層にも一部が染着しており、Tgの高い下層受容層に染着した染料は、高温や高湿の環境でも層中の移動がほとんど無いので、滲みが発生しにくい。
下層受容層を形成する樹脂としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられ、これらの熱可塑性樹脂は単独で使用してもよいし、また二種以上を併用して使用してもよい。
上記樹脂の中でも、染料染着性の観点から、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂が、好ましく使用され、塩化ビニル系樹脂が特に好ましい。
塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルをモノマー単位として下記コモノマーとの共重合樹脂を挙げることができる。
(コモノマー)
コモノマーとしては、脂肪酸ビニルエステル類として酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、やし酸ビニルなどが挙げられる。アクリル酸もしくはメタクリル酸およびそのエステル類としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなどが挙げられる。マレイン酸およびそのエステル類としては、マレイン酸、マレイン酸ジエチルなどが挙げられる。アルキルビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテルが挙げられる。さらにエチレン、プロピレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレンなどを挙げることができる。なお塩化ビニル系樹脂は、ブロック共重合樹脂、グラフト共重合樹脂、交互共重合樹脂、ランダム共重合樹脂の何れであってもよい。
これらの共重合樹脂のうち、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合樹脂は、染料との親和性が良好であり、特に好ましい。また塩化ビニル系樹脂は、水酸基あるいはカルボキシル基を導入したものが好ましく使用される。
塩化ビニル系樹脂の水酸基は、塩化ビニルと例えば酢酸ビニルとを共重合させた後、一部を加水分解することにより導入する方法がある。また、カルボキシル基は、重合時にマレイン酸を添加して導入する方法がある。
塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルをモノマー単位として60〜90質量%の割合で含有することが好ましく、より好ましくは、70〜80質量%である。含有量が60質量%未満では、染着性が低下する場合があり、90質量%を超えると、成膜性が劣る場合がある。
本発明の下層受容層の塗工量は0.5〜8g/m2が好ましく、1〜5g/m2がさらに好ましい。下層受容層の塗工量が0.5g/m2未満では、画像滲みを防止する効果や走行不良を防止する効果が不足する場合がある。下層受容層の塗工量が8g/m2を越えると、コストが増大する割に得られる効果が小さい。
下層受容層には架橋剤を添加して耐熱性を向上させることが好ましい。架橋剤としては、カルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、有機チタンキレート化合物が好ましい。これら架橋剤の中でも、耐熱性向上の効果が高く、印画時のリボン融着などの走行性の問題が発生しにくい点や、水性塗料中での安定性の点で、カルボジイミド系架橋剤が好ましい。カルボジイミド系架橋剤の添加量は、下層受容層に含有される樹脂100質量%に対しカルボジイミド系架橋剤が1〜30質量%となるようにすることが好ましく、3〜25質量%がより好ましい。1質量%未満では、充分な架橋の効果が得られず、印画走行不良が発生する場合がある。30質量%を超えると、樹脂の染着性を硬化剤が阻害して印画画像の濃度が低下する場合がある。
(中間層)
支持体と下層受容層の間に、中空粒子を含有する中間層を設けることができる。中空粒子を含有する中間層は、断熱性とクッション性を付与できるので、画像鮮明性や画像均一性を向上できる。中間層で使用される中空粒子の壁を形成する材料としてアクリルニトリル、塩化ビニリデン、スチレンアクリル酸エステルの重合体などが挙げられる。それら中空粒子の製造方法としては、樹脂粒子中にブタンガスを封入したマイクロカプセルを、加熱発泡させる方式や、エマルジョン重合方式などが挙げられる。
中間層の塗工量は、1〜30g/m2が好ましい。中間層の塗工量が、1g/m2未満では、充分な断熱性とクッション性が期待できず、30g/m2を越えると、コストが増大する割に得られる効果が小さい。
中空粒子の粒径は、0.1〜10μmが好ましい。中空粒子の粒径が0.1μm未満では、中空粒子の壁が薄くなって耐熱性が不足し、塗工乾燥工程で壊れやすい。また10μmを超えると、得られた受容シートの表面凹凸が大きくなり画像均一性が劣る場合がある。
中空粒子の体積中空率は、50〜90%が好ましい。中空粒子の体積中空率が50%未満では断熱性とクッション性を付与する効果が不十分な場合がある。90%を超えると、中空粒子の壁が薄くなり、耐久性が低下することがある。
中間層の樹脂としては、Tgが40〜90℃の染着性樹脂の水分散物を含有することが好ましく。Tgが45〜80℃の染着性樹脂の水分散物を含有することが更に好ましい。
印画の際、転写した染料は、上層受容層・下層受容層そして染着性樹脂含有中間層まで染着することとなる。中間層に下層受容層と同様のTgの高い染着性樹脂を含有することで、中間層に染着した染料もまた、拡散しにくく、高温高湿環境で印画物を保存した際の画像滲みを防ぐ効果を期待できる。それと同時に、中空粒子を含有することにより、受容シートに断熱性とクッション性を付与する効果が期待できるのである。中間層に含有される染着性樹脂のTgが40℃未満では、画像滲み防止効果が得られない場合がある。また染着性樹脂のTgが90℃を超えると中間層のクッション性が低下し、鮮明な画像が得られない場合がある。
中空粒子の含有量は、30〜50質量%が好ましい。中空粒子が30質量%未満の場合、受容シートの断熱性やクッション性が劣り、印画濃度不足や、画像の白ヌケなどが発生する場合がある。50質量%を超えると、印画濃度の不足や、染着した染料が保持されず、層中を拡散するいわゆるニジミが発生しやすい場合がある。
中間層で用いられる染着性樹脂は、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられ、これらの熱可塑性樹脂は単独で使用してもよいし、また二種以上を併用して使用してもよい。
上記の中でも、染料染着性と滲み防止の観点から、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体樹脂の水分散物が好ましい。塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂水分散物中の塩化ビニル含有量は、60〜90質量%が好ましく、70〜90質量%がより好ましい。60質量%未満では、染着した染料を層中に安定に保持することが困難となり、染料が拡散して滲みが発生する場合がある。90質量%を超えると、成膜性が劣り、塗工層にヒビがはいったりする場合がある。
中間層には架橋剤を添加して耐水性を向上させることが好ましい。架橋剤としては、カルボジイミド化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、有機チタンキレート化合物が好ましい。これら架橋剤の中でも、耐熱性向上の効果が高く、印画時のサーマルヘッドからの熱による中間層の破損を防ぐ効果が高い点で、カルボジイミド系架橋剤が好ましい。カルボジイミド系架橋剤の添加量は、下層受容層に含有される樹脂100質量%に対しカルボジイミド系架橋剤が1〜30質量%となるようにすることが好ましく、3〜25質量%がより好ましい。1質量%未満では、充分な架橋の効果が得られない場合がある。また、30質量%を超えると、中間層が硬くなりすぎてクッション性が失われ、印画画質が低下する場合がある。
また、耐水性改善効果が高く、環境湿度による印画濃度の変動が抑えられる点では、有機チタンキレート化合物が好ましい。有機チタンキレート系架橋剤の添加量は、下層受容層に含有される樹脂100質量%に対し有機チタンキレート系架橋剤が1〜30質量%となるようにすることが好ましく、3〜25質量%がより好ましい。1質量%未満では、充分な架橋の効果が得られない場合がある。また、30質量%を超えると、中間層が硬くなりすぎてクッション性が失われ、印画画質が低下する場合がある。
(裏面層)
受容層が設けられていない側の面(裏面)上には、適宜、裏面層を設けることができる。
裏面層の目的は、走行性向上、静電気防止、受容シート相互の擦れによる受容層の傷つき防止、受容シートを重ね置きしたときの裏面への染料移行防止などである。裏面層は接着成分としての樹脂と、必要に応じて顔料や添加剤を含有する。
(カレンダー処理)
受容シートにカレンダー処理を施してもよい。カレンダー処理により、得られる受容シート表面の凹凸を減少させ、均一な画像を得ることができる。カレンダー処理は、いずれの段階で行ってもよい。カレンダー処理に使用されるカレンダー装置は、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー、クリアランスカレンダーなどの一般に製紙業界で使用されているカレンダー装置を適宜使用できる。
上記各塗工層には、一般の塗被紙製造において使用される濡れ剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤などの各種助剤が適宜添加される。
〔ポリウレタン樹脂合成例U01〜U19〕
攪拌機、環流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、表1に示したポリオール成分と2,2−ジメチロールブタン酸を表1に示した仕込み量加え、更に、ジブチル錫ジラウレート0.001g、及び、メチルエチルケトン120gを加え、均一に混合した。次いで、これに、表1に示したイソシアネート成分を表1に示した仕込み量加え、80℃で5時間反応させてプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。
得られたプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミンを表1に示した仕込み量加えて中和した後、水403gを徐々に加えて、乳化分散させた。この乳化分散液に、エチレンジアミンの20質量%水溶液を表1に示した仕込み量(固形分換算)添加して2時間攪拌した。これを、減圧条件下で、2時間かけて50℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、不揮発分が約39質量%のポリウレタンエマルジョンを得た。なお、本発明においてポリウレタンエマルジョンの不揮発分とは、水分散物を105℃で3時間乾燥させた後の残存質量率を意味する。
また、ウレタンプレポリマー合成時のポリイソシアネート成分中の脂環式ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートの質量比率、ポリオール成分中の芳香族ジオール由来成分の質量比率、ポリイソシアネートとポリオールの比率(イソシアネート基:ヒドロキシル基のモル比)および水性ポリウレタンポリオール樹脂固形分中における、カルボキシアルキルを側鎖として有するジオールに由来するカルボキシル基の含有比率は、表2のとおりであった。
ポリイソシアネートとポリオールより得られるウレタンプレポリマーを合成した後、低分子量ポリアミン化合物を用いて、前記ウレタンプレポリマーを鎖伸長してポリウレタン樹脂組成物U01〜U19を合成した。
ポリウレタン樹脂組成物U01〜U19の合成に使用したポリイソシアネート、ポリオール、低分子量ポリアミン化合物およびカルボキシルアルキルを側鎖として有するジオールの種類、ポリイソシアネート成分中の脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートおよび芳香族ポリイソシアネートの含有比率(質量比率)、プレポリマー中のポリイソシアネートとポリオールの比率(イソシアネート基:ヒドロキシル基のモル比率)および合成で得られたポリウレタン樹脂組成物に対する前記カルボキシルアルキルを側鎖として有するジオール由来成分の含有比率、及びガラス転移温度は、表2のとおりであった。
<実施例1>
〔支持体A1の作製〕
支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、王子製紙製、坪量174.4g/m2)を使用し、その片面に下記組成の中間層塗工液B1を、固形分塗工量が15g/m2となるように塗工、乾燥して中間層を形成し、支持体A1を得た。
〔中間層塗工液B1の調製〕
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする既発泡中
空粒子 50部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%)
ポリビニルアルコール 10部
(商品名:PVA205、クラレ製)
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体エマルジョン 30部
(商品名:ビニブラン603、日信化学製、Tg:60℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 200部
〔受容シートの作製〕
下層受容層塗工液C1を、上記支持体A1に固形分塗工量が3g/m2となるように塗工、乾燥して、下層受容層を形成した。次に上層受容層塗工液D1を、下層受容層の上に固形分塗工量が0.8g/m2となるように塗工、乾燥して、受容シートを得た。
〔下層受容層塗工液C1の調製〕
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体エマルジョン 90部
(商品名:ビニブラン603、日信化学製、Tg:60℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
〔上層受容層塗工液D1の調製〕
表1ウレタン樹脂U01 88部
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
水 300部
<実施例2>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U02を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例3>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U03を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例4>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U04を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例5>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U05を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例6>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U06を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例7>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U07を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例8>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U08を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例9>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U09を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例10>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U10を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例11>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U11を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例12>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U12を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例13>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U13を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例14>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U14を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例15>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U15を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例16>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U16を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例17>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U17を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例18>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U18を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例19>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U19を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例20>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D2を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D2の調製〕
ポリエステル樹脂 88部
(商品名:MD1400、東洋紡製、Tg:20℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
<実施例21>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D3を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D3の調製〕
下記アクリル樹脂エマルジョン 88部
2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピルアクリレートをラジカル重合した後、強制乳化したエマルジョン(数平均分子量:15000、Tg:23℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
<実施例22>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D4を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D4の調製〕
アクリル樹脂 88部
(商品名:AK210、DIC製、Tg:35℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
<実施例23>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D5を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D5の調製〕
ウレタン樹脂 88部
(商品名:ネオステッカー#5500、日華化学製、Tg:40℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
<実施例24>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D6を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D6の調製〕
表1のウレタン樹脂U01 88部
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
<実施例25>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D7を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D7の調製〕
表1のウレタン樹脂U01 88部
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
シリコーンオイルエマルジョン 2部
(商品名:KM786、信越化学製)
<実施例26>
実施例1において、下層受容層塗工液C1の代わりに下記組成の下層受容層塗工液C2を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔下層受容層塗工液C2の調製〕
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体エマルジョン 100部
(商品名:ビニブラン603、日信化学製、Tg:60℃)
水 300部
<実施例27>
実施例1において、下層受容層塗工液C1の代わりに下記組成の下層受容層塗工液C3を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔下層受容層塗工液C3の調製〕
塩化ビニル・アクリル共重合体エマルジョン 90部
(商品名:ビニブラン690、日信化学製、Tg:54℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
<実施例28>
実施例1において、下層受容層塗工液C1の代わりに下記組成の下層受容層塗工液C4を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔下層受容層塗工液C4の調製〕
アクリル系樹脂エマルジョン 90部
(商品名:ビニブラン2685、日信化学製、Tg:50℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
<実施例29>
実施例1において、下層受容層塗工液C1の代わりに下記組成の下層受容層塗工液C6を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔下層受容層塗工液C6の調製〕
ポリエステルエマルジョン 90部
(商品名:MD1500、東洋紡製、Tg:77℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
<実施例30>
実施例1において、下層受容層塗工液C1の代わりに下記組成の下層受容層塗工液C7を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔下層受容層塗工液C7の調製〕
ポリエステルエマルジョン 90部
(商品名:KZA6034、ユニチカ製、Tg:72℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
<実施例31>
実施例1において、下層受容層塗工液C1の代わりに下記組成の下層受容層塗工液C8を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔下層受容層塗工液C8の調製〕
ウレタン樹脂エマルジョン 90部
(商品名:WBR2091、大成ファインケミカルズ製、Tg:45℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
<実施例32>
実施例1において、中間層塗工液B1の代わりに下記組成の中間層塗工液B2を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔中間層塗工液B2の調製〕
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする既発泡中
空粒子 50部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%)
ポリビニルアルコール 20部
(商品名:PVA205、クラレ製)
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体エマルジョン 30部
(商品名:ビニブラン603、日信化学製、Tg:54℃)
水 200部
<実施例33>
実施例1において、中間層塗工液B1の代わりに下記組成の中間層塗工液B3を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔中間層塗工液B3の調製〕
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする既発泡中
空粒子 50部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%)
ポリビニルアルコール 10部
(商品名:PVA205、クラレ製)
塩化ビニル・アクリル共重合体エマルジョン 30部
(商品名:ビニブラン690、日信化学製、Tg:54℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 200部
<実施例34>
実施例1において、中間層塗工液B1の代わりに下記組成の中間層塗工液B4を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔中間層塗工液B4の調製〕
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする既発泡中
空粒子 50部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%)
ポリビニルアルコール 10部
(商品名:PVA205、クラレ製)
アクリル樹脂エマルジョン 30部
(商品名:AK210、DIC製、Tg:35℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 200部
<実施例35>
実施例1において、中間層塗工液B1の代わりに下記組成の中間層塗工液B5を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔中間層塗工液B5の調製〕
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする既発泡中
空粒子 50部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%)
ポリビニルアルコール 10部
(商品名:PVA205、クラレ製)
ウレタン樹脂エマルジョン 30部
(商品名:UX125、アデカ製、Tg:100℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 200部
<実施例36>
実施例1において、支持体A1の代わりに下記方法により作成した支持体A2を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔支持体A2の作製〕
厚さ100μmの上質紙の両面に、ポリプロピレンの多層構造フィルム(商品名:ユポFPG50、ユポ・コーポレーション製)をドライラミネート方式で積層して、支持体Aとした。
<比較例1>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D8を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D8の調製〕
ウレタン樹脂 88部
(商品名:エヴァファノールAPC−28、日華化学製、Tg:−20℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
<比較例2>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D9を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D9の調製〕
アクリル樹脂 88部
(商品名:ET410、日本純薬製、Tg:44℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
<比較例3>
実施例1において、下層受容層塗工液C1の代わりに下記組成の下層受容層塗工液C8を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔下層受容層塗工液C8の調製〕
ポリエステル樹脂 90部
(商品名:MD1100、東洋紡製、Tg:40℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
<比較例4>
実施例1において、下層受容層塗工液C1の代わりに下記組成の下層受容層塗工液C9を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔下層受容層塗工液C9の調製〕
ウレタン樹脂 90部
(商品名:UX125、アデカ製、Tg:100℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
<比較例5>
実施例1において、下層受容層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<比較例6>
実施例20において、下層受容層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<比較例7>
実施例21において、下層受容層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<比較例8>
実施例36において、下層受容層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔評価〕
上記各実施例および比較例で得られた受容シートについて、下記試験を行った。得られた結果を表1に示す。
〔画像濃度〕
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温環境下で、受容シートに、黒ベタ画像を印画した。マクベス反射濃度計RD914を用いて、黒ベタ画像の印画濃度を測定した。受容シートの画像鮮明性を以下の基準で評価し、表1に示した。
◎:黒ベタの印画濃度が、2.2以上あり、高感度である。
○:黒ベタの印画濃度が2.0以上2.2未満であり、実用上問題なく使用できる。
△:黒ベタの印画濃度が1.7以上2.0未満であり、実用可能である。
×:黒ベタの印画濃度が1.7未満であり、実用には適さない。
〔画像鮮明性〕
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温環境下で、受容シートに、マクベス反射濃度計RD914で測定したときの画像濃度が0.6〜0.7となるように画像を印画し、画像のドット再現性を以下の基準で目視評価し、表1に示した。
◎:ドット抜けがなく鮮明性に優れる。
○:僅かにドット抜けが見られるが、実用上問題なく使用できる。
△:ドット抜けは見られるが、実用可能である。
×:ドット抜けが目立ち、実用には適さない。
〔画像耐光性試験〕
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温にて黒ベタ印画を行った。得られた黒ベタ画像印画物を、Xeフェードメーターで10,000kJ/m2の積算照度になるまで処理した。
画像の耐光性試験前及び試験後の色調をJIS Z 8721に準拠して、色差計(グレタグ社)を用いて測定した。測定値は、JIS Z 8729に基づき、L*a*b*表色系で記録し、JIS Z 8730に基づく方法で処理前後の色差(ΔE*)を算出し、耐光性を評価した。
◎:ΔE*が7未満であり、実用には全く問題ない。
○:ΔE*が7以上10未満であり、実用可能である。
△:ΔE*が10以上13未満であり、実用可能である。
×:ΔE*が13以上であり、実用には適さない。
〔画像滲み〕
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温環境下で黒細線を印画した。印画物を40℃90%RH環境に24時間置いた後、黒細線の滲みを以下の基準で評価し表1に示した。
◎:黒細線は拡大鏡観察でも全く滲みが見られず、実用には全く問題ない。
○:黒細線は拡大鏡観察でわずかに滲みがみられるが、実用可能である。
△:黒細線は目視観察でわずかに滲みがみられるが、実用可能である。
×:黒細線の目視観察で滲みがはっきりと観察され、実用には適さない。
〔走行性〕
得られた受容シートに、昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用いて、50℃環境下で、黒ベタ画像を10枚連続で印画した。その際、受容シート表面とインクリボンとの融着状況、およびプリンターからの受容シートの排紙性などについて、以下の基準で評価し、走行性として表1に示した。
◎:受容シート表面とインクリボンとの剥離時の騒音が全くなく、10枚連続して正常に排紙され、実用には全く問題がない。
○:受容シート表面とインクリボンとの剥離時に僅かに剥離音が発生するが、10枚連続して正常に排紙され、実用には全く問題がない。
△:受容シート表面とインクリボンとの軽い融着により若干騒音は生じるが、10枚とも排紙され、実用可能である。
×:受容シート表面とインクリボンとが融着を生じ、正常に排紙されず、実用には適さない。
表3から明らかなように、実施例1〜23の熱転写受容シートは、印画濃度が高く、画像の鮮明性、印画画像の耐光性、高温高湿度環境での保存性および走行性に優れた熱転写受容シートである。尚、比較例3と比較例4の受容シートは、プリンターから正常に排紙されなかったため、印画濃度、印画鮮明性、画像耐光性試験および画像滲みの評価は行っていない。
攪拌機、環流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、表1に示したポリオール成分と2,2−ジメチロールブタン酸を表1に示した仕込み量加え、更に、ジブチル錫ジラウレート0.001g、及び、メチルエチルケトン120gを加え、均一に混合した。次いで、これに、表1に示したイソシアネート成分を表1に示した仕込み量加え、80℃で5時間反応させてプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。
得られたプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミンを表1に示した仕込み量加えて中和した後、水403gを徐々に加えて、乳化分散させた。この乳化分散液に、エチレンジアミンの20質量%水溶液を表1に示した仕込み量(固形分換算)添加して2時間攪拌した。これを、減圧条件下で、2時間かけて50℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、不揮発分が約39質量%のポリウレタンエマルジョンを得た。なお、本発明においてポリウレタンエマルジョンの不揮発分とは、水分散物を105℃で3時間乾燥させた後の残存質量率を意味する。
また、ウレタンプレポリマー合成時のポリイソシアネート成分中の脂環式ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートの質量比率、ポリオール成分中の芳香族ジオール由来成分の質量比率、ポリイソシアネートとポリオールの比率(イソシアネート基:ヒドロキシル基のモル比)および水性ポリウレタンポリオール樹脂固形分中における、カルボキシアルキルを側鎖として有するジオールに由来するカルボキシル基の含有比率は、表2のとおりであった。
ポリイソシアネートとポリオールより得られるウレタンプレポリマーを合成した後、低分子量ポリアミン化合物を用いて、前記ウレタンプレポリマーを鎖伸長してポリウレタン樹脂組成物U01〜U19を合成した。
ポリウレタン樹脂組成物U01〜U19の合成に使用したポリイソシアネート、ポリオール、低分子量ポリアミン化合物およびカルボキシルアルキルを側鎖として有するジオールの種類、ポリイソシアネート成分中の脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートおよび芳香族ポリイソシアネートの含有比率(質量比率)、プレポリマー中のポリイソシアネートとポリオールの比率(イソシアネート基:ヒドロキシル基のモル比率)および合成で得られたポリウレタン樹脂組成物に対する前記カルボキシルアルキルを側鎖として有するジオール由来成分の含有比率、及びガラス転移温度は、表2のとおりであった。
〔支持体A1の作製〕
支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、王子製紙製、坪量174.4g/m2)を使用し、その片面に下記組成の中間層塗工液B1を、固形分塗工量が15g/m2となるように塗工、乾燥して中間層を形成し、支持体A1を得た。
〔中間層塗工液B1の調製〕
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする既発泡中
空粒子 50部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%)
ポリビニルアルコール 10部
(商品名:PVA205、クラレ製)
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体エマルジョン 30部
(商品名:ビニブラン603、日信化学製、Tg:60℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 200部
〔受容シートの作製〕
下層受容層塗工液C1を、上記支持体A1に固形分塗工量が3g/m2となるように塗工、乾燥して、下層受容層を形成した。次に上層受容層塗工液D1を、下層受容層の上に固形分塗工量が0.8g/m2となるように塗工、乾燥して、受容シートを得た。
〔下層受容層塗工液C1の調製〕
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体エマルジョン 90部
(商品名:ビニブラン603、日信化学製、Tg:60℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
〔上層受容層塗工液D1の調製〕
表1ウレタン樹脂U01 88部
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
水 300部
<実施例2>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U02を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例3>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U03を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例4>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U04を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例5>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U05を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例6>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U06を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例7>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U07を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例8>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U08を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例9>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U09を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例10>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U10を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例11>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U11を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例12>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U12を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例13>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U13を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例14>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U14を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例15>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U15を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例16>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U16を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例17>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U17を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例18>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U18を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例19>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U19を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例20>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D2を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D2の調製〕
ポリエステル樹脂 88部
(商品名:MD1400、東洋紡製、Tg:20℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
<実施例21>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D3を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D3の調製〕
下記アクリル樹脂エマルジョン 88部
2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピルアクリレートをラジカル重合した後、強制乳化したエマルジョン(数平均分子量:15000、Tg:23℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
<実施例22>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D4を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D4の調製〕
アクリル樹脂 88部
(商品名:AK210、DIC製、Tg:35℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
<実施例23>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D5を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D5の調製〕
ウレタン樹脂 88部
(商品名:ネオステッカー#5500、日華化学製、Tg:40℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
<実施例24>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D6を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D6の調製〕
表1のウレタン樹脂U01 88部
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
<実施例25>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D7を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D7の調製〕
表1のウレタン樹脂U01 88部
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
シリコーンオイルエマルジョン 2部
(商品名:KM786、信越化学製)
<実施例26>
実施例1において、下層受容層塗工液C1の代わりに下記組成の下層受容層塗工液C2を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔下層受容層塗工液C2の調製〕
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体エマルジョン 100部
(商品名:ビニブラン603、日信化学製、Tg:60℃)
水 300部
<実施例27>
実施例1において、下層受容層塗工液C1の代わりに下記組成の下層受容層塗工液C3を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔下層受容層塗工液C3の調製〕
塩化ビニル・アクリル共重合体エマルジョン 90部
(商品名:ビニブラン690、日信化学製、Tg:54℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
<実施例28>
実施例1において、下層受容層塗工液C1の代わりに下記組成の下層受容層塗工液C4を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔下層受容層塗工液C4の調製〕
アクリル系樹脂エマルジョン 90部
(商品名:ビニブラン2685、日信化学製、Tg:50℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
<実施例29>
実施例1において、下層受容層塗工液C1の代わりに下記組成の下層受容層塗工液C6を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔下層受容層塗工液C6の調製〕
ポリエステルエマルジョン 90部
(商品名:MD1500、東洋紡製、Tg:77℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
<実施例30>
実施例1において、下層受容層塗工液C1の代わりに下記組成の下層受容層塗工液C7を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔下層受容層塗工液C7の調製〕
ポリエステルエマルジョン 90部
(商品名:KZA6034、ユニチカ製、Tg:72℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
<実施例31>
実施例1において、下層受容層塗工液C1の代わりに下記組成の下層受容層塗工液C8を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔下層受容層塗工液C8の調製〕
ウレタン樹脂エマルジョン 90部
(商品名:WBR2091、大成ファインケミカルズ製、Tg:45℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
<実施例32>
実施例1において、中間層塗工液B1の代わりに下記組成の中間層塗工液B2を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔中間層塗工液B2の調製〕
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする既発泡中
空粒子 50部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%)
ポリビニルアルコール 20部
(商品名:PVA205、クラレ製)
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体エマルジョン 30部
(商品名:ビニブラン603、日信化学製、Tg:54℃)
水 200部
<実施例33>
実施例1において、中間層塗工液B1の代わりに下記組成の中間層塗工液B3を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔中間層塗工液B3の調製〕
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする既発泡中
空粒子 50部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%)
ポリビニルアルコール 10部
(商品名:PVA205、クラレ製)
塩化ビニル・アクリル共重合体エマルジョン 30部
(商品名:ビニブラン690、日信化学製、Tg:54℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 200部
<実施例34>
実施例1において、中間層塗工液B1の代わりに下記組成の中間層塗工液B4を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔中間層塗工液B4の調製〕
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする既発泡中
空粒子 50部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%)
ポリビニルアルコール 10部
(商品名:PVA205、クラレ製)
アクリル樹脂エマルジョン 30部
(商品名:AK210、DIC製、Tg:35℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 200部
<実施例35>
実施例1において、中間層塗工液B1の代わりに下記組成の中間層塗工液B5を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔中間層塗工液B5の調製〕
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする既発泡中
空粒子 50部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%)
ポリビニルアルコール 10部
(商品名:PVA205、クラレ製)
ウレタン樹脂エマルジョン 30部
(商品名:UX125、アデカ製、Tg:100℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 200部
<実施例36>
実施例1において、支持体A1の代わりに下記方法により作成した支持体A2を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔支持体A2の作製〕
厚さ100μmの上質紙の両面に、ポリプロピレンの多層構造フィルム(商品名:ユポFPG50、ユポ・コーポレーション製)をドライラミネート方式で積層して、支持体Aとした。
<比較例1>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D8を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D8の調製〕
ウレタン樹脂 88部
(商品名:エヴァファノールAPC−28、日華化学製、Tg:−20℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
<比較例2>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D9を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D9の調製〕
アクリル樹脂 88部
(商品名:ET410、日本純薬製、Tg:44℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
<比較例3>
実施例1において、下層受容層塗工液C1の代わりに下記組成の下層受容層塗工液C8を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔下層受容層塗工液C8の調製〕
ポリエステル樹脂 90部
(商品名:MD1100、東洋紡製、Tg:40℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
<比較例4>
実施例1において、下層受容層塗工液C1の代わりに下記組成の下層受容層塗工液C9を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔下層受容層塗工液C9の調製〕
ウレタン樹脂 90部
(商品名:UX125、アデカ製、Tg:100℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
<比較例5>
実施例1において、下層受容層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<比較例6>
実施例20において、下層受容層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<比較例7>
実施例21において、下層受容層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<比較例8>
実施例36において、下層受容層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔評価〕
上記各実施例および比較例で得られた受容シートについて、下記試験を行った。得られた結果を表1に示す。
〔画像濃度〕
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温環境下で、受容シートに、黒ベタ画像を印画した。マクベス反射濃度計RD914を用いて、黒ベタ画像の印画濃度を測定した。受容シートの画像鮮明性を以下の基準で評価し、表1に示した。
◎:黒ベタの印画濃度が、2.2以上あり、高感度である。
○:黒ベタの印画濃度が2.0以上2.2未満であり、実用上問題なく使用できる。
△:黒ベタの印画濃度が1.7以上2.0未満であり、実用可能である。
×:黒ベタの印画濃度が1.7未満であり、実用には適さない。
〔画像鮮明性〕
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温環境下で、受容シートに、マクベス反射濃度計RD914で測定したときの画像濃度が0.6〜0.7となるように画像を印画し、画像のドット再現性を以下の基準で目視評価し、表1に示した。
◎:ドット抜けがなく鮮明性に優れる。
○:僅かにドット抜けが見られるが、実用上問題なく使用できる。
△:ドット抜けは見られるが、実用可能である。
×:ドット抜けが目立ち、実用には適さない。
〔画像耐光性試験〕
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温にて黒ベタ印画を行った。得られた黒ベタ画像印画物を、Xeフェードメーターで10,000kJ/m2の積算照度になるまで処理した。
画像の耐光性試験前及び試験後の色調をJIS Z 8721に準拠して、色差計(グレタグ社)を用いて測定した。測定値は、JIS Z 8729に基づき、L*a*b*表色系で記録し、JIS Z 8730に基づく方法で処理前後の色差(ΔE*)を算出し、耐光性を評価した。
◎:ΔE*が7未満であり、実用には全く問題ない。
○:ΔE*が7以上10未満であり、実用可能である。
△:ΔE*が10以上13未満であり、実用可能である。
×:ΔE*が13以上であり、実用には適さない。
〔画像滲み〕
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温環境下で黒細線を印画した。印画物を40℃90%RH環境に24時間置いた後、黒細線の滲みを以下の基準で評価し表1に示した。
◎:黒細線は拡大鏡観察でも全く滲みが見られず、実用には全く問題ない。
○:黒細線は拡大鏡観察でわずかに滲みがみられるが、実用可能である。
△:黒細線は目視観察でわずかに滲みがみられるが、実用可能である。
×:黒細線の目視観察で滲みがはっきりと観察され、実用には適さない。
〔走行性〕
得られた受容シートに、昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用いて、50℃環境下で、黒ベタ画像を10枚連続で印画した。その際、受容シート表面とインクリボンとの融着状況、およびプリンターからの受容シートの排紙性などについて、以下の基準で評価し、走行性として表1に示した。
◎:受容シート表面とインクリボンとの剥離時の騒音が全くなく、10枚連続して正常に排紙され、実用には全く問題がない。
○:受容シート表面とインクリボンとの剥離時に僅かに剥離音が発生するが、10枚連続して正常に排紙され、実用には全く問題がない。
△:受容シート表面とインクリボンとの軽い融着により若干騒音は生じるが、10枚とも排紙され、実用可能である。
×:受容シート表面とインクリボンとが融着を生じ、正常に排紙されず、実用には適さない。
本発明は、印画濃度が高く、画像の鮮明性、印画画像の耐光性、高温高湿度環境での保存性および走行性に優れた熱転写受容シートを提供することができ、写真用途などに利用可能であり、実用上極めて有用である。
【0002】
が類似する受容層樹脂同士を比較すると、Tgが低いほど染着した染料の耐光性が良好である。
Tgが高い受容層樹脂に染料が染着した場合は、染料は受容層内を拡散し難く、受容層の表面に局在化している。画像の耐光劣化は、光照射により発生する空気中の活性酸素が受容層表面から染着染料を攻撃することにより発生すると推定される。染料が受容層の表面に局在していると活性酸素の攻撃をうけ易く、画像が劣化しやすい。受容層樹脂のTgが低い場合、染着した染料は受容層内に浸透し易く表面に存在する染料が少ないため、活性酸素からの攻撃を受け難く、耐光性が良好となる。
前記の理由により、受容層に低Tgの樹脂を使用すると、印画濃度が高く画像耐光性が良好な熱転写受容シートが得られるのである。
しかし一方で、受容層に低Tgの樹脂を使用した場合、高温高湿度の環境に印画物が置かれると染着した染料が受容層中に拡散し、画像の滲みとして現れる問題がある。また、印画時に受容層が軟化しやすいため、インクリボンと受容層の融着や受容層剥れなどの走行不良が発生する問題がある。
上記の問題を解決するために、受容層を2層積層し、下層受容層の染着性樹脂のTgが、上層受容層の染着性樹脂のTgより高い受容シートが特開平6−286350号公報(特許文献1)に提案されている。しかし、特許文献1は、具体的なTg範囲を規定しておらず、上層受容層の好ましい温度範囲は40〜90℃、下層受容層の好ましい範囲は、70℃以上としている。
また、特許文献1の実施例ではシリコーンオイルが離型剤として使用されている。離型性を上げるためにシリコーンオイルの添加量を増やすと、下層との接着性が低下するため、離型性改善効果に限
が類似する受容層樹脂同士を比較すると、Tgが低いほど染着した染料の耐光性が良好である。
Tgが高い受容層樹脂に染料が染着した場合は、染料は受容層内を拡散し難く、受容層の表面に局在化している。画像の耐光劣化は、光照射により発生する空気中の活性酸素が受容層表面から染着染料を攻撃することにより発生すると推定される。染料が受容層の表面に局在していると活性酸素の攻撃をうけ易く、画像が劣化しやすい。受容層樹脂のTgが低い場合、染着した染料は受容層内に浸透し易く表面に存在する染料が少ないため、活性酸素からの攻撃を受け難く、耐光性が良好となる。
前記の理由により、受容層に低Tgの樹脂を使用すると、印画濃度が高く画像耐光性が良好な熱転写受容シートが得られるのである。
しかし一方で、受容層に低Tgの樹脂を使用した場合、高温高湿度の環境に印画物が置かれると染着した染料が受容層中に拡散し、画像の滲みとして現れる問題がある。また、印画時に受容層が軟化しやすいため、インクリボンと受容層の融着や受容層剥れなどの走行不良が発生する問題がある。
上記の問題を解決するために、受容層を2層積層し、下層受容層の染着性樹脂のTgが、上層受容層の染着性樹脂のTgより高い受容シートが特開平6−286350号公報(特許文献1)に提案されている。しかし、特許文献1は、具体的なTg範囲を規定しておらず、上層受容層の好ましい温度範囲は40〜90℃、下層受容層の好ましい範囲は、70℃以上としている。
また、特許文献1の実施例ではシリコーンオイルが離型剤として使用されている。離型性を上げるためにシリコーンオイルの添加量を増やすと、下層との接着性が低下するため、離型性改善効果に限
【0003】
界があり、Tg40℃未満の樹脂を上層受容層に使用することは困難であった。その為、画像耐光性の改善にも限界があった。
特開2003−260878号公報(第1頁)では、Tgが40℃未満の樹脂を上層受容層に使用すると受容シート同士が貼り付いて走行性が低下することがあるとしている。
また、ポリシロキサンセグメントまたは弗化炭素セグメントまたは長鎖アルキルセグメントをグラフトした樹脂を受容層中に含まれる樹脂の30%以上含有せしめる熱転写受容シートが提案されている(特開平1−158748号公報(第1頁))。
しかし、ポリシロキサンは非常に低いTg(例:ポリジメチルシロキサンのガラス転移温度:−127℃)を有しており、受容層中にポリシロキサンセグメント部分が多く存在すると、印画した画像の輪郭が不鮮明となる。また、印画物を高温高湿環境で保存した時に画像の滲みが発生する問題がある。
発明の開示
本発明は、印画濃度が高く、画像の鮮明性、印画画像の耐光性、高温高湿度環境での保存性および走行性に優れた熱転写受容シートを提供しようとするものである。
上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、下記の技術的事項を基礎として構成される本発明に至ったのである。
(1)支持体上に、2層の受容層を設けた熱転写受容シートにおいて、上層受容層が、ISO−11359−2に準拠して測定されたガラス転移温度−10〜40℃であるポリウレタン樹脂を含有し、かつ下層受容層が、ガラス転移温度45〜70℃である染着性樹脂を含有し、前記ポリウレタン樹脂が、下記(A)〜(C)を含む重合成分から合成されたポリウレタン樹脂であることを特徴とする熱転写
界があり、Tg40℃未満の樹脂を上層受容層に使用することは困難であった。その為、画像耐光性の改善にも限界があった。
特開2003−260878号公報(第1頁)では、Tgが40℃未満の樹脂を上層受容層に使用すると受容シート同士が貼り付いて走行性が低下することがあるとしている。
また、ポリシロキサンセグメントまたは弗化炭素セグメントまたは長鎖アルキルセグメントをグラフトした樹脂を受容層中に含まれる樹脂の30%以上含有せしめる熱転写受容シートが提案されている(特開平1−158748号公報(第1頁))。
しかし、ポリシロキサンは非常に低いTg(例:ポリジメチルシロキサンのガラス転移温度:−127℃)を有しており、受容層中にポリシロキサンセグメント部分が多く存在すると、印画した画像の輪郭が不鮮明となる。また、印画物を高温高湿環境で保存した時に画像の滲みが発生する問題がある。
発明の開示
本発明は、印画濃度が高く、画像の鮮明性、印画画像の耐光性、高温高湿度環境での保存性および走行性に優れた熱転写受容シートを提供しようとするものである。
上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、下記の技術的事項を基礎として構成される本発明に至ったのである。
(1)支持体上に、2層の受容層を設けた熱転写受容シートにおいて、上層受容層が、ISO−11359−2に準拠して測定されたガラス転移温度−10〜40℃であるポリウレタン樹脂を含有し、かつ下層受容層が、ガラス転移温度45〜70℃である染着性樹脂を含有し、前記ポリウレタン樹脂が、下記(A)〜(C)を含む重合成分から合成されたポリウレタン樹脂であることを特徴とする熱転写
【0004】
受容シート。
(A)90質量%以上が脂環式ポリイソシアネート及び/又は脂肪族ポリイソシアネートから成るポリイソシアネート。
(B)50質量%以上が芳香族ジオールから成るポリオール。
(C)低分子量ポリアミン化合物。
(2)前記ポリウレタン樹脂化合時の前記(A)と前記(B)の配合比率が、前記(A)が有するイソシアネート基と、前記(B)が有するヒドロキシル基とのモル比で、100:40〜100:80の範囲である(1)に記載の熱転写受容シート。
(3)前記下層受容層が含有する染着性樹脂が、塩化ビニル系樹脂を含んでいる(1)又は(2)に記載の熱転写受容シート。
(4)前記塩化ビニル系樹脂が、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体樹脂で、かつ該共重合体樹脂中、塩化ビニル成分が60〜90質量%である(3)に記載の熱転写受容シート。
(5)上層受容層および/又は下層受容層が主成分として含有する染着性樹脂が、カルボジイミド化合物からなる架橋剤によって架橋されている(1)〜(4)のいずれかに記載の熱転写受容シート。
(6)支持体と前記下層受容層の間に、ISO−11359−2に準拠して測定されたガラス転移温度が45〜90℃の染着性樹脂の水分散物と、中空粒子とを含有する中間層が設けられた(1)〜(5)のいずれかにに記載の熱転写受容シート。
(7)前記中間層の染着性樹脂が、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体樹脂で、かつ該共重合体樹脂中、塩化ビニル成分が60〜90質量%である(6)に記載の熱転写受容シート。
(8)上層受容層が、ポリウレタン樹脂100質量%に対して、ポリシロキサンを共重合した水系樹脂0.1〜25質量%を含む(1)〜(7)のいずれかにに記載の熱転写受容シート。
本発明の熱転写受容シートは、印画画像の耐光性および高温高湿度環境での保存性に優れ、走行性が良好で、写真用途などに利用可能な熱転写受容シートである。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明について、更に詳細に説明する。
(支持体)
本発明における受容シートの支持体としては、セルロースパルプ
受容シート。
(A)90質量%以上が脂環式ポリイソシアネート及び/又は脂肪族ポリイソシアネートから成るポリイソシアネート。
(B)50質量%以上が芳香族ジオールから成るポリオール。
(C)低分子量ポリアミン化合物。
(2)前記ポリウレタン樹脂化合時の前記(A)と前記(B)の配合比率が、前記(A)が有するイソシアネート基と、前記(B)が有するヒドロキシル基とのモル比で、100:40〜100:80の範囲である(1)に記載の熱転写受容シート。
(3)前記下層受容層が含有する染着性樹脂が、塩化ビニル系樹脂を含んでいる(1)又は(2)に記載の熱転写受容シート。
(4)前記塩化ビニル系樹脂が、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体樹脂で、かつ該共重合体樹脂中、塩化ビニル成分が60〜90質量%である(3)に記載の熱転写受容シート。
(5)上層受容層および/又は下層受容層が主成分として含有する染着性樹脂が、カルボジイミド化合物からなる架橋剤によって架橋されている(1)〜(4)のいずれかに記載の熱転写受容シート。
(6)支持体と前記下層受容層の間に、ISO−11359−2に準拠して測定されたガラス転移温度が45〜90℃の染着性樹脂の水分散物と、中空粒子とを含有する中間層が設けられた(1)〜(5)のいずれかにに記載の熱転写受容シート。
(7)前記中間層の染着性樹脂が、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体樹脂で、かつ該共重合体樹脂中、塩化ビニル成分が60〜90質量%である(6)に記載の熱転写受容シート。
(8)上層受容層が、ポリウレタン樹脂100質量%に対して、ポリシロキサンを共重合した水系樹脂0.1〜25質量%を含む(1)〜(7)のいずれかにに記載の熱転写受容シート。
本発明の熱転写受容シートは、印画画像の耐光性および高温高湿度環境での保存性に優れ、走行性が良好で、写真用途などに利用可能な熱転写受容シートである。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明について、更に詳細に説明する。
(支持体)
本発明における受容シートの支持体としては、セルロースパルプ
【0029】
の代わりに表1ウレタン樹脂U13を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例14>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U14を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例15>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U15を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<参考例16>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U16を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<参考例17>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U17を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例18>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U18を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例19>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U19を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<参考例20>
の代わりに表1ウレタン樹脂U13を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例14>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U14を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例15>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U15を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<参考例16>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U16を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<参考例17>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U17を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例18>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U18を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<実施例19>
上層受容層塗工液D1の調製において、表1ウレタン樹脂U01の代わりに表1ウレタン樹脂U19を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<参考例20>
【0030】
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D2を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D2の調製〕
ポリエステル樹脂 88部
(商品名:MD1400、東洋紡製、Tg:20℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
<参考例21>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D3を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D3の調製〕
下記アクリル樹脂エマルジョン 88部
2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピルアクリレートをラジカル重合した後、強制乳化したエマルジョン(数平均分子量:15000、Tg:23℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
<参考例22>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D4を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D2を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D2の調製〕
ポリエステル樹脂 88部
(商品名:MD1400、東洋紡製、Tg:20℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
<参考例21>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D3を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D3の調製〕
下記アクリル樹脂エマルジョン 88部
2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピルアクリレートをラジカル重合した後、強制乳化したエマルジョン(数平均分子量:15000、Tg:23℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
<参考例22>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D4を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
【0031】
〔上層受容層塗工液D4の調製〕
アクリル樹脂 88部
(商品名:AK210、DIC製、Tg:35℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
<参考例23>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D5を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D5の調製〕
ウレタン樹脂 88部
(商品名:ネオステッカー#5500、日華化学製、Tg:40℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
<実施例24>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D6を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D6の調製〕
表1のウレタン樹脂U01 88部
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
〔上層受容層塗工液D4の調製〕
アクリル樹脂 88部
(商品名:AK210、DIC製、Tg:35℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
<参考例23>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D5を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D5の調製〕
ウレタン樹脂 88部
(商品名:ネオステッカー#5500、日華化学製、Tg:40℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
<実施例24>
実施例1において、上層受容層塗工液D1の代わりに下記組成の上層受容層塗工液D6を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔上層受容層塗工液D6の調製〕
表1のウレタン樹脂U01 88部
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
【0038】
〔下層受容層塗工液C8の調製〕
ポリエステル樹脂 90部
(商品名:MD1100、東洋紡製、Tg:40℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
<比較例4>
実施例1において、下層受容層塗工液C1の代わりに下記組成の下層受容層塗工液C9を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔下層受容層塗工液C9の調製〕
ウレタン樹脂 90部
(商品名:UX125、アデカ製、Tg:100℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
<比較例5>
実施例1において、下層受容層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<比較例6>
参考例20において、下層受容層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<比較例7>
参考例21において、下層受容層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<比較例8>
実施例36において、下層受容層を設けなかった以外は、実施例
〔下層受容層塗工液C8の調製〕
ポリエステル樹脂 90部
(商品名:MD1100、東洋紡製、Tg:40℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
<比較例4>
実施例1において、下層受容層塗工液C1の代わりに下記組成の下層受容層塗工液C9を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔下層受容層塗工液C9の調製〕
ウレタン樹脂 90部
(商品名:UX125、アデカ製、Tg:100℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
<比較例5>
実施例1において、下層受容層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<比較例6>
参考例20において、下層受容層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<比較例7>
参考例21において、下層受容層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
<比較例8>
実施例36において、下層受容層を設けなかった以外は、実施例
Claims (8)
- 支持体上に、2層の受容層を設けた熱転写受容シートにおいて、上層受容層が、ISO−11359−2に準拠して測定されたガラス転移温度−10〜40℃である染着性樹脂を含有し、かつ下層受容層が、ガラス転移温度45〜70℃である染着性樹脂を含有することを特徴とする熱転写受容シート。
- 前記上層受容層含有染着性樹脂が、ウレタン系樹脂を含んでいる請求項1に記載の熱転写受容シート。
- 前記下層受容層含有染着性樹脂が、塩化ビニル系樹脂を含んでいる請求項1又は2に記載の熱転写受容シート。
- 前記塩化ビニル系樹脂が、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体樹脂で、かつ該共重合体樹脂中、塩化ビニル成分が60〜90質量%である請求項3に記載の熱転写受容シート。
- 上層受容層および/又は下層受容層に主成分として含有する染着性樹脂が、カルボジイミド化合物からなる架橋剤によって架橋されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
- 支持体と前記下層受容層の間に、ISO−11359−2に準拠して測定されたガラス転移温度45〜90℃である染着性樹脂と、中空粒子とを含有する中間層が設けられた請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
- 前記中間層の染着性樹脂が、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体樹脂で、かつ該共重合体樹脂中、塩化ビニル成分が60〜90質量%である請求項6に記載の熱転写受容シート。
- 上層受容層が、染着性樹脂100質量%に対して、ポリシロキサンセグメント含有水系樹脂0.1〜25質量%を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱転写受容シート。
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