JP2010094974A - 熱転写受容シート - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、印画濃度が高く、画像の鮮明性、印画画像の耐光性、高温高湿度環境での画像保存性および走行性に優れた熱転写受容シートを提供する。
【解決手段】支持体上に、ウレタン樹脂を含有する受容層を設けた熱転写受容シートにおいて、ポリイソシアネート成分の90重量%以上が脂環式ポリイソシアネート及び/又は脂肪族ポリイソシアネートであり、ポリオール成分の50重量%以上が芳香族ジオールとなるように合成されたウレタン樹脂を使用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、染料染着性熱可塑性樹脂を主成分とする画像受容層(以下、単に受容層とも言う。)を有する熱転写受容シート(以下、単に受容シートとも言う。)に関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は高速印画時においてもインクシート(以下、インクリボンとも言う。)の染料層との剥離性、及びインクリボンの転写型保護層(以下、単に保護層とも言う。)との接着性に優れ、記録濃度が高く、かつ画像の保存性に優れた受容シートに関するものである。
染料熱転写方式は、インクリボンと受容シートとを重ね合わせ、サーマルヘッドなどから供給される熱によりインクリボン染料層部の昇華性染料を受容シートの受容層上に転写した後、両者を離型して画像を形成するものである。
近年、耐光性や耐脂性といった画像の保存性を向上させるために、インクリボン上の3色または4色の染料を順次転写した後、保護層を設ける「オーバーラミネート」方式が主流になってきた。この方式では、受容層はインクリボンの染料層表面に対しては離型性を有し、インクリボンの保護層表面に対しては接着性を有する必要がある。
近年、プリンターの高速化が進んでいる為、印画後より短時間でインクリボンと受容層が剥離される傾向にあり、受容層の耐熱性が重要となってきているとともに、より低エネルギーで高い記録濃度が得られる受容層が求められている。
また、受容シートの製造工程においては、環境問題から、大気中に溶剤を放出することのない水系塗料による塗工乾燥方式が望まれている。
受容層に用いられる染料染着性樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂等が提案されてきた。
塩化ビニル樹脂は、耐水性が高く、受容層に使用するとその印画物は、高温高湿環境での画像保存性に優れるが、使用する染料によっては、耐光性が著しく低下する問題がある。
また、アクリル樹脂やポリエステル樹脂は受容層の離型性および熱転写性保護層との接着性の両立が難しいという問題がある。セルロース系樹脂は、受容層の離型性は良好であるが、印画濃度が低く、高温高湿環境での画像の滲みが大きいという問題がある。
熱転写記録用樹脂組成物の例として芳香族成分を5〜90重量部含有するウレタン樹脂が提案されている。(特許文献1)芳香族成分を含有することによって印画物の発色濃度を上げ、鮮明な画像を得ることができる。
しかし、特に文献1で推奨しているようなポリイソシアネート成分に芳香族成分を多く含有させる構成は、印画物の耐光性を著しく低下させる。また、近年、印画速度の高速化が進んでいる昇華熱転写プリンターに対応するためには、芳香族成分の含有比率の制御だけでは、発色濃度、画像耐光性、インクリボンとの剥離性、および保護層転写性という要求品質のバランスをとることが困難である。
また特許文献2では、非芳香族系ポリイソシアネートとポリオールから合成されるウレタン樹脂が提案されている。しかし、芳香族成分を一定量以上含まないウレタン樹脂は、染着性が乏しく高速の熱転写印画には適さない。更に特許文献2では、脂肪族系のポリオールの使用を提案しているが、脂肪族ポリオールは、耐熱性が低く、高速の熱転写印画においてインクリボンとの融着トラブルが発生しやすくなる。
また特許文献1〜4では、更にウレタン樹脂とビニル樹脂の混合又はコアシェル型共重合体等が提案されているが、例示されているようなビニル樹脂の混合や共重合は、受容層の染着性を低下させ印画物の発色濃度を低下させるため好ましくなく、更に印画物の耐光性が低下する問題がある。
特開平10−337968号公報(第1〜3頁) 特開平10−337969号公報(第1〜2頁) 特開平10−337971号公報(第1〜2頁) 特開平5−96867号公報(第1〜2頁)
本発明の課題は、上記従来技術の欠点を改良し、高速印画時においても、受容層面へのインクリボンの保護層転写性が良好で、インクリボンからの剥離性能に優れ、かつ記録濃度が高く、耐光性が高く、かつ印画物を高温高湿環境で保存しても滲みが発生しない受容シートを提供しようとするものである。
本発明は、以下の各発明を包含する。
(1) シート状支持体と、このシート状支持体の少なくとも一面上に形成された画像受容層を有する熱転写受容シートにおいて、前記画像受容層が、原材料として下記(A)〜(C)を含む重合成分から合成されたポリウレタン樹脂を含有することを特徴とする熱転写受容シート。
(A)90質量%以上が脂環式ポリイソシアネート及び/又は脂肪族ポリイソシアネートから成るポリイソシアネート。
(B)50質量%以上が芳香族ジオールから成るポリオール。
(C)低分子量ポリアミン化合物
(2)前記ポリウレタン樹脂合成時の前記(A)と前記(B)の配合比率が、前記(A)が有するイソシアネート基と、前記(B)が有するヒドロキシル基とのモル比で、100:40〜100:90の範囲である(1)に記載の熱転写受容シート。
(3)前記ポリウレタン樹脂が、更に、下記(D)を含有した重合成分から合成させたものであり、且つカルボキシル基の含有比率が前記ポリウレタン樹脂100質量%に対して0.3〜6質量%である(1)または(2)に記載の熱転写受容シート。
(D)カルボキシルアルキル基を側鎖として有するジオール。
(4)前記画像受容層が、更に中空粒子を含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の熱転写受容シート。
(5)前記シート状支持体と画像受容層との間に、中間層を有し、該中間層が、ISO−11359−2に準拠して測定されたガラス転移温度が40〜90℃の範囲にある樹脂を主成分として含有する(1)〜(4)のいずれかに記載の熱転写受容シート。
(6)前記シート状支持体と中間層の間に中空粒子を含有する下塗り層を有する(5)に記載の熱転写受容シート。
(7)前記下塗り層が更に、ISO−11359−2に準拠して測定されたガラス転移温度40〜90℃の範囲にある樹脂を含有する(6)に記載の熱転写受容シート。
(8)前記シート状支持体と画像受容層との間に、バリア層を有し、該バリア層が、粒子平均長径が0.1μm以上100μm以下であり、かつ、アスペクト比(層状化合物の粒子平均長径/厚さの比)が5以上である膨潤性無機層状化合物を含有する(1)〜(7)のいずれかに記載の熱転写受容シート。
(9)前記バリア層が更にポリエステル樹脂を含有し、前記ポリエステル樹脂が、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とを重縮合して成り、該多価カルボン酸成分の80モル%以上がテレフタル酸であり、該多価アルコール成分の80モル%以上がエチレングリコールであり、且つ該ポリエステル樹脂のISO−11359−2に準拠して測定されたガラス転移温度が55℃〜110℃である(8)に記載の熱転写受容シート。
原材料として、ポリイソシアネート、ポリオール及び、低分子量ポリアミン化合物から得られるポリウレタン樹脂を含有する画像受容層において、前記ポリイソシアネート由来成分の90質量%以上が脂環式ポリイソシアネート由来成分及び/又は脂肪族ポリイソシアネート由来成分であり、前記ポリオール由来成分の50質量%以上が芳香族ジオール由来成分であるポリウレタン樹脂を使用することによって、高速印画時においても、インクリボンから受容層面への保護層転写性が良好で、インクリボンからの剥離性能に優れ、かつ記録濃度が高く耐光性の高い受容層を形成することを可能とし、昇華熱転写方式を初めとする熱転写方式のフルカラープリンターに有用な熱転写受容シートが得られる。
以下、本発明について、更に詳細に説明する。
(シート状支持体)
本発明において用いられるシート状支持体としては、セルロースパルプを主成分とする紙類や合成樹脂シート類が使用される。例えば、紙類としては上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙などが挙げられる。
合成樹脂を主成分としたシート類としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。
多孔質延伸シート類としてはポリオレフィン、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂を主成分とした、例えば合成紙、多孔質ポリエステルシートなどが挙げられる。これらの材料を単体で使用してもよいし、多孔質延伸シート同士、多孔質延伸シートと他のシート及び/又は紙などとを積層貼着させた積層体シートとしてもよい。
また、シート状支持体としては、受容層が形成される第一の基材層、粘着剤層、離型剤層、第二の基材層を順次積層した構成でもよく、いわゆるラベルタイプ(ステッカー、シールタイプとも称される)の構造を有する支持体も勿論使用可能である。
上記シート状支持体の中でも、セルロースパルプを主成分とする紙類が好ましい。得られる受容シートの風合いが印画紙に近く、低コスト的であり環境負荷も少ない。
(受容層)
本発明は、シート状支持体の少なくとも一方の面に画像受容層を形成してなる熱転写受容シートにおいて、上記画像受容層が、分子中に特定の組成を有するポリウレタン樹脂を含むことを特徴とするものである。
(ポリウレタン樹脂)
本発明において、使用するポリウレタン樹脂の合成方法は特に限定されるものではないが、一般的に原材料としてポリイソシアネートとポリオールより得られるウレタンプレポリマーを合成した後、低分子量ポリアミン化合物を用いて、前記ウレタンプレポリマーを鎖伸長して得られる。
(ウレタンプレポリマー)
ポリウレタン樹脂の中間原料として用いられるウレタンプレポリマーは、ポリイソシアネートとポリオールの重縮合によって合成される。本発明では、ポリイソシアネートとポリオールの比率が原材料のイソシアネート基:ヒドロキシル基のモル比率において100:40〜100:90の範囲で合成することが好ましく、より好ましくは、100:55〜100:85の範囲、更により好ましくは、100:60〜100:70の範囲で合成することが好ましい。ポリイソシアネートに対するポリオールの比率が、40未満になると合成されたポリウレタン樹脂の結晶領域が過多となり、染色性が低下し、熱転写印画された印画物の発色濃度が低下する。また90を超えると、合成されたポリウレタン樹脂の非晶領域が過多となり、得られる受容層の耐熱性が低下し、印画時に染料リボンとの融着や受容層剥がれなどの障害が発生しやすくなる。また、熱転写印画された印画物の経時滲みが発生し印画物の保存性を損なう。
(ポリイソシアネート)
ポリイソシアネートは、低分子量ポリアミン化合物と結合してポリウレタン樹脂中に硬質ブロックを形成する。また硬質ブロックは他の分子鎖の硬質ブロックと電気的あるいは、化学的結合により結晶領域を形成する。この結晶領域が、ウレタン樹脂に耐熱性を付与している。
ポリイソシアネートは、主に脂環式系、脂肪族系、芳香族系に分類されるが、このうち芳香族ポリイソシアネートをポリウレタン樹脂の原料として使用すると画像受容層に染着した染料の耐光性を著しく低下させる。芳香族ポリイソシアネートが、受容層に染着した染料の耐光性を低下させる原因は、明らかではないが、前記ポリイソシアネートの芳香環が規則的に配列した状態が、染料分子に強い相互作用を及ぼすと推測される。
本発明は、ウレタンプレポリマーの合成に使用されるポリイソシアネート100質量%中、脂環式ポリイソシアネート及び/又は脂肪族ポリイソシアネートを90質量%以上含有することを特徴とし、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは、98質量%以上含有することを特徴とするものである。脂環式ポリイソシアネート及び/又は脂肪族ポリイソシアネートの含有量が90質量%未満であると得られる熱転写受容シートに熱転写された印画物の耐光性が著しく低下する。また、脂肪族ポリイソシアネートの含有量は、ウレタンプレポリマーの合成に使用されるポリイソシアネートの20質量%以下の範囲に調整することが好ましい。脂肪族ポリイソシアネートの含有量が20質量%を超えると得られるポリウレタン樹脂の耐熱性が低下し、インクリボンと受容シートの剥離性が低下する或いは印画物の滲みが悪化するなどの問題が発生し易くなる。
本発明で使用できる脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレントリイソシアネートなどが挙げられ、この中でもヘキサメチレンジイソシアネートが好ましく用いられる。
本発明で使用できる脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、トリイソシアネートシクロヘキサンなどが挙げられ、この中でもイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネートが好ましく用いられる。本発明で使用できる脂肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポリイソシアネートは前記例示に限定されるものではなく、単独で使用することも、2種以上を併用することも可能である。
また、前記脂肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポリイソシアネートの他に本発明の効果を損なわない程度の範囲で芳香族ポリイソシアネートを用いることも可能である。芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどや、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリイソシアネートメチルベンゼンなどのポリイソシアネートなどが挙げられ、これらは単独で使用することも、2種以上を併用することも可能である。
(ポリオール)
前記ポリイソシアネートとともにウレタンプレポリマーを形成するポリオールは、ポリウレタン樹脂中に軟質ブロックを形成する。軟質ブロックは、画像受容層の染着性に寄与している。本発明で使用するポリウレタン樹脂は、ポリオール成分として全ポリオール成分100質量%に対して芳香族ポリオールを50質量%以上含有することを特徴とし、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80%質量以上含有することが好ましい。芳香族ポリオールが50質量%未満の場合、得られる画像受容層の染着性が低下し、高感度の熱転写受容シートが得られない、或いは、画像受容層の耐熱性が低下し、染料リボンの融着や受容層剥がれ等の障害が発生する。
本発明で使用可能な芳香族ポリオールとしては、例えばポリエチレンテレフタレートジオール、ポリエチレンイソフタレートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートアジペートジオール等の芳香族ポリエステルポリオール、芳香族ポリエステルのポリエチレンオキサイド付加物やエチレンオキサイド付加物が挙げられ、これらは単独で使用することも、2種以上を併用することも可能である。
また、本発明の効果を妨げない範囲で芳香族ポリオール以外のポリオールを併用することも可能である。芳香族ポリオール以外のポリオールとしては、例えば、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリエチレンサクシネートジオール、ポリブチレンサクシネートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレンアジペート)ジオールなどのポリエステルポリオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンカーボネート)ジオール、ポリ(ヘキサメチレン−1,4−シクロヘキサンジメチレン)カーボネートジオールなどのポリカーボネートポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオール、アクリルポリオールなどが挙げられ、これらは単独で使用することも、2種以上を併用することも可能である。
また低分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられ、これらは単独で使用することも、2種類以上を併用することも可能である。
(ポリアミン化合物)
本発明で使用するポリウレタン樹脂は、前記ウレタンプレポリマーを合成した後、低分子量ポリアミン化合物を用いて、前記ウレタンプレポリマーを鎖伸長して得られる。低分子量ポリアミン化合物は、ポリイソシアネートとともにポリウレタン樹脂中の硬質ブロックを形成する。前述のとおり、結晶性領域に芳香族成分が多く含まれると受容層に熱転写された染料の耐光性が低下すため低分子量ポリアミン化合物は非芳香族であることが好ましい。
本発明で使用可能な低分子量ポリアミン化合物としては、例えばヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、ジ(アミノシクロヘキシル)メタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、トリエチレンテトラミン等の低分子量ポリアミン等が挙げられ、これらは単独で使用することも、2種以上を併用することも可能である。
本発明のポリウレタン樹脂の合成方法は、特に限定されるものではなく、各種公知の方法、反応触媒、反応抑止剤を用いて合成される。
本発明のポリウレタン樹脂は、溶剤可溶型であっても自己乳化型や分散剤を用いた強制乳化型などの水分散型であってもよい。近年では、環境への配慮から水分散型を使用することが好ましく、水分散型のなかでも自己乳化型は、塗工時の成膜性が良好で均一な画像受容層が得られるため好ましい。
ポリウレタン樹脂の自己乳化又は、強制乳化の方法は、特に限定されるものではなく、各種公知の方法が使用可能であるが、原料としてカルボキシルアルキルを側鎖として有するジオールを添加することによってウレタン樹脂にカルボキシル基を導入し、親水化する方法が好ましい。前記カルボキシルアルキルを側鎖として有するジオールに由来するカルボキシル基の含有比率は、前記ポリウレタン樹脂100質量%に対して0.1〜7質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜6質量%、更に好ましくは1〜3質量%である。カルボキシル基の含有比率が0.3質量%未満では、ポリウレタン樹脂が塗工液中で不安定となり、塗工乾燥工程で塗り斑が発生し、印画画質が低下する場合がある。また、カルボキシル基の含有比率が6質量%を超えると得られる受容層の耐水性が劣り、印画物を高温高湿環境に保存したときに印画物の滲みが発生する或いは保存性が低下する危険がある。
(架橋剤)
本発明の受容層で使用される染着性樹脂は、塗工後、架橋剤によって架橋されていることが好ましい。本発明の受容層に使用される架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、チタンキレート系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤などが挙げられる。
カルボジイミド系架橋剤は、ポリウレタン樹脂のカルボキシル基と反応性が良好なため特に好ましい。カルボジイミド系架橋剤の含有比率は、受容層で使用される樹脂100質量%に対して0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
(離型剤)
親水基含有シリコーンオイル、シリコーンオイルエマルジョン、ポリシロキサンセグメント含有水系樹脂が好ましい。これらの中でも、ポリシロキサンセグメント含有水系樹脂が、特に好ましい。ポリシロキサンセグメント含有水系樹脂は、ポリシロキサンセグメントが他の樹脂とブロック共重合、又はグラフト共重合した樹脂ある。
従来公知のシリコーンオイルを離型剤として使用した場合、隣接する層や基材との接着性が低下するが、ポリシロキサンセグメント含有水系樹脂は、共重合した樹脂が隣接する層や基材との接着性に寄与するため、熱転写受容シートとして十分な層間強度が得られる。
また、塗工乾燥により界面活性剤の作用が失われるとポリシロキサンセグメント含有樹脂の疎水化が起こり、他の画像受容層成分から分離して、画像受容層表面でポリシロキサンセグメント含有樹脂の局在化が顕著に起こる。
前記の理由により、水系のポリシロキサンセグメント含有樹脂は、リボン剥離性改善効果と層間強度の保持を両立でき高速印画においても受容層剥れを起こすことなく印画することができるのである。
本発明で使用されるポリシロキサンセグメント含有水系樹脂の画像受容層中の含有量は、画像受容層中の樹脂成分100質量%に対し0.1〜25質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜20質量%、更により好ましくは0.5〜10質量%である。0.1質量%未満では、離型効果が十分でなく、印画時にリボンとの離型性が不十分となり、融着することがある。25質量%を超えると、印画物を高温高湿環境で保存した場合に画像の滲みが顕著となる。更に下層との接着性が悪化し、印画の際に、画像受容層の剥れが発生する場合がある。
ポリシロキサンセグメント含有樹脂は、ポリシロキサンのモノマー材料と共重合樹脂のモノマー材料を共重合させる際に、重合完了後の樹脂にカルボニル基、スルホニル基、水酸基を付与するモノマー材料を添加する方法により親水化が可能である。
ポリマーにカルボニル基、スルホニル基、水酸基を付与するモノマー材料の例としてジメチロールプロピオン酸、5−スルホイソフタル酸などが挙げられる。
或いは、ポリシロキサン含有樹脂は、ポリシロキサンのモノマー材料、共重合樹脂のモノマー材料および重合開始剤の混合物を界面活性剤を用いて水中に乳化し重合反応に必要な温度をかけて共重合エマルジョンを作成する方法がある。
本発明で使用されるポリウレタン樹脂のガラス転移温度の下限値は、好ましくは−30℃、より好ましくは、−10℃、更により好ましくは0℃である。ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が−30℃未満の場合には、画像受容層とインクリボンとの融着が発生し易い。また本発明で使用されるポリウレタン樹脂のガラス転移温度の上限値は、好ましくは60℃、より好ましくは50℃、更により好ましくは40℃である。ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が60℃を超えると画像受容層の染着性が劣り十分な印画濃度が得られず、好ましくない。
本発明では、ガラス転移温度は、ISO−11359−2に準じて測定される。
(樹脂のガラス転移温度測定例)
測定機器:動的粘弾性測定装置DMS6100型(セイコーインスツルメンツ社製)
駆動周波数:10Hz
測定モード:引張モード
チャック間距離:20mm
昇温速度:5℃/min
樹脂の粘弾性/温度特性の測定結果から、粘弾性/温度グラフを作成し、tanδのピーク値としてガラス転移温度を求めた。
画像受容層の塗工量は、0.5〜10g/m2が好ましい。画像受容層の塗工量が、0.5g/m2未満では、充分な印画画質や画像耐光性が得られない場合があり、10g/m2を越えると、シート状支持体の断熱効果が発揮できず、充分な印画濃度得られない場合がある。
本発明で使用されるポリウレタン樹脂は、60℃における弾性率が5.0×107〜5.0×108Paであることが好ましい。弾性率が5.0×107Pa未満の場合には、画像受容層とインクリボンとの融着が発生し易い。弾性率が5.0×108Paを超えると画像受容層の染着性が劣り十分な印画濃度が得られず、好ましくない。 ポリウレタン樹脂の60℃における弾性率の測定方法は、前記、樹脂のガラス転移温度測定例と同様の方法で測定できる。
(下塗り層)
本発明の熱転写受容シートにおいては、ガラス転移温度が40〜90℃の範囲にある染着性樹脂および中空粒子を主成分として含有する下塗り層をシート状支持体と画像受容層の間に設けることが好ましい。下塗り層に主成分として含まれる染着性樹脂のガラス転移温度は45℃〜85℃がより好ましく、50〜80℃が更に好ましい。下塗り層に主成分として含まれる染着性樹脂のガラス転移温度が40℃未満では、印画物を高温高湿環境に保管した場合、画像の滲みが発生する場合がある。また染着性樹脂のガラス転移温度が90℃を超えると中間層のクッション性が低下し、鮮明な画像が得られない場合がある。
下塗り層に使用される樹脂としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられ、これらの熱可塑性樹脂は単独で使用してもよいし、また二種以上を併用して使用してもよい。
上記樹脂の中でも、染料染着性の観点から、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂が、好ましく使用され、塩化ビニル系樹脂が特に好ましい。
塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルをモノマー単位として下記コモノマーとの共重合樹脂を挙げることができる。
(コモノマー)
コモノマーとしては、脂肪酸ビニルエステル類として酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、やし酸ビニルなどが挙げられる。アクリル酸もしくはメタクリル酸およびそのエステル類としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなどが挙げられる。マレイン酸およびそのエステル類としては、マレイン酸、マレイン酸ジエチルなどが挙げられる。アルキルビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテルが挙げられる。さらにエチレン、プロピレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレンなどを挙げることができる。なお塩化ビニル系樹脂は、ブロック共重合樹脂、グラフト共重合樹脂、交互共重合樹脂、ランダム共重合樹脂の何れであってもよい。
これらの共重合樹脂のうち、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合樹脂は、染料の拡散防止効果が高く、印画物の高温高湿環境保存性が良好であり、特に好ましい。また塩化ビニル系樹脂は、水酸基あるいはカルボキシル基を導入したものが好ましく使用される。
塩化ビニル系樹脂の水酸基は、塩化ビニルと例えば酢酸ビニルとを共重合させた後、一部を加水分解することにより導入する方法がある。また、カルボキシル基は、重合時にマレイン酸を添加して導入する方法がある。
塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルをモノマー単位として60〜90質量%の割合で含有することが好ましく、より好ましくは、70〜80質量%である。含有量が60質量%未満では、染着性が低下する場合があり、90質量%を超えると、成膜性が劣る場合がある。
中空粒子を含有する下塗り層は、断熱性とクッション性を付与できるので、画像鮮明性や画像均一性を向上できる。
下塗り層で使用される中空粒子の壁を形成する材料としてアクリルニトリル、塩化ビニリデン、スチレンアクリル酸エステルの重合体などが挙げられる。それら中空粒子の製造方法としては、樹脂粒子中にブタンガスを封入したマイクロカプセルを、加熱発泡させる方式や、エマルジョン重合方式などが挙げられる。
中空粒子の粒径は、0.1〜10μmが好ましい。中空粒子の粒径が0.1μm未満では、中空粒子の壁が薄くなって耐熱性が不足し、塗工乾燥工程で壊れやすい。また10μmを超えると、得られた受容シートの表面凹凸が大きくなり画像均一性が劣る場合がある。
中空粒子の体積中空率は、50〜90%が好ましい。中空粒子の体積中空率が50%未満では断熱性とクッション性を付与する効果が不十分な場合がある。90%を超えると、中空粒子の壁が薄くなり、耐久性が低下することがある。
下塗り層の塗工量は、1〜30g/m2が好ましい。下塗り層の塗工量が、1g/m2未満では、充分な断熱性とクッション性が期待できず、30g/m2を越えると、コストが増大する割に得られる効果が小さい。
(中間層)
印画された熱転写受容シートが高温高湿環境に置かれると、受容層に染着していた染料が受容層、下塗り層、シート状支持体の未印画部分に拡散して画像滲み発生し、熱転写受容シートの商品価値が損なわれる場合がある。
本発明の熱転写受容シートは、画像滲みを防ぐために中間層を設けることができる。
画像滲みを防ぐためには、ガラス転移温度が40〜90℃の範囲にある樹脂を主成分として含有する中間層を設けることが好ましい。
前記中間層は、画像受容層とシート状支持体との間、好ましくは、画像受容層と隣接して設けられる。
中間層に主成分として含まれる樹脂のガラス転移温度は45℃〜85℃がより好ましく、50〜80℃が更に好ましい。中間層に主成分として含まれる樹脂のガラス転移温度が40℃未満では、画像滲み防止効果が得られない場合がある。また樹脂のガラス転移温度が90℃を超えると中間層の可撓性が低下し、鮮明な画像が得られない場合がある。
樹脂としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられ、これらの熱可塑性樹脂は単独で使用してもよいし、また二種以上を併用して使用してもよい。
上記樹脂の中でも、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂が、画像滲み防止効果が高いため、好ましく使用され、塩化ビニル系樹脂が特に好ましい。
塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルをモノマー単位として下記コモノマーとの共重合樹脂を挙げることができる。
(コモノマー)
コモノマーとしては、脂肪酸ビニルエステル類として酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、やし酸ビニルなどが挙げられる。アクリル酸もしくはメタクリル酸およびそのエステル類としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなどが挙げられる。マレイン酸およびそのエステル類としては、マレイン酸、マレイン酸ジエチルなどが挙げられる。アルキルビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテルが挙げられる。さらにエチレン、プロピレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレンなどを挙げることができる。なお塩化ビニル系樹脂は、ブロック共重合樹脂、グラフト共重合樹脂、交互共重合樹脂、ランダム共重合樹脂の何れであってもよい。
これらの共重合樹脂のうち、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合樹脂は、染料との親和性が良好であり、特に好ましい。また塩化ビニル系樹脂は、水酸基あるいはカルボキシル基を導入したものが好ましく使用される。
塩化ビニル系樹脂の水酸基は、塩化ビニルと例えば酢酸ビニルとを共重合させた後、一部を加水分解することにより導入する方法がある。また、カルボキシル基は、重合時にマレイン酸を添加して導入する方法がある。
塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルをモノマー単位として60〜90質量%の割合で含有することが好ましく、より好ましくは、70〜80質量%である。含有量が60質量%未満では、染着性が低下する場合があり、90質量%を超えると、成膜性が劣る場合がある。
中間層の塗工量は、0.5〜10g/m2が好ましい。中間層の塗工量が、0.5g/m2未満では、充分な画像滲み防止効果が期待できず、10g/m2を越えると、シート状支持体の断熱効果が発揮できず、充分な印画濃度が得られない場合がある。
(バリア層)
印画された熱転写受容シートが高温高湿環境に置かれると、受容層に染着していた染料が下塗り層および/またはシート状支持体の中に拡散して熱転写受容シートの裏側から透けて見える所謂「ショースルー」現象が発生し、熱転写受容シートの商品価値が損なわれる場合がある。
本発明の熱転写受容シートは、「ショースルー」を防ぐためにバリア層を設けることができる。
膨潤性無機層状化合物を含有するバリア層を設けることは、「ショースルー」を防ぐ有効な手段である。膨潤性無機層状化合物を含有するバリア層では、更に膨潤性無機層状化合物の接着用樹脂を含有する。該接着用樹脂としては水性系ポリエステル樹脂が好ましい。
バリア層における膨潤性無機層状化合物の固形分配合量は、接着用樹脂100質量部に対して、膨潤性無機層状化合物1〜20質量部が好ましい。1質量部未満では「ショースルー」を十分に防止できないことがあり、一方20質量部を超えるとバリア層の接着強度が不足することがある。
バリア層は、画像受容層とシート状支持体との間に設けられる。画像受容層とシート状支持体の間に下塗り層が設けられている場合は、画像受容層と下塗り層との間に設けることが好ましい。
(バリア層用ポリエステル樹脂)
本発明の中間層で使用されるポリエステル樹脂としては、ガラス転移温度45℃以上110℃以下のものから少なくとも1種類を適宜選択することが好ましい。ガラス転移温度が45℃未満では耐熱性が劣り、サーマルヘッドの熱で印画時に基材から剥れるおそれがある。また、ガラス転移温度が110℃を超えるとバリア層の成膜性が劣り、均一なバリア層が形成されず、画質や高温高湿環境下でのショースルー防止効果が著しく低下する。
本発明のバリア層で使用される水性系ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分の重縮合により合成される。
本発明のバリア層で使用される水性系ポリエステル樹脂は、例えば、分子中に親水基を導入して水溶性にしたものや、水中に分散したエマルジョン等が挙げられる。特に分子中にスルホン基を導入する方法は、ポリエステルの親水性を高めるために効果的な手段であり、塗工性、乾燥性等が向上する。例えば、スルホン基を含有する多価カルボン酸成分を用いて、ポリエステル樹脂中に導入することが可能である。スルホン基を含む多価カルボン酸成分の含有量は、多価カルボン酸成分中に、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
(バリア層用ポリエステル多価カルボン酸成分)
本発明のバリア層で用いられるポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂の多価カルボン酸成分中に、テレフタル酸成分を80〜100モル%含むことが好ましく、より好ましい範囲は多価カルボン酸成分中のテレフタル酸が85〜100モル%である。テレフタル酸成分が80モル%未満では、得られるポリエステル樹脂の染料バリア性が低下し、高温高湿環境下のショースルー防止効果が低下する。
また本発明バリア層で使用するポリエステル樹脂の多価カルボン酸成分中には、本発明の効果を損なわない範囲で脂環式ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、或いはテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸を用いることも可能である。
特に生成されるポリエステル樹脂のガラス転移温度が55℃〜110℃の範囲を超えない程度でナフタレンジカルボン酸を適宜用いることは、バリア層の耐熱性を高め、高温高湿環境下の画像安定性を高めることができるため好ましい。多価カルボン酸成分中に、ナフタレンジカルボン酸成分を5〜20モル%程度含むのが好ましい。
脂環式ジカルボン酸としては、分子構造の基本骨格として、分子中に脂環式環を少なくとも1個有するものが挙げられる。具体的には、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、デカリン環、ノルボルナン環、アダマンタン環等である。
脂環式ジカルボン酸の具体例としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−メチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−エチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−プロピル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−ブチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−t−ブチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,3−ジメチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,3−ジエチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,3−ジプロピル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,3−ジブチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−メチル−3−エチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−メチル−3−プロピル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−メチル−3−ブチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−エチル−3−プロピル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−エチル−3−ブチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−メチル−3−t−ブチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸及びそのアルキル誘導体、
また、2,6−デカリンジカルボン酸、3−メチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−エチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−プロピル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−ブチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,4−ジメチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,4−ジエチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,4−ジプロピル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,4−ジブチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,8−ジメチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,8−ジエチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,8−ジプロピル−2,6−デカリンジカルボン酸、3,8−ジブチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−メチル−4−エチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−メチル−4−プロピル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−メチル−4−ブチル−2,6−デカリンジカルボン酸、3−エチル−4−ブチル−2,6−デカリンジカルボン酸等の2,6−デカリンジカルボン酸及びそのアルキル誘導体、
また、シクロプロパンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、2,3−ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸、ジメチルアダマンタンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、4,4’−カルボキシメチルシクロヘキサン、4,4’−カルボキシエチルシクロヘキサン等が挙げられる。
テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸としては、分子構造の基本骨格として、芳香族環が1個のもの、またビフェニル、ジフェニルメタン、ビベンジル、スチルベン等の形態で独立した芳香族環を骨格中に2個〜3個有するもの、またインデン、テトラリン等の芳香族環に、5員又は6員の他の炭素環の縮合環を有するもの等を使用することができる。該芳香族ジカルボン酸の炭素数は通常8〜30、好ましくは8〜20、より好ましくは8〜15の範囲である。
芳香族ジカルボン酸の具体例としては、イソフタル酸、フタル酸、5−t−ブチルイソフタル酸、P−キシリレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルプロパンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸等が挙げられる。
また、上記多価カルボン酸と同様に用いられる同カルボン酸の誘導体としては、上記ジカルボン酸のエステル化合物、酸無水物、酸ハロゲン化物などが挙げられる。これらの中では、エステル化合物、酸無水物が好ましく、エステル化合物としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、アミル、ヘキシルなどの炭素数が1〜6の低級アルキルエステル化合物が特に好ましい。
脂肪族ジカルボン酸としては、直鎖状又は分岐状の脂肪族ジカルボン酸及びそれらのエステル化合物、酸ハロゲン化物、酸無水物等の誘導体が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、マロン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソセバシン酸、ブラシル酸、ドデカンジカルボン酸、ポリアルケニルコハク酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸、重合脂肪酸のダイマー酸、水添ダイマー酸などが挙げられる。これらの中でも、アジピン酸、セバシン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が好ましく用いられる。
本発明においては、多価カルボン酸成分として、本発明のバリア層の効果を損なわない範囲で、ポリエステル樹脂のガラス転移温度上昇、分岐構造形成のために、3価以上のカルボン酸を含有させることができる。3価以上のカルボン酸成分の具体例としては、例えば、トリメリット酸、トリカルバリル酸、カンホロン酸、トリメシン酸、1,2,5−ナフタレントリカルボン酸、2,3,6−ナフタレントリカルボン酸、1,4,8−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、重合脂肪酸のトリマー酸などの3価以上のカルボン酸やこれらのエステル化合物及び酸無水物などが挙げられる。該化合物の含有量は、全カルボン酸成分のうち0.5〜10モル%が好ましく、より好ましくは1〜7モル%である。
また本発明のバリア層で使用するポリエステル樹脂の多価カルボン酸成分中には、本発明のバリア層の効果を損なわない範囲で、蟻酸、酢酸、酪酸、2−メチルプロパン酸、吉草酸、イソオクチル酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリル酸、イソステアリル酸、アラキン酸、リノール酸、オレイン酸、エライジン酸、トール脂肪酸等の1価カルボン酸及び/又はこれらのエステル化合物を含有してもよい。該化合物の含有量としては、多価カルボン酸成分中に、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下の範囲である。
(バリア層用ポリエステル多価アルコール成分)
本発明のバリア層で用いられるポリエステル樹脂は、多価アルコール成分としてエチレングリコールを80〜100モル%使用することが好ましい。エチレングリコール成分の使用量が80モル%未満の場合には、併用する他の多価アルコール成分によっては、得られるポリエステル樹脂の耐熱性が低下して、高温高湿環境下の画像安定性が低下する場合や、樹脂の可撓性が低下してバリア層にクラックが生じ、印画品質を低下さる場合がある。あるいは画像の保存性を低下させる場合がある。
本発明のバリア層で使用されるポリエステル樹脂の多価アルコール成分として、20モル%未満の範囲でエチレングリコールと併用することが好ましい多価アルコール成分としては脂環式グリコール、芳香族グリコール、エチレングリコール以外の脂肪族グリコール等が挙げられる。
脂環式グリコールとしては、具体的には1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添BIS−A(水素化ビスフェノールA)、1,2−シクロペンタンジオール、1,4−シクロオクタンジオール、2,5−ノルボルナンジオール、アダマンタンジオール等が挙げられる。これらのうちで、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添BISA等が好ましく使用される。
芳香族グリコールとしては、具体的には、ビスフェノールA、あるいはビスフェノールAのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物とは、ビスフェノールAの水酸基にエチレンオキサイドがエーテル結合したもので、好ましくはビスフェノールAにエチレンオキサイド1〜5モルがエーテル結合したものである。具体的には、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエチル)ビスフェノールA等が例示される。さらに、4,4’−メチレンジフェノール及びそのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物、P−キシレンジオール及びそのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物、ビフェノール及びそのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物、p−キシレンジオール、2,5−ナフタレンジオール等が挙げられる。これらの中でも、4,4’−メチレンジフェノールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物、ビフェノールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物等が好ましく使用される。
エチレングリコール以外の脂肪族グリコール類の例としては、具体的には、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。これらの中でも、ネオペンチルグリコール等が好ましく使用される。
また、上記グリコール成分に加えて3価以上の多価アルコールを添加して縮重合することも可能である。3価以上のアルコール化合物の具体例としては、グリセリン、ジグリセロール、ポリグリセロール等のグリセロール化合物、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等のメチロール化合物が挙げられる。該化合物の含有量は、全アルコール成分のうち0.5〜10モル%が好ましく、より好ましくは1〜7モル%である。3価以上の多価アルコール成分の全アルコール成分に対する含有量が10モル%を超えると、得られるポリエステル樹脂の架橋によるゲル化が顕著となり、樹脂の溶解性が劣ることがある。また、0.5モル%未満では、得られるポリエステル樹脂の分岐構造が少なく、充分な耐熱性向上効果が得られないことがある。
上記の原料より合成される本発明のポリエステル樹脂の分子量は特に限定されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算数平均分子量で3000〜50000の範囲であることが好ましく、より好ましくは5000〜40000の範囲である。数平均分子量が3000未満の場合には、受容層とインクリボンとの融着が発生することがあり、また数平均分子量が50000を超えると、エマルジョンとして水中に分散させたときの安定性が低下して、凝集などを生じることがある。
(膨潤性無機層状化合物)
本発明のバリア層に使用される膨潤性無機層状化合物の具体例としては、グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物、粘土系鉱物(例えば合成マイカ、合成スメクタイト)等を挙げることができる。
グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物は、単位結晶層が互いに積み重なって層状構造を有する化合物ないし物質であり、ここで層状構造とは、原子が共有結合等によって強く結合して密に配列した面が、ファン・デル・ワールス力等の弱い結合力によって略平行に積み重なった構造をいう。
「カルコゲン化物」とは、IV族(Ti,Zr,Hf)、V族(V,Nb,Ta)及び/又はVI族(Mo,W)元素のジカルコゲン化物であって、式MX2(Mは上記元素、Xはカルコゲン(S,Se,Te)を示す。)で表わされるものをいう。
粘土系鉱物は、一般に、シリカの四面体層の上部に、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にした八面体層を有する2層構造を有するタイプと、シリカの四面体層が、アルミニウムやマグネシウム等を中心金属にした八面体層を両側から狭みこむ3層構造を有するタイプに分類される。前者の2層構造タイプとしては、カオリナイト族、アンチゴライト族等を挙げることができ、後者の3層構造タイプとしては、層間カチオンの数によってスメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族等を挙げることができる。
粘土系鉱物として、具体的には、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、ヘクトライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、マーガライト、タルク、バーミキュライト、ザンソフィライト、緑泥石等を挙げることができる。その他の例については、白水晴雄著、「粘土鉱物学」、1988年、(株)朝倉書店などの文献を参照することができる。
本発明のバリア層で使用される膨潤性無機層状化合物としては、粘土系鉱物の中でも、好ましくはスメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族等が使用される。スメクタイト族としては、例えば、モンモリロナイト、ハイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等がより好ましく使用される。
これら膨潤性無機層状化合物は天然品(粘土系鉱物)以外にも、合成品、加工処理品(例えばシランカップリング剤の表面処理品)のいずれであってもよく、例えば、合成スメクタイトとしては、式Na0.1~1.0Mg2.4~2.9Li0.0~0.6Si3.5~4.09.0~10.6(OH及び/又はF)1.5~2.5で示されるものが挙げられる。また、合成スメクタイトや合成マイカの製造方法には、水熱反応法(特開平6−345419号公報参照)、固相反応法、熔融法(特開平5−270815号公報参照)の3つの合成方法がある。
水熱反応法は、珪酸塩、マグネシウム塩、アルカリ金属イオン、アルカリ金属塩、フッ素イオンなど各種原料を含んだ水溶液あるいは水性スラリーをオートクレーブやパイプリアクターの中で100〜400℃の高温、高圧化のもとで反応させ、合成させる方法である。水熱反応法では、結晶の成長が遅いため一般に大きな粒子のものが得られなく、粒子径が10〜100nmのものがほとんどである。しかしながら、水熱反応においても、低濃度、低温、長時間の条件で合成すれば粒子径が1μm以上の大きな粒子を製造することは可能である。しかしながら、この場合、製造コストが極端に高くなるといった問題がある。
固相反応法はタルクと珪フッ化アルカリと他の原料とともに400〜1,000℃の範囲で数時間反応させ、合成マイカを製造する方法である。固相反応は原料のタルクの構造を残したまま元素移動を起こしてマイカが生成される(トポタキシー)ため、得られる合成マイカの品質が原料のタルクの物性やその不純物に依存したり、元素移動を完全にコントロールできないため、合成マイカの純度や結晶化度が低い場合がある。
熔融法は、無水珪酸、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、珪フッ化カリウム、炭酸カリウム、その他の原料をマイカの熔融点(例えば1,500℃)以上で熔融後、徐冷結晶化し、合成マイカや合成スメクタイトを製造する方法である。また、加熱方法の違いにより、外熱式熔融法と内熱式熔融法がある。外熱式熔融法は、原料を入れたルツボを熔融点以上の温度の室に入れて昇温後、熔融点以下の温度の室に移動させて製造する方法であるが、ルツボの費用等が高コストとなる。内熱式熔融法は黒鉛(炭素)電極や金属電極を備えた容器中で通電により原料を加熱熔融させた後、冷却させる方法であり、熔融合成法においては内熱式熔融法が一般的である。熔融合成法は冷却結晶化した塊を粉砕、粉級することにより粒子径をコントロールした合成品を製造することができる。熔融合成法は原料として純度が高い原料を使用することができ、熔融化して原料が均一に混合できるため、結晶化度が高く、粒子径が大きく、純度の高い合成マイカや合成スメクタイトを製造することができるといった利点がある。
合成膨潤性無機層状化合物としては、例えば、フッ素金雲母(KMg3AlSi310F、熔融法又は固相反応法)、カリウム四珪素雲母(KMg2.5Si410F2、熔融法)、ナトリウム四珪素雲母(NaMg2.5Si4102、熔融法)、ナトリウムテニオライト(NaMg2LiSi4102、熔融法)、リチウムテニオライト(LiMg2LiSi4102、熔融法)などの合成マイカ、或はナトリウムヘクトライト(Na0.33Mg2.67Li0.33Si4.010(OH又はF)2、水熱反応法又は熔融法)、リチウムヘクトライト(Na0.33Mg2.67Li0.33Si4.010(OH又はF)2、水熱反応法又は熔融法)、サポナイト(Na0.33Mg2.67AlSi4.010(OH)2、水熱反応法)などの合成スメクタイトが挙げられる。
前記の膨潤性無機層状化合物の中でも、ナトリウム四珪素雲母、ナトリウムテニオライト、リチウムテニオライト等の合成マイカ、ナトリウムヘクトライト、リチウムヘクトライト、サポナイト等の合成スメクタイト、及びモンモリロナイト等の天然スメクタイトがより好ましく使用される。これらの中でもナトリウム四珪素雲母が特に好ましく、熔融合成法により、所望の粒子径、アスペクト比、結晶性のものが得られる。
粘土鉱物の市販品としては、例えば、一般にナトリウムベンナイトと呼ばれる天然のベントナイトや、クニピア(:商品名、天然モンモリロナイト、クニミネ工業製)、スメクトン(:商品名、水熱反応法合成スメクタイト、クニミネ工業社製)、ビーガム(:商品名、バンダービルト社製)、ラポナイト(:商品名、ラポルテ社製)、DMクリーンA、DMA−350、Na−Ts(:商品名、3種類とも熔融法合成マイカ、ナトリウム四珪素雲母、トピー工業製)、ベンゲル(:商品名、豊順洋行社製)等を挙げることができ、これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明で好ましく使用される膨潤性無機層状化合物は、水中で容易に膨潤、へき開及び分散する膨潤性無機層状化合物である。膨潤性無機層状化合物の溶媒への「膨潤・へき開」性の程度は、「膨潤・へき開」試験により評価することができる。膨潤性無機層状化合物の膨潤性は、約5ml/2g以上が好ましく、より好ましくは約20ml/2g以上である。
膨潤性無機層状化合物の膨潤力は具体的には、例えばクニピア(膨潤力:65ml/2g以上)、スメクトン(膨潤力:60ml/2g以上)、DMクリーンA、DMA−350、Na−Ts(膨潤力:30ml/2g以上)、ME−100(:商品名、コープケミカル社製、膨潤力:20ml/2g以上)及びベンゲル(膨潤力:38ml/2g以上)である。
膨潤性試験を詳述する。試験容器として100mlメスシリンダーを用い、溶媒100mlに対して、膨潤性無機層状化合物2gをゆっくり加えて静置した後、23℃、24hr後の膨潤性無機層状化合物分散層と上澄み層との界面の目盛から、膨潤性無機層状化合物分散層の体積を読む。この数値(ml/2g)が大きい程、膨潤性が高く好ましい。溶媒としては、好ましくは水が使用される。
一方、該膨潤性無機層状化合物のへき開性は、約5ml以上が好ましく、より好ましくは約20ml以上である。へき開測定用の溶媒としては、膨潤性無機層状化合物の密度より小さい密度を有する溶媒が使用され、好ましくは、水が用いられる。
へき開性試験を詳述する。膨潤溶媒1,500mlに、膨潤性無機層状化合物30gをゆっくり加え、分散機(商品名:デスパーMH−L、浅田鉄工(株)製、羽根径52mm、回転数3100rpm、容器容量3L、底面−羽根間の距離28mm)にて周速8.5m/secで90分間分散した後(溶媒の温度:23℃)、分散液100mlをとり、メスシリンダーに入れて60分静置後、膨潤性無機層状化合物分散層と上澄み層との界面から、膨潤性無機層状化合物分散層の体積を読む。
膨潤性無機層状化合物としては、アスペクト比が5以上のものが好ましく用いられ、より好ましくは100以上のものが用いられる。さらに好ましくは、膨潤性無機層状化合物のアスペクト比は300〜5000の範囲であり、500〜4000が最も好ましい。アスペクト比が100未満では、ショースルー防止効果が低下することがある。アスペクト比(Z)とはZ=L/aなる関係で示されるものであり、Lは膨潤性無機層状化合物の水中での粒子平均長径(レーザー回折法で測定。堀場製作所製粒度分布計LA−910を使用、体積分布50%のメジアン径)であり、aは膨潤性無機層状化合物の厚みである。厚みは、バリア層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)による写真観察によって求めた値である。
本発明のバリア層で使用される膨潤性無機層状化合物の粒子平均長径は、一般には0.1〜100μmの範囲であり、好ましくは2〜20μmであり、6〜20μmがより好ましい。粒子平均長径が0.1μm未満になると、アスペクト比が小さくなると共に、中間層上に平行に敷き詰めることが困難になり、ショースルーを完全には防止できない。粒子平均長径が100μmを超えて大きくなると、バリア層から膨潤性無機層状化合物が突きでてしまい、バリア層の表面に凹凸が発生し、受容層表面の平滑度が低下して画質が悪化する。
バリア層の塗工量は、0.5〜10g/m2が好ましい。バリア層の塗工量が、0.5g/m2未満では、充分なショースルー防止効果が期待できず、10g/m2を越えると、シート状支持体の断熱効果が発揮できず、充分な印画濃度が得られない場合がある。
(裏面層)
画像受容層が設けられていない側の面(裏面)上には、適宜、裏面層を設けることができる。裏面層の目的は、走行性向上、静電気防止、受容シート相互の擦れによる受容層の傷つき防止、受容シートを重ね置きしたときの裏面への染料移行防止などである。裏面層は接着成分としての樹脂と、必要に応じて顔料や添加剤を含有する。
(カレンダー処理)
受容シートにカレンダー処理を施してもよい。カレンダー処理により、得られる受容シート表面の凹凸を減少させ、均一な画像を得ることができる。カレンダー処理は、いずれの段階で行ってもよい。カレンダー処理に使用されるカレンダー装置は、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー、クリアランスカレンダーなどの一般に製紙業界で使用されているカレンダー装置を適宜使用できる。
上記各塗工層には、一般の塗被紙製造において使用される濡れ剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤などの各種助剤が適宜添加される。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示し、固形分量である。
実施例
〔ポリウレタン樹脂合成例UR01〜UR25〕
以下の方法により、ポリイソシアネートとポリオールより得られるウレタンプレポリマーを合成した後、低分子量ポリアミン化合物を用いて、前記ウレタンプレポリマーを鎖伸長してポリウレタン樹脂UR01〜UR25を合成した。
攪拌機、環流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、表1に示したポリオール成分と2,2−ジメチロールブタン酸を表1に示した仕込み量加え、更に、ジブチル錫ジラウレート0.001g、及び、メチルエチルケトン120gを加え、均一に混合した。次いで、これに、表1に示したイソシアネート成分を表1に示した仕込み量加え、80℃で5時間反応させてプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。 得られたプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミンを表1に示した仕込み量加えて中和した後、水403gを徐々に加えて、乳化分散させた。この乳化分散液に、エチレンジアミンの20質量%水溶液を表1に示した仕込み量(固形分換算)添加して2時間攪拌した。これを、減圧条件下で、2時間かけて50℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、不揮発分が約39質量%のポリウレタンエマルジョンを得た。
〔ポリウレタン樹脂合成例UR26〕
以下の方法により、ポリイソシアネートとポリオールより得られるウレタンプレポリマーを合成した後、低分子量モノオールを用いて、前記ウレタンプレポリマーのイソシアネート基を封鎖して、ポリウレタン樹脂UR26を合成した。
攪拌機、環流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、ポリヘキサメチレンアジペートイソフタレートジオール(重量平均分子量5,000)241.3g、2,2−ジメチロールブタン酸7.1g、ジブチル錫ジラウレート0.001g、及び、メチルエチルケトン120gを加え、均一に混合した。次いで、これに、2,2‘−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート31.6gを加え、80℃で8時間反応させてプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。プレポリマーの遊離イソシアネート基含有量は0.5質量%であった。
引き続き、2−エチルヘキシルアルコール6.2gを加え、80℃で3時間反応させ遊離イソシアネート基を封鎖した。
得られたポリマーのメチルエチルケトン溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン4.9gを加えて中和した後、水403gを徐々に加えて、乳化分散させた。これを、減圧条件下で、2時間かけて50℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、不揮発分が約39質量%のポリウレタンエマルジョンを得た。ポリウレタン樹脂UR26の合成に使用した材料の仕込み量を表1に示した。
なお、本発明においてポリウレタンエマルジョンの不揮発分とは、水分散物を105℃で3時間乾燥させた後の残存重量率を意味する。
ポリウレタン樹脂UR01〜UR26の合成に使用したポリイソシアネート、ポリオール、低分子量ポリアミン化合物およびカルボキシルアルキルを側鎖として有するジオールの種類、ポリイソシアネート成分中の脂環式ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートおよび芳香族ポリイソシアネートの含有比率(質量比率)、プレポリマー中のポリイソシアネートとポリオールの比率(イソシアネート基:ヒドロキシル基のモル比率)および合成で得られたポリウレタン樹脂に対するカルボキシル基の含有比率は、表2のとおりであった。
また、ポリウレタン樹脂UR01〜UR26の60℃における弾性率をISO−11359−2に準じ、下記の方法によって測定し、結果を表2に示した。
(樹脂の60℃における弾性率測定)
測定機器:動的粘弾性測定装置DMS6100型(セイコーインスツルメンツ社製)
駆動周波数:10Hz
測定モード:引張モード
チャック間距離:20mm
昇温速度:5℃/min
60℃まで昇温し、弾性率を測定した。
Figure 2010094974
Figure 2010094974
<実施例1>
〔支持体A1の作製〕
支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、王子製紙製、坪量174.4g/m2)を使用し、その片面に下記組成の下塗り層塗工液B1を、固形分塗工量が15g/m2となるように塗工、乾燥して下塗り層を形成し、支持体A1を得た。
〔下塗り層塗工液B1の調製〕
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子 50部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%)
ポリビニルアルコール 10部
(商品名:PVA205、クラレ製)
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体エマルジョン 30部
(商品名:ビニブラン603、日信化学製、Tg:60℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 200部
〔受容シートの作製〕
下記調製方法により得られた中間層塗工液D1を、上記支持体A1に固形分塗工量が1.5g/m2となるように塗工、乾燥して、中間層を形成した。次に受容層塗工液C1を、中間層の上に固形分塗工量が3g/m2となるように塗工、乾燥して、受容シートを得た。
〔中間層塗工液D1の調製〕
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体エマルジョン 90部
(商品名:ビニブラン603、日信化学製、Tg:60℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
〔受容層塗工液C1の調製〕
前記合成例のウレタン樹脂UR01 88部
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
水 300部
<実施例2>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR02を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例3>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR03を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例4>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR04を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<比較例1>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR05を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<比較例2>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR06を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<比較例3>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR26を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例5>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR07を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例6>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR08を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例7>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR09を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例8>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR10を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例9>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR11を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例10>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR12を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例11>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR13を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例12>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR14を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例13>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR15を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例14>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR16を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例15>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR17を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例16>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR18を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例17>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR19を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例18>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR20を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例19>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR21を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例20>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR22を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例21>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR23を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例22>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR24を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例23>
実施例1の受容層塗工液C1の調製においてウレタン樹脂UR01の代わりに前記合成例のウレタン樹脂UR25を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
<実施例24>
受容シートの作成において受容層塗工液C1の代わりに下記調製方法で得られた受容層塗工液C2を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
〔受容層塗工液C2の調製〕
前記合成例のウレタン樹脂UR01 98部
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
水 300部
<実施例25>
受容シートの作成において受容層塗工液C1の代わりに下記調製方法で得られた受容層塗工液C3を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
〔受容層塗工液C3の調製〕
前記合成例のウレタン樹脂UR01 88部
乳酸チタンキレート系架橋剤 10部
(商品名:オルガチックスTC−315、マツモト製薬社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
水 300部
<実施例26>
受容シートの作成において受容層塗工液C1の代わりに下記調製方法で得られた受容層塗工液C4を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
〔受容層塗工液C4の調製〕
前記合成例のウレタン樹脂UR01 88部
イソシアネート系架橋剤 10部
(商品名:IS−70N、日華化学社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
水 300部
<実施例27>
受容シートの作成において受容層塗工液C1の代わりに下記調製方法で得られた受容層塗工液C5を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
〔受容層塗工液C5の調製〕
前記合成例のウレタン樹脂UR01 88部
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
シリコーンオイルエマルジョン 2部
(商品名:KM786、信越化学製)
水 300部
<実施例28>
受容シートの作成において受容層塗工液C1の代わりに下記調製方法で得られた受容層塗工液C6を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
〔受容層塗工液C6の調製〕
前記合成例のウレタン樹脂UR01 90部
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 300部
<実施例29>
〔支持体A1の作製〕
支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、王子製紙製、坪量174.4g/m2)を使用し、その片面に下記組成の下塗り層塗工液B1を、固形分塗工量が15g/m2となるように塗工、乾燥して下塗り層を形成し、支持体A1を得た。
〔下塗り層塗工液B1の調製〕
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子 50部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%)
ポリビニルアルコール 10部
(商品名:PVA205、クラレ製)
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体エマルジョン 30部
(商品名:ビニブラン603、日信化学製、Tg:60℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 200部
〔受容シートの作製〕
下記調製方法により得られた受容層塗工液C1を、上記支持体A1に固形分塗工量が3g/m2となるように塗工、乾燥して、受容シートを得た。
〔受容層塗工液C1の調製〕
前記合成例のウレタン樹脂UR01 88部
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
水 300部
<実施例30>
支持体A1の代わりに下記調製方法で得られた支持体A2を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
〔支持体A2の作製〕
支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、王子製紙製、坪量174.4g/m2)を使用し、その片面に下記組成の下塗り層塗工液B2を、固形分塗工量が15g/m2となるように塗工、乾燥して下塗り層を形成し、支持体A2を得た。
〔下塗り層塗工液B2の調製〕
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子 50部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%)
ポリビニルアルコール 10部
(商品名:PVA205、クラレ製)
アクリル樹脂エマルジョン 30部
(商品名:AK210、DIC製、Tg:35℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 200部
<実施例31>
支持体A1の代わりに下記調製方法で得られた支持体A3を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
〔支持体A3の作製〕
支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、王子製紙製、坪量174.4g/m2)を使用し、その片面に下記組成の下塗り層塗工液B3を、固形分塗工量が15g/m2となるように塗工、乾燥して下塗り層を形成し、支持体A3を得た。
〔下塗り層塗工液B3の調製〕
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子 50部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%)
ポリビニルアルコール 10部
(商品名:PVA205、クラレ製)
ポリエステル樹脂エマルジョン 30部
(商品名:MD1100、東洋紡製、Tg:40℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 200部
<実施例32>
支持体A1の代わりに下記調製方法で得られた支持体A4を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
〔支持体A4の作製〕
支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、王子製紙製、坪量174.4g/m2)を使用し、その片面に下記組成の下塗り層塗工液B4を、固形分塗工量が15g/m2となるように塗工、乾燥して下塗り層を形成し、支持体A4を得た。
〔下塗り層塗工液B4の調製〕
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子 50部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%)
ポリビニルアルコール 10部
(商品名:PVA205、クラレ製)
ポリエステル樹脂エマルジョン 30部
(商品名:MD1500、東洋紡製、Tg:77℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 200部
<実施例33>
支持体A1の代わりに下記調製方法で得られた支持体A5を用いた以外は実施例1と同様にして、受容シートを得た。
〔支持体A5の作製〕
支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、王子製紙製、坪量174.4g/m2)を使用し、その片面に下記組成の下塗り層塗工液B5を、固形分塗工量が15g/m2となるように塗工、乾燥して下塗り層を形成し、支持体A5を得た。
〔下塗り層塗工液B5の調製〕
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子 50部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%)
ポリビニルアルコール 10部
(商品名:PVA205、クラレ製)
ポリウレタン樹脂エマルジョン 30部
(商品名:UX125、アデカ製、Tg:100℃)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
水 200部
<実施例34>
受容シートの作製において中間層塗工液D1の代わりに下記方法により得られたバリア層塗工液D2を用いた以外は、実施例1と同様にして受容シートを得た。
〔バリア層塗工液D2の調製〕
膨潤性無機層状化合物 15部
(ナトリウム4珪素雲母、粒子平均長径6.3μm、アスペクト比1000)
ウレタン樹脂UR01(ガラス転移温度:22℃) 100部
水 350部
<実施例35>
受容シートの作製において中間層塗工液D1の代わりに下記方法により得られたバリア層塗工液D3を用いた以外は、実施例30と同様にして受容シートを得た。
〔水溶性ポリエステル樹脂PES01の合成〕
多価カルボン酸成分としてテレフタル酸90モル%および5−ナトリウムスルホイソフタル酸10モル%を用い、多価アルコール成分としてエチレングリコールを用いて縮合反応により水溶性ポリエステル樹脂PES01を合成した。
〔バリア層塗工液D3の調製〕
膨潤性無機層状化合物 15部
(ナトリウム4珪素雲母、粒子平均長径6.3μm、アスペクト比1000)
ポリエステル樹脂PES01 100部
水 350部
<実施例36>
下記方法により得られた支持体A6の上に受容層塗工液C1を、固形分塗工量が3g/m2となるように塗工、乾燥して、受容シートを得た。
受容シートを得た。
〔支持体A6の作製〕
厚さ100μmの上質紙の両面に、ポリプロピレンの多層構造フィルム(商品名:ユポFPG50、ユポ・コーポレーション製)をドライラミネート方式で積層して、支持体A6とした。
<実施例37>
前記支持体A6の上に中間層塗工液D1を、固形分塗工量が1.5g/m2となるように塗工、乾燥して、中間層を形成した。次に受容層塗工液C1を、中間層の上に固形分塗工量が3g/m2となるように塗工、乾燥して、受容シートを得た。
<実施例38>
〔受容シートの作製〕
前記支持体A6上に中間層塗工液D1を、固形分塗工量が1.5g/m2となるように塗工、乾燥して、中間層を形成した。次に下記調製方法により得られた受容層塗工液C2を、中間層の上に固形分塗工量が3g/m2となるように塗工、乾燥して、受容シートを得た。
〔受容層塗工液C2の調製〕
前記合成例のウレタン樹脂UR01 48部
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子 40部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率76%)
カルボジイミド系架橋剤 10部
(商品名:カルボジライトE−02、日清紡社製)
ポリシロキサングラフトアクリル樹脂 2部
(商品名:US450、東亞合成製)
水 300部
〔評価〕
上記各実施例および比較例で得られた受容シートについて、下記試験を行った。得られた結果を表1に示す。
〔走行性〕
得られた受容シートに、昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用いて、50℃環境下で、黒ベタ画像を10枚連続で印画した。その際、受容シート表面とインクリボンとの融着状況、およびプリンターからの受容シートの排紙性などについて、以下の基準で評価し、走行性として表3に示した。
◎:受容シート表面とインクリボンとの剥離時の騒音が全くなく、10枚連続して正常に排紙され、実用には全く問題がない。
○:受容シート表面とインクリボンとの剥離時に僅かに剥離音が発生するが、10枚連続して正常に排紙され、実用には全く問題がない。
△:受容シート表面とインクリボンとの軽い融着により若干騒音は生じるが、10枚とも排紙され、実用可能である。
×:受容シート表面とインクリボンとが融着を生じ、正常に排紙されず、実用には適さない。
〔保護層転写性〕
得られた受容シートの受容層面に、熱転写試験機(商標:TH-PMI2、大倉電機社製)を用いて昇華型熱転写リボン(商標:UP−540、ソニー社製)の保護層部を転写し、保護層が転写する最小エネルギーを以下の基準で評価し、保護層転写性として表3に結果を示した。
◎:保護層転写最小エネルギーが0.8mj/dot未満であり転写性が優れている。
○:保護層転写最小エネルギーが1.0mj/dot未満であり転写性問題なし。
△:保護層転写最小エネルギーが1.2mj/dot未満でありやや転写性が劣るが実用上問題なし。
×:保護層転写最小エネルギーが1.2mj/dot以上であり転写性が劣り実用には適さない。
〔画像濃度〕
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温環境下で、受容シートに、黒ベタ画像を印画した。マクベス反射濃度計RD914を用いて、黒ベタ画像の印画濃度を測定した。受容シートの画像鮮明性を以下の基準で評価し、表1に示した。
◎:黒ベタの印画濃度が、2.2以上あり、高感度である。
○:黒ベタの印画濃度が2.0以上2.2未満であり、実用上問題なく使用できる。
△:黒ベタの印画濃度が1.7以上2.0未満であり、実用可能である。
×:黒ベタの印画濃度が1.7未満であり、実用には適さない。
〔画像鮮明性〕
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温環境下で、受容シートに、マクベス反射濃度計RD914で測定したときの画像濃度が0.6〜0.7となるように画像を印画し、画像のドット再現性を以下の基準で目視評価し、表3に示した。
◎:ドット抜けがなく鮮明性に優れる。
○:僅かにドット抜けが見られるが、実用上問題なく使用できる。
△:ドット抜けは見られるが、実用可能である。
×:ドット抜けが目立ち、実用には適さない。
〔画像耐光性〕
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温にて黒ベタ印画を行った。得られた黒ベタ画像印画物を、Xeフェードメーターで10,000kJ/m2の積算照度になるまで処理した。
画像の耐光性試験前及び試験後の色調をJIS Z 8721に準拠して、色差計(グレタグ社)を用いて測定した。測定値は、JIS Z 8729に基づき、L***表色系で記録し、JIS Z 8730に基づく方法で処理前後の色差(ΔE*)を算出し、耐光性を評価した。
◎:ΔE*が7未満であり、実用には全く問題ない。
○:ΔE*が7以上10未満であり、実用可能である。
△:ΔE*が10以上13未満であり、実用可能である。
×:ΔE*が13以上であり、実用には適さない。
〔画像滲み〕
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温環境下で黒細線を印画した。印画物を40℃90%RH環境に24時間置いた後、黒細線の滲みを以下の基準で評価し表3に示した。
◎:黒細線は拡大鏡観察でも全く滲みが見られず、実用には全く問題ない。
○:黒細線は拡大鏡観察でわずかに滲みがみられるが、実用可能である。
△:黒細線は目視観察でわずかに滲みがみられるが、実用可能である。
×:黒細線の目視観察で滲みがはっきりと観察され、実用には適さない。
〔ショースルー〕
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温環境下で黒ベタパターンを印画した。印画物を40℃90%RH環境に24時間置いた後、黒ベタ印画部を裏面側から目視観察し、ショースルーを以下の基準で評価し表3に示した。
◎:ショースルーが全く見られず、実用には全く問題ない。
○:ショースルーがわずか見られるが、実用可能である。
△:ショースルーが見られるが、実用可能である。
×:ショースルーがはっきりと観察され、実用には適さない。
Figure 2010094974
表3から明らかなように、実施例1〜38の熱転写受容シートは、印画濃度が高く、画像の鮮明性、印画画像の耐光性、高温高湿度環境での画像保存性および走行性に優れた熱転写受容シートである。
本発明は、印画濃度が高く、画像の鮮明性、印画画像の耐光性、高温高湿度環境での保存性および走行性に優れた熱転写受容シートを提供することができ、実用上極めて有用である。

Claims (9)

  1. シート状支持体と、このシート状支持体の少なくとも一面上に形成された画像受容層を有する熱転写受容シートにおいて、前記画像受容層が、原材料として下記(A)〜(C)を含む重合成分から合成されたポリウレタン樹脂を含有することを特徴とする熱転写受容シート。
    (A)90質量%以上が脂環式ポリイソシアネート及び/又は脂肪族ポリイソシアネートから成るポリイソシアネート。
    (B)50質量%以上が芳香族ジオールから成るポリオール。
    (C)低分子量ポリアミン化合物
  2. 前記ポリウレタン樹脂が、前記(A)が含有するイソシアネート基(−NCO)、と 前記(B)が含有するヒドロキシル基(−OH)、とのモル比100:40〜100〜90の範囲で合成された組成物である請求項1に記載の熱転写受容シート。
  3. 前記ポリウレタン樹脂が、原材料として更に、下記(D)を含有して合成させたものであり、且つカルボキシル基の含有比率が前記ポリウレタン樹脂100質量%に対して0.3〜6質量%である請求項1または2に記載の熱転写受容シート。
    (D)カルボキシルアルキル基を側鎖として有するジオール。
  4. 前記画像受容層が、更に中空粒子を含有する請求項1〜3に記載の熱転写受容シート。
  5. 前記シート状支持体と画像受容層との間に、中間層を有し、該中間層が、ISO−11359−2に準拠して測定されたガラス転移温度が40〜90℃の範囲にある樹脂を主成分として含有する請求項1〜4いずれか1項に記載の熱転写受容シート。
  6. 前記シート状支持体と中間層の間に中空粒子および接着用樹脂を主成分として含有する下塗り層を有する請求項5に記載の熱転写受容シート。
  7. 前記接着用樹脂のISO−11359−2に準拠して測定されたガラス転移温度が40〜90℃の範囲にある請求項6に記載の熱転写受容シート。
  8. 前記シート状支持体と画像受容層との間に、バリア層を有し、該バリア層が、粒子平均長径が0.1μm以上100μm以下であり、かつ、アスペクト比(層状化合物の粒子平均長径/厚さの比)が5以上である膨潤性無機層状化合物を含有する請求項1〜7いずれか1項に記載の熱転写受容シート。
  9. 前記バリア層が更にポリエステル樹脂を含有し、前記ポリエステル樹脂が、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とを重縮合して成り、該多価カルボン酸成分の80モル%以上がテレフタル酸であり、該多価アルコール成分の80モル%以上がエチレングリコールであり、且つ該ポリエステル樹脂のガラス転移温度が55℃〜110℃である請求項8に記載の熱転写受容シート。
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