JPH0632085A - Idカード、その製造方法及び製造装置 - Google Patents

Idカード、その製造方法及び製造装置

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JPH0632085A
JPH0632085A JP4193929A JP19392992A JPH0632085A JP H0632085 A JPH0632085 A JP H0632085A JP 4193929 A JP4193929 A JP 4193929A JP 19392992 A JP19392992 A JP 19392992A JP H0632085 A JPH0632085 A JP H0632085A
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JP4193929A
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Kunihiro Koshizuka
国博 腰塚
Shigehiro Kitamura
繁寛 北村
Masataka Takimoto
正高 瀧本
Tomonori Kawamura
朋紀 河村
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 大量生産に好適で耐久性に優れるとともに、
個人情報を容易に認識することができる小型化されたI
Dカード並びにその製造方法及び装置。 【構成】 支持体1の表面に、色素を受容して転写画像
を形成する受像層2、像様に加熱して形成する有色層5
並びに紫外線硬化保護層6を順次に形成する。製造方法
としては、支持体上に形成した受像層2の表面に、感熱
転写記録用インクシートを用いて転写画像を形成した
後、像様に加熱することにより有色層5を形成し、次い
で受像層及び有色層の全表面に紫外線硬化保護層を形成
する。製造装置は、支持体1上の受像層2表面に、転写
画像を形成する感熱転写記録部、像様に加熱して有色層
5を形成するホットスタンパー並びに紫外線硬化保護層
6を形成する紫外線硬化保護層形成部とを備えた構成と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はIDカード、IDカー
ドの製造方法及びIDカードの製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】カード社
会といわれる現在、自動車免許証等の免許証類をはじめ
として、身分証明証、写真付き会員証、認証識別カー
ド、写真付き名刺等の多くの各種IDカードが普及して
きている。これらのIDカード、例えば、自動車免許証
等のIDカードは、支持体の表面に、銀塩写真法による
顔写真の形成及び必要な情報の記載を行ない、更にその
表面に、これらの情報の保護・維持、あるいはIDカー
ドの耐久性の向上等を目的として、保護層が設けられて
いた。これら従来のIDカードは、前記銀塩写真法等に
よる顔写真の形成が、露光、現像、定着、漂白等の複雑
な多段階の工程を有するので、大量にしかも迅速にID
カードを生産しなければならない現場においては、必ず
しも適切ではない。
【0003】このような事情の下、最近では、感熱転写
記録方式により転写画像を直接受像層に形成する簡便な
操作でIDカードを製造することのできる方法が提案さ
れている。ところで、最近のIDカードは、情報化社会
に対応すべく多くの個人情報がその中に盛り込まれるよ
うになってきており、更により多くの情報をその中に有
することが要求されている。
【0004】しかしながら、従来の方法では、限られた
大きさのIDカードにおける受像層に転写画像を形成す
るので、できるだけ多くの情報を盛り込むには、一つ一
つの情報を示す画像を小さくするしかない。この場合、
例えば、文字情報が解読することができないとか、ある
いは人物画像が不明瞭になる等の弊害が生じ、個人を特
定することができない等の重大な問題が発生するおそれ
がある。
【0005】また、従来のIDカードはその外観が画一
化されているので、一瞥しただけでは多くの個人情報を
識別することはできないという問題がある。これは、個
人情報に応じて複数種のIDカードを製造することので
きる方法が提案されていないことに基づく。即ち、性
別、生年月日、取得年月日、その他の必要事項等の多く
の個人情報は、個人別に差異を設けることなく一律に例
えば黒色インク等で印字されているだけであるので、一
瞥したでけで多くの個人情報を識別することはできない
という問題があるのである。
【0006】この発明の目的は、前記問題点を解決し、
大量生産に好適で耐久性に優れると共に、一瞥しただけ
で多くの個人情報を容易に認識することができ、しかも
その大きさを小型化することもできるIDカード、並び
に、前記IDカードを大量、かつ個人情報に応じて複数
種製造することができる方法及び装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
にこの発明者らが鋭意検討した結果、転写画像を形成し
た後に、その表面又は転写画像を形成していない受像層
の表面に不透明かつ特定色の有色層を設ければ、あるい
は更にその有色層の表面に転写画像を形成すれば、限ら
れた小さなスペースに、一瞥しただけで容易に識別可能
な特定情報を形成することができることを見出し、この
発明に到達したものである。
【0008】即ち、前記課題を解決するための請求項1
に記載の発明は、支持体の表面に、転写画像を有する受
像層と、ホットスタンパーにより転写されてなる有色層
と、紫外線硬化保護層とを、この順に有してなることを
特徴とするIDカードであり、請求項2に記載の発明
は、受像層及び有色層と紫外線硬化保護層との間に、受
像層及び有色層の全表面を被覆した透明保護層を有して
なる前記請求項1に記載のIDカードであり、請求項3
に記載の発明は、支持体上に形成した受像層の表面に、
転写画像を形成した後、ホットスタンパーで有色層を形
成し、前記受像層及び有色層の全表面に紫外線硬化保護
層を形成することを特徴とするIDカードの製造方法で
あり、請求項4に記載の発明は、支持体上に形成した受
像層の表面に、転写画像を形成する感熱転写記録手段
と、転写画像を有する受像層の表面に有色層を形成する
ホットスタンパーと、紫外線硬化保護層を形成する紫外
線硬化保護層形成手段とを有するIDカードの製造装置
である。
【0009】
【作用】この発明のIDカードは、支持体の表面に、転
写画像を形成した受像層と、有色層とを有するので、こ
の有色層に各種の意味付けをしておくと、これを見た人
は、転写画像及び有色層で形成した各種の情報を、一瞥
しただけで容易に認識可能である。また、この発明のI
Dカードは、受像層及び有色層の全表面に形成した紫外
線硬化保護層を有することにより、形成した個人情報は
保護されると共にIDカードの機械的強度が向上する。
【0010】この発明のIDカードの製造装置は、支持
体上に形成した受像層の表面に、感熱転写記録手段によ
り、転写画像を形成する。続いてホットスタンパーによ
り、転写画像が形成された受像層表面における所定部位
に、有色層を転写形成する。その後、紫外線硬化保護層
形成部により、受像層及び有色層の全表面に紫外線硬化
性樹脂を塗布すると共にこれを硬化して紫外線硬化保護
層が形成する。
【0011】この発明のIDカードの製造方法は、前記
製造装置を用いてIDカードを製造する方法である。即
ち、感熱転写記録手段において感熱転写記録方式によ
り、受像層の表面に転写画像が形成される。続いて受像
層表面の所定部位に、ホットスタンパーにより有色層が
形成される。また、紫外線硬化保護層形成手段において
紫外線硬化性樹脂の塗布及び硬化が行なわれることによ
り、紫外線硬化保護層が形成される。
【0012】
【実施例】以下、この発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。ただし、参照する図面は、この発明
をより分かり易く説明するために掲げたものであり、こ
の発明を何ら限定するものではない。 (一)IDカード 図1〜3は、この発明に係るIDカードにおける断面の
一例の概略説明図である。
【0013】図1におけるIDカードは、支持体1の片
面における全部又は一部に受像層2を設けることにより
形成された基材aを有する。そして、その受像層2の表
面に、熱昇華型感熱転写記録方式により形成された階調
情報含有画像3及び熱溶融型感熱転写記録方式により形
成された文字情報含有画像4が形成されている。IDカ
ードは、受像層2及びこれら転写画像の表面に有色層5
を有し、更に受像層2及び有色層5の全表面に紫外線硬
化保護層6を有する。
【0014】図2におけるIDカードは、有色層5の表
面に熱溶融型感熱転写記録方式により形成された文字情
報含有画像4が形成されている。図3におけるIDカー
ドは、受像層2及び有色層5と紫外線硬化保護層6の間
に更に透明保護層7を有する。以下、この図1〜3に示
される例に基づき、支持体(1)及び受像層(2)から
なる基材(a)、階調情報含有画像(3)、文字情報含
有画像(4)、有色層(5)、紫外線硬化保護層
(6)、透明保護層(7)、及びその他の層(8)につ
いて、この順に詳細に説明する。
【0015】(a)基材 この発明における基材(a)は、以下に説明する支持体
(1)とその一方の表面における全部又は一部に形成さ
れる受像層(2)とからなる。 (1)支持体 この発明における支持体1としては、例えば、紙、コー
ト紙、及び合成紙(ポリプロピレン、ポリスチレン、又
はそれらを紙と貼り合せた複合材料)等の各種紙類、白
色の塩化ビニル系樹脂シート、白色のポリエチレンテレ
フタレートベースフィルム、透明のポリエチレンテレフ
タレートベースフィルム、ポリエチレンナフタレートベ
ースフィルム等の各種プラスチックフィルムないしシー
ト、各種の金属で形成されたフィルムないしシート、各
種のセラミックス類で形成されたフィルムないしシート
等を挙げることができる。
【0016】支持体1中には、後の工程で形成される画
像の鮮明性を高めるために、チタンホワイト、炭酸マグ
ネシウム等の白色顔料が添加されているのが好ましい。
基材aを、支持体1と受像層2との積層体として形成す
る場合には、その支持体1の厚みは、通常100〜1,
000μmであり、好ましくは200〜800μmであ
る。また、基材aを支持体1のみで形成する場合には、
その支持体1の厚みは、通常100〜1,000μmで
あり、好ましくは200〜800μmである。支持体1
には、必要に応じて、エンボス、サイン、ICメモリ
ー、光メモリー、磁気記録層、他の印刷等を設けておく
のが好ましい。
【0017】(2)受像層 受像層2は、支持体1の表面における全部又は一部に形
成される。受像層2は、バインダー(2−1)と各種の
添加剤(2−2)とで形成することができる。場合によ
ってはバインダーのみから形成することもできる。この
発明における受像層2には、熱昇華型感熱転写記録方式
により熱昇華性色素による諧調情報含有画像3が形成さ
れると共に、熱溶融型感熱転写記録方式により文字情報
含有画像4が形成される。この場合、熱昇華性色素の染
着性が良好であると共に熱溶融性インクの接着性も良好
であることが要求される。かかる特別な性質を有する受
像層にするには、後述するように、バインダー(2−
1)及び各種の添加剤(2−2)の種類及びそれらの配
合量を適宜に調整することを要する。
【0018】この発明の受像層には、感熱転写記録方式
による転写画像が形成される前に、予め印刷法等により
一定のフォーマットを形成しておいてもよい。以下に、
受像層2を構成する成分について詳述する。
【0019】(2−1)バインダー この発明における受像層用のバインダーは、通常に知ら
れている熱昇華型感熱転写記録用の受像層を適宜に用い
ることができる。主なバインダーとしては、塩化ビニル
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、アクリル系樹脂、セルロース樹脂(例えば、エチル
セルロース、ニトロセルロース等)、ポリビニルアセタ
ール樹脂、各種の耐熱性樹脂などを挙げることができ
る。ただし、この発明によって形成される画像につき、
実際的要求(例えば、発行されるIDカードに所定の耐
熱性が要求されるなど)が存在するのであれば、そのよ
うな要求項目を満たすようにバインダーの種類又は組合
せを考慮することが必要になる。
【0020】また、場合によっては、シリコン化合物な
どの剥離機能を有するものとの共重合体であってもよ
い。この発明における前記各種の樹脂から選択されるバ
インダーは、受像層の膜強度の増加、熱昇華性色素の転
写時の融着防止、熱昇華性色素の滲み防止などの物性改
質の目的でイソシアネート系硬化剤による硬化、紫外線
硬化性樹脂等による硬化等を行ってもよい。また、受像
層の物性改良の方法として、前記硬化剤の他に適着の添
加剤を添加してもよい。
【0021】(2−2)添加剤 受像層2には、それ自体公知の剥離剤(例えば、シリコ
ン系剥離剤など)、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、フィラー(無機微粒子、有機樹脂粒子)、顔料を添
加してもよい。また増感剤として可塑剤、熱溶剤などを
を添加してもよい。 −基材aの製造− この発明における基材aは、受像層2を形成する成分を
溶媒に分散あるいは溶解してなる受像層用塗工液を調製
し、その受像層用塗工液を支持体1の表面に塗布し、乾
燥する塗工法によって製造することができる。
【0022】また、前記受像層を形成する成分を有する
混合物を溶融押出し、支持体1の表面にラミネートする
ラミネート法等によっても製造することができる。前記
塗工法に用いる溶媒としては、水、アルコール、メチル
エチルケトン、トルエン、ジオキサン、シクロヘキサノ
ンなど、従来から公知の溶媒を挙げることができる。
【0023】前記ラミネート法を採用するときには、共
押出法を採用することもできる。
【0024】受像層2は、支持体1の表面全面に渡って
形成されていてもよいし、また支持体1の表面の一部に
形成されていてもよい。支持体1の表面に形成される受
像層2の厚みは、一般に2〜50μmであり、好ましく
は3〜20μm程度である。
【0025】一方、受像層2が自己支持性であるが故に
受像層そのものが支持体1であり、かつ基材aであり得
る場合には、受像層2の厚みは60〜200μmであ
り、好ましくは90μm〜150μm程度である。な
お、この基材aにおいては、感熱転写記録用インクシー
トのインク層との融着防止をより効果的にするため、受
像層2の表面に剥離剤(前記シリコン樹脂、変性シリコ
ン樹脂、シリコンオイル膜又はその硬化体)を含有する
剥離層が更に積層されていてもよい。
【0026】(3)階調情報含有画像 ここで言う階調情報含有画像3とは、熱昇華性色素で形
成された画像をいう。熱昇華性色素により形成される画
像の多くは、単色あるいは多色の諧調性を有する。ID
カードの場合、この階調情報含有画像3は人物像である
ことが多い。もっとも、前記階調情報含有画像3は人物
像に限らず、その目的に応じて、風景、絵画、抽象模様
であってもよい。階調情報含有画像3は、後述する熱昇
華型インクシートを用いて後述する画像形成方法により
受像層2の表面に形成される。
【0027】=熱昇華型インクシート= 熱昇華型インクシートは、支持体とその上に形成された
熱昇華性色素含有インク層とで構成することができる。 −熱昇華性色素含有インク層− 上記熱昇華性色素含有インク層は、基本的に熱昇華性色
素とバインダーとを含有する。 (熱昇華性色素)熱昇華性色素としてはシアン色素、マ
ゼンタ色素、イエロー色素を挙げることができる。
【0028】前記シアン色素としては、それ自体公知の
化合物を使用することができ、例えば、ナフトキノン系
色素、アントラキノン系色素、アゾメチン系色素等を挙
げることができる。前記マゼンタ色素としては、それ自
体公知の化合物を使用することができ、例えば、アント
ラキノン系色素、アゾ色素、アゾメチン系色素等を挙げ
ることができる。
【0029】イエロー色素としては、それ自体公知の化
合物を使用することができ、例えば、メチン系色素、ア
ゾ系色素、キノフタロン系色素、アントライソチアゾー
ル系色素を挙げることができる。前記熱昇華性色素の使
用量は、通常、支持体1m2 当たり0.1〜20gであ
り、好ましくは0.2〜5gである。
【0030】(バインダ−)熱昇華性色素含有インク層
用のバインダーとしては、セルロース系樹脂、ビニル系
樹脂、ゴム系樹脂、アイオノマー樹脂、オレフィン系樹
脂等を挙げることができる。これらの樹脂の中でも、耐
酸性の優れたポリビニルブチラール、ポリビニルアセト
アセタールあるいはセルロース系樹脂が好ましい。
【0031】前記各種のバインダーは、その一種を単独
で使用することもできるし、またその二種以上を併用す
ることもできる。バインダーと前記熱昇華性色素との重
量比は、1:10〜10:1が好ましく、2:8〜8:
2の範囲が特に好ましい。
【0032】(その他の任意成分)更に前記熱昇華性色
素含有インク層には、この発明の目的を阻害しない範囲
で、各種の添加剤を添加することができる。その添加剤
としては、シリコン樹脂等の剥離性化合物、金属微粉末
等のフィラー、バインダー成分と反応可能な硬化剤(例
えば、イソシアネート類やアクリル類やエポキシ類等の
放射線活性化合物)などを挙げることができる。更にま
た、添加剤として転写を促進するための熱溶融性物質、
例えば、ワックスや高級脂肪酸エステルなどの、特開昭
59−106997号公報に記載の化合物を挙げること
ができる。
【0033】−支持体− 熱昇華型インクシートの支持体としては、寸法安定性が
よく、感熱ヘッドでの記録の際の熱に耐えるものあれば
特に制限はなく、例えば、特開昭63−193886号
公報の第2頁左下欄第12行から18行に記載のフィル
ムないしシートを使用することができる。支持体の厚さ
は、2〜10μmが好ましく、また支持体にはバインダ
ーとの接着性の改良や色素の支持体側への転写、染着を
防止する目的で下引層を有していてもよい。
【0034】更に支持体の裏面(熱昇華性色素含有イン
ク層と反対側)には、ヘッドが支持体に融着やスティッ
キング、シワの発生するのを防止する目的でスティッキ
ング防止層を設けてもよい。このスティッキング防止層
の厚みは通常、0.1〜1μmである。支持体の形状に
ついては特に制限がなく、例えば、広幅のシートやフィ
ルム、細幅のテープやカードなど任意の形状がある。
【0035】=熱昇華型インクシートの製造= 熱昇華型インクシートは、熱昇華性色素含有インク層を
形成する前記各種の成分を溶媒に分散ないし溶解して熱
昇華性色素含有インク層形成用塗工液を調製し、これを
支持体の表面に塗工し、乾燥することにより製造するこ
とができる。なお、前記バインダーは、一種又は二種以
上を溶媒、例えば、水、アルコール類、セロソルブ類、
芳香族類、ケトン類、エステル系溶剤、エーテル類、塩
素系溶剤等に溶解若しくはラテックス状に分散させて用
いる。
【0036】前記塗工には、従来から公知のグラビアロ
ールによる面順次塗り別け塗布法、押し出し塗布法、ワ
イヤーバー塗布法、ロール塗布法等を採用することがで
きる。熱昇華性色素含有インク層は、支持体の表面の全
面又は一部の表面に、単色の熱昇華性色素を含有する層
として形成されてもよいし、また、バインダーとイエロ
ー色素とを含有するイエロー熱昇華性色素含有インク
層、バインダーとマゼンタ色素とを含有するマゼンタ熱
昇華性色素含有インク層及びバインダーとシアン色素と
を含有するシアン熱昇華性色素含有インク層が、平面方
向に沿って一定の繰り返しで支持体の表面の全面あるい
は一部の表面に形成されていてもよい。
【0037】(階調情報含有画像3の形成法)階調情報
含有画像3を形成するには、熱昇華型インクシートの熱
昇華性色素含有インク層と基材aにおける受像層2とを
重ね合わせ、熱昇華性色素含有インク層と受像層2とに
像様に熱エネルギーを与える。熱昇華性色素含有インク
層中の熱昇華性色素は、与えられた熱エネルギーに応じ
た量だけ気化あるいは昇華し、受像層2側に移行し、受
容される。
【0038】その結果、受像層2に階調情報含有画像3
が形成される。前記熱エネルギーを与える熱源として
は、特に制限はなくそれ自体公知のものを用いることが
できる。中でも、与える熱エネルギーを連続的にあるい
は多段階に変化させることができるサーマルヘッドが一
般的である。以上の熱昇華型感熱転写記録方式により、
基材aにおける受像層2に一色の画像を記録することが
できるが、下記の方法によると、各色の掛け合せからな
るカラー写真調のカラー画像を得ることもできる。この
発明においては、熱昇華型感熱転写記録方式による諧調
情報含有画像の形成と、熱溶融型感熱転写記録方式によ
る文字情報含有画像の形成とを、この順に行なってもよ
いし、また、この逆に行なってもよい。
【0039】(4)文字情報含有画像 文字情報含有画像4は、後述する熱溶融型インクシート
を用いて後述する画像形成方法により受像層2に形成さ
れる。 =熱溶融性インクシート= 熱溶融性インクシートは、支持体上に熱溶融性インク層
を積層してなる。なお、この熱溶融性インクシートは、
その特性を損なわない範囲内で他の層を有していてもよ
い。例えば、前記熱溶融性インク層と支持体との間に剥
離層が設けられていてもよく、またこの剥離層と支持体
との間に中間層などが積層されていてもよく、また、最
外層にインク保護層を設けるなど前記熱溶融性インク層
の上に他の層が積層されていてもよい。更に、前記剥離
層や熱溶融性インク層は、必要に応じて、多層構造にさ
れていてもよい。
【0040】次に、この発明の熱溶融性インクシートの
構成について、支持体、剥離層、熱溶融性インク層の順
に説明する。 −支持体− 熱溶融性インクシートにおける支持体は、良好な耐熱強
度を有するとともに寸法安定性の高いことが望ましい。
その材料としては、例えば、特開昭63−193886
号公報の第2頁左下欄第12行から18行に記載のフィ
ルムないしシートを使用することができる。
【0041】支持体の厚みは、通常、30μm以下、好
ましくは2〜30μmの範囲内である。支持体の厚みが
30μmを超えると、熱伝導性が劣化して、印字品質の
低下を招くことがある。
【0042】なお、この熱溶融性インクシートにおい
て、支持体の裏面側の構成については任意であり、例え
ばスティッキング防止層等のバッキング層を設けてもよ
い。 −熱溶融性インク層− 熱溶融性インク層は、熱溶融性化合物、熱可塑性樹脂及
び着色剤等から構成される。前記熱溶融性化合物として
は、特に制限はなくそれ自体公知の化合物を使用するこ
とができ、例えば、熱可塑性樹脂の低分子量物、あるい
は特開昭63−193886号公報の第4頁左上欄第8
行から同頁右上欄第12行までに例示の物質を挙げるこ
とができ、更にこれらの他に、ロジン誘導体、並びに、
フェノ−ル樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、シクロペ
ンタジエン樹脂及び芳香族炭化水素樹脂などを挙げるこ
とができる。
【0043】なお、これらの熱溶融性化合物は、分子量
が通常、10,000以下、特に、5,000以下で、
融点又は軟化点が50〜150℃の範囲にあるものが好
ましい。前記熱溶融性化合物は、一種単独で使用しても
よいし、二種以上を組合せて用いてもよい。前記熱溶融
性インク層の成分として使用される前記熱可塑性樹脂と
しては、通常この種の熱溶融性インクシートの熱溶融性
インク層に使用されるものなど各種のものが使用可能で
あり、例えば、特開昭63−193886号公報の第4
頁右上欄第5頁左上欄第18行に例示の物質を挙げるこ
とができる。
【0044】前記熱溶融性インク層の成分として使用さ
れる前記着色剤としては、通常この種の熱溶融性インク
シートの熱溶融性インク層に使用されるものを制限なく
使用することができ、例えば、特開昭63−19388
6号公報第5頁右上欄第3行から第15行に記載の無機
顔料、有機顔料等の顔料、及び有機染料等の染料を挙げ
ることができる。
【0045】前記熱溶融性インク層の膜厚は、通常、
0.6〜5.0μmであり、特に1.0〜4.0μmで
あるのが好ましい。この熱溶融性インク層は、形成成分
を有機溶媒に分散又は溶解して塗布する方法(有機溶剤
法)、加熱により熱可塑性樹脂などを軟化又は溶融状態
にして塗布する方法(ホットメルト塗布法)などを採用
して塗設されていてもよいが、形成成分を水や有機溶媒
に分散若しくは溶解させたエマルジョン又は溶液などを
用いて塗工されてなるのが好ましい。また、塗布方法
は、通常の方法を利用して行なうことができる。塗布方
法の例としては、ワイヤーバーを用いた方法、スクイズ
コート法及びグラビアコート法などを挙げることができ
る。
【0046】(文字情報含有画像4の形成)この熱溶融
性インクシートを用いる熱溶融型転写方法は、通常の感
熱転写記録方法と異なるものではないが、熱源として最
も典型的な熱ヘッドを使用する場合を例にして説明す
る。まず、熱溶融性インクシートの熱溶融性インク層と
基材の受像面とを密着させ、必要に応じて更に基材の背
面からプラテンによって熱パルスを与えつつ、熱ヘッド
によって熱パルスを与え、所望の印字ないし転写パター
ンに対応する熱溶融性インク層を局部的に加熱する。
【0047】熱溶融性インク層の被加熱部は、その温度
が上昇し、速やかに軟化して基材の受像層2に転写され
る。なお、この文字情報含有画像4の形成は、前記した
階調情報含有画像3の形成に先立って行われてもよく、
また、階調情報含有画像3が形成されてからこの文字情
報含有画像4の形成が行われてもよい。
【0048】(5)有色層 この発明における有色層5は、金属蒸着層と必要に応じ
て用いられる色素層とをこの順に有する。更に必要に応
じて、金属蒸着層の下に、それ自体公知の接着性良好な
物質から形成される接着層を有しても、あるいはこれら
の層の間に中間層を適宜有してもよい。前記色素層は、
色素層形成物質を用いて形成され、目的に応じて選択さ
れた色を有する。
【0049】前記色素層形成物質としては、例えば、塩
化ビニル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂やエ
チレン、酢酸ビニル、塩化ビニルを単位とした共重合
体、ポリエステル樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂、ポリアミド樹脂、ニトリルゴム樹脂、ス
チレン樹脂、スチレンアクリル共重合体樹脂、アクリル
酸エステル樹脂、酢酸ビニルアクリル共重合体樹脂、ス
チレン−ブタジエン系樹脂などがあり、特開昭63−1
93886号公報の第4頁右上欄第16行から第5頁左
上欄第18行までに記載の熱可塑性樹脂を挙げることが
できる。
【0050】これらの中でも好ましいのは、アクリル樹
脂である。前記色素層形成物質としては、新たに合成し
たものでもあるいは市販品でもよい。前記金属蒸着層と
しては、特に制限はなくそれ自体公知の化合物を用いる
ことができる。この発明においては、例えば、アルミ蒸
着層を好ましい例として挙げることができる。アルミ蒸
着層は、10〜1000Å程度の厚さでよい。
【0051】有色層5の色としては、下地が透けて見え
ない不透明であればよく特に制限はないが、例えば、一
瞥しただけで容易に識別することのできる、金色、銀色
等の金属色であることが好ましい。例えば、金色の有色
層5とする場合には、アルミ箔である金属蒸着層の表面
に、黄色の色素層を設ければ、金色の有色層5とするこ
とができ、また、色素層を設けず、アルミ箔である金属
蒸着層のみを用いれば、銀色の有色層5とすることがで
きる。
【0052】有色層5を形成する場所としては、受像層
2における諧調情報含有画像3あるいは文字情報含有画
像4を形成した場所の表面、受像層2におけるこれら転
写画像が形成されていない場所の表面、あるいは転写画
像の形成された受像層2の全表面でもよく、その目的に
応じて適宜選択すればよい。変造防止を目的とした場
合、例えば、人物画像の端面に有色層5により割り印を
形成することが好ましい。また、2種以上のIDカー
ド、例えば免許証を製造する場合、例えば、免許証の更
新年数を表示する数字等の文字情報を隠蔽するように有
色層5を形成することが特に好ましい。この場合、受像
層2に形成されている情報を隠蔽するので、隠蔽しない
通常のIDカードとは異なる種類のIDカードに容易に
することができる。
【0053】また、この発明においては、有色層5の表
面に、後述する熱溶融型感熱転写記録方式を用いて文字
情報含有画像4等を形成することが好ましい。こうする
と、一瞥しただけで容易に識別することが可能になる。
これにより複数種のカードを単に有色層5を設けるだけ
で容易に製造することができる。有色層5は、更にその
他の成分を含有することができる。その他の成分として
は特に制限はなく、この発明の目的を損なわなければ、
有色層5は種々の物質をその他の成分として含有するこ
とができる。
【0054】有色層5は一層で形成されていても、ある
いは、二層以上で形成されていてもよい。有色層5は、
例えば、像様に加熱することにより目的のパターンを形
成することのできる機械等を用いることにより形成する
ことができる。これらの中でもホットスタンパーを好ま
しい例として挙げることができる。有色層5を形成する
場合、予め有色層形成用転写箔26につき一又は複数の
パターンを用意しておき、目的や個人情報に応じて前記
パターンを選択して形成することができるようにしてお
くこともできる。有色層5の厚みとしては、後述する紫
外線硬化保護層6の均一な塗布性を考慮して、通常0.
5〜20.0μmであり、好ましくは1.0〜10.0
μmである。
【0055】(6)紫外線硬化保護層 この発明のIDカードにおいては、紫外線照射によって
硬化してなる実質的に透明な紫外線硬化保護層6を、階
調情報含有画像3及び文字情報含有画像4を有する基材
aの表面全面に形成している。紫外線硬化保護層6は、
紫外線硬化性樹脂を含有するコーティング剤を上記基材
a上に塗布し、紫外線を照射することにより、形成する
ことができる。
【0056】(コーティング剤)このコーティング剤
は、紫外線硬化性のプレポリマーと重合開始剤とを主成
分とする組成物によって形成することができる。紫外線
硬化性のプレポリマーとしては、1分子内にエポキシ基
を2個以上含有するプレポリマーを挙げることができ
る。このようなプレポリマーとしては、例えば、脂環式
ポリエポキシド類、多塩基酸のポリグリシジルエステル
類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリ
オキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル
類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類、芳
香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加
化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物類及びエポキシ
化ポリブタジエン類等を挙げることができる。これらの
プレポリマーは、その一種を単独で使用することもでき
るし、また、その二種以上を混合して使用することもで
きる。
【0057】コーティング剤中の、エポキシ基を1分子
内に2個以上有するプレポリマーの含有量は70重量%
以上であるのが好ましい。前記重合開始剤としては、カ
チオン重合開始剤が好ましく、具体的には芳香族オニウ
ム塩を挙げることができる。この芳香族オニウム塩とし
て、周期表第Va族元素の塩、第VIa族元素の塩、及び
第VII a族元素の塩を挙げることができる。
【0058】このような芳香族オニウム塩をエポキシ化
合物の重合におけるカチオン重合開始剤として使用する
ことは、米国特許第4,058,401号、同第4,0
69,055号、同第4,101,513号及び同第
4,161,478号公報に詳述されている。好ましい
カチオン重合開始剤としては、第VIa族元素のスルホニ
ウム塩が挙げられる。その中でも、紫外線硬化性と紫外
線硬化性の組成物の貯蔵安定性の観点からすると、ヘキ
サフルオロアンチモン酸トリアリールスホニウムが好ま
しい。
【0059】カチオン重合開始剤のコーティング剤中の
含有量は、3〜20重量%が好ましく、特に5〜12重
量%が好ましい。カチオン重合開始剤の含有量がコーテ
ィング剤の1重量%を越えないときには、紫外線を照射
したときに硬化速度が極端に遅くなることがあり、好ま
しくない。紫外線硬化性の樹脂としては、前記エポキシ
系硬化性樹脂に限られず、ラジカル重合性の樹脂、例え
ば単官能性あるいは多官能性アクリレート化合物等を挙
げることができる。
【0060】コーティング剤中には、更に油類、シリコ
ーン油含有脂肪族エポキシド類、3M社から市販されて
いるFO−171及び3M社から市販されているFO−
430のようなフルオロカーボン界面活性剤等を含有さ
せてもよい。このコーティング剤中には、更に、例え
ば、ビニル単量体、モノエポキシド等が、この発明の効
果を阻害しない範囲で含有されていてもよい。
【0061】また、このコーティング剤中には、不活性
性成分として、例えば、充填剤、染料、顔料、増粘剤、
可塑剤、安定剤、レベリング剤、カップリング剤、粘着
付与剤、シリコーン基含有活性剤、フルオロカーボン基
含有表面活性剤等の濡れ向上剤、その他の各種添加剤、
更に紫外線硬化保護層用コーティング剤の塗布中におけ
る流動性を改良することを目的として、前記カチオン重
合開始剤とほとんど反応しない少量の溶剤を含有させて
もよい。
【0062】(塗布方法及び塗布条件)前記コーティン
グ剤の基材a表面への塗布は、溶剤等を加えるなどして
適宜の粘度に調整された紫外線硬化保護層用コーティン
グ剤を、ダブルロールコーター、スリットコーター、エ
アナイフコーター、ワイヤーバーコーター、スライドホ
ッパー、スプレーコーティング等の通常の方法にて基材
a表面に塗布することにより、達成することができる。
これらの適宜の塗布方法により、前記コーティング剤に
よる塗布層が、基材aの表面に、通常0.1〜30μ
m、好ましくは1〜14μmの厚みになるように、塗布
される。塗布後に、前記コーティング剤による塗布層に
紫外線が照射され、コーティング剤中の紫外線硬化性の
プレポリマーの重合反応ないし硬化反応が進行する。
【0063】(7)透明保護層 この発明のIDカードにおいては、必要に応じて透明保
護層7を設けることができる。この透明保護層7を設け
る主たる目的は、以下の通りである。即ち、IDカード
の保護性及び耐久性等の向上のために紫外線照射によっ
て硬化した樹脂硬化物からなる紫外線硬化保護層6を被
覆形成するに際して、もし、紫外線硬化性の樹脂を含有
するコ−ティング剤を階調情報含有画像3上に直接に塗
布すると、前記コ−ティング剤中に存在する紫外線硬化
性の樹脂や溶剤の作用によって、熱昇華性色素による階
調情報含有画像3あるいは熱溶融性インクによる文字情
報含有画像4が滲んだり変色したりするなどの支障をき
たし、鮮明な転写画像が得られない。そこで、この発明
のIDカードにおいては、透明保護層7を設けて、少な
くとも熱昇華性色素あるいは熱溶融性インクにより形成
された転写画像と前記コ−ティング剤との接触を避け
て、その昇華性色素あるいは熱溶融性インクの滲み及び
変色を防止し、形成された画像をそのまま鮮明な状態に
保護するのである。
【0064】また、前記硬化保護層形成時における前記
紫外線照射による熱昇華性色素の変質(分解や他の物質
との反応を伴うことによる変質と推定される。)や変色
をも効果的に防止する為にも、透明保護層7を設ける必
要があるのである。といって、透明保護層7を、受像層
2、階調情報含有画像3及び文字情報含有画像4の転写
画像における表面に設けることによって、その転写画像
が損なわれてはならない。
【0065】したがって、この透明保護層7に要求され
る性質としては、透明であること、熱昇華性色素あるい
は熱溶融性インクの拡散移動が極力小さいこと、紫外線
照射時に熱昇華性色素あるいは熱溶融性インクに対する
紫外線の干渉をできるだけ小さくすることができるこ
と、コーティング剤を塗布する際にコーティング剤が昇
華性色素あるいは熱溶融性インクに接触しないようにす
ることができること等が要求される。
【0066】この透明保護層7により被覆される領域
は、受像層2及び有色層5の全表面でもよいし、また、
全表面を被覆しなくとも、少なくとも熱昇華性色素によ
る転写画像を被覆するように、昇華画像の表面でもよ
い。更に、有色層5と透明保護層7とを同一箔として、
即ち、有色部分と透明部分とを塗り分けて、同時にカー
ド上に転写することも、もちろん可能である。
【0067】(透明保護層7の構成)このような要求を
満たす透明保護層7としては、特開昭63−18388
1号公報の第9頁左下欄第9行から第10頁左上欄第1
5行に記載の熱溶融性化合物と同公報の第10頁左上欄
第16行から第11頁左下欄第9行に例示の熱可塑性樹
脂とで形成することができる。透明保護層7の厚みは、
紫外線硬化保護層6の均一な塗布性を考慮して、通常
0.5〜20.0μmであり、好ましくは1.0〜1
0.0μmである。
【0068】=透明保護層形成用転写シート= 受像層2、階調情報含有画像3及び文字情報含有画像4
上に透明保護層7を形成するには、透明保護層形成用転
写シートを使用するのがよい。この透明保護層形成用転
写シートは、支持体上に、剥離層と、透明保護層7と、
必要に応じて設けられた接着層とをこの順に積層するこ
とにより構成することができる。
【0069】透明保護層7を形成する好ましい態様の転
写シートとして、支持体上に、前記剥離層及び透明保護
層7をこの順に積層してなる透明保護層形成用シート部
と、熱溶融性インクシート部とを、区分けして形成して
なるものを挙げることができる。この転写シートにあっ
ては、基材aの受像層2に、前記熱溶融性インクシート
で文字情報含有画像4を形成することができると共に、
前記透明保護層形成用転写シート部により、基材aの受
像層2に形成してなる階調情報含有画像3面に透明保護
層7を同時に形成することができる。
【0070】(8)その他の層 この発明のIDカードは、更に目的に応じて、この発明
の目的を損なうことがなければ、支持体1における受像
層2が形成されていない他の表面に筆記層を設けたり、
支持体1と受像層2との間に中間層を設けたりすること
もできる。 {IDカードの製造装置及び方法}この発明のIDカー
ド製造装置及び方法について図4を参照して詳細に説明
する。ただし、参照する図4はこの発明をより詳細に説
明するために掲げたものであって、この発明を何ら限定
するものではない。図4は、この発明におけるIDカー
ドの製造装置の一例を示す概略説明図である。この発明
のIDカードの製造装置は、感熱転写記録部(10)、
有色層形成部(11)、及び紫外線硬化保護層形成部
(12)を有する。更に、必要に応じて透明保護層形成
部(13)を有する。
【0071】また、この発明の製造方法は、前記装置を
用いてIDカードを製造する方法であり、感熱転写記録
部(10)による転写画像を形成する工程、有色層形成
部(11)による有色層を形成する工程、及び紫外線硬
化保護層形成部(12)による紫外線硬化保護層を形成
する工程、更に必要に応じて透明保護層形成部(13)
による透明保護層を形成する工程を有する。以下に、こ
の発明のIDカードの製造装置及び方法について説明す
る。
【0072】《感熱転写記録部(10)及び転写画像形
成工程》感熱転写記録部(10)及び転写画像形成工程
は、熱昇華性インクシートを用いる熱昇華型感熱転写記
録方式による諧調情報含有画像3を形成する部あるいは
工程と、熱溶融性インクシートを用いて熱溶融型感熱転
写記録方式による文字情報含有画像4を形成する部ある
いは工程とからなる。感熱転写記録部は、熱昇華型ある
いは熱溶融型インクシ−ト20、25の供給ロ−ラ21
と巻き取りロ−ラ22とこれらのローラの間で感熱転写
記録用インクシ−ト20、25の背面側に位置するサ−
マルヘッド23を備えてなる。
【0073】搬送部14により送られてきた基材aと供
給ロ−ラ21から送りこまれた熱昇華型インクシ−ト2
0とは、基材aにおける受像層2とインク層とが向き合
うように重ねられ、熱昇華型インクシ−ト20の背面か
らサ−マルヘッド23により像様に加熱され、これによ
り受像層に階調情報含有画像3が形成される。諧調情報
含有画像3形成後は、熱昇華型インクシ−ト20は巻き
取りロ−ラ22に巻き取られる。
【0074】この工程を、イエロー、マゼンタ、シアン
の3色のインクにつき行ない、前記3色のインクを順次
転写し積層することにより諧調情報含有画像3を形成す
ることができるのである。イエロー、マゼンタ、シアン
の3色のインクを転写する順序は適宜選択することがで
きる。階調情報含有画像3が形成された基材aにおける
受像層2は、次に、供給ロ−ラ21から送り込まれた熱
溶融型インクシ−ト25に、受像層2とインク層とが向
き合うように重ねられ、熱溶融型インクシ−ト25の背
面からサ−マルヘッド23により像様に加熱され、これ
により文字情報含有画像4が受像層2の表面に形成する
ことができる。
【0075】文字情報含有画像4は通常、黒色のインク
で形成されるが、必要に応じて、更に赤等をはじめとす
る他のインクを用いても形成することができる。階調情
報含有画像3及び文字情報含有画像4が形成された受像
層2は、続いて有色層形成部(11)に送られ、有色層
5の形成が行なわれる。この発明においては、もちろ
ん、有色層5の形成が文字や顔写真の形成の形成前に、
例えば、カード上に予めなされていてもよい。
【0076】《有色層形成部(11)及び有色層形成工
程》次に、有色層形成部11において像様に加熱するこ
とにより、受像層2の表面に有色層5を形成する。この
発明の有色層形成部11としては、例えば、ホットスタ
ンパーを好ましい例として挙げることができる。この場
合、有色層5は、ホットスタンパーを用いて像様に加熱
してホットスタンプすることにより形成される。
【0077】このホットスタンプでは、有色層形成用転
写箔26が用いられる。有色層形成用転写箔26は、支
持体上に、剥離層と、色素層及び金属蒸着層を有する有
色層形成用転写箔からなる有色層5と、必要に応じて設
けられた接着層とをこの順に積層する公知の一般的な構
成により形成することができる。有色層形成用転写箔2
6は、後述する透明保護層形成用転写シートと兼用し、
同一シート上に形成することも、装置の簡便化、プロセ
スの簡便化において有効である。例えば、この場合、ホ
ットスタンプ用の同一シートにおける一部が有色層5の
形成に用いるため着色されており、残りの部分は透明保
護層7の形成に用いるため、透明になっている。
【0078】この発明においては、図4に示すようにヒ
−トロ−ラ24あるいは図示しない刻印を用いてホット
スタンプする。このホットスタンプにおいては、受像層
2上に有色層形成用転写箔26を接するように重ね合わ
せ、その有色層形成用転写箔26上からヒ−トロ−ラ2
4で像用に加圧加熱する。このようにすると、受像層2
の表面に特定のパターンの有色層5が形成することがで
きる。また、ヒ−トロ−ラ24の構造としては、公知の
ものでよいが、中でもゴム硬度50〜100のゴムで構
成され、かつ中空部に熱源(例えば、電熱用ニクロム線
など)をセットしたものが好ましく、前記ゴムとしては
特にシリコ−ンゴムが好ましい。前記刻印としては、金
属が好ましい。
【0079】《紫外線硬化保護層形成部(12)及び紫
外線硬化保護層形成工程》有色層5の形成が終了後、こ
の紫外線硬化保護層形成部12において、受像層2及び
有色層5の全表面に紫外線硬化保護層用コーティング剤
を塗布し、これに紫外線を照射して硬化させることによ
り、紫外線硬化保護層6の形成が行なわれる。紫外線硬
化保護層形成部12あるいは工程は、紫外線硬化保護層
用コーティング剤塗布部12a及び紫外線照射部12
b、あるいはこれらの部による工程、からなる。
【0080】紫外線硬化保護層用コーティング剤塗布部
12aにおいて、前記紫外線硬化保護層用コーティング
剤は、溶剤等を加えるなどして適宜の粘度に調整された
コーティング剤をダブルロールコーター27により、基
材a表面に塗布される。塗布後に、紫外線照射室12b
において、紫外線硬化保護層用コーティング剤塗布面に
紫外線が照射され、コーティング剤中の紫外線硬化性の
プレポリマーの重合反応ないし硬化反応が進行する。
【0081】ここで、紫外線というとき、これは紫外領
域の光を意味し、また、紫外領域の光を含む光線をも含
む意味である。したがって、紫外線の照射として、太陽
光線の照射、低圧水銀灯の照射、高圧水銀灯の照射、超
高圧水銀灯の照射、カーボンア−ク等の照射、メタルハ
ライドランプによる照射、キセノンランプの照射等を挙
げることができる。紫外線を照射するときの雰囲気とし
ては、空気、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気
が好ましい。
【0082】紫外線の照射時間としては、紫外線領域の
照射光源の種類によって相違するのであるが、通常0.
5秒〜5分、好ましくは3秒〜2分である。通常、照射
時間の短い場合には照射強度の大きい大型の光源を必要
とし、照射時間が長い場合には照射強度の小さい光源を
使用することもできる。もっとも、照射強度の小さな光
源では硬化作用時間が長くなり、製造工程上有利ではな
い。しかし、この発明では、200W以下の紫外線発生
ランプを用いて、3秒から2分の照射によって、実用上
十分な強度を有する硬化被膜を形成することができる。
【0083】《透明保護層形成部(13)及び透明保護
層形成工程》この発明においては、この透明保護層部1
3及び工程は、必要に応じて採用されるものである。こ
の透明保護層形成部13あるいは工程は、有色層形成部
11あるいは工程の後に、配置され、あるいは、行なわ
れる。透明保護層7は、透明保護層形成部13により、
受像層2及び有色層5の全表面に形成される。
【0084】この発明においては、透明保護層形成部1
3としては、ホットスタンパーを好ましい例として挙げ
ることができる。このホットスタンパーは、有色層5の
形成に用いるものと同じでよく、前記有色層形成部11
及び工程において説明したように、ヒ−トロ−ラー24
を用いてホットスタンプする。このホットスタンプにお
いては、IDカードにおける受像層2及び有色層5上に
透明保護層形成用転写シートが接するように重ね合わ
せ、そのシ−トの上からヒ−トロ−ラ24で加圧加熱す
る。
【0085】このようにすると、受像層2及び有色層5
の表面に透明保護層7が転写される。透明保護層7が転
写された後は、透明保護層形成用転写シートの支持体は
透明保護層7から剥離され、また、受像層2からはみ出
た耳に相当する透明保護層7は適宜に切断除去される。
この発明では、受像層2及び有色層5の全表面が透明保
護層7で覆われるので、色素の定着性が向上する。そし
て、非画像形成部分も画像形成部分も従来と違って保護
層に凸凹がないから、外観に優れている。また、これま
でのようにバリも生じない。しかも、ホットスタンプ時
に熱が短時間に受像層2全面に均一に加えられるので、
熱変形やカ−ルなども生じ難い。
【0086】この発明においてホットスタンプに用いる
ヒ−トロ−ラー24は、ロ−ルの円周長さがカ−ド長さ
よりも長いことが好ましい。それは、ヒ−トロ−ラー2
4が一回転しないうちに透明保護層7を受像層2に転写
することができ、ホットスタンプに要する時間が短くて
済み、カールも生じ難くなるからである。それに反し
て、ヒ−トロ−ラー24が短径であればあるほどその回
転数は多くなり、ホットスタンプに時間がかかって、し
かもカ−ルが生じ易くなる。
【0087】また、ヒ−トロ−ラー24の構造として
は、公知のものでよいが、中でもゴム硬度50〜100
のゴムで構成され、かつ中空部に熱源(例えば、電熱用
ニクロム線など)をセットしたものが好ましく、前記ゴ
ムとしては特にシリコ−ンゴムが好ましい。ゴム硬度が
50未満のゴムを用いたヒ−トロ−ラー24は、透明保
護層形成用転写シートとの接着強度が小さく、またゴム
硬度が100を超えるゴムを用いたヒ−トロ−ラー24
は、透明保護層形成転写シートとの間で接着ムラが生じ
易い。
【0088】以上により、この発明のIDカードを得る
ことができる。この発明のIDカード製造装置及び工程
には、IDカードの品質を落とさないようにするため、
埃除去機構を備えることが望ましい。例えば、受像層
2、感熱転写記録用インクシ−ト、有色層形成用転写箔
26、透明保護層形成用転写シートなどの各層ないしシ
−トの表面等に付着した埃を粘着ロ−ラで除去したり、
あるいは装置内に空気やイオン含有気体を送気口から送
り込み、装置内に浮遊する埃や上記各シ−トに付着した
埃を排気口から除去することが望ましい。
【0089】
【発明の効果】この発明によると、大量生産に好適で耐
久性に優れると共に、一瞥しただけで多くの個人情報を
容易に認識することができ、しかもその大きさを小型化
することもできるIDカード、並びに、前記IDカード
を大量、かつ個人情報に応じて複数種製造することがで
きる方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明に係るIDカードにおける断
面の一例を示す概略説明図である。
【図2】図2は、この発明に係る、有色層の表面に文字
情報含有画像を設けてなるIDカードにおける断面の一
例を示す概略説明図である。
【図3】図3は、この発明に係る、透明保護層を有する
IDカードにおける断面の一例を示す概略説明図であ
る。
【図4】図4は、この発明のIDカード製造装置を示す
概略説明図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 受像層 3 階調情報含有画像 4 文字情報含有画像 5 有色層 6 紫外線硬化保護層 7 透明保護層 10 感熱転写記録部 11 有色層形成部 12 紫外線硬化保護層形成部 12a 紫外線硬化保護層用コーティング剤塗布部 12b 紫外線照射部 13 透明保護層形成部 14 搬送部 20 熱昇華型インクシート 21 供給ロール 22 巻き取りロール 23 サーマルヘッド 24 ヒートローラー 25 熱溶融型インクシート 26 有色層形成用転写箔 27 ダブルロールコーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河村 朋紀 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の表面に、転写画像を有する受像
    層と、ホットスタンパーにより転写されてなる有色層
    と、紫外線硬化保護層とを、この順に有してなることを
    特徴とするIDカード。
  2. 【請求項2】 受像層及び有色層と紫外線硬化保護層と
    の間に、受像層及び有色層の全表面を被覆した透明保護
    層を有してなる前記請求項1に記載のIDカード。
  3. 【請求項3】 支持体上に形成した受像層の表面に、転
    写画像を形成した後、ホットスタンパーで有色層を形成
    し、前記受像層及び有色層の全表面に紫外線硬化保護層
    を形成することを特徴とするIDカードの製造方法。
  4. 【請求項4】 支持体上に形成した受像層の表面に、転
    写画像を形成する感熱転写記録手段と、転写画像を有す
    る受像層の表面に有色層を形成するホットスタンパー
    と、紫外線硬化保護層を形成する紫外線硬化保護層形成
    手段とを有するIDカードの製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111267505A (zh) * 2020-03-17 2020-06-12 上海宏盾防伪材料有限公司 一种会议证件的快速制作方法及其会议证件卡

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