JPH0938426A - 水浄化装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は家庭用もしくは業務用の水浄化装置
に関するもので、水中の細菌を効果的に死滅させること
を目的とする。 【構成】 循環経路２に循環ポンプ３と、オゾン混合手
段１０と、オゾンの反応性を高めるオゾン反応手段１１
を設けた。したがってオゾンはオゾン反応手段１１内で
循環水中の細菌を効率よく死滅させ、効果的な殺菌が可
能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はプール用水、医療用殺菌
水、及び、業務用、家庭用の風呂水の水浄化装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の水浄化装置は図９に示すように、
浴槽８１の水が循環ポンプ８３によって濾過装置８７に
送り込まれ、懸濁物質が除去され、ヒーター８６を通っ
て、ノズル８５に入る。ノズルに入った水は、オゾン発
生機８４によって生成されたオゾンを混合した空気と混
合されて浴槽８１に戻り、浴槽８１内で殺菌が行われる
というものであった（例えば特開平４−３１７７９５号
公報）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では以下のような課題があった。

【０００４】（１）ノズルで混合した気泡が浴槽水内か
らすぐに空気中に出てしまうので、水中での溶存オゾン
が短時間で消失する。よって、オゾンと細菌を十分に接
触させることができなかった。

【０００５】（２）浴槽水中の溶存オゾン濃度が低いた
め、十分な殺菌能力が得られない。 （３）水浄化装置内の配管が複雑なので、自由なスペー
スが取れない。

【０００６】（４）濾過装置内の濾材粒子が積層してい
るので、濾材の深部に生息する細菌を殺菌できない。

【０００７】（５）長時間連続もしくは断続的に通電し
なくては殺菌効果が得られない。よって、オゾン発生装
置の寿命が短くなる。

【０００８】（６）オゾン処理では浴槽水中のオゾン濃
度を殺菌できる濃度までに向上させるのに時間がかかっ
た。

【０００９】そこで、本発明は上記課題を解決するもの
で、循環水中の細菌とオゾンの接触時間を向上すること
を第１の目的とした。

【００１０】また、オゾンの浴槽水への溶解能力を高め
ることを第２の目的とした。また、オゾン反応手段のス
ペースを小さくすることを第３の目的とした。

【００１１】また、濾過手段内に繁殖する細菌数を効率
よく死滅させることを第４の目的とした。

【００１２】また、オゾン供給手段の寿命を延ばすこと
を第５の目的とした。また、殺菌時間を短縮することを
第６の目的とした。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は上記第１の目的
を達成するため水の循環流路にポンプと、オゾン混合手
段と、オゾン反応手段とを設けたものである。

【００１４】また、本発明は上記第２の目的を達成する
ために、水の循環流路に、ポンプと、オゾン混合手段な
らびに、オゾン反応手段を一体にしたものを循環流路に
配置したものである。

【００１５】また、本発明は上記第３の目的を達成する
ために、水の循環流路にポンプと濾過手段とオゾン混合
手段とを配置し、濾過手段をオゾン反応手段としたもの
である。

【００１６】また、本発明は上記第４の目的を達成する
ために、水の循環流路にポンプと濾過手段とオゾン反応
手段とを配置し、前記濾過手段の上流側及び下流側にオ
ゾン混合手段を配置する構成としたものである。

【００１７】また、本発明は、上記第５の目的を達成す
るために、水の循環流路にポンプとオゾン混合手段と、
オゾン反応手段とを配置し、温度制御手段とを設け、ポ
ンプ運転による循環水の温度が所定温度以下になると殺
菌動作を行なう構成としてある。

【００１８】また、本発明は、上記第６の目的を達成す
るために、水の循環流路に、ポンプとオゾン混合手段と
オゾン反応手段とを配置し、前記オゾン反応手段内に紫
外線ランプ等の反応促進物質を設けた構成としてある。

【００１９】

【作用】本発明は上記構成により以下の作用を得ること
ができる。

【００２０】オゾン混合手段によって混合されたオゾン
と循環水中の細菌がオゾン反応手段内で接触することで
効果的に殺菌を行う。

【００２１】また、オゾン発生手段を備えたオゾン混合
手段とオゾン反応手段を一体にすることにより、オゾン
反応手段内で、一旦分離したオゾンガスと循環水を再度
混合し、循環水中の溶存オゾンの濃度を向上させること
ができる。

【００２２】また、循環回路に配置した濾過手段をオゾ
ン反応手段とすることで、濾過手段内にオゾンガスを充
満させ、循環水を高濃度オゾン雰囲気中に晒し、再度オ
ゾンガスを溶解することができるとともに装置全体のコ
ンパクト化が図れる。

【００２３】また、オゾン混合手段より流出したオゾン
を溶解させた循環水を濾過手段の上側から流し込むこと
により浴槽水の殺菌を行い、下側からオゾンを溶解させ
た循環水を流し込むことによって、濾過手段内に繁殖し
た細菌にオゾンを溶解した循環水を接触させ、細菌を死
滅させることができる。

【００２４】また、循環水の温度を下げつつそれが所定
温度以下になると殺菌を行うので、細菌の増殖速度をに
ぶらせながら効率よく殺菌を行うことができる。

【００２５】また、オゾン混合手段でオゾンを溶解した
循環水に反応促進物質から紫外線等を照射することで、
オゾンを光分解し、酸化性の強いヒドロキシラジカル種
を生成させ、この物質で循環水中の細菌を短時間で死滅
させることができる。

【００２６】

【実施例】第１の発明に対応する実施例を図１を参照し
て説明する。

【００２７】図１において、１は浴槽、２は循環流路
で、循環流路２には循環ポンプ３と内部に粒状濾材５と
濾材支持板６と整流板７を備えた濾過手段４、そして、
オゾン発生機９とエジェクター８からなるオゾン混合手
段１０と、オゾン反応手段１１を配置する。オゾン反応
手段１１の内部は円錐を二つ重ね合わせた形の空洞にな
ってる。矢印１２は水の流れを示す。

【００２８】動作を説明すると、浴槽１の水は循環ポン
プ３によって循環回路２を通ってオゾン混合手段１０の
エジェクター８に入る。循環水はオゾン発生機９で発生
したオゾンをエジェクター８によって混合され、微細気
泡になって循環回路に入る。この微細気泡となったオゾ
ンはオゾン反応手段１１に入る。オゾン反応手段１１で
は、オゾンガスは気泡状のままで滞留し、通過する。よ
って、オゾンガスの気泡の表面積が大きいまま循環水と
接触させることができる。よって、オゾンと細菌を効率
的に接触させることができる。

【００２９】なお、本実施例では反応手段１１の構成は
内部を空洞としたが、オゾンと細菌の反応性を高める構
成で例えば、オゾンの反応性を高める物質を充填しても
良い。

【００３０】次に第２の発明に対応する実施例を図２、
図３を参照して説明する。図２において、１３は浴槽
で、循環回路１４には循環ポンプ１５、内部に粒状濾材
１７、濾材支持板１８、整流板１９を備えた濾過手段１
６と、オゾン混合手段を備えたオゾン反応手段１９を配
置している。矢印２０は水の流れを示す。

【００３１】図３にオゾン混合部分を備えたオゾン反応
手段１９を示した。循環してきた水が流路絞り部分２１
と反応層部分２２とオゾン吸引部分２３とからなり、流
路絞り部分２１を通過した循環水が反応層部分２２に対
して垂直に入るような構成としている。矢印２４は水の
流れを示す。

【００３２】動作を説明すると、浴槽１３内の水は循環
ポンプ１５によって循環流路１４を通ってオゾン混合部
分を備えたオゾン反応手段１９に入る。循環してきた浴
槽水は、オゾン混合部分を備えたオゾン反応手段１９
で、オゾン発生機（図示せず。）で生成したオゾンがオ
ゾン吸引部分２３で吸引され、反応層部分２２に入る。
反応層部分２２内では、オゾンと循環してきた水が再三
運動を起こして撹拌され、オゾンと水が混合しオゾンが
効率的に溶解できる。よってオゾン溶解能力を向上させ
ることができる。

【００３３】次に本発明の第３の発明に対応する実施例
を図４、図５を参照して説明する。図４において、２５
は浴槽で、循環流路２６に循環ポンプ２７と、エジェク
ター２９、オゾン発生装置３０からなるオゾン混合手段
２８と、濾過手段３１を配置している。濾過手段３１は
図５に示すように、整流板３２と粒状濾材３３と濾材支
持板３４で構成している。矢印３５は水の流れである。

【００３４】動作を説明すると、浴槽２５内の水は、循
環ポンプ２７によって循環回路２６を通ってエジェクタ
ー２９にはいる。エジェクター２９によって、オゾン発
生装置３０で生成したオゾンが循環水と混合され、気泡
が生じる。オゾンを混合された循環水は、濾過手段３１
内に入る。循環水はオゾンの気泡を含んでいるので、濾
過手段３１内にオゾンがたまる。濾過手段３１内では図
５に示すように、濾過手段３１に流れ込んだ循環水は整
流板３２によって、流れが分散され、循環水の表面積が
大きくなる。表面積が広がったので、雰囲気中のオゾン
を溶解し、濾材支持板３３を通過して、浴槽２５に戻
る。このようにして濾過手段をオゾン反応手段として用
いることができる。

【００３５】次に第４の発明に対応する実施例を図６を
参照して説明する。図６において、３６は浴槽で、循環
流路３７に循環ポンプ３８、エジェクター３９、内部に
整流板４２、粒状濾材４３、濾材支持板４４を備えた濾
過手段４１、とエジェクター４５、オゾン発生機４０を
配置し、循環ポンプ３８とエジェクター３９の間に三方
弁４６と浴槽３６とエジェクター４５の間に三方弁４７
を配置し、配管５１でつながっている。オゾン発生機４
０とエジェクター３９及びエジェクター４５はそれぞれ
配管５２と５３でつながっている。配管５２には二方弁
４９が、配管５３には二方弁４８がある。濾過手段４１
からは配水管５４がでており、この配水管５４には二方
弁５０がついている。矢印５５は水の流れをしめす。

【００３６】動作を説明すると、通常の場合は、浴槽３
６内の水は循環ポンプ３８によって循環流路３７を通っ
てエジェクター３９に入る。エジェクター３９でオゾン
発生機４０で生成したオゾンを吸い込み、循環水にオゾ
ンを混合させ、濾過手段４１に入り内部の粒状濾材４３
の表層部分を殺菌する。その後循環水は循環流路を通っ
て浴槽３６に戻る。濾材内部を殺菌する場合は、三方弁
４６、４７を切り換え、循環水を配管５１を通し、エジ
ェクター４５でオゾンを吸い込ませ、濾過手段４１の下
側からオゾンを混合した水を流し込み、二方弁５０を開
き排水する。通常の場合は、二方弁４９は開き、４８、
５０は閉じる。濾材内部を殺菌する場合は、二方弁４９
は閉じ、４８、５０を開く。濾過手段４１がオゾン反応
層となるので、効果的に殺菌が行える。

【００３７】なお、本実施例では濾過手段４１にオゾン
を混合させるためにエジェクターを２個用いたが、濾過
層の上下からオゾンを混合した水を流すことができれば
２個でなくともよい。

【００３８】次に第５の発明に対応する実施例を図７を
参照して説明する。図７において、５６は浴槽で、循環
流路５７に循環ポンプ５８とエジェクター５９と、エジ
ェクター５９に連結したオゾン発生機６０と、オゾン反
応手段６６と内部に整流板６３と粒状濾材６４と濾材支
持板６５を備えた濾過手段６１と、浴槽水の保温を行う
ヒーター６２で構成しており、ヒーター６２には温度検
知手段６３が備わっており、浴槽５６と循環ポンプ５８
の間に設置している。矢印６７は水の流れを示す。

【００３９】動作を説明すると、浴槽５６内の水は、循
環ポンプ５８の働きにより、循環流路５７を通って、エ
ジェクター５９に入る。エジェクター５９ではオゾン発
生機６０で生成したオゾンが循環水に混入され、オゾン
反応手段６６に入り、オゾンの気泡と循環水が撹拌さ
れ、殺菌が促進される。その後濾過手段６１を通って、
ヒーター６２で加熱されて浴槽５６にもどる。浴槽５６
内の水は常時４０℃前後に保温されているので、細菌の
増殖には適当な温度帯であり、さらに、オゾンは温度が
高いほど自己溶解速度が速いので、殺菌に必要な量のオ
ゾンを溶解するのに多くのオゾンを必要とする。そこ
で、入浴が終了した後で、ヒーター６２を停止し、循環
ポンプ５８で浴槽５６の水を循環させて、水温を低下さ
せ、温度検知手段６３が所定温度以下を検出した時点か
らそのまま殺菌を行う。水温が下がることにより細菌の
増殖速度はにぶり、逆にオゾンの溶解効率が高まるので
浴槽５６内の生菌数が迅速に減少し、早期に目的の生菌
数を減少させることができる。よって、オゾンを溶解す
るオゾン発生機６０に通電する時間が短縮できるので、
オゾン発生機の寿命を延ばすことができる。

【００４０】次に本発明の第６の発明に対応する実施例
を図８を参照して説明する。図８に示すように、浴槽６
８と、循環流路６９に、循環ポンプ７０と、オゾン発生
機７２とエジェクター７１からなるオゾン混合装置７３
と、内部にオゾン反応促進物質となる紫外線ランプ７４
を備えたオゾン反応手段７５と、内部に整流板７７、粒
状濾材７８と、濾材支持板７９を備えた濾過手段７６で
構成している。矢印８０は水の流れを示す。なお、本発
明において、オゾンの反応性を促進する物質として、紫
外線を用いたが、オゾンの反応性を促進する物質であれ
ば例えば活性炭、触媒、などでも良い。

【００４１】動作を説明すると、浴槽６８の水は、循環
ポンプ７０によって、エジェクター７１に送り込まれ、
オゾン発生機７２で生成したオゾンと混合される。その
後、オゾン反応手段７５にはいり、オゾンを混合した循
環水が内部の紫外線ランプ７４によって、紫外線が照射
され、オゾンが分解し反応性の高いヒドロキシラジカル
種を生成し、循環水中の細菌と反応し、細菌を死滅させ
る効率が向上する。

【００４２】また、紫外線とオゾンを併用することによ
り、紫外線とオゾンの相互作用だけでなく紫外線の強力
な殺菌力と、オゾンの強力な除濁力を示すことができ
る。

【００４３】

【発明の効果】以上説明したように本発明の水浄化装置
は以下のような効果が得られる。

【００４４】（１）オゾン反応手段で循環水中の細菌と
オゾンをオゾン反応手段内で撹拌できるので、循環水と
オゾンとが接触する時間を延ばすことができる。

【００４５】（２）オゾン混合手段から流れ出た循環水
がオゾン反応手段内で撹拌され、再度オゾンガスと混合
されるので、オゾンを効果的に溶解することができる。

【００４６】（３）濾過手段の空間をオゾン反応手段と
して用いるので、スペースを縮小することができる。

【００４７】（４）濾過手段の上下からオゾンを溶解し
た循環水を流し込むので、濾過手段内の濾材の内部まで
均一にオゾンを溶解した循環水が行き渡り、濾材内部を
均一に殺菌して細菌を死滅させることができる。

【００４８】（５）循環水の温度を低下させそして殺菌
するから、細菌の増殖を遅らせ、かつオゾンの自己分解
速度を遅らせることができ、オゾン発生機の稼動時間を
少なくして効果的に殺菌を行ないつつオゾン発生機の寿
命を延ばすことができる。

【００４９】（６）オゾン混合手段で溶解したオゾンを
オゾン反応手段内のオゾン反応促進物質により、酸化力
の強いヒドロキシラジカル種を効率的に生成し、このヒ
ドロキシラジカル種で殺菌するので、殺菌時間を短縮す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例における水浄化装置の構
成図

【図２】本発明の第２の実施例における水浄化装置の構
成図

【図３】同水浄化装置のオゾン反応層の構成図

【図４】本発明の第３の実施例における水浄化装置の構
成図

【図５】同水浄化装置の濾過装置の構成図

【図６】本発明の第４の実施例における水浄化装置の構
成図

【図７】本発明の第５の実施例における水浄化装置の構
成図

【図８】本発明の第６の実施例における水浄化装置の構
成図

【図９】従来の水浄化装置を示す構成図

【符号の説明】

２ 循環流路 ３ ポンプ １０ オゾン混合手段 １１ オゾン反応手段 １４ 循環流路 １６ ポンプ １９ オゾン混合手段を備えたオゾン反応手段 ２６ 循環流路 ２７ ポンプ ２８ オゾン混合手段 ３１ 濾過手段 ３７ 循環流路 ３８ ポンプ ３９ エジェクター ４１ 濾過手段 ４５ エジェクター ５７ 循環流路 ５８ ポンプ ５９ エジェクター ６２ ヒーター ６３ 温度検知手段 ６６ オゾン反応手段 ６９ 循環流路 ７０ ポンプ ７３ オゾン混合手段 ７５ オゾン反応手段 ７４ 紫外線ランプ（反応促進物質）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古田 聡 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水を循環する循環流路にポンプと、オゾン
   混合手段と、オゾン反応手段を配置した水浄化装置。
2. 【請求項２】前記オゾン混合手段と前記オゾン反応手段
   とを一体化した請求項１記載の水浄化装置。
3. 【請求項３】循環流路に濾過手段を設け、前記濾過手段
   をオゾン反応手段とした請求項１記載の水浄化装置。
4. 【請求項４】循環流路の濾過手段の上流側と下流側にオ
   ゾン混合手段を配置した請求項３記載の水浄化装置。
5. 【請求項５】循環流路に温度制御手段を設け、ポンプ運
   転による循環水の温度が所定温度以下になると殺菌動作
   を行なう請求項１記載の水浄化装置。
6. 【請求項６】オゾン反応手段内に反応促進物質を充填し
   た請求項１記載の水浄化装置。