JPH09331155A - 多層プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板およびその製造方法

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JPH09331155A JP17061296A JP17061296A JPH09331155A JP H09331155 A JPH09331155 A JP H09331155A JP 17061296 A JP17061296 A JP 17061296A JP 17061296 A JP17061296 A JP 17061296A JP H09331155 A JPH09331155 A JP H09331155A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多層プリント配線板において、電気的に信頼性
の優れたインタスティシャルバイアホールを形成する。 【解決手段】多層プリント配線板において、内層の電気
回路と外層の電気回路との間の回路基材3に外層電気回
路用銅箔31aの開口径よりも小径のレーザー光で非貫
通孔6を形成する。同非貫通孔6は、その後、有機溶剤
で化学的に洗浄することによって回路基材3を溶解して
断面形状をほぼV字状とする。同非貫通孔6に内層の電
気回路21と外層電気回路用銅箔31aとを電気的に接
続するための銅めっき層5を設けてインタスティシャル
バイアホールIVH1を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多層プリント配線板
およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、インタス
ティシャルバイアホールを備える多層プリント配線板お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多層プリント配線板のうち、4層プリン
ト配線板の代表例を説明すると、4層プリント配線板
は、銅張積層板を使用して内層の電気回路を形成した内
層回路基材の両面にプリプレグを外層回路基材として使
用し、外層電気回路用銅箔を積層し、固着し、貫通孔ま
たは非貫通孔を形成し、銅めっきを施し、外層回路用銅
箔および銅めっき層をエッチングするなどして外層の電
気回路を形成するようにしている。また、内層の電気回
路と外層の電気回路はインタスティシャルバイアホール
(Interstitial Via Hole.以
下、「IVH」と記す。)により、電気的に接続されて
いる。
【0003】次に、図1に代表的な4層プリント配線板
の断面図を示す。4層プリント配線板1は、内層回路基
材2とその両面に積層された外層回路基材3,4とから
構成されている。この4層プリント配線板1は3種類の
IVH、すなわちIVH1とIVH2とIVH3とを有
している。
【0004】これらIVHにおいて、IVH3は本発明
とは直接関係しないので、その説明を省略し、IVH1
とIVH2とについて説明する。
【0005】IVH1は、外層回路基材3に非貫通孔を
設け、外層回路基材3の外層の電気回路31と内層回路
基材2の第1の電気回路21とを銅めっき層5で電気的
に接続するようにしたものである。電気回路31は、銅
箔31aと銅めっき層5とから構成される。また、電気
回路21は、銅箔21aとその表面に形成された銅めっ
き層21bとから構成される。しかし、電気回路21は
銅めっき層21bを形成することなく、銅箔21aのみ
であってもよい。
【0006】IVH2は、外層回路基材3と内層回路基
材2とに非貫通孔を設け、外層回路基材3の電気回路3
1と、内層回路基材2の第1の電気回路21と、内層回
路基材2の第2の電気回路22とを銅めっき層5で電気
的に接続するように構成したものである。この場合、第
1の電気回路21は、銅めっき層5で一緒に電気的に接
続しないようにしてもよい。また、電気回路22は電気
回路21と同様に、銅箔22aとその表面に形成された
銅めっき層22bとから構成される。しかし、電気回路
22は銅めっき層22bを構成することなく、銅箔22
aのみであってもよい。
【0007】上記の構造を有する4層プリント配線板1
において、IVH1の非貫通孔およびIVH2の非貫通
孔は、レーザー光を照射して形成することが多い。レー
ザー光源としては、炭酸レーザーやエキシマレーザーな
どのように、そのレーザー光が銅を溶かさずに内層回路
基材2と外層回路基材3,4のみを溶かす特性を備えた
ものを用いることが一般的である。なお、レーザー光
は、銅箔31aを予め所定の口径で除去した位置に照射
する。
【0008】次に、銅を溶かさないレーザー光を用い
て、IVH1を製造する従来の方法を図4にもとづいて
説明する。なお、IVH2はIVH1の変形例であるの
で、IVH2を製造する従来の方法については説明を省
略する。
【0009】IVH1の製造方法について説明すると、
レーザー光で非貫通孔を形成するのに際し、従来は、図
4(a)に示すように銅箔31aの開口径T1よりもレ
ーザー光を照射する幅(以下、「レーザー光幅」と記
す。)W2の方が大きいものであった。このため、例え
ば、直径150μmの非貫通孔を形成しようとする場合
には、150μmの開口径T1に対して、これを上回る
例えば500μm幅W2のレーザー光を照射しなければ
ならなかった。レーザー光は、銅箔31aの開口径T1
に規制された照射幅のもとで外層回路基材3に到達し、
外層回路基材3を蒸散させ、最終的には内層回路基材2
の第1の電気回路21の表面まで到達する。その結果、
外層回路基材3に形成される非貫通孔の開口径T2も1
50μmとなり、結果的に図4(a)に示すように非貫
通孔6の開口径はT1=T2=150μmとなって形成
されることになる。
【0010】上記のようにして形成した非貫通孔6の内
壁面3aには荒れ(凹凸や傷など)が生じていて、ま
た、溶解した外層回路基材3の残滓も非貫通孔6内に残
留している。内壁面3aの荒れや外層回路基材3の残滓
があると、後工程で非貫通孔6内に良好な銅めっきを施
せない。そのため、前処理として非貫通孔6内を有機溶
剤で洗浄して、内壁面3aの荒れや外層回路基材3の残
滓を化学的に溶解して除去している。その後、銅めっき
を施すことにより、図4(b)に示すような銅めっき層
5を備えるIVH1が形成されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来の
製造方法によると、非貫通孔6の開口径T2が銅箔31
aの開口径T1の幅に規制されているので、銅めっきの
前処理の洗浄で非貫通孔6内に有機溶剤を流し込む際に
滞留する空気の抜けを悪くしていた。よって、洗浄に十
分な有機溶剤を非貫通孔6内に流し込むことが困難であ
るという問題があった。
【0012】また、同前処理では、内壁面3a自体も溶
解してしまうので、T1=T2であった非貫通孔6の開
口径T2が、開口径T21となり、T1<T21となっ
てしまっていた。また、上述の非貫通孔6の形状では、
有機溶剤の円滑な排出が困難であり、有機溶剤が非貫通
孔6内に残留しやすかった。その結果、内壁面3a自体
の溶解も大きいものであった。最終的に、銅めっきを行
なう前に得られる非貫通孔6は、銅箔31aが外層回路
基材3から庇状に張り出したオーバーハング状の形状
(図4(b)参照。)を有していた。
【0013】非貫通孔6は、上記の形状を有するので、
めっき液の流し込みが円滑にはいかず、非貫通孔6内の
銅めっき層5に薄い部分や存在しない部分ができてい
た。さらには、内壁面3aから銅めっき層5が剥離した
り剥落しやすかった。上述のように、良好な銅めっき層
5を非貫通孔6内に形成することができなかったので、
IVHの電気的な信頼性を損なってしまっていた。
【0014】本発明は上記の課題に鑑み、電気的に信頼
性の優れたIVHを備えた多層プリント配線板とその製
造方法を提供することを目的としたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、多層プリント
配線板が備えるIVHにおいて、外層の銅箔の開口径よ
りも回路基材の開口径が小さい非貫通孔を形成し、非貫
通孔をほぼV字状の形状に形成したことを特徴としたも
のである。本発明の製造方法は、非貫通孔を形成する際
に、銅箔の開口部に、その開口径よりも照射幅が小さ
く、かつ銅を溶かさないレーザー光を照射し、被照射面
を溶解して底面に電気回路を露出させて銅箔の開口径よ
りも小さい口径の非貫通孔を形成し、その後、非貫通孔
内を有機溶剤で化学的に洗浄して非貫通孔をほぼV字状
の形状にした後、銅めっき層を設けることによりIVH
を形成したことを特徴としたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に係るIVHの製造方法の
代表例を図2(a),(b)にもとづいて説明する。図
2(a),(b)は、図1のIVH1を形成する際の工
程を拡大して示した図である。
【0017】図2(a)は、本発明に係るIVH1の非
貫通孔6を形成した状態を示すが、例えば、レーザー光
の光幅W1を150μmで照射し、非貫通孔6を形成す
る場合に、銅箔31aの開口径T11をレーザー光幅W
1よりも大きな口径、例えば、250μmで形成してお
き、レーザー光を照射すると、レーザー光は、外層回路
基材3に到達し、外層回路基材3を蒸散させ、最終的に
は内層回路基材2の第1の電気回路21の表面まで到達
する。その結果、外層回路基材3に形成される非貫通孔
6の開口径T22もレーザー光幅W1と同じ150μm
となる。よって、非貫通孔6の開口径はT22(150
μm)<T11(250μm)となり、階段状の形状と
なった非貫通孔6が得られる。本発明に使用されるレー
ザー光源としては、従来から用いられてきた銅を溶かさ
ずに回路基材のみを溶解することのできるレーザー光源
ならば全て用いることができる。
【0018】次に、従来の製造方法と同様に、外層回路
基材3の内壁面3aの荒れと外層回路基材3の残滓を除
去するために、非貫通孔6内を銅を溶解することのない
有機溶剤で化学的に洗浄する。有機溶剤としては、濃硫
酸や過マンガン酸カリウムなどを挙げることができる。
この場合、有機溶剤は、開口径T11よりも小さな開口
径T22を有する階段状の形状の非貫通孔6内に流し込
まれることになるので、外層回路基材3の開口端縁の溶
解が最も促進される。そのため、外層回路基材3の開口
端縁が削られて図2(b)に示すようにほぼV字状を呈
する断面形状を備えた非貫通孔6が形成される。したが
って、非貫通孔6内から有機溶剤などを円滑に排出する
ことができる。
【0019】上記の洗浄処理を終えた後、従来と同様に
銅めっき層5を形成し、第1の電気回路21と銅箔31
aとを電気的に接続させたIVH1(図2(b)参
照。)を形成する。
【0020】一方、図3(a),(b)は、本発明に係
る製造方法により形成した図1のIVH2の工程を拡大
して示したものである。IVH2は、IVH1の変形例
であり、レーザー光の照射は図2に示した本発明に係る
IVH1と同様の条件のもとで行なわれる。図3に示し
たIVH2は、4層以上の電気回路を積層した多層プリ
ント配線板の3層以上の電気回路相互を1つの非貫通孔
で電気的に接続させたIVHを形成する際に適用され
る。
【0021】図3(a)は、本発明に係るIVH2の非
貫通孔7を形成した状態を示すが、例えば、レーザー光
の光幅W1を150μmで照射し、非貫通孔7を形成す
る場合に、銅箔31aの開口径T11をレーザー光幅W
1よりも大きな口径、例えば、250μmで形成してお
くとともに、内層回路基材2の第1の電気回路21にも
レーザー光幅W1よりも大きな口径で、かつ銅箔31a
の開口径T11と同等以下の口径の、例えば200μm
で開口径T3を形成しておき、レーザー光を照射する
と、レーザー光は、外層回路基材3と内層回路基材2と
を蒸散させ、内層回路基材2の第2の電気回路22の表
面まで到達する。その結果、外層回路基材3と内層回路
基材2とに形成される非貫通孔7の開口径T22,T4
もレーザー光幅W1と同じ150μmとなる。よって、
非貫通孔7の開口径はT11(250μm)>T3(2
00μm)>T22(150μm)=T4(150μ
m)となり、断面形状で銅箔31aと第1の電気回路2
1とが、外層回路基材3と内層回路基材2よりも凹んだ
段差を有する非貫通孔7が得られる。
【0022】次に、外層回路基材3の内壁面3aの荒れ
および外層回路基材3の残滓ならびに内層回路基材2の
内壁面2aの荒れおよび内層回路基材2の残滓を除去す
るために、非貫通孔7内を銅を溶解することのない有機
溶剤で化学的に洗浄する。この場合、有機溶剤は、本発
明に係るIVH1と同様に、開口径T11よりも小さな
開口径T22を有する階段状の形状の非貫通孔6内に流
し込まれることになるので、外層回路基材3の両開口端
縁および内層回路基材2の開口端縁の溶解が最も促進さ
れる。そのため、外層回路基材3の両開口端縁と内層回
路基材2の開口端縁とが削られて、図3(b)に示すよ
うにほぼV字状を呈する断面形状を備えた非貫通孔7が
形成される。
【0023】上記の洗浄処理を終えた後、従来と同様に
銅めっき層5を形成し、銅箔31aと第1の電気回路2
1と第2の電気回路22とを相互に電気的に接続させた
IVH2(図3(b)参照。)を形成する。なお、この
場合、従来のIVH2と同様に第1の電気回路21は、
銅めっき層5で一緒に電気的に接続しないようにしても
よい。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように本発明に係る製造方法
おいては、IVHの非貫通孔を形成する際に、外層側に
位置する銅箔の開口径よりも小径のレーザー光をその銅
箔の開口径に照射してIVHの非貫通孔を形成してい
る。
【0025】本発明に係る非貫通孔は、有機溶剤で洗浄
する場合に回路基材の開口端縁が最も溶解を促進される
ため、非貫通孔の断面形状がほぼV字状となり、非貫通
孔内に有機溶剤を円滑に供給することができる。しか
も、非貫通孔内の有機溶剤と回路基材の残滓とを円滑に
排出することができるので、洗浄効果を高めることがで
きる。
【0026】さらに、非貫通孔が断面形状でほぼV字状
を呈するので、めっき液の流し込みも円滑に行なうこと
ができ、銅めっき層の薄い部分や銅めっき層の存在しな
い部分ができないばかりでなく、均等な厚さを備えた銅
めっき層を形成できる。さらには、非貫通孔の内壁面か
ら銅めっき層が剥離したり剥落することもなくなり、電
気的に信頼性の高い多層プリント配線板を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】IVHを備える標準的な4層プリント配線板の
要部構造を示す模式図である。
【図2】図1との対応のもとで本発明に係る製造方法の
一例についての工程を(a),(b)として拡大して示
す説明図である。
【図3】図1との対応のもとで本発明に係る製造方法の
他例についての工程を(a),(b)として拡大して示
す説明図である。
【図4】図2に相当する従来方法についての工程を
(a),(b)として拡大して示す説明図である。
【符号の説明】
1 4層プリント配線板 2,3,4 回路基材 2a,3a 内壁面 6,7 非貫通孔 21,22,31 電気回路 21a,22a,31a 銅箔 21b,22b,5 銅めっき層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年7月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内層回路基材の表面に形成した内層の電
    気回路と、外層回路基材の表面に形成した外層の電気回
    路と、内層の電気回路と外層の電気回路との間の回路基
    材に外層電気回路用銅箔の開口径よりも小径に形成した
    断面形状がほぼV字状の非貫通孔と、内層の電気回路と
    外層の電気回路間を電気的に接続するために非貫通孔に
    形成した銅めっき層とからなるインタスティシャルバイ
    アホールを備えたことを特徴とする多層プリント配線
    板。
  2. 【請求項2】 内層回路基材の一方の表面に形成した開
    口を有する第1の電気回路と、内層回路基材の他方の表
    面に形成した第2の電気回路と、外層回路基材の表面に
    形成した外層の電気回路と、外層回路基材と第1の電気
    回路と内層回路基材とに外層電気回路用銅箔の開口径よ
    りも小径に形成した断面形状がほぼV字状の非貫通孔
    と、第1の電気回路と第2の電気回路と外層の電気回路
    とを電気的に接続するために非貫通孔に形成した銅めっ
    き層とからなるインタスティシャルバイアホールを備え
    たことを特徴とする多層プリント配線板。
  3. 【請求項3】 外層電気回路用銅箔の開口に同開口径よ
    りも小径のレーザー光を照射して回路基材に非貫通孔を
    形成し、非貫通孔内を有機溶剤で化学的に洗浄して非貫
    通孔をほぼV字状に形成し、しかる後に非貫通孔内に銅
    めっき層を形成して外層の電気回路と内層の電気回路と
    を電気的に接続したインタスティシャルバイアホールを
    製造することを特徴とした多層プリント配線板の製造方
    法。
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