JPH09324267A - 積層薄膜の製造装置とそれを用いた積層薄膜の作製方法 - Google Patents

積層薄膜の製造装置とそれを用いた積層薄膜の作製方法

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JPH09324267A
JPH09324267A JP8143824A JP14382496A JPH09324267A JP H09324267 A JPH09324267 A JP H09324267A JP 8143824 A JP8143824 A JP 8143824A JP 14382496 A JP14382496 A JP 14382496A JP H09324267 A JPH09324267 A JP H09324267A
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thin film
vapor deposition
shutter
laminated thin
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Hisataka Takenaka
久貴 竹中
Yoshiichi Ishii
芳一 石井
Fumio Yamamoto
二三男 山本
Kenichi Ono
堅一 小野
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】1層の厚みがいかに大きくなってもスパッタ蒸
着に必要なパワーを大幅に変化させることなく、積層膜
を構成する薄膜物質に適したパワーをかけ、高品質の積
層膜を作製できる積層薄膜の製造装置とその作製方法を
提供する。 【解決手段】真空室と、ガス導入系と、排気系と、複数
のスパッタ蒸着源と、各スパッタ蒸着源に対応した複数
のシャッタと、各シャッタの開閉を行うシャッタ駆動源
と、蒸着源に対向配置して、スパッタ蒸着により複数の
薄膜を形成する基板を搭載する基板ホルダを少なくとも
備えた積層薄膜の製造装置であって、基板ホルダを往復
移動させるガイド機構と、基板ホルダを往復移動させる
基板ホルダ駆動源と、基板ホルダの往復移動を検出する
センサと、センサの検出情報に基づいて、シャッタ駆動
源および基板ホルダ駆動源の作動を制御する制御手段を
備えた積層薄膜の製造装置とそれを用いた積層薄膜の作
製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に2層以上
複数の積層膜を作製するための積層薄膜の製造装置およ
びそれを用いて積層薄膜を作製する方法に関するもので
あって、本発明の装置および方法によって作製された種
々の積層膜は、光反射板、光フィルタ、X線反射鏡、磁
気記録薄膜等において好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】基板上に、2種以上の物質層を連続して
積層する装置として、基板を回転させたり、直進させた
りする手法等が知られている。いずれの方法も、蒸着
法、スパッタ法等、各成膜法の蒸着源の堆積粒子が飛来
する場所に基板を通過させることにより薄膜を形成して
いる。例えば、(1)真空室内に2個の蒸着源を設け、
両蒸着源と対向する位置に基板を取り付けて、この基板
を公転させることにより2層の繰り返し積層膜を形成す
る方法や、(2)2個の蒸着源上を直線的に1回通過さ
せることで2層の積層膜を形成する方法がある。特に、
上記(2)の方法においては、図4にその手順を示すよ
うに、複数の電極の放電電力値と基板の移動速度を設定
(工程a)し、放電電力値まで複数の電極に電力をかけ
(工程b)、基板を設定した速度で電極上を移動させ
(工程c)、基板がすべての電極上を通過し終わると積
層膜が作製されるという方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のいずれの方
法においても、例えば、2種類の蒸着源を基板が通過す
る速度が一定であるため、形成される2種類の物質層の
厚みを任意の値にコントロールする場合には、蒸着源の
パワーの調整により粒子の堆積速度を調整する方法がと
られている。しかしながら、一方の蒸着源が金属で、他
方の蒸着源が酸化物等である場合は、薄膜の堆積速度
に、10倍から100倍程度にもおよぶ大きな差がある
ため、蒸着源にかけるパワーの調整のみでは、任意の所
定値にコントロールできないという問題がある。さら
に、堆積速度を向上させるために蒸着源のパワーの変化
を大きくすると成膜の結晶性が大きく変わり、また、パ
ワーをかけ過ぎると膜が剥離しやすくなり、スパッタリ
ング法等の場合にはターゲットが割れたり、堆積粒子と
してサイズの大きいものが混入して堆積膜中に大きなパ
ーティクルが含まれ平滑な膜が得られないという問題が
生じる。また、シャッタの開閉を伴わずに、複数の蒸着
源から堆積粒子を出し続けて成膜する場合には、粒子の
大きな回り込みの影響で、対象とする層において堆積し
たい物質の他に、他の蒸着源からの粒子が混入して成膜
の品質が低下するという問題があった。
【0004】本発明の目的は、上述した従来技術におけ
る問題点を解消し、1層の厚みがいくら厚くなっても放
電パワー等の蒸着に必要なパワーを大幅に変化させるこ
となく、所望の薄膜物質に適したパワーをかけ、高品質
の積層膜を作製することができる積層薄膜の製造装置お
よびそれを用いた積層薄膜の作製方法を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記本発明の課題を達成
するために、本発明の積層薄膜の製造装置は、基本的に
は、次に示すような構成とするものである。すなわち、
真空室内に複数個の蒸着源と、これらに対向した位置に
基板を配設し、この基板を所定の速度で蒸着源上を並進
移動させると共に、蒸着源上に、この蒸着源のサイズよ
りも大きいサイズのシャッタを配設し、任意の基板並進
動回数ごとに、これらのシャッタを開閉させる構成なら
びに機構とするものである。また、この積層薄膜の製造
装置を用いて積層薄膜を作製する方法は、例えば、図2
にその手順を示すように、複数の電極の放電電力値と基
板の移動速度を設定し(工程a)、基板が各電極上を並
進移動する回数と、これらの繰り返し回数を設定し(工
程b)、所要の複数の電極に電力をかけ(工程c)、最
初に基板上に成膜する材料の電極上のシャッタを開け
(工程d)、最初に基板上に成膜する材料の電極上を並
進移動させ(工程e)、基板がシャッタの開いている該
電極上を所定の回数並進移動したことを検出して(工程
f)、該電極上のシャッタを閉じ(工程g)、所要のす
べての電極上で所定回数並進移動行ったかをチエックす
る(工程h)。“Yes”の場合には、所定の材料層形
成を所定数繰り返したかを調べ(工程k)、これも“Y
es”の場合は、すべてのシャッタを閉じ、すべての電
極の電力投入を停止して(工程l)、積層薄膜の作製工
程を終わる。また、上記(工程h)で、“No”の場合
には、次に成膜する材料の電極上のシャッタを開け(工
程i)、基板をシャッタの開いた該電極上を並進移動さ
せ(工程j)、上記(工程f)に戻り、再び、上記(工
程h)を繰り返す。また、上記(工程k)で、“No”
の場合には、上記(工程e)に戻り、上記(工程f)〜
(工程h)を繰り返し、積層薄膜の作製を継続する。こ
のように、成膜する材料の電極上のシャッタを開ける動
作を繰り返し、基板上に必要なすべての材料の層を一組
形成する操作を必要回数繰り返して、所望の積層薄膜を
作製する方法である。さらに、例えば、図3にその手順
を示すように、複数の電極の放電電力値と基板の移動速
度を設定し(工程a)、基板が各電極上を並進移動する
回数と、これらの繰り返し回数を設定し(工程b)、基
板に最初に成膜する材料の電極を設定電力で放電させ
(工程c)、該電極上のシャッタを開け(工程d)、基
板を該電極上並進移動させ(工程e)、基板が該電極上
を所定の回数並進移動したことを検出し(工程f)、該
電極上のシャッタを閉じ、該電極の電力投入を停止し
(工程g)、所要のすべての電極上で所定回数並進移動
を行ったかをチェックする(工程h)。“Yes”の場
合は、所定の材料層形成を所定数繰り返したかを調べ
(工程k)、これも“Yes”の場合は、該電極上のシ
ャッタを閉じ、該電極の電力投入を停止して(工程
l)、積層薄膜の作製工程を終わる。また、上記(工程
h)において、“No”の場合には、次に成膜する材料
の電極に所望の電力を投入し、この電極上のシャッタを
開け(工程i)、基板を該電極上並進移動させ(工程
j)、上記(工程f)に戻り、再び、(工程g)から
(工程h)を繰り返す。また、上記(工程k)で、“N
o”の場合には、上記(工程c)に戻り、上記(工程
d)〜(工程h)を繰り返し、積層薄膜の作製を継続す
る。このように、成膜する材料の電極上のシャッタを開
ける動作を繰り返し、基板上に必要なすべての材料の層
を一組形成する操作を必要回数繰り返して、所望の積層
薄膜を作製する方法である。
【0006】本発明の構成は、請求項1に記載のよう
に、真空室と、ガス導入系と、排気系と、複数のスパッ
タ蒸着源と、各スパッタ蒸着源に対応した複数のシャッ
タと、各シャッタの開閉を行うシャッタ駆動源と、蒸着
源に対向配置して、スパッタ蒸着により複数の薄膜を形
成する基板を搭載する基板ホルダを少なくとも備えた積
層薄膜の製造装置であって、上記基板ホルダを往復移動
させるガイド機構と、上記基板ホルダを往復移動させる
基板ホルダ駆動源と、上記基板ホルダの往復移動を検出
するセンサと、センサの検出情報に基づいて、上記シャ
ッタ駆動源および基板ホルダ駆動源の作動を制御する制
御手段を備えた積層薄膜の製造装置とするものである。
また、本発明は請求項2に記載のように、請求項1に記
載の積層薄膜の製造装置を用いて、2層以上複数の薄膜
を基板上に作製する方法であって、上記基板を搭載した
基板ホルダを所定の速度で往復移動させる工程と、一つ
の蒸着源から飛来するスパッタ粒子を基板上に堆積させ
る際に、すべてのスパッタ蒸着源を放電させておき、上
記一つの蒸着源以外の蒸着源のシャッタを閉じ、上記基
板が所要回数だけ往復移動する間、上記一つの蒸着源の
シャッタのみを開く工程を少なくとも用いる積層薄膜の
作製方法とするものである。また、本発明は請求項3に
記載のように、請求項2に記載の積層薄膜の製造方法に
おいて、一つの蒸着源から飛来するスパッタ粒子を基板
上に堆積させる際に、他の蒸着源のシャッタを閉じると
共に、他の蒸着源のスパッタ放電を停止し、基板が所要
回数だけ往復移動する間、上記一つの蒸着源のシャッタ
のみを開くと共に、上記一つの蒸着源のスパッタ放電を
所定の電力で起動させる工程を少なくとも用いる積層薄
膜の作製方法とするものである。本発明の請求項1に記
載の積層薄膜の製造装置および請求項2または請求項3
に記載の積層薄膜の作製方法は、例えば、2種類の蒸着
源があり、これらの蒸着源からの粒子堆積レートが1:
10で、2層の繰り返し積層構造の層厚の比を1:1と
する場合に、堆積レートが遅い粒子を成膜するときは、
この粒子の蒸着源上のシャッタのみ開口し、この蒸着源
上を10回基板を通過させる。ついで、この蒸着源上の
シャッタを閉じた後、堆積レートが早い粒子の蒸着源上
のシャッタを開け、この蒸着源上を基板を1回通過させ
ることで層厚比が1:1の積層膜が得られることにな
る。このようにすることで2種類の層がいずれも高品質
で、かつ、所望の層厚比を有する平滑な積層膜を容易に
得ることができる。また、層厚比は、基板の蒸着粒子が
飛び出しているシャッタの開いている蒸着源上の通過回
数、通過速度、蒸着源の多少のパワー調整を行うことだ
けで任意の値の積層膜が得られる効果がある。また、3
層以上の積層膜についても上記と同様の効果が得られ
る。さらに、基板位置検出センサを付け、これをモニタ
し、ここからの信号によりシャッタの開閉動作が行われ
る機構としておくと、基板が蒸着源上を所定の回数通過
するごとに自動的にシャッタが開閉する。このため、成
膜前に基板の蒸着源上の通過回数を設定しておくこと
で、自動的に所望の層厚比を有する積層膜が得られる効
果がある。
【0007】
【発明の実施の形態】
〈第1の実施の形態〉図1は、本実施の形態で例示する
積層薄膜の製造装置、すなわちスパッタを利用した成膜
装置の断面構造を示す模式図である。図において、1は
真空室、2はスパッタ蒸着源、3は排気系、4はガス導
入系、5はシャッタ、6は基板ホルダ駆動レールを示
し、真空室1の外部に設けた基板ホルダ駆動用モータ7
を回転させることにより、ラックとピニオン機構で往復
動される基板ホルダ8に、基板9が設置されている。基
板ホルダ駆動用モータ7の回転速度は、制御部10から
の電気信号により制御される。基板ホルダ8は、真空室
1に取り付けられた光を通過する光通過窓11に取り付
けられた光センサ12と、基板ホルダ8に所定の間隔で
取り付けられた光反射板13を利用した基板ホルダ8の
位置検出機構によって、基板9の位置が検出される。こ
の位置検出機構からの基板9の位置の信号が制御部10
に送られ、また、シャッタ5は、シャッタ駆動モータ1
4により開閉される。このシャッタ駆動モータ14は、
制御部10からの信号により駆動し、シャッタ5を開閉
する。次に、図1に示す積層薄膜の製造装置の成膜操作
について説明する。まず、真空室1内を10~7Torr台
の真空に排気し、ガス導入系4からArガスを導入す
る。所定のArガス圧にした後、スパッタ蒸着源2に成
膜に適したパワーを供給し、スパッタを開始する。基板
9に、最初に堆積する材料をスパッタするスパッタ蒸着
源2上のシャッタ5を開け、基板9を設置した基板ホル
ダ8を、基板ホルダ駆動用モータ7を回転させることに
より往復移動させる。所定の膜厚となると、最初に堆積
する材料をスパッタするスパッタ蒸着源2上のシャッタ
5を閉じ、ついで、次に堆積する材料をスパッタするス
パッタ蒸着源2上のシャッタ5を開け、この上に基板9
を通過させる。この場合も、第1層目の堆積と同じく所
定の膜厚になると、最初に堆積する材料をスパッタする
スパッタ蒸着源2上のシャッタ5を閉じる。これを繰り
返すことにより、適切なスパッタパワーで形成される任
意の層厚を有し、かつ膜質の良い平滑な積層膜を形成す
ることができる。この成膜時、あらかじめ求めておいた
スパッタ材料の堆積レートと、基板9のスパッタ蒸着源
2上の通過数との積で膜厚を算出しておき、制御部10
に往復移動回数が設定回数になるたびに、上記シャッタ
5の開閉を行わせること、また、二つの蒸着源上のシャ
ッタ5の開閉動作を何回行わせるかを入力しておくこと
で、自動的に上記積層膜を形成することができる。第1
のスパッタ蒸着源にW(タングステン)を、第2のスパ
ッタ蒸着源にBN(窒化ボロン)を設置し、Siウエハ
を基板として基板ホルダ8に設置後、真空室内を2×1
0~7Torr(mmHg)台に排気する。続いて、Arガスを5
×10~3Torr導入する。この状態で、Wのスパッタ蒸
着源に放電パワーを200Wかけたときに、基板を60
0mm/分で1回通過させたときの堆積レートが5.2
Å/回であった。また、BNのスパッタ蒸着源に放電パ
ワーを600Wかけたときに、基板を600mm/分で
1回通過させたときの堆積レートが2.6Å/回であっ
た。なお、この条件で200ÅのBN膜を成膜した場合
に、微細なパーティクルも無く、また剥離も生じなかっ
た。一方、BNの蒸着源に放電パワーを800W以上か
け、200ÅのBN膜を成膜した場合に、パーティクル
が付着し、また剥離が生じる等の問題が生じた。Wのス
パッタ蒸着源上を基板が1回往復並進移動することで、
蒸着源上を2回通過すると、このスパッタ蒸着源上のシ
ャッタが閉じ、BNのスパッタ蒸着源上のシャッタが開
き、BNのスパッタ蒸着源上を基板が5回往復並進移動
すると、このBN蒸着源上のシャッタが閉じ、Wのスパ
ッタ蒸着源上のシャッタが開くことを繰り返し、かつ、
この繰り返しを100回行うことを制御部10で設定し
た後、Wのスパッタ蒸着源に放電パワーを200Wか
け、BNのスパッタ蒸着源に放電パワーを600Wか
け、基板を蒸着源上600mm/分で移動させて成膜を
実施した。形成されたWとBNからなる積層膜は、パー
ティクルの発生は目視においてまったく見られず、また
剥離も生じない品質の良好なものであった。また、この
膜をオージェ分析したところ、W層中にはBNが1.5
%しか検出されず、またBN層中にはWが4%しか検出
されないという良好な結果が得られた。
【0008】〈第2の実施の形態〉第1の実施の形態と
同様に、第1のスパッタ蒸着源にWを、第2のスパッタ
蒸着源にBNを設置し、8インチ径Siウエハを基板と
して基板ホルダに設置した後、真空室内を2×10~7
orr台に排気する。続いて、Arガスを5×10~3Torr
導入する。このとき、二つの蒸着源の最近接距離は60
0mmとした。また、いずれの蒸着源上にも、200m
m径の内径の円筒チムニと呼ばれる堆積粒子が通過する
窓を付けた。この状態で、Wのスパッタ蒸着源に放電パ
ワーを50ワットかけたときに、基板を60mm/分で
1回通過させたときの堆積レートが13Å/回であっ
た。また、BNのスパッタ蒸着源に放電パワーを400
Wかけたときに、基板を60mm/分で1回通過させた
ときの堆積レートが17Å/回であった。Wのスパッタ
蒸着源上を、基板が1回往復するとWのスパッタ蒸着源
上のシャッタが閉じ、この蒸着源の放電パワーの投入が
停止され、かつ、BNのスパッタ蒸着源のパワーが投入
され、20秒後にBNのスパッタ蒸着源上のシャッタが
開き、BNのスパッタ蒸着源上を基板が2回往復すると
BNのスパッタ蒸着源上のシャッタが閉じ、このBN蒸
着源パワーの投入が停止され、かつ、Wのスパッタ蒸着
源のパワーが投入される操作を繰り返し、かつ、この繰
り返しを100回行うように制御部で設定した。また、
このとき、堆積するスパッタ粒子を飛ばす蒸着源上のチ
ムニに、基板が到達する30秒前に放電パワーを投入
し、所定のパワー上昇速度でパワーを上昇させていき、
所定のパワーになると、そのパワーで放電し続け、この
間にシャッタが開閉し、シャッタが閉じた後、所定のパ
ワー降下速度でパワーが低下し、停止するように設定し
た。堆積が終了した側の蒸着源の放電パワーは、基板が
この蒸着源上を通過直後から徐々にパワーが低下し、所
定の時間後に停止するよう設定した。これらの所定のパ
ワー変化は、Wのスパッタ蒸着源は放電開始信号の到着
後、放電パワーが5秒で50ワットかかるパワー上昇
率、放電停止信号の到着後、5秒で50ワット放電パワ
ーが減少するようにし、かつ、BNのスパッタ蒸着源に
は、放電開始信号の到着後、放電パワーが5秒で100
Wかかるパワー上昇率、放電停止信号の到着後5秒で1
00ワット放電パワーが減少するようにし、放電停止信
号の到着後、20秒で放電が停止するようにして成膜を
実施した。形成されたWとBNからなる積層膜は、パー
ティクルの発生は目視において全く見られず、また剥離
も生じない品質の良好なものであった。また、この膜を
オージェ分析したところ、W層中にはBNが検出され
ず、またBN層中にはWが検出されない、極めて高品質
のものであった。上記本発明の実施の形態では、あらか
じめ成膜速度を求めておき、基板の蒸着源の通過回数の
積で膜厚を求める方法を例示したが、膜厚測定に膜厚モ
ニタを用いて積層膜の膜厚を制御しても良い。
【0009】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の積
層薄膜の製造装置およびそれを用いた積層薄膜の作製方
法によれば、1層の厚みがいくら厚くなっても放電パワ
ー等の蒸着に要するパワーを大幅に変化させることな
く、対象とする薄膜物質に適したパワーがかけられるた
め高品質で平滑な積層膜が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態で例示した積層薄膜の製造
装置の構成を示す模式図。
【図2】本発明の積層薄膜の作製方法の一例を示す工程
図。
【図3】本発明の積層薄膜の作製方法の他の一例を示す
工程図。
【図4】従来の積層薄膜の作製方法の一例を示す工程
図。
【符号の説明】
1…真空室 2…スパッタ蒸着源 3…排気系 4…ガス導入系 5…シャッタ 6…基板ホルダ駆動レール 7…基板ホルダ駆動用モータ 8…基板ホルダ 9…基板 10…制御部 11…光通過窓 12…光センサ 13…光反射板 14…シャッタ駆動モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/203 H01L 43/12 43/12 G02B 1/10 A (72)発明者 小野 堅一 東京都武蔵野市緑町三丁目9番11号 株式 会社アフティ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空室と、ガス導入系と、排気系と、複数
    のスパッタ蒸着源と、各スパッタ蒸着源に対応した複数
    のシャッタと、各シャッタの開閉を行うシャッタ駆動源
    と、蒸着源に対向配置して、スパッタ蒸着により複数の
    薄膜を形成する基板を搭載する基板ホルダを少なくとも
    備えた積層薄膜の製造装置であって、 上記基板ホルダを往復移動させるガイド機構と、 上記基板ホルダを往復移動させる基板ホルダ駆動源と、 上記基板ホルダの往復移動を検出するセンサと、 上記センサの検出情報に基づいて、上記シャッタ駆動源
    および基板ホルダ駆動源の作動を制御する制御手段を少
    なくとも備えたことを特徴とする積層薄膜の製造装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の積層薄膜の製造装置を用
    いて、2層以上複数の積層薄膜を基板上に形成する方法
    であって、 上記基板を搭載した基板ホルダを所定の速度で往復移動
    させる工程と、 一つの蒸着源から飛来するスパッタ粒子を基板上に堆積
    させる際に、すべてのスパッタ蒸着源を放電させてお
    き、上記一つの蒸着源以外の蒸着源のシャッタを閉じ、
    上記基板が所要回数だけ往復移動する間、上記一つの蒸
    着源のシャッタのみを開く工程を少なくとも用いること
    を特徴とする積層薄膜の作製方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の積層薄膜の作製方法にお
    いて、一つの蒸着源から飛来するスパッタ粒子を基板上
    に堆積させる際に、他の蒸着源のシャッタを閉じると共
    に、他の蒸着源のスパッタ放電を停止し、基板が所要回
    数だけ往復移動する間、上記一つの蒸着源のシャッタの
    みを開くと共に、上記一つの蒸着源のスパッタ放電を所
    定の電力で起動させる工程を少なくとも用いることを特
    徴とする積層薄膜の作製方法。
JP8143824A 1996-06-06 1996-06-06 積層薄膜の製造装置とそれを用いた積層薄膜の作製方法 Pending JPH09324267A (ja)

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Cited By (5)

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US6475557B1 (en) 1998-08-26 2002-11-05 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Method for manufacturing optical filter
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