JP2971586B2 - 薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成装置

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JP2971586B2
JP2971586B2 JP41349790A JP41349790A JP2971586B2 JP 2971586 B2 JP2971586 B2 JP 2971586B2 JP 41349790 A JP41349790 A JP 41349790A JP 41349790 A JP41349790 A JP 41349790A JP 2971586 B2 JP2971586 B2 JP 2971586B2
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政志 中澤
和三郎 太田
道明 篠塚
政秋 石山
祐二 小野寺
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Ricoh Optical Industries Co Ltd
Ricoh Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、被薄膜形成基板の両
面に対して、蒸着やイオンプレーティング、あるいはス
パッタを行う薄膜形成装置、特に、バッチ方式、あるい
はインライン方式の薄膜形成装置に応用可能であり、光
情報記録媒体等の製造装置として非常に適した方式の薄
膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】被薄膜形成基板(以下、基板という)上
に、金属薄膜や酸化物薄膜を蒸着形成する装置は、従来
から種々提案されており、その方法も極めて多岐にわた
っている。例えば、従来の薄膜蒸着装置(方法)として
は、蒸発源と基板との間に高周波電磁界を発生させて、
活性ガスあるいは不活性ガス中で蒸発した物質をイオン
化して真空蒸着を行なう、いわゆる、イオンプレーティ
ング法や、上記の蒸発源と基板との間に、直流電圧を印
加するDCイオンプレーティング法などが、特公昭52
−29971号広報、及び、特公昭52−29091号
公報等により知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
薄膜形成装置においては、基板の片側の面に対して成膜
する方式が通常であり、例えば、レンズ上への反射防止
膜形成時のように、基板の両面に対して薄膜形成を行う
場合には、基板のホルダーに反転機構を設けて、基板の
片方の面に対して薄膜形成を行なった後、この基板を反
転させ、基板の他の面に成膜を行なう方法がとられてい
た。このため、従来の薄膜形成装置では、真空槽内の真
空状態を保持したままで、真空槽内に設置された基板の
両面に対して、同時、もしくは片面ずつ別々に成膜する
ことができず、その生産効率が低下する不具合がある。
また、従来の薄膜形成装置では、基板の両面に成膜を行
なう場合、基板の片側への成膜を行なう毎に真空槽が開
放されてしまうため、この基板の各面毎の成膜時におけ
る成膜条件が、それぞれの面で異なってしまう虞が高
く、基板の各面の品質が不均一になり易い。なお、実験
レベルでは、真空槽内に、蒸着用蒸発源と、スパッタ用
ターゲットとを取り付け可能にした装置もあるが、この
装置は量産性が殆ど無く、基板の片側の面のみに薄膜形
成が行なえるような構成になっているものであった。
【0004】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、蒸着やイオンプレーティング、
あるいはスパッタ法により、基板の両面に対し、同時に
成膜することも可能な、生産効率の高い薄膜形成装置を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するために、真空槽と、この真空槽内に蒸発物質を
蒸発させるための蒸発源を保持する蒸発源保持手段と、
上記真空槽内にスパッタ用ターゲットを保持するターゲ
ット保持手段と、上記真空槽内に基板を保持する基板保
持手段とを有し、上記基板の一方の面に対面する側に上
記蒸発源を配備するとともに、上記基板の他方の面に対
面する側に上記スパッタ用ターゲットを配備することに
より、上記基板の両面に対して、同時、もしくは、それ
ぞれ別々に、蒸着、あるいはスパッタを行うことを可能
とした構成とする。
【0006】また、本発明は、上述の課題を解決するた
めに、上記基板に関して上記蒸発源側に、蒸発物質等を
イオン化させるためのイオン化手段を配備した構成とす
る。
【0007】さらに、本発明は、上述の課題を解決する
ために、上記基板のそれぞれの面を反転させるための基
板反転機構を具備する構成とする。
【0008】
【作用】本発明によれば、上記基板の一方の面に対面す
る側に上記蒸発源が配備されるとともに、上記基板の他
方の面に対面する側に上記スパッタ用ターゲットが配備
されることにより、上記基板の両面に対して、同時、も
しくはそれぞれ別々に、蒸着、あるいはスパッタが行な
われる。
【0009】また、本発明によれば、上記基板に関して
上記蒸発源側に配備されたイオン化手段によって、蒸発
物質等がイオン化される。
【0010】さらに、本発明によれば、上記基板反転機
構によって、上記基板のそれぞれの面が反転される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて詳細に
説明する。但し、本明細書の記述から明らかに想起し得
る範囲の構成・作用、及び本発明の前記並びにその他の
目的と新規な特徴については、説明の煩雑化を避ける上
から、その図示並びに開示を省略、もしくは簡略化す
る。
【0012】図1において、真空槽1は、基板5を保持
する手段(基板ホルダー2)によって、蒸着室1aと、
スパッタ室1bとにそれぞれ分割されている。これらの
蒸着室1aと、スパッタ室1bとは、単一、あるいは個
別の真空系Vacに、それぞれ接続されている。また、
この真空槽1は、スパッタ室1bに、通常の公知のガス
導入手段により、ガス導入口gasを通して、スパッタ
用ワーキングガスを導入できるように構成されており、
さらに、場合によっては、蒸着室1aにも、ガスを導入
して、この蒸着室1a内でイオンプレーティング等を行
なうことも可能に構成されている。
【0013】基板ホルダー2は、蒸着室1a側に基板5
の一方の面を、スパッタ室1b側に基板5の他方の面を
向けて基板5を保持するように構成されている。この基
板ホルダー2は、膜厚を均一化させるための基板移動手
段(基板を公転もしくは自転させる)を備えていてもよ
い。また、この基板ホルダー2は、蒸着室1aとスパッ
タ室1bとの間仕切を兼ねており、これにより、真空槽
1が、蒸着室1aとスパッタ室1bとに圧力差を設け、
スパッタと同時に蒸着を行なうことができる構造になっ
ている。ここで、蒸着の代わりにイオンプレーティング
を行なう際において、蒸着室1aとスパッタ室1bに同
じガスを導入する場合には、基板ホルダー2により、蒸
着室1aとスパッタ室1bとの間のコンダクタンス調整
の役目を果たし、蒸着室1aとスパッタ室1bとに必要
な圧力差が得られるようにすればよいが、反応性成膜等
のため、蒸着室1aとスパッタ室1bとで使用されるガ
スの種類が違ったりする場合には、基板ホルダー2によ
り、蒸着室1aとスパッタ室1bとを仕切るようにす
る。このように、真空槽1内を基板ホルダー2で実際に
仕切る場合には、蒸着室1a、及び、スパッタ室1bが
どちらも低圧下にあるので、Oリングシールで真空槽1
内を仕切るだけでも、蒸着室1aとスパッタ室1bとの
間に十分な圧力差を得ることができる。
【0014】蒸着室1a内には、蒸発源3が配備され
る。この蒸発源3としては、タングステンやモリブデン
等をコイル状、あるいは、ボート状に形成してなる加熱
式抵抗体、もしくは、電子ビーム蒸発源等、従来の真空
蒸着方式に用いられている蒸発源を適宜使用することが
できる。 このとき、イオンプレーティングの方式とし
て、直流法や、高周波コイル7を使用する高周波法(図
2)を用いることも可能であるが、これらの方式は、直
流高電圧や高周波を使うため、スパッタ室1bにまで電
界の影響が及び、スパッタ条件の変動を起こす虞があ
る。このため、ここでは、直流で比較的低電圧でありな
がら良質な膜形成の可能な、特公平1−53351号公
報に開示されている図3に示すような、グリッド9を配
備した方式を用いることが望ましい。また、これらの方
式等で、蒸着室1a内の圧力が高い場合には、電子ビー
ム蒸発源近傍の圧力を低くするようにすることもでき
る。
【0015】スパッタ室1bには、ターゲット4が配備
される。ターゲット4は、基板5の形状に対応いてその
形状が決定される。例えば、円盤状の基板を単一で用い
る場合には、それと対向するように円状のターゲットを
用いたり、また、複数の基板に対しては、複数のターゲ
ットを用いたり、基板5の公転や自転が可能な場合に
は、基板5上で均一な膜厚が形成されるようにターゲッ
ト4の位置や形状を決定する。本実施例におけるターゲ
ット4の配置については、平行平板を基本としている
が、スパッタ方式は、DC(図4)やRF(図5)、さ
らには、マグネット6を用いたマグネットロンスパッタ
(図6)であってもよく、また、真空槽1に余裕があれ
ば、図7に示すように、一対のターゲット4を互いに対
向させて配置した、対向ターゲット式スパッタ(図7に
おいて、符号10は、磁場を表わしている)を用いるこ
とも可能である。
【0016】一方、基板5に複数種の材料からなる積層
膜を作成する場合には、図8に示すように、間仕切り1
4によって仕切られた、蒸着室1a,1a’、及び、ス
パッタ室1b,1b’内に、複数種の蒸発源3,3’、
及び、ターゲット4,4’をそれぞれ配置して、コンタ
ミネーションを防止するように構成される。ここで、複
数の基板5,5’を保持する基板ホルダー2は、各基板
5,5’に形成される膜厚の均一化、及び、各蒸着室1
a,1a’、スパッタ室1b,1b’間でこれら基板
5,5’の位置を移動させるために、基板回転機構11
によって移動可能に支持されている。
【0017】また、より正確に膜厚の均一化を図るた
め、ドーム状基板ホルダーを用いた場合には、図9に示
すように、基板5に対してターゲット4の対向面がなる
べく均一な距離になるようにターゲット4を設置するこ
とが望ましい。この場合も、前述の場合と同様、基板5
に多層の膜を形成するために、複数の蒸発源やターゲッ
トを用いることができることはいうまでもない。また、
図8,9において、スパッタ膜が一種類の場合には、複
数の同種のターゲットを用いてもよく、場合により、基
板ホルダー2を回転(自・公転)させながら成膜しても
よい。
【0018】さらに、基板5のある面に対して、スパッ
タ→蒸着→スパッタ、あるいは、蒸着→スパッタ→蒸着
等、交互に成膜を行なう場合には、図10にその一例を
示すように、公知の適宜の方法により、反転パレット
2’を用いて基板5の表裏を基板反転機構12により反
転させながら成膜を行なえばよい。この場合、ターゲッ
トと基板間の距離を変えること無く、ターゲット部分の
一区画を抜いて、この部分で反転パレットを回転させる
とよい。 図10に示した例では、7枚のターゲット4
a,4b,4c,4d,4e,4f,4gを取付けられ
るように構成されているが、これらの各ターゲットの種
類は同じでも違っていてもよい。また、この例では、8
枚の反転パレット2’が、仕切り板13によって仕切ら
れた各ターゲット4a,4b,4c,4d,4e,4
f,4gのスパッタ室内を移動することができるように
構成されている。
【0019】以下、光磁気ディスクを例として、実際の
成膜例について述べる。図11は、本発明の薄膜形成装
置により形成した光磁気ディスクの構成例を示す断面図
で、基板21上に、干渉層22、光磁気記録層23、保
護層24、反射層25、及び、紫外線硬化樹脂等からな
カバー層26を設けるとともに、基板21の反対側の
面に、反射帯電防止層としてのバックコート層27を設
けた構造を有している。勿論、本発明の薄膜形成装置に
より形成される薄膜層の構成は、上記の構成例に限定さ
れるものではなく、種々の変形や変更が可能である。
【0020】この光磁気ディスクを形成するに当って
は、先ず、蒸着室1a内に、反射帯電防止構造をバック
コート層27として用いることができるよう、一酸化珪
素、二酸化珪素、インジウム等が蒸発源3として保持さ
れる。また、スパッタ室1b内には、干渉層22および
保護層24のための窒化珪素等、光磁気記録層23とし
てのTbDyFeCo等、反射層25としてのAl等
が、スパッタ用ターゲットとして用いられる。基板21
は、蒸着室1a側にその一面を、スパッタ室1b側に他
の一面を露出するように基板ホルダー2により保持され
る。この基板21には、蒸着室1aにおいて、SiO
(酸素導入蒸着)\In23(図3に示す酸素導入プラ
ズマ蒸着)\SiO2(酸素導入蒸着)の三層構造の反
射帯電防止膜が形成され、スパッタ室1bにおいて、
iN\TbDyFeCo\SiN\Alの光磁気記録媒
体構成層が形成される。ここで、これらの薄膜形成時に
は、蒸着室1a内に酸素ガスが導入され、スパッタ室1
b内にアルゴンガスが導入されるので、基板ホルダー2
により、真空槽1内の上下室を隔離する必要があり、コ
ンタミネーション防止のため、ターゲット間も仕切る必
要がある。また、反射層25に用いるAl,Ag等は、
スパッタで成膜するよりも、蒸着で成膜した方がその反
射率が高くなるので、この反射層25は、その成膜に際
して、基板反転機構12により基板21の表裏を反転さ
せ、蒸着室1a内で成膜することが好ましい。
【0021】
【発明の効果】この発明によれば、真空槽内に設置した
基板上に、真空状態を保持したまま、基板の両面に同
時、もしくは片面ずつ成膜することができるので、薄膜
形成品の生産効率を高めることが可能となり、特に、光
情報記録媒体の生産に優れた薄膜形成装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す薄膜形成装置の概略断面
図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す薄膜形成装置の概略
断面図である。
【図3】本発明のさらに他の実施例を示す薄膜形成装置
の概略断面図である。
【図4】本発明のさらに他の実施例を示す薄膜形成装置
の概略断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施例を示す薄膜形成装置
の概略断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例を示す薄膜形成装置
の概略断面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例を示す薄膜形成装置
の概略断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例を示す薄膜形成装置
の概略断面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例を示す薄膜形成装置
の概略断面図である。
【図10】本発明のさらに他の実施例を示す薄膜形成装
置の概略断面図である。
【図11】本発明の薄膜形成装置により形成した光磁気
ディスクの構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 真空槽 1a 蒸着室 1b スパッタ室 2 基板ホルダー 2’ 反転パレット 3 蒸着源 4 ターゲット 5 被薄膜形成基板 6 マグネット 7 高周波コイル 8 フィラメント 9 グリッド 10 磁場 11 基板回転機構 12 基板反転機構 13 仕切り板 14 間仕切り gas ガス導入口 vac 真空系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠塚 道明 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株 式会社リコー内 (72)発明者 石山 政秋 岩手県花巻市大畑10地割109番地・リコ ー光学株式会社内 (72)発明者 小野寺 祐二 岩手県花巻市大畑10地割109番地・リコ ー光学株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−149468(JP,A) 特開 平3−211269(JP,A) 特開 平3−253556(JP,A) 特公 平2−1228(JP,B2) 特公 平2−29746(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 14/00 - 14/58 G11B 7/26,11/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空槽と、この真空槽内に蒸発物質を蒸発
    させるための蒸発源を保持する蒸発源保持手段と、上記
    真空槽内にスパッタ用ターゲットを保持するターゲット
    保持手段と、上記真空槽内に被薄膜形成基板を保持する
    基板保持手段とを有し、上記被薄膜形成基板の一方の面
    に対面する側に上記蒸発源を配備するとともに、上記被
    薄膜形成基板の他方の面に対面する側に上記スパッタ用
    ターゲットを配備することにより、上記被薄膜形成基板
    の両面に対して、同時、もしくはそれぞれ別々に、蒸
    着、あるいはスパッタを行うことを可能としたことを特
    徴とする薄膜形成装置。
  2. 【請求項2】上記被薄膜形成基板に関して上記蒸発源側
    に、蒸発物質等をイオン化させるためのイオン化手段を
    配備したことを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装
    置。
  3. 【請求項3】上記被薄膜形成基板のそれぞれの面を反転
    させるための基板反転機構を具備することを特徴とする
    請求項1、及び、請求項2記載の薄膜形成装置。
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