JPH07116602B2 - 高周波スパッタリング装置および膜作製方法 - Google Patents

高周波スパッタリング装置および膜作製方法

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JPH07116602B2
JPH07116602B2 JP8738591A JP8738591A JPH07116602B2 JP H07116602 B2 JPH07116602 B2 JP H07116602B2 JP 8738591 A JP8738591 A JP 8738591A JP 8738591 A JP8738591 A JP 8738591A JP H07116602 B2 JPH07116602 B2 JP H07116602B2
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和男 平田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、タ−ゲットのセルフ
バイアス電圧を考慮してシャッタ−の開閉タイミングを
制御できる高周波スパッタリング装置に関し、また、こ
の高周波スパッタリング装置による膜作製方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、スパッタリング現象を利用して薄
膜を作製し、その薄膜の基礎物性を測定したり、薄膜を
加工してデバイス等に応用する基礎研究や実用化技術の
開発をしたりすることが活発に行われている。スパッタ
リング現象は、タ−ゲットに高エネルギ−イオンを入射
させることにより、タ−ゲットからスパッタ粒子(中性
粒子)を発生させ、基板上にスパッタ粒子を堆積させる
現象である。
【0003】最近脚光を浴びている酸化物超電導体薄膜
やITO薄膜(透明導電膜)等も、このスパッタリング
現象を利用して作製されている。これらの物質は複数元
素により構成されており、特に酸化物超電導体では良好
な特性を示す物質が酸素を含む4種類以上の元素で構成
されており、しかも層状構造の結晶である。このような
物質を薄膜化およびデバイス化する上での主要な技術と
しては次の5項目があげられる。 (1)組成制御技術 (2)酸素濃度制御技術(低温成長) (3)積層技術(多層膜、超薄膜) (4)接合技術(表面、界面の制御) (5)「超電導体/絶縁物/超電導体」等の積層膜
(例、ジョセフソン素子)の真空中での連続成膜 これらのうち、(1)〜(2)項が薄膜化に関係し、
(3)〜(5)項がデバイス化に関係している。これら
の技術を実現するには、薄膜を原子層レベルでいかに再
現性良く制御できるかがポイントとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の実用化
されている高周波スパッタリング装置では、原子層レベ
ルで超薄膜を作製できる装置はほとんどなく、せいぜい
シャッタ−開閉を単純に時間制御する程度である。しか
も、従来の高周波スパッタリング装置には次のような欠
点がある。 (1)タ−ゲットの表面状態が安定しないままシャッタ
−を開き、所定の堆積を行ってしまう場合がある。この
ような方法で、特に多層膜や超薄膜を作製した場合、膜
の堆積速度の再現性が悪かったり、膜の組成が希望の値
と異なったりすることがある。このように従来の方法で
は、堆積膜の再現性がないことや、膜厚の制御性が悪い
ことなどの欠点がある。 (2)これとは逆に、タ−ゲットの表面状態が安定して
いるのに、シャッタ−を閉じたままプリスパッタリング
を続けている場合がある。このことは、時間的な損失だ
けでなく、タ−ゲットの消耗を早める欠点がある。これ
らの問題点は、タ−ゲットの表面状態を常時モニタ−し
ていないことに原因がある。
【0005】上述の欠点は、基板交換を大気中で行うバ
ッチ処理タイプのスパッタリング装置で顕著になる。な
ぜなら、このようなバッチ処理タイプの装置では、基板
交換時にタ−ゲットが大気にさらされるからである。タ
−ゲットが大気中で反応しやすい物質の場合には、タ−
ゲットが大気に触れると、タ−ゲットの表面状態が変質
して放電のインピ−ダンスが変わったり、タ−ゲット内
に大気中のガスを取り込んだりする。
【0006】このような状況のもとで、従来の成膜方法
では、シャッタ−を閉じた状態でのプリスパッタリング
の放電時間は各作業者の経験により決定している。
【0007】このように、従来の装置では、シャッタ−
の開閉タイミングに関して作業者の判断ミスを生じやす
く、薄膜の再現性や制御性を悪くしている。
【0008】そこで、この発明の目的は、タ−ゲットの
表面状態を知ることによってシャッタ−の開閉タイミン
グを最適化でき、薄膜作製の再現性や制御性を改善でき
るような高周波スパッタリング装置と膜作製方法を提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明の高周波スパ
ッタリング装置は、タ−ゲットに誘起されるセルフバイ
アス電圧を検出するセルフバイアス検出装置と、基板と
タ−ゲット間に配置されたシャッタ−を開閉するための
シャッタ−駆動機構と、前記セルフバイアス検出装置の
出力信号を受けて前記シャッタ−駆動機構にシャッタ−
開閉信号を送るシャッタ−制御装置、とを備えている。
【0010】第2の発明では、第1の発明の特徴に加え
て、タ−ゲットを大気にさらすことなく基板を交換でき
る基板交換機構を有することを特徴としている。
【0011】第3の発明は、第1の発明をマルチカソ−
ドスパッタリング装置に適用したものであり、この発明
は、複数のタ−ゲットを備えていて、各タ−ゲットごと
に前記セルフバイアス検出装置と前記シャッタ−と前記
シャッタ−駆動機構とを備えている。
【0012】第4の発明の膜作製方法は、タ−ゲットに
高周波電力を印加してこのタ−ゲットをスパッタリング
することによって基板上に膜を堆積させる膜作製方法に
おいて、前記タ−ゲットに高周波電力を印加して放電を
発生させる段階と、前記タ−ゲットに誘起されるセルフ
バイアス電圧を検出する段階と、前記セルフバイアス電
圧が所定の設定値まで低下したときに基板とタ−ゲット
間に配置されたシャッタ−を開く段階、とを備えてい
る。セルフバイアス電圧は負の値であり、この明細書で
は、セルフバイアス電圧の絶対値が大きいときにセルフ
バイアス電圧が「高い」と表現し、セルフバイアス電圧
の絶対値が小さいときにセルフバイアス電圧が「低い」
と表現することにする。
【0013】第5の発明の膜作製方法は、第4の発明に
おいてセルフバイアス電圧が所定の設定値まで低下した
ときに基板とタ−ゲット間に配置されたシャッタ−を開
いていたシャッタ−開閉タイミングを、セルフバイアス
電圧の時間的変動分が所定の設定値まで低下したときに
基板とタ−ゲット間に配置されたシャッタ−を開くよう
なシャッタ−開閉タイミングに置き換えている。
【0014】第6の発明の膜作製方法は、第4の発明ま
たは第5の発明をマルチカソ−ドスパッタリング装置に
よる膜作製方法に適用したものであり、この発明は、複
数のタ−ゲットに高周波電力を印加してこれらのタ−ゲ
ットをスパッタリングすることによって基板上に膜を堆
積させる膜作製方法において、前記複数のタ−ゲットに
高周波電力を印加して同時に放電させる段階と、前記複
数のタ−ゲットに誘起されるセルフバイアス電圧を同時
に検出する段階と、前記複数のタ−ゲットのセルフバイ
アス電圧またはその時間的変動分がすべて所定の設定値
まで低下したときに基板とタ−ゲット間に配置された各
シャッタ−を開く段階と、を備えている。
【0015】第7の発明は、第6の発明を複数タ−ゲッ
トの同時スパッタリングに適用したものであり、前記各
シャッタ−を同時に開き、所定時間経過後に各シャッタ
−を同時に閉じることを特徴としている。
【0016】第8の発明は、第6の発明を複数タ−ゲッ
トによる多層膜の作製に適用したものであり、前記各シ
ャッタ−の開いている時間が互いに重ならないように各
シャッタ−を順に開閉することを特徴としている。
【0017】第9の発明は、第7の発明と第8の発明を
組み合わせたものであり、第6の発明において、前記各
シャッタ−を複数のグル−プに分けて、同一のグル−プ
に属するシャッタ−については、これらを同時に開閉
し、異なるグル−プに属するシャッタ−の間ではシャッ
タ−の開いている時間が互いに重ならないようにするこ
とを特徴としている。
【0018】
【作用】高周波スパッタリングによる膜作製方法におい
て精密な成膜制御をするためには、タ−ゲットの表面状
態が安定してからシャッタ−を開くのが好ましく、シャ
ッタ−を開くタイミングは早すぎても遅すぎても好まし
くない。理想的なタイミングは、放電状態が安定したら
すぐにシャッタ−を開くことである。この発明では、タ
−ゲットの表面状態が安定したことを確認するための手
段としてタ−ゲットのセルフバイアス電圧を利用してい
る。タ−ゲットの表面状態を評価するためには放電時の
インピ−ダンスを知ることが有効であるが、高周波スパ
ッタリングにおいては、タ−ゲットを含む放電回路のイ
ンピ−ダンスの変化は、タ−ゲットのセルフバイアス電
圧に反映される。したがって、セルフバイアス電圧を検
出することによって、放電の最中でも常時タ−ゲットの
表面状態を知ることができる。
【0019】高周波スパッタリング装置では真空容器を
接地するのが普通であり、この場合、セルフバイアス電
圧は負の電圧となる。導入ガス(例えばAr)が放電に
よってイオン化されると、正イオンがタ−ゲットに入射
するが、そのときの入射エネルギ−はタ−ゲットのセル
フバイアス電圧に依存する。セルフバイアス電圧が安定
すれば、タ−ゲットに入射するイオンのエネルギ−も安
定し、スパッタ率も安定する。
【0020】高周波スパッタリング現象において、印加
電力とセルフバイアス電圧との間には相関関係がある。
ある任意の電力をタ−ゲットに印加すると、放電時に負
のセルフバイアス電圧が観測される。その値は放電直後
に高く、時間と共に減少し、やがて一定値となる。放電
開始の時点からセルフバイアス電圧が一定値になるまで
の時間(以下、遅延時間と呼ぶ。)はタ−ゲットの表面
状態により異なる。
【0021】第1の発明の高周波スパッタリング装置で
は、セルフバイアス検出装置とシャッタ−駆動機構とシ
ャッタ−制御装置とを備えているので、シャッタ−制御
装置に所定の判断手法を記憶させておけば、セルフバイ
アス電圧に応じて自動的に最適なタイミングでシャッタ
−を開くことができる。
【0022】第2の発明では、タ−ゲットを大気にさら
すことなく基板を交換できる基板交換機構を備えている
ので、タ−ゲットの表面状態が変質される恐れがなく、
放電開始からセルフバイアス電圧が安定するまでの時間
が短くてすむ。
【0023】第3の発明は、第1の発明をマルチカソ−
ドスパッタリング装置に適用したものであり、各タ−ゲ
ットごとにシャッタ−開閉タイミングを最適に制御する
ことができる。マルチカソ−ドスパッタリング装置にお
いてセルフバイアス電圧が安定してからシャッタ−を開
くようにすることで、複数のタ−ゲットを使用して、多
元素膜や多層膜、超薄膜を再現性よく作製することが可
能となる。
【0024】第4の発明の膜作製方法では、セルフバイ
アス電圧が所定の設定値まで低下したときにシャッタ−
を開くようにしている。セルフバイアス電圧は放電開始
直後は高くなっており、徐々に低下してきて安定化する
傾向がある。したがって、あらかじめ、セルフバイアス
電圧が安定するときの値を求めておき、セルフバイアス
電圧がこの所定値まで低下したときに、放電が安定した
と判断してシャッタ−を開くことができる。
【0025】第5の発明の膜作製方法では、セルフバイ
アス電圧の時間的変動分が所定の値まで小さくなったと
きに放電が安定したと判断して、シャッタ−を開くよう
にしている。
【0026】第6の発明は、第4の発明または第5の発
明をマルチカソ−ドスパッタリング装置による膜作製方
法に適用したものであり、すべてのタ−ゲットについて
セルフバイアス電圧が安定したときにシャッタ−を開く
ようにしている。
【0027】第7の発明は、複数タ−ゲットを同時にス
パッタリングする際に、セルフバイアス電圧が安定して
からシャッタ−を同時に開閉することによって、多元素
膜を作製することができる。
【0028】第8の発明は、異なるタ−ゲットによる多
層スパッタリングをする際に、セルフバイアス電圧が安
定してから、各シャッタ−の開いている時間が互いに重
ならないように、各シャッタ−を順に開閉している。こ
れにより、多層膜を作製することができる。
【0029】第9の発明は、第7の発明と第8の発明を
組み合わせることによって、複雑な構造の多元素膜を作
製することができる。
【0030】
【実施例】図1はこの発明の一実施例のスパッタリング
装置の正面断面図である。真空容器1は矢印6の方向に
設置してある主排気系で排気できて、10-7Torr以
下の圧力に保つことができる。真空容器1には、薄膜を
作製するために必要なガスを供給するためのガス導入系
29を設け、バルブ23、24を介して真空容器1の中
へガスを導入できるようにしている。例えば、矢印10
の方向からはArガスを、矢印11の方向からはO2
スを導入し、これらを混合して真空容器1の中へ導入す
る。真空容器1内の圧力はガス導入系29のマスフロ−
メ−タ(図示せず)と、矢印6の方向に設置してある主
排気系とを調節することにより、適切な値に設定でき
る。
【0031】真空容器1内には、基板14を保持してこ
れを800℃まで加熱することができる基板ホルダ−1
3を設置している。加熱方式は、温調計19とサイリス
タユニット18と基板ホルダ−13の表面に取り付けた
熱電対26とによりランプヒ−タ15を制御する方式で
ある。
【0032】基板ホルダ−13は支柱17によって真空
容器1に取り付けられている。基板ホルダ−13に対向
する位置にはタ−ゲットシ−ルド2を設置し、このタ−
ゲットシ−ルド2の内側に絶縁リング8(フッ素樹脂
製)を介してタ−ゲット3とカソ−ドボディ30を設置
している。このカソ−ドボディ30には冷却水(矢印9
a、9b)を流してタ−ゲット3を冷却している。ま
た、カソ−ドボディ30には、インピ−ダンス整合器2
1を介して高周波電源22が接続している。この高周波
電源22からカソ−ドボディ30に電力を供給してい
る。
【0033】カソ−ドボディ30の中には磁石7を収納
している。また、カソ−ドボディ30の外面にはロ−パ
スフィルタ27を介して電圧計28を接続している。さ
らに電圧計28の値を記録するために記録計36が接続
されている。実際は、ロ−パスフィルタ27は、カソ−
ドボディ30を取り囲むカソ−ドカバ−(図示せず)の
中にあり、外部からは見ることは出来ない。ロ−パスフ
ィルタ27はCとLの回路で構成されている。カソ−ド
カバ−にはコネクタを取り付けて、このコネクタを介し
てロ−パスフィルタ27と外部の電圧計28とをコ−ド
で接続している。
【0034】高周波電源22からカソ−ドボディ30に
高周波電力を印加すると、真空容器1内で放電が生じ、
このときカソ−ドボディ30にセルフバイアス電圧が誘
起される。この電圧をロ−パスフィルタ27を通して電
圧計28によってモニタ−する。その電圧値を記録計3
6で常時記録している。記録計36には基板温度やガス
圧力も記録することができ、これらの安定性を評価して
から放電を開始することができる。
【0035】シャッタ−板16はシャッタ−棒20を介
して磁気結合の回転導入機12に接続されている。この
回転導入機12はベルト4を介してモ−タ5に接続さ
れ、モ−タ5はモ−タ電源31から電力を供給されてい
る。このモ−タ電源31のスイッチ32を手動でON、
OFFすることによりモ−タ5を駆動して、回転導入機
12を所定の角度だけ回転してシャッタ−板16の開閉
を行っている。
【0036】ここで、タ−ゲットのセルフバイアス電圧
の諸特性について詳述する。高周波スパッタリングにお
いて放電が起こると導入ガスが電離し、電離によって生
じた電子は移動度が大きいので、比較的容易にタ−ゲッ
トにも基板にも真空容器の接地部分にも到達できる。と
ころが電離によって生じた正イオンは、電子に比べて質
量が大きいので、ずっと動きにくい。したがって、タ−
ゲット側に電子がたまり、自動的にタ−ゲットに負のバ
イアスがかかる。これがセルフバイアス電圧である。正
イオンは接地側にはあまり動けないが、タ−ゲット側に
たまった電子による負電荷の引力に引き寄せられる。そ
の結果、正イオンがタ−ゲットに到達してスパッタリン
グ現象を起こす。したがって、セルフバイアス電圧はス
パッタ率に関係があり、膜堆積速度と大きな相関があ
る。
【0037】このセルフバイアス電圧は、種々の条件に
よって放電状態が変化すると、同一電力を印加していて
も変動を生じる。セルフバイアス電圧Vsに影響を及ぼ
す主な因子を次に示す。 (1)カソ−ドに印加する高周波電力 (2)真空容器内の圧力 (3)真空容器に導入するガスの種類(例えば、Arガ
ス、ArとO2の混合ガス、O2ガスなど) (4)カソ−ドに印加する高周波電力の周波数 (5)カソ−ドボディ内の磁石によって形成される磁界
の形状と強さ (6)タ−ゲットと基板間の距離および真空容器内の幾
何学的大きさこれらの因子にセルフバイアス電圧は大き
く依存する。このようにセルフバイアス電圧とスパッタ
リング現象とは大きな相関があり、原子層レベルで膜堆
積速度や膜組成を制御するためには、セルフバイアス電
圧をモニタ−してスパッタリング中にセルフバイアス電
圧を安定化させるプロセスを確立することが大切であ
る。これにより、薄膜の再現性や制御性を向上させるこ
とができる。
【0038】図2は印加電力とセルフバイアス電圧の関
係を示したグラフである。曲線56は、タ−ゲットを大
気中に放置してから放電を発生させたときの放電直後の
セルフバイアス電圧であり、曲線57はその後セルフバ
イアス電圧が安定したときの定常値である。斜線を引い
た領域が、セルフバイアス電圧の変動分である。このと
きのスパッタリングの条件は、タ−ゲットと基板間の距
離が42mm、導入ガスの種類がArとO2の1対1の
混合ガス、導入ガスの圧力が25mTorr、タ−ゲッ
トの材質がY1Ba2Cu3y、タ−ゲットの直径が4イ
ンチである。この図2において、例えば、印加電力を1
50Wにした場合、放電直後にはA点のようなセルフバ
イアス電圧が発生し、時間が経過すると共にB点まで低
下してここで安定する。同様に、印加電力が300Wの
場合は、放電直後にはC点のセルフバイアス電圧とな
り、時間が経過すると共にD点まで低下してここで安定
する。
【0039】図3はセルフバイアス電圧の時間的変化を
示している。このグラフは、タ−ゲットとして、既に十
分なプリスパッタリングが実施されているものを利用し
た。印加電力が150Wのときは、放電直後にセルフバ
イアス電圧が−127Vとなり、その後徐々に低下し
て、約4分後に−110Vで安定した。この実験のとき
は、インピ−ダンス整合器を固定し、印加電力を一定に
設定しておいて、高周波電源のON、OFFだけを行
い、放電中のセルフバイアス電圧を常時測定している。
印加電力が300Wのときは、放電直後にセルフバイア
ス電圧が−120Vになり、約4分後に−71Vで安定
した。印加電力の高いほうがセルフバイアス電圧が低い
のは次の理由による。利用したタ−ゲットがY1Ba2
3 yなので、スパッタリング時にタ−ゲットのエロ−
ジョン領域から2次イオン(酸素の負イオン)が放出さ
れることと、スパッタリングされたBaがイオン化して
Ba+となってタ−ゲットに逆戻りすることのためであ
ると考えられる。後者の現象はBaを含有するタ−ゲッ
トによく見られる。
【0040】図1のスパッタリング装置において、シャ
ッタ−の開閉を手動で行うには次のようにしている。最
初にシャッタ−を閉じた状態でタ−ゲットに高周波電力
を印加して、プリスパッタリングを行う。このとき、セ
ルフバイアス電圧を電圧計28または記録計36で確認
し、セルフバイアス電圧が安定したらモ−タ電源31の
スイッチ32をONにしてシャッタ−板16を開き、成
膜を開始する。このような方法により、従来は基板中心
の膜堆積速度の再現性が誤差30%程度であったのが、
この方法により誤差を15%程度にすることができた。
【0041】上述の図1の装置ではシャッタ−の開閉を
手動で行っているが、これを自動的に行うことができれ
ば便利である。図4はシャッタ−を自動制御するように
した実施例のシャッタ−開閉に関連する部分を示した構
成図である。この実施例では、ロ−パスフィルタ27の
出力は記録計36に接続され、この記録計36の出力が
コンピュ−タ35に入力されている。このコンピュ−タ
35の指令によって、モ−タ電源31と高周波電源22
が制御されるようになっている。タ−ゲット3、カソ−
ドボディ30、シャッタ−板16、シャッタ−棒20、
回転導入機12、ベルト4、モ−タ5の構成は、図1の
実施例と同様である。
【0042】コンピュ−タ35は常時、記録計36の出
力であるセルフバイアス電圧をモニタ−している。コン
ピュ−タ35には図5に示すようなシャッタ−開閉タイ
ミングがプログラミングされている。図5において、時
刻t1でコンピュ−タ35からの指示により高周波電源
をONして所定の印加電圧を設定し、放電を開始する。
放電が起こったら自動インピ−ダンス整合器37により
反射波がゼロになるように可変コンデンサの容量が変化
する。セルフバイアス電圧が低下して所定の設定値Vs
sになったとき(時刻t2)に、コンピュ−タ35から
の指示によりモ−タ電源31がONになりシャッタ−板
16が開く。シャッタ−板が開くと放電条件が変化する
のでセルフバイアス電圧は高い方にシフトする。プログ
ラミングにより設定された所定の膜堆積時間が経過した
ら時刻t3でシャッタ−を閉じる。以後、t4でシャッ
タ−開、t5でシャッタ−閉、のように所定の膜堆積プ
ロセスを実行していき、最後に時刻t6で放電を停止す
る。図5に示したものはシャッタ−開閉タイミングの一
例を示したものであり、シャッタ−の開いている時間な
どは任意に変更できる。
【0043】図5の例では、セルフバイアス電圧が所定
の設定値Vssになったときにシャッタ−を開くように
しているが、セルフバイアス電圧の変動分が零に近付い
たときにシャッタ−を開くような制御方法を採用するこ
ともできる。すなわち、コンピュ−タ35の内部におい
て、記録計36の出力であるセルフバイアス電圧を微分
回路に入力して、セルフバイアス電圧の時間的変動分
(dVs/dt)を演算する。この値が零に近付くほど
セルフバイアス電圧Vsが安定してきたことを示す。こ
のようにして、セルフバイアス電圧の時間的変動分が零
に近い所定の設定値に達したときにシャッタ−板を開
く。このようにしてセルフバイアス電圧の時間的変動分
に応じてシャッタ−を開くようにすると、セルフバイア
ス電圧が安定するときの値をあらかじめ決めておかなく
てもすむという利点がある。
【0044】以上述べたようにセルフバイアス電圧に応
じて自動的にシャッタ−を開くように制御すると、人為
的なシャッタ−開閉ミスがなくなり、より精密に膜厚を
制御できる。膜厚の再現性は、従来方法によれば誤差が
20%程度であったものが、このシャッタ−開閉自動制
御によれば、誤差が5%程度となり、より制御された膜
が作製できるようになった。
【0045】第6図は、タ−ゲットを大気にさらすこと
なく基板を交換するための基板交換機構の正面図であ
る。第7図はこの基板交換機構を下から見た平面図であ
る。真空容器1にはゲ−トバルブ39を介してロ−ドロ
ック室53が接続されている。このロ−ドロック室53
には真空計としてサ−モカップルゲ−ジ40が取り付け
られている。ロ−ドロック室53は矢印49の方向にあ
る排気系により真空容器1内とほぼ同等の真空状態にで
きる。ロ−ドロック室53にはベントバルブ50が取り
付けられ、ロ−ドロック室53内を大気圧にするために
用いられる。
【0046】搬送装置52の搬送パイプ54はハッチ4
1に対して矢印43の方向に前後移動できるようになっ
ており、その内部は矢印44の方向にある排気系によっ
て真空に排気することができる。搬送パイプ54内の搬
送ア−ム55は搬送パイプ54に対して所定距離だけ矢
印45の方向に前後移動できるようになっている。すな
わち、図7のばね46を押し込むと搬送ア−ム55は図
7の左方向に動き、ばね46の押し付け力を解除すると
搬送ア−ム55は図7の右方向に戻るようになってい
る。搬送ア−ム55の先端には両側に開閉可能なホルダ
挟み部47a、47bが取り付けられていて、搬送ア−
ム55が前進するとホルダ挟み部47a、47bが開
き、搬送ア−ム55が後退するとホルダ挟み部47a、
47bが元に戻る。基板取り付けホルダ−38には凹所
48a、48bが形成してあって、ホルダ挟み部47
a、47bが閉じるとこの凹所48a、48bに入り込
むようになっている。
【0047】基板14の交換作業は次のようにして行わ
れる。まず、基板取り付けホルダ−38を真空容器1か
らロ−ドロック室53内に移動してゲ−トバルブ39を
閉じる。次に、ロ−ドロック室53内を大気圧にし、ハ
ッチ41を矢印42の方向に開いて基板14と基板取り
付けホルダ−38を取り出す。基板取り付けホルダ−3
8に新しい基板14を取り付けたら、この基板取り付け
ホルダ−38をホルダ−挟み部47a、47bで保持し
て、ハッチ41を閉じてロ−ドロック室53を排気す
る。次に、ゲ−トバルブ39を開いて、搬送パイプ54
を前進させて、真空容器1内の基板ホルダ−に取り付け
られている基板取り付けホルダ−収納部51に、基板取
り付けホルダ−38を挿入する。その後、ばね46を押
し込んで、ホルダ−挟み部47a、47bを開き、基板
取り付けホルダ−収納部51に基板取り付けホルダ−3
8を載せる。最後に、搬送パイプ54を後退させてゲ−
トバルブ39を閉じれば基板交換が完了する。このよう
な基板交換機構を採用すると、タ−ゲットの交換時や装
置トラブル時以外は、タ−ゲットは大気にさらされるこ
とがない。タ−ゲットが大気にさらされなければ、放電
を開始してからタ−ゲット表面状態が安定するまでの遅
延時間が短くてすむという利点がある。
【0048】図8は各種のスパッタリング条件における
セルフバイアス電圧の時間的変化を示したグラフであ
る。(A)〜(D)に共通のスパッタリング条件は、タ
−ゲットと基板間の距離が42mm、放電時の導入ガス
の種類がArとO2の1対1の混合ガス、導入ガスの圧
力が25mTorr、タ−ゲットの材質がY1Ba2Cu
3y、タ−ゲットの直径が4インチ、印加電力が150
Wである。図8の(A)〜(D)の四つのグラフは、放
電前のタ−ゲットの放置状態がそれぞれ異なっている。
(A)は80mTorr以下の真空中にタ−ゲットを4
8時間保持したもの、(B)はArとO2の1対1の混
合ガス(圧力1気圧)中にタ−ゲットを1時間保持した
もの、(C)は圧力1気圧のN2ガス中にタ−ゲットを
1時間保持したもの、(D)は圧力1気圧の大気中にタ
−ゲットを1時間保持したものである。これらのグラフ
において、セルフバイアス電圧が安定状態になるまでの
遅延時間は、(A)と(B)が約13分と短い。これに
対して(C)では遅延時間が19分、(D)では39分
と長くなっている。(D)は大気中にタ−ゲットを放置
したものであり、大気中の水分がタ−ゲットの表面状態
を変質させてしまったものと考えられる。このグラフか
ら、できるだけタ−ゲットを大気に触れさせないことが
遅延時間の短縮に有効なことが分かり、図6と図7に示
すような基板交換機構を採用することが効果的であるこ
とが分かる。この基板交換機構の採用により、膜堆積速
度および膜組成の再現性の誤差は2%以内に減少した。
【0049】図9の(A)は、図4のシャッタ−自動開
閉制御装置と図6の基板交換機構を取り付けた高周波ス
パッタリング装置を利用して作製した薄膜の拡大断面図
であり、図9の(B)はそのときのシャッタ−開閉タイ
ミングのグラフである。タ−ゲットには最近脚光を浴び
ているY系酸化物超電導体のタ−ゲットを用いた。Y系
酸化物超電導体を薄膜化する際の問題点は、(a)組成
制御の難しさと、(b)膜中からの酸素の離脱である。
シングルカソ−ドスパッタリング法で作製したY系酸化
物超電導体薄膜では膜中からの酸素の離脱による超電導
特性の劣化が問題となっている。従来は、膜堆積後にO
2ガスを1気圧まで導入して、真空容器内での酸化を行
っていた。このようにするのは、薄膜の成長の初期の段
階から結晶の酸素のサイトに酸素が取り込めないでいる
からである。これに対して、この発明の装置によれば、
図9の(B)のようなシャッタ−開閉タイミングで薄膜
を作製することができた。Y1Ba2Cu3yの薄膜は、
層状構造であるが1ユニットごとに成長する。したがっ
て、図9の(A)に示すようにY1Ba2Cu3yの1ユ
ニットの層58(c軸配向の場合、厚さが約11.6オ
ングストロ−ム)の超薄膜を成長させ、次に膜堆積の間
欠期間をおいて上述の超薄膜を酸化させて酸化層59を
得る。超薄膜を堆積させるときも酸化層を得るときも、
導入ガスはArとO2の1対1の混合ガスである。そし
て、再び超薄膜の層66を成長させる。この作業を繰り
返すことにより所定の膜厚の薄膜を得た。
【0050】スパッタリング条件は、タ−ゲットと基板
間の距離が42mm、放電時の導入ガスの種類がArと
2の1対1の混合ガス、導入ガスの圧力が25mTo
rr、タ−ゲットの材質がY1Ba2Cu3y、タ−ゲッ
トの直径が4インチ、印加電力が40W、膜堆積速度が
毎分3オングストロ−ム、基板温度が650℃である。
タ−ゲットに収納した磁石による磁界の強さは、タ−ゲ
ット表面に垂直な磁界成分が零の位置(タ−ゲット中心
から35mm離れた位置)でのタ−ゲット表面に平行な
磁界成分が550ガウスである。シャッタ−を閉じた状
態での安定放電時のセルフバイアス電圧は−59Vであ
った。基板14にはMgOとSiTiO3を用いた。
【0051】このようにして、従来はMBE装置でしか
できなかった超格子の薄膜を、スパッタリング装置で実
現できるようになった。
【0052】セルフバイアス電圧を考慮せずにシャッタ
−開閉を手動で行う従来方法によって作製した膜と、図
9の(B)のタイミングでシャッタ−開閉を自動で行う
本発明の実施例の方法によって作製した膜とを比較する
と次のようになった。 従来例 実施例 臨界温度Tc 82〜85K 85〜90K 表面平滑性 粗い(凹凸あり) 平滑 再現性 不良 良好 膜厚制御性 誤差率30% 誤差率2% この結果から分かることは、従来例と実施例とでは、作
製した膜の臨界温度はあまり違わないが、表面平滑性、
制御性、膜厚制御性の点では、従来例と比較して実施例
の方が良質な薄膜を得ることができた。
【0053】次に、マルチカソ−ドスパッタリング装置
に関する実施例を説明する。複雑な多元素膜を作製する
場合に、作製しようとする膜と同一の組成の単一のタ−
ゲットを使用すると次のような問題がある。スパッタリ
ングによって負イオンを発生しやすいタ−ゲットの場合
には、この負イオンが基板を衝撃して、基板上の膜を再
スパッタリングする。このとき、元素によって再スパッ
タ率が異なるので、膜の組成比がタ−ゲットの組成比と
一致しなくなる。このような現象は酸化物タ−ゲットに
起こり易く、特に酸化物超電導体を作製する場合に問題
となっている。負イオンによる再スパッタリングの影響
を受けて組成変動を起こす物質としては、上述の実施例
で使用したY1Ba2Cu3yのほかに、次のような物質
が報告されている。 BaTiO3 LaAu LiNbO3 SmAu SrTiO3 EuAu SrZrO3 CsAu Sr2NbO7 LaF3 CaTiO3 BaO・6Fe23 Bi4Ti31 2 3Fe51 2 PbTiO3 NiFe24 これらの物質の膜作製を行う場合には、再スパッタリン
グによって欠乏した元素を補うために、複数のタ−ゲッ
トを利用するのが好ましい。この場合は、複数のタ−ゲ
ットを同時にスパッタリングするのが一般的である。
【0054】また、多層膜を作製する場合には、複数の
タ−ゲットを使用して、これらを順次スパッタリングす
る方法が採用されている。
【0055】このような複数のタ−ゲットを利用したス
パッタリング方法において、セルフバイアス電圧をモニ
タ−してシャッタ−開閉タイミングを制御することは、
きわめて効果的である。
【0056】図10は、この発明の一実施例のマルチカ
ソ−ドスパッタリング装置の平面断面図である。真空容
器56は主排気系(図示しない)によって圧力が10- 7
Torr以下の真空状態に保たれている。真空容器56
の内部には、基板57を800℃まで加熱可能な基板加
熱装置58と、この基板57を保持して矢印59の方向
に移動させる基板回転ホルダ−60が設置されている。
この基板回転ホルダ−60には基板57を最大6個まで
取り付けることができる。
【0057】基板57は、基板移動機構62を矢印63
の方向に動作させることによって、真空容器56から基
板交換室61へと真空状態で移動が可能である。基板5
7は基板回転ホルダ−60によって、後述する複数のタ
−ゲットに順番に対向するように移動できて、高周波ス
パッタリングによって基板57の表面に膜を堆積するこ
とができる。
【0058】真空容器56には大きなポ−トが6か所あ
り、そのうち4か所にマグネトロンカソ−ドが設置され
ており、残りの2か所には上述の基板交換室61とビュ
−イングポ−ト(のぞき窓)64が設置されている。4
個のマグネトロンカソ−ド65、66、67、68は、
それぞれ独立にタ−ゲット69、70、71、72を備
えている。各タ−ゲットの周囲にはタ−ゲットシ−ルド
(図示しない)が設置されている。各カソ−ドに高周波
電力を供給するために、それぞれ、インピ−ダンス整合
器73、74、75、76と高周波電源77、78、7
9、80が接続されている。高周波電源77〜80は、
同時放電時に互いに干渉しないように、周波数13.5
6MHzを中心に±6kHzの範囲内で同一周波数にな
らないようにしてある。すなわち、高周波電源77〜8
0の順に、13.560MHz、13.554MHz、
13.557MHz、13.563MHzの周波数を利
用している。
【0059】各タ−ゲット69〜72と基板回転ホルダ
−60との間には、それぞれ独立にシャッタ−81、8
2、83、84があり、シャッタ−駆動機構85、8
6、87、88によって駆動されて開閉する。シャッタ
−駆動機構85〜88は5kgf/cm2の圧縮空気に
よって駆動される。圧縮空気の制御は図11に示す電磁
弁89によって行われる。電磁弁89はシャッタ−制御
装置90からの開閉信号によって制御され、各シャッタ
−はそれぞれ独立に開閉制御される。シャッタ−制御装
置90は、コンピュ−タ91からの信号を受けて、各シ
ャッタ−の開閉を同時にあるいは順番に開閉することが
できる。
【0060】図10に戻って、各カソ−ド65〜68に
はロ−パスフィルタ92、93、94、95を介して電
圧計96、97、98、99が接続されている。ロ−パ
スフィルタはCとLの簡単な回路で構成されている。こ
れにより、各電圧計には、放電時にタ−ゲットに誘起さ
れるセルフバイアス電圧が表示される。電圧計96〜9
9は図11に示す記録計100に接続されている。な
お、図示しないが、記録計100には、真空容器56内
の圧力や基板57の温度も記録される。記録計100の
情報はコンピュ−タ91に常時入力されている。以上の
ような装置構成により、各タ−ゲット69〜72に誘起
されるセルフバイアス電圧が常時モニタ−される。
【0061】次に、図10に示す装置による具体的な膜
作製方法を説明する。まず、三つの異なるタ−ゲットを
同時スパッタリングすることによって、多元系薄膜であ
るY1Ba2Cu3yを作製する方法を説明する。タ−ゲ
ット69にY1Ba2Cu3y、タ−ゲット70にBa1
Cu0 . 2y、タ−ゲット71にCuOを用い、基板57
にはMgOを用いた。スパッタリング条件は、基板温度
を650℃に設定し、基板を60rpmで回転させた。
放電時の導入ガスは、ArとO2の1対1の混合ガス
で、圧力が4Paである。各タ−ゲットに印加する電力
は、タ−ゲット69〜71の順に、300W、80W、
15Wである。
【0062】図12の(A)に各タ−ゲット69〜71
のセルフバイアス電圧の時間変化とシャッタ−開閉のタ
イミングのグラフを示す。このグラフにおいて、上述の
スパッタリング条件で放電を開始してセルフバイアス電
圧をモニタ−し、すべてのタ−ゲットのセルフバイアス
電圧が安定してから各シャッタ−を同時に開いている。
なお、セルフバイアス電圧の時間微分をコンピュ−タで
演算して、その値が零に近付いたときにセルフバイアス
電圧が安定したと判定している。
【0063】そして、シャッタ−を開いて膜堆積を開始
してから200分経過したときに各シャッタ−を同時に
閉じている。これにより、図12の(B)に示すように
MgO基板57の上にY1Ba2Cu3y薄膜101を作
製することができた。
【0064】この膜作製方法のポイントとして次の点が
挙げられる。まず、基板回転が高速であり(1秒当たり
1回転)、膜堆積速度も約0.3オングストロ−ム/秒
と低いことから、膜中の偏積がなく、均質な薄膜が作製
できる。
【0065】ところで、Y1Ba2Cu3yをスパッタリ
ング法で薄膜化する場合の問題点として、タ−ゲットで
発生した酸素負イオンが基板を衝撃することによって膜
組成が変動することが挙げられる。この実施例と違っ
て、Y1Ba2Cu3yからなる一つのタ−ゲットだけを
利用して薄膜を作製すると、化学量論組成比よりもBa
とCuが減少することが知られている。そこで、この実
施例では、BaとCuの減少を補うために、Y1Ba2
3yのほかに、Ba1Cu0 . 2yとCuOのタ−ゲッ
トも使っている。次の表は、一つのタ−ゲットを利用し
た場合と、本実施例のように三つのタ−ゲットを利用し
た場合の膜組成比を比較したものである。
【0066】 一つのタ−ゲット Y1Ba1 . 2 5Cu2 . 6 1y 三つのタ−ゲット Y1Ba2 . 1 0Cu2 . 9 8y 一つのタ−ゲットでのスパッタリング条件は次の通りで
ある。 タ−ゲット Y1Ba2Cu3y 電力300W 基板回転 50rpm 圧 力 3.3Pa 三つのタ−ゲットでのスパッタリング条件は次の通りで
ある。 タ−ゲット Y1Ba2Cu3y 電力300W Ba1Cu0 . 2y 80W CuO 15W 基板回転 60rpm 圧 力 4Pa
【0067】このように本実施例によれば、各タ−ゲッ
トに印加する電力を制御することによって、化学量論組
成比の±5%以内の組成制御が容易に可能となった。
【0068】次に、多層膜でもあるY1Ba2Cu3y
層状に積層した実施例を説明する。タ−ゲット69にY
23、タ−ゲット70にBa1Cu 0 . 2y、タ−ゲット
71にCuOを用い、基板57にはMgOを用いた。ス
パッタリング条件は、基板温度を室温に設定し、基板を
60rpmで回転させた。放電時の導入ガスは、Arと
2の1対1の混合ガスで、圧力が4Paである。各タ
−ゲットに印加する電力は、タ−ゲット69〜71の順
に、150W、120W、20Wである。
【0069】図13の(A)に各タ−ゲット69〜71
のセルフバイアス電圧の値とシャッタ−開閉のタイミン
グのグラフを示す。横軸は膜堆積を開始した時刻からの
経過時間である。膜堆積を開始する前には、すべてのシ
ャッタ−を閉じた状態でプリスパッタリングを行ってお
り、すべてのタ−ゲットでセルフバイアス電圧が安定に
なったことを確認した。この実施例では、放電を開始し
てから約30分が経過した時点ですべてのタ−ゲットで
セルフバイアス電圧が安定となった。なお、セルフバイ
アス電圧の時間微分を演算して、その値が零に近付いた
ときにセルフバイアス電圧が安定したと判定している。
【0070】この実施例では、積層膜を作製するため
に、まず、タ−ゲット69のシャッタ−を1分間だけ開
き、次にこのシャッタ−を閉じて、タ−ゲット70のシ
ャッタ−を1分間だけ開き、次にこのシャッタ−を閉じ
て、タ−ゲット71のシャッタ−を1分間だけ開き、こ
のシャッタ−を閉じている。そして、このサイクルを2
0回繰り返したのちに、放電を停止した。これにより、
図13の(B)に示すように、MgO基板57の上に、
23層102、Ba1Cu0 . 2y層103、CuO層
104が繰り返す積層膜を作製することができた。膜堆
積速度はY23が2.4オングストロ−ム/分、Ba1
Cu0 . 2yが9.5オングストロ−ム/分、CuOが
2.6オングストロ−ム/分であった。
【0071】この膜作製方法のポイントとして次の点が
挙げられる。まず、セルフバイアス電圧が安定している
ため、各タ−ゲットの印加電力を制御することにより各
層の膜堆積速度が容易に制御でき、任意の多層膜が容易
に作製できる。この実施例では、積層膜全体としての組
成比がY1Ba2Cu3yとなるように各タ−ゲットによ
る膜堆積速度を制御した。なお、この積層膜が実際に超
電導特性を示すようになるには熱処理を必要とした。
【0072】このような多層膜作製方法は、MBE法と
同様な利用の仕方ができて、人工的に多層の原子層積層
ができ、金属の人工格子や酸化物の人工格子などの作製
には有望な方法となる。
【0073】次に、図12に示した方法と図13に示し
た方法とを組み合わせてY1Ba2Cu3y膜とPt膜の
サンドイッチ構造の膜を作製した実施例を説明する。タ
−ゲット69にY1Ba2Cu3y、タ−ゲット70にB
1Cu0 . 2y、タ−ゲット71にCuO、タ−ゲット
72にPtを用い、基板57にはMgOを用いた。スパ
ッタリング条件は、基板温度を650℃に設定し、基板
を60rpmで回転させた。放電時の導入ガスは、Ar
とO2の1対1の混合ガスで、圧力が4Paである。各
タ−ゲットに印加する電力は、タ−ゲット69〜72の
順に、300W、80W、15W、40Wである。
【0074】図14の(A)に各タ−ゲット69〜72
のセルフバイアス電圧の時間変化とシャッタ−開閉のタ
イミングのグラフを示す。このグラフにおいて、まず三
つのタ−ゲット69〜71について上述のスパッタリン
グ条件で放電を開始してセルフバイアス電圧をモニタ−
し、これらのタ−ゲットのセルフバイアス電圧が安定し
てから、これら三つのタ−ゲット69〜71のシャッタ
−を同時に開いている。なお、セルフバイアス電圧の時
間微分を演算して、その値が零に近付いたときにセルフ
バイアス電圧が安定したと判定している。
【0075】そして、三つのシャッタ−を同時に開いて
膜堆積を開始してから200分経過したときに各シャッ
タ−を同時に閉じている。このとき三つのタ−ゲット6
9〜71の放電はそのまま維持しておく。そして、四番
目のタ−ゲット72を上述のスパッタリング条件で放電
して、セルフバイアス電圧が安定してから、このタ−ゲ
ット72のシャッタ−だけを4分間だけ開く。その後、
このタ−ゲット72の放電を止める。そして、上述の三
つのタ−ゲット69〜71により再び200分間だけ膜
堆積を行う。これにより、図14の(B)に示すよう
に、MgO基板57の上に、Y1Ba2Cu3y層10
5、Pt層106、Y1Ba2Cu3y層105のサンド
イッチ構造の積層膜が作製できた。ここで、Pt層10
6の膜厚を制御することにより、超電導体/常電導体/
超電導体(S/N/S)構造のデバイスとして機能させ
ることができる。
【0076】この膜作製方法のポイントとして、一つの
真空室内で上述のデバイス構造の積層膜が作製できるこ
とが挙げられる。
【0077】なお、以上の各実施例ではタ−ゲット材料
として、反応性が激しくて多元素の物質であるY系酸化
物超電導体を用いたが、他のタ−ゲットを利用した場合
でも従来と比較して良質な薄膜を得ることができる。
【0078】
【発明の効果】この発明の高周波スパッタリング装置で
は、セルフバイアス検出装置とシャッタ−駆動機構とシ
ャッタ−制御装置とを備えているので、タ−ゲットのセ
ルフバイアス電圧を常時モニタ−してタ−ゲットの表面
状態に関する情報を得ることができ、シャッタ−制御装
置に所定の判断手法を記憶させておけば、セルフバイア
ス電圧に応じて最適なタイミングで自動的にシャッタ−
を開くことができる。これにより、作業者のミスによる
シャッタ−開閉タイミングの誤りがなくなり、薄膜作製
の再現性や膜厚の制御性が飛躍的に向上する。
【0079】また、タ−ゲットを大気にさらすことなく
基板を交換できる基板交換機構を備えるようにすれば、
タ−ゲットの表面状態が変質される恐れがなく、放電開
始からセルフバイアス電圧が安定するまでの時間が短く
てすむ。
【0080】さらに、マルチカソ−ドスパッタリング装
置において各タ−ゲットごとにセルフバイアス電圧をモ
ニタ−してシャッタ−開閉タイミングを最適に制御する
ようにすれば、複数のタ−ゲットを使用して、多元素膜
や多層膜、超薄膜を再現性よく作製することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のスパッタリング装置の一実施例の正
面断面図である。
【図2】印加電力とセルフバイアス電圧の関係を示すグ
ラフである。
【図3】セルフバイアス電圧の時間的変化を示すグラフ
である。
【図4】別の実施例のシャッタ−自動開閉機構に関する
構成を示す構成図である。
【図5】シャッタ−開閉タイミングとセルフバイアス電
圧との関係を示すグラフである。
【図6】基板交換機構の正面図である。
【図7】基板交換機構を下から見た平面図である。
【図8】放電前のタ−ゲットの放置状態を変えた場合の
セルフバイアス電圧の時間的変化を示すグラフである。
【図9】この発明の方法で作製した薄膜の拡大断面図と
そのときのシャッタ−開閉タイミングを示すグラフであ
る。
【図10】この発明の別の実施例のマルチカソ−ドスパ
ッタリング装置の平面断面図である。
【図11】図10の装置のシャッタ−制御系のブロック
図である。
【図12】複数ターゲットの同時スパッタリングにおけ
るシャッタ−開閉タイミングのグラフと膜の拡大正面断
面図である。
【図13】複数ターゲットの順次スパッタリングにおけ
るシャッタ−開閉タイミングのグラフと膜の拡大正面断
面図である。
【図14】複数ターゲットの同時スパッタリングと順次
スパッタリングとの組み合わせにおけるシャッタ−開閉
タイミングのグラフと膜の拡大正面断面図である。
【符号の説明】
3 タ−ゲット 5 モ−タ 16 シャッタ−板 22 高周波電源 27 ロ−パスフィルタ 28 電圧計 31 モ−タ電源 35 コンピュ−タ 36 記録計 52 搬送装置 53 ロ−ドロック室

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タ−ゲットに誘起されるセルフバイアス
    電圧を検出するセルフバイアス検出装置と、基板とタ−
    ゲット間に配置されたシャッタ−を開閉するためのシャ
    ッタ−駆動機構と、前記セルフバイアス検出装置の出力
    信号を受けて前記シャッタ−駆動機構にシャッタ−開閉
    信号を送るシャッタ−制御装置、とを有することを特徴
    とする高周波スパッタリング装置。
  2. 【請求項2】 タ−ゲットを大気にさらすことなく基板
    を交換できる基板交換機構を有することを特徴とする請
    求項1記載の高周波スパッタリング装置。
  3. 【請求項3】 複数のタ−ゲットを有し、各タ−ゲット
    ごとに前記セルフバイアス検出装置と前記シャッタ−と
    前記シャッタ−駆動機構とを有することを特徴とする請
    求項1記載の高周波スパッタリング装置。
  4. 【請求項4】 タ−ゲットに高周波電力を印加してこの
    タ−ゲットをスパッタリングすることによって基板上に
    膜を堆積させる膜作製方法において、前記タ−ゲットに
    高周波電力を印加して放電を発生させる段階と、前記タ
    −ゲットに誘起されるセルフバイアス電圧を検出する段
    階と、前記セルフバイアス電圧が所定の設定値まで低下
    したときに基板とタ−ゲット間に配置されたシャッタ−
    を開く段階、とを有することを特徴とする膜作製方法。
  5. 【請求項5】 タ−ゲットに高周波電力を印加してこの
    タ−ゲットをスパッタリングすることによって基板上に
    膜を堆積させる膜作製方法において、前記タ−ゲットに
    高周波電力を印加して放電を発生させる段階と、前記タ
    −ゲットに誘起されるセルフバイアス電圧を検出する段
    階と、前記セルフバイアス電圧の時間的変動分が所定の
    設定値まで低下したときに基板とタ−ゲット間に配置さ
    れたシャッタ−を開く段階、とを有することを特徴とす
    る膜作製方法。
  6. 【請求項6】 複数のタ−ゲットに高周波電力を印加し
    てこれらのタ−ゲットをスパッタリングすることによっ
    て基板上に膜を堆積させる膜作製方法において、前記複
    数のタ−ゲットに高周波電力を印加して同時に放電させ
    る段階と、前記複数のタ−ゲットに誘起されるセルフバ
    イアス電圧を同時に検出する段階と、前記複数のタ−ゲ
    ットのセルフバイアス電圧またはその時間的変動分がす
    べて所定の設定値まで低下したときに基板とタ−ゲット
    間に配置された各シャッタ−を開く段階と、を有するこ
    とを特徴とする膜作製方法。
  7. 【請求項7】 前記各シャッタ−を同時に開き、所定時
    間経過後に各シャッタ−を同時に閉じることを特徴とす
    る請求項6記載の膜作製方法。
  8. 【請求項8】 前記各シャッタ−の開いている時間が互
    いに重ならないように各シャッタ−を順に開閉すること
    を特徴とする請求項6記載の膜作製方法。
  9. 【請求項9】 前記各シャッタ−を複数のグル−プに分
    けて、同一のグル−プに属するシャッタ−については、
    これらを同時に開閉し、異なるグル−プに属するシャッ
    タ−の間ではシャッタ−の開いている時間が互いに重な
    らないようにすることを特徴とする請求項6記載の膜作
    製方法。
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