JPH06145977A - 多結晶薄膜の製造方法および酸化物超電導導体の製造方法 - Google Patents

多結晶薄膜の製造方法および酸化物超電導導体の製造方法

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JPH06145977A
JPH06145977A JP4293464A JP29346492A JPH06145977A JP H06145977 A JPH06145977 A JP H06145977A JP 4293464 A JP4293464 A JP 4293464A JP 29346492 A JP29346492 A JP 29346492A JP H06145977 A JPH06145977 A JP H06145977A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、基材の成膜面に対して直角向きに
結晶軸のc軸を配向させることができ、成膜面と平行な
面に沿って結晶粒の結晶軸のa軸とb軸を揃えることが
でき、結晶配向性に優れた多結晶薄膜を提供することを
目的とする。 【構成】 本発明は、スパッタリングによりターゲット
の構成粒子を叩き出して基材上に堆積させ、基材上に多
結晶薄膜を形成する方法において、前記構成粒子を基材
上に堆積させる際に、イオン源が発生させたイオンビー
ムを基材の成膜面に対して斜め方向から50〜60度の
範囲の入射角度で照射しながら前記構成粒子を基材上に
堆積させるものである。 【効果】 本発明は構成粒子を効率的に活性化できる結
果、基材の成膜面に対してc軸配向性に加えてa軸配向
性とb軸配向性をも向上させた粒界傾角30度以下の多
結晶薄膜を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は結晶方位の整った多結晶
薄膜の製造方法と結晶方位の整った酸化物超電導導体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年になって発見された酸化物超電導体
は、液体窒素温度を超える臨界温度を示す優れた超電導
体であるが、現在、この種の酸化物超電導体を実用的な
超電導体として使用するためには、種々の解決するべき
問題点が存在している。その問題点の1つが、酸化物超
電導体の臨界電流密度が低いという問題である。
【0003】前記酸化物超電導体の臨界電流密度が低い
という問題は、酸化物超電導体の結晶自体に電気的な異
方性が存在することが大きな原因となっており、特に酸
化物超電導体はその結晶軸のa軸方向とb軸方向には電
気を流し易いが、c軸方向には電気を流しにくいことが
知られている。このような観点から酸化物超電導体を基
材上に形成してこれを超電導体として使用するために
は、基材上に結晶配向性の良好な状態の酸化物超電導体
を形成し、しかも、電気を流そうとする方向に酸化物超
電導体の結晶のa軸あるいはb軸を配向させ、その他の
方向に酸化物超電導体のc軸を配向させる必要がある。
【0004】従来、基板や金属テープなどの基材上に結
晶配向性の良好な酸化物超電導層を形成するために種々
の手段が試みられてきた。その1つの方法として、酸化
物超電導体と結晶構造の類似したMgOあるいはSrT
iO3などの単結晶基材を用い、これらの単結晶基材上
にスパッタリングなどの成膜法により酸化物超電導層を
形成する方法が実施されている。
【0005】前記MgOやSrTiO3の単結晶基材を
用いてスパッタリングなどの成膜法を行なえば、酸化物
超電導層の結晶が単結晶基材の結晶を基に結晶成長する
ために、その結晶配向性を良好にすることが可能であ
り、これらの単結晶基材上に形成された酸化物超電導層
は、数十万〜数百万A/cm2程度の十分に高い臨界電
流密度を発揮することが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、酸化物超電
導体を導電体として使用するためには、テープ状などの
長尺の基材上に結晶配向性の良好な酸化物超電導層を形
成する必要がある。ところが、金属テープなどの基材上
に酸化物超電導層を直接形成すると、金属テープ自体が
多結晶体でその結晶構造も酸化物超電導体と大きく異な
るために、結晶配向性の良好な酸化物超電導層は到底形
成できないものである。しかも、酸化物超電導層を形成
する際に行なう熱処理によって金属テープと酸化物超電
導層との間で拡散反応が生じて酸化物超電導層の結晶構
造が崩れ、超電導特性が劣化する問題がある。
【0007】そこで従来、金属テープなどの基材上に、
スパッタ装置を用いてMgOやSrTiO3などの中間
層を被覆し、この中間層上に酸化物超電導層を形成する
ことが行なわれている。ところがこの種の中間層上にス
パッタ装置により形成した酸化物超電導層は、単結晶基
材上に形成された酸化物超電導層よりもかなり低い臨界
電流密度(例えば数千〜一万A/cm2程度)しか示さ
ないという問題があった。これは、以下に説明する理由
によるものと考えられる。
【0008】図9は、金属テープなどの基材1上にスパ
ッタ装置により中間層2を形成し、この中間層2上にス
パッタ装置により酸化物超電導層3を形成した酸化物超
電導導体の断面構造を示すものである。図9に示す構造
において、酸化物超電導層3は多結晶状態であり、多数
の結晶粒4が無秩序に結合した状態となっている。これ
らの結晶粒4の1つ1つを個々に見ると各結晶粒4の結
晶のc軸は基材表面に対して垂直に配向しているもの
の、a軸とb軸は無秩序な方向を向いているものと考え
られる。
【0009】このように酸化物超電導層の結晶粒毎にa
軸とb軸の向きが無秩序になると、結晶配向性の乱れた
結晶粒界において超電導状態の量子的結合性が失なわれ
る結果、超電導特性、特に臨界電流密度の低下を引き起
こすものと思われる。また、前記酸化物超電導体がa軸
およびb軸配向していない多結晶状態となるのは、その
下に形成された中間層2がa軸およびb軸配向していな
い多結晶状態であるために、酸化物超電導層3を成膜す
る場合に、中間層2の結晶に整合するように酸化物超電
導層3が成長するためであると思われる。
【0010】ところで、前記酸化物超電導体の応用分野
以外において、多結晶体の基材上に各種の配向膜を形成
する技術が利用されている。例えば光学薄膜の分野、光
磁気ディスクの分野、配線基板の分野、高周波導波路や
高周波フィルタ、空洞共振器などの分野であるが、いず
れの技術においても基材上に膜質の安定した配向性の良
好な多結晶薄膜を形成することが課題となっている。即
ち、多結晶薄膜の結晶配向性が良好であるならば、その
上に形成される光学薄膜、磁性薄膜、配線用薄膜などの
質が向上するわけであり、更に基材上に結晶配向性の良
好な光学薄膜、磁性薄膜、配線用薄膜などを直接形成で
きるならば、なお好ましい。
【0011】また、高周波数帯域で使用される磁気ヘッ
ドのコア材として、高透磁率を有し、熱的にも安定なパ
ーマロイ、あるいは、センダストなどの磁性薄膜が実用
化されている。これらの磁性薄膜は、従来、蒸着やスパ
ッタにより所定の基板上に形成されるが、これらの磁性
薄膜の結晶方位の配向性が低いものであると、磁性薄膜
の磁気異方性の制御が困難になり、膜面内では結晶粒の
方位が無秩序になり、透磁率の高周波特性が損なわれる
問題があった。また、膜面内での結晶軸の軸方向が無秩
序であると、面内磁化にスキューやリップルと呼ばれる
局所的なゆらぎが発生し、前述のように透磁率の高周波
特性が損なわれることになる。
【0012】本発明は前記課題を解決するためになされ
たもので、基材の成膜面に対して直角向きに結晶軸のc
軸を配向させることができると同時に、成膜面と平行な
面に沿って結晶粒の結晶軸のa軸およびb軸をも揃える
ことができ、結晶配向性に優れた多結晶薄膜を提供する
こと、および、結晶配向性に優れた酸化物超電導層を備
えた酸化物超電導導体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は前
記課題を解決するために、スパッタリングによりターゲ
ットの構成粒子を叩き出して基材上に堆積させ、基材上
に多結晶薄膜を形成する方法において、前記構成粒子を
基材上に堆積させる際に、イオン源が発生させたイオン
ビームを基材の成膜面に対して斜め方向から50〜60
度の範囲の入射角度で照射しながら前記構成粒子を基材
上に堆積させるものである。
【0014】請求項2記載の発明は前記課題を解決する
ために、スパッタリングによりターゲットの構成粒子を
叩き出して基材上に堆積させ、基材上に多結晶薄膜を形
成する方法において、前記構成粒子を基材上に堆積させ
る際に、イオン源が発生させたイオンビームを基材の成
膜面に対して斜め方向から照射しながら前記構成粒子を
基材上に堆積させるとともに、前記イオンビームの電流
密度を20μA/cm2以上、イオンビーム電圧を15
0以上で700V未満とするものである。
【0015】請求項3記載の発明は前記課題を解決する
ために、請求項1記載の多結晶薄膜の製造方法におい
て、イオンビームの入射角度を55〜60度の範囲に設
定して基材上に形成される多結晶薄膜の結晶粒の粒界傾
角を25度以内とするものである。
【0016】請求項4記載の発明は前記課題を解決する
ために、請求項1または2記載のイオンとして、不活性
ガスイオン、あるいは、不活性ガスと酸素ガスの混合イ
オンを用いるものである。
【0017】請求項5記載の発明は前記課題を解決する
ために、スパッタリングによりターゲットの構成粒子を
叩き出して基材上に堆積させ、基材上に多結晶薄膜を形
成し、次いでこの多結晶薄膜上に酸化物超電導層を形成
する酸化物超電導導体の製造方法において、前記構成粒
子を基材上に堆積させる際に、イオン源が発生させたイ
オンビームを基材の成膜面に対して斜め方向から50〜
60度の範囲の入射角度で照射しつつスパッタ粒子を堆
積させて多結晶薄膜を形成し、この多結晶薄膜上に酸化
物超電導層を形成するものである。
【0018】請求項6記載の発明は前記課題を解決する
ために、スパッタリングによりターゲットの構成粒子を
叩き出して基材上に堆積させ、基材上に多結晶薄膜を形
成し、次いでこの多結晶薄膜上に酸化物超電導層を形成
する酸化物超電導導体の製造方法において、前記構成粒
子を基材上に堆積させる際に、イオン源が発生させたイ
オンビームを基材の成膜面に対して斜め方向から照射し
つつスパッタ粒子を堆積させるとともに、前記イオンビ
ームの電流密度を20μA/cm2以上、イオンビーム
電圧を150以上で700V未満として多結晶薄膜を形
成し、この多結晶薄膜上に酸化物超電導層を形成するも
のである。
【0019】請求項7記載の発明は前記課題を解決する
ために、請求項5または6記載の酸化物超電導導体の製
造方法において、イオンビームの入射角度を55〜60
度の範囲に設定して基材上に形成される多結晶薄膜の結
晶粒の粒界傾角を25度以内とするものである。
【0020】請求項8記載の発明は前記課題を解決する
ために、請求項5、6または7記載の多結晶薄膜上に酸
化物超電導層を形成する際に、多結晶薄膜の結晶に対し
て酸化物超電導体の結晶をエピタキシャル成長させるこ
とを特徴とする酸化物超電導体の製造方法。
【0021】請求項9記載の発明は前記課題を解決する
ために、イオンとして、不活性ガスイオン、あるいは、
不活性ガスと酸素ガスの混合イオンを用いることを特徴
とする請求項5、6、7または8記載の酸化物超電導体
の製造方法。
【0022】
【作用】スパッタリングによりターゲットから叩き出し
たスパッタ粒子を基材上に堆積させる際に、基材の斜め
方向50〜60度の範囲からイオンビームも同時に照射
するので、構成粒子が効率的に活性化される結果、基材
の成膜面に対してc軸配向性に加えてa軸配向性とb軸
配向性も向上する。その結果、結晶粒界が多数形成され
た多結晶薄膜であっても、結晶粒ごとのa軸配向性とb
軸配向性とc軸配向性のいずれもが良好になり、膜質の
向上した多結晶薄膜が得られる。また、スパッタの際の
構成粒子を活性化するには、アルゴンイオンまたはアル
ゴンイオンと酸素イオンの混合イオンが好ましい。
【0023】なお、前記多結晶薄膜の結晶配向性が整う
要因として本発明らは、以下のことを想定している。基
板上に形成された立方晶の多結晶薄膜の結晶の単位格子
においては、基板法線方向が<100>軸であり、他の
<010>軸と<001>軸は、いずれも、<100>
軸に直交する方向となる。これらの方向に対し、基板法
線に対して斜め方向から入射するイオンビームを考慮す
ると、単位格子の原点に対して単位格子の対角線方向、
即ち、<111>軸に沿って入射する場合は54.7度
の入射角度となる。ここで前記のようにイオンビームの
入射角度が50〜60度の範囲で良好な結晶配向性を示
すことは、イオンビームの入射角度が前記54.7度と
一致するかその前後になることが関連していると思わ
れ、これらの角度が一致するか、近似した場合にイオン
チャンネリングが最も効果的に起こり、基材上に堆積し
ている結晶において、基材の上面で前記角度に一致する
配置関係になった原子のみが選択的に残り易くなり、そ
の他の乱れた原子配列のものは斜めに入射されるイオン
ビームが発生させるスパッタ効果によりスパッタされて
除去される結果、配向性の良好な原子の集合した結晶の
みが選択的に残って堆積し、これが原因となって結晶配
向性が整うものと推定している。
【0024】従ってイオンビーム電圧は低過ぎるとイオ
ン照射不足になって前記効果を生じにくくし、高すぎる
と逆にスパッタ効果を生じて結晶配向性を乱してしまう
ことになる。以上のことから、イオンビームの電流密度
は20μA/cm2以上とすることが好ましく、イオン
ビーム電圧は150V以上で700V未満とすることが
好ましい。
【0025】また、前記結晶配向性の良好な多結晶薄膜
上に酸化物超電導層をエピタキシャル成長させるなら
ば、酸化物超電導層が多結晶薄膜の結晶に沿って結晶成
長する結果、酸化物超電導層もa軸配向性とb軸配向性
とc軸配向性の良好なものが得られる。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1は本発明の多結晶薄膜を基材上に形成
した一実施例を示すものであり、図1においてAは板状
の基材、Bは基材Aの上面に形成された多結晶薄膜を示
している。前記基材Aは、例えば板材、線材、テープ材
などの種々の形状のものを用いることができ、基材A
は、銀、白金、ステンレス鋼、銅などの金属材料や合
金、あるいは、各種ガラスあるいは各種セラミックスな
どからなるものである。
【0027】前記多結晶薄膜Bは、立方晶系の結晶構造
を有する微細な結晶粒20が、多数、相互に結晶粒界を
介して接合一体化されてなり、各結晶粒20の結晶軸の
c軸は基材Aの上面(成膜面)に対して直角に向けら
れ、各結晶粒20の結晶軸のa軸どうしおよびb軸どう
しは、互いに同一方向に向けられて面内配向されてい
る。また、各結晶粒20のc軸が基材Aの(上面)成膜
面に対して直角に配向されている。そして、各結晶粒2
0のa軸(あるいはb軸)どうしは、それらのなす角度
(図2に示す粒界傾角K)を30度以内にして接合一体
化されている。
【0028】次に前記多結晶薄膜Bを製造する装置につ
いて説明する。図3は前記多結晶薄膜Bを製造する装置
の一例を示すものであり、この例の装置は、スパッタ装
置にイオンビームアシスト用のイオンガンを設けた構成
となっている。
【0029】本例の装置は、基材Aを水平に保持する基
材ホルダ11と、この基材ホルダ11の斜め上方に所定
間隔をもって対向配置された板状のターゲット12と、
前記基材ホルダ11の斜め上方に所定間隔をもって対向
され、かつ、ターゲット12と離間して配置されたイオ
ンガン13と、前記ターゲット12の下方においてター
ゲット12の下面に向けて配置されたスパッタビーム照
射装置14を主体として構成されている。また、図中符
号15は、ターゲット12を保持したターゲットホルダ
を示している。
【0030】また、本実施例の装置は図示略の真空容器
に収納されていて、基材Aの周囲を真空雰囲気に保持で
きるようになっている。更に前記真空容器には、ガスボ
ンベなどの雰囲気ガス供給源が接続されていて、真空容
器の内部を真空などの低圧状態で、かつ、アルゴンガス
あるいはその他の不活性ガス雰囲気または酸素を含む不
活性ガス雰囲気にすることができるようになっている。
【0031】なお、基材Aとして長尺の金属テープ(ハ
ステロイ製あるいはステンレス製などのテープ)を用い
る場合は、真空容器の内部に金属テープの送出装置と巻
取装置を設け、送出装置から連続的に基材ホルダ11に
基材Aを送り出し、続いて巻取装置で巻き取ることでテ
ープ状の基材上に多結晶薄膜を連続成膜することができ
るように構成することが好ましい。前記基材ホルダ11
は内部に加熱ヒータを備え、基材ホルダ11の上に位置
された基材Aを所用の温度に加熱できるようになってい
る。また、基材ホルダ11の底部には角度調整機構Dが
付設されている。この角度調整機構Dは、基材ホルダ1
1の底部に接合された上部支持板5と、この上部支持板
5にピン結合された下部支持板6と、この下部支持板6
を支持する基台7を主体として構成されている。前記上
部支持板5と下部支持板6とはピン結合部分を介して互
いに回動自在に構成されており、基材ホルダ11の水平
角度を調整できるようになっている。なお、本例では基
材ホルダ11の角度を調整する角度調整機構Dを設けた
が、角度調整機構Dをイオンガン13に取り付けてイオ
ンガン13の傾斜角度を調整し、イオンビームの入射角
度を調整するようにしても良い。また、角度調整機構は
本実施例の構成に限るものではなく、種々の構成のもの
を採用することができるのは勿論である。
【0032】前記ターゲット12は、目的とする多結晶
薄膜を形成するためのものであり、目的の組成の多結晶
薄膜と同一組成あるいは近似組成のものなどを用いる。
ターゲット12として具体的には、MgOあるいはY2
3で安定化したジルコニア(YSZ)、MgO、Sr
TiO3などを用いるがこれに限るものではなく、形成
しようとする多結晶薄膜に見合うターゲッを用いれば良
い。
【0033】前記イオンガン13は、容器の内部に、蒸
発源を収納し、蒸発源の近傍に引き出し電極を備えて構
成されている。そして、前記蒸発源から発生した原子ま
たは分子の一部をイオン化し、そのイオン化した粒子を
引き出し電極で発生させた電界で制御してイオンビーム
として照射する装置である。粒子をイオン化するには直
流放電方式、高周波励起方式、フィラメント式、クラス
タイオンビーム方式などの種々のものがある。フィラメ
ント式はタングステン製のフィラメントに通電加熱して
熱電子を発生させ、高真空中で蒸発粒子と衝突させてイ
オン化する方法である。また、クラスタイオンビーム方
式は、原料を入れたるつぼの開口部に設けられたノズル
から真空中に出てくる集合分子のクラスタを熱電子で衝
撃してイオン化して放射するものである。本実施例にお
いては、図4(a)に示す構成の内部構造のイオンガン
13を用いる。このイオンガン13は、筒状の容器16
の内部に、引出電極17とフィラメント18とArガス
などの導入管19とを備えて構成され、容器16の先端
からイオンをビーム状に平行に照射できるものである。
【0034】前記イオンガン13は、図3に示すように
その中心軸Sを基材Aの上面(成膜面)に対して入射角
度θ(基材Aの垂線(法線)と中心線Sとのなす角度)
でもって傾斜させて対向されている。この入射角度θは
50〜60度の範囲が好ましいが、55〜60度の範囲
が最も好ましい。従ってイオンガン13は基材Aの上面
に対して傾斜角θでもってイオンビームを入射できるよ
うに配置されている。なお、前記イオンガン13によっ
て基材Aに照射するイオンビームは、He+、Ne+、A
+、Xe+、Kr+などの希ガスのイオンビーム、ある
いは、それらと酸素イオンの混合イオンビームなどで良
い。だだし、多結晶薄膜の結晶構造を整えるためには、
ある程度の原子量が必要であり、あまりに軽量のイオン
では効果が薄くなることを考慮すると、Ar+、Kr+
どのイオンを用いることが好ましい。
【0035】前記スパッタビーム照射装置14は、イオ
ンガン13と同等の構成をなし、ターゲット12に対し
てイオンビームを照射してターゲット12の構成粒子を
叩き出すことができるものである。なお、本発明装置で
はターゲット13の構成粒子を叩き出すことができるこ
とが重要であるので、ターゲット12に高周波コイルな
どで電圧を印可してターゲット12の構成粒子を叩き出
し可能なように構成し、スパッタビーム照射装置14を
省略しても良い。
【0036】次に前記構成の装置を用いて基材A上にY
SZの多結晶薄膜Bを形成する場合について説明する。
基材A上に多結晶薄膜Bを形成するには、YSZのター
ゲットを用いるとともに、角度調整機構Dを調節してイ
オンガン13から照射されるイオンビームを基材ホルダ
11の上面に50〜60度の範囲の角度で照射できるよ
うにする。次に基材Aを収納している容器の内部を真空
引きして減圧雰囲気とする。そして、イオンガン13と
スパッタビーム照射装置14を作動させる。
【0037】スパッタビーム照射装置14からターゲッ
ト12にイオンビームを照射すると、ターゲット12の
構成粒子が叩き出されて基材A上に飛来する。そして、
基材A上に、ターゲット12から叩き出した構成粒子を
堆積させると同時に、イオンガン13からArイオンと
酸素イオンの混合イオンビームを照射する。このイオン
照射する際の入射角度θは、50〜60度が最も好まし
い。ここでθを90度とすると、多結晶薄膜のc軸は基
材Aの成膜面に対して直角に配向するものの、基材Aの
成膜面上に(111)面が立つので好ましくない。ま
た、θを30度とすると、多結晶薄膜はc軸配向すらし
なくなる。前記のような好ましい範囲の角度でイオンビ
ーム照射するならば多結晶薄膜の結晶の(100)面が
立つようになる。
【0038】このような入射角度でイオンビーム照射を
行ないながらスパッタリングを行なうことで、基材A上
に形成されるYSZの多結晶薄膜の結晶軸のa軸とb軸
とを配向させることができるが、これは、堆積されてい
る途中のスパッタ粒子に対して適切な角度でイオンビー
ム照射されたことにより効率的に活性化された結果によ
るものと思われる。
【0039】なお、この多結晶薄膜Bの結晶配向性が整
う要因として本発明らは、以下のことを想定している。
YSZの多結晶薄膜Bの結晶の単位格子は、図4(b)
に示すように立方晶であり、この結晶格子においては、
基板法線方向が<100>軸であり、他の<010>軸
と<001>軸はいずれも図4(b)に示す方向とな
る。これらの方向に対し、基板法線に対して斜め方向か
ら入射するイオンビームを考慮すると、図4(b)の原
点Oに対して単位格子の対角線方向、即ち、<111>
軸に沿って入射する場合は54.7度の入射角度とな
る。ここで前記のように入射角度50〜60度の範囲で
良好な結晶配向性を示すことは、イオンビームの入射角
度が前記54.7度と一致するかその前後になった場
合、イオンチャンネリングが最も効果的に起こり、基材
A上に堆積している結晶において、基材Aの上面で前記
角度に一致する配置関係になった原子のみが選択的に残
り易くなり、その他の乱れた原子配列のものはイオンビ
ームのスパッタ効果によりスパッタされて除去される結
果、配向性の良好な原子の集合した結晶のみが選択的に
残って堆積してゆくものと推定している。
【0040】以上のことから、イオンビームを照射する
際のイオンビーム電圧は低過ぎるとイオン照射不足にな
って前記効果を生じにくくし、高すぎると逆にスパッタ
効果が高くなって結晶配向性を乱してしまうことにな
る。以上のことから、イオンビームの電流密度は20μ
A/cm2以上とすることが好ましく、イオンビーム電
圧は150V以上で700V未満とすることが好まし
い。
【0041】図1と図2に、前記の方法でYSZの多結
晶薄膜Bが堆積された基材Aを示す。なお、図1では結
晶粒20が1層のみ形成された状態を示しているが、結
晶粒20の多層構造でも差し支えないのは勿論である。
【0042】次に、図5と図6は本発明に係る酸化物超
電導導体の一実施例を示すものであり、本実施例の酸化
物超電導導体23は、板状の基材Aと、この基材Aの上
面に形成された多結晶薄膜Bと、多結晶薄膜Bの上面に
形成された酸化物超電導層Cとからなっている。前記基
材Aと多結晶薄膜Bは先の例において説明した材料と同
等の材料から構成され、多結晶薄膜Bの結晶粒20は、
図1と図2に示すように粒界傾角30度以内になるよう
に結晶配向されている。
【0043】次に、酸化物超電導層Cは、多結晶薄膜B
の上面に被覆されたものであり、その結晶粒23のc軸
は多結晶薄膜Bの上面に対して直角に配向され、その結
晶粒23…のa軸とb軸は先に説明した多結晶薄膜Bと
同様に基材上面と平行な面に沿って面内配向し、結晶粒
23どうしが形成する粒界傾角K’は30度以内にされ
ている。この酸化物超電導層を構成する酸化物超電導体
は、Y1Ba2Cu3Ox、Y2Ba4Cu8Ox、Y3Ba3Cu6
Oxなる組成、あるいは(Bi,Pb)2Ca2Sr2Cu3
Ox、(Bi,Pb)2Ca2Sr3Cu4Oxなる組成、あ
るいは、Tl2Ba2Ca2Cu3Ox、Tl1Ba2Ca2
3Ox、Tl1Ba2Ca3Cu4Oxなる組成などに代表
される臨界温度の高い酸化物超電導体である。
【0044】次に酸化物超電導層Cを形成する装置につ
いて説明する。図7は酸化物超電導層を成膜法により形
成する装置の一例を示すもので、図7はレーザ蒸着装置
を示している。この例のレーザ蒸着装置30は、処理容
器31を有し、この処理容器31の内部の蒸着処理室3
2に基材Aとターゲット33を設置できるようになって
いる。即ち、蒸着処理室32の底部には基台34が設け
られ、この基台34の上面に基材Aを水平状態で設置で
きるようになっているとともに、基台34の斜め上方に
支持ホルダ36によって支持されたターゲット33が傾
斜状態で設けられている。 処理容器31は、排気孔3
7を介して図示略の真空排気装置に接続されて内部を所
定の圧力に減圧できるようになっている。
【0045】前記ターゲット33は、形成しようとする
酸化物超電導層Cと同等または近似した組成、あるい
は、成膜中に逃避しやすい成分を多く含有させた複合酸
化物の焼結体あるいは酸化物超電導体などの板体からな
っている。前記基台34は加熱ヒータを内蔵したもの
で、基材Aを所望の温度に加熱できるようになってい
る。
【0046】一方、処理容器31の側方には、レーザ発
光装置38と第1反射鏡39と集光レンズ40と第2反
射鏡41とが設けられ、レーザ発光装置38が発生させ
たレーザビームを処理容器31の側壁に取り付けられた
透明窓42を介してターゲット33に集光照射できるよ
うになっている。レーザ発光装置38はターゲット33
から構成粒子を叩き出すことができるものであれば、Y
AGレーザ、CO2レーザ、エキシマレーザなどのいず
れのものを用いても良い。
【0047】次に前記YSZの多結晶薄膜Bの上に、酸
化物超電導層Cを形成する場合について説明する。前記
のように基材A上にYSZの多結晶薄膜Bを形成したな
らば、この多結晶薄膜B上に酸化物超電導層を形成す
る。酸化物超電導層を多結晶薄膜B上に形成する場合、
この例では図7に示すレーザ蒸着装置30を使用する。
【0048】多結晶薄膜Bが形成された基材Aを図7に
示すレーザ蒸着装置30の基台34上に設置し、蒸着処
理室32を真空ポンプで減圧する。ここで必要に応じて
蒸着処理室32に酸素ガスを導入して蒸着処理室32を
酸素雰囲気としても良い。また、基台34の加熱ヒータ
を作動させて基材Aを所望の温度に加熱する。
【0049】次にレーザ発光装置38から発生させたレ
ーザビームを蒸着処理室32のターゲット33に集光照
射する。これによってターゲット33の構成粒子がえぐ
り出されるか蒸発されてその粒子が多結晶薄膜B上に堆
積する。ここで構成粒子の堆積の際に多結晶薄膜Bが予
めc軸配向し、a軸とb軸でも配向しているので、多結
晶薄膜B上に形成される酸化物超電導層Cの結晶のc軸
とa軸とb軸も多結晶薄膜Bに整合するようにエピタキ
シャル成長して結晶化する。これによって結晶配向性の
良好な酸化物超電導層Cが得られる。
【0050】前記多結晶薄膜B上に形成された酸化物超
電導層Cは、多結晶状態となるが、この酸化物超電導層
Cの結晶粒の1つ1つにおいては、図6に示すように基
材Aの厚さ方向に電気を流しにくいc軸が配向し、基材
Aの長手方向にa軸どうしあるいはb軸どうしが配向し
ている。従って得られた酸化物超電導層は結晶粒界にお
ける量子的結合性に優れ、結晶粒界における超電導特性
の劣化が少ないので、基材Aの面方向に電気を流し易
く、臨界電流密度の優れたものが得られる。
【0051】一方、図8は、多結晶薄膜を製造するため
の装置の他の例を示すものである。この例の装置におい
て図3に記載した装置と同等の構成部分には同一符号を
付してそれらの説明を省略する。この例の装置において
図3に示す装置と異っているのは、ターゲット12を3
個設け、スパッタビーム照射装置14を3個設け、基材
Aとターゲット12に高周波電源29を接続した点であ
る。
【0052】この例の装置では、3個のターゲット1
2、12、12から、それぞれ別種の粒子を叩き出して
基材A上に堆積させて複合膜を形成することができるの
で、より複雑な組成の多結晶膜でも製造できる特徴があ
る。また、高周波電源30を作動させてターゲット12
からスパッタすることもできる。この例の装置を用いて
前記方法を実施する場合も図3に示す装置の場合と同様
に配向性に優れた多結晶薄膜を得ることができる。
【0053】(製造例)図3に示す構成の装置を使用
し、この装置を収納した容器内部を真空ポンプで真空引
きして3.0×10-4トールに減圧した。基材は、幅1
0mm、厚さ0.5mm、長さ10cmのハステロイC
276テープを使用した。ターゲットはYSZ(安定化
ジルコニア)製のものを用い、スパッタ電圧1000
V、スパッタ電流100mA、イオン源のビームの入射
角度を55度に設定し、イオン源のアシスト電圧を30
0Vに、イオンビームの電流密度を10〜70μA/c
2にそれぞれ設定して基材上にスパッタリングと同時
にイオン照射を行なって厚さ0.3μmの膜状のYSZ
層を形成した。ここで前記イオンビームの電流密度と
は、試料近くに接地した電流密度計測装置の計測数値に
よるものである。
【0054】得られた各YSZの多結晶薄膜試料につい
てCuKα線を用いたθ-2θ法によるX線回折試験を
行なった。図10〜図13は、イオン源の入射角55
度、イオンビーム電圧300Vでイオンビームの電流密
度を10μA/cm2、20μA/cm2、40μA/c
2、70μA/cm2にそれぞれ測定した試料の回折強
さを示す図である。図10〜図13に示す結果から、イ
オンビームの電流密度を20〜70μA/cm2に設定
した試料では、YSZの(200)面あるいは(40
0)面のピークが認められ、YSZの多結晶薄膜の(1
00)面が基材表面と平行な面に沿って配向しているも
のと推定することができ、YSZの多結晶薄膜がそのC
軸を基材上面に垂直に配向させて形成されていることが
判明した。なお、図10に示す結果から、イオンビーム
電流密度を10μA/cm2とした試料にあってはYS
Zのピークが見られない。よってイオンビーム電流密度
が低過ぎると多結晶薄膜の結晶配向性の制御ができない
ことが判明した。
【0055】続いて図14〜図17は、前記の各試料に
おける極点図を示すものである。これらの図からも明ら
かなように、イオンビームの電流密度を10μA/cm
2とした試料ではc軸配向性が見られず、図10〜図1
3に示す結果と同等の結果が得られた。以上のことか
ら、イオンビームを照射する際の電流密度は20μA/
cm2以上必要であることが明らかになった。
【0056】図18〜図20は、イオン源の入射角度9
0度でイオンビーム電圧とイオンビーム電流を適宜変更
して測定した試料の回折強さを示す図である。ここで各
図に示すビーム電流とは実験に用いたイオンガンの負荷
用電流を示している。図18〜図20に示す結果から、
イオン源の入射角度を90度に設定してもYSZの(2
00)ピークと(400)ピークを認めることができ、
c軸配向性に関しては十分な配向性が認められた。
【0057】次に、前記のようにc軸配向された各試料
において、YSZ多結晶薄膜のa軸あるいはb軸が配向
しているか否かを測定した。その測定のためには、図2
1に示すように、基材A上に形成されたYSZの多結晶
薄膜にX線を角度θで照射するとともに、入射X線を含
む鉛直面において、入射X線に対して2θ(58.7
度)の角度の位置にX線カウンター25を設置し、入射
X線を含む鉛直面に対する水平角度φの値を適宜変更し
て、即ち、基材Aを図21において矢印に示すように回
転角φだけ回転させることにより得られる回折強さを測
定することにより多結晶薄膜Bのa軸どうしまたはb軸
どうしの配向性を計測した。その結果を図22と図23
に示す。
【0058】図22に示すようにイオンビームの入射角
度を55度に設定して製造した試料の場合、回折ピーク
が表われず、φを90度と0度とした場合、即ち、回転
角φに対して90度おきにYSZの(311)面のピー
クが現われている。これは、基板面内におけるYSZの
(011)ピークに相当しており、YSZ多結晶薄膜の
a軸どうしまたはb軸どうしが配向していることが明ら
かになった。これに対し、図23に示すように、イオン
ビーム入射角度を90度に設定して製造した試料の場
合、特別なピークが見られず、a軸とb軸の方向は無秩
序になってることが判明した。
【0059】以上の結果から前記装置によって製造され
た試料の多結晶薄膜は、c軸配向は勿論、a軸どうし、
および、b軸どうしも配向していることが明らかになっ
た。よって配向性に優れたYSZなどの多結晶薄膜を製
造できることが明らかになった。
【0060】一方、図24は、図22で用いたYSZ多
結晶薄膜の試料を用い、この試料の多結晶層の各結晶粒
における結晶配向性を試験した結果を示す。この試験で
は、図21を基に先に説明した方法でX線回折を行なう
場合、φの角度を−10度〜45度まで5度刻みの値に
設定した際の回折ピークを測定したものである。図24
に示す結果から、得られたYSZの多結晶薄膜の回折ピ
ークは、粒界傾角30度以内では表われるが、45度で
は消失していることが明らかである。従って、得られた
多結晶薄膜の結晶粒の粒界傾角は、30度以内に収まっ
ていることが判明し、良好な配向性を有することが明ら
かになった。
【0061】次に前記の製造条件とほぼ同等の条件でイ
オンビーム電圧を500V、700V、200V、15
0Vのそれぞれの値に設定し、イオンビームの電流密度
を40μA/cm2、50μA/cm2、20μA/cm
2、30μA/cm2のそれぞれの値に設定して製造した
試料についてX線回折試験を行なった。それらの結果を
図25〜図29に示す。
【0062】また、図25〜図29に示す試験結果から
得られた前記のようなイオンビーム電圧およびイオンビ
ーム電流密度の関係と、多結晶薄膜の結晶配向性の関連
性を図30に示す。図30に示す結果から、イオンビー
ム電圧とイオンビーム電流密度はいずれも高過ぎても低
過ぎても不適であり、イオンビーム電圧は150V以上
であって700Vよりも少ないことが必要であり、か
つ、イオンビームの電流密度は20μA/cm2以上は
必要であることが判明した。
【0063】次に、イオンビーム電圧を300V、イオ
ンビームの電流密度を40μA/cm2、イオンビーム
エネルギーを300eVに設定し、イオンビームの入射
角度を0度〜65度まで変更して多結晶薄膜を製造した
場合、得られた多結晶薄膜の結晶の(111)方向の分
布における入射角度と半値全幅の関係を示すものであ
る。なお、前記の半値全値は、得られた各試料につい
て、図16に示すような極点図を求め、この極点図の中
心から図16に示すような補助線e、fを引いた場合
に、これらの補助線eとfのなす角度αの半分の角度、
即ち、ピーク比半分にて求めた。図31に示す結果か
ら、イオンビームの入射角度が50〜60度の範囲で結
晶配向性が良好になることが明らかになった。また、特
に、イオンビームの入射角度を55〜60度にすること
で、粒界傾角を25度程度の極小値にできることも明ら
かになった。
【0064】次に、前記多結晶薄膜上に図7に示す構成
のレーザ蒸着装置を用いて酸化物超電導層を形成した。
ターゲットとして、Y0.7Ba1.7Cu3.07-xなる組成
の酸化物超電導体からなるターゲットを用いた。また、
蒸着処理室の内部を10-6トールに減圧し、室温にてレ
ーザ蒸着を行なった。ターゲット蒸発用のレーザとして
波長193nmのArFレーザを用いた。その後、40
0゜Cで60分間、酸素雰囲気中において熱処理した。
得られた酸化物超電導体は、幅0.5mm、長さ10c
mのものである。
【0065】この酸化物超電導導体を冷却し、臨界温度
と臨界電流密度の測定を行なった結果、臨界温度=90
K、 臨界電流密度=500000A/cm2を示し、
極めて優秀な超電導特性を発揮することを確認できた。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本発明の多結晶薄膜
の製造方法によれば、スパッタリングによりターゲット
から叩き出した構成粒子を基材に堆積させる際に、斜め
方向50度〜60度の角度でイオンビームを照射するの
で、構成粒子を効率的に活性化できる結果、基材の成膜
面に対してc軸配向性に加えてa軸配向性とb軸配向性
をも向上させた粒界傾角30度以下の多結晶薄膜を得る
ことができる。更に、イオンビームの入射角度を55〜
60度にすることで更に良好に結晶配向性を整えること
ができ、粒界傾角25度以内の良好な結晶配向性の多結
晶薄膜を得ることができる。前記の多結晶薄膜は、それ
を回転させて得られるX線回折の回折ピークが90度お
きに出現するので、多結晶薄膜を構成する結晶粒のa軸
とb軸における面内配向性が良好であり、また、そのピ
ークの出現範囲は0〜30度の範囲になるので、粒界傾
角が30度になっていることも明らかである。
【0067】また、多結晶薄膜の製造時のイオンビーム
の電流密度を20μmA/cm2以上とし、イオンビー
ム電圧を150V以上、かつ、700Vより少なくする
ことで、良好な結晶配向性の多結晶薄膜を確実に製造す
ることができる。なお、イオンビームとして用いるイオ
ンは不活性ガスイオンあるいは不活性ガスイオンと酸素
ガスの混合イオンが好ましい。
【0068】次に本発明に係る酸化物超電導体の製造方
法によれば、基材上にイオンビームの入射角度50度〜
60度で前記のような結晶配向性の良好な多結晶薄膜を
形成し、その上に酸化物超電導層を形成する。前記多結
晶薄膜は、それを回転させて得られるX線回折の回折ピ
ークが90度おきに出現するので、多結晶薄膜を構成す
る結晶粒の面内配向性が良好であり、その上に酸化物超
電導層を生成するので結晶配向性の良好な酸化物超電導
層を形成できる。よって、酸化物超電導層の結晶粒のa
軸どうしあるいはb軸どうしの向きも揃えることができ
るので、臨界電流密度の高い酸化物超電導導体を得るこ
とができる。更に、イオンビームの入射角度を55〜6
0度にすることで更に良好に結晶配向性を整えることが
でき、粒界傾角25度以内の良好な結晶配向性の多結晶
薄膜を得ることができるので、更に結晶配向性の優れた
酸化物超電導導体を得ることができる。
【0069】また、多結晶薄膜の製造時のイオンビーム
の電流密度を20μmA/cm2以上とし、イオンビー
ム電圧を150V以上、かつ、700Vより少なくする
ことで、良好な結晶配向性の多結晶薄膜を確実に製造す
ることができ、これを基に酸化物超電導層を形成するこ
とで、臨界電流密度の高い酸化物超電導導体を確実に得
ることができる。なお、前記イオンビームとして用いる
イオンは不活性ガスイオンあるいは不活性ガスイオンと
酸素ガスの混合イオンが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明方法により形成された多結晶薄膜
を示す構成図である。
【図2】図2は図1に示す多結晶薄膜の結晶粒とその結
晶軸方向および粒界傾角を示す拡大平面図である。
【図3】図3は本発明方法を実施して基材上に多結晶薄
膜を製造する装置の一例を示す構成図である。
【図4】図4は図3に示す装置のイオン源の一例を示す
断面図である。
【図5】図5は図1に示す多結晶薄膜の上に形成された
酸化物超電導層を示す構成図である。
【図6】図6は図5に示す酸化物超電導層の結晶粒とそ
の結晶軸方向および粒界傾角を示す拡大平面図である。
【図7】図7は多結晶薄膜上に酸化物超電導層を形成す
るための装置の一例を示す構成図である。
【図8】図8は本発明装置の他の実施例を示す構成図で
ある。
【図9】図9は従来の装置で製造された多結晶薄膜を示
す構成図である。
【図10】図10はイオンビーム入射角度55度、イオ
ンビーム電圧300V、イオンビーム電流密度10μA
/cm2で製造した多結晶薄膜のX線回折結果を示すグ
ラフである。
【図11】図11はイオンビーム入射角度55度、イオ
ンビーム電圧300V、イオンビーム電流密度20μA
/cm2で製造した多結晶薄膜のX線回折結果を示すグ
ラフである。
【図12】図12はイオンビーム入射角度55度、イオ
ンビーム電圧300V、イオンビーム電流密度40μA
/cm2で製造した多結晶薄膜のX線回折結果を示すグ
ラフである。
【図13】図13はイオンビーム入射角度55度、イオ
ンビーム電圧300V、イオンビーム電流密度70μA
/cm2で製造した多結晶薄膜のX線回折結果を示すグ
ラフである。
【図14】図14はイオンビーム入射角度55度、イオ
ンビーム電圧300V、イオンビーム電流密度10μA
/cm2で製造した多結晶薄膜の極点図である。
【図15】図15はイオンビーム入射角度55度、イオ
ンビーム電圧300V、イオンビーム電流密度20μA
/cm2で製造した多結晶薄膜の極点図である。
【図16】図16はイオンビーム入射角度55度、イオ
ンビーム電圧300V、イオンビーム電流密度40μA
/cm2で製造した多結晶薄膜の極点図である。
【図17】図17はイオンビーム入射角度55度、イオ
ンビーム電圧300V、イオンビーム電流密度70μA
/cm2で製造した多結晶薄膜の極点図である。
【図18】図18はイオンビーム入射角度90度、イオ
ンビーム電圧300V、イオンビーム電流25mAと4
5mAで製造した多結晶薄膜のX線回折結果を示すグラ
フである。
【図19】図19はイオンビーム入射角度90度、イオ
ンビーム電圧500V、イオンビーム電流15mA、2
5mA、35mAで製造した多結晶薄膜のX線回折結果
を示すグラフである。
【図20】図20はイオンビーム入射角度90度、イオ
ンビーム電圧700V、イオンビーム電流25mAで製
造した多結晶薄膜のX線回折結果を示すグラフである。
【図21】図21は多結晶薄膜のa軸およびb軸配向性
を調べるために行なった試験を説明するための構成図で
ある。
【図22】図22は製造された多結晶薄膜の(311)
面の回折ピークを示すグラフである。
【図23】図23は製造された多結晶薄膜の(311)
面の回折ピークを示すグラフである。
【図24】図24は得られた多結晶薄膜の回転角度5度
毎の回折ピークを示すグラフである。
【図25】図25はイオンビーム入射角度55度、イオ
ンビーム電圧500V、イオンビーム電流密度40μA
/cm2で製造した多結晶薄膜のX線回折結果を示すグ
ラフである。
【図26】図25はイオンビーム入射角度55度、イオ
ンビーム電圧700V、イオンビーム電流密度40μA
/cm2で製造した多結晶薄膜のX線回折結果を示すグ
ラフである。
【図27】図27はイオンビーム入射角度55度、イオ
ンビーム電圧200V、イオンビーム電流密度50μA
/cm2で製造した多結晶薄膜のX線回折結果を示すグ
ラフである。
【図28】図28はイオンビーム入射角度55度、イオ
ンビーム電圧200V、イオンビーム電流密度20μA
/cm2で製造した多結晶薄膜のX線回折結果を示すグ
ラフである。
【図29】図29はイオンビーム入射角度55度、イオ
ンビーム電圧150V、イオンビーム電流密度30μA
/cm2で製造した多結晶薄膜のX線回折結果を示すグ
ラフである。
【図30】図30はイオンビーム電圧およびイオンビー
ム電流密度と、製造された多結晶薄膜の結晶配向性の関
係を示す図である。
【図31】図31はイオンビームの入射角度と得られた
多結晶薄膜の半値全幅との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
A…基材、 B…多結晶薄膜、
C…酸化物超電導層、 K、K’…粒界傾角、 θ…入射角度、
φ…回転角、 11…基材ホルダ、 12…ターゲット、 1
3…イオンガン、 20…結晶粒、 22…酸化物超電導導体、 2
3…結晶粒、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 14/54 8520−4K C30B 29/22 501 H 7821−4G H01B 13/00 565 D 7244−5G H01L 39/24 ZAA B 9276−4M // H01B 12/06 ZAA 7244−5G

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパッタリングによりターゲットの構成
    粒子を叩き出して基材上に堆積させ、基材上に多結晶薄
    膜を形成する方法において、前記構成粒子を基材上に堆
    積させる際に、イオン源が発生させたイオンビームを基
    材の成膜面に対して斜め方向から50〜60度の範囲の
    入射角度で照射しながら前記構成粒子を基材上に堆積さ
    せることを特徴とする多結晶薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 スパッタリングによりターゲットの構成
    粒子を叩き出して基材上に堆積させ、基材上に多結晶薄
    膜を形成する方法において、前記構成粒子を基材上に堆
    積させる際に、イオン源が発生させたイオンビームを基
    材の成膜面に対して斜め方向から照射しながら前記構成
    粒子を基材上に堆積させるとともに、前記イオンビーム
    の電流密度を20μA/cm2以上、イオンビーム電圧
    を150V以上で700V未満とすることを特徴とする
    多結晶薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の多結晶薄膜の製造方法に
    おいて、イオンビームの入射角度を55〜60度の範囲
    に設定して基材上に形成される多結晶薄膜の結晶粒の粒
    界傾角を25度以内とすることを特徴とする多結晶薄膜
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載のイオンとし
    て、不活性ガスイオン、あるいは、不活性ガスと酸素ガ
    スの混合イオンを用いることを特徴とする酸化物超電導
    導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 スパッタリングによりターゲットの構成
    粒子を叩き出して基材上に堆積させ、基材上に多結晶薄
    膜を形成し、次いでこの多結晶薄膜上に酸化物超電導層
    を形成する酸化物超電導導体の製造方法において、 前記構成粒子を基材上に堆積させる際に、イオン源が発
    生させたイオンビームを基材の成膜面に対して斜め方向
    から50〜60度の範囲の入射角度で照射しつつスパッ
    タ粒子を堆積させて多結晶薄膜を形成し、この多結晶薄
    膜上に酸化物超電導層を形成することを特徴とする酸化
    物超電導導体の製造方法。
  6. 【請求項6】スパッタリングによりターゲットの構成粒
    子を叩き出して基材上に堆積させ、基材上に多結晶薄膜
    を形成し、次いでこの多結晶薄膜上に酸化物超電導層を
    形成する酸化物超電導導体の製造方法において、前記構
    成粒子を基材上に堆積させる際に、イオン源が発生させ
    たイオンビームを基材の成膜面に対して斜め方向から照
    射しつつスパッタ粒子を堆積させるとともに、前記イオ
    ンビームの電流密度を20μA/cm2以上、イオンビ
    ーム電圧を150V以上で700V未満として多結晶薄
    膜を形成し、この多結晶薄膜上に酸化物超電導層を形成
    することを特徴とする酸化物超電導導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の酸化物超電導導
    体の製造方法において、イオンビームの入射角度を55
    〜60度の範囲に設定して基材上に形成される多結晶薄
    膜の結晶粒の粒界傾角を25度以内とすることを特徴と
    する酸化物超電導導体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5、6または7記載の多結晶薄膜
    上に酸化物超電導層を形成する際に、多結晶薄膜の結晶
    に対して酸化物超電導体の結晶をエピタキシャル成長さ
    せることを特徴とする酸化物超電導導体の製造方法。
  9. 【請求項9】 イオンとして、不活性ガスイオン、ある
    いは、不活性ガスと酸素ガスの混合イオンを用いること
    を特徴とする請求項5、6、7または8記載の酸化物超
    電導導体の製造方法。
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