JP2548516Y2 - イオンビームスパッタ成膜装置 - Google Patents
イオンビームスパッタ成膜装置Info
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- JP2548516Y2 JP2548516Y2 JP5791291U JP5791291U JP2548516Y2 JP 2548516 Y2 JP2548516 Y2 JP 2548516Y2 JP 5791291 U JP5791291 U JP 5791291U JP 5791291 U JP5791291 U JP 5791291U JP 2548516 Y2 JP2548516 Y2 JP 2548516Y2
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- Japan
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- ion beam
- target
- ion
- sample
- sputter
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、高機能薄膜の低温形成
などに用いるイオンビームスパッタ成膜装置に関するも
のである。
などに用いるイオンビームスパッタ成膜装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】反応性イオンビームスパッタリングは、
イオンエネルギ,イオン電流,反応性ガス圧などの基本
的な成膜プロセスパラメータを独立に制御でき、高真空
化で高機能薄膜の低温形成が可能で、近年では、例え
ば、超電導薄膜等の形成や数ナノメートル厚の薄膜を多
層膜として積層する手段等に用いられるようになってき
ている。
イオンエネルギ,イオン電流,反応性ガス圧などの基本
的な成膜プロセスパラメータを独立に制御でき、高真空
化で高機能薄膜の低温形成が可能で、近年では、例え
ば、超電導薄膜等の形成や数ナノメートル厚の薄膜を多
層膜として積層する手段等に用いられるようになってき
ている。
【0003】図3は、上述のようなスパッタリングを行
うイオンビームスパッタ成膜装置の一例を示す断面図
で、図において、1はイオン銃、1aはイオンビーム、
3はターゲット設置台、4a〜4cはそれぞれターゲッ
ト、5は試料、6は試料台、7は試料回転機構を示す。
うイオンビームスパッタ成膜装置の一例を示す断面図
で、図において、1はイオン銃、1aはイオンビーム、
3はターゲット設置台、4a〜4cはそれぞれターゲッ
ト、5は試料、6は試料台、7は試料回転機構を示す。
【0004】次に図3,図4を用いて、従来のイオンビ
ームスパッタ成膜装置の動作について説明する。図に示
すように、このイオンビームスパッタ成膜装置には、イ
オン銃1,スパッタターゲット4a〜4c,薄膜形成試
料台6が備えられており、イオン銃1からイオンビーム
1aがターゲット4aに向けて照射され、ターゲット4
a表面がスパッタされる。そして、ターゲット4aがス
パッタされることによって発生したスパッタ粒子(この
スパッタ粒子の流れを図3,図4の点線の矢印で示す)
が、試料5へ付着して試料5表面に薄膜が形成される。
例えば、出射されるイオンビーム1aを酸素ビームと
し、試料台6に試料5として基板を置き、ターゲット4
aにビスマス等の超電導物質構成元素を用いることによ
り、基板上に超電導薄膜を形成することができる。な
お、図3に示す装置では、スパッタターゲットはターゲ
ット設置台3に3個設置されており、設置台回転軸3a
を回転させて、4a〜4cのスパッタターゲットの何れ
かを選択することができるようになっている。例えば、
出射されるイオンビーム1aをアルゴンビームとし、試
料台6に試料5として基板を置き、ターゲット4a,4
b,4cに各々異なる薄膜素材を装着し、所定時間ごと
に区切ってビーム照射ターゲットを選択すれば、基板上
に多層膜を形成することができる。
ームスパッタ成膜装置の動作について説明する。図に示
すように、このイオンビームスパッタ成膜装置には、イ
オン銃1,スパッタターゲット4a〜4c,薄膜形成試
料台6が備えられており、イオン銃1からイオンビーム
1aがターゲット4aに向けて照射され、ターゲット4
a表面がスパッタされる。そして、ターゲット4aがス
パッタされることによって発生したスパッタ粒子(この
スパッタ粒子の流れを図3,図4の点線の矢印で示す)
が、試料5へ付着して試料5表面に薄膜が形成される。
例えば、出射されるイオンビーム1aを酸素ビームと
し、試料台6に試料5として基板を置き、ターゲット4
aにビスマス等の超電導物質構成元素を用いることによ
り、基板上に超電導薄膜を形成することができる。な
お、図3に示す装置では、スパッタターゲットはターゲ
ット設置台3に3個設置されており、設置台回転軸3a
を回転させて、4a〜4cのスパッタターゲットの何れ
かを選択することができるようになっている。例えば、
出射されるイオンビーム1aをアルゴンビームとし、試
料台6に試料5として基板を置き、ターゲット4a,4
b,4cに各々異なる薄膜素材を装着し、所定時間ごと
に区切ってビーム照射ターゲットを選択すれば、基板上
に多層膜を形成することができる。
【0005】また、薄膜の形成には均一性が要求される
ため、図3の実線の矢印に示すように、試料回転機構7
で試料台6を回転させながらイオン照射が行われる。
ため、図3の実線の矢印に示すように、試料回転機構7
で試料台6を回転させながらイオン照射が行われる。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、図3に示す従来のイオンビームスパッタ成膜装置
では、試料を回転させながらイオン照射が行われている
にも係わらず、均一な薄膜を形成できない点にある。
点は、図3に示す従来のイオンビームスパッタ成膜装置
では、試料を回転させながらイオン照射が行われている
にも係わらず、均一な薄膜を形成できない点にある。
【0007】すなわち、図4に示すように、イオン銃か
ら出射されたイオンビーム1aは、ターゲット4上のm
点からn点までの範囲に照射されるが、イオンビーム1
a内のイオンビーム電流密度は均一ではなく、多くの場
合イオンビームの中心軸近傍の方が、周辺部に比べてイ
オンビーム電流密度が大きく、すなわち、s点に照射さ
れるイオンビームの照射量と、m点やn点に照射される
照射量とに差が生じ、これが原因で形成される膜厚が不
均一になる。
ら出射されたイオンビーム1aは、ターゲット4上のm
点からn点までの範囲に照射されるが、イオンビーム1
a内のイオンビーム電流密度は均一ではなく、多くの場
合イオンビームの中心軸近傍の方が、周辺部に比べてイ
オンビーム電流密度が大きく、すなわち、s点に照射さ
れるイオンビームの照射量と、m点やn点に照射される
照射量とに差が生じ、これが原因で形成される膜厚が不
均一になる。
【0008】また、装置の構造上、通常イオンビームを
ターゲット表面に垂直に照射できないため、イオン銃1
にイオンビーム1a内のイオンビーム電流密度が均一な
特殊なイオン源を用いた場合でも、イオン源からの距離
に依存してイオンビーム電流密度が減衰するというイオ
ンビームの基本的な性質のため、イオン銃1からの距離
がtだけ遠いn点では、m点よりもイオンビームの照射
量が少なくなり、これが原因で形成される膜厚が不均一
になる。
ターゲット表面に垂直に照射できないため、イオン銃1
にイオンビーム1a内のイオンビーム電流密度が均一な
特殊なイオン源を用いた場合でも、イオン源からの距離
に依存してイオンビーム電流密度が減衰するというイオ
ンビームの基本的な性質のため、イオン銃1からの距離
がtだけ遠いn点では、m点よりもイオンビームの照射
量が少なくなり、これが原因で形成される膜厚が不均一
になる。
【0009】さらに、ターゲット4と平行に試料5を対
面させて設置できたとしても、スパッタ粒子の放出確率
は放出角度に依存した変化を伴うために、ターゲット4
上のビーム照射面積が試料5の面積に比較して、小さい
か又は同程度の場合には、これが原因で形成される膜厚
が不均一になる等の問題点があった。
面させて設置できたとしても、スパッタ粒子の放出確率
は放出角度に依存した変化を伴うために、ターゲット4
上のビーム照射面積が試料5の面積に比較して、小さい
か又は同程度の場合には、これが原因で形成される膜厚
が不均一になる等の問題点があった。
【0010】本考案はかかる課題を解決するためになさ
れたもので、簡単な構造で従来の機能を何ら損なうこと
なく、膜厚を可能な限り均一にできるイオンビームスパ
ッタ成膜装置を得ることを目的としている。
れたもので、簡単な構造で従来の機能を何ら損なうこと
なく、膜厚を可能な限り均一にできるイオンビームスパ
ッタ成膜装置を得ることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本考案に係わるイオンビ
ームスパッタ成膜装置は、スパッタターゲットを試料台
と対面させて設置し、ターゲット表面の中心点から離れ
た点にイオンビームの中心が照射されるようにイオンビ
ームの照射軸を配設すると共に、ターゲットを所定角度
範囲内で往復回動させ、いわゆる首振り運動を行う手段
を備えたことを特徴としている。
ームスパッタ成膜装置は、スパッタターゲットを試料台
と対面させて設置し、ターゲット表面の中心点から離れ
た点にイオンビームの中心が照射されるようにイオンビ
ームの照射軸を配設すると共に、ターゲットを所定角度
範囲内で往復回動させ、いわゆる首振り運動を行う手段
を備えたことを特徴としている。
【0012】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面を用いて説明す
る。図1は本考案の一実施例を示す部分断面図で、図に
おいて、1はイオン銃A、2はイオン銃B、1a,2a
はそれぞれイオンビームの照射軸、sはターゲット4の
中心点、20はターゲット4の中心sとターゲット4に
平行に対面する試料5の中心とを結ぶ線、θは設置台回
転軸3a(図1では省略する)が実線の矢印に示す方向
で往復回動して首振り運動を行う場合の回動角度範囲を
示す。なお、これ以外の構成は図3に示す従来の装置と
同様である。
る。図1は本考案の一実施例を示す部分断面図で、図に
おいて、1はイオン銃A、2はイオン銃B、1a,2a
はそれぞれイオンビームの照射軸、sはターゲット4の
中心点、20はターゲット4の中心sとターゲット4に
平行に対面する試料5の中心とを結ぶ線、θは設置台回
転軸3a(図1では省略する)が実線の矢印に示す方向
で往復回動して首振り運動を行う場合の回動角度範囲を
示す。なお、これ以外の構成は図3に示す従来の装置と
同様である。
【0013】次に動作について説明する。本実施例にお
けるイオンビームスパッタ成膜装置は、首振り運動を行
わせていない場合には、イオンビームの各照射軸1a,
1bをターゲット4の中心点sからズラせてあるので、
図2(A)に示すような照射分布を形成する。そして、
各イオンビーム1a,1bをターゲット4へ照射しなが
ら、設置台回転軸3aを角度θの範囲内で往復回動させ
ると、1a,1bの分布がターゲット4上を往復移動
し、図2(B)に示すような照射分布を形成する。従っ
てターゲット4上の全体に比較的均一にイオンを照射す
ることができる。
けるイオンビームスパッタ成膜装置は、首振り運動を行
わせていない場合には、イオンビームの各照射軸1a,
1bをターゲット4の中心点sからズラせてあるので、
図2(A)に示すような照射分布を形成する。そして、
各イオンビーム1a,1bをターゲット4へ照射しなが
ら、設置台回転軸3aを角度θの範囲内で往復回動させ
ると、1a,1bの分布がターゲット4上を往復移動
し、図2(B)に示すような照射分布を形成する。従っ
てターゲット4上の全体に比較的均一にイオンを照射す
ることができる。
【0014】なお上記実施例では、イオン銃を2台備え
た装置について説明しているが、試料台に試料面を連続
回転させる機構を備えた装置であれば、イオン銃を片側
1台だけとしても、同様の効果を奏する。
た装置について説明しているが、試料台に試料面を連続
回転させる機構を備えた装置であれば、イオン銃を片側
1台だけとしても、同様の効果を奏する。
【0015】また、線20を対称軸として、この軸に対
称な位置に複数個のイオン銃を配設すれば、配設したイ
オン銃の数に比例して薄膜形成速度を速めることができ
る。
称な位置に複数個のイオン銃を配設すれば、配設したイ
オン銃の数に比例して薄膜形成速度を速めることができ
る。
【0016】
【考案の効果】以上説明したように本考案のイオンビー
ムスパッタ成膜装置は、試料台とスパッタターゲットを
対向させて配置し、イオンビームの照射軸を試料表面の
中心点からズラせると共に、試料表面を首振り運動させ
ることにより、簡単な構造で従来の機能を何ら損なうこ
となく、膜厚を可能な限り均一に形成できるという効果
がある。
ムスパッタ成膜装置は、試料台とスパッタターゲットを
対向させて配置し、イオンビームの照射軸を試料表面の
中心点からズラせると共に、試料表面を首振り運動させ
ることにより、簡単な構造で従来の機能を何ら損なうこ
となく、膜厚を可能な限り均一に形成できるという効果
がある。
【図1】本考案の一実施例を示す部分断面図である。
【図2】本考案の動作を説明するための図である。
【図3】従来のイオンビームスパッタ成膜装置の一例を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図4】従来の装置の動作を示す部分断面図である。
1 イオン銃A 2 イオン銃B 3 ターゲット設置台 3a 設置台回転軸 4a〜4c それぞれターゲット 5 試料 20 ターゲットの中心と試料の中心とを結ぶ線
Claims (1)
- 【請求項1】 イオン銃から出射されるイオンビームを
スパッタターゲット上に照射し、該ターゲット表面をス
パッタすることによって発生するスパッタ粒子を、該タ
ーゲットに対面する位置に設置した試料表面に付着させ
該試料表面に薄膜を形成するイオンビームスパッタ成膜
装置において、 上記イオンビームの照射軸が上記スパッタターゲットの
中心点からズレるように上記イオン銃を1台あるいは複
数台設置する手段、 上記イオンビームを上記スパッタターゲット上に照射
中、該スパッタターゲットを所定角度範囲内で往復回動
させ、いわゆる首振り運動を行わせる手段、 を備えたことを特徴とするイオンビームスパッタ成膜装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5791291U JP2548516Y2 (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | イオンビームスパッタ成膜装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5791291U JP2548516Y2 (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | イオンビームスパッタ成膜装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH055854U JPH055854U (ja) | 1993-01-26 |
JP2548516Y2 true JP2548516Y2 (ja) | 1997-09-24 |
Family
ID=13069207
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5791291U Expired - Lifetime JP2548516Y2 (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | イオンビームスパッタ成膜装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2548516Y2 (ja) |
-
1991
- 1991-06-28 JP JP5791291U patent/JP2548516Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH055854U (ja) | 1993-01-26 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
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