JPH09322294A - トリプルコイルスピーカ - Google Patents

トリプルコイルスピーカ

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JPH09322294A
JPH09322294A JP13238496A JP13238496A JPH09322294A JP H09322294 A JPH09322294 A JP H09322294A JP 13238496 A JP13238496 A JP 13238496A JP 13238496 A JP13238496 A JP 13238496A JP H09322294 A JPH09322294 A JP H09322294A
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magnet
voice coil
speaker
coils
plate
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JP13238496A
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English (en)
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Masao Fujihira
正男 藤平
Akira Yamagishi
亮 山岸
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気エネルギーの有効利用を図ることによ
り、最低共振周波数における共振鋭度Q0を大幅に小さ
くして、低音の再生を有利にすることができるトリプル
コイルスピーカを提供する。 【解決手段】 第1プレート、第1マグネット、第2プ
レート、第2マグネット及び第3プレートを配設し、第
2マグネットの着磁を第1マグネットと逆極性としたマ
グネットユニットと、ボイスコイルボビンの周面に設け
られ、第1プレート、第2プレート及び第3プレートの
内周面との間にそれぞれギャップを隔てて設けられた第
1、第2及び第3ボイスコイルとを備えたため、両側の
第1,第3のボイスコイルの電流の流れる向きに対し、
中間の第2コイルの電流の流れる向きを逆にするように
構成することにより、磁気エネルギーを最大限に利用す
ることができ、これによりスピーカの最低共振周波数に
おける共振鋭度Q0を大幅に小さくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、最低共振周波数に
おける共振鋭度Q0を小さくすることができ、小型低価
格の磁気シールド形スピーカとして適したトリプルコイ
ルスピーカに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、小型低価格のスピーカにおいて
は、スピーカの最低共振周波数における共振鋭度Q0
小さくして、小型バスレフレックス方式で低音の再生を
有利にする必要がある。小型スピーカに取り付けたとき
の共振鋭度Q0が0.58のとき最も低音再生がよいと
されており、そのためにはスピーカ本体での共振鋭度Q
0を小さくする必要がある。従来、このような小型低価
格のスピーカにおいて、最低共振周波数における共振鋭
度Q0を小さくすることは非常に困難であり、駆動マグ
ネットを大きくして磁気エネルギーを大きくしても、セ
ンターポールで磁気飽和したり、高価になったりすると
いう問題があった。
【0003】一方、このような問題を解決する観点から
優れたものとして、従来、駆動マグネットと逆極性に着
磁されたキャンセルマグネットを使用した、磁気シール
ド形スピーカが知られている。このような磁気シールド
形スピーカは、図7に示すように、駆動マグネット10
1と逆極性に着磁されたキャンセルマグネット102
を、ヨーク103を介してこのヨーク103側が同じS
極となるように2段に重ね、図中上段の駆動マグネット
101のN極をボイスコイル104の周部とギャップを
隔てて対向するプレート105に接続し、下段のキャン
セルマグネット102のN極をシールドカバー106に
接触させ、このシールドカバー106をプレート105
の外周部近くにまで高くした構成のスピーカである。
【0004】なお同図において、符号107はヨーク1
03より立ち上げてボイスコイル104内に配置したセ
ンターポール部、108はダンパー、109はコーン
紙、110はコーン状のフレーム、111は錦糸線、1
12は入力端子、113はガスケットである。このよう
な構成の磁気シールド形スピーカによれば、磁気シール
ド効果ばかりではなく、磁気回路の前記ギャップの磁束
も10%位増大し、共振鋭度Q0を若干下げることがで
きる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような磁気シールド形、つまり駆動マグネットに対して
逆極性に着磁したキャンセルマグネットを使用した構成
であっても、磁気回路のギャップの磁束は、せいぜい1
0%程度しか磁束を増大できなかった。従って、最低共
振周波数における共振鋭度Q0を若干下げることはでき
るが、低音の再生を有利にするためには不十分であると
いう問題があった。
【0006】そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、磁
気エネルギーの有効利用を図ることにより、最低共振周
波数における共振鋭度Q0を大幅に小さくして、低音の
再生を有利にすることができるトリプルコイルスピーカ
を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明によるトリプルコイルスピーカは、それぞれ
が同軸上に空隙を有する第1プレート、第1マグネッ
ト、第2プレート、第2マグネット及び第3プレートを
スピーカの前側からこの順序で配設し、前記第2マグネ
ットの着磁を前記第1マグネットの着磁に対して逆極性
としたマグネットユニットと、前記空隙に配置されるボ
イスコイルボビンの周面に設けられ、前記第1プレー
ト、第2プレート及び第3プレートの空隙側の周面との
間にそれぞれギャップを隔てて設けられた第1、第2及
び第3ボイスコイルとを備える構成とする。
【0008】このような構成のトリプルコイルスピーカ
によれば、第1ないし第3の3個のボイスコイルを設け
たため、両側の第1,第3のボイスコイルの電流の流れ
る向きに対し、中間の第2コイルの電流の流れる向きを
逆にするように構成することにより、3個のコイルの駆
動力は加算され、大きな駆動力となる。従って、第1マ
グネットのエネルギーと第2マグネットのエネルギーを
最大限に利用することができ、これによりスピーカの最
低共振周波数における共振鋭度Q0を大幅に小さくし
て、低音の再生を有利にすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて説明する。図1ないし図6は、本発明
の第1の実施の形態に係るトリプルコイルスピーカを示
す図である。図1は、本実施の形態に係るトリプルコイ
ルスピーカである磁気シールド形スピーカの断面図であ
る。なお、本明細書において以下、「上側」とはスピー
カの「前側」を意味するものとして説明する。
【0010】図1において、磁気回路を構成すべく、着
磁された駆動マグネット(第1マグネット)1に対し
て、これと逆極性に着磁されたキャンセルマグネット
(第2マグネット)2が、透磁性の中間プレート(第2
プレート)3を介して、この中間プレート3側が共にS
極となるように互いに重ねて配置される。
【0011】前側(図1の上側)の駆動マグネット1の
N極面には透磁性の前面プレート(第1プレート)4
が、また後側(図1の下側)のキャンセルマグネット2
のN極面には透磁性の後面プレート(第3プレート)5
が配置され、それらは後述するようにマグネットユニッ
ト6として一体に組み立てられている。
【0012】なお、ここでは駆動マグネット1、キャン
セルマグネット2、前面プレート4、中間プレート3、
後面プレート5は全て中央部に貫通孔(空隙)を有する
環状に形成されているが、円周方向において分割して構
成してもよい。
【0013】シールドカバー(透磁性カバー)7は、上
方が開口された椀状の透磁性材料により形成され、その
下部は段差部7aを介してその上部の径より小さい径に
形成されている。マグネットユニット6は、その段差部
7aに下部周縁部を載せる形でシールドカバー7内に配
設され、下方のキャンセルマグネット2のN極はシール
ドカバー7に接触している。また、シールドカバー7は
前面プレート4の外周部近くの高さに形成されており、
マグネットユニット6の上部つまり前面プレート4に
は、先開きのコーン状のフレーム10が取り付けられて
いる。
【0014】そして、シールドカバー7内の底部中央か
らは透磁性のセンターポール8が立設されており、この
センターポール8はマグネットユニット6の駆動マグネ
ット1とキャンセルマグネット2の貫通孔、及び各プレ
ート4,3,5の中央に設けた貫通孔40,30,50
を貫通しており、上端は前面プレート4の上面と一致し
た位置で終端している。
【0015】また、センターポール8と、各プレート
4,3,5の貫通孔40,30,50の内周面との間に
は、ギャップa,b,cが形成されている。従って、駆
動マグネット1のN極から前面プレート4、ギャップ
a、センターポール8、ギャップb、中間プレート3を
経て駆動マグネット1のS極に戻る磁気回路と、キャン
セルマグネット2のN極から後面プレート5、ギャップ
c、センターポール8、ギャップb、中間プレート3を
経てキャンセルマグネット2のS極に戻る磁気回路とが
形成され、この2つの和としての磁気回路が構成され
る。
【0016】上記センターポール8の周囲には円筒状の
ボイスコイルボビン9が嵌装され、このボイスコイルボ
ビン9の各ギャップa,b,cに対向する3箇所、正確
にはマグネットユニット6の各プレート4,3,5の貫
通孔40,30,50の内周面に対向する外周位置に
は、第1,第2及び第3のボイスコイル13a,13
b,13cが巻かれている。
【0017】ボイスコイルボビン9の上端部外周とフレ
ーム10の間には前側ダンパー(第1ダンパー)11が
取り付けられ、またボイスコイルボビン9の下端部外周
とシールドカバー7の底部との間には後側ダンパー(第
2ダンパー)12が取り付けられている。従って、各ボ
イスコイル13a,13b,13cは各ギャップa,
b,c中に配置され、かつ前側ダンパー11及び後側ダ
ンパー12を介して移動可能に支持されている。そし
て、各ボイスコイル13a,13b,13cは互いに並
列に接続されている。なお図1において、符号14はコ
ーン紙、15はキャップ、16は錦糸線、17は入力端
子、18はガスケットである。
【0018】したがって、トリプルコイルスピーカの構
成を要約すると、次のようになる。 (イ)3枚のプレート3〜5を使用して、センターポー
ル8との間に3箇所のギャップa,b,cを設ける。 (ロ)ボイスコイルボビン9の周面3箇所にボイスコイ
ル13a,13b,13cを巻いて、それらの位置は上
記のギャップa,b,cを介した各プレート4,3,5
にそれぞれ対向した位置とする。 (ハ)駆動マグネット1と逆極性に着磁したキャンセル
マグネット2を使用し、これらの駆動マグネット1とキ
ャンセルマグネット2を覆うようにシールドカバー7を
取り付ける。 (ニ)後側ダンパー12をシールドカバー7とボイスコ
イルボビン9との間に取り付け、ボイスコイルボビン9
のローリング運動を防止するようにする。好ましくは、
後側ダンパー12と前側ダンパー11を互いに対称形状
に形成する。また駆動マグネット1とキャンセルマグネ
ット2を挟んだ位置でダンパー11,12を取り付け
る。 (ホ)3個所のギャップa,b,cの駆動力が、全て加
算するように動作させる。すなわち、上側と下側のギャ
ップa,c中のボイスコイル13a,13cを流れる電
流の向きと、中間のギャップb中のボイスコイル13b
を流れる電流の向きを逆にするようにする。
【0019】上記(ホ)のように3個のボイスコイル1
3a,13b,13cを、両側のコイル13a,13b
と中間のコイル13cを流れる電流の向きを、互いに逆
にするように構成することにより、3個のボイスコイル
の駆動力は加算され、大きな駆動力となる。従って、駆
動マグネット1のエネルギーとキャンセルマグネット2
のエネルギーを最大限に利用することができ、これによ
りスピーカの最低共振周波数における共振鋭度Q0を小
さくすることができる。
【0020】今、駆動マグネット1とキャンセルマグネ
ット2の大きさを等しくしたとすると、磁気回路の3個
所のギャップa,b,cの磁束は、上側のギャップaが
B1、中間のギャップbが2×B1、下側のギャップcが
B1となり、駆動力は3個所のギャップa,b,c各々
の駆動力が加算されるので、全体でB1+2×B1+B
1=4×B1となる。
【0021】ボイスコイルに巻かれたコイルの線経は、
3個のコイル13a,13b,13cが並列に接続され
るので、1個当たりのインピーダンスは3倍でよいこと
になる。したがって、線材の線形は細くなり、抵抗は3
倍となるのでボイスコイルの有効長は長くなる。
【0022】またギャップの磁束B1は、従来の磁気シ
ールド形スピーカの磁束Bの、おおよそ1/2になるの
で、3個所のギャップ全体ではおおよそ2×Bとなっ
て、非常に大きくなることになる。更に、上記のように
コイルの有効長が長くなるので、最低共振周波数におけ
る共振鋭度Q0は大幅に小さくなることが分かる。
【0023】ところで共振鋭度Q0は、次式で表せるこ
とが知られている。 Q0=2πF0ReM0/(B22) F0=スピーカの最低共振周波数 Re=ボイスコイルの直流抵抗 M0=振動系の実効質量 B=ギャップの磁束 L=ギャップの中のボイスコイルの有効長
【0024】そして振動系の実効質量M0のうち、ボイ
スコイルの重量が従来のボイスコイルの重量の約2倍に
なるが、振動系の質量としては約30%位増加するだけ
であるので、計算すれば共振鋭度Q0が従来の磁気シー
ルド形スピーカの共振鋭度Q0の1/2以下となり、この
磁気回路及びボイスコイルの構造は共振鋭度Q0を下げ
る上で優れている。
【0025】具体的数値としては、従来の磁気シールド
形スピーカの共振鋭度Q0は0.8程度で、本発明のト
リプルコイルスピーカの共振鋭度Q0は0.25程度と
なる。中間のボイスコイル13bを流れる電流の向き
は、磁束の向きが逆であるので、両側のボイスコイル1
3a,13cと逆向きの電流となる。
【0026】このように、ボイスコイル及びシールド形
磁気回路を持つ小型低価格の磁気シールド形スピーカに
おいて、ボイスコイルボビン9の3箇所にボイスコイル
13a,13b,13cを巻いて、それぞれのボイスコ
イル13a,13b,13cを並列に接続し、更に駆動
マグネット1とキャンセルマグネット2の持つ磁気エネ
ルギーを最大限に利用することにより、スピーカの最低
共振周波数における共振鋭度Q0を大幅に小さくするこ
とができる。
【0027】また、駆動マグネット1とキャンセルマグ
ネット2を挟んで上下にダンパー11,12があるの
で、スピーカはローリング運動に対して非常に強く、大
入力に耐えることができ、小型スピーカとしては大きな
音を放射することができるようになる。更に、この上下
のダンパー11,12を互いに対称形状に形成すること
によって、ダンパーの非直線性を打ち消し、歪みを減ら
すことができる。
【0028】次に、図1のトリプルコイルスピーカの組
み立て方法について、図2ないし図6を参照して説明す
る。最初に図2について説明する。図2は、駆動マグネ
ット1及びキャンセルマグネット2と、3枚のプレート
3〜5を結合させたマグネットユニット6を示すもの
で、図3を参照してそのマグネットユニット6の組み立
て方法について説明する。
【0029】図3のように底面21の中央にプレート内
径ガイドとしてのポール22を有し、その周囲の底面部
に穴23を有し、更に側壁24の内側上部に段差部25
を有する組立用の治具20を用意し、その治具20内に
まず後側の後面プレート5を入れる。
【0030】次に、後面プレート5の上面に接着剤を塗
布して、その上に着磁していないキャンセルマグネット
2を載せて接着する。後面プレート5の内径は治具20
のポール22部分で中心を出し、キャンセルマグネット
2の外径は治具20の側壁24の内径でおおよその位置
を出すようにする。
【0031】次に、キャンセルマグネット2の上面に接
着剤を塗布して、その上に中間プレート3を載せる。こ
の中間プレート3の内径は治具20のポール22で中心
を出すようにする。そして接着剤が乾燥後、治具20に
入れたままキャンセルマグネット2を着磁する。
【0032】他方、前面プレート4と駆動マグネット1
を予め接着した接着組立体であって、しかもその駆動マ
グネット1はキャンセルマグネット2とは逆極性に着磁
したものを用意する。そして先ほどの、治具20に入っ
て着磁されている中間プレート3の上に接着剤を塗布し
て、上記接着組立体をその駆動マグネット1を下側にし
て治具20に入れて、駆動マグネット1を中間プレート
3に接着する。
【0033】次に接着剤が乾燥後、穴23より棒を差し
込んでマグネットユニット6を治具20より取り出すこ
とにより、マグネットユニット6を得る。一方、図4に
示すように、シールドカバー7の底部中心にセンターポ
ール8を、接着剤併用で固定ネジ19などの固定手段を
用いて取り付ける。
【0034】図5に示すように、センターポール8を取
り付けたシールドカバー7と、後側ダンパー12と、ボ
イスコイル13a,13b,13cの付いたボイスコイ
ルボビン9と、第1のボイスコイルスペーサ26を用意
する。この第1のボイスコイルスペーサ26は、センタ
ーポール8とボイスコイルボビン9との間の隙間に入り
込む肉厚を形成するような大きさの内径及び外形を有す
る円筒部26aと、ボイスコイルボビン9を越えて突出
する頭部26bと、この頭部26bに同軸的に設けた貫
通孔26cとを有する。
【0035】まずボイスコイルボビン9の内径に、第1
のボイスコイルスペーサ26の筒部26aを入れ、ボイ
スコイル13a,13b,13cの高さ位置が、磁気回
路の3箇所のギャップa,b,cの所定の高さ位置(プ
レート4,3,5の高さ位置)にくるように調整する。
【0036】そして、第1のボイスコイルスペーサ26
をセンターポール8に差し込み、ボイスコイルボビン9
の下側端部(後端部)にシールドカバー7との間に介装
される後側ダンパー12を接着する。すなわち、後側ダ
ンパー12の外周縁部をシールドカバー7の底周縁部
に、後側ダンパー12の内周縁部をボイスコイルボビン
9の外周面に接着する。
【0037】次に、図6に示すような第2のボイスコイ
ルスペーサ27を用意する。この第2のボイスコイルス
ペーサ27は、ボイスコイル13a,13b,13cの
外周とプレート4,3,5の内周面との間の、隙間に入
り込む肉厚を形成するような大きさの内径及び外形を有
する円筒部27aと、ボイスコイルボビン9及びボイス
コイルスペーサ26の頭部26bを越えて突出する頭部
27bと、この頭部27bに同軸的に設けた貫通孔27
cとを有する。
【0038】まず図6に示すように、第2のボイスコイ
ルスペーサ27をボイスコイルボビン9の外側、正確に
はボイスコイル13a,13b,13cの外側に入れ、
その頭部27bの下面が第1のボイスコイルスペーサ2
6の頭部26b上面に当たるまで入れる。この状態のま
まで、シールドカバー7の底部周縁段差部7aに接着剤
を塗布して、ボイスコイルスペーサ27の上からマグネ
ットユニット6をかぶせて、各プレート4,3,5の内
径を第2のボイスコイルスペーサ27の筒部27aに嵌
合させ、キャンセルマグネット2の周縁部がシールドカ
バー7の上記段差部7aに当たるまで入れて、前記接着
剤により接着してから乾燥する。
【0039】接着剤が乾燥した後、第2のボイスコイル
スペーサ27を抜いて、図1のようにフレーム10の底
周縁部に前側ダンパー11の外周縁部を、また前側ダン
パー11の内周縁部をボイスコイル9の外周面にそれぞ
れ接着する。このとき第1のボイスコイルスペーサ26
は、センターポール8に差し込んだままである。フレー
ム10は、前面プレート4上に予めカシメ等の手段で取
り付けておく。このままの状態でエッジ付きコーン紙1
4の外周縁部をフレーム10の外周縁部に、またコーン
紙14の内周縁部をボイスコイルボビン9の外周面にそ
れぞれ接着する。
【0040】接着剤が乾燥した後、錦糸線16を入力端
子17に半田付けする。それから第1のボイスコイルス
ペーサ26をセンターポール8から抜いて、キャップ1
5をコーン紙14の底部かボイスコイルボビン9の先端
に接着する。そしてフレーム10の外周縁部上にガスケ
ット18を接着して、これでスピーカは完成する。
【0041】このような構成のトリプルコイルスピーカ
は、駆動マグネット1とキャンセルマグネット2を挟ん
で上下にダンパー11,12があるので、スピーカはロ
ーリング運動に対して非常に強く、大入力に耐えること
ができ、小型スピーカとしては大きな音を放射すること
ができるようになる。またこの前後のダンパー11,1
2を互いに対称形状に形成することによって、ダンパー
の非直線性を打ち消し、歪みを減らすことができる。
【0042】以上述べてきたように、ボイスコイルを3
個設けたことと、マグネットユニット6の前後にダンパ
ー11,12が取り付けられていることによって、許容
入力の大きいスピーカを提供できることが分かる。
【0043】更に小型スピーカではあっても、共振鋭度
0を小さくすることができるという利点がある。そし
て3個のボイスコイルは、中間のコイルを流れる電流の
向きを他の両側のコイルと逆にするようにすることによ
り、3個のコイルの駆動力は加算され、大きな駆動力と
なる。
【0044】なお、上記実施の形態においては、スピー
カに対して駆動マグネット1をキャンセルマグネット2
の前側に配置したが、逆にキャンセルマグネット2を駆
動マグネット1の前側に配置するよう入替えてもよい。
【0045】また、上記実施の形態においては、駆動マ
グネット1とキャンセルマグネット2の間の中間プレー
ト3を共通のS極にしたが、駆動マグネット1とキャン
セルマグネット2の間の中間プレート3を共通のN極に
してもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
のような優れた効果が得られる。 (1)第1ないし第3の3個のボイスコイルを設けたた
め、両側の第1,第3のボイスコイルの電流の流れる向
きに対し、中間の第2コイルの電流の流れる向きを逆に
するように構成することにより、3個のコイルの駆動力
は加算され、大きな駆動力となる。従って、第1マグネ
ットのエネルギーと第2マグネットのエネルギーを最大
限に利用することができ、これによりスピーカの最低共
振周波数における共振鋭度Q0を大幅に小さくして、低
音の再生を有利にすることができる。
【0047】(2)また上記実施の形態によれば、駆動
マグネット1とキャンセルマグネット2を挟んで上下に
ダンパー11,12があるので、スピーカはローリング
運動に対して非常に強く、大入力に耐えることができ、
小型スピーカとしては大きな音を放射することができる
ようになる。
【0048】(3)また上記実施の形態によれば、マグ
ネットユニットの前後のダンパーを互いに対称形状に形
成することによって、ダンパーの非直線性を打ち消し、
歪みを減らすことができる。
【0049】(4)またボイスコイルを3個設けたこと
と、マグネットユニットの前後にダンパーが取り付けら
れていることによって、許容入力の大きいスピーカを提
供することができる。
【0050】(5)さらに、上記実施の形態の効果とし
て、スピーカボックスを小型にでき、さらに音質の改善
などを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るトリプルコイ
ルスピーカの断面図である。
【図2】図1のトリプルコイルスピーカのマグネットユ
ニット6を示した断面図である。
【図3】図2のマグネットユニット6の組立用治具20
を用いた組立方法を示した断面図である。
【図4】センターポール8を取り付けたシールドカバー
7を示した断面図である。
【図5】図4のセンターポール8に対するボイスコイル
ボビン9の取り付け方法を示した断面図である。
【図6】図5のボイスコイルボビン9に対する図2のマ
グネットユニット6の取り付け方法を示した断面図であ
【図7】従来の磁気シールド形スピーカを示した断面図
である。
【符号の説明】
1……駆動マグネット(第1マグネット)、2……キャ
ンセルマグネット(第2マグネット)、3……中間プレ
ート、4……前面プレート、5……後面プレート、6…
…マグネットユニット、7……シールドカバー、8……
センターポール、9……ボイスコイルボビン、10……
フレーム、11……前側ダンパー(第2のダンパー)、
12……後側ダンパー(第1のダンパー)、13a,1
3b,13c……ボイスコイル、14……コーン紙、1
5……キャップ、16……錦糸線、17……入力端子、
18……ガスケット、19……固定ネジ、20……治
具、21……底面、22……ポール(プレート内径ガイ
ド)、23……穴、24……側壁、25……段差部、2
6……第1のボイスコイルスペーサ、26a……筒部、
26b……頭部、26c……貫通孔、27……第2のボ
イスコイルスペーサ、27a……筒部、27b……頭
部、27c……貫通孔、40,30,50……貫通孔、
a,b,c……ギャップ、、101……駆動マグネッ
ト、102……キャンセルマグネット、103……ヨー
ク、104……ボイスコイル、105……プレート、1
06……シールドカバー、107……センターポール
部、108……ダンパー、109……コーン紙、110
……フレーム、111……錦糸線、112……入力端
子、113……ガスケット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれが同軸上に空隙を有する第1プ
    レート、第1マグネット、第2プレート、第2マグネッ
    ト及び第3プレートをスピーカの前側からこの順序で配
    設し、前記第2マグネットの着磁を前記第1マグネット
    の着磁に対して逆極性としたマグネットユニットと、 前記空隙に配置されるボイスコイルボビンの周面に設け
    られ、前記第1プレート、第2プレート及び第3プレー
    トの空隙側の周面との間にそれぞれギャップを隔てて設
    けられた第1、第2及び第3ボイスコイルと、を備える
    ことを特徴とするトリプルコイルスピーカ。
  2. 【請求項2】 前記各ボイスコイルが並列に接続されて
    おり、前記第1及び第3ボイスコイルを流れる電流の向
    きと、前記第2ボイスコイルを流れる電流の向きを逆に
    したことを特徴とする請求項1記載のトリプルコイルス
    ピーカ。
  3. 【請求項3】 スピーカの前側が開口し内部に前記マグ
    ネットユニットを覆うように取り付けた透磁性カバー
    と、 前記透磁性カバーの底中央部に取り付けられ前記ボイス
    コイルボビンの内側に嵌合し透磁性を有するセンターポ
    ールと、 前記マグネットユニットの前側に設けられたコーン部材
    と、 前記ボイスコイルボビンの後端部と前記透磁性カバーと
    の間に設けた第1ダンパーと、 前記ボイスコイルボビンの前端部と前記マグネットユニ
    ットの上側との間に設けた第2ダンパーと、を備えるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載のトリプル
    コイルスピーカ。
  4. 【請求項4】 前記第1ダンパーと第2ダンパーとが互
    いに対称形状に形成されることを特徴とする請求項3記
    載のトリプルコイルスピーカ。
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