JP2521265Y2 - スピーカ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は、振動板駆動用磁気回路を振動板の前方及び
後方の２ヶ所に有するスピーカに関する。

（ロ）従来の技術 振動板駆動用磁気回路を振動板の前方及び後方の２ヶ
所に有する所謂ツインドライブ方式のスピーカが特開昭
63-87900号公報（H04R 9/04）に開示されている。しか
し、このツインドライブ方式のスピーカは、２つの振動
系を組み立てる際に歪みが生じるので、この歪みを吸収
する構成のものが第３図に示す先に出願人が出願した実
願平2-35167号に示されている。図において、アッパー
プレート（１）、マグネット（２）、センターポール
（3a）を有するボトムプレート（３）からなる磁気回路
（4）がフレーム（５）に接合され振動板（６）の後方
に配置されている。また、振動板（６）及びボイスコイ
ル（7a）が巻回されたボイスコイルボビン（７）が、ダ
ンパ（８）及びエッジ（6a）により支持されている。振
動板（６）の前面には、シャフト（９）を介して、振動
板の後方に位置する磁気回路と同様に、アッパープレー
ト（10）、マグネット（11）、センターポール（12a）
を有するボトムプレート（12）からなる磁気回路（13）
が固定されている。また、ボイスコイル（14a）はボイ
スコイルボビン（14）に巻回されており、ボイスコイル
ボビン（14）は前面の磁気回路（13）に対してダンパ
（15）により支持されている。ここで、ボイスコイルボ
ビン（７）にはサブコーン（16）が接着剤により接着さ
れており、ボイスコイルボビン（14）は位置決めの後サ
ブコーン（16）との間に前もって形成されていた空隙
（17）に接着剤を充填しサブコーン（16）と接着する。
よって、スピーカ組立て時において、ボイスコイル（7
a）（14a）を所定の磁気ギャップに位置決めしボイスコ
イル（7a）（14a）が巻回されているボイスコイルボビ
ン（７）（14）をサブコーン（16）を介して接着するの
で２つの振動系の歪みを吸収できる。

以上の構成により、ボイスコイル（7a）（14a）は磁
気回路（4）（13）によりプッシュプル動作をし、これ
により振動板（６）を駆動して音声を放射する。

（ハ）考案が解決しようとする課題 上記従来技術では、ダンパをアッパープレートに取り
付けるのでダンパの外径を大きくすることができずスピ
ーカの低音域特性が劣化し、大振幅が連続して入力され
た時、ダンパの振幅が小さいとダンパが引っ張られて破
壊されるおそれがあった。

（ニ）課題を解決するための手段 本考案は、上記課題に鑑みなされたもので、振動板駆
動用磁気回路を振動板の前方及び後方の２ヶ所に有する
スピーカにおいて、振動板の前方に配置された磁気回路
に装着され、磁気回路を保護する保護部材に対して、振
動板の前方に位置するボイスコイルが巻回されたボイス
コイルボビンを支持するダンパを取り付けた構成とす
る。

（ホ）作用 ダンパの伸びしろが大きくなるので振動系の大振幅に
もリニアリティが悪化せず低音域の特性が良くなる。

（ヘ）実施例 本考案の実施例を図面を用いて説明する。また同一部
品は同一符号を付し説明は省略する。第１図は本考案の
実施例の断面図である。振動板（６）の後方にアッパー
プレート（１）、マグネット（２）、センターポール
（3a）を有するボトムプレート（３）からなる磁気回路
（4）と、振動板（６）の前方にアッパープレート（1
0）、マグネット（11）、センターポール（12a）を有す
るボトムプレート（12）からなる磁気回路（13）が配置
されている。

ここで、磁気回路（13）には保護部材（16）が装着さ
れいる。保護部材（16）の端部（16a）にはダンパ（1
5）の外周部が接着固定させており、内周部はボイスコ
イルボビン（14）に固定されている。更に、端部（16
a）は図のように屈曲した形状となっておりダンパ（1
5）を接着する際に接着剤の流出を防止することができ
る。

また、センターポール（3a）には透孔（3b）と凹部
（3c）が設けられており、センターポール（12a）には
ネジ穴（12b）と凹部（12c）が設けられている。そし
て、センターポール（3a）（12a）の間に凹部（3c）（1
2c）に係合するようスペーサ（17）を挿入し、シャフト
（18）を透孔（3b）に差し込みシャフト（18）のネジ部
（18a）をネジ穴（12b）に挿入し、スペーサ（17）を磁
気回路（4）と磁気回路（13）で挟み込むように螺着固
定し、磁気回路（4）に対して磁気回路（13）を固定す
る。

そして、磁気回路（4）に対して磁気回路（13）固定
する際の中心出しと同時にボイスコイルボビン（７）の
磁気ギャップ合わせと、ボイスコイルボビン（14）の磁
気ギャップ合わせをし、ボイスコイルボビン（７）とボ
イスコイルボビン（14）を連結部材（19）を介して接着
固定する。ここで、連結部材（19）の拡大図を第２図に
示す。図において、連結部材（19）はボイスコイルボビ
ン（７）の外周面（7b）と接着される（ａ）部分と、振
動板（６）と接着される（ｂ）部分と、ボイスコイルボ
ビン（14）の内面部（14b）と接着される（ｃ）部分
と、ボイスコイルボビン（14）の外周面（14c）と接着
される（ｄ）部分から成っている。従って、連結部材
（19）と、ボイスコイルボビン（７）及びボイスコイル
ボビン（14）との接着面積が大きく互いに強固に接着さ
れる。

従って、ツインドライブ方式のスピーカにおいて振動
板（６）の前方に位置する磁気回路（13）に保護部材
（16）を装着し、ダンパ（15）の外周部を保護部材（1
6）に接着するのでダンパ（15）の外径が大きくなる。
よって、第３図に示すようにコルゲーション部（15a）
が大きくなることによりダンパ（15）の伸びが大きくな
り振動板（６）の大きな上下振幅が可能となる。以上の
構成により第４図に示すように、実線で示す本考案の外
径の大きなダンパを使用したスピーカは、点線で示す従
来の外径の小さいダンパを使用したスピーカに比べ、出
力音圧周波数特性において低音域の再生レベルが良くな
る。

（ト）考案の効果 本考案によれば、振動板の前方の磁気回路に装着され
た保護部材にダンパの外周部を接着固定するのでダンパ
の外径が大きくなり、ダンパの伸びしろが大きくなり、
振動系の大振幅時にもリニアリティが悪化せず、スピー
カの出力音圧周波数特性において、低音域の特性がよく
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の断面図、第２図は本考案の実
施例の連結部材の拡大図、第３図は本考案のダンパを示
す図、第４図は本考案のスピーカの出力音圧周波数特性
を示す図、第５図は従来技術を示す図である。 （4）（13）……磁気回路、（６）……振動板、（14a）
……ボイスコイル、（14）……ボイスコイルボビン、
（15）……ダンパ、（16）……保護部材。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】振動板駆動用磁気回路を振動板の前方及び
   後方の２ヶ所に有するスピーカにおいて、前記振動板の
   前方に配置された磁気回路に装着され、該磁気回路を保
   護する保護部材に対して、前記振動板の前方に位置する
   ボイスコイルが巻回されたボイスコイルボビンを支持す
   るダンパを取り付けたことを特徴とするスピーカ。