JP3733666B2 - スピーカ装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スピーカ装置の中には、内磁型のスピーカ装置と外磁型のスピーカ装置が知られている。
【0003】
内磁型のスピーカ装置100は、図5及び図6に示すように、マグネット101と、このマグネット101を囲むように形成された全体として略凹状を呈したヨーク102とを有する。このヨーク102は、その上側に設けられた開口部103の周縁に音声信号が供給される1次コイル104が設けられている。この1次コイル104は、その引出し線106がヨーク102の上面に外周方向に沿って引き出されている。一方、マグネット101には、その上面に円盤状のポールピース105が配設されている。このポールピース105は、その端面と、この端面と対向するヨークの開口部103を構成する端面とで磁気ギャップ107を構成している。
【0004】
この磁気ギャップ107には、ボビン108が配設され、このボビン108の外周面には、上記1次コイル104と対向して1ターンの2次コイル109が設けられている。そして、このボビン108には、全体としてドーム状を呈した振動板110が取り付けられている。そして、この振動板110は、その側縁から連続してエッジ部111が湾状に設けられその端部がヨーク102の上面に固定されている。
【0005】
このように構成されたスピーカ装置100は、1次コイル104に電流が供給されると、2次コイル109が誘導されてローレンツ力により振動板110を振動させる。そして、このようなスピーカ装置100によれば、1次コイル104が熱伝導特性に優れた金属材料により形成されるヨーク102に直接巻回されることから、大きな信号を入力した場合にも熱的に破損しにくく、また、ボビン108からの引出し線106が不要であることからボビン108の振動のバランスが良く歪みが無くなり、さらには、引出し線106が振動しないために機械的に破損しにくいという特性を有する。
【0006】
また、外磁型のスピーカ装置120は、図7及び図8に示すように、リング状のマグネット121と、このマグネット121の底面の中央開口部122を閉塞するように設けられるヨーク123とを有する。また、このマグネット121には、その上面に中央開口部122の内方にやや突出してリング状の外周プレート124が設けられている。一方、ヨーク123には、マグネット121の中央開口部122を挿通するようにして円柱状のポールピース125が立設されている。そして、このポールピース125には、その上端部に音声信号が供給される1次コイル126が設けられている。そして、この1次コイル126の引出し線129は、ポールピース125の外周面に沿ってヨーク123の下側まで延在され、ヨーク123に沿って外方に導かれている。また、このポールピース125の上端部外周面は、外周プレート124に設けられた開口部127の端面とで磁気ギャップ128を構成している。
【0007】
この磁気ギャップ128には、ボビン130が配設され、このボビン130の外周面には、上記1次コイル126と対向して1ターンの2次コイル131が設けられている。そして、このボビン130には、外広がりに形成された振動板132の内周側が取り付けられている。この振動板132には、その外周側にエッジ部133が形成されており、このエッジ部133が図示しないがフレームに固定されている。さらには、この振動板132には、その中央領域に磁気回路内に塵芥が進入しないように、全体としてドーム状を呈したキャップ134が取り付けられている。
【0008】
このように構成されたスピーカ装置120は、1次コイル126に電流が供給されると、2次コイル131が誘導されてローレンツ力により振動板132が振動される。そして、このようなスピーカ装置120によれば、1次コイル126が熱伝導特性に優れた金属材料により形成されるポールピース125に直接巻回されることから、大きな信号を入力した場合にも熱的に破損しにくく、また、ボビン130からの引出し線129が不要であることからボビン130の振動のバランスが良く歪みが無くなり、さらには、引出し線129が振動しないために機械的に破損しにくいという特性を有する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した内磁型のスピーカ装置100は、図5に示すように、2次コイル109に誘導電流が流れた場合には、金属材料により形成されるポールピース105にも誘導電流が流れてしまうことになる。このポールピース105に流れる誘導電流は、振動板110の振動に何等寄与するものではないため、効率を低下させてしまうことになる。また、外磁型のスピーカ装置120の場合にあっても、図7に示すように、2次コイル131に誘導電流が流れた場合には、金属材料により形成される外周プレート124にも誘導電流が流れてしまうことになる。この外周プレート124に流れる誘導電流は、同様に振動板132の振動に何等寄与するものではないため、効率を低下させてしまうことになる。すなわち、誘導電流は、振動板110、132の振動に影響を与える2次コイル109、131にのみ流れることが理想的である。
【0010】
また、外磁型のスピーカ装置120は、1次コイル126の引出し線129をポールピース125内を通し、内から外に引き出さなければならず、その組立て作業が困難であった。
【0011】
そこで、本発明は、不要な誘導電流が流れないようにすると共に、引出し線の外部への引き出しを容易に行うことのできるスピーカ装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスピーカ装置は、上述のような課題を解決すべく、外周プレートに固定して取り付けられると共に音声信号が入力される1次コイルと、1次コイルと対向するように磁気ギャップを介して内周側に位置してボビンに取り付けられる2次コイルと、ボビンに取り付けられる振動板と、磁気ギャップ内に2次コイルを位置させる磁気回路とを備える。そして、1次コイルの引出し線は、外周プレートの内周側から外周側に亘って設けられた切欠部に配設される。したがって、スピーカ装置は、外周プレートが終端開放リングとなり誘導電流が流れることが防止されると共に、この切欠部に引出し線を配設することでその取付け作業を容易に行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスピーカ装置について図面を参照しながら詳細に説明する。第1の実施例であるスピーカ装置1は、内磁型のスピーカ装置に本発明を適用したものである。
【0014】
このスピーカ装置1は、例えば図1及び図2に示すように、マグネット1と、外周プレートを構成するこのマグネット2を囲むように形成された全体として略凹状を呈したヨーク3とを有する。このヨーク3は、その上側に設けられた開口部4の周縁に音声信号が供給される1次コイル5が設けられている。そして、このヨーク3には、内周側から外周側に亘って縦方向に貫通した切欠部6が形成されている。この切欠部6は、その幅が約1mm程度とされている。そして、この切欠部6には、1次コイル5の引出し線7が配設され、スピーカ装置1の外部へと引き出されている。したがって、スピーカ装置1は、切欠部6に引出し線7を配設することができることから容易に組立て作業を行うことができる。なお、この引出し線7は、熱伝導特性に優れた接着剤により切欠部6に接着固定される。
【0015】
マグネット2には、その上面に円盤状の金属材料により形成されたポールピース8が接着固定されている。このポールピース8は、その外周端面と、この外周端面と対向するヨーク3の開口部4を構成する端面とで磁気ギャップ9を構成している。
【0016】
この磁気ギャップ9には、円筒状のボビン11が配設されている。このボビン108には、その外周面に、1次コイル5と対向して1ターンの2次コイル12が設けられている。そして、このボビン11には、全体としてドーム状を呈した振動板13が取り付けられている。そして、この振動板13は、その側縁から連続してエッジ部111が湾状に設けられその端部がヨーク3の上面に接着固定されている。
【0017】
このように構成されたスピーカ装置1は、1次コイル5に電流が供給されると、2次コイル12に誘導電流が流れ、ローレンツ力により振動板13を振動させる。そして、このようなスピーカ装置1は、1次コイル5が熱伝導特性に優れた金属材料により形成されるヨーク3に直接巻回されることから、大きな信号を入力した場合にも熱的に破損しにくく、また、ボビン11から引出し線7を引き出す必要が無いことから、ボビン11の振動のバランスが良く歪みが無くなり、さらには、引出し線7が振動しないために機械的に破損しにくくすることができる。
【0018】
また、スピーカ装置1は、上述の通りヨーク3に、内周側から外周側に亘って切欠部6が形成されている。したがって、スピーカ装置1は、2次コイル12に誘導電流が流れた場合に、金属材料により形成されるポールピース8に誘導電流が流れることが防止される。すなわち、ヨーク3は、その上面に切欠部6を形成することで、終端開放リングのように機能させ誘導電流が流れないようにされる。
【0019】
以上のようにスピーカ装置1は、外周プレートを構成するヨーク3の上面に切欠部6を構成することで、引出し線7のスピーカ装置1外部への引き出し作業が容易にされると共に、振動板13の振動には不要なポールピース8に電流が流れることが防止され、スピーカ特性の向上を図ることができる。
【0020】
なお、以上切欠部6について、ヨーク3の上面を貫通して形成された場合について説明したが、この切欠部6は、必ずしも貫通させる必要はなく、例えば凹状の溝とすることで、電流を流れにくくすることも可能である。
【0021】
次に、第2のスピーカ装置20について、図3及び図4を用いて詳細に説明する。このスピーカ装置20は、本発明を外磁型のスピーカ装置1に適用したものである。
【0022】
また、スピーカ装置20は、リング状のマグネット21と、このマグネット21の底面の中央開口部22を閉塞するように設けられるヨーク23とを有する。また、このマグネット21には、その上面に中央開口部22の内方にやや突出して金属材料よりなるリング状の外周プレート24が設けられている。この外周プレート24には、その内周側端面に1次コイル25が設けられている。また、この外周プレート24には、内周側から外周側に亘って設けられた切欠部26が設けられている。この切欠部26は、幅1mmで縦方向に貫通して形成され、上記1次コイル25の引出し線27が配設される。したがって、スピーカ装置20は、切欠部26に引出し線27を配設することができることから容易に組立て作業を行うことができる。なお、この引出し線27は、熱伝導特性に優れた接着剤により切欠部26に接着固定される。
【0023】
ヨーク23には、マグネット21の中央開口部22を挿通するようにして円柱状のポールピース28が立設されている。また、このポールピース28の上端外周面は、外周プレート24に設けられた開口部29の端面とで磁気ギャップ31を構成している。
【0024】
この磁気ギャップ31には、ボビン32が配設され、このボビン32の外周面には、上記1次コイル25と対向して1ターンの2次コイル33が設けられている。そして、このボビン130には、外広がりに形成された振動板34の内周側が接着固定されている。この振動板34には、その外周側にエッジ部35が形成されている。このエッジ部35は、図示しないがフレームに固定されている。さらには、この振動板34には、その中央領域に磁気回路内に塵芥が進入しないように、全体としてドーム状を呈したキャップ36が配設されている。
【0025】
このように構成されたスピーカ装置20は、1次コイル25に電流が供給されると、2次コイル33が誘導されてローレンツ力により振動板34が振動される。そして、スピーカ装置20は、1次コイル126が熱伝導特性に優れた金属材料により形成される外周プレート24に直接巻回されることから、大きな信号を入力した場合にも熱的に破損しにくく、また、ボビン32からの引出し線27が不要であることからボビン32の振動のバランスが良く歪みが無くなり、さらには、引出し線27が振動しないために機械的に破損しにくくなる。
【0026】
また、スピーカ装置20は、上述の通り外周プレート24に、内周側から外周側に亘って切欠部6が形成されている。したがって、スピーカ装置1は、外周プレート24に誘導電流が流れることが防止される。すなわち、外周プレート24は、その上面に切欠部26を形成することで、終端開放リングのように機能させ誘導電流が流れないようにされる。さらには、スピーカ装置20は、上述した上記図7及び図8に示したスピーカ装置120と異なり、1次コイル25を外周プレート24に設けることで、引出し線27を外周方向に引き出しやすくしている。
【0027】
以上のようにスピーカ装置20は、1次コイル25を外周プレート24の開口部29に設けその上面に切欠部26を形成することで、引出し線27のスピーカ装置20外部への引き出し作業が容易にされると共に、振動板13の振動には不要な外周プレート24に誘導電流が流れることが防止され、スピーカ特性の向上を図ることができる。
【0028】
なお、以上切欠部26について、外周プレート24の上面を貫通して形成された場合について説明したが、この切欠部26は、必ずしも貫通させる必要はなく、例えば凹状の溝とすることで、誘導電流を流れにくくすることも可能である。
【0029】
【発明の効果】
本発明に係るスピーカ装置によれば、1次コイルの引出し線が外周プレートの内周側から外周側に亘って設けられた切欠部に配設されることから、外周プレートが終端開放リングとなり誘導電流が流れることが防止されると共に、この切欠部に引出し線を配設することでその取付け作業を容易に行うことができる。また、本発明に係るスピーカ装置は、1次コイルが外周プレートに設けられることから、1次コイルの引出し線の引き出し作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例である内磁型のスピーカ装置の縦断面図である。
【図2】同スピーカ装置の平面図である。
【図3】第2の実施例である外磁型のスピーカ装置の縦断面図である。
【図4】同スピーカ装置の平面図である。
【図5】従来の内磁型のスピーカ装置の縦断面図である。
【図6】同スピーカ装置の平面図である。
【図7】従来の外磁型のスピーカ装置の縦断面図である。
【図8】同スピーカ装置の平面図である。
【符号の説明】
1 内磁型のスピーカ装置、2 マグネット、3 ヨーク、4 開口部、5 1次コイル、6 切欠部、7 引出し線、8 ポールピース、9 磁気ギャップ、11 ボビン、12 2次コイル、13 振動板
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スピーカ装置の中には、内磁型のスピーカ装置と外磁型のスピーカ装置が知られている。
【0003】
内磁型のスピーカ装置100は、図5及び図6に示すように、マグネット101と、このマグネット101を囲むように形成された全体として略凹状を呈したヨーク102とを有する。このヨーク102は、その上側に設けられた開口部103の周縁に音声信号が供給される1次コイル104が設けられている。この1次コイル104は、その引出し線106がヨーク102の上面に外周方向に沿って引き出されている。一方、マグネット101には、その上面に円盤状のポールピース105が配設されている。このポールピース105は、その端面と、この端面と対向するヨークの開口部103を構成する端面とで磁気ギャップ107を構成している。
【0004】
この磁気ギャップ107には、ボビン108が配設され、このボビン108の外周面には、上記1次コイル104と対向して1ターンの2次コイル109が設けられている。そして、このボビン108には、全体としてドーム状を呈した振動板110が取り付けられている。そして、この振動板110は、その側縁から連続してエッジ部111が湾状に設けられその端部がヨーク102の上面に固定されている。
【0005】
このように構成されたスピーカ装置100は、1次コイル104に電流が供給されると、2次コイル109が誘導されてローレンツ力により振動板110を振動させる。そして、このようなスピーカ装置100によれば、1次コイル104が熱伝導特性に優れた金属材料により形成されるヨーク102に直接巻回されることから、大きな信号を入力した場合にも熱的に破損しにくく、また、ボビン108からの引出し線106が不要であることからボビン108の振動のバランスが良く歪みが無くなり、さらには、引出し線106が振動しないために機械的に破損しにくいという特性を有する。
【0006】
また、外磁型のスピーカ装置120は、図7及び図8に示すように、リング状のマグネット121と、このマグネット121の底面の中央開口部122を閉塞するように設けられるヨーク123とを有する。また、このマグネット121には、その上面に中央開口部122の内方にやや突出してリング状の外周プレート124が設けられている。一方、ヨーク123には、マグネット121の中央開口部122を挿通するようにして円柱状のポールピース125が立設されている。そして、このポールピース125には、その上端部に音声信号が供給される1次コイル126が設けられている。そして、この1次コイル126の引出し線129は、ポールピース125の外周面に沿ってヨーク123の下側まで延在され、ヨーク123に沿って外方に導かれている。また、このポールピース125の上端部外周面は、外周プレート124に設けられた開口部127の端面とで磁気ギャップ128を構成している。
【0007】
この磁気ギャップ128には、ボビン130が配設され、このボビン130の外周面には、上記1次コイル126と対向して1ターンの2次コイル131が設けられている。そして、このボビン130には、外広がりに形成された振動板132の内周側が取り付けられている。この振動板132には、その外周側にエッジ部133が形成されており、このエッジ部133が図示しないがフレームに固定されている。さらには、この振動板132には、その中央領域に磁気回路内に塵芥が進入しないように、全体としてドーム状を呈したキャップ134が取り付けられている。
【0008】
このように構成されたスピーカ装置120は、1次コイル126に電流が供給されると、2次コイル131が誘導されてローレンツ力により振動板132が振動される。そして、このようなスピーカ装置120によれば、1次コイル126が熱伝導特性に優れた金属材料により形成されるポールピース125に直接巻回されることから、大きな信号を入力した場合にも熱的に破損しにくく、また、ボビン130からの引出し線129が不要であることからボビン130の振動のバランスが良く歪みが無くなり、さらには、引出し線129が振動しないために機械的に破損しにくいという特性を有する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した内磁型のスピーカ装置100は、図5に示すように、2次コイル109に誘導電流が流れた場合には、金属材料により形成されるポールピース105にも誘導電流が流れてしまうことになる。このポールピース105に流れる誘導電流は、振動板110の振動に何等寄与するものではないため、効率を低下させてしまうことになる。また、外磁型のスピーカ装置120の場合にあっても、図7に示すように、2次コイル131に誘導電流が流れた場合には、金属材料により形成される外周プレート124にも誘導電流が流れてしまうことになる。この外周プレート124に流れる誘導電流は、同様に振動板132の振動に何等寄与するものではないため、効率を低下させてしまうことになる。すなわち、誘導電流は、振動板110、132の振動に影響を与える2次コイル109、131にのみ流れることが理想的である。
【0010】
また、外磁型のスピーカ装置120は、1次コイル126の引出し線129をポールピース125内を通し、内から外に引き出さなければならず、その組立て作業が困難であった。
【0011】
そこで、本発明は、不要な誘導電流が流れないようにすると共に、引出し線の外部への引き出しを容易に行うことのできるスピーカ装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスピーカ装置は、上述のような課題を解決すべく、外周プレートに固定して取り付けられると共に音声信号が入力される1次コイルと、1次コイルと対向するように磁気ギャップを介して内周側に位置してボビンに取り付けられる2次コイルと、ボビンに取り付けられる振動板と、磁気ギャップ内に2次コイルを位置させる磁気回路とを備える。そして、1次コイルの引出し線は、外周プレートの内周側から外周側に亘って設けられた切欠部に配設される。したがって、スピーカ装置は、外周プレートが終端開放リングとなり誘導電流が流れることが防止されると共に、この切欠部に引出し線を配設することでその取付け作業を容易に行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスピーカ装置について図面を参照しながら詳細に説明する。第1の実施例であるスピーカ装置1は、内磁型のスピーカ装置に本発明を適用したものである。
【0014】
このスピーカ装置1は、例えば図1及び図2に示すように、マグネット1と、外周プレートを構成するこのマグネット2を囲むように形成された全体として略凹状を呈したヨーク3とを有する。このヨーク3は、その上側に設けられた開口部4の周縁に音声信号が供給される1次コイル5が設けられている。そして、このヨーク3には、内周側から外周側に亘って縦方向に貫通した切欠部6が形成されている。この切欠部6は、その幅が約1mm程度とされている。そして、この切欠部6には、1次コイル5の引出し線7が配設され、スピーカ装置1の外部へと引き出されている。したがって、スピーカ装置1は、切欠部6に引出し線7を配設することができることから容易に組立て作業を行うことができる。なお、この引出し線7は、熱伝導特性に優れた接着剤により切欠部6に接着固定される。
【0015】
マグネット2には、その上面に円盤状の金属材料により形成されたポールピース8が接着固定されている。このポールピース8は、その外周端面と、この外周端面と対向するヨーク3の開口部4を構成する端面とで磁気ギャップ9を構成している。
【0016】
この磁気ギャップ9には、円筒状のボビン11が配設されている。このボビン108には、その外周面に、1次コイル5と対向して1ターンの2次コイル12が設けられている。そして、このボビン11には、全体としてドーム状を呈した振動板13が取り付けられている。そして、この振動板13は、その側縁から連続してエッジ部111が湾状に設けられその端部がヨーク3の上面に接着固定されている。
【0017】
このように構成されたスピーカ装置1は、1次コイル5に電流が供給されると、2次コイル12に誘導電流が流れ、ローレンツ力により振動板13を振動させる。そして、このようなスピーカ装置1は、1次コイル5が熱伝導特性に優れた金属材料により形成されるヨーク3に直接巻回されることから、大きな信号を入力した場合にも熱的に破損しにくく、また、ボビン11から引出し線7を引き出す必要が無いことから、ボビン11の振動のバランスが良く歪みが無くなり、さらには、引出し線7が振動しないために機械的に破損しにくくすることができる。
【0018】
また、スピーカ装置1は、上述の通りヨーク3に、内周側から外周側に亘って切欠部6が形成されている。したがって、スピーカ装置1は、2次コイル12に誘導電流が流れた場合に、金属材料により形成されるポールピース8に誘導電流が流れることが防止される。すなわち、ヨーク3は、その上面に切欠部6を形成することで、終端開放リングのように機能させ誘導電流が流れないようにされる。
【0019】
以上のようにスピーカ装置1は、外周プレートを構成するヨーク3の上面に切欠部6を構成することで、引出し線7のスピーカ装置1外部への引き出し作業が容易にされると共に、振動板13の振動には不要なポールピース8に電流が流れることが防止され、スピーカ特性の向上を図ることができる。
【0020】
なお、以上切欠部6について、ヨーク3の上面を貫通して形成された場合について説明したが、この切欠部6は、必ずしも貫通させる必要はなく、例えば凹状の溝とすることで、電流を流れにくくすることも可能である。
【0021】
次に、第2のスピーカ装置20について、図3及び図4を用いて詳細に説明する。このスピーカ装置20は、本発明を外磁型のスピーカ装置1に適用したものである。
【0022】
また、スピーカ装置20は、リング状のマグネット21と、このマグネット21の底面の中央開口部22を閉塞するように設けられるヨーク23とを有する。また、このマグネット21には、その上面に中央開口部22の内方にやや突出して金属材料よりなるリング状の外周プレート24が設けられている。この外周プレート24には、その内周側端面に1次コイル25が設けられている。また、この外周プレート24には、内周側から外周側に亘って設けられた切欠部26が設けられている。この切欠部26は、幅1mmで縦方向に貫通して形成され、上記1次コイル25の引出し線27が配設される。したがって、スピーカ装置20は、切欠部26に引出し線27を配設することができることから容易に組立て作業を行うことができる。なお、この引出し線27は、熱伝導特性に優れた接着剤により切欠部26に接着固定される。
【0023】
ヨーク23には、マグネット21の中央開口部22を挿通するようにして円柱状のポールピース28が立設されている。また、このポールピース28の上端外周面は、外周プレート24に設けられた開口部29の端面とで磁気ギャップ31を構成している。
【0024】
この磁気ギャップ31には、ボビン32が配設され、このボビン32の外周面には、上記1次コイル25と対向して1ターンの2次コイル33が設けられている。そして、このボビン130には、外広がりに形成された振動板34の内周側が接着固定されている。この振動板34には、その外周側にエッジ部35が形成されている。このエッジ部35は、図示しないがフレームに固定されている。さらには、この振動板34には、その中央領域に磁気回路内に塵芥が進入しないように、全体としてドーム状を呈したキャップ36が配設されている。
【0025】
このように構成されたスピーカ装置20は、1次コイル25に電流が供給されると、2次コイル33が誘導されてローレンツ力により振動板34が振動される。そして、スピーカ装置20は、1次コイル126が熱伝導特性に優れた金属材料により形成される外周プレート24に直接巻回されることから、大きな信号を入力した場合にも熱的に破損しにくく、また、ボビン32からの引出し線27が不要であることからボビン32の振動のバランスが良く歪みが無くなり、さらには、引出し線27が振動しないために機械的に破損しにくくなる。
【0026】
また、スピーカ装置20は、上述の通り外周プレート24に、内周側から外周側に亘って切欠部6が形成されている。したがって、スピーカ装置1は、外周プレート24に誘導電流が流れることが防止される。すなわち、外周プレート24は、その上面に切欠部26を形成することで、終端開放リングのように機能させ誘導電流が流れないようにされる。さらには、スピーカ装置20は、上述した上記図7及び図8に示したスピーカ装置120と異なり、1次コイル25を外周プレート24に設けることで、引出し線27を外周方向に引き出しやすくしている。
【0027】
以上のようにスピーカ装置20は、1次コイル25を外周プレート24の開口部29に設けその上面に切欠部26を形成することで、引出し線27のスピーカ装置20外部への引き出し作業が容易にされると共に、振動板13の振動には不要な外周プレート24に誘導電流が流れることが防止され、スピーカ特性の向上を図ることができる。
【0028】
なお、以上切欠部26について、外周プレート24の上面を貫通して形成された場合について説明したが、この切欠部26は、必ずしも貫通させる必要はなく、例えば凹状の溝とすることで、誘導電流を流れにくくすることも可能である。
【0029】
【発明の効果】
本発明に係るスピーカ装置によれば、1次コイルの引出し線が外周プレートの内周側から外周側に亘って設けられた切欠部に配設されることから、外周プレートが終端開放リングとなり誘導電流が流れることが防止されると共に、この切欠部に引出し線を配設することでその取付け作業を容易に行うことができる。また、本発明に係るスピーカ装置は、1次コイルが外周プレートに設けられることから、1次コイルの引出し線の引き出し作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例である内磁型のスピーカ装置の縦断面図である。
【図2】同スピーカ装置の平面図である。
【図3】第2の実施例である外磁型のスピーカ装置の縦断面図である。
【図4】同スピーカ装置の平面図である。
【図5】従来の内磁型のスピーカ装置の縦断面図である。
【図6】同スピーカ装置の平面図である。
【図7】従来の外磁型のスピーカ装置の縦断面図である。
【図8】同スピーカ装置の平面図である。
【符号の説明】
1 内磁型のスピーカ装置、2 マグネット、3 ヨーク、4 開口部、5 1次コイル、6 切欠部、7 引出し線、8 ポールピース、9 磁気ギャップ、11 ボビン、12 2次コイル、13 振動板
Claims (1)
- 外周プレートに固定して取り付けられると共に音声信号が入力される1次コイルと、
上記1次コイルと対向するように磁気ギャップを介して内周側に位置してボビンに取り付けられる2次コイルと、
上記ボビンに取り付けられる振動板と、
上記磁気ギャップ内に上記2次コイルを位置させる磁気回路とを備え、
上記1次コイルの引出し線は、上記外周プレートの内周側から外周側に亘って設けられた切欠部に配設されることを特徴とするスピーカ装置。
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