JPS5822383Y2 - 複合型スピ−カ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、組立機構について改良を図った複合型スピー
カに関する。

複合型スピーカの組立は、従来では、低音用スピーカの
フレーム開口部にアームを取り付け、そのアームに高音
用スピーカを取り付けて組立てる場合と、低音用スピー
カのセンターポールにスペーサを前面からビスで固定し
、そのスペーサに高音用スピーカを接着剤により取り付
ける場合とがあった。

しかし、前者は、アームが低音用スピーカの前面遮蔽物
となるために開口率が下って音質に悪影響を及ぼす場合
があり、また低音用スピーカ前面とアームとの距離によ
り振幅があまり大きくすることができず、高出力化や音
質向上の妨げとなり、更にテ゛ザイン上からも必ずアー
ムが見えるためにその自由度が制限され、更に高音用ス
ピーカがアームの裏側となるため綿糸線の接続作業が芳
しくなかった。

また後者は、高音用スピーカの後部の磁気回路部分が接
着剤にてスペーサに固着されているだけであるため、信
頼性が悪く、ビリつきを起すことがあった。

本考案は以上のような点に鑑みたもので、複数個の高音
用スピーカを低音用スピーカのセンターポール頂部に固
定する場合に、複数個の高音用スピーカの前部を共通の
グリルに係止し、後部を共通のスペーサに固定し、この
スペーサを低音用スピーカのセンターポールへ螺着し、
これにより複数の高音用スピーカの位置決めとビリつき
防止を、前部及び後部の共通部材により行い、且つ低音
用スペーカへの取り付けを容易にして、従来の問題点を
解決しようとするものである。

以下、図を参照して本考案の一実施例を説明する。

１はマグネット１ａ、ヨーク１ｂ、プレート１Ｃで戊る
第１磁気回路で、その磁気ギャップにポイスコイル２ａ
部分が位置するボビン２には低音用振動板３の中心部が
固着されている。

そして、その固着部分と第１フレーム４との間には第１
ダンパ５が取り付けられ、また低音用振動板３の外周端
と前記第１フレーム４の外周部６との間にはエツジ７が
取り付けられている。

８は、前記第１磁気回路１のヨーク１ｂのセンターポー
ル中心にネジ９によって取り付けられる断面略丁字形の
スペーサで、そのスペーサ８の先端の一隅にはネジ１０
によって第２磁気回路１１が、また接着剤によって第３
磁気回路１２がそれぞれ取り付けられている。

そして、このスペーサ８の柱状部分の外周と前記低音用
振動板３との間には、中心方向が高くなるように傾斜し
た第２ダンパ１３が取り付けられている。

前記第２磁気回路１１は、マグネット１１ａ、ヨーク１
１ｂ、プレーｈ １１ Ｃで構成され、その磁気ギャッ
プにボイスコイルが位置するボビン１４には、中音用振
動板１５の中心部が取り付けられ、その中音用振動板１
５の外周部はエツジを介して第２フレーム１６に取り付
けられている。

前記第３磁気回路１２は、マグネジＮ２ａとヨーク１２
ｂとで成り、その磁気ギャップには、ドーム形で戊る高
音用振動板１７のボイスコイルが位置し、また高音用振
動板１７の外周部はエツジダンパ１８によって第３フレ
ーム２１に固定されている。

上記中音用スピーカと高音用スピーカの前部には共通の
グリル２０が取り付けられる。

このグリル２０は前記中音用スピーカの放音孔と、高音
用スピーカの放音孔との２つの開口２０ ａ 、２０
ｂを有し、高音用スピーカの放音孔である開口２０ ｂ
をホーン形状としている。

そして前記開口２０ ａの縁部に形成した段部２０ Ｃ
には中音用スピーカの振動板外周を押えるパツキン２２
が係合し、縁部下面には第２フレーム１６の上端が当接
するとともに、前記ホーン形状の開口２０ｂの縁部には
高音用スピーカの振動板を支持するエツジダンパト８が
当接し、この縁部の外周部には第３フレーム２１の段部
２１ａが係合し、且つ第３フレーム２１とグリル２０と
はネジ２３によって螺着されている。

尚１９は前記開口２０ ｂ中に設けられたイコライザで
゛ある。

２４は第１フレーム４の外周部６に嵌着されるキャップ
で、そのキャップ２４にはステー２４３が複数本形成さ
れている。

また、このキャップ２４にはそれが前記第１フレーム４
の外周部６に嵌着された時に低音用振動板３を覆うよう
に防塵布２５ガ張設され、更に防護ネット２６が取り付
けられている。

そしてその防護ネット２６の中心部には銘板２７が取り
付けられている。

一方の極の錦糸線２８は第１フレーム４の端子２９から
引き出され、低音用振動板３に明けられたそのボイスコ
イルのリード線に適した位置、中音用スピーカに適した
位置、その中間位置の３ケの孔をぬって中間端子３０に
至り、そこから中音用振動板１５のボイスコイルのリー
ド線及び高音用振動板１７のボイスコイルのリード線に
接続されている。

低音用振動板３のボイスコイル２ａのリード線２ａｔは
、その振動板３の表面を這って接着剤により固定され、
錦糸線２８の一部２８ ａに半田付けにより固着されて
いる。

以上は他方の極の錦糸線についても全く同様である。

以上において、組立に際しては、まず第１磁気回路１及
び低音用振動板３を含む低音用スピーカを組立てる。

一方これとは別に予め柱状部分にナツト３は埋設したス
ペーサ８に対して、第２磁気回路１１及び中音用振動板
１５を含む中音用スピーカと、第３磁気回路１２及び高
音用振動板１７を含む高音用スピーカとをネジ１０及び
接着剤等で取り付け、中音用スピーカの前部であるパツ
キン２２、第２フレーム１６の上端、及び高音用スピー
カの前部であるエツジダンパ１８、第３フレーム２１の
段部２１ Ｃをそれぞれグリル２０に係合しておく。

そせて、前記スペーサ８を第１磁気回路１のヨーク１ｂ
のセンターポール頂部に背部よりネジ９によって固定す
る。

端子２９からの錦糸線２８は、低音用スピーカ組立の際
にその振動板３の３ケの孔にぬわせておき、且つリード
線２ａｉを部分２８ａに半田付けしておく。

そして、中間端子３０への接続はスペーサ８の組立後に
行なう。

・第１ダンパ５は低音用スピーカの組立の際に取り
付けるが、第２ダンパ１３はスペーサ８の組立後に取り
付けるるこの第１ダンパ１３はダンパの役目の他に、低
音用スピーカの磁気ギャップに対する防塵作用も果す。

キャップ２２は最後に嵌め込む。以上のように本考案は
、低音用スピーカのセンターポールの頂部に高音用、中
音用等の他のスピーカを固定した複合型スピーカにおい
て、複数の開口を有する１個のグリルに高音用、中音用
等の他の複数のスピーカの前部を係止し、前記化のスピ
ーカの後部を１個のスペーサに固定し、このスペーサと
低音用スピーカのセンターポールとを螺着したむのであ
る。

従って本考案によれば、複数の高音用、中音用のスピー
カは共通のグリルとスペーサとにより、その前部と後部
を互いに連結されるため、互いの位置決め及び固定を確
実にし、ビリつきを防止するとともに、複数の他のスピ
ーカをグリル、スペーサによってアッセイ化するから、
製造工程における取扱いが容易で低音用スピーカへの取
り付けも極めて簡単となる。

また低音用スピーカの前面を覆うアームを必要としない
ため、テ゛ザイン上の自由度が大きくなると共に第３図
に示すように周波数特性も向上する。

尚第３図に示すａはアームを用いた場合、ｂが本考案に
よる場合の周波数特性である。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部を省略した複数スピーカの平面図、第２図
は第１図のＩＩ −ＩＩ線断面図、第３図は周波数特性
図である。 ８・・・・・・スペーサ、２０・・・・・・グリル、２
０ ａ 、２０ ｂ・・・・・・開口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 低音用スピーカのセンターポールの頂部に高音用、中音
   用等の他のスピーカを固定した複合型スピーカにおいて
   、複数の開口を有する１個のグリルに高音用、中音用等
   の他の複数のスピーカの前部を係止し、前記化のスピー
   カの後部を１個のスペーサに固定し、このスペーサとイ
   氏音用スピーカのセンターポールとを螺着したことを特
   徴とする複合型スピーカ。