JPH118898A - スピーカ装置 - Google Patents

スピーカ装置

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JPH118898A
JPH118898A JP15886697A JP15886697A JPH118898A JP H118898 A JPH118898 A JP H118898A JP 15886697 A JP15886697 A JP 15886697A JP 15886697 A JP15886697 A JP 15886697A JP H118898 A JPH118898 A JP H118898A
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JP
Japan
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speaker device
voice coil
damper
magnetic circuit
space
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Withdrawn
Application number
JP15886697A
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English (en)
Inventor
Masao Fujihira
正男 藤平
Akira Yamagishi
亮 山岸
Ikuo Shinohara
幾夫 篠原
Akihiro Akiyama
明広 秋山
Naoki Watanabe
直樹 渡辺
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動板やボイスコイルボビンの質量を大きく
することなく振動系の過敏な振動を制限して、最低共振
周波数f0 における共振鋭度Q0 を下げ、良好な低域の
周波数特性を得られるようにしたスピーカ装置を提供す
る。 【解決手段】 少なくともダンパー26と磁気回路部1
0とにより気密空間27を形成し、磁気回路部10にこ
の気密空間27の内外を連通させる流路17を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピーカ装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、スピーカ装置として、図5に示す
ように構成されたものが用いられている。この図5に示
すスピーカ装置51は、音響を発生する振動系70と、
この振動系70を駆動する磁気回路部60と、振動系7
0を支持するフレーム52とを備えている。
【0003】磁気回路部60は、磁性材料よりなるヨー
ク61を有している。ヨーク61は、円板状に形成され
た平板部62の中央部に円柱状のセンターポール63が
突設されてなり、スピーカ装置51の背面側に配設され
ている。
【0004】ヨーク61上には、このヨーク61に磁束
を付与するマグネット64が配設されている。マグネッ
ト64は、中心穴64aを有する円環状に形成されてお
り、この中心穴64a内にセンターポール63が挿通さ
れている。そして、磁気回路部60は、マグネット64
の中心穴64aとセンターポール63の外周面との間
に、空間領域が形成されている。
【0005】マグネット64上には、磁性材料よりなる
トッププレート66が配設されている。トッププレート
66は、中心穴66aを有する円環状に形成されてお
り、中心穴66aにセンターポール63が挿通されてい
る。そして、このトッププレート66の中心穴66aの
周壁とセンターポール63の外周面との間に磁気ギャッ
プGが形成されている。
【0006】トッププレート66上には、振動系70を
支持するフレーム52が取り付けられている。フレーム
52は、金属材料によって、後端部側から前端部側に向
かって拡径された略円筒状に形成されている。
【0007】フレーム52に支持される振動系70は、
振動板71を有している。振動板71は、略円錐状に成
形されてなり、中央部に取付孔71aが形成されてい
る。そして、振動板71の外周部には、エッジ72が取
り付けられており、このエッジ72が円環状のガスケッ
ト53を介してフレーム52の前端部側に形成された保
持部54に固定されている。また、振動板71には、取
付孔71aを閉塞するように、ドーム形状のキャップ7
3が取り付けられている。
【0008】振動板71の取付孔71aには、ボイスコ
イルボビン74が取り付けられている。ボイスコイルボ
ビン74は、円筒状に形成され、基端部側にボイスコイ
ル75が巻装されている。ボイスコイル75の両端は、
錦糸線55を介して、フレーム52の外周部に設けられ
た接続部56と電気的に接続されている。そして、ボイ
スコイルボビン74は、ボイスコイル75が磁気回路部
60の磁気ギャップ内に挿通された状態で、先端部側が
振動板71の取付孔71aに連結されている。
【0009】ボイスコイルボビン74とフレーム52間
には、ボイスコイルボビン74をスピーカ装置51の前
面側から背面側にかけて直線移動可能に支持するダンパ
ー76が配設されている。このダンパー76は、中心穴
を有し、この中心穴から外周部にかけて環状の凹凸部が
同心円状に多数形成されている。そして、ダンパー76
は、この凹凸部により変位可能になされ、中心穴にボイ
スコイルボビン74が挿入されることにより、ボイスコ
イルボビン74を直線移動可能に支持する。
【0010】以上のように構成されるスピーカ装置51
は、磁気ギャップG内に挿通されたボイスコイル74に
電流が供給されることによって、ボイスコイル76に電
磁力が作用し、ボイスコイルボビン75が磁気ギャップ
G内を上下方向に移動する。そして、このボイスコイル
ボビン75の移動に伴って振動板71が振動する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のス
ピーカ装置51においては、小型でありながら、低域の
周波数特性が良好なものが望まれている。しかしなが
ら、スピーカ装置51は、小型化すると、磁気回路部6
0も小型化されて大きな駆動力を発生させることが困難
となり、最低共振周波数f0 における共振鋭度Q0 が大
きくなって低域の周波数特性が悪化する。したがって、
このスピーカ装置51は、低域の周波数特性を良好にす
るために、振動系70の過敏な振動を制限して、最低共
振周波数f0における共振鋭度Q0 を下げる必要があ
る。
【0012】振動系70の過敏な振動を制限するために
は、振動板71やボイスコイルボビン74の質量を大き
くすることが考えられる。しかしながら、振動板71や
ボイスコイルボビン74の実際の質量を大きくすると、
これらを確実に支持するためにダンパー76やエッジ7
2のコンプライアンスを小さくする必要が生じ、かえっ
て共振鋭度Q0 が大きくなってしまう。
【0013】そこで、本発明は、振動板やボイスコイル
ボビンの質量を大きくすることなく振動系の過敏な振動
を制限して、最低共振周波数f0 における共振鋭度Q0
を下げ、良好な低域の周波数特性を得られるようにした
スピーカ装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を達成するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明に係るスピーカ装置は、少なくともダンパ
ーと磁気回路部とにより気密空間を形成し、磁気回路部
にこの気密空間の内外を連通させる手段を設ける。
【0015】このスピーカ装置は、この気密空間への空
気の流入、流出が、磁気回路部に設けられた連通手段に
よって行われるので、この気密空間への空気の流量が制
限される。したがって、スピーカ装置は、振動系が振動
する際に、気密空間の内圧変動による負荷が生じ、この
負荷により、振動系の過敏な振動が制限される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0017】このスピーカ装置1は、図1に示すよう
に、振動系20と、この振動系20を駆動する磁気回路
部10と、振動系20を支持するフレーム2とを備えて
いる。
【0018】磁気回路部10は、スピーカ装置1の背面
側に配設され、磁性材料により形成されたヨーク11を
備えている。ヨーク11は、円板状に形成された平板部
12の中央部に円柱状のセンターポール13が突設され
てなる。
【0019】このヨーク11上には、マグネット14が
配設されている。マグネット14は、中心穴14aを有
する円環状に形成されている。マグネット14の中心穴
14aの直径は、センターポール13の直径よりも大と
され、このマグネット14の中心穴14aにヨーク11
のセンターポール13が挿入されている。また、ヨーク
11の平板部12の中央部には、センターポール13の
基端側の外周を囲むように、環状に段部12aが形成さ
れており、この段部12aにマグネット14の中心穴1
4aが嵌合されることにより、マグネット14の位置決
めがなされている。そして、マグネット14の中心穴1
4aの周壁と、とヨーク11のセンターポール13の外
周との間には、空間領域が形成されている。
【0020】マグネット14上には、ヨーク11のセン
ターポール13との間に磁気ギャップGを構成するトッ
ププレート15が配設されている。このトッププレート
15は、磁性材料により中心穴15aを有する円環状に
形成されている。トッププレート15の中心穴15aの
直径は、センターポール13の直径よりもやや大とさ
れ、このトッププレート15の中心穴15aにヨーク1
1のセンターポール13が挿入されている。そして、ト
ッププレート15の中心穴15aの周壁とセンターポー
ル13の外周面間が磁気ギャップGとして構成されてい
る。
【0021】トッププレート15上には、振動系20を
支持するフレーム2がネジ止め等により取り付けられて
いる。フレーム2は、金属材料によって、基端部側から
前端部側に向かって拡径された略円筒状に形成されてい
る。
【0022】このフレーム2に支持される振動系20
は、略円錐状の振動板21を備えている。この振動板2
1は、スピーカ装置1の前面側に配設され、中央部に取
付孔21aが形成されている。この取付孔21aの前面
側開口部は、ドーム形状のキャップ22により閉塞さ
れ、振動板21の前面側からの塵等の侵入が防止されて
いる。また、振動板21は、取付孔21aがキャップ2
2により閉塞されることにより、半径方向の変形が防止
されるようになされている。
【0023】振動板21の前面側外周部には、可撓性を
有する円環状のエッジ28が取り付けられ、その外周端
部が円環状のガスケット5を介して、フレーム2の前面
側外周部に形成された保持部6に固定されている。そし
て、このエッジ28は、振動板21をフレーム2に連結
するとともに、振動板21をスピーカ装置の前面側から
背面側にかけて直線的に振動するように支持している。
【0024】振動板21の背面側には、外周面にボイス
コイル23が巻装されたボイスコイルボビン24が取り
付けられている。このボイスコイルボビン24は、内径
がヨーク11のセンターポール13の外径よりもやや大
とされた円筒状に形成され、基端部側が振動板21から
スピーカ装置1の背面側に向けて突設するように、先端
部側が振動板21の取付孔21aに連結されされてい
る。このボイスコイルボビン24の基端部側の外周面
に、ボイスコイル23が巻装されている。このボイスコ
イル23の両端部は、錦糸線3を介して、フレーム2の
外周部に設けられた外部信号が入力される接続部4に半
田を用いて、電気的に接続される。
【0025】また、ボイスコイルボビン24は、ボイス
コイル23が磁気ギャップG内に位置するように、ヨー
ク11のセンターポール13の外周側に配置される。
【0026】ボイスコイルボビン24は、ボイスコイル
ボビン24とフレーム2間に配設されたダンパー26に
より、スピーカ装置1の前面側から背面側にかけて移動
可能に支持されている。
【0027】ダンパー26は、布等を成形してなる基材
にアクリル、ゴム等の発泡樹脂がコーティングされ、ま
たは布等の基材にフェノール樹脂等が含浸されることに
より密閉構造とされ、通気を遮断するようになされてい
る。また、このダンパー26は、空気を透過させないポ
リエステルのフィルム等により形成し、通気を遮断する
ようにしてもよい。そして、このダンパー26は、中心
穴にボイスコイルボビン24が挿入され、外周端部がフ
レーム2に取り付けられることにより、ボイスコイルボ
ビン24を支持するとともに、上述した磁気回路部10
との間に空間領域を形成する。この空間領域は上述した
磁気回路部10内の空間領域と連通し、振動系20の動
きに負荷を与える気密空間27として構成される。
【0028】なお、ダンパー26は、いわゆるコルゲー
ションダンパーであり、中心穴から外周部にかけて環状
の凹凸が同心円状に多数形成されている。そして、この
ダンパー26は、中心穴にボイスコイルボビン24が挿
入されることにより、ボイスコイルボビン24を移動可
能に支持する。このダンパー26は、同心円状に環状の
凹凸部が形成されることにより、容易に大きな変位を可
能となし、ボイスコイルボビン24が駆動されるとき、
このボイスコイルボビン24をスピーカ装置1の前面側
から背面側にかけて直線移動可能に支持する。
【0029】ところで、上述した磁気回路部10には、
ダンパー26から磁気回路部10にかけて形成された気
密空間27の内外を連通する流路17が形成されてい
る。そして、気密空間27への空気の出入りは、この流
路17を介して行われる。
【0030】流路17は、例えば図2に示すように、ト
ッププレート15の中心穴15aから外周部にかけて形
成された幅狭なスリットとして構成される。
【0031】スピーカ装置1は、このように、流路17
を幅狭なスリットとすることにより、気密空間27への
空気の流量を制限している。したがって、スピーカ装置
は、振動系20が振動する際に、気密空間27の内圧変
動による負荷が生じ、この負荷により、振動系20の過
敏な振動が制限される。
【0032】すなわち、ボイスコイル23に駆動電流が
供給され、ボイスコイルボビン24がスピーカ装置1の
背面側に移動すると、これにともないダンパー26が変
位し、気密空間27が圧縮される。このとき、気密空間
27内の空気は、図1中矢印Aで示すように、流路17
を介して外部へ流出することになるが、流路17は幅狭
のスリットにより構成されており、流量が制限されるの
で、気密空間27の内圧が一時的に上昇する。この気密
空間27の内圧上昇により、ボイスコイルボビン24の
背面側への移動に負荷がかかることになる。
【0033】他方、ボイスコイルボビン24がスピーカ
装置1の前面側に移動すると、これにともないダンパー
26が変位し、気密空間27が拡張される。このとき、
外部の空気は、図1中矢印Bで示すように、流路17を
介して気密空間27内に流入することになるが、流路1
7は幅狭のスリットにより構成されており、流量が制限
されるので、気密空間27の内圧が一時的に減少する。
この気密空間27の内圧減少により、ボイスコイルボビ
ン24の前面側への移動に負荷がかかることになる。
【0034】スピーカ装置1は、このように、ボイスコ
イルボビン24が移動する際に、気密空間27の内圧変
動による負荷がかかることにより、振動系20の過敏な
振動が制限され、低域の周波数特性が良好となる。
【0035】なお、以上は流路17をトッププレートに
形成された幅狭なスリットにより構成した例について説
明したが、流路17は、気密空間27への空気の流量を
制限するように磁気回路部10に設けられていればよ
く、例えば図3に示すように、ヨーク11の平板部12
に貫通孔18を設けてこれを流路17としてもよい。
【0036】また、この場合、ヨーク11の底面側に、
気密空間27から貫通孔18を介して外部に流出した空
気と共振させるための共振部材28を取り付けるように
してもよい。スピーカ装置1は、このようにヨーク11
の底面側に共振部材28を取り付け、気密空間27から
外部に流出した空気とこの共振部材28共振させること
により、低域で音響的な付加質量が加えられ、低域の周
波数特性をさらに良好なものとすることができる。
【0037】また、このスピーカ装置1は、気密空間2
7の内外への空気の流量を調整するために、図1に示す
ように、ダンパー26に気密空間27の内外を連通する
貫通孔26aを設けるようにしてもよい。ダンパー26
に貫通孔26aを設けることにより、気密空間27への
空気の出入りは流路17だけでなくダンパー26の貫通
孔26aからも行われることになる。
【0038】スピーカ装置1は、気密空間27への空気
の出入りを流路17のみで行った場合に、負荷が大きく
なりすぎるとかえって音響特性を悪化させることがある
が、ダンパー26に貫通孔26aを設けてこの貫通孔2
6aからも気密空間27への空気の出入りを行うことに
より、気密空間27の内外への空気の流量を調整し、過
剰な負荷を緩和することができる。
【0039】また、スピーカ装置1は、気密空間27の
内外への空気の流量を調整するために、図1に示すよう
に、キャップ22に気密空間27の内外を連通する貫通
孔22aを設けるようにしてもよい。キャップ22に貫
通孔22aを設けることにより、気密空間27への空気
の出入りは流路17だけでなくキャップ22の貫通孔2
2aからも行われることになる。
【0040】スピーカ装置1は、キャップ22からも気
密空間27への空気の出入りを行うことにより、ダンパ
ー26に貫通孔26aを設けた場合と同様に、気密空間
27の内外への空気の流量を調整して、過剰な負荷を緩
和することができる。
【0041】以上のように構成されるスピーカ装置1
は、ボイスコイル23に音響信号に応じた駆動電流が供
給されることにより、この駆動電流と磁気回路部10の
磁界との作用によって振動板21が振動され、音響再生
が行われる。
【0042】そして、このスピーカ装置1は、ダンパー
26と磁気回路部10とによって囲まれた領域に気密空
間27が形成され、この気密空間27への空気の出入り
を幅狭なスリット等の流路17から行うようにしている
ので、振動板21が振動する際に、気密空間27の内圧
変動による負荷がかかり、振動系20の過敏な振動が制
限され、低域の周波数特性が良好となる。
【0043】また、本発明に係るスピーカ装置は、図4
に示すように、ヨーク11の背面側に補助マグネット3
2を設け、磁気回路部10を覆うようにシールドカバー
33を設けて、マグネット14の磁束が磁気回路部10
の外部に漏洩することを防止する構造としてもよい。
【0044】このスピーカ装置31は、補助マグネット
32とシールドカバー33とを設けた点を除き、上述し
たスピーカ装置1と同様の構成とされるので、スピーカ
装置1と同様の構成については同一の符号を用いて詳細
な説明を省略する。
【0045】補助マグネット32は、マグネット14と
同様に、中心穴32aを有する円環状に形成されてお
り、マグネット14とほぼ同一の大きさとされている。
そして、この補助マグネット32は、磁極方向がマグネ
ット14の磁極方向に対して逆向きとされた状態で、ヨ
ーク11を挟んでマグネット14と対向するように、ヨ
ーク11の背面側に配設されている。
【0046】シールドカバー33は、底板33aの外周
部から周壁33bが立ち上がり形成されてなる。そし
て、このシールドカバー33は、底板33aが補助マグ
ネット32の背面側に取り付けられ、周壁33bが磁気
回路部10を覆うように、磁気回路部10の外周側に配
設されている。シールドカバー33の底板33bの中央
部には、補助マグネット32の中心穴32aと略同径の
突状部34が形成されている。そして、この突状部34
が補助マグネット32の中心穴32aに背面側から係合
されることにより、シールドカバー33は、補助マグネ
ット32の背面側に取り付けられる。
【0047】このスピーカ装置31は、補助マグネット
32の磁束により外部に漏洩しようとする磁束が打ち消
されるので、外部への磁束の漏洩が防止され、磁気ギャ
ップGを通る磁束密度が向上する。また、このスピーカ
装置31は、磁気回路部10がシールドカバー33によ
り覆われているので、外部への磁束の漏洩がさらに防止
される。
【0048】また、以上は、ヨーク11のセンターポー
ル13の外周側に、円環状のマグネット14が配設され
た、いわゆる外磁型の磁気回路部10を備えるスピーカ
装置1,31に本発明を適用した例について説明した
が、本発明はこの例に限定されるものではなく、図5に
示すように、有底筒状の壺型ヨーク43内に円柱状のマ
グネット44が配設された、いわゆる内磁型の磁気回路
部42を備えるスピーカ装置41に適用することもでき
る。
【0049】なお、このスピーカ装置41は、磁気回路
部42が内磁型である点を除き、上述したスピーカ装置
1と同様の構成とされるので、スピーカ装置1と同様の
構成については上述したスピーカ装置1と同一の符号を
用いて詳細な説明を省略する。
【0050】このスピーカ装置41の磁気回路部42
は、磁性材料により有底筒状に形成されたヨーク43を
備えている。そして、ヨーク43の底板43aの中央部
から周壁43bが立ち上がる方向に突出するように、ヨ
ーク43の底板43a上に円柱状に形成されたマグネッ
ト44が配設されている。このマグネット44の上面
は、ヨーク43の周壁43bの上端部とほぼ同じ高さと
される。
【0051】マグネット44上には、磁性材料により平
板状に形成されたポールピース45が設けられている。
このポールピース45は、マグネット44と略同径の円
盤状を呈している。
【0052】また、ヨーク43の周壁43bの上端部に
は、ポールピース45との間に磁気ギャップGを形成す
るプレート46が設けられている。このプレート46
は、磁性材料により、中心穴46aを有する円環状に形
成されている。このプレート46は、ポールピース45
の厚みと略同じ厚みを有し、中心穴46aの直径は、ポ
ールピース45の直径よりもやや大とされる。そして、
このプレート46は、中心穴46aにマグネット44上
に設けられたポールピース45が挿入されるように、ヨ
ーク43の周壁43bの上端部に設けられることによ
り、ポールピース45との間に磁気ギャップGを構成し
ている。
【0053】そして、プレート46上には、フレーム2
がネジ止め等により取り付けられ、このフレーム2によ
り振動系20が支持されている。
【0054】このスピーカ装置41の振動系20も、上
述したスピーカ装置1の振動系20と同様に、表面から
の通気が遮断されたダンパー26を備えている。スピー
カ装置41は、ダンパー26の表面からの通気が遮断さ
れることにより、ダンパー26と磁気回路部42とによ
り囲まれた領域に、振動系20の動きに負荷を与える気
密空間27が形成される。
【0055】そして、上述した磁気回路部42には、ダ
ンパー26と磁気回路部42とにより囲まれた領域に形
成された気密空間27の内外を連通する流路17が形成
されている。この流路17は、例えば、プレート46か
らヨーク43の底板43aにわたって設けられた小径の
通気管47により構成される。
【0056】通気管47は、一端側がプレート46及び
プレート46上に取り付けられたフレーム2の端部に埋
挿されてダンパー26側で開口し、他端側がヨーク46
の底板46aに埋挿されて磁気回路部42の背面側で開
口した状態で、ヨーク43の周壁43bに囲まれた領域
内に配設されている。そして、気密空間27への空気の
出入りは、この通気管47を介して行われる。
【0057】スピーカ装置41は、気密空間27への空
気の出入りが、この小径の通気管47を介して行われる
ことにより、気密空間27への空気の流量が制限されて
いる。したがって、このスピーカ装置41は、振動系2
0が振動する際に、気密空間27の内圧変動による負荷
が生じ、この負荷により、振動系20の過敏な振動が制
限される。
【0058】以上のように構成されるスピーカ装置41
は、ボイスコイル23に音響信号に応じた駆動電流が供
給されることにより、この駆動電流と磁気回路部42の
磁界との作用によって振動板21が振動され、音響再生
が行われる。
【0059】そして、このスピーカ装置41は、ダンパ
ー26と磁気回路部42とによって囲まれた領域に気密
空間27が形成され、この気密空間27への空気の出入
りを小径の通気管47等の流路17から行うようにして
いるので、振動板21が振動する際に、気密空間27の
内圧変動による負荷がかかり、振動系20の過敏な振動
が制限され、低域の周波数特性が良好となる。
【0060】
【発明の効果】上述したように本発明に係るスピーカ装
置は、ダンパーと磁気回路部とによって囲まれた領域に
気密空間が形成されているとともに、この気密空間の内
外を連通する手段が磁気回路部に設けられているので、
振動板が振動する際に、振動系に気密空間の内圧変動に
よる負荷がかかり、振動系の過敏な振動が制限されて、
良好な低域の周波数特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスピーカ装置を示す縦断面図であ
る。
【図2】トッププレートの斜視図である。
【図3】本発明に係る他のスピーカ装置を示す縦断面図
である。
【図4】本発明に係る更に他のスピーカ装置を示す縦断
面図である。
【図5】本発明に係る更に他のスピーカ装置を示す縦断
面図である。
【図6】従来のスピーカ装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1,31,41 スピーカ装置、2 フレーム、10,
42 磁気回路部、11,43 ヨーク、14,44
マグネット、17 流路、18 貫通孔、21振動板、
23 ボイスコイル、24 ボイスコイルボビン、26
ダンパー、27 気密空間、47 通気管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 明広 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 渡辺 直樹 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネットとヨークとを有する磁気回路
    部と、 支持部材に支持された振動板と、 先端側が上記振動板に連結され、基端側に上記磁気回路
    部の磁気ギャップに挿入されるボイスコイルが巻回され
    たボイスコイルボビンと、 上記ボイスコイルボビンを移動可能に支持するダンパー
    とを備え、 少なくとも上記ダンパーと磁気回路部とによって囲まれ
    た領域には、気密空間が形成されるとともに、上記磁気
    回路部には、上記気密空間の内外を連通する手段が設け
    られていることを特徴とするスピーカ装置。
  2. 【請求項2】 上記ダンパーは基材に樹脂材が被着され
    てなり、通気が遮断されていることを特徴とする請求項
    1記載のスピーカ装置。
  3. 【請求項3】 上記ダンパーには、上記気密空間の内外
    を連通する貫通孔が穿設されていることを特徴とする請
    求項1記載のスピーカ装置。
  4. 【請求項4】 上記振動板の中央部に設けられたキャッ
    プに上記気密空間の内外を連通する貫通孔が穿設されて
    いることを特徴とする請求項1記載のスピーカ装置。
JP15886697A 1997-06-16 1997-06-16 スピーカ装置 Withdrawn JPH118898A (ja)

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