JPS5849079B2

JPS5849079B2 - 動電型スピ−カ

Info

Publication number: JPS5849079B2
Application number: JP12895978A
Authority: JP
Inventors: 雅晴大野
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1978-10-18
Filing date: 1978-10-18
Publication date: 1983-11-01
Also published as: JPS5555696A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、エッジ部材、ダンパー等の固体の支持系を用
いない動電型スピーカを提供するものである。

従来より、動電型スピーカとしてはコーン型スピーカ、
平板型スピーカ、ドーム型スピーカ等がある。

これらの動電型スピーカは、可動部である振動板を、非
可動部であるフレームや磁気回路に支持するために、エ
ッジやダンパーを用いている。

コーン型スピーカや平板型スピーカの場合、振動板の外
周部をエッジ部材で支持するとともに、振動板に固定さ
れたコイルボビンをダンパーで支持シ、振動板の振動方
向に対する垂直方向の横揺れを防止している。

またダンパーは振動板の振動に必要な弾性復元力を発生
させる役割を果たし、エッジ部材は振動板の背面の音圧
が前面に回り込むのを防止し、前面音圧と背面音圧との
位相差による音圧周波数特性の乱れをなくす働きをして
いる。

なおドーム型スピーカの場合には、通常ダンパーは用い
ず、エッジ部材により弾性復元力を果たしている。

このように、従来のスピーカにおいては、エッジ部材や
ダンパー等の固体の支持系を持つため、弾性変位の大き
さに限界があり、弾性変位とが動力の直線性関係が大振
幅時において崩れ、支持系の非直線性による低域歪が発
生する欠点があった。

また、上記従来の動電型スピーカにおいて、低域再生帯
域を伸ばすために、最低共振周波数を低く設計する場合
、ダンパーやエッジ部材の弾性定数を小さくする必要が
あり、薄くて柔らかい材料を用いなければならないが、
これらの支持系では振動板の中心保持能力が弱くなり、
横揺れ振動が大きくなり、この結果、音圧周波数特性に
乱れや歪が生じる欠点がある。

また、横揺れ振動によるボイスコイルの磁極への当接を
防止するために、磁気回路の磁気ギャップ長を大きくす
ると、コスト高となる欠点がある。

また従来の動電型スピーカにおいては、エッジ共振によ
り音圧周波数特性に数ｄＢ以上の凹凸が生じる欠点があ
る。

たとえば、コーン型スピーカの場合、再生帯域の中域に
おいて、エッジ共振による凹凸が生じ、またドーム型ス
ピーカにおいては、エッジ共振により高城再生限界が低
下する欠点がある。

以上のように、従来の動電型スピーカにおいては、振動
系の支持を固体の支持系で行なっているために、前記種
々の欠点が生じるものであった。

本発明は上記従来の欠点を除去するものであり、以下に
本発明の一実施例について、第１図とともに説明する。

第１図において、１はヨークであり、このヨーク１の上
面中央には孔２を翁するセンターポール３が一体に形成
されている。

４は容器であり、この容器４は、取付具６によりパッキ
ング５を介して上記ヨーク１の下面に気密に固定され、
背面キャビテイを構成している。

７は上記容器４内に収納された吸音材である。

８は上記ヨーク１の上面に固定された環状のマグネット
、９はこのマグネット８の上面に固定された環状のヨー
クであり、このヨーク９の内周面と上記センターポール
３の外周面との間に環状の磁気ギャップが構成される。

１０はドーム状の振動板であり、このドーム状の振動板
１０の外周部にはボイスコイル１１が巻回されている。

１２は振動板１０の外周面と上記ヨーク９の内周面に充
填された磁性流体である。

この磁性流体１２はコロイド状の磁性超微粒子を流体に
分散させたものであり、この磁性流体１２は磁場の強い
部分に集まろうとする内部応力が生じ、この力によって
振動板１０が支持される。

１３はセンターポール３の上面に配置された吸音材であ
る。

上記磁性流体１２は振動板１０を支持するとともに、振
動板１０の背面の空気を密閉する働きをする。

上記容器４、磁気回路、振動板１０、磁性流体１２によ
って密閉された空気は、振動板１０の振動に対する空気
バネとして働き、振動板１０の弾性復元力を発生する。

第１図において、磁気ギャップ部に配置されたボイスコ
イル１１に信号を印加すると、振動板１０は上下方向に
振動して音を放躬するものである。

以上のように、本発明では、ダンパーやエッジのような
固体の支持系を用いないで振動板１０を保持できるため
、歪が発生せず、大振幅の振動が可能となるものである
。

また本発明では、ボイスコイル駆動用の磁気回路を磁性
流体保持用および振動板支持用の磁気回路として兼用し
ているため、構造が非常に簡単となるものである。

第２図は本発明の他の実施例を示している。

第２図において、１４は上面が開口した容器であり、こ
の容器１４の段部には、パッキング１５を介してヨーク
１６が取付具１７で固定されている。

このヨーク１６の外周部には上方に突出する突条１８が
一体に形成されているとともに、中央には孔１９が形或
されている。

２０は孔２１を有するセンターポールであり、このセン
ターポール２０は上記ヨーク１６の上面中央部に固定さ
れている。

２２はヨーク１６の上面に固定された環状のマグネット
であり、このマグネット２２の上面には環状のヨーク２
３が固定されている。

このヨーク２３の外周部下面と、上記ヨーク１６の突条
１８端面間には環状の第１の磁気ギャップが構成され、
また上記ヨーク２３の内周面と上記センターポール２０
の外周面間に第２の磁気ギャップが構成される。

上記第１の磁気ギャップには磁性流体２４が充填されて
いる。

この磁性流体２４は磁場の強い部分に集まろうとする内
部応力が生じる。

振動板２５の筒状の外周部の内面は上記磁性流体２４に
接し、この磁性流体２４の内部応力によって振動板２５
が支持される。

２６は上記振動板２５の下面に固定されたコイルボビン
であり、このコイルボビン２６にはボイスコイル２７が
巻回されている。

このボイスコイル２７はヨーク２３とセンターポール２
０間の第２の磁気ギャップ部に配置される。

第２図において、ボイスコイル２７に信号電流を印加す
ると、このボイスコイル２γに駆動力が力口わり、コイ
ルボビン２６、振動板２５が一体に振動し、音が放躬さ
れるものである。

上記磁性流体２４は振動板２５を支持するとともに、こ
の磁性流体２４は容器１４、磁気回路、振動板２５とと
もに振動板２５の背部の空間を密閉する。

この密閉された空間の空気は、振動板２５の振動に対す
る空気バネとして働き、振動板２５の弾性復元力を発生
する。

第２図において、２８は容器１４内に収納された吸音材
、２９は容器１４の孔３０に嵌合されたゴム状部材であ
り、振動板２５を挿入する際、または容器１４内の圧力
を調整する際に、このゴム状部材２９に注躬器の針を差
し込み、空気の流出、流入を行なうものである。

第３図は第２図に示す実施例の前面に音響波面を９０°
曲げる音響拡散板（デュフユーザー）３１を取付けたも
のである。

本実施例によれば、スピーカを垂直方向に配置して水平
方向に音波を放躬できるものであり、振動板２５の重量
を密閉空気の空気バネで保持するものである。

例えば、５０．！ｉ’１２００φの振動板を用いる場合
、０．４９Ｎの力を３１４ｄの面積の空気バネで支える
ことになり、振動板の背面容積が５０７の場合０．２５
嗣の空気バネの変位で支えることができ実用的である。

また本実施例の場合、磁性流体は振動板の重量を支える
必要がないため、磁気回路の磁束密晩が約３ＫＧ以下で
も振動板の中心保持が可能となるものである。

なお音響拡散板３１をホーンにすることも可能である。

第４図は第１図に示す実施例にホーン３２を取付けた例
である。

３３はイコライザである。

本発明は上記のような構成であり、本発明によれば、エ
ッジ部材、ダンパー等の固体の支持系を用いないため、
歪を発生することなく、大振幅の振動が可能となる利点
を肩するものである。

また本発明では、振動板駆動用の磁気回路と、振動板支
持用の磁気回路とが同一の磁気回路で構成されるため、
構造が簡単となる利点を有するものである０

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における動電型スピー力の断
面図、第２図は本発明の他の実施例の断面図、第３図は
第２図に示す実施例に音響拡散板を取付けたｌ図、第４
図は第１図に示す実施例にホーンを取付けた断面図であ
る。１・・・・・・ヨーク、２・・・・・・孔、３・・・・
・・センターポール、４・・・・・・容器、５・・・・
・・ハツキング、６・・・・・・取付具、７・・・・・
・吸音材、８・・・・・・マグネット、９・・・・・・
ヨーク、１０・・・・・・振動板、１１・・・・・・ボ
イスコイル、１２・・・・・・磁性流体、１３・・・・
・・吸音材、１４・・・・・・容器、１５・・・・・・
パッキング、１６・・・・・・ヨーク、１７・・・・・
・取付具、１８・・・・・・突条、１９・・・・・・孔
、２０・・・・・・センターポール、２１・・・・・・
孔、２２・・・・・・マクネット、２３・・・・・・ヨ
ーク、２４・・・・・・磁性流体、２５・・・・・・振
動板、２６・・・・・・コイルボビン、２７・・・・・
・ボイスコイル、２８・・・・・・吸音材、２９・・・
・・・ゴム状部材、３０・・・・・・孔、３１・・・・
・・音響拡散板、３２・・・・・・ホーン、３３・・・
・・・イコライザ。

Claims

【特許請求の範囲】

１１個又は複数個の環状の磁気ギャップを有する１個
の磁気回路を、容器の開口部に配置し、振動板に保持さ
れたボイスコイルを、上記１個の磁気ギャップ又は複数
個の磁気ギャップの内の１個に挿入し、上記１個の磁気
ギャップ又は上記複数個の磁気ギャップの他の磁気ギャ
ップに磁性流体を充填し、上記振動板を上記磁性流体に
接触させ、上記容器、振動板、磁気回路、磁性流体によ
り密閉された空気の空気バネで上記振動板の弾性復元力
を発生させることを特徴とする動電型スピーカ。