JPH09321509A - 分配器/合成器 - Google Patents

分配器/合成器

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JPH09321509A
JPH09321509A JP9070179A JP7017997A JPH09321509A JP H09321509 A JPH09321509 A JP H09321509A JP 9070179 A JP9070179 A JP 9070179A JP 7017997 A JP7017997 A JP 7017997A JP H09321509 A JPH09321509 A JP H09321509A
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JP
Japan
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node
transmission line
distributor
combiner
capacitor
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Application number
JP9070179A
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English (en)
Inventor
Masahiro Maeda
昌宏 前田
Shigeru Morimoto
森本  滋
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アイソレーション特性を飛躍的に向上させた
高周波電力分配器/合成器と、これを用いた高性能な電
力増幅器とを提供する。 【解決手段】 第1ノードと、第2ノードと、第3ノー
ドと、第1ノードと第2ノードとに電気的に結合された
第1伝送線路と、第1ノードと第3ノードとに電気的に
結合された第2伝送線路と、第2ノードと第3ノードと
に電気的に結合され、抵抗およびリアクタンスを有する
移相器と、を備えている分配器/合成器であって、第2
ノードからみたときの抵抗およびリアクタンスの分布
は、第3ノードからみたときの抵抗およびリアクタンス
の分布に実質的に等しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分配器/合成器に
関しており、より詳細には、例えばマイクロ波帯を利用
した通信機などに用いられる高周波電力を分配または合
成する分配器/合成器に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話をはじめとする通信機は、近
年、めざましい普及をみせている。これに伴いマイクロ
波帯の電力分配器/合成器、およびトランジスタ、FE
T(field effect transistor)などの半導体デバイス
を用いた電力増幅器の高性能化が強く望まれている。よ
り周波数の高い周波数、つまりミリ波帯においても研究
開発および機器の実用化が急速に進んでいる。
【0003】高周波電力分配器/合成器としてウイルキ
ンソン型のものが知られている。図1は、従来技術によ
るウイルキンソン型電力分配器/合成器の等価回路であ
る。図1の分配器/合成器が、分配器として用いられる
ときは、ノード101が高周波(RF)電力を受け取
り、ノード102および103が受け取られた高周波電
力を出力する。図1の分配器/合成器が、合成器として
用いられるときは、ノード102および103が高周波
電力を受け取り、ノード101が受け取られた高周波電
力を出力する。
【0004】ここでノード101に接続される回路のイ
ンピーダンスをZ1とし、ノード102および103に
接続される回路のインピーダンスをZ23とする。伝送
線路111および112の特性インピーダンスを√(2
・Z1・Z23)に設定し、伝送線路111および11
2の長さをλ/4に設定することによって、外部に接続
される回路とのインピーダンス整合が実現される。2・
Z23の抵抗をもつ抵抗器121をノード102および
103の間に設けることによって、ノード102および
103の間のアイソレーションが実現される。
【0005】ノード102および103の間のアイソレ
ーションは、後述するように2つのパスを通過する高周
波電力がキャンセルされることによる。高周波電力がノ
ード102において入力され、ノード103において出
力される場合を考える。1つのパスは、ノード102、
伝送線路111および112、およびノード103であ
る。もう1つのパスは、ノード102、抵抗器121、
およびノード103である。伝送線路111および11
2の長さはそれぞれλ/4なので、ノード103におい
てこれら2つのパスを通過した高周波電力の位相差はπ
radである(つまり位相差が180°である)。した
がって抵抗器121の抵抗を調整することによって、ノ
ード102から入力され、これら2つのパスを通過する
高周波電力は、ノード103においてキャンセルされ
る。すなわちノード102および103は、高周波電力
についてはアイソレートされることになる。
【0006】しかし従来技術においては、ノード10
1、102および103のすべてに、実数成分(つまり
抵抗成分)を有するインピーダンスが接続される場合し
か考慮されていないかった。
【0007】また特開平第7−263981号公報に記
載された電力増幅器は、電力分配器/合成器を用いた電
力増幅器における寄生発振を抑制するための具体的な手
段が提供されている。上記公報は、電力分配器の2本の
伝送線路の間に直列に接続された抵抗素子および位相遅
延素子を挿入することにより、ゲインが低下しその結
果、発振が防止されることを記載している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記公報の位相遅延素
子は、抵抗素子について非対称に配置されている。この
配置では、抵抗素子に入力される電力の位相が同相にな
らないため、抵抗素子は電力を消費する。上記公報に記
載の電力増幅器の問題点は、抵抗素子による電力損失に
起因する出力電力の低下とゲインの低下とにある。
【0009】さらに電力分配器/合成器を用いた増幅器
においては、ノード間のアイソレーションが一般に極め
て重要である。しかし上記公報の増幅器は、確実なノー
ド間のアイソレーションを実現できない。
【0010】図2は、従来のウイルキンソン型電力分配
器の回路図である。入力された1つの信号が3つに分配
されて出力される(すなわち分配数は3である)。図2
のウイルキンソン型電力分配器は、ノード201、20
2、203および204と、伝送線路211、212お
よび213と、抵抗器221および222とを有する。
インピーダンス整合とアイソレーションとを実現するた
めには、伝送線路211〜213の長さは、λ/4に設
定されなければならない。したがって伝送線路213
は、千鳥状にレイアウトされなければならない。ところ
が分配数が多いときには、すべての伝送線路の長さが等
しいようにレイアウトすることはさらに難しい。
【0011】また図1の従来のウイルキンソン型電力分
配器においては、動作周波数が高くなるにしたがい、ノ
ード102および103の間の距離が波長に対して無視
できなくなる。したがってノード102および103の
アイソレーション特性が劣化するという問題を有する。
従来技術の課題は以下のようである。
【0012】(1)従来の高周波電力分配器/合成器で
は、入力ノードまたは出力ノードのどちらかに虚数成分
(つまりリアクタンス成分)を有するインピーダンスが
接続される場合には、整合とアイソレーションとを同時
に満足することが困難である。すなわち後述する本発明
によって、入力ノードまたは出力ノードにリアクタンス
成分を有するインピーダンスを接続しながらも整合とア
イソレーションとを同時に満足できることは、本発明の
発明者が初めて得た知見である。
【0013】(2)従来の高周波電力分配器/合成器を
用いた増幅器では、ゲート端子間のインピーダンス整合
とアイソレーションとを満足することは困難である。ま
たドレイン端子間についても同様の問題がある。なぜな
らFETの入力/出力インピーダンスは、通常、虚数成
分を有するからである。
【0014】(3)従来の高周波電力分配器/合成器を
用いた増幅器では、複数のFETのゲートおよびノード
に同じ電位が供給されるため、FETの閾値電圧が各々
異なる場合では、出力波形の対称性が損なわれ、高周波
電力の分配/合成効率が劣化するという問題がある。
【0015】(4)従来の伝送線路を用いた高周波電力
分配器/合成器では、分配/合成される数が多くなるに
したがって、すべての線路の長さを等しくすることは難
しく、線路の長さが異なる場合にはインピーダンスの不
整合およびアイソレーションの劣化が問題となる。
【0016】(5)従来の高周波電力分配器では、出力
ノード間の距離が波長に対して無視できない場合、出力
ノード間のアイソレーションの劣下が問題となる。
【0017】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、インピーダ
ンス整合とアイソレーションとを実現する高周波電力分
配器/合成器、および高効率な高周波電力増幅器を提供
することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明による分配器/合
成器は、第1ノードと、第2ノードと、第3ノードと、
該第1ノードと該第2ノードとに電気的に結合された第
1伝送線路と、該第1ノードと該第3ノードとに電気的
に結合された第2伝送線路と、該第2ノードと該第3ノ
ードとに電気的に結合され、抵抗および移相器を有する
調整回路と、を備えている分配器/合成器であって、該
抵抗は、該第2ノードと該第3ノードとに対して実質的
に等しい位相の点に位置しており、そのことにより上記
目的が達成される。
【0019】本発明による分配器/合成器は、第1ノー
ドと、第2ノードと、第3ノードと、該第1ノードと該
第2ノードとに電気的に結合された第1伝送線路と、該
第1ノードと該第3ノードとに電気的に結合された第2
伝送線路と、該第2ノードと該第3ノードとに電気的に
結合され、抵抗およびリアクタンスを有する調整回路
と、を備えている分配器/合成器であって、該第2ノー
ドからみたときの該抵抗および該リアクタンスの分布
は、該第3ノードからみたときの該抵抗および該リアク
タンスの分布に実質的に等しく、そのことにより上記目
的が達成される。
【0020】ある実施形態では、前記第1および前記第
2伝送線路による位相変化の量の和と、前記調整回路に
よる位相変化の量との差が約160°〜約200°の範
囲にある。
【0021】ある実施形態では、前記調整回路は、移相
器としてキャパシタンスを有する。
【0022】ある実施形態では、前記調整回路は、第1
キャパシタ、第1抵抗器および第2キャパシタの順に直
列に接続された第1キャパシタ、第1抵抗器および第2
キャパシタを有する。
【0023】ある実施形態では、前記調整回路は、第4
ノード、第1キャパシタ、第1抵抗器および第2抵抗器
を有しており、直列に接続された該第1キャパシタおよ
び該第1抵抗器は、ノード2およびノード4を接続し、
該第2抵抗器は、ノード3およびノード4を接続する。
【0024】ある実施形態では、前記調整回路は、移相
器としてインダクタンスを有する。
【0025】ある実施形態では、前記調整回路は、第1
インダクタ、抵抗器および第2インダクタの順に直列に
接続された第1インダクタ、抵抗器および第2インダク
タを有する。
【0026】ある実施形態では、前記調整回路は、移相
器として伝送線路を有する。
【0027】ある実施形態では、前記調整回路は、第3
伝送線路、抵抗器および第4伝送線路の順に直列に接続
された第3伝送線路、抵抗器および第4伝送線路を有す
る。
【0028】ある実施形態では、前記調整回路は、直列
に接続された第3伝送線路、第1キャパシタおよび抵抗
器を有する。
【0029】ある実施形態では、前記第3伝送線路およ
び前記第1キャパシタは、使用周波数において直列共振
する。
【0030】ある実施形態では、前記調整回路は、直列
に接続されたインダクタ、第1キャパシタおよび抵抗器
を有する。
【0031】ある実施形態では、前記インダクタおよび
前記第1キャパシタは、使用周波数において直列共振す
る。
【0032】ある実施形態では、前記調整回路は、前記
第3伝送線路、前記第1キャパシタ、前記抵抗器、第2
キャパシタおよび第4伝送線路の順に接続された前記第
3伝送線路、前記第1キャパシタ、前記抵抗器、第2キ
ャパシタおよび第4伝送線路を有する。
【0033】ある実施形態では、前記第1伝送線路およ
び前記第2伝送線路は、それぞれ約λ/4(λは使用周
波数における波長)である。
【0034】ある実施形態では、前記第1伝送線路およ
び前記第2伝送線路は、それぞれ約(2n+1)λ/4
であり、前記調整回路は、前記第2ノードおよび前記第
3ノードの間の位相差がnπである。
【0035】ある実施形態では、前記第3伝送線路およ
び前記第4伝送線路は、前記第1伝送線路および前記第
2伝送線路が形成される面と異なる面上に形成される。
【0036】ある実施形態では、前記第1キャパシタお
よび前記抵抗器の少なくとも1つが前記第3伝送線路を
交差して形成される。
【0037】ある実施形態では、前記調整回路は、並列
に接続された抵抗および移相器を有する。
【0038】ある実施形態では、その一端において前記
第1伝送線路および前記第2伝送線路の少なくとも1つ
に電気的に結合されたキャパシタをさらに備えており、
該キャパシタは、その他端においてグラウンドに電気的
に結合されている。
【0039】ある実施形態では、その一端において前記
第1ノードに電気的に結合されたキャパシタをさらに備
えており、該キャパシタは、その他端においてグラウン
ドに電気的に結合されている。
【0040】ある実施形態では、前記第1ノード、前記
第2ノードおよび前記第3ノードの少なくともひとつか
ら信号を受け取り、増幅し、該増幅された信号を出力す
る増幅器をさらに備えている。
【0041】ある実施形態では、前記増幅器は、複数の
増幅素子と、該複数の増幅素子のそれぞれのゲートにゲ
ート電圧を供給する複数のノードとを有する。
【0042】ある実施形態では、前記複数のノードの少
なくとも2つのノードは、異なる電圧を受け取る。
【0043】ある実施形態では、前記増幅器は、複数の
増幅素子と、該複数の増幅素子のそれぞれのドレインに
ドレイン電圧を供給する複数のノードとを有する。
【0044】ある実施形態では、前記複数のノードの少
なくとも2つのノードは、異なる電圧を受け取る。
【0045】ある実施形態では、前記複数の増幅素子の
少なくとも2つの増幅素子の総ゲート幅および総エミッ
タサイズのいずれかが互いに異なる。
【0046】本発明による分配器/合成器は、第1ノー
ドと、第2ノードと、第3ノードと、該第1ノードと該
第2ノードとに電気的に結合された、直列接続された第
1伝送線路およびキャパシタと、該第1ノードと該第3
ノードとに電気的に結合された第2伝送線路と、該第2
ノードと該第3ノードとに電気的に結合された抵抗と、
を備えており、そのことにより上記目的が達成される。
【0047】本発明による分配器/合成器は、第1ノー
ドと、第2ノードと、第3ノードと、該第1ノードと該
第2ノードとに電気的に結合された第1伝送線路と、該
第1ノードと該第3ノードとに電気的に結合された第2
伝送線路と、該第2ノードと該第3ノードとに電気的に
結合された抵抗と、該第1伝送線路とグラウンドとに電
気的に結合された第1キャパシタと、を備えており、そ
のことにより上記目的が達成される。
【0048】ある実施形態では、前記第2伝送線路とグ
ラウンドとに電気的に結合された第2キャパシタをさら
に備えている。
【0049】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
しながら説明する。同じ参照符号は、同じ構成要素を示
す。
【0050】本明細書における「ノード」は、電気回路
の複数の構成要素が結合される点のことをいう。このノ
ードは、例えば複数の電気部品が接続されている点や、
入/出力用の端子を含む。本明細書のノードは、必ずし
も物理的な大きさをもったいわゆる「端子」、「テスト
ピン」などである必要はない。換言すれば、例えばプリ
ント基板上にレイアウトされた回路パターンの中に存在
するある1点は、本明細書のノードに含まれる。
【0051】本明細書における「分配器/合成器」は、
分配器および合成器を総称するために用いられる。後の
説明から明らかなように、本発明の分配器/合成器は、
入力/出力するノードを選ぶことによって、分配器とし
て、または合成器として使用することができる。したが
って以下の説明において例えば分配器について成り立つ
説明は、信号が伝送されるパスに沿った向きを逆にすれ
ば、合成器についても成り立つ。
【0052】また本明細書における「伝送線路」は、そ
の長さや特性インピーダンスが回路全体の特性を決定す
る線路をいい、例えばマイクロストリップ線路、コプレ
ーナ線路、同軸線路、導波管などを含む。図面におい
て、この伝送線路は、細長の長方形で表現される。これ
に対して図面において実線で表現される部分は、その物
理的な長さや、抵抗値を無視するいわゆる「導線」であ
る。本発明の分配器/合成器においては、伝送線路とし
て好ましくはマイクロストリップ線路およびコプレーナ
線路が用いられる。
【0053】本発明による分配器/合成器は、高周波
帯、特にギガヘルツ帯の電力の分配/合成に有用である
が、使用周波数はこれに限定されない。
【0054】(実施の形態1)図3は、本発明による分
配器/合成器の実施の形態1の回路図である。分配器/
合成器300は、ノード301、302および303を
備えている。伝送線路311は、ノード301および3
02を電気的に結合する。伝送線路312は、ノード3
01および303を電気的に結合する。移相器320
は、ノード302および303を電気的に結合する。
【0055】分配器/合成器300が分配器として用い
られるとき、ノード301は高周波信号を受け取り、ノ
ード302および303は受け取られた高周波信号を出
力する。逆に分配器/合成器300が合成器として用い
られるとき、ノード302および303は高周波信号を
受け取り、ノード301は受け取られた高周波信号を出
力する。
【0056】分配器/合成器300の構成は、あとで詳
述するように少なくとも以下の2つの点で従来の電力分
配器とは異なる。すなわち、特開平第7−263981
号公報との差異は、(i)複数の出力ノードからみたと
きの抵抗およびリアクタンスの分布が同一である点(後
述する表現を用いれば、「抵抗・リアクタンスの対称
性」が満足される点)であって、図1との差異は、(i
i)移相器320がリアクタンス成分を有する点であ
る。上記(i)の特徴によって、抵抗器322が電力を
消費しないようにできる。また「抵抗・リアクタンスの
対称性」が満足されない場合であっても、ノード302
および303に対して等しい位相である点に抵抗器32
2を配置することによって、抵抗器322に入力される
電力の位相が同相になるので抵抗器322が電力を消費
しないようにできる。
【0057】上記(ii)の特徴によって、伝送線路3
11および312の長さがλ/4(以下、「λ」は使用
される高周波信号の波長を表す)でなくても、ノード3
02および303が互いにアイソレートされうる。
【0058】以下に移相器320の「対称性」について
説明する。移相器320は、本実施の形態においては、
直列に接続されたキャパシタ321、抵抗器322およ
びキャパシタ323を有する。分配器/合成器300に
おいては、ノード302からみたときの抵抗およびリア
クタンスの分布は、ノード303からみたときの抵抗お
よびリアクタンスの分布に実質的に等しい。本明細書に
おいて、抵抗およびリアクタンスの「分布」は、あるノ
ードから高周波信号の通るパスに沿って累積された抵抗
成分およびリアクタンス成分をいう。
【0059】図4は、分配器/合成器300の回路基板
の構成を示す図である。図4に示すように分配器/合成
器300の各構成要素の配置は、ノード301および抵
抗器322を通る直線CLについて線対称である。
【0060】図5は、図4に示す移相器320のノード
302からみたときの抵抗およびリアクタンスの分布
(それぞれ分布D302RおよびD302Xという)
と、ノード303からみたときの抵抗およびリアクタン
スの分布(分布D303RおよびD303Xという)と
を示す図である。図5の上のグラフの縦軸は抵抗の分布
を示し、下のグラフの縦軸はリアクタンスの分布を示
す。上下のグラフの横軸は、ノード302または303
からみたときの距離を示し、これらの横軸の間に挟まれ
る横軸は、ノード302または303からの距離に応じ
たそれぞれの構成要素の位置を表す。抵抗およびリアク
タンスの分布は、特定のノードからのある距離における
累積された抵抗およびリアクタンスを表す。
【0061】図5に示すように、分布D302Rおよび
D303Rは同一のプロットになり、同様に分布D30
2XおよびD303Xも同一のプロットになる。このよ
うに例えば「ノード302からみたときの抵抗およびリ
アクタンスの分布が、ノード303からみたときの抵抗
およびリアクタンスの分布に実質的に等しいこと」を以
下、簡単のためにノード302および303についての
「抵抗・リアクタンスの対称性」とよぶ。
【0062】複数のノードについての抵抗・リアクタン
スの対称性を満足するために、伝送線路311および3
12、キャパシタ321および323、および抵抗器3
22がマウントされる回路基板のパターンは、典型的に
はノード301および抵抗器322を結ぶ直線CLにつ
いて線対称である。しかしパターンが線対称であるだけ
では十分ではなく、例えばキャパシタ321および32
3がもつキャパシタンスの値がそれぞれ同じで、かつ伝
送線路311および312がもつ物理的なパラメータ
(例えば線路の長さ、特性インピーダンスなど)もそれ
ぞれ同じである必要がある。ノード302および303
についての抵抗・リアクタンスの対称性を実現するため
の回路パターンは、線対称なものに限られず、点対称な
ものであってもよい。
【0063】例えば以下のパラメータを用いれば、それ
ぞれのノードにおけるインピーダンス整合と、ノード3
02および303の間のアイソレーションとがともに実
現される。すなわち、 ノード301:50Ωで終端、 ノード302および303:(10+j12)Ωで終
端、 キャパシタ321および323のリアクタンス:−12
Ω、 抵抗器322の抵抗:20Ω、 伝送線路311および312の特性インピーダンス:3
0Ω、および 伝送線路311および312の長さ:5λ/24(<λ
/4)。
【0064】まず、インピーダンス整合が実現される理
由を図6を参照しながら説明する。図6は、実施の形態
1によるインピーダンス整合を説明するための図であ
る。ノード302および303でのインピーダンス(1
0+j12)Ωは、それぞれ伝送線路311および31
2により、それぞれ純抵抗である100Ωに変換される
(図6中のC1)。換言すればノード301からノード
302をみたインピーダンスは、伝送線路312が存在
しないと仮定すれば100Ωになる。ここでノード30
1には2本の伝送線路311および312が接続されて
いるので、結局、ノード301からノード302および
303の側をみたインピーダンスは50Ωとなり(図6
中のC2)、これはインピーダンス整合が実現されるこ
とを意味する。
【0065】次に、ノード302および303の間のア
イソレーションが実現される理由を説明する。「アイソ
レーション」とは、ここでは回路網において高周波信号
が一方の端子から入力されたときに、他方の端子から出
力されないことをいう。アイソレーションを実現するた
めには、複数のパスを通る高周波信号が互いにキャンセ
ルされればよい。この実施の形態では、複数のパスは以
下の2つのパスである。すなわち パスP311−312:ノード302、伝送線路31
1、伝送線路312およびノード303の順に通るパ
ス、および パスP320:ノード302、キャパシタ321、抵抗
器322、キャパシタ323およびノード303の順に
通るパス。
【0066】パスP311−312においては、信号
は、伝送線路311および312を通る。伝送線路31
1および312は、それぞれ5λ/24の長さをもつの
で、信号の位相を5π/6radだけ遅らせる。パスP
320においては、キャパシタ321および323のリ
アクタンスが−12Ωであるとき、移相器320は、信
号の位相をπ/6radだけ進ませる。したがってパス
P311−312を通る信号の位相と、パスP320を
通る信号の位相との差はπradである(つまり2つの
信号は、逆位相である)。
【0067】さらにパスP311−312を通る信号の
電流値と、パスP320を通る信号の電流値とが等しく
なるように、抵抗器322の抵抗値を20Ωに設定す
る。以上のように本実施の形態によれば、ノード302
において入力された信号は、逆位相で、かつ大きさが等
しい2つの信号に分割されてからノード303において
出力される。その結果、ノード302において入力され
た信号は、ノード303においてキャンセルされる。つ
まり本実施の形態によれば、ノード302およびノード
303の間のアイソレーションが実現できる。
【0068】図7は、従来技術と比較したときの本実施
の形態による特性改善を説明するための図である。本実
施の形態は、キャパシタンス14pFをもつキャパシタ
321および323を備えている。いっぽう従来技術に
よる分配器は図1に示すようにキャパシタを備えていな
い。図7において、本実施の形態の特性のプロットを白
丸(○)によって、従来技術による分配器の特性のプロ
ットを黒丸(●)によって表す。
【0069】従来技術によれば、インピーダンス整合が
実現できる周波数が約1.0GHzである(不図示)に
も関わらず、アイソレーション特性が最適化される周波
数は1.4GHzである。したがって従来技術によれ
ば、これらの周波数が0.4GHzずれているために、
インピーダンス整合およびアイソレーション特性を同時
に最適化することは不可能である。しかも従来技術にお
いては、インピーダンス整合がとれる周波数1.0GH
zにおけるアイソレーションは、せいぜい−10dB程
度である。
【0070】これに対して、本発明による分配器/合成
器は、インピーダンス整合がとれる周波数1.0GHz
において−22dB以下の良好なアイソレーションを実
現し、かつインピーダンス整合とアイソレーション特性
とを同時に満足できる。
【0071】図8は、周波数1.0GHzにおけるパス
P311−312を通る信号、およびパスP320を通
る信号の位相差に対する、ノード302および303の
間のアイソレーションの変化を示すグラフである。横軸
は、2つのパスを通る信号の位相差を表し、縦軸は、2
つのノードの間のアイソレーションを表す。良好なアイ
ソレーション(つまり約−15dB以下のアイソレーシ
ョン)を実現するためには、位相差が約160°〜約2
00°の範囲にあることが好ましい。さらに良好なアイ
ソレーション(つまり約−18dB以下のアイソレーシ
ョン)を実現するためには、位相差が約170°〜約1
90°の範囲にあることが好ましい。図8中の黒丸
(●)で示すように、従来技術による分配器の位相差
は、150°であり、アイソレーションはせいぜい−1
0dB程度であった。したがって図8に示すように、従
来技術に比べて本発明の分配器/合成器は、はるかに優
れたアイソレーション特性をもつことがわかる。
【0072】本実施の形態に限らず一般に、入力ノード
が純抵抗(例えば50Ω)によって終端され、2つの出
力ノードがスミスチャートの実軸上を除く第2象現(図
6の斜線部)にあるインピーダンスによって終端される
分配器/合成器は、インピーダンス整合のために伝送線
路がλ/4より短い必要がある。従来技術の構成では、
このような場合、出力ノード間のアイソレーションが悪
くなる。しかし本発明は、移相器320を用いて位相を
制御することによって、アイソレーション特性の飛躍的
な向上を可能としている。
【0073】本発明と特開平7−263981号公報に
記載された電力増幅器との差異を以下に説明する。上記
公報では、2本の伝送線路の端点(本実施の形態では、
ノード302および303に対応する点)の間にある抵
抗器に対して、位相遅延素子が非対称に接続されてい
る。この場合、抵抗器は電力を消費し、ゲインを低下さ
せるので、結果としては発振の防止につながる。しかし
公報の増幅器は、ゲイン低下や、抵抗器における電力損
失に起因する出力電力および効率の低下を生じ、しかも
出力ノードの間のアイソレーションを実現できない。
【0074】いっぽう本発明によれば、上述のようにノ
ード302および303についての抵抗・リアクタンス
の対称性が満足されるように回路のパラメータと、物理
的な配置とが決定される。抵抗・リアクタンスの対称性
が満足されるとき、抵抗器に印加される信号の位相は同
相であり、抵抗器で電力は消費されない。また前述のパ
スP311−312を通る信号の位相およびパスP32
0を通る信号の位相の差がπradになるように、つま
り位相が逆になるように、ノード302および303の
間に移相器320が接続されている。その結果、ノード
302および303の間のアイソレーションが確保され
る。
【0075】以下、簡単のため、ある1つのノードから
入力された高周波信号をN(N:2以上の整数)個のノ
ードにおいて出力する分配を「1−N分配」とよび、N
(N:2以上の整数)個のノードから入力された高周波
信号をある1つのノードにおいて出力する合成を「N−
1合成」とよぶ。本実施の形態では1−2分配および2
−1合成を説明した。しかしこれには限られず、1−N
分配およびN−1合成(N:3以上の整数)を実施する
ように本実施の形態を改変できることが当業者にはわか
るだろう。
【0076】また本発明による分配器/合成器は、専用
の分配器または専用の合成器として実施されてもよい。
【0077】(実施の形態2)実施の形態1において
は、移相器320として直列に接続されたキャパシタ3
21、抵抗器322およびキャパシタ323を用いた。
図9は、実施の形態1の移相器320を示す図である
が、実施の形態2の説明のために再掲する。キャパシタ
321および323はキャパシタンス2Cをもち、抵抗
器322は抵抗Rをもつとする。以下の説明においては
冗長さを避けるために、実施の形態1と異なる点を中心
に説明し、実施の形態1と同様の点は詳述しない。
【0078】図10は、本発明による分配器/合成器の
実施の形態2の回路図である。実施の形態2において
は、移相器320として並列に接続されたキャパシタ1
021および抵抗器1022が用いられる。図10の回
路は、抵抗・リアクタンスの対称性を満足する。抵抗・
リアクタンスの対称性が満足されるときには、抵抗器1
022に印加される高周波信号の位相は同相なので、抵
抗器1022は高周波信号の電力を消費しない。本実施
の形態も、実施の形態1と同様のインピーダンス整合お
よびアイソレーションを実現できる。
【0079】キャパシタ1021はキャパシタンスYを
もち、抵抗器1022は抵抗Xをもつとする。このとき
次式に示す関係が成り立つ。
【0080】 (R+1/jωC)(1/X+jωY)=1 (1) 式(1)から X=1/ω2CRY (2) Y/C+R/X=1 (3) (2)式を(3)式に代入して整理すると、 Y=C/(1+ω222) (4) となる。(4)式を、R=20Ω、2C=14pF(つ
まりC=7pF)、ω=2πf、およびf=1GHzの
条件のもとで解くと、Y=4pFが得られ、これを
(2)式に代入するとX=40Ωが得られる。つまりこ
のことは、直列に接続された2つのキャパシタおよび抵
抗器を含む実施の形態1の移相器320の代わりに、並
列に接続されたキャパシタ1021および抵抗器102
2を含む図10に示す移相器320を使用できることを
意味する。
【0081】(実施の形態3)図11は、本発明による
分配器/合成器の実施の形態3の回路図である。実施の
形態1の移相器320がキャパシタを有するのに対し、
実施の形態3の移相器320は、直列に接続されたイン
ダクタ1121、抵抗器1122およびインダクタ11
23を有する。抵抗器1122は抵抗Rをもつとする。
以下の説明においては冗長さを避けるために、実施の形
態1と異なる点を中心に説明し、実施の形態1と同様の
点は詳述しない。図11の回路は、抵抗・リアクタンス
の対称性を満足する。抵抗・リアクタンスの対称性が満
足されるときには、抵抗器1122に印加される高周波
信号の位相は同相なので、抵抗器1122は高周波信号
の電力を消費しない。本実施の形態も、実施の形態1と
同様のインピーダンス整合およびアイソレーションを実
現できる。
【0082】例えば以下のパラメータを用いれば、それ
ぞれのノードにおけるインピーダンス整合と、ノード3
02および303の間のアイソレーションとがともに実
現される。すなわち、 ノード301:50Ωで終端、 ノード302および303:(10−j12)Ωで終
端、 インダクタ1121および1123のリアクタンス:1
2Ω、 抵抗器1122の抵抗:20Ω、 伝送線路311および312の特性インピーダンス:3
0Ω、および 伝送線路311および312の長さ:7λ/24(>λ
/4)。
【0083】図12は、実施の形態3によるインピーダ
ンス整合を説明するための図である。ノード302およ
び303でのインピーダンス(10−j12)Ωは、そ
れぞれ伝送線路311および312により、それぞれ純
抵抗である100Ωに変換される(図12中のC1)。
換言すればノード301からノード302をみたインピ
ーダンスは、伝送線路312が存在しないと仮定すれば
100Ωになる。ここでノード301には2本の伝送線
路311および312が接続されているので、結局、ノ
ード301からノード302および303の側をみたイ
ンピーダンスは50Ωとなり(図12中のC2)、これ
はインピーダンス整合が実現されることを意味する。
【0084】本実施の形態は、ノード301が純抵抗
(例えば50Ω)によって終端され、出力ノード302
および303がスミスチャートの第3象現(図12の斜
線部)にあるインピーダンスによって終端される場合に
特に効果を奏する。
【0085】次に、ノード302および303の間のア
イソレーションが実現される理由を説明する。高周波信
号がノード302に印加されると、実施の形態1で説明
したように、高周波信号は、パスP311−312およ
びパスP320を通って、ノード303に達する。パス
P311−312においては、信号は、伝送線路311
および312を通る。伝送線路311および312は、
それぞれ7λ/24の長さをもつので、信号の位相を7
π/6radだけ遅らせる。パスP320において、イ
ンダクタ1121および1123のリアクタンスが12
Ωであるとき、移相器320は、信号の位相をπ/6r
adだけ遅らせる。したがってパスP311−312を
通る信号の位相と、パスP320を通る信号の位相との
差はπradである(つまり2つの信号は、逆位相であ
る)。
【0086】さらにパスP311−312を通る信号の
電流値と、パスP320を通る信号の電流値とが等しく
なるように、抵抗器1122の抵抗値を設定する。以上
のように本実施の形態によれば、ノード302において
入力された信号は、逆位相で、かつ大きさが等しい2つ
の信号に分割されてからノード303において出力され
る。その結果、ノード302において入力された信号
は、ノード303においてキャンセルされる。つまり本
実施の形態によれば、実施の形態1と同様にノード30
2およびノード303の間のアイソレーションが実現で
きる。
【0087】(実施の形態4)図13は、本発明による
分配器/合成器の実施の形態4の回路図である。実施の
形態3の移相器320がインダクタを有するのに対し、
実施の形態4の移相器320は、直列に接続された伝送
線路1321、抵抗器1322および伝送線路1323
を有する。以下の説明においては冗長さを避けるため
に、実施の形態3と異なる点を中心に説明し、実施の形
態3と同様の点は詳述しない。図13の回路は、抵抗・
リアクタンスの対称性を満足する。抵抗・リアクタンス
の対称性が満足されるときには、抵抗器1322に印加
される高周波信号の位相は同相なので、抵抗器1322
は高周波信号の電力を消費しない。本実施の形態も、実
施の形態1と同様のインピーダンス整合およびアイソレ
ーションを実現できる。
【0088】例えば以下のパラメータを用いれば、それ
ぞれのノードにおけるインピーダンス整合と、ノード3
02および303の間のアイソレーションとがともに実
現される。すなわち、 ノード301:50Ωで終端、 ノード302および303:(10−j12)Ωで終
端、 伝送線路1321および1323の特性インピーダン
ス:30Ω、 伝送線路1321および1323の長さ:λ/24、 抵抗器1322の抵抗:20Ω、 伝送線路311および312の特性インピーダンス:3
0Ω、および 伝送線路311および312の長さ:7λ/24(>λ
/4)。
【0089】(実施の形態5)図1に示す従来の分配器
においては、使用周波数が高くなるにしたがって、ノー
ド102および103の間の距離が波長λに対して無視
できなくなる。このとき、ノード102および103の
間のアイソレーションが劣化することが問題となる。
【0090】以下の説明においては冗長さを避けるため
に、実施の形態1と異なる点を中心に説明し、実施の形
態1と同様の点は詳述しない。
【0091】図14は、本発明による分配器/合成器の
実施の形態5の回路図である。
【0092】実施の形態1の移相器320がキャパシタ
および抵抗器を有するのに対し、図14の(a)に示す実
施の形態5の移相器320は、直列に接続された伝送線
路1424、キャパシタ1421、抵抗器1422、キ
ャパシタ1423および伝送線路1425を有する。
【0093】図14の回路は、抵抗・リアクタンスの対
称性を満足する。また本実施の形態も、実施の形態1と
同様のインピーダンス整合およびアイソレーションを実
現できる。抵抗器1422に印加される高周波信号の位
相は同相なので、抵抗器1422は高周波信号の電力を
消費しない。
【0094】例えば図14の(a)の回路については、以
下のパラメータを用いれば、それぞれのノードにおける
インピーダンス整合と、ノード302および303の間
のアイソレーションとがともに実現される。すなわち、
使用周波数:1GHz、 基板の比誘電率:10.5、 ノード301、ノード302および303:50Ωで終
端、 伝送線路1424および1425の長さ:5mm、 抵抗器1422の抵抗:100Ω、 伝送線路311および312の特性インピーダンス:7
0Ω、および 伝送線路311および312の長さ:30mm(=λ/
4)。
【0095】以下にキャパシタ1421および1423
の重要性を説明する。ノード302および303の間の
距離が波長に対して無視できない例として、ノード30
2および303の距離が10mm(=λ/12)である
ことを仮定する。
【0096】まず、伝送線路1424および1425と
抵抗器1422とにそれぞれ挟まれたキャパシタ142
1および1423が存在しない場合を仮定する。このと
きは、ノード302から2本の伝送線路311および3
12を通ってノード303に至る経路(パスP311−
312)による位相変化と、ノード302から移相器3
20を通ってノード303に至る経路(パスP320)
による位相変化との差がπrad(つまり位相が逆)に
はならない。このためノード302および303の間の
アイソレーション特性が実現できない。
【0097】次に、図14に示す本実施の形態を考え
る。本実施の形態においては、伝送線路1424および
1425に加えて、キャパシタ1421および1423
が直列に接続されている。このときキャパシタ1421
および1423のキャパシタンスは、伝送線路1424
および1425に起因する位相の変化がキャンセルされ
るように設定される。すなわち、伝送線路1424およ
びキャパシタ1421と、伝送線路1425およびキャ
パシタ1423とが、それぞれ周波数1GHzにおいて
直列共振するように設定する。
【0098】例えば、周波数1GHz、比誘電率10.
5の基板上では、長さ5mmの伝送線路1424は、位
相をπ/12radだけ遅らせる。いっぽうキャパシタ
1421の容量が14pFであるとき、キャパシタ14
21は、位相をπ/12radだけ進める。したがって
このとき、キャパシタ1421は、伝送線路1424に
よる位相変化をキャンセルする。同様にすれば、キャパ
シタ1423は、伝送線路1425による位相変化をキ
ャンセルする。したがって、パスP311−312によ
る位相変化と、パスP320による位相変化との差がπ
rad(つまり位相が逆)になる。ここで伝送線路14
24および1425の長さが異なっている場合は、それ
に応じてキャパシタ1421および1423のキャパシ
タンスをそれぞれ最適化すればよい。
【0099】以上のように本実施の形態によれば、ノー
ド302および303の間の距離が波長に対して無視で
きない場合でも、伝送線路1424およびキャパシタ1
421と、伝送線路1425およびキャパシタ1423
とが、使用周波数においてそれぞれ直列共振し、その結
果、ノード302および303の間のアイソレーション
が実現できる。
【0100】図14の(b)に示す実施の形態5の移相器
320は、直列に接続された伝送線路1424、抵抗器
1422および伝送線路1425を有する。使用波長に
対するノード302および303の間の距離がさらに長
い場合、例えば距離がλである場合、図14の(b)の回
路については、以下のパラメータを用いれば、それぞれ
のノードにおけるインピーダンス整合と、ノード302
および303の間のアイソレーションとがともに実現さ
れる。すなわち、 使用周波数:1GHz、 基板の比誘電率:10.5、 ノード301、ノード302および303:50Ωで終
端、 伝送線路1424および1425の長さ:60mm(=
λ/2)、 抵抗器1422の抵抗:100Ω、 伝送線路311および312の特性インピーダンス:7
0Ω、および 伝送線路311および312の長さ:90mm(=3λ
/4)。
【0101】パスP311−312による位相変化とパ
スP320による位相変化との差がπrad(つまり位
相が逆)なれば、アイソレーションが実現できる。した
がって、上の具体例に限られず、アイソレーションを実
現するためには、伝送線路1424および1425の長
さをnλ/2(n:自然数)とし、伝送線路311およ
び312の長さを(2n+1)λ/4(n:自然数)と
することが好ましい。
【0102】ここで伝送線路311および312のそれ
ぞれは、異なる特性インピーダンスを有してもよい。例
えば、伝送線路311および312のそれぞれが、特性
インピーダンスが50Ωであって、長さ60mm(=λ
/2)の伝送線路と、特性インピーダンスが70Ωであ
って、長さ30mm(=λ/4)の伝送線路とを備えて
いてもよい。例えば、1:2分配をする分配器/合成器
の単一の入力端子に近い伝送線路としてその特性インピ
ーダンスが70Ωのものを用いて、2つの出力端子に近
い伝送線路としてその特性インピーダンスが50Ωのも
のを用いることが好ましい。なぜなら伝送線路311お
よび312がマイクロストリップ線路によって形成され
ている場合には、上述のように接続することによって伝
送損失が低減されるからである。
【0103】さらに使用波長に対するノード302およ
び303の間の距離がλより長い場合、例えば13λ/
12である場合、図14の(c)に示すように、伝送線路
1424および1426の間にキャパシタ1421(1
4pF)を、伝送線路1425および1427の間にキ
ャパシタ1423(14pF)を挿入し、以下のパラメ
ータを用いれば、それぞれのノードにおけるインピーダ
ンス整合と、ノード302および303の間のアイソレ
ーションとがともに実現される。すなわち、 使用周波数:1GHz、 基板の比誘電率:10.5、 ノード301、ノード302および303:50Ωで終
端、 伝送線路1424、1425、1426および1427
の長さ:32.5mm(=13λ/48)、 抵抗器1422の抵抗:100Ω、 伝送線路311および312の特性インピーダンス:7
0Ω、および 伝送線路311および312の長さ:90mm(=3λ
/4)。
【0104】この例では、キャパシタ1421が、伝送
線路1424および1426の和の長さ65mmと60
mm(=λ/2)との差である伝送線路5mm分の位相
回転をキャンセルし、キャパシタ1423が、伝送線路
1425および1427の和の長さ65mmと60mm
(=λ/2)との差である伝送線路5mm分の位相回転
をキャンセルする。このように伝送線路311および3
12の長さを(2n+1)λ/4とし、移相器における
ノード302および303の間の位相差をnπにするこ
とによって、アイソレーションが実現できる。伝送線路
311および312の長さは、(2n+1)λ/4
(n:自然数)とすることが好ましい。
【0105】(実施の形態6)図15は、本発明による
分配器/合成器の実施の形態6の回路図である。伝送線
路を用いた従来のウイルキンソン型電力分配器は、イン
ピーダンス整合およびアイソレーションを実現するため
に、各伝送線路の長さをλ/4に設定しなければならな
い。しかし1−N分配、N−1合成(ただしNは3以上
の整数)の分配器/合成器においては、各伝送線路の長
さが等しいようにレイアウトをすることは難しく、伝送
線路の長さが異なる場合には性能の劣化が問題となる。
具体的には、図15の回路を基板の上に実装する場合
は、回路図に模式的に示されるように、伝送線路151
1および1513が伝送線路1512よりも長くなる。
本実施の形態は、このような伝送線路の長さの不均一に
起因するデメリットを克服する。
【0106】本実施の形態が、伝送線路を用いた従来の
1−3分配の分配器と異なるのは、外側の伝送線路15
11および1513(その長さが中央の伝送線路151
2より長い)にそれぞれキャパシタ1531および15
32が直列に挿入されている点である。本実施の形態で
は、中央の伝送線路1512の長さはλ/4で、ノード
1503ではノード1501より位相がπ/2radだ
け遅れる。一方、外側の2本の伝送線路1511および
1513は長さが0.285λ(>λ/4)であり、こ
れは中央の伝送線路1512より長い。この伝送線路に
よる位相の遅れは0.57πradである。外側の伝送
線路1511に直列に挿入されたキャパシタ1531に
よって位相を0.07πradだけ進ませれば、ノード
1501からみたノード1502および1504におけ
る位相の遅れをπ/2radに一致させることができ
る。すなわち、キャパシタ1531および1532は、
伝送線路の長さの差に起因する位相のずれをキャンセル
し、その結果、ノード1502、1503および150
4における信号の位相が全てそろう。
【0107】具体的には、ノード1501、1502、
1503および1504が50Ωで終端され、基板の比
誘電率が10.5である場合、伝送線路1511、15
12および1513の特性インピーダンスを86.6
Ω、抵抗器1521および1522を150Ω、中央の
伝送線路1512の長さを31mm、外側の伝送線路1
511および1513の長さを35mm、キャパシタ1
531および1532の容量を13pFにすれば、周波
数1GHzに対してインピーダンス整合およびアイソレ
ーションを実現できる。
【0108】(実施の形態7)図16は、本発明による
分配器/合成器の実施の形態7の回路図である。従来の
分配器と異なるのは、中央の伝送線路1612(電気長
が外側のものより短い)中の1点と、グラウンドとの間
にキャパシタ1631が接続されていることである。
【0109】外側の2本の伝送線路1611および16
13の電気長はλ/4であり、ノード1602および1
604ではノード1601より位相がπ/2radだけ
遅れる。一方、中央の伝送線路1612の電気長は0.
205λ(<λ/4)であり、この長さは、外側の伝送
線路1611および1613のそれより短い。伝送線路
1612による位相の遅れは0.41πradである。
中央の伝送線路1612に接続されている他端が接地さ
れたキャパシタ1631によって位相を0.09πra
dだけ遅らせることによって、ノード1601からみた
ノード1603での位相の遅れをπ/2radに一致さ
せることができる。すなわち、キャパシタ1631は、
伝送線路の長さの違いによる位相差をキャンセルし、そ
の結果、ノード1602、1603および1604の位
相が全てそろう。
【0110】具体的には、例えば以下の条件下でインピ
ーダンス整合とアイソレーションを実現することができ
る。すなわち、 使用周波数:1GHz、 基板の比誘電率:10.5、 ノード1601、1602、1603および1604:
50Ωで終端、 伝送線路1611、1612および1613の特性イン
ピーダンス:86.6Ω、 抵抗器1621および1622の抵抗:150Ω、 伝送線路1611および1613の長さ:30.8m
m、 伝送線路1612の長さ:25mm、および キャパシタ1631のキャパシタンス:0.4pF。
【0111】(実施の形態8)図17は、本発明による
分配器/合成器の実施の形態8の回路図である。従来の
分配器と異なるのは、伝送線路1711、1712およ
び1713中の1点と、グラウンドとの間にそれぞれキ
ャパシタ1731、1732および1733が接続され
ていること、および伝送線路1711、1712および
1713の長さに応じて、ノード1702、1703お
よび1704における位相が一致するように、キャパシ
タ1731、1732および1733のキャパシタンス
が設定されていることである。したがってキャパシタ1
731、1732および1733のキャパシタンスのう
ち、少なくとも2つは互いに異なる値をとる。
【0112】外側の2本の伝送線路1711および17
13の長さは0.205λであり、これらは位相を0.
41πradだけ遅らせる。さらにその他端が接地され
たキャパシタ1731および1733は、位相を0.0
9πradだけ遅らせる。したがって、ノード1702
および1704では位相がπ/2radだけ遅れる。
【0113】一方、中央の伝送線路1712の長さは
0.165λであり、この線路は位相を0.33πra
dだけ遅らせる。その他端が接地されたキャパシタ17
32は、位相を0.17πradだけ遅らせる。したが
って、ノード1703においても位相がπ/2radだ
け遅れる。すなわちキャパシタ1731、1732およ
び1733は、伝送線路1711、1712および17
13の長さの違いによる位相差をキャンセルする。その
結果、ノード1702、1703および1704におけ
る位相が全てそろう。
【0114】具体的には、例えば以下の条件下でインピ
ーダンス整合とアイソレーションを実現することができ
る。すなわち、 使用周波数:1GHz、 基板の比誘電率:10.5、 ノード1701、1702、1703および1704:
50Ωで終端、 伝送線路1711、1712および1713の特性イン
ピーダンス:86.6Ω、 抵抗器1721および1722の抵抗:150Ω、 伝送線路1711および1713の長さL1:25m
m、 伝送線路1712の長さL2:20mm、 キャパシタ1731および1733のキャパシタンス:
0.4pF、および キャパシタ1732のキャパシタンス:0.8pF。
【0115】上述の実施の形態6〜8では1−3分配お
よび3−1合成の分配器/合成器を説明した。しかしこ
れには限られず、1−N分配およびN−1合成(N:4
以上の整数)をおこなうように改変できる。特に1−N
分配およびN−1合成(N:4以上の整数)の分配器/
合成器は、さらに大きな効果を有する。また1−2分配
および2−1合成の分配器/合成器についても、2本の
伝送線路の長さを同じにできない場合には上記効果を有
する。伝送線路としては、同軸線路またはマイクロスト
リップ線路を用いてもよい。
【0116】(実施の形態9)図18は、本発明による
分配器/合成器の実施の形態9の回路図である。4本の
伝送線路1811、1812、1813および1814
の一端はノード1801に共通に接続され、それぞれの
他端はノード1802、1803、1804および18
05に接続される。図18のような回路を平らな基板上
に実装する場合、ノード1802、1803、1804
および1805と電気的中性点であるノード1806と
の距離が異なる。キャパシタ1827および1828を
もたない従来技術においては、この距離の違いが波長に
対して無視できない場合に、ノード1802、180
3、1804および1805の間のアイソレーション特
性が劣化していた。
【0117】本実施の形態では、外側の2つのノード1
802および1805とノード1806との間に、直列
に接続された抵抗器1821、伝送線路1825および
キャパシタ1827と、直列に接続された抵抗器182
4、伝送線路1826およびキャパシタ1828とがそ
れぞれ挿入されており、内側の2つのノード1803お
よび1804とノード1806との間には、抵抗器18
22および1823がそれぞれ挿入されている。なお図
18の回路は抵抗・リアクタンスの対称性を満足する。
また、本実施の形態も、実施の形態1と同様のインピー
ダンス整合およびアイソレーションを実現できる。
【0118】具体的には、例えば以下の条件下でインピ
ーダンス整合とアイソレーションを実現することができ
る。すなわち、 使用周波数:1GHz、 基板の比誘電率:10.5、 ノード1801、1802、1803および1804:
50Ωで終端、 伝送線路1811、1812、1813および1814
の特性インピーダンス:100Ω、 抵抗器1821、1822、1823および1824の
抵抗:100Ω、 伝送線路1811、1812、1813および1814
の長さ:30mm(=λ/4)、 伝送線路1825および1826の長さ:5mm、およ
び キャパシタ1827および1828のキャパシタンス:
14pF。
【0119】以下、簡単のために例えば2つのノード1
806および1802の間で生じる位相の遅れを「L1
806−1802」などと表すことにする。
【0120】本実施の形態では、ノード1806とノー
ド1802および1805との距離が波長λに対して無
視できない場合として、その距離を10mm(=λ/1
2)とする。一方、ノード1806と内側のノード18
03および1804との距離は波長λに対して十分に短
いとする。図18に示す回路がノード1801および1
806を結ぶ直線に対して線対称になるようにすれば、
位相遅れL1806−1802は、位相遅れL1806
−1805に等しくなり、位相遅れL1806−180
3は、位相遅れL1806−1804に等しくなる。さ
らに位相遅れL1806−1802が位相遅れL180
6−1803に等しく、かつ位相遅れL1806−18
05が位相遅れL1806−1804に等しくなるよう
に、キャパシタ1827および1828の値を設定すれ
ば、ノード1802、1803、1804および180
5におけるアイソレーション特性が改善される。
【0121】上述のように、平らな基板上に1−4分
配、4−1合成の分配器/合成器を形成する場合に、そ
れぞれのノードと、電気的中性点との距離が異なってい
ても、ノード間のアイソレーション特性を改善すること
ができる。本実施の形態は、1−N分配、N−1合成
(ただしN=3、5、6、7、…)の分配器/合成器に
も適用できる。
【0122】図18の分配器/合成器を平らな基板上に
実現する場合、伝送線路1812および1813が、伝
送線路1825および1826と交差しないように形成
しなければならない。図19は、図18の本実施の形態
の回路基板の構成を示す図であり、ノード1806の近
傍だけを示しており、ノード1801およびその近傍は
図示されていない。図20は、図19に示す本実施の形
態の回路基板の断面図であり、図19の点線A−A’で
の断面を示す。
【0123】比誘電率10.5の多層基板1900の表
面には伝送線路1811〜1814と、1825および
1826とが形成されており、さらに表面実装型の抵抗
器1821〜1824と、キャパシタ1827および1
828とが多層基板1900上に実装される。伝送線路
1825および1826の一部は、基板の内層に形成さ
れる。伝送線路1825および1826の中には、キャ
パシタ1827および1828が直列に挿入される。こ
のように、伝送線路1825および1826の一部を基
板の内層に形成することによって図18の分配器/合成
器を平らな基板を用いて実現できる。
【0124】図21は、図18に示す本実施の形態の回
路基板の構成の他の例を示す図である。図21において
は、単層基板2100を用いて本実施の形態を実現して
いる。伝送線路1812および1813が伝送線路18
25および1826と交差しないように、キャパシタ1
827および1828がそれぞれ伝送線路1812およ
び1813をまたいで実装される。伝送線路1825お
よび1826にそれぞれ接続されている抵抗器1821
および1824が伝送線路1812および1813をま
たいで実装されていても同様の効果が得られる。
【0125】(実施の形態10)以下に説明する実施の
形態10〜15は、分配器、増幅素子および合成器を備
えている。上記分配器は、単一のノードにおいて高周波
信号を受け取り、受け取られた信号を分配する。上記増
幅素子は、分配された信号を増幅する。上記合成器は、
増幅された信号を合成し、単一のノードにおいて出力す
る。これらの分配器および合成器としては、上で説明し
た分配器/合成器を用いることができる。
【0126】図22は、本発明による分配器/合成器の
実施の形態10の回路図である。実施の形態10〜15
は、入力信号を1つのノードで信号を受け取り、出力信
号を1つのノードで信号を出力するが、分配器および合
成器を含むことから、便宜上「分配器/合成器」とよぶ
ことにする。
【0127】分配器2210は、ノード2201におい
て高周波信号を受け取り、受け取られた高周波信号を分
配し、それからノード2202および2203に出力す
る。インダクタ2241および2245は、それぞれノ
ード2202をFET2240のゲートに、ノード22
03をFET2244のゲートに接続する。FET22
40および2244は、それぞれゲートにおいて受け取
られた高周波信号を増幅し、インダクタ2242および
2246を通してノード2252および2253に出力
する。合成器2260は、ノード2252および225
3において増幅された高周波信号を受け取り、合成して
から、ノード2251において出力する。
【0128】FET2240および2244のゲートバ
イアス電圧は、ノード2231から抵抗器2232を通
して共通に供給される。FET2240および2244
のドレインバイアス電圧は、ノード2281からインダ
クタ2282を通して共通に供給される。ノード220
1および2251は、50Ωで終端されている。本実施
の形態は、分配器2210および合成器2260とし
て、実施の形態1で説明した分配器/合成器を用いる。
なお図22の分配器2210および合成器2260は抵
抗・リアクタンスの対称性を満足する。また、それぞれ
の部分は、実施の形態1と同様のインピーダンス整合お
よびアイソレーションを実現できる。
【0129】分配器2210および合成器2260は、
それぞれ、比誘電率10.5、厚さ0.78mmの基板
上に設けられた伝送線路2211および2212と、伝
送線路2261および2262とを備えている。伝送線
路2211および2212と、伝送線路2261および
2262との長さは25mmで、幅は1.8mmで、そ
れぞれの伝送線路の特性インピーダンスは30Ωであ
り、周波数1GHzにおける電気長は5λ/24であ
る。
【0130】FET2240および2244は、半絶縁
性ガリウム砒素基板上にシリコンをイオン注入すること
によってチャンネル層を形成したGaAsMES(meta
l-semiconductor)FETであり、その総ゲート幅は4
mmである。FET2240および2244のゲート電
極は、それぞれインダクタ2241および2245を通
して分配器2210のノード2202および2203に
接続されている。FET2240および2244のドレ
イン電極は、それぞれインダクタ2242および224
6を通して合成器2260のノード2252および22
53に接続されている。本実施の形態においては、イン
ダクタ2241、2242、2245および2246
は、ディスクリート部品として実装されるコイルを表現
するのではなく、FET2240および2244を接続
するためのボンディングワイヤが含むインダクタンスを
表現する。
【0131】周波数1GHzにおいて、ノード2202
および2203からそれぞれみたFET2240および
2244の入力インピーダンスは(10+j12)Ωで
ある。周波数1GHzにおいて、ノード2252および
2253からそれぞれみたFET2240および224
4の出力インピーダンスは(15+j12)Ωである。
これらの入力および出力インピーダンスが誘導性である
(つまりスミスチャートでは第2象現に位置する)の
は、インダクタ2241、2242、2245および2
246として作用するボンディングワイヤの長さが比較
的、長いためである。
【0132】分配器2210は、実施の形態1で説明し
たように、ノード2202および2203に誘導性のイ
ンピーダンスが接続されても、ノード2202および2
203の間のアイソレーションが確保されるという特徴
を有する。同様に、合成器2260は、ノード2252
および2253に誘導性のインピーダンスが接続されて
も、ノード2252および2253の間のアイソレーシ
ョンが確保されるという特徴を有する。このため本実施
の形態は、FET2240および2244の入力/出力
ノード間(つまりゲート/ソース間)の相互作用を起こ
さないという効果を有する。その結果、複数のFETが
並列に接続されて高周波信号を増幅する本実施の形態
は、それぞれのFETから分配器/合成器をみたインピ
ーダンスを変動させず、よって並列動作に悪影響を与え
ないという利点を有する。さらに本実施の形態による分
配器/合成器は、FET2240および2244が特性
のばらつきをもつ場合であっても、良好な電力分配/合
成効率を維持する。その結果、本実施の形態は、量産時
における高い歩留りを確保できるという効果を有する。
【0133】なお移相器2220および2270のいず
れか一方を省略することによって簡易化された分配器/
合成器も本発明の範囲に含まれる。すなわち分配器22
10および合成器2260のうちのいずれかに移相器が
設けられていればよい。しかしより完全なアイソレーシ
ョンのためには、移相器2220および2270の両方
が設けられていることが好ましい。このことは、以下の
実施の形態11〜15についてもあてはまる。
【0134】(実施の形態11)図23は、本発明によ
る分配器/合成器の実施の形態11の回路図である。本
実施の形態は、分配器および合成器がキャパシタの代わ
りにインダクタを備えていることを除いて実施の形態1
0と同様の構成である。本実施の形態においては、FE
T2240のゲートおよびノード2202、FET22
40のドレインおよびノード2252、FET2244
のゲートおよびノード2203、およびFET2244
のドレインおよびノード2253をそれぞれ接続するボ
ンディングワイヤのインダクタンスは十分に小さく無視
できるとする。なお図23の分配器2210および合成
器2260は抵抗・リアクタンスの対称性を満足する。
また、それぞれの部分は、実施の形態1と同様のインピ
ーダンス整合およびアイソレーションを実現できる。
【0135】分配器2210および合成器2260は、
それぞれ、比誘電率10.5、厚さ0.78mmの基板
上に設けられた伝送線路2211および2212と、伝
送線路2261および2262とを備えている。伝送線
路2211および2212と、伝送線路2261および
2262との長さは35mmで、幅は1.8mmで、そ
れぞれの伝送線路の特性インピーダンスは30Ωであ
り、周波数1GHzにおける電気長は7λ/24であ
る。
【0136】周波数1GHzにおいて、ノード2202
および2203からそれぞれみたFET2240および
2244の入力インピーダンスは(10−j12)Ωで
ある。周波数1GHzにおいて、ノード2252および
2253からそれぞれみたFET2240および224
4の出力インピーダンスは(15−j12)Ωである。
これらの入力および出力インピーダンスは容量性である
(つまりスミスチャートの第3象現に位置する)。
【0137】実施の形態3で説明したように、ノード2
202および2203に容量性のインピーダンスが接続
されても分配器2210は、ノード2202および22
03におけるアイソレーションを実現できる。ノード2
252および2253に容量性のインピーダンスが接続
されても合成器2260は、ノード2252および22
53におけるアイソレーションを実現できる。その結
果、実施の形態10と同様に、本実施の形態は、それぞ
れのFETから分配器/合成器をみたインピーダンスを
変動させず、よって並列動作に悪影響を与えないという
利点を有する。さらに本実施の形態による分配器/合成
器は、FET2240および2244が特性のばらつき
をもつ場合であっても、良好な電力分配/合成効率を維
持する。その結果、本実施の形態は、量産時における高
い歩留りを確保できるという効果を有する。
【0138】(実施の形態12)図24は、本発明によ
る分配器/合成器の実施の形態12の回路図である。本
実施の形態は、移相器2220および2270がインダ
クタの代わりに伝送線路を備えていることを除いて実施
の形態11と同様の構成である。具体的には移相器22
20は、直列に接続された伝送線路2421、抵抗器2
422および伝送線路2423を有し、移相器2270
は、直列に接続された伝送線路2471、抵抗器247
2および伝送線路2473を有する。なお図24の分配
器2210および合成器2260は抵抗・リアクタンス
の対称性を満足する。また、それぞれの部分は、実施の
形態1と同様のインピーダンス整合およびアイソレーシ
ョンを実現できる。
【0139】本実施の形態は、例えば、以下のようにパ
ラメータを設定すれば、実施の形態11の分配器/合成
器と同様の効果を奏する。すなわち、 抵抗器2422:20Ω、 抵抗器2472:30Ω、 伝送線路2421、2423、2471および2473
の特性インピーダンス:30Ω、 伝送線路2421、2423、2471および2473
の長さ:λ/24、 伝送線路2211、2212、2261および2262
の特性インピーダンス:30Ω、および 伝送線路2211、2212、2261および2262
の長さ:7λ/24(>λ/4)。
【0140】(実施の形態13)図25は、本発明によ
る分配器/合成器の実施の形態13の回路図である。本
実施の形態は、伝送線路2211、2212、2261
および2262中の1点と、グラウンドとの間にそれぞ
れキャパシタ2531、2532、2581および25
82が接続されていることを除いて実施の形態12と同
様の構成である。なお図25の分配器2210および合
成器2260は抵抗・リアクタンスの対称性を満足す
る。また、それぞれの部分は、実施の形態1と同様のイ
ンピーダンス整合およびアイソレーションを実現でき
る。
【0141】分配器2210および合成器2260は、
それぞれ、比誘電率10.5、厚さ0.78mmの基板
上に設けられた伝送線路2211および2212と、伝
送線路2261および2262とを備えている。伝送線
路2211および2212と、伝送線路2261および
2262との長さは15mmで、幅は0.675mmで
ある。キャパシタ2531、2532、2581および
2582のキャパシタンスは4.5pFである。実施の
形態12の伝送線路2211、2212、2261およ
び2262の長さが35mmであるのに対し、本実施の
形態のそれらの長さは15mmである。
【0142】本実施の形態は、キャパシタ2531、2
532、2581および2582による位相回転を利用
することによって、実施の形態12の伝送線路221
1、2212、2261および2262の長さを1/2
以下に短縮している。さらにノード2202および22
03の間のアイソレーション特性は、実施の形態12と
ほぼ同じである。伝送線路2211、2212、226
1および2262の長さは、実装された分配器/合成器
の大きさを支配する。したがって本実施の形態は、他端
がグラウンドに接続されたキャパシタを伝送線路に設け
ることによって、実施の形態12と同様の特性を満足し
ながら、分配器/合成器の大きさを1/2程度まで小型
化できるという利点を有する。
【0143】図26は、図25の回路基板の構成を示す
図である。図中の「GND」は、グラウンドを表す。ま
たゲートバイアスおよびドレインバイアスのためのパタ
ーンは、省略されている。
【0144】(実施の形態14)図27は、本発明によ
る分配器/合成器の実施の形態14の回路図である。実
施の形態10と異なるのは、ノード2701と伝送線路
2711および2712との間にキャパシタ2735お
よび2736が直列に挿入されている点、および並列動
作するFET2240および2244のゲートバイアス
がそれぞれノード2731および2733から抵抗器2
732および2734を通して供給される点である。な
お図27の分配器2210および合成器2260は抵抗
・リアクタンスの対称性を満足する。また、それぞれの
部分は、実施の形態1と同様のインピーダンス整合およ
びアイソレーションを実現できる。
【0145】実施の形態10においては、並列動作する
FET2240および2244のゲートバイアスは、共
通のノード2231から供給される。したがって閾値電
圧が異なるFETを並列動作させる場合に、例えばFE
T2240がA級で動作し、FET2244がB級で動
作するおそれがある。このようなアンバランスな並列動
作においては、出力電力と効率との劣化が生じる可能性
がある。また歪特性の劣化の原因にもなる。このアンバ
ランスを防ぐには、閾値電圧が完全に一致したFETを
ペアにして使用する必要があり、FETの選別が煩雑で
ある。
【0146】一方、本実施の形態においては、ノード2
702および2703の間が直流的に分離されているた
め、並列動作するFET2240および2244のゲー
ト電圧を別々に設定することが可能である。これにより
FET2240および2244が異なる閾値をもつ場合
であっても、同じ動作点でFET2240および224
4を並列動作させることが可能である。キャパシタ27
35および2736のリアクタンスが無視できる程度に
小さくなるように、それらのキャパシタンスを動作周波
数に対して十分に大きな値に設定することによって、伝
送線路2711および2712の長さは実施の形態10
の伝送線路2211および2212と同じ長さをもてば
よい。
【0147】また、並列動作するFETとしてゲート幅
の異なるものを使用すれば、出力電力のレベルに応じて
最適なゲート幅のFETを動作させることができ、出力
電力のレベルに応じて効率を最大にできる。
【0148】(実施の形態15)図28は、本発明によ
る分配器/合成器の実施の形態15の回路図である。実
施の形態10と異なるのは、ノード2851と伝送線路
2861および2862との間にキャパシタ2885お
よび2886が直列に挿入されている点、および並列動
作するFET2240および2244のドレインバイア
スがそれぞれノード2881および2883からインダ
クタ2882および2884を通して供給される点であ
る。なお図28の分配器2210および合成器2260
は抵抗・リアクタンスの対称性を満足する。また、それ
ぞれの部分は、実施の形態1と同様のインピーダンス整
合およびアイソレーションを実現できる。
【0149】実施の形態10においては、並列動作する
FET2240および2244のドレインバイアスは、
共通のノード2281から供給される。その結果、必ず
しも全てのFETを並列動作させる必要がない場合、例
えば必要とされる出力電力が小さい場合にも、常に全て
のFETに均等にドレインバイアスが印加されていた。
したがって出力電力の大きさによっては、必要な電流よ
りも大きい電流が消費される。特にFET2240およ
び2244の動作がA級に設定される場合は、この傾向
が顕著になる。
【0150】一方、本実施の形態は、2つのノード28
52および2853の間が直流的に分離されているた
め、並列動作するFET2240および2244のドレ
イン電圧を個別に設定できる。また、出力電力の大小に
応じて、動作させたいFETだけに選択的にドレイン電
圧を供給することもできる。このようなアンバランスな
動作状態であっても、2つのノード2852および28
53の間のアイソレーションは確保されるので、片側の
FETだけが動作しても安定な高周波電力を出力でき
る。したがって、最大出力時の特性を犠牲にすることな
く、出力電力が小さいときの効率を従来に比べて大幅に
改善できる。この傾向は並列動作するFETの個数が多
くなればなるほど顕著になる。
【0151】また、並列動作するFETとしてゲート幅
の異なるものを使用すれば、出力電力のレベルに応じて
最適なゲート幅のFETを動作させることができ、出力
電力のレベルに応じて効率を最大にできる。
【0152】実施の形態14および15において、キャ
パシタ2735、2736、2885および2886
は、いずれも伝送線路の端部において伝送線路と直列に
接続されているが、これには限られず、伝送線路の途中
において直列に接続されてもよい。例えば図27の場
合、伝送線路2711および2712をその中点におい
て分割してそれぞれ2つの伝送線路にし、キャパシタ2
735を分割された伝送線路2711の2つの部分の間
に挿入し、キャパシタ2736を分割された伝送線路2
712の2つの部分の間に挿入してもよい。このことは
図28についてもあてはまる。
【0153】上述の実施の形態10〜15で用いられる
分配器および合成器は、それぞれ1−N分配およびN−
1合成(ただしN=2)をおこなうが、Nの値はこれに
は限られない。すなわち、N≧3であってもよい。
【0154】上述のすべての実施の形態において、移相
器の抵抗は、複数のノードのうちの一方のノード(例え
ば302)および他方のノード(例えば303)に対し
て実質的に等しい位相の点に位置することが、本発明の
効果を得るためには好ましい。また、移相器の複数のノ
ードのうちの一方のノード(例えば302)からみたと
きの抵抗およびリアクタンスの分布が、複数のノードの
うちの他方のノード(例えば303)からみたときの抵
抗およびリアクタンスの分布に実質的に等しいければ、
より好ましい。
【0155】
【発明の効果】本発明によれば、少なくとも以下の効果
が得られる。
【0156】(1)入力信号を受け取るノードが純抵抗
50Ωで終端され、出力信号を出力するノードがスミス
チャートの実軸上を除く第2象現にあるインピーダンス
で終端されている場合であっても、移相器による位相制
御によって、インピーダンス整合およびアイソレーショ
ンを同時に実現できる。
【0157】(2)並列動作するFETのゲート/ドレ
インの間のアイソレーションが確保されるため、並列動
作するFETの特性が異なる場合でも良好な電力分配/
合成効率が維持され、さらにFET間の相互作用による
悪影響を防止することができる。
【0158】(3)並列動作するFETのゲート電圧を
別々に設定することが可能となり、FETの閾値が異な
る場合であっても、複数のFETを同じ動作点で並列動
作させることができる。これにより、FETの閾値電圧
の選別という煩雑な工程を削除することができる。
【0159】(4)1:N分配およびN:1合成(N:
3以上の整数)をおこなう分配器/合成器において、各
線路の長さを等しくすることが飛躍的に容易となり、レ
イアウトにおける種々の制限が大幅に緩和される。
【0160】(5)出力ノード間の距離が使用波長に対
して無視できない場合でも、出力ノード間に伝送線路お
よびキャパシタを挿入することによって、良好なアイソ
レーション特性を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術によるウイルキンソン型電力分配器/
合成器の等価回路図である。
【図2】従来のウイルキンソン型電力分配器の回路図で
ある。
【図3】本発明による分配器/合成器の実施の形態1の
回路図である。
【図4】分配器/合成器300の回路基板の構成を示す
図である。
【図5】図4に示す移相器320のノード302からみ
たときの抵抗およびリアクタンスの分布と、ノード30
3からみたときの抵抗およびリアクタンスの分布とを示
す図である。
【図6】実施の形態1によるインピーダンス整合を説明
するための図である。
【図7】従来技術と比較したときの本実施の形態による
特性改善を説明するための図である。
【図8】周波数1GHzにおけるパスP311−312
を通る信号、およびパスP320を通る信号の位相差に
対する、ノード302および303の間のアイソレーシ
ョンの変化を示すグラフである。
【図9】実施の形態1の移相器320を示す図である。
【図10】本発明による分配器/合成器の実施の形態2
の回路図である。
【図11】本発明による分配器/合成器の実施の形態3
の回路図である。
【図12】実施の形態3によるインピーダンス整合を説
明するための図である。
【図13】本発明による分配器/合成器の実施の形態4
の回路図である。
【図14】本発明による分配器/合成器の実施の形態5
の回路図である。
【図15】本発明による分配器/合成器の実施の形態6
の回路図である。
【図16】本発明による分配器/合成器の実施の形態7
の回路図である。
【図17】本発明による分配器/合成器の実施の形態8
の回路図である。
【図18】本発明による分配器/合成器の実施の形態9
の回路図である。
【図19】図18に示す本実施の形態の回路基板の構成
を示す図である。
【図20】図19に示す本実施の形態の回路基板の断面
図である。
【図21】図18に示す本実施の形態の回路基板の構成
の他の例を示す図である。
【図22】本発明による分配器/合成器の実施の形態1
0の回路図である。
【図23】本発明による分配器/合成器の実施の形態1
1の回路図である。
【図24】本発明による分配器/合成器の実施の形態1
2の回路図である。
【図25】本発明による分配器/合成器の実施の形態1
3の回路図である。
【図26】図25の回路基板の構成を示す図である。
【図27】本発明による分配器/合成器の実施の形態1
4の回路図である。
【図28】本発明による分配器/合成器の実施の形態1
5の回路図である。
【符号の説明】
300 分配器/合成器 301、302、303 ノード 311、312 伝送線路 320 移相器 321、323 キャパシタ 322 抵抗

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1ノードと、 第2ノードと、 第3ノードと、 該第1ノードと該第2ノードとに電気的に結合された第
    1伝送線路と、 該第1ノードと該第3ノードとに電気的に結合された第
    2伝送線路と、 該第2ノードと該第3ノードとに電気的に結合され、抵
    抗および移相器を有する調整回路と、を備えている分配
    器/合成器であって、 該抵抗は、該第2ノードと該第3ノードとに対して実質
    的に等しい位相の点に位置する分配器/合成器。
  2. 【請求項2】 第1ノードと、 第2ノードと、 第3ノードと、 該第1ノードと該第2ノードとに電気的に結合された第
    1伝送線路と、 該第1ノードと該第3ノードとに電気的に結合された第
    2伝送線路と、 該第2ノードと該第3ノードとに電気的に結合され、抵
    抗およびリアクタンスを有する調整回路と、を備えてい
    る分配器/合成器であって、 該第2ノードからみたときの該抵抗および該リアクタン
    スの分布は、該第3ノードからみたときの該抵抗および
    該リアクタンスの分布に実質的に等しい分配器/合成
    器。
  3. 【請求項3】 前記第1および前記第2伝送線路による
    位相変化の量の和と、前記調整回路による位相変化の量
    との差が約160°〜約200°の範囲にある請求項1
    または2に記載の分配器/合成器。
  4. 【請求項4】 前記調整回路は、移相器としてキャパシ
    タンスを有する請求項1に記載の分配器/合成器。
  5. 【請求項5】 前記調整回路は、第1キャパシタ、第1
    抵抗器および第2キャパシタの順に直列に接続された第
    1キャパシタ、第1抵抗器および第2キャパシタを有す
    る請求項4に記載の分配器/合成器。
  6. 【請求項6】 前記調整回路は、第4ノード、第1キャ
    パシタ、第1抵抗器および第2抵抗器を有しており、 直列に接続された該第1キャパシタおよび該第1抵抗器
    は、ノード2およびノード4を接続し、 該第2抵抗器は、ノード3およびノード4を接続する、
    請求項4に記載の分配器/合成器。
  7. 【請求項7】 前記調整回路は、移相器としてインダク
    タンスを有する請求項1に記載の分配器/合成器。
  8. 【請求項8】 前記調整回路は、第1インダクタ、抵抗
    器および第2インダクタの順に直列に接続された第1イ
    ンダクタ、抵抗器および第2インダクタを有する請求項
    7に記載の分配器/合成器。
  9. 【請求項9】 前記調整回路は、移相器として伝送線路
    を有する請求項1に記載の分配器/合成器。
  10. 【請求項10】 前記調整回路は、第3伝送線路、抵抗
    器および第4伝送線路の順に直列に接続された第3伝送
    線路、抵抗器および第4伝送線路を有する請求項9に記
    載の分配器/合成器。
  11. 【請求項11】 前記調整回路は、直列に接続された第
    3伝送線路、第1キャパシタおよび抵抗器を有する請求
    項1に記載の分配器/合成器。
  12. 【請求項12】 前記第3伝送線路および前記第1キャ
    パシタは、使用周波数において直列共振する請求項11
    に記載の分配器/合成器。
  13. 【請求項13】 前記調整回路は、直列に接続されたイ
    ンダクタ、第1キャパシタおよび抵抗器を有する請求項
    1に記載の分配器/合成器。
  14. 【請求項14】 前記インダクタおよび前記第1キャパ
    シタは、使用周波数において直列共振する請求項13に
    記載の分配器/合成器。
  15. 【請求項15】 前記調整回路は、前記第3伝送線路、
    前記第1キャパシタ、前記抵抗器、第2キャパシタおよ
    び第4伝送線路の順に接続された前記第3伝送線路、前
    記第1キャパシタ、前記抵抗器、第2キャパシタおよび
    第4伝送線路を有する請求項12に記載の分配器/合成
    器。
  16. 【請求項16】 前記第1伝送線路および前記第2伝送
    線路は、それぞれ約λ/4(λは使用周波数における波
    長)である請求項11に記載の分配器/合成器。
  17. 【請求項17】 前記第1伝送線路および前記第2伝送
    線路は、それぞれ約(2n+1)λ/4であり、前記調
    整回路は、前記第2ノードおよび前記第3ノードの間の
    位相差がnπである請求項1に記載の分配器/合成器。
  18. 【請求項18】 前記第3伝送線路および前記第4伝送
    線路は、前記第1伝送線路および前記第2伝送線路が形
    成される面と異なる面上に形成される請求項11に記載
    の分配器/合成器。
  19. 【請求項19】 前記第1キャパシタおよび前記抵抗器
    の少なくとも1つが前記第3伝送線路を交差して形成さ
    れる請求項11に記載の分配器/合成器。
  20. 【請求項20】 前記調整回路は、並列に接続された抵
    抗および移相器を有する請求項1に記載の分配器/合成
    器。
  21. 【請求項21】 その一端において前記第1伝送線路お
    よび前記第2伝送線路の少なくとも1つに電気的に結合
    されたキャパシタをさらに備えており、該キャパシタ
    は、その他端においてグラウンドに電気的に結合されて
    いる請求項1に記載の分配器/合成器。
  22. 【請求項22】 その一端において前記第1ノードに電
    気的に結合されたキャパシタをさらに備えており、 該キャパシタは、その他端においてグラウンドに電気的
    に結合されている請求項1に記載の分配器/合成器。
  23. 【請求項23】 前記第1ノード、前記第2ノードおよ
    び前記第3ノードの少なくともひとつから信号を受け取
    り、増幅し、該増幅された信号を出力する増幅器をさら
    に備えている請求項1に記載の分配器/合成器。
  24. 【請求項24】 前記増幅器は、複数の増幅素子と、該
    複数の増幅素子のそれぞれのゲートにゲート電圧を供給
    する複数のノードとを有する請求項23に記載の分配器
    /合成器。
  25. 【請求項25】 前記複数のノードの少なくとも2つの
    ノードは、異なる電圧を受け取る請求項24に記載の分
    配器/合成器。
  26. 【請求項26】 前記増幅器は、複数の増幅素子と、該
    複数の増幅素子のそれぞれのドレインにドレイン電圧を
    供給する複数のノードとを有する請求項23に記載の分
    配器/合成器。
  27. 【請求項27】 前記複数のノードの少なくとも2つの
    ノードは、異なる電圧を受け取る請求項26に記載の分
    配器/合成器。
  28. 【請求項28】 前記複数の増幅素子の少なくとも2つ
    の増幅素子の総ゲート幅および総エミッタサイズのいず
    れかが互いに異なる請求項23、25および27のいず
    れかに記載の分配器/合成器。
  29. 【請求項29】 第1ノードと、 第2ノードと、 第3ノードと、 該第1ノードと該第2ノードとに電気的に結合された、
    直列接続された第1伝送線路およびキャパシタと、 該第1ノードと該第3ノードとに電気的に結合された第
    2伝送線路と、 該第2ノードと該第3ノードとに電気的に結合された抵
    抗と、を備えている分配器/合成器。
  30. 【請求項30】 第1ノードと、 第2ノードと、 第3ノードと、 該第1ノードと該第2ノードとに電気的に結合された第
    1伝送線路と、 該第1ノードと該第3ノードとに電気的に結合された第
    2伝送線路と、 該第2ノードと該第3ノードとに電気的に結合された抵
    抗と、 該第1伝送線路とグラウンドとに電気的に結合された第
    1キャパシタと、を備えている分配器/合成器。
  31. 【請求項31】 前記第2伝送線路とグラウンドとに電
    気的に結合された第2キャパシタをさらに備えている請
    求項30に記載の分配器/合成器。
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