JPH0932113A - 仕口耐震補強金物 - Google Patents

仕口耐震補強金物

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JPH0932113A
JPH0932113A JP20674195A JP20674195A JPH0932113A JP H0932113 A JPH0932113 A JP H0932113A JP 20674195 A JP20674195 A JP 20674195A JP 20674195 A JP20674195 A JP 20674195A JP H0932113 A JPH0932113 A JP H0932113A
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seismic
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地震等のように多方向から相当大きな荷重が
かかってもそれに充分に耐えることができ、またボルト
又は釘を打ち込んで取付けるのに支障がない仕口耐震補
強金物を提供する。 【課題解決手段】 仕口耐震補強金物10は、相互に接
合された柱14’と桁18とのL字形の部材面14’
a、18aにそれぞれ係合する2つの係合板部32、3
4と、これらの係合板部32、34の一方の側端縁に結
合されている三角形状の側板部36と、この側板部36
の斜面に沿って傾斜し2つの係合板部32、34の反対
側の端縁の間に延びる傾斜板部38との少なくとも3つ
の立体的に異なる板面から成っている。地震等の相当大
きな振動荷重がどの方向に発生してもそれぞれの異なる
向きに配置されている3つの板部が相互に補完しながら
この振動荷重に耐えることができる。傾斜板部38は、
係合板部32、34よりも幅が狭く、係合板部32、3
4にボルト打ちするのに傾斜板部38が干渉することは
ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木造建築物の柱と
桁、柱と梁、桁相互、梁相互、土台相互、柱と土台等の
ように相互に交差するように接合される2つの部材の接
合部分を補強する仕口耐震補強金物の改良に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】木造建築物の相互に交差するように接合
される2つの部材の接合部分(仕口)を補強するため
に、従来から種々の補強金物(接合金物)又は補強部材
が用いられている。例えば、図12に示すように、あり
掛け接続された柱14と土台16との間には、T字状の
かど金物202があてがわれ釘打ちされて補強され、ま
た図13に示すように、土台16Aと16B相互の間に
は、火打土台204が斜めに設けられ、この火打土台2
04は土台16A、16Bにあり掛け接続された上で釘
打ち等によって接合されて補強されている。
【0003】しかし、これらの補強金物(例えばかど金
物202)又は補強部材(例えば火打土台204)は、
単に板状の金物又は部材から成っており、この金物又は
部材の板面の平面的な強度によって補強されているにす
ぎないので、2つの部材(例えば柱14と土台16)の
接合部分を充分な強度を持って補強することができない
欠点があった。
【0004】また、図14に示すように、例えば、3階
建て仕様の建築物において、あり掛け接続された柱14
と土台16とのL字状に交差する部材面にそれぞれ係合
するL字状の係合板部206、208とこれらの2つの
係合板部206、208の側縁に沿って延びこれらの係
合板部206、208に接続された1対の三角形状の側
板部210とから成るホールダウン金物212(接合金
物又は補強金物の一種)が用いられている。尚、図14
において符号214は土台16を基礎28に固定するア
ンカーボルトである。
【0005】この接合金物は、2つの係合板部206、
208の側縁に沿って設けられた1対の三角形状の側板
部210によって建築物の相互に接合される2つの部材
を立体的に補強することができる。しかし、地震等のよ
うに上下左右のみでなくあらゆる方向から相当大きな振
動が建築物に加えられ、この振動が側板部210の板面
に側圧がかかるように側板部210に荷重が掛かると、
接合金物は、この振動に耐えることが難しく、2つの部
材の接合部分が破壊される欠点があった。
【0006】また、これらの補強金物又は補強部材は、
建築物の相互に接合される2つの部材に跨がって接合さ
れてボルト又は釘を打ち込んで固定されるが、その際
に、補強金物は、ボルト又は釘を打ち込むのに支障がな
いような構造を有しなければならないので、その補強構
造が制約される欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する1つの課題は、地震等のようにあらゆる方向から相
当大きな荷重がかかってもそれに充分に耐えることがで
きる仕口耐震補強金物を提供することにある。
【0008】本発明が解決しようとする他の課題は、ボ
ルト又は釘を打ち込むのに支障がなく、且つ充分な耐震
構造を有する仕口耐震補強金物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の課題解決
手段は、建築物の十字状、L字状又はT字状に交差する
部材面に跨がってそれぞれ係合し相互に接続された2つ
の係合板部とこれらの係合板部の一方の側縁に設けられ
ている三角形状の側板部とこの側板部の斜面に沿って傾
斜し2つの係合板部の反対側の端縁の間に延びる傾斜板
部とから成り、この係合板部、側板部及び傾斜板部は、
1つの板部に掛けられる荷重が他の板部に伝達すること
ができるような関係を保って設定されていることを特徴
とする仕口耐震補強金物を提供することにある。
【0010】本発明の第2の課題解決手段は、第1の課
題解決手段による仕口耐震補強金物であって、傾斜板部
は係合板部の幅寸法よりも小さな幅寸法を有することを
特徴とする仕口耐震補強金物を提供することにある。
【0011】本発明の第3の課題解決手段は、第1の課
題解決手段による仕口耐震補強金物であって、傾斜板部
は係合板部とほぼ同じ幅寸法を有し、且つ係合面板のボ
ルト・釘打ち込み部に対応して切欠き開口を有すること
を特徴とする仕口耐震補強金物を提供することにある。
【0012】本発明の第4の課題解決手段は、第2の課
題解決手段による仕口耐震補強金物であって、係合板部
と側板部と傾斜板部とで囲まれた空間に傾斜板部から突
出しないように設けられ係合板部、側板部及び傾斜板部
に接続された補助リブを有することを特徴とする仕口耐
震補強金物を提供することにある。
【0013】このように、仕口耐震補強金物が建築物の
十字状、L字状又はT字状に交差するように接合される
2つの部材の交差する部材面にそれぞれ係合し相互に接
続された2つの係合板部と、これらの係合板部の一方の
側縁に設けられた三角形状の側板部と、この側板部の斜
面に沿って傾斜し2つの係合板部の反対側の端縁の間に
延びる傾斜板部との3つの立体的に異なる板面から成っ
ていると、地震等の相当大きな振動荷重がどの方向に発
生してもそれぞれの異なる向きに配置されている3つの
板面が相互に補完しながらこの振動荷重に耐えることが
できる。
【0014】また、傾斜板部が係合板部の幅寸法よりも
小さな幅寸法を有するか、傾斜板部が係合板部とほぼ同
じ幅寸法を有するが係合板部のボルト・釘打ち込み部分
に対応して切欠き開口を有すると、仕口耐震補強金物の
2つの係合板部を建築物の交差する2つの部材にボルト
打ち又は釘打ちする際に、仕口耐震補強金物の傾斜板部
に干渉されることなく、ボルト又は釘の打ち込み機を使
用してボルト又は釘打ち込み作業を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい幾つかの実施の
形態を図面を参照して詳細に述べると、図1は本発明に
係る仕口耐震補強金物10の1つの使用例を示し、図示
の例では、この仕口耐震補強金物10は、木造建築物1
2の柱14と土台16及び柱14’と桁18とのL字形
又はT字形接合部分20、22にそれぞれ取付けられて
いる。隣り合う柱14と14’との間には筋違い24が
延び、この筋違い24は、それぞれ柱14、14’にそ
れぞれ適宜の継ぎ手によって接合されている。土台16
は、風通し26を有する基礎28の上に図示しないアン
カーボルトによって固定されている。尚、図1において
符号30は柱14、14’の間に設けられ土台16と桁
18とにそれぞれ適宜の継ぎ手によって接合された間柱
である。
【0016】本発明の仕口耐震補強金物10は、図4に
示すように、木造建築物12の十字状、L字状又はT字
状に交差するように適宜の継ぎ手によって接合されてい
る2つの部材、例えば図2の柱14’と桁18とのL字
形に交差する部材面14’a、18aにそれぞれ係合す
るL字状に連続して相互に接続されている2つの係合板
部32、34と、これらの係合板部32、34の一方の
側縁に設けられている三角形状の側板部36と、この側
板部36の斜面に沿って傾斜し2つの係合板部32、3
4の相互に反対側の端縁32a、34aの間に延びる傾
斜板部38とから成っている。これらの係合板部32、
34、三角形状の側板部36及び傾斜板部38は、好ま
しくは相互に機械的に連結されていて、1つの板部に掛
けられる荷重が他の板部に伝達することができるような
関係を保っている。
【0017】また、仕口耐震補強金物10の傾斜板部3
8は、図4に示すように、係合板部32、34の幅寸法
Wよりも小さな幅寸法、例えばW/2の幅寸法を有す
る。従って、後に詳細に述べるように、係合板部32、
34を柱、土台又は桁等の部材にボルト又は釘を打ち込
んで固定する際に、傾斜板部38に干渉することがな
く、ボルト又は釘等の打ち込み機を使用することができ
る。
【0018】図4の仕口耐震補強金物10は、鉄板を打
ち抜き、折り曲げ加工し、溶接して形成されることがで
きる。例えば、図5(A)に示すように、鉄板を打ち抜
いて係合板部32、34に相応する幅寸法Wの連続帯状
板100を形成し、また、図5(B)に示すように、鉄
板を打ち抜いてに三角形状の側板部36に相応する部分
と幅寸法W/2の傾斜板部38に相応する部分とが一体
に連続する台形板102を形成する。次いで、連続帯状
板100を線L1で直角に折り曲げ、また台形板102
を線L2で直角に折り曲げ、このように折り曲げ加工さ
れた連続帯状板100の一方の側縁100aに、同様に
折り曲げ加工された台形板102の傾斜縁102aを溶
接によって接合し、また折り曲げ加工された連続帯板1
00の反対側の端縁100bに、折り曲げ加工された台
形板102の平行縁102bを溶接によって接合して、
仕口耐震補強金物10を形成する。
【0019】この仕口耐震補強金物10の寸法は、例え
ば、係合板部32、34の長さが30〜50cmで幅が
3〜6cm、傾斜板部の長さが43〜72cmで幅が
2.5〜6cmになるように設定される。
【0020】また、この仕口耐震補強金物10は、図6
に示すように、連続帯状板100と台形板102とを一
体になるように鉄板を打ち抜いて形成した後、この内抜
き板104を図5の線L1及び線L2にそれぞれ相応す
る線L1、線L2及び連続帯状板100と台形板102
との境界部分に相応する線L3でそれぞれ折り曲げ、側
端縁100aと傾斜縁102aとを相互に溶接し、端縁
100bと端縁102bとを相互に溶接して仕口耐震補
強金物10を形成することができる。
【0021】図5及び図6の方法で仕口耐震補強金物1
0を形成する場合に、側縁100aと傾斜縁102aと
及び端縁100bと平行縁102bとを相互に溶接する
ことが好ましいが、例えば、端縁100bと平行縁10
2bとの一方(2ケ所のうち1ケ所)は溶接し、他方は
端縁100b又は平行縁102bに掛かる荷重が他方の
平行縁102b又は端縁100bに伝達されるように荷
重伝達作用を有することができれば、相互に衝合するの
みで必ずしも溶接しなくてもよい。
【0022】また、本発明の仕口耐震補強金物10は、
図5及び図6の方法以外に、たとえば、1枚の鉄板を金
型内で絞り加工して図4に示すような形状の一体物の金
物として形成することもできる。
【0023】本発明の仕口耐震補強金物10が柱14’
と桁18との間の接合部分に取付けられた状態が図2及
び図3に詳細に示されている。これらの図から解るよう
に、仕口耐震補強金物10の係合板部32、34は、柱
14’と桁18とのL字形の部材面14’a、18aに
それぞれ係合するようにあてがわれ、これらの係合板部
32、34を通して打ち込まれたボルト40、40’に
よって柱14’、桁18にそれぞれ固定され、また図示
の形態では、図3に示すように、三角形状の側板部36
は、筋違い24に係合しており、この側板部36を通し
て打ち込まれたボルト42及び釘44によって筋違い2
4に固定されている。
【0024】図3から解るように、傾斜板部38は、係
合板部32、34よりも幅狭くなっているため、ボルト
打ち込み機が傾斜板部38に干渉されることなく、係合
板部32、34にボルトを打ち込むように作業すること
ができる。尚、三角形状の側板部36のボルト・釘打ち
込み面は開放されているので、ボルト・釘の打ち込み作
業を容易に行うことができる。
【0025】また、図1及び図2から解るように、図示
の形態では、柱14’と桁18とのT字状の接合部分2
2の両側に仕口耐震補強金物10が取付けられ、その係
合板部32を柱14’に固定するボルト40’は、これ
らの両側の仕口耐震補強金物10と柱14’とを貫通す
る共通の貫通ボルトの形態であるのが示されている。
【0026】図1の柱14と土台16との間のL字形の
接合部分20に取付けられる仕口耐震補強金物10も同
様にしてボルト40、40’によってこの接合部分20
に固定され、また筋違い24にボルト42および釘44
によって固定されている。
【0027】このように、仕口耐震補強金物10は、木
造建築物10のL字状又はT字状に接合される柱、土
台、桁等の2つの部材の交差する部材面にそれぞれ係合
する2つの連続する係合板部32、34と、これらの係
合板部32、34の一方の側縁に設けられ三角形状の側
板部36と、この側板部36の斜面に沿って2つの係合
板部32、34の反対側の端縁の間を延びるように設け
られた傾斜板部38との3つの立体的に異なる面に配置
された板部から成っている。従って、地震等の相当大き
な振動荷重がどの方向に発生してもそれぞれの異なる向
きに配置されている3つの板部32又は34、36、3
8が相互に補完しながらこの振動荷重に耐えることがで
きる。
【0028】更に詳細に述べると、仕口耐震補強金物1
0が図1乃至図3に示すように三角形状の側板部36が
垂直になるように取付けられていると、木造建築物12
に垂直方向の振動が加わった場合、この振動方向に板厚
が沿って配置される側板部36がこの振動に耐えるよう
に作用し、また木造建築物10に水平方向の振動が加わ
った場合、この振動方向に板厚が沿って配置される係合
板部32、34、側板部36又は傾斜板部38がこの振
動に耐えるように作用する。従って、この仕口耐震補強
金物10が取付けられている木造建築物12の柱と土
台、柱と桁等の部材は、高い強度で補強されて接合さ
れ、木造建築物12全体が高い耐震性を有することにな
る。尚、各板部32、34、36、38はそれぞれ1つ
の板部が受ける荷重をそれに隣接する他の板部に荷重が
伝達されるように相互関係が設定されているので、いず
れの方向の振動荷重も板厚が振動方向に向いている耐震
位置にある板部に迅速に伝達されて全体的に高い耐震作
用を有することができる。
【0029】実際の地震で木造建築物12に加えられる
振動は、これらの垂直方向及び水平方向の振動が複雑に
入り混じった形態であるが、仕口耐震補強金物10は、
複数の板部が異なる面配置となるように立体的に組み合
わせられているので、いずれかの板部の板厚が振動に耐
えるように作用し、複雑な振動形態を有する地震に耐え
ることができる。
【0030】上記実施の形態では、例えば柱14と土台
16との間に取付けられる仕口耐震補強金物10が土台
16にボルト40で固定しているが、例えば、図7に示
すように、基礎28に植付けられているアンカーボルト
50に土台16と共に固定してもよい。この場合、アン
カーボルト50との位置合わせが容易に行えるように、
仕口耐震補強金物10は、係合板部34(及び又は3
2)にアンカーボルト貫通長孔34aを設けるのが好ま
しい。
【0031】上記実施の形態では、柱14と土台16又
は柱14’と桁18との間のL字形又はT字形接合部分
20、22に仕口耐震補強金物10をその側板部36が
垂直になるように取付けられたが、例えば、図8に示す
ように、従来の火打土台に代えて土台16Aと16Bと
のL字形接合部分45に本発明の仕口耐震補強金物10
をボルト40A、40Bによってそれぞれ取付けてもよ
い。
【0032】このように仕口耐震補強金物10の側板部
36が水平になるように仕口耐震補強金物10が取付け
られていても、この補強金物10の係合板部32、3
4、側板部36及び傾斜板部38が異なる面配置で立体
的に組み合わせられているので、垂直方向、水平方向又
はこれらの方向が複雑に入り混じった振動形態を有する
地震に同様にして有効に耐えることができる。
【0033】本発明の仕口耐震補強金物10は、係合板
部32、34が柱14、14’、土台16、桁18等の
部材にボルト打ち込み又は釘打ち込みするのに支障がな
ければ、傾斜板部38は、任意の形態とすることができ
る。例えば、図9に示すように、傾斜板部38は、係合
板部32、34と同じ幅寸法Wを有し、係合板部32、
34にボルト打ち込みすることができるように、切欠き
開口38a、38bを形成してもよい。図9において、
係合板部32の上方部分にはには切欠き開口38aを通
してボルト打ち込みし、係合板部32の下方部分には傾
斜板部38の内側から直接ボルト打ち込みすることがで
き、また係合板部34の左方部分には切欠き開口38b
を通してボルト打ち込みし、また係合板部34の右方部
分には傾斜板部38の内側から直接ボルト打ち込みする
ことができる。
【0034】本発明の仕口耐震補強金物の変形例が図1
0(A)に符号10Aで示され、この補強金物10A
は、図4の補強金物10の傾斜板部36の内側の傾斜縁
に沿って一体に形成されて側板部36と平行になるよう
に折り曲げられその上下の端縁が係合板部32、34の
内面に衝合している折り曲げ片38Aを有する。この補
強金物10Aは、折り曲げ片38Aが側板部36と平行
な面配置を有するので、折り曲げ片38Aが側板部36
と同じようにその板厚方向から受ける荷重に耐えるよう
に作用し、図4の補強金物10よりも一層高い耐震性を
有する。折り曲げ片38Aの上下の端縁は、係合板部3
2、34の内面に単に衝合しているだけでもよいが、好
ましくは係合板部32、34の内面に溶接されている。
【0035】本発明の仕口耐震補強金物の他の変形例が
図10(B)に符号10Bで示され、この補強金物10
Bは、図4の補強金物10の係合板部32、34の開放
された側縁側に取付けられ側板部36と相似している
が、この側板部36よりも小さな面積の補助側板部36
Aが取付けられていることを除いて図4の補強金物10
と実質的に同じである。この補強金物10Bも、補助側
板部36Aが側板部36と同じようにその板厚方向から
受ける荷重に耐えるように作用し、図4の補強金物10
よりも一層高い耐震性を有する。係合板部32、34へ
のボルト打ち込みは、傾斜板部38と補助側板部36A
との間の開口を通して行うことができる。
【0036】本発明の仕口耐震補強金物の更に他の変形
例が図11(A)及び図11(B)に符号10C、10
Dでそれぞれ示され、これらの変形例は、係合板部3
2、34と側板部36と傾斜板部38とで囲まれた空間
に傾斜板部38から突出しないように設けられた補助リ
ブ46、48を有する。
【0037】図11(A)の仕口耐震補強金物10C
は、図4の仕口耐震補強金物10の傾斜板部38と同じ
幅寸法を有し傾斜板部38の中間から係合板部32、3
4の連結部分まで延びる補助リブ46を有し、また図1
1(B)の仕口耐震補強金物10Dは、図4の仕口耐震
補強金物10の傾斜板部38と同じ幅寸法で傾斜板部3
8の中間から係合板部32、34の連結部分まで延びる
補助リブ部分48Aと、傾斜板部38に平行で補助リブ
部分48Aに一体に交差し係合板部32、34の内面ま
で延びる補助リブ部分48Bとから成る補助リブ48を
有する。この補強金物10C、10Dは、補助リブ46
及び48がその板厚方向から受ける荷重に耐えるように
作用し、従って更に多方向からの振動を含む地震に耐え
ることができ、図4及び図10(A)(B)の補強金物
10、10A、10Bよりも更に耐震性が向上する。
【0038】図11(A)(B)の仕口耐震補強金物1
0C、10Dは、図4の補強金物10と同様に、補助リ
ブ46、48が傾斜板部38と同じ幅寸法を有していて
傾斜板部38から突出することがなく、従って補助リブ
46、48が傾斜板部38と同様に係合板部32、34
にボルト打ち込みするのに干渉することがない。
【0039】図11の仕口耐震補強金物10C及び10
Dの補強リブ46、48は、係合板部32、34と傾斜
板部38に溶接等によって機械的に接続されているのみ
でなく、側板部36にも同様に溶接等によって接続され
ているのが好ましいが、これらの板部に荷重伝達関係を
保って衝合しているだけでもよい。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、仕口耐
震補強金物が建築物の十字状、L字状又はT字状に交差
するように接合される2つの部材の交差する部材面にそ
れぞれ係合し相互に接続されている2つの係合板部と、
これらの係合板部の一方の側端縁に設けられている三角
形状の側板部と、この側板部の斜面に沿って傾斜し2つ
の係合板部の反対側の端縁の間に延びている傾斜板部と
の少なくとも3つの立体的に異なる板面から成っている
ので、地震等の相当大きな振動荷重がどの方向に発生し
てもそれぞれの異なる向きに配置されている3つの板部
が相互に補完しながらこの振動荷重に耐えることがで
き、従って木造建築物の耐震性を向上することができ
る。
【0041】また、傾斜板部が係合板部の幅寸法よりも
小さな幅寸法を有するか、傾斜板部が係合板部とほぼ同
じ幅寸法を有するが係合面板のボルト・釘打ち込み部に
対応して切欠き開口を有するので、仕口耐震補強金物の
2つの係合板部を建築物の交差する2つの部材にボルト
打ち又は釘打ちする際に、仕口耐震補強金物の傾斜板部
に干渉されることがなく、ボルト又は釘の打ち込み機を
使用することができる。
【0042】更に、幅狭の傾斜板部と係合板部との間を
延びる補助リブを有すると、更に一層多方向からの振動
荷重に耐えることができるので、木造建築物の耐震性を
一層向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る仕口耐震補強金物が使用された木
造建築物の骨組の格概略正面図である。
【図2】図1の骨組の柱と桁との接合部分の拡大正面図
である。
【図3】図2の骨組の柱と桁との接合部分の拡大側断面
図である。
【図4】本発明の仕口耐震補強金物の斜視図である。
【図5】図4の補強金物を形成する打ち抜き鉄板を示
し、同図(A)は係合板部分を形成する連続帯状板の平
面図、同図(B)は側板部と傾斜板部とを形成する台形
板の平面図である。
【図6】図5と同様に、図4の補強金物を形成する打ち
抜き鉄板を示すが、係合板部分と側板部と傾斜板部とを
形成する一体の打ち抜き板の平面図である。
【図7】本発明の仕口耐震補強金物が基礎に植付けられ
ているアンカーボルトに固定されている例を示す斜視図
である。
【図8】本発明の仕口耐震補強金物を火打土台に代えて
使用された例の斜視図である。
【図9】本発明の仕口耐震補強金物の変形例の斜視図で
ある。
【図10】本発明の仕口耐震補強金物の他の実施の形態
を示し、同図(A)は傾斜板部に一体に折り曲げ片を有
する補強金物の斜視図、同図(B)は補助側板部を有す
る補強金物の斜視図である。
【図11】本発明の仕口耐震補強金物の更に他の実施の
形態を示し、同図(A)は斜めの補助リブを有する補強
金物の平面図、同図(B)は十字状の補助リブを有する
補強金物の斜視図である。
【図12】従来から一般に用いられている平面的な接合
金物の使用例の斜視図である。
【図13】同様に従来から一般に用いられている火打土
台の使用例の斜視図である。
【図14】3階建仕様に用いられているホールダウン金
物と称される接合金物の使用例の斜視図である。
【符号の説明】
10 仕口耐震補強金物 10A 仕口耐震補強金物 10B 仕口耐震補強金物 10C 仕口耐震補強金物 10D 仕口耐震補強金物 12 木造建築物 14 柱 14’ 柱 14’a 部材面 16 土台 16A 土台 16B 土台 18 桁 18a 部材面 20 L字形接合部分 22 L字形接合部分 24 筋違い 26 風通し 28 アンカーボルト 30 間柱 32 係合板部 34 係合板部 34a アンカーボルト貫通長孔 36 側板部 36A 補助側板部 38 傾斜板部 38A 折り曲げ片 38a 切欠き開口 38b 切欠き開口 40 ボルト 40A ボルト 40B ボルト 40’ ボルト 42 ボルト 44 釘 45 L字形接合部分 46 補助リブ 48 補助リブ 48A 補助リブ部分 48B 補助リブ部分 50 アンカーボルト

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の十字状、L字状又はT字状に交
    差する2つの部材のL字形に交差する部材面に跨がって
    それぞれ係合し相互に接続されている2つの係合板部と
    前記係合板部の一方の側縁に設けられている三角形状の
    側板部と前記側板部の斜面に沿って傾斜し前記2つの係
    合板部の反対側の端縁の間に延びる傾斜板部とから成
    り、前記係合板部、側板部及び傾斜板部は、1つの板部
    に掛けられる荷重が他の板部に伝達することができるよ
    うな関係を相互に保っていることを特徴とする仕口耐震
    補強金物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の仕口耐震補強金物であ
    って、前記傾斜板部は、前記係合板部の幅寸法よりも小
    さな幅寸法を有することを特徴とする仕口耐震補強金
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の仕口耐震補強金物であ
    って、前記傾斜板部は前記係合板部とほぼ同じ幅寸法を
    有し、且つ係合面板のボルト・釘打ち込み部に対応して
    切欠き開口を有することを特徴とする仕口耐震補強金
    物。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の仕口耐震補強金物であ
    って、前記係合板部と前記側板部と前記傾斜板部とで囲
    まれた空間に前記傾斜板部から突出しないように設けら
    れた補助リブを有することを特徴とする仕口耐震補強金
    物。
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