JPH093180A - 柔軟化されたポリエステル樹脂の製造方法 - Google Patents

柔軟化されたポリエステル樹脂の製造方法

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JPH093180A
JPH093180A JP9272896A JP9272896A JPH093180A JP H093180 A JPH093180 A JP H093180A JP 9272896 A JP9272896 A JP 9272896A JP 9272896 A JP9272896 A JP 9272896A JP H093180 A JPH093180 A JP H093180A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可塑剤のブリードアウトが少なく、柔軟性を
有し、透明な軟質塩化ビニルに代わる柔軟化されたポリ
エステル樹脂の製造方法を提供することである。 【解決手段】 本発明は、芳香族ポリエステル単位と数
平均分子量10000〜100000の脂肪族ポリエス
テル単位とを溶融反応させることを特徴とする柔軟化さ
れたポリエステル樹脂の製造方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟化されたポリ
エステル樹脂の製造方法に関する。柔軟化されたポリエ
ステル樹脂は、軟質塩化ビニル樹脂に代わる透明性の高
い軟質材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリエステルの代表例であるポリ
エチレンテレフタレート(PET)は、良好な機械強
度、熱的特性、湿度特性、透明性、その他の多くの優れ
た特性から、繊維、成形材料、包装材料、磁気記録材料
などの幅広い分野で使用されているが、柔軟性が乏しい
ため、ラッピング用フィルムなどには用いられておら
ず、透明性の高い軟質材料としては軟質塩化ビニルなど
が主として使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、軟質塩化ビニ
ルでは、経時的な可塑剤のブリードアウトが起こり人体
に害を与える等問題点を有していた。さらに、焼却処理
では環境問題を有しており軟質塩化ビニルにかわる透明
性の高い軟質材料として、柔軟化ポリエステル樹脂が期
待されていた。
【0004】これらを解決する手段として脂肪族ポリエ
ステル成分と芳香族ポリエステル成分から成るブロック
コポリエステルが提案されてきたが、脂肪族ポリエステ
ルの数平均分子量が低いため成型の際の加熱で起こるラ
ンダム化反応による物性低下が著しかった。
【0005】そこで、本発明の目的は、これらの従来技
術の欠点を解消せしめ、可塑剤のブリードアウトが少な
く、柔軟性を有し、透明な軟質塩化ビニルに代わる柔軟
化されたポリエステル樹脂の製造方法を提供することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、芳香族ポ
リエステルと特定の脂肪族ポリエステルとを溶融反応さ
せることにより上記目的を達成できることを見出し、本
発明に到達した。すなわち、本発明は、芳香族ポリエス
テルと数平均分子量10000〜1000000の脂肪
族ポリエステルとを溶融反応させることを特徴とする柔
軟化されたポリエステル樹脂の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いる芳香族ポリエステ
ルは、主としてテレフタル酸と炭素数2以上のグリコー
ルを用いて、公知の方法により得ることができる。テレ
フタル酸以外の多塩基酸としては、例えばイソフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタ
レンジカルボン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェノキ
シエタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸などが挙げられ、
これらを小割合共重合したものであっても良い。炭素数
2以上のグリコールとしては、例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、1,4ーブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、デカメチレングリコール等が挙げられる。これら
のうちで、得られる芳香族ポリエステルの融点、経済性
を考慮するとテレフタル酸とエチレングリコール、テレ
フタル酸と1,4ーブタンジオールの組合せが好まし
い。
【0008】上記如き芳香族ポリエステルは、更に二無
水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ルの如き三官能以上の多官能化合物の一種以上を、必要
により少量共重合したポリエステルであっても良い。
【0009】本発明に用いる脂肪族ポリエステルの分子
量は数平均で、10000〜100000の範囲である
が、好ましくは25000〜80000、更に好ましく
は40000〜70000である。脂肪族ポリエステル
と芳香族ポリエステルのランダム化反応による物性低下
を防ぐためには脂肪族ポリエステルの数平均分子量が少
なくとも10000以上必要である。これよりも低くな
るとランダム化による物性低下が著しくなる。鎖延長剤
と反応させて高分子量化することも可能であるが、工程
が多段階になったり、使用した鎖延長剤がフィルムのフ
ィッシュアイの原因になったりして工業的に不利であ
る。熱的な劣化や強度などを考慮すると脂肪族ポリエス
テルの数平均分子量は25000以上が好ましく、40
000以上が更に好ましい。また、数平均分子量を10
0000以上にするには反応に長時間要し、工業的に不
利である。長時間反応することで分解等により生成する
揮発分が多くなるので、数平均分子量は100000以
下であり、80000以下が好ましく、70000以下
が更に好ましい。
【0010】本発明に用いる脂肪族ポリエステルを得る
には、 (i)多塩基酸(あるいはそのエステル)とグリコール
を重縮合する方法 (ii)環状酸無水物と環状エーテルを開環重合する方
法 等が挙げられる。
【0011】(i)の方法で用いられる多塩基酸として
は、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシ
ン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、オクタデカ
ンジカルボン酸、ダイマー酸あるいはそれらのエステル
等が挙げられ、グリコールとしては、例えばエチレング
リコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジ
オール、1,4ーブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、デカメチレングリコール等が挙げられる。ま
た、グリコール成分の一部としてポリオキシアルキレン
グリコールを使用することも可能であり、例えばポリオ
キシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコ
ール、ポリオキシテトラメチレングリコールおよびこれ
らの共重合体が例示される。
【0012】脂肪族ポリエステルの製造に際しては多塩
基酸(あるいはそのエステル)成分およびグリコール成
分の全量を初期混合し反応させてもよく、または反応の
進行にともなって分割して添加してもさしつかえない。
重縮合反応としては通常のエステル交換法またはエステ
ル化法さらには両方の併用によっても可能であり、また
必要により反応容器内を加圧または減圧にすることによ
り重合度を上げることができる。エステル交換反応には
通常、少量の触媒を用いる必要がある。触媒としては、
通常用いられているものであれば特に制限はないが、T
i、Ge、Zn、Fe、Mn、Co、Zr、Hf、V、
Ir、La、Ce、Li、Ca、Mg、Sn、Ba、N
i等の有機金属化合物、有機酸塩、金属アルコキシド、
金属酸化物、金属水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、硫酸
塩、硝酸塩、塩化物が挙げられる。触媒の使用量は、通
常得られる脂肪族ポリエステル100重量部に対して、
0.001〜5重量部であり、このましくは0.01か
ら0.5重量部である。
【0013】以上の(i)の方法により、前記多塩基酸
(あるいはそのエステル)と前記グリコールとからなる
構造単位を有する脂肪族ポリエステルが得られる。これ
らのうちで、得られる脂肪族ポリエステルの融点、ガラ
ス転移点、経済性を考慮すると、コハク酸と炭素数2以
上の前記グリコールとからなる構造単位を有する脂肪族
ポリエステルが好ましく、コハク酸とエチレングリコー
ルとからなる構造単位、及び/またはコハク酸と1,4
ーブタンジオールとからなる構造単位を有する脂肪族ポ
リエステルがさらに好ましい。
【0014】(ii)の方法で用いられる環状酸無水物
としては、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水
イタコン酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水シ
トラコン酸、等が挙げられる。環状エーテルとしては、
例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、シクロ
ヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロロヒド
リン、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジル
エーテル、テトラヒドロフラン、オキセパン、1,3−
ジオキソランなどが挙げられる。開環重合は公知の開環
重合触媒を用い、溶媒中での重合や塊状重合等の方法に
より行うことができる。
【0015】以上の(ii)の方法により、前記環状酸
無水物と前記環状エーテルとからなる構造単位を有する
脂肪族ポリエステルが得られる。これらのうちで、得ら
れる脂肪族ポリエステルの融点、ガラス転移点、経済性
を考慮すると、無水コハク酸と前記環状エーテルとから
なる構造単位を有する脂肪族ポリエステルが好ましく、
無水コハク酸とエチレンオキシドとからなる構造単位を
有する脂肪族ポリエステルがさらに好ましい。
【0016】このような脂肪族ポリエステルを得る方法
のなかで、比較的短い時間で工業的に効率よく製造でき
る方法としては、(ii)の環状酸無水物と環状エーテ
ルを開環重合する方法がより好ましい。
【0017】以下に、(ii)の環状酸無水物と環状エ
ーテルの開環重合についてさらに詳しく説明する。
【0018】(ii)の方法に用いられる無水コハク酸
等の環状酸無水物は、これまで単独重合しないことが知
られていた。このような単独重合しない環状酸無水物に
対し、重合触媒の存在下に環状エーテルを逐次的に添加
して重合させることによって、実質的に酸成分とアルコ
ール成分が交互共重合したポリエステルが短時間で生成
させ得る。
【0019】該重合は溶媒中での重合や塊状重合等の方
法により行うことができる。溶媒中での重合では環状酸
無水物は溶媒に溶解させて用い、塊状重合では環状酸無
水物を溶融させてから本発明に用いる。
【0020】溶媒中での重合は、回分式でも連続式でも
行うことができ、その際使用される溶媒としては、例え
ばベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n
−ヘキサン、ジオキサン、クロロホルム、ジクロロエタ
ンなどの不活性溶媒をあげることができる。
【0021】重合触媒としては、特に限定はなく、通常
ポリエステルを開環重合する際に使用するものを用い
る。例えばテトラメトキシジルコニウム、テトラエトキ
シジルコニウム、テトラ−iso−プロポキシジルコニ
ウム、テトラ−iso−ブトキシジルコニウム、テトラ
−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−t−ブトキシジ
ルコニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プ
ロポキシアルミニウム、トリ−iso−プロポキシアル
ミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−i
so−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシ
アルミニウム、モノ−sec−ブトキシ−ジ−iso−
プロポキシアルミニウム、エチルアセトアセテートアル
ミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エ
チルアセトアセテート)、テトラエトキシチタン、テト
ラ−iso−プロポキシチタン、テトラ−n−プロポキ
シチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−se
c−ブトキシチタン、テトラ−t−ブトキシチタン、ト
リ−iso−プロポキシガリウム、トリ−iso−プロ
ポキシアンチモン、トリ−iso−ブトキシアンチモ
ン、トリメトキシボロン、トリエトキシボロン、トリ−
iso−プロポキシボロン、トリ−n−プロポキシボロ
ン、トリ−iso−ブトキシボロン、トリ−n−ブトキ
シボロン、トリ−sec−ブトキシボロン、トリ−t−
ブトキシボロン、トリ−iso−プロポキシガリウム、
テトラメトキシゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニ
ウム、テトラ−iso−プロポキシゲルマニウム、テト
ラ−n−プロポキシゲルマニウム、テトラ−iso−ブ
トキシゲルマニウム、テトラ−n−ブトキシゲルマニウ
ム、テトラ−sec−ブトキシゲルマニウム、テトラ−
t−ブトキシゲルマニウムなどの金属アルコキド;五塩
化アンチモン、塩化亜鉛、臭化リチウム、塩化すず(I
V)、塩化カドミウム、三フッ化ホウ素ジエチルエーテ
ルなどのハロゲン化物;トリメチルアルミニウム、トリ
エチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライ
ド、エチルアルミニウムジクロライド、トリ−iso−
ブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウム;ジメ
チル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛などのア
ルキル亜鉛;トリアリルアミン、トリエチルアミン、ト
リ−n−オクチルアミン、ベンジルジメチルアミンなど
の三級アミン;リンタングステン酸、リンモリブデン
酸、ケイタングステン酸などのヘテロポリ酸およびその
アルカリ金属塩;酸塩化ジルコニウム、オクチル酸ジル
コニール、ステアリン酸ジルコニール、硝酸ジルコニー
ルなどのジルコニウム化合物等が挙げられ、中でもオク
チル酸ジルコニール、テトラアルコキシジルコニウム、
トリアルコキシアルミニウム化合物が特に好ましい。重
合触媒の使用量には特に制限はないが、通常環状酸無水
物および環状エーテルの合計量に対して0.001〜1
0重量%である。重合触媒の添加方法は環状酸無水物に
添加しておいてもよく、環状エーテルのように逐次添加
してもよい。
【0022】重合温度は、環状酸無水物と環状エーテル
が反応する温度であれば特に制限はないが、10〜25
0℃、好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは1
00〜150℃である。反応に際して、反応容器内の圧
力は反応温度および溶媒の有無や溶媒の種類によって異
なるが、環状エーテルの逐次的な添加による圧力の上昇
に伴う未反応環状エーテルの増加は、反応生成物中のポ
リエーテル成分を増やすことになり好ましくない。した
がって、反応容器内の圧力は常圧〜50kgf/cm 2 が好ま
しく、より好ましくは常圧〜15kgf/cm2 となるように
環状エーテルを添加する。
【0023】環状エーテルの逐次添加は、環状酸無水物
100重量部に対し1時間あたり環状エーテルを3〜9
0重量部が好ましく、より好ましくは5〜50重量部の
割合で行なう。
【0024】環状エーテルの添加速度が下限の3重量部
より遅い場合には、反応が長時間となり生産性が低下す
るなど工業的に好ましくない。また、上限の90重量部
より速い場合には、反応生成物中のポリエーテル成分が
増加して融点の低いポリエステルしか得られなくなる。
【0025】なお、環状エーテルの逐次添加とは、環状
エーテルを一括して添加しないことであり、連続的に滴
下する方法や多段階に分割して断続的に添加する方法の
いずれでもよい。好ましくは添加量が経時的に大きく変
動しないように連続的に添加するのがよい。
【0026】以上の(ii)の方法の好ましい実施態様
としては、具体的には、溶融あるいは溶媒中に溶解させ
た無水コハク酸を主成分とする環状酸無水物を仕込んだ
反応容器に、重合触媒の存在下で反応容器内の圧力を0
kgf/cm2〜50kgf/cm2 に維持しながら、環状酸無水物
100重量部に対し1時間あたり3〜90重量部の割合
で酸化エチレンを主成分とする環状エーテルを逐次的に
添加することが挙げられ、こうして得られた開環共重合
体の脂肪族ポリエステルを用いることが好ましいもので
ある。
【0027】(ii)の方法における環状酸無水物およ
び環状エーテルの反応比率は、これらのモル比で40/
60〜60/40の比率となるようにするのが好まし
く、残存環状酸無水物および脂肪族ポリエステルの末端
カルボキシル基がポリエステルの物性を低下させること
を考慮すると環状エーテルを過剰に添加するために40
/60〜49/51の比率となるようにするのがさらに
好ましい。このようにすることにより、脂肪族ポリエス
テルの末端カルボキシル基の50%未満がカルボキシル
基となり、耐熱性が向上する。この比率の範囲をはずれ
ると、未反応モノマーが増大して収率が低下することが
ある。本発明で前記モル比を考慮して決定した所定量の
環状エーテルを逐次添加し終わった後、前記反応温度で
重合を継続して熟成するのが好ましい。熟成反応後に重
合系から生成したポリエステルを分離すればよい。
【0028】(i)、(ii)の方法によって得られた
脂肪族ポリエステルも数平均分子量が10000よりも
低い場合、さらにエステル交換反応で高分子量化しても
良いし、種々の鎖延長剤と反応させて高分子量化しても
良い。
【0029】鎖延長剤としては、イソシアナート、エポ
キシ、アジリジン、オキサゾリン、多価金属化合物、多
官能酸無水物、リン酸エステル、亜リン酸エステル等が
挙げられ、一種、または二種以上を組み合わせてもよ
い。
【0030】イソシアナート化合物としては特に制限は
ないが、一分子中にイソシアナート基を二個以上有する
ものであり、例えば、トリレンジイソシアナート(「T
DI」とも言う)、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアナート(「MDI」とも言う)、ヘキサメチレンジ
イソシアナート、キシリレンジイソシアナート、メタキ
シリレンジイソシアナート、1,5−ナフタレンジイソ
シアナート、水素化ジフェニルメタンジイソシアナー
ト、水素化トリレンジイソシアナート、水素化キシリレ
ンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート等の
イソシアナート化合物;スミジュールN(住友バイエル
ウレタン社製)の如きビュレットポリイソシアナート化
合物;デスモジュールIL、HL(バイエルA.G.社
製)、コロネートEH(日本ポリウレタン工業(株)
製)の如きイソシアヌレート環を有するポリイソシアナ
ート化合物;スミジュールL(住友バイエルウレタン
(株)社製)の如きアダクトポリイソシアナート化合
物、コロネートHL(日本ポリウレタン社製)の如きア
ダクトポリイソシアナート化合物等を挙げることができ
る。これらは、単独で使用し得るほか、2種以上を併用
することもできる。また、ブロックイソシアナートを使
用しても構わない。
【0031】脂肪族ポリエステルとイソシアナート化合
物との反応比率は特に限定されないが、例えば、イソシ
アナート化合物が有するイソシアナート基と脂肪族ポリ
エステルが有する水酸基との比率(NCO/OH(モル
比))が0.5〜3.0であることが好ましく、0.8
〜1.5であることがより好ましい。
【0032】なお、脂肪族ポリエステルとイソシアネー
ト化合物とのウレタン化反応を促進するために、必要に
応じて、有機スズ化合物や第3級アミン等の公知の触媒
を用いることは自由である。
【0033】エポキシ化合物としては特に制限はない
が、分子中に少なくとも二個エポキシ基を有するもので
あり、例えば、(ポリ)エチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネオペ
ンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキ
サンジオールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリ
シジルエステル、ο−フタル酸ジグリシジルエステル、
テレフタル酸ジグリシジルエステル、ハイドロキノンジ
グリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエ
ーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、ソルビト
ールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジ
ルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテ
ル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジ
グリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジル
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グ
リセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプ
ロパンポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0034】エポキシ化合物との反応は、まず環状酸無
水物と環状エーテルを開環重合させ、得られた脂肪族ポ
リエステルとエポキシ化合物を反応させる方法あるいは
環状酸無水物と環状エーテルとエポキシ化合物を同時に
開環反応させる方法あるいは環状酸無水物と環状エーテ
ルとエポキシ化合物を同時に開環反応させ、さらにエポ
キシ化合物を反応させる方法がある。
【0035】なお、脂肪族ポリエステルとエポキシ化合
物との反応を促進するために、必要に応じて、3級アミ
ン、4級アンモニウム塩、イミダゾール化合物等の公知
の触媒を用いることは自由である。
【0036】アジリジン化合物としては特に制限はない
が、例えば2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノール
−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネー
ト]、エチレングリコール−ビス[3−(1−アジリジ
ニル)プロピオネート]、ポリエチレングリコール−ビ
ス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、プロ
ピレングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プ
ロピオネート]、ポリプロピレングリコール−ビス[3
−(1−アジリジニル)プロピオネート]、テトラメチ
レングリコール−ビス[3−(1−アジリジニル)プロ
ピオネート]、ポリテトラメチレングリコール−ビス
[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、N,
N’−テトラメチレンビスエチレン尿素、N,N’−ペ
ンタメチレンビスエチレン尿素、N,N’−ヘキサメチ
レンビスエチレン尿素、N,N’−ヘプタメチレンビス
エチレン尿素、N,N’−オクタメチレンビスエチレン
尿素、N,N’−フェニレンビスエチレン尿素、N,
N’−トルイレンビスエチレン尿素、N,N’−ジフェ
ニル−4,4’−ビスエチレン尿素、3,3’−ジメチ
ルジフェニル4,4’−ビスエチレン尿素、3,3’−
ジメトキシジフェニル4,4’−ビスエチレン尿素、ジ
フェニルメタンP,P−ビスエチレン尿素等が挙げられ
る。これらの一種または二種以上を用いることができ
る。
【0037】アジリジン化合物の使用量は脂肪族ポリエ
ステルに対して0.001〜10重量%であり、より好
ましくは0.01〜5重量%である。
【0038】オキサゾリン化合物としては特に制限はな
いが、例えば、2−オキサゾリン、2−メチル−2−オ
キサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−イソ
プロピル−2−オキサゾリン、2−ブチル−2−オキサ
ゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2,2’−
ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−メチレン−ビ
ス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス
−(2−オキサゾリン)、2,2’−トリメチレン−ビ
ス−(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレン
−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチ
レン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタ
メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エ
チレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリ
ン)、2,2’−p−フェニレン−ビス−(2−オキサ
ゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オ
キサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−
(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス−
(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビ
ス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド等
が挙げられる。これらの中から一種または二種以上を用
いることができる。さらに好ましくは2,2’−m−フ
ェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、ビス−(2−
オキサゾリニルノルボルナン)スルフィドである。
【0039】脂肪族ポリエステルとオキサゾリン化合物
との反応比率は特に限定されないが、例えば、オキサゾ
リン化合物が有する2−オキサゾリン基(Ox)と脂肪
族ポリエステルが有するカルボキシル基(COOH)と
の比率(Ox/COOH(モル比))が0.5〜10.
0であることが好ましく、0.8〜5.0であることが
より好ましい。
【0040】なお、脂肪族ポリエステルとオキサゾリン
化合物との反応を促進するために、必要に応じて、酸性
化合物のアミン塩等の公知の触媒を用いることは自由で
ある。
【0041】多価金属化合物としては特に制限はない
が、2価以上の有機金属化合物、金属塩および/または
金属アルコキシドなどが挙げられる。
【0042】2価以上の有機金属化合物および/または
金属塩の好ましい金属としては、亜鉛、カルシウム、
銅、鉄、マグネシウム、コバルト、バリウムなどが挙げ
られる。さらに好ましくは中和後、反応系中から多価金
属化合物の対アニオンを揮発分として分離・回収できる
亜鉛(II)アセチルアセトネート、酢酸亜鉛、蟻酸亜
鉛、プロピオン酸亜鉛、炭酸亜鉛などが挙げられる。
【0043】金属アルコキシドとしてはアルミニウムイ
ソプロポキシド、モノ−sec−ブトキシアルミニウム
ジイソプロピレート、アルミニウムエチレート、テトラ
イソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、
テトラ(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラス
テアリルオキシチタンなどが挙げられる。
【0044】脂肪族ポリエステルと多価金属化合物との
反応比率は特に限定されないが、脂肪族ポリエステル末
端のカルボキシル基と2価以上の有機金属化合物および
/または金属塩との中和反応の場合、例えば、金属化合
物とポリエステルが有するカルボキシル基との比率(金
属化合物/COOH(モル比))が0.1〜2.0であ
ることが好ましく、0.2〜1.2であることがより好
ましい。
【0045】脂肪族ポリエステル末端の水酸基と金属ア
ルコキシドとの反応の場合、例えば、金属化合物と脂肪
族ポリエステルが有する水酸基との比率(金属化合物/
OH(モル比))が0.1〜2.0であることが好まし
く、0.2〜1.2であることがより好ましい。
【0046】多官能酸無水物としては特に制限はない
が、例えば、二無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、ブタン−1,2,3,4−テ
トラカルボン酸二無水物、無水マレイン酸単独重合体、
無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸
−エチレン共重合体、無水マレイン酸−イソブチレン共
重合体、無水マレイン酸−イソブチルビニルエーテル共
重合体、無水マレイン酸−アクリロニトリル共重合体、
無水マレイン酸−スチレン共重合体などが挙げられる。
【0047】多官能酸無水物との反応は、まず環状酸無
水物と環状エーテルを開環重合させ、得られた脂肪族ポ
リエステルと多官能酸無水物を反応させる方法あるいは
環状酸無水物と環状エーテルと多官能酸無水物を同時に
開環反応させる方法あるいは環状酸無水物と環状エーテ
ルと多官能酸無水物を同時に開環反応させ、さらに多官
能酸無水物を反応させる方法がある。
【0048】多官能酸無水物の使用量は脂肪族ポリエス
テルに対して0.001〜10重量%であり、より好ま
しくは0.01〜5重量%である。
【0049】リン酸エステルまたは亜リン酸エステルと
しては特に制限はないが、ジエステル、トリエステルい
ずれでもよくエステル基としては例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、フェニル、2−エチルヘキシル
などが挙げられるが反応性、経済性を考慮するとメチ
ル、エチル、フェニルが好ましい。
【0050】リン酸エステルまたは亜リン酸エステルの
使用量は脂肪族ポリエステルに対して0.001〜10
重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%であ
る。
【0051】鎖延長剤と脂肪族ポリエステルの反応温度
は20〜250℃が好ましく、より好ましくは100〜
200℃である。
【0052】鎖延長剤と脂肪族ポリエステルとの反応方
法は特に制限はないが、脂肪族ポリエステルを適当な溶
媒に溶かして鎖延長剤と反応させる方法、脂肪族ポリエ
ステルを加熱溶融させて鎖延長剤と反応させる方法など
が挙げられる。
【0053】このようにして得られた芳香族ポリエステ
ルと脂肪族ポリエステルを溶融反応させることにより本
発明の柔軟化ポリエステル樹脂組成物が得られる。
【0054】溶融反応としては、エステル交換反応、種
々の鎖延長剤との反応が挙げられる。溶融反応は反応せ
しめる芳香族ポリエステルの種類、脂肪族ポリエステル
の種類、その末端基の濃度、鎖延長剤の種類、反応系内
の水分率等種々の条件により異なるが一般的には、窒素
気流中、150℃以上、好ましくは200℃以上、更に
好ましくは250℃以上、加圧または減圧または常圧下
の何れかで行われる。
【0055】鎖延長剤としては、前記のイソシアナー
ト、エポキシ、アジリジン、オキサゾリン、多価金属化
合物、多官能酸無水物、リン酸エステル、亜リン酸エス
テル等が挙げられ、一種、または二種以上を組み合わせ
てもよい。
【0056】脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエステル
の反応比率は特に制限はないが、脂肪族ポリエステルと
芳香族ポリエステルの重量比で5/95〜95/5とな
るようにするのが好ましい。脂肪族ポリエステルがこの
範囲より少ないと柔軟化の効果が少なくなり好ましくな
い。またこの範囲より多いと融点が低くなり好ましくな
い。
【0057】本発明で言う柔軟化とは、脂肪族ポリエス
テルと芳香族ポリエステルの反応によって得られたポリ
エステル樹脂を260℃、150kgf/cm2、2分間の条
件で圧縮成形機により厚さ200ミクロンのフィルムを
作成し、ASTM−D882−90(A法)に準じて引
張弾性率を測定したときの値が10〜20000kgf/cm
2、好ましくは100〜10000kgf/cm2であること言
う。引張弾性率が10kgf/cm2未満の場合、適度な腰が
なくなり取り扱いにくい。引張弾性率が20000kgf/
cm2を超える場合、柔軟性がなくなり包装材料としての
特徴がなくなる。
【0058】脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエステル
のランダム化反応の抑制・防止にリン系化合物、硫黄エ
ステル系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ヒン
ダードアミン系化合物を必要により添加することができ
る。
【0059】このようにして得られた柔軟化されたポリ
エステル樹脂に、必要に応じて他の成分、例えば結晶核
剤、顔料、染料、耐熱剤、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、
帯電防止剤、安定剤、充填剤、強化材、難燃剤、可塑
剤、他の重合体を本発明の効果を損なわない範囲で添加
することができる。
【0060】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらにより限定されるものでは
ない。なお、例中の部は重量部を表わす。実施例で実施
した評価方法は以下の通りである。結果をまとめて、表
1および表2に示した。
【0061】(分子量)ゲルパーミエーションクロマト
グラフを用いてポリスチレン換算の数平均分子量を測定
した。
【0062】(融点)DSC(セイコー電子工業社製S
SC5200型)を用いて、サンプル20mgを窒素気
流下で280℃、5分間溶融保持し、ついで液体窒素で
急冷した。このサンプルを6℃/分の速度で昇温する過
程で結晶溶融に基づく吸熱ピーク温度を融点とした。
【0063】(引張試験)260℃、150kgf/cm2
2分間の条件で圧縮成形機により厚さ200ミクロンの
フィルムを作成し、ASTM−D882−90(A法)
に準じて破断強度、破断伸度、引張弾性率を測定した。
【0064】(実施例1)オートクレーブに無水コハク
酸500.0部およびオクチル酸ジルコニール4.90
部を加え、窒素置換を行った。次いで撹拌下にオートク
レーブを徐々に130℃まで昇温して無水コハク酸を溶
融し、同温度でオートクレーブ内の圧力を4.0〜8.
5kgf/cm2 に維持しながら、酸化エチレン231.1部
を1時間あたり58部の添加速度で4.0時間にわたっ
て連続的に導入した。酸化エチレン導入後130℃で
1.0時間熟成反応を行ってから系を常温にもどすこと
により、重合生成物を得た。得られた重合生成物をクロ
ロホルムに溶解させてテトラヒドロフラン中で沈澱精製
する操作を3回繰り返して脂肪族ポリエステル(1)を
得た。この脂肪族ポリエステル(1)の収率を求めたと
ころ99.2%であった。また、GPC測定による数平
均分子量は13500、DSCによる融点は101.2
℃であった。
【0065】得られた脂肪族ポリエステル(1)25.
0部とポリエチレンテレフタレート(鐘紡(株)製ベル
ペットEFG−7)75.0部をフラスコに仕込み、窒
素気流中、0.1〜0.2mmHgの減圧下、280℃
の条件で1.0時間反応させ、柔軟化されたポリエステ
ル樹脂(1)を得た。
【0066】(実施例2)実施例1で得られた脂肪族ポ
リエステル(1)85.6部とポリエチレンテレフタレ
ート(鐘紡(株)製ベルペットEFG−7)85.6部
をフラスコに仕込み、窒素気流中、0.1〜0.2mm
Hgの減圧下、280℃の条件で1.0時間反応させ、
柔軟化されたポリエステル樹脂(2)を得た。
【0067】(実施例3)実施例1で得られた脂肪族ポ
リエステル(1)12.0部を温度計、攪拌装置、窒素
導入管を付した50ミリリットルのセパラブルフラスコ
に加え、窒素置換を3回おこなった後、窒素気流中、ド
ライアイス−メタノールに浸したトラップを備えた真空
ポンプで0.9〜1.1mmHgの減圧下、温度240
℃の条件で2.5時間反応させ、脂肪族ポリエステル
(2)を得た。GPC測定による数平均分子量は520
00、DSC測定による融点は、102.2℃であっ
た。
【0068】得られた脂肪族ポリエステル(2)25.
0部とポリエチレンテレフタレート(鐘紡(株)製ベル
ペットEFG−7)75.0部をフラスコに仕込み、窒
素気流中、0.1〜0.2mmHgの減圧下、280℃
の条件で1.0時間反応させ、柔軟化されたポリエステ
ル樹脂(3)を得た。
【0069】(実施例4)実施例3で得られた脂肪族ポ
リエステル(2)40.0部とポリエチレンテレフタレ
ート(鐘紡(株)製ベルペットEFG−7)60.0部
をフラスコに仕込み、窒素気流中、0.1〜0.2mm
Hgの減圧下、280℃の条件で1.5時間反応させ、
柔軟化されたポリエステル樹脂(4)を得た。
【0070】(比較例1)温度計、攪拌機、窒素導入管
および分流冷却器を備えた容量200ミリリットルのセ
パラブルフラスコに無水コハク酸60.06部、エチレ
ングリコール37.24部およびオクチル酸ジルコニー
ル0.36部を加え、窒素置換を行った。次に106〜
170℃、3.5時間反応させ、重合生成物を得た。G
PC測定による数平均分子量は2100であった。
【0071】得られた重合生成物25.0部とポリエチ
レンテレフタレート(鐘紡(株)製ベルペットEFG−
7)75.0部をフラスコに仕込み、窒素気流中、0.
1〜0.2mmHgの減圧下、280℃の条件で1.0
時間反応させ、ポリエステル樹脂(1’)を得た。
【0072】(比較例2)ポリエチレンテレフタレート
(鐘紡(株)製ベルペットEFG−7)を用い、本発明
の柔軟化されたポリエステル樹脂(1)〜(3)と物性
を比較した。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、脂肪族ポリエステル成
分と芳香族ポリエステル成分とからなるブロックコポリ
エステルの成型の際の加熱で起こるランダム化反応によ
る物性低下がなく、可塑剤のブリードアウトが少なく、
柔軟性を有し、透明な軟質塩化ビニルに代わる柔軟化さ
れたポリエステル樹脂が効率良く製造できる。該樹脂
は、包装材料や日用雑貨品等に有効に使用できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリエステルと数平均分子量10
    000〜100000の脂肪族ポリエステルとを溶融反
    応させることを特徴とする柔軟化されたポリエステル樹
    脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記脂肪族ポリエステルが、主としてコ
    ハク酸またはその酸無水物と、炭素数2以上のグリコー
    ルまたはその環状エーテルとから成る構造単位を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の柔軟化されたポリエス
    テル樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記脂肪族ポリエステルが、溶融あるい
    は溶媒中に溶解させた無水コハク酸を主成分とする環状
    酸無水物を仕込んだ反応容器に、重合触媒の存在下で反
    応容器内の圧力を0 kgf/cm2〜50kgf/cm2 に維持しな
    がら、環状酸無水物100重量部に対し1時間あたり3
    〜90重量部の割合で酸化エチレンを主成分とする環状
    エーテルを逐次的に添加して得られた開環共重合体であ
    る請求項1または2に記載の柔軟化されたポリエステル
    樹脂の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006104062A1 (ja) * 2005-03-28 2006-10-05 Shima Seiki Manufacturing Limited 編地の編成方法

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