JPH09317814A - 電子制御エンジンマウント - Google Patents

電子制御エンジンマウント

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JPH09317814A
JPH09317814A JP13247896A JP13247896A JPH09317814A JP H09317814 A JPH09317814 A JP H09317814A JP 13247896 A JP13247896 A JP 13247896A JP 13247896 A JP13247896 A JP 13247896A JP H09317814 A JPH09317814 A JP H09317814A
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engine
engine mount
vibration
mount
control signal
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Application number
JP13247896A
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English (en)
Inventor
Kiyoshige Honda
清成 本田
Akira Shibata
晃 柴田
Yoshito Hayashi
義人 林
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン振動を減衰するエンジンマウントの
振動伝達特性を得ること。 【解決手段】 回転角センサ7からの回転角信号Ne 、
基準位置センサ8からの基準位置信号G2 、水温センサ
9からの冷却水温信号THWがECU(電子制御ユニッ
ト)20に入力される。そして、ECU20ではエンジ
ン10の冷却水の冷却水温状態に関連して予め格納され
ている複数のマップからそのときの冷却水温及びエンジ
ン回転速度に応じたマップが選択されて最適な位相角と
電圧とを有する駆動電圧Vpが求められ、車体1とエン
ジン10との間に配設されたエンジンマウント4のアク
チュエータに出力される。これにより、エンジンマウン
ト4はエンジン10の温度状態が変化したときにもその
ときのエンジン振動を適切に減衰させる所望の振動伝達
特性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンと車体と
の間に配設され、エンジンからの振動状態に応じて振動
伝達特性を任意に変更可能な電子制御エンジンマウント
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子制御エンジンマウントに関連
する先行技術文献としては、特開平7−42783号公
報にて開示されたものが知られている。このものでは、
電子制御エンジンマウントの制御法としてマップ制御、
つまり、エンジンの負荷に応じて異なるマップを選択し
てエンジン振動を減衰させる技術が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、車室内への
エンジン振動を遮断するための最適な位相と電圧とは、
エンジンの負荷の他にエンジンの温度状態(冷却水温や
潤滑油温)の高低によっても変動するため、エンジンの
負荷に応じたマップのみでは十分な効果を得ることは無
理であった。
【0004】そこで、この発明はかかる不具合を解決す
るためになされたもので、エンジンの負荷に加えてエン
ジンの温度状態を検出し、それらに合致するマップを選
択することでエンジン振動に応じて振動伝達特性を的確
に変更できる電子制御エンジンマウントの提供を課題と
している。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の電子制御エン
ジンマウントによれば、制御信号演算手段にてエンジン
マウントのアクチュエータを駆動するための制御信号
が、エンジンからの入力振動に加えて温度状態検出手段
によるエンジンの温度状態に基づき算出される。この制
御信号によってエンジンマウントのアクチュエータが駆
動されることでエンジンマウントの振動伝達特性が変更
自在とされる。このため、エンジンの温度状態が変化
し、エンジンマウントの絶対ばね定数、エンジン振動、
振動経路の振動伝達力が変化したとしてもエンジンマウ
ントにて適切な振動伝達特性を得ることができるという
効果が得られる。
【0006】請求項2の電子制御エンジンマウントで
は、予め格納された複数のマップが温度状態検出手段に
よるエンジンの温度状態に基づき切替えられる。このた
め、制御信号演算手段で算出される制御信号によればエ
ンジンマウントの振動伝達特性を適切なものとできると
いう効果が得られる。
【0007】請求項3の電子制御エンジンマウントによ
れば、制御信号演算手段にてエンジンマウントのアクチ
ュエータを駆動するための制御信号が、エンジンからの
入力振動に加えてエンジンマウントの絶対ばね定数の変
化に基づき算出される。この制御信号によってエンジン
マウントのアクチュエータが駆動されることでエンジン
マウントの振動伝達特性が変更自在とされる。このた
め、エンジンマウントの絶対ばね定数が例えば、周囲環
境温度の変化により変化したときにもエンジンマウント
にて適切な振動伝達特性を得ることができるという効果
が得られる。
【0008】請求項4の電子制御エンジンマウントで
は、温度状態検出手段によるエンジンの温度状態に基づ
きエンジンマウントの絶対ばね定数が算出される。この
エンジンマウントの絶対ばね定数を考慮した制御信号に
基づいてアクチュエータを駆動することによりエンジン
マウントの振動伝達特性を適切なものとできるという効
果が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。
【0010】図1は本発明の実施の形態の一実施例にか
かる電子制御エンジンマウントが適用されたエンジン周
辺の構成を示す概略図である。
【0011】図1において、電子制御エンジンマウント
は、車体1のステー1aとエンジン(内燃機関)10の
ステー10aとの間に配設されたエンジンマウント4、
そのエンジンマウント4を制御するECU(Electronic
Control Unit:電子制御ユニット)20、エンジン10
のディストリビュータ6内に配設されその回転速度に関
連した回転角信号Ne を出力する回転角センサ7、クラ
ンク角度の基準位置に関連した基準位置信号G2 を出力
する基準位置センサ8、エンジン10の温度状態として
の冷却水の冷却水温状態に関連した冷却水温信号THW
を出力する水温センサ9から構成されている。なお、回
転角センサ7と基準位置センサ8とはマグネットピック
アップの一種である。そして、回転角センサ7からの回
転角信号Ne 、基準位置センサ8からの基準位置信号G
2 、水温センサ9からの冷却水温信号THWはそれぞれ
ECU20に入力されている。また、ECU20からの
駆動電圧Vpはエンジンマウント4に入力されている。
【0012】次に、上記エンジンマウント4及びその周
辺機器を示す図2の断面図を参照し、その詳細な構成に
ついて説明する。
【0013】図2において、エンジンマウント4は上端
のボルトネジ穴43aをエンジン10側に、下端のボル
トネジ穴61bを車体1側に締結された状態で用いられ
る。エンジンマウント4のアクチュエータ部50を構成
するマウントハウジング51は上方に開口する有底円筒
状をなし、その外周側に折曲された開口縁51a上には
略円盤状のダイヤフラム52、仕切部材53が重合状態
で配設されている。仕切部材53上には、リング状のフ
レーム41、ドーム状のマウントゴム42及び円柱状の
ボス43を相互に結合してなるインシュレータ部40が
配設され、インシュレータ部40のフレーム41には、
ダイヤフラム52、仕切部材53を共締めした状態でマ
ウントハウジング51の開口縁51aが複数のボルト5
4により固定されている。また、仕切部材53は開口縁
51aに複数のビス55により予め固定されている。
【0014】上記構成により、マウントゴム42と仕切
部材53との間に主液室44、仕切部材53とダイヤフ
ラム52との間に副液室56、更に、ダイヤフラム52
とマウントハウジング51との間に大気に開放された空
気室57がそれぞれ形成される。
【0015】インシュレータ部40のフレーム41には
ストッパC45が複数のボルト46により固定されてい
る。また、ボス43にストッパA47、ストッパB48
が位置決めピン49により周方向を決められて重置きさ
れ、図示しないエンジン側取付ボルトによりボルトネジ
穴43aに共締めされる。なお、ストッパA47、スト
ッパB48、ストッパC45は協動してエンジン側の過
大変位を規制するようになっている。
【0016】マウントハウジング51内の底部には第1
の磁性体であるロアヨーク61が複数のビス62及び位
置決めピン63により固定され、そのロアヨーク61の
上面には軸心Lに対応して円筒部61aが形成されてい
る。ロアヨーク61上には円筒部61aの周囲を取囲む
ようにリング状のフェライト磁石64が接着され、その
フェライト磁石64上には同じくリング状の第2の磁性
体であるアッパヨーク65が接着され、アッパヨーク6
5の内周はロアヨーク61の円筒部61aの外周に対し
て所定間隔をおいて相対向している。アッパヨーク65
上にはダンパホルダ66が位置決めされた状態で固定さ
れ、ダンパホルダ66の内周には上下に所定間隔をおい
て不織布製の2枚のダンパ67が張架されて、ボビン6
8aが固定され下方に開口する有底円筒状のスプール6
8を支持している。両ダンパ67は断面蛇腹状をなし、
軸心Lと直交する方向へのスプール68の移動を規制し
つつ、軸心Lに沿う方向への若干の移動を許容してい
る。スプール68のボビン68aの下部外周にはコイル
69が巻回されており、このボビン68aに巻回された
コイル69部分は、ロアヨーク61の円筒部61aの外
周とアッパヨーク65の内周との間に挿入され、ロアヨ
ーク61及びアッパヨーク65のいずれの磁性体に対し
ても所定の間隔を保持している。
【0017】そして、ロアヨーク61、フェライト磁石
64、アッパヨーク65及びスプール68により所謂、
ボイスコイル60が構成され、ロアヨーク61及びアッ
パヨーク65とフェライト磁石64とにより形成された
直流磁場中でコネクタ70を介してスプール68のボビ
ン68aのコイル69に交流電流を流すと、スプール6
8はフレミングの左手の法則に従って軸心Lに沿う方向
に振動する。
【0018】仕切部材53には軸心Lを中心として円形
の連通孔53aが形成され、この連通孔53aを介して
主液室44と副液室56とが連通されている。連通孔5
3a内には上方に開口する有底円筒状をなす可動部材5
8が水平姿勢で配設されている。可動部材58の底部の
平面部とスプール68の上平面部とにダイヤフラム52
の中央部が挟まれてボルト59により結合されている。
したがって、上述したようにコイル69に通電される
と、スプール68と共に可動部材58は連通孔53a内
で軸心Lに沿う方向に振動する。可動部材58の外周と
連通孔53aの内周との間隔は、可動部材58が振動時
に仕切部材53の連通孔53aと接触するのを回避しつ
つ可能な限り狭められている。故に、主液室44及び副
液室56内の非圧縮性流体は、自己の粘性作用により可
動部材58の振動時にその間隔を流入出することが規制
され、動的には仕切部材53の連通孔53aは可動部材
58によりほぼ閉鎖されていると見做すことができる。
【0019】本実施例のエンジンマウント4は、エンジ
ン10の運転状態に応じて、以下に説明する振動伝達特
性可変制御が行われる。エンジン10の振動によりイン
シュレータ部40のマウントゴム42は上下方向に撓
み、主液室44内の非圧縮性流体にはマウントゴム42
の下方への撓みに伴う圧縮方向、上方への撓みに伴う膨
張方向の周期的な振動が印加される。
【0020】ここで、図6を参照してエンジン10の振
動によりエンジンマウント4を介して車体1へ伝達され
る伝達力Fを分析する。
【0021】伝達力Fは、マウントゴム42の上下方向
の撓みによる通常の伝達力F1 、主液室44に発生する
液圧に主液室44の断面積を乗じた液圧力F2 、エンジ
ンマウント4中の可動部材58、スプール68、コイル
69を含む振動部材の振動慣性力F3 の和である。図6
では、エンジン振動が単一周波数成分からなると仮定
し、F1 ,F2 ,F3 の振動力を力の大きさと振動位相
を持つベクトルで表している。F1 ,F2 ,F3 の合成
ベクトルである伝達力Fは液圧ベクトルF2 と慣性力ベ
クトルF3 との和を制御することで所望の大きさと位相
とに合致させることができる。F2 とF3 との和の力は
ボイスコイル60に印加する電圧の大きさとその位相と
により決めることができるので、エンジン振動の伝達力
F、即ち、エンジンマウント4の振動伝達特性はボイス
コイル60に印加する電圧の大きさと位相とを制御する
ことで任意に設定できる。
【0022】エンジンマウント4によって、エンジン1
0から車体1に伝達される振動を低減するためには、エ
ンジンマウント4以外の振動伝達経路(例えば、他のエ
ンジンマウントやオートマチックトランスミッション
等)から伝達される力のベクトル和に対して、伝達力F
を逆位相にすることで打消すことが必要である。この場
合に、エンジン10の温度状態によってエンジンマウン
ト4以外の振動伝達経路から伝達される力も変化する。
【0023】図7はアイドル時におけるエンジン10の
冷却水及び潤滑油の温度〔℃〕の遷移状態を経過時間
〔min(分)〕をパラメータとして示す特性図であ
る。また、図8は本実施例の電子制御エンジンマウント
が適用された車両のステアリングホイール上の振動測定
点Pを示す説明図である。図9は経過時間(分)毎のエ
ンジン回転速度N〔rpm〕に対する振動測定点Pの振
動レベル〔dB(デシベル)〕の大きさを示す特性図で
ある。
【0024】図7及び図9に示すように、エンジン10
の冷却水(潤滑油)の温度の遷移状態と振動レベルの大
きさとには相関関係がある。つまり、エンジン回転速度
Nが同じであっても伝達力Fを発生するのに必要な位相
と電圧が異なり、マップとしては、冷却水温状態がLo
w(冷間時)用とHigh(暖機後)用との少なくとも
2つが必要となるのである。ここで、図10はマップの
切替温度を示す説明図である。なお、図10において
は、Low→High時のマップ切替温度を80℃、H
igh→Low時のマップ切替温度を60℃として切替
温度にヒステリシスを持たせている。
【0025】図3は本実施例にかかる電子制御エンジン
マウントにおける電気的構成を示すブロック図であり、
本実施例の電子制御エンジンマウントが適用された4サ
イクル直列4気筒エンジンにおける各信号波形を示す図
4のタイムチャートを参照して説明する。
【0026】図3において、ECU20は、周知の中央
処理装置としてのCPU21、データバス22、タイマ
23、波形整形IC24、カウンタ25、I/Oポート
26、アナログ入力ポート27、A/D変換回路28、
CPU21の処理データを一時的に格納するRAM3
0、CPU21の制御プログラムを格納するROM3
1、I/Oポート32、アクチュエータ駆動回路33及
び電源回路34から構成されており、キースイッチ35
が投入されるとバッテリ36からの電力が電源回路34
に供給されECU20が起動する。
【0027】そして、回転角センサ7からの回転角信号
Ne 及び基準位置センサ8からの基準位置信号G2 は、
図4(a)に示す波形として波形整形IC24に入力さ
れ、波形整形IC24はそれら回転角信号Ne 及び基準
位置信号G2 を図4(b)に示す矩形波に波形整形した
後、I/Oポート26を介してデータバス22に出力す
る。また、波形整形後の回転角信号Ne はカウンタ25
によりカウントされ、そのカウント値がデータバス22
に出力される。一方、水温センサ9からの冷却水温信号
THWはアナログ入力ポート27からA/D変換回路2
8に入力され、A/D変換後にデータバス22に出力さ
れる。
【0028】CPU21は後述するように、A/D変換
され入力された冷却水温信号THW、エンジン10から
の入力振動としての回転角信号Ne にて算出されるエン
ジン回転速度Nに基づきマップ検索にて位相及び電圧を
演算し、I/Oポート32を介してアクチュエータ駆動
回路33に制御信号Sout を出力する。アクチュエータ
駆動回路33はバッテリ36から電力を供給され、制御
信号Sout に基づき図4(c)に示す略正弦波である駆
動電圧Vpをエンジンマウント4のボイスコイル60に
出力し、そのボイスコイル60が駆動される。上述の構
成により、ECU20の指令に基づきボイスコイル60
が駆動され、エンジンマウント4の振動伝達特性を可変
制御し、エンジン10の振動が車体1に伝達するのを低
減するものである。
【0029】次に、本発明の実施の形態の一実施例にか
かる電子制御エンジンマウントで使用されているECU
20内のCPU21における逆相制御(振動低減制御)
実行の処理手順を示す図5のフローチャートに基づき、
図4の4サイクル直列4気筒エンジンを例とした各信号
波形を示すタイムチャートを参照し、エンジン10から
の振動がエンジンマウント4で低減される過程を説明す
る。なお、このルーチンは所定時間毎に実行される。ま
た、ここでは説明の簡略化のためエンジン振動をエンジ
ン爆発1次振動に限定する。
【0030】そして、後述するように、図10に示すマ
ップ切替温度に応じ、図11(a)〜図11(c)に示
すアイドル回転域においてエンジンマウント4のボイス
コイル60に入力するエンジン回転速度N〔rpm〕と
冷却水温状態Low(冷間時)/High(暖機後)と
に対応する最適な位相角Δθ〔°CA〕及び電圧V0-p
〔V〕を示す制御マップが選択的に用いられる。なお、
この制御マップとしては、図7及び図9で述べたように
エンジン10の冷却水(潤滑油)の温度の遷移状態と振
動レベルの大きさとに相関関係があり、冷却水温状態L
ow/Highで最適な制御値が異なっているため、エ
ンジン回転速度N〔rpm〕に対して冷却水温状態がL
ow(冷間時)/High(暖機後)の2つの場合が用
意されている。
【0031】4サイクル直列4気筒では、クランクシャ
フト2回転(720°CA)で4回の爆発行程、即ち、
180°CA毎に1回の爆発行程が実行されるため、エ
ンジン10の爆発に起因する振動(エンジン爆発1次振
動)は180°CAを1周期とする略正弦波と近似でき
る。この振動がエンジンマウント4を介して車体1側に
伝達されるのである。このため、ECU20はアイドル
運転時には、エンジン10からの振動をエンジンマウン
ト4で低減すべく、逆相制御(振動低減制御)を実行し
てエンジンマウント4の振動伝達特性(動ばね定数及び
減衰係数)を改善する。
【0032】まず、ステップS101で、回転角センサ
7の回転角信号Ne 及び基準位置センサ8の基準位置信
号G2 が波形整形IC34を経て入力されると共に、水
温センサ9の冷却水温信号THWがアナログ入力ポート
27及びA/D変換回路28を経て入力される。次にス
テップS102に移行して、基準位置信号G2 が入力さ
れた直後であるかが判定される。ステップS102の判
定条件が成立しないときには、ステップS101に戻っ
て同様の処理が繰返される。
【0033】そして、ステップS102の判定条件が成
立し、基準位置信号G2 が入力された直後であるときに
はステップS103に移行し、回転角信号Ne より現在
のエンジン回転速度Nが算出される。次にステップS1
04に移行して、図10に示すように、冷却水の温度が
80℃まで到達していなくて冷却水温状態がLowであ
るかが判定される。ステップS104の判定条件が成立
するときには、ROM31に格納された図11(a)〜
図11(c)のマップに基づき冷却水温状態がLow
(冷間時)のときの基準位置信号G2 に対して必要な位
相ズレとしての位相角(ディレイ時間)Δθ及び駆動電
圧Vpの振幅Wが算出される。一方、ステップS104
の判定条件が成立しないときには、ROM31に格納さ
れた図11(a)〜図11(c)のマップに基づき冷却
水温状態がHigh(暖機後)のときの位相角Δθ及び
駆動電圧Vpの振幅Wが算出される。なお、図11
(a),図11(c)で求められる電圧V0-p の2倍が
駆動電圧Vpの振幅Wである。
【0034】ステップS105またはステップS106
の処理が実行され、位相角Δθ及び駆動電圧Vpの振幅
Wが算出されたのちステップS107に移行し、既にR
AM30に格納されているこれらの値Δθ,Wが新たな
算出値に更新される。つまり、位相角Δθ及び駆動電圧
Vpの振幅Wは基準位置信号G2 の入力毎に最適値に更
新されるのである。そして、ステップS108に移行
し、これらの位相角Δθ及び駆動電圧Vpの振幅Wを加
味した上で、この時点での制御信号Sout の値が算出さ
れ、アクチュエータ駆動回路33に出力され、本ルーチ
ンを終了する。
【0035】そして、このようにして作成された制御信
号Sout に基づき、アクチュエータ駆動回路33からエ
ンジンマウント4のボイスコイル60に図4(c)に示
す略正弦波の駆動電圧Vpが出力され、ボイスコイル6
0がエンジン振動に連動して駆動される。
【0036】このように、本実施例の電子制御エンジン
マウントは、エンジン10からの振動が入力される主液
室44の液圧が振動に連動して最適に制御されるので、
エンジンマウント4の振動伝達特性(動ばね定数及び減
衰係数)は最適となり、エンジン振動の伝達を確実に低
減することができる。
【0037】ここで、図8に示すように、エンジン10
と車体との間に本実施例の電子制御エンジンマウントに
おけるエンジンマウント4を配設し、ステアリングホイ
ール上の振動測定点Pにてエンジン振動を測定した。こ
の結果、本実施例の電子制御エンジンマウントを適用す
ることで、図12にエンジン回転速度N〔rpm〕に対
する振動レベル〔dB〕を示すように、エンジン回転速
度Nが約900rpm以下のアイドル回転域(アイドル
時)において、Low(冷間時)では冷間時用マップ、
High(暖機後)では暖機後用マップと適切なマップ
を選択して用いることで制御なしのときに比べて振動低
減効果が得られた。なお、振動レベルをX〔dB〕、振
動加速度をα〔m/s2 〕、重力加速度をg〔m/
2 〕とすると、X=20・Log(α/g)で表され
る。
【0038】このように、本実施例の電子制御エンジン
マウントは、車体1とエンジン10との間に配設され、
アクチュエータとしてのボイスコイル60が駆動される
ことで振動伝達特性を変更自在なエンジンマウント4
と、エンジン10の温度状態を検出する温度状態検出手
段としての水温センサ9と、水温センサ9で検出された
エンジン10の温度状態及びエンジン10からの入力振
動に基づきボイスコイル60の制御信号Vpを算出する
ECU20にて達成される制御信号演算手段とを具備す
るものである。
【0039】したがって、制御信号演算手段としてのE
CU20にてエンジンマウント4のアクチュエータとし
てのボイスコイル60を駆動するための制御信号Vp
が、エンジン10からの入力振動に加えて温度状態検出
手段としての水温センサ9によるエンジン10の温度状
態に基づき算出される。この制御信号Vpによってエン
ジンマウント4のボイスコイル60が駆動されることで
エンジンマウント4の振動伝達特性が変更自在とされ
る。このため、エンジン10の温度状態が変化し、エン
ジンマウント4の絶対ばね定数、エンジン振動、振動伝
達経路の振動伝達力が変化したとしてもエンジンマウン
ト4にて適切な振動伝達特性を得ることができる。
【0040】また、本実施例の電子制御エンジンマウン
トは、ECU20にて達成される制御信号演算手段が、
制御信号Vpの算出に際し、温度状態検出手段としての
水温センサ9で検出されたエンジン10の温度状態に基
づき予め格納された複数のマップを切替えるものであ
る。
【0041】したがって、予め格納された複数のマップ
が温度状態検出手段としての水温センサ9によるエンジ
ン10の温度状態に基づき切替えられる。このため、制
御信号演算手段としてのECU20で算出される制御信
号Vpによればエンジンマウント4の振動伝達特性を適
切なものとできる。
【0042】そして、本実施例の電子制御エンジンマウ
ントは、車体1とエンジン10との間に配設され、アク
チュエータとしてのボイスコイル60が駆動されること
で振動伝達特性を変更自在なエンジンマウント4と、エ
ンジンマウント4の絶対ばね定数の変化及びエンジン1
0からの入力振動に基づきボイスコイル60の制御信号
Vpを算出するECU20にて達成される制御信号演算
手段とを具備するものであるといえる。
【0043】したがって、制御信号演算手段としてのE
CU20にてエンジンマウント4のアクチュエータとし
てのボイスコイル60を駆動するための制御信号Vp
が、エンジン10からの入力振動に加えてエンジンマウ
ント4の絶対ばね定数の変化に基づき算出される。この
制御信号Vpによってエンジンマウント4のボイスコイ
ル60が駆動されることでエンジンマウント4の振動伝
達特性が変更自在とされる。このため、エンジンマウン
ト4の絶対ばね定数が例えば、周囲環境温度の変化によ
り変化したときにもエンジンマウント4にて適切な振動
伝達特性を得ることができる。
【0044】更に、本実施例の電子制御エンジンマウン
トは、エンジン10の温度状態を検出する温度状態検出
手段としての水温センサ9を具備し、水温センサ9で検
出されたエンジン10の温度状態に基づき前記絶対ばね
定数を算出するものである。
【0045】したがって、温度状態検出手段としての水
温センサ9によるエンジン10の温度状態に基づきエン
ジンマウント4の絶対ばね定数が算出される。このよう
に算出されたエンジンマウント4の絶対ばね定数を考慮
した制御信号Vpに基づいてアクチュエータとしてのボ
イスコイル60を駆動することによりエンジンマウント
4の振動伝達特性を適切なものとできる。
【0046】ところで、上記実施例では、エンジンマウ
ント4の周囲温度と相関があるエンジン10の温度状態
としてその冷却水の温度を用いているが、本発明を実施
する場合には、これに限定されるものではなく、経過時
間に対して冷却水の温度と同等な図7の遷移状態を示す
エンジン10の潤滑油の温度を用いてもよい。この場
合、エンジン10には水温センサ9に代えてエンジン1
0の潤滑油の潤滑油温状態に関連した潤滑油温信号を出
力する油温センサが配設され、その油温センサからの出
力信号がECU20に入力される。
【0047】また、上記実施例では、本電子制御エンジ
ンマウントの4サイクル直列4気筒ディーゼルエンジン
への適用について説明したが、本発明を実施する場合に
は、これに限定されるものではなく、ガソリンエンジン
にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る電子制御エンジンマウントが適用されたエンジン周辺
の構成を示す概略図である。
【図2】 図2は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る電子制御エンジンマウントにおけるエンジンマウント
の詳細な構成を示す断面図である。
【図3】 図3は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る電子制御エンジンマウントにおける電気的構成を示す
ブロック図である。
【図4】 図4は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る電子制御エンジンマウントにおける各信号波形を示す
タイムチャートである。
【図5】 図5は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る電子制御エンジンマウントで使用されているECU内
のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図6】 図6は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る電子制御エンジンマウントでエンジン振動がエンジン
マウントを介して伝達される伝達力を示す説明図であ
る。
【図7】 図7は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る電子制御エンジンマウントで用いている冷却水(潤滑
油)の温度の遷移状態を経過時間をパラメータとして示
す特性図である。
【図8】 図8は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る電子制御エンジンマウントが適用された車両のステア
リングホイール上の振動測定点を示す説明図である。
【図9】 図9は本発明の実施の形態の一実施例にかか
る電子制御エンジンマウントにおける振動レベルの大き
さの変化をエンジン回転速度及び経過時間をパラメータ
として示す特性図である。
【図10】 図10は本発明の実施の形態の一実施例に
かかる電子制御エンジンマウントで使用しているマップ
の切替温度を示す説明図である。
【図11】 図11は本発明の実施の形態の一実施例に
かかる電子制御エンジンマウントでエンジン回転速度及
び冷却水温をパラメータとして位相角と電圧とを求める
マップである。
【図12】 図12は本発明の実施の形態の一実施例に
かかる電子制御エンジンマウントが適用されたときの振
動レベルをエンジン回転速度をパラメータとして制御な
しのときと比較して示す特性図である。
【符号の説明】 1 車体 4 エンジンマウント 7 回転角センサ 8 基準位置センサ 9 水温センサ 10 エンジン(内燃機関) 20 ECU(電子制御ユニット) 60 ボイスコイル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体とエンジンとの間に配設され、アク
    チュエータが駆動されることで振動伝達特性を変更自在
    なエンジンマウントと、 前記エンジンの温度状態を検出する温度状態検出手段
    と、 前記温度状態検出手段で検出された前記エンジンの温度
    状態及び前記エンジンからの入力振動に基づき前記アク
    チュエータの制御信号を算出する制御信号演算手段とを
    具備することを特徴とする電子制御エンジンマウント。
  2. 【請求項2】 前記制御信号演算手段は、前記制御信号
    の算出に際し、前記温度状態検出手段で検出された前記
    エンジンの温度状態に基づき予め格納された複数のマッ
    プを切替えることを特徴とする請求項1に記載の電子制
    御エンジンマウント。
  3. 【請求項3】 車体とエンジンとの間に配設され、アク
    チュエータが駆動されることで振動伝達特性を変更自在
    なエンジンマウントと、 前記エンジンマウントの絶対ばね定数の変化及び前記エ
    ンジンからの入力振動に基づき前記アクチュエータの制
    御信号を算出する制御信号演算手段とを具備することを
    特徴とする電子制御エンジンマウント。
  4. 【請求項4】 前記エンジンの温度状態を検出する温度
    状態検出手段を具備し、 前記温度状態検出手段で検出された前記エンジンの温度
    状態に基づき前記絶対ばね定数を算出することを特徴と
    する請求項3に記載の電子制御エンジンマウント。
JP13247896A 1996-05-09 1996-05-28 電子制御エンジンマウント Pending JPH09317814A (ja)

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JP13247896A JPH09317814A (ja) 1996-05-28 1996-05-28 電子制御エンジンマウント
DE19719352A DE19719352B4 (de) 1996-05-09 1997-05-07 Elektronisch geregelte Motoraufhängung
US08/853,467 US6120012A (en) 1996-05-09 1997-05-09 Electronically controlled engine mount

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001001768A (ja) * 1999-06-23 2001-01-09 Tokai Rubber Ind Ltd 能動型振動除去システムの制御方法
JP2012097795A (ja) * 2010-10-30 2012-05-24 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 能動型液封入式防振装置

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