JPH08261274A - エンジンマウント - Google Patents

エンジンマウント

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JPH08261274A
JPH08261274A JP6558395A JP6558395A JPH08261274A JP H08261274 A JPH08261274 A JP H08261274A JP 6558395 A JP6558395 A JP 6558395A JP 6558395 A JP6558395 A JP 6558395A JP H08261274 A JPH08261274 A JP H08261274A
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JP
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engine
liquid chamber
mount
movable
movable coil
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Pending
Application number
JP6558395A
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English (en)
Inventor
Akira Shibata
晃 柴田
Hisamitsu Yamazoe
久光 山添
Seiichi Watanabe
誠一 渡辺
Shiyuuji Mizutani
秋二 水谷
Takehiro Okabayashi
丈裕 岡林
Ken Hori
憲 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyosan Denki Co Ltd
Denso Corp
Original Assignee
Kyosan Denki Co Ltd
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジン振動の車体への伝達を良好に効率よ
く低減するとともにエンジンマウントの動作状態に応じ
て制振特性を調整可能なエンジンマウントを提供する。 【構成】 エンジンマウントは、マウント本体30およ
び制御装置100からなる液圧制御式の電子制御エンジ
ンマウントである。マウント本体30と制御装置100
とは信号線103および信号線104により電気的に接
続されている。制御装置100は電子制御ユニット10
1および電子駆動ユニット102からなる。電子制御ユ
ニット101は、電子駆動ユニット102からマウント
本体30に送出する制御信号の作成情報を制御マップと
して記憶装置に保持している。また電子制御ユニット1
01は、可動コイル79に発生する起電力を信号線10
4から入力してマウント本体30の動作状態を検知し、
制御マップの補正またはマウント本体30内の断線等の
異常を警告することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車体とエンジンとの間
に配設されエンジン振動を低減させるエンジンマウント
に関し、特に液圧制御式の電子制御エンジンマウントに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車両の性能向上に対する要求にお
いて、走行中およびアイドル運転中のエンジン振動を減
衰することにより、車内の搭乗者に伝達するエンジン振
動を低減することが望まれている。このような要求に応
じ、エンジンマウントの振動減衰特性を電子制御するこ
とによりエンジン振動を良好に減衰させるようになって
きている。例えば、エンジンマウントのエンジン支持部
の下部に主液室とこの主液室と連通する副液室とを設
け、アクチュエータに制御信号を送出することにより可
動部材を振動させて主液室の容積を変化させることによ
り主液室に周期的な液圧振動を発生させている。この液
圧振動とエンジンマウントに連結されるエンジン側の振
動との位相差を制御する液圧制御式のエンジンマウント
は、エンジン振動が車体へ伝達することを抑制する有効
な手段であると考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の液圧
制御式のエンジンマウントは、エンジン冷却水の温度や
エンジン回転数等のエンジン運転情報に基づいてアクチ
ュエータに制御信号を送出しているだけであり、エンジ
ンマウントの動作状態をフィードバックしてアクチュエ
ータに送出する制御信号に反映させていない。このた
め、アクチュエータの断線等の異常を検出して運転者
に警告する手段がない、エンジンマウントの動作状態
に基づいてアクチュエータに送出する制御信号を補正で
きない、等の問題がある。
【0004】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたものであり、エンジン振動の車体への伝達を
良好に効率よく低減するとともにエンジンマウントの動
作状態に応じてエンジンマウントの振動減衰特性を調整
可能なエンジンマウントを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、ボイスコイルの断線を検出するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の請求項1記載のエンジンマウントは、車体と
エンジンとの間に配設され、前記エンジンの振動を低減
させるエンジンマウントであって、前記車体または前記
エンジンからの振動により容積変化する主液室とこの主
液室に軸方向に隣接して設けられる容積変化可能な副液
室との間を仕切り、非圧縮性流体が封入された前記主液
室と前記副液室とを連通する連通孔を中央部に設けた隔
壁と、前記連通孔に嵌合し、前記連通孔内を軸方向に往
復移動することにより前記主液室の容積を変更して前記
主液室内の圧力を調整する可動部材と、可動コイルを有
し前記可動部材とともに往復移動する可動部、および前
記可動コイルを含む空間に磁場を形成する磁石を有する
固定部を設けたボイスコイルと、前記可動コイルに制御
信号を送出して前記可動コイルを振動させ前記可動部材
の往復移動を制御可能であるとともに、磁場中を移動す
る前記可動コイルに発生する起電力を検出可能な制御装
置と、を備えることを特徴とする。
【0006】本発明の請求項2記載のエンジンマウント
は、請求項1記載のエンジンマウントにおいて、前記制
御装置から前記可動コイルに制御信号を送出可能な第1
の回路と前記可動コイルに発生する起電力を前記制御装
置に送出可能な第2の回路とを備えることを特徴とす
る。本発明の請求項3記載のエンジンマウントは、請求
項1または2記載のエンジンマウントにおいて、前記制
御装置は、前記可動コイルへの制御信号の送出を遮断し
ている期間、前記可動コイルに発生する起電力を検出可
能であることを特徴とする。
【0007】
【作用および発明の効果】本発明の請求項1または3記
載のエンジンマウントによると、磁場中に配設された
可動コイルに制御装置から制御信号を送出することによ
り主液室内の圧力を調整する可動部材の往復移動を制御
するとともに、可動コイルに発生する起電力を制御装
置で検出可能である。これにより、例えば主液室および
副液室内に封入されている非圧縮性流体の粘性が低下し
てエンジンマウントの振動減衰特性が変化しても制御信
号を調整することにより一定した振動減衰特性を保持で
きる。また、出荷検査時にエンジンマウントの動作を検
出して振動減衰特性を調整することにより、エンジンマ
ウントの車両毎の個体差を減少することができる。ま
た、可動コイルの断線等の異常発生を検出して運転者に
警告することができる。
【0008】本発明の請求項2記載のエンジンマウント
によると、制御装置から可動コイルに制御信号を送出可
能な第1の回路と可動コイルに発生する起電力を制御装
置に送出可能な第2の回路とを備えることにより、第1
の回路を遮断するだけで可動コイルに発生する起電力を
容易に検出できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明のエンジンマウントを車両に搭載した状態
を図1に示す。エンジンマウントは、マウント本体30
および制御装置100からなる液圧制御式の電子制御エ
ンジンマウントである。マウント本体30と制御装置1
00とは第1の回路である信号線103および第2の回
路である信号線104により電気的に接続されている。
マウント本体30は、車体10のステー10aとエンジ
ン20のステー20aとの間に配設され、下端を車体1
0側に、上端をエンジン20側にそれぞれボルトで締結
された状態で用いられる。
【0010】図2に示すように、マウント本体30は、
エンジン20側に設けられエンジン20を支持する支持
部40、エンジン20の振動を減衰する振動減衰部5
0、振動減衰部50を駆動する駆動手段であるアクチュ
エータ部60からなる。支持部40は、フレーム41、
マウントゴム42、ボス43、ストッパ44、ストッパ
45およびストッパ46からなる。フレーム41は、ア
クチュエータ部60のアウタヨーク61の開口縁61a
上に、振動減衰部50の円盤状に形成された弾性隔膜で
あるダイヤフラム55および仕切板53をボルト66で
共締めして固定している。仕切板53の上には、環状の
フレーム41、ドーム状をなすマウントゴム42、円柱
状のボス43が配設されている。仕切板53は開口縁6
1aに複数のビス67によりあらかじめ固定されてい
る。
【0011】フレーム41上にボルト47で締結固定さ
れたストッパ44はフレーム41上に配設されている。
ストッパ45および46は位置決めピン48により円周
方向を決められてボス43上に配設され、図示しないボ
ルトによりボス43に共締めされている。ストッパ45
および46のストッパとしての接触面にゴムの緩衝部材
が焼き付けてある。ストッパ44、45および46は、
支持部40の過大変位を規制するように作動する。
【0012】振動減衰部50は、支持部40とアクチュ
エータ部60との間に設けられている。主液室51と副
液室52とはこの順番でマウントゴム42直下の軸方向
に配設され、隔壁である仕切板53により仕切られてい
る。副液室52とこの副液室52の車体10側に形成さ
れている空気室54とは、ダイヤフラム55により液密
に仕切られている。主液室51および副液室52には非
圧縮性流体であるエチレングレコール(LLC)が封入
されている。空気室54は大気解放されているので、副
液室52の圧力は大気圧と平衡している。
【0013】仕切板53の中央部に円形の連通孔53a
が形成され、この連通孔53aを介して主液室51と副
液室52とが連通している。可動部材56は上方に開口
する有底円筒状に形成され、連通孔53a内に水平姿勢
で配設されている。可動部材56の上縁部に鍔56aが
形成され、この鍔56aの外壁と連通孔53aを形成す
る仕切板53の内壁との間に0.1〜0.3mm程度の間
隙Sが形成されている。可動部材56の下面中央には取
付け部56bが突設されている。この取付け部56bと
ヨーク74のスプール75との間にダイヤフラム55の
中央部が挟持され、互いにボルト57により結合されて
いる。
【0014】仕切板53の軸方向両端部に、可動部材5
6の鍔56aを係止可能なストッパ81および84がそ
れぞれ圧入されている。ストッパ81とストッパ84と
は組付け方向が違うだけで同じ構成である。可動部材5
6の鍔56aと当接するストッパ81および84の部分
には弓状のゴム製緩衝部材が加硫接着されている。この
緩衝部材は、可動部材56と衝突するときの衝撃を緩和
し騒音を低減するためのものである。ストッパ81およ
び84に接着されている緩衝部材の可動部材56側の端
面位置は、連通孔53aを形成する仕切板53の内周壁
の軸方向両端位置と一致している。アクチュエータ部6
0による駆動では、往復移動両方向のそれぞれの最大変
位位置においても可動部材56は緩衝部材に接触するこ
となくストッパ81とストッパ84間で往復移動する。
車体10およびエンジン20からマウント本体30への
入力振動が大きくなり、マウントゴム42の振幅が増大
すると主液室51の圧力変動が大きくなるので可動部材
56の変位が大きくなる。このとき、ストッパ81また
は84は可動部材56を係止し、可動部材56の脱落を
防止する。
【0015】アウタヨーク61内の底部にはロアヨーク
71が複数のビス65と位置決めピン64により固定さ
れ、ロアヨーク71の上面には円筒部71aが一体に形
成されている。ロアヨーク71上には円筒部71aの周
囲を取り囲むように円環状のフェライト磁石72が接着
され、そのフェライト磁石72上には同じく円環状のア
ッパヨーク73が接着されている。アッパヨーク73の
内周壁は、ロアヨーク71の円筒部71aの外周壁に対
して所定間隔を置いて対向している。アッパヨーク73
上にはダンパホルダ62が位置決めされた状態で接着さ
れ、ダンパホルダ62の内周には上下に所定間隔を置い
て不織布製の2枚のダンパ63が張架され、下方に開口
する有底円筒状のヨーク74を支持している。両ダンパ
63は断面蛇腹状をなし、軸方向と直行する方向へのヨ
ーク74の移動を規制する一方、軸の双方向へヨーク7
4が若干移動することは許容している。
【0016】ヨーク74は上面を形成するスプール75
とその円周部に一周巻き付けられて結合されたアルミ箔
のボビン78とからなっている。可動コイル79は、ロ
アヨーク71の円筒部71aの外周壁とアッパヨーク7
3の内周壁との間に挿入され、ボビン78の下部外周に
巻回されている。可動コイル79は、磁性体であるロア
ヨーク71、アッパヨーク73のいずれに対しても所定
の間隔を保持している。
【0017】ロアヨーク71、フェライト磁石72、ア
ッパヨーク73、ヨーク74、および可動コイル79に
よりアクチュエータとしてのいわゆるボイスコイル70
が構成されている。ロアヨーク71、フェライト磁石7
2およびアッパヨーク73はボイスコイル70の固定部
を構成し、ヨーク74および可動コイル79はボイスコ
イル70の可動部を構成している。ロアヨーク71、フ
ェライト磁石72およびアッパヨーク73により形成さ
れた直流磁場中においてコネクタ80から可動コイル7
9に交流電流を供給すると、可動コイル79はフレミン
グの左手の法則に従って軸方向に振動し、ヨーク74も
可動コイル79とともに振動する。
【0018】図1に示すように、制御装置100は、電
子制御ユニット(以下、「ECU」という)101、お
よび電子駆動ユニット(以下、「EDU」という)10
2からなる。ECU101は、エンジン20のディスト
リビュータ21内に設けられた回転角センサ22からエ
ンジン20の回転速度に関連する回転角信号Neを入力
し、同じくディストリビュータ21内に設けられた基準
位置センサ23からクランク角度の基準位置を示す基準
位置信号G2を入力する。回転角センサ22および基準
位置センサ23はマグネットピックアップの一種であ
る。ECU101は、エンジン振動に応じて可動コイル
79に送出する制御信号の作成情報を制御マップとして
記憶装置に保持しており、この作成情報をEDU102
に送出する。またECU101は、可動コイル79が磁
場中を移動することにより発生する起電力を信号線10
4から入力してマウント本体30の動作状態を検知する
ことができる。
【0019】図3に示すように、EDU102は直流電
力を交流電力に変換するインバータ回路により構成され
ている。具体的には図4に示すように、EDU102で
はPulse Width Modulation(PWM)が行われ、ECU
101から送出された制御信号作成情報に基づいてトラ
ンジスタで構成されるスイッチS1 、S2 、S3 、S 4
をオン、オフし、直流電源電圧EDCを交流電圧EACに変
換する。この交流電圧EACが誘導性負荷に印加されると
図4の下段に示すような正弦電流が誘導性負荷に流れ
る。この正弦電流を図3の端子A、Bから取り出し、信
号線103を介して可動コイル79に供給している。
【0020】次に、エンジンマウントの作動について説
明する。通常の車両の走行状態において、ECU101
は記憶装置に記憶してある制御マップ情報からエンジン
振動に応じた制御信号作成情報をEDU102に送出す
る。EDU102ではこの制御信号作成情報に基づいて
制御信号である正弦電流を可動コイル79に供給する。
【0021】磁場中に配設されている可動コイル79に
正弦電流が供給されると可動コイル79は図2の上下方
向にヨーク74とともに振動する。可動部材56は、ス
トッパ81とストッパ84との間で緩衝部材に接触しな
い範囲内でヨーク74により制御されながら連通孔53
a内を軸方向に振動する。そして、可動部材56の振動
により主液室51の容積が変動する。可動部材56の外
周壁と連通孔53aを形成する仕切板53の内周壁との
間隙Sは、可動部材56の振動時に両部材が接触するの
を回避した上で可能な限り狭められている。ボイスコイ
ル70の作動周波数10〜200Hzの範囲内において、
間隙Sを通って主液室51と副液室52間を僅かに流通
する非圧縮性液体の抵抗により主液室51に圧力振幅が
発生し、この圧力振幅がエンジン振動を減衰するように
変化する。図5にボイスコイル70の作動周波数10〜
200Hzの範囲内におけるマウント本体30の絶対ばね
定数および減衰係数の変化を示す。130Hzまでの作動
周波数では安定した振動減衰特性を示している。130
Hz以上で絶対ばね定数および減衰係数の値が上昇してい
るのはボイスコイルの可動部を含むマウント本体30の
可動部がエンジン振動に共振して振幅が大きくなってい
るためである。
【0022】主液室51および副液室52に封入されて
いる非圧縮性液体は、10Hz程度の低周波数でもその粘
性作用によって主液室51と副液室52間を間隙Sを通
って僅かに流通するだけなので、主液室51と副液室5
2間に十分な圧力差を発生することができる。また、可
動コイル79に供給する正弦電流の位相、振幅または周
波数を変更することにより主液室51内の液圧の振幅ま
たは位相を任意に制御できるので、マウント本体30の
振動減衰特性を容易に変更できる。
【0023】また、可動部材56がストッパ81および
84に係止されても、間隙Sの円周方向の一部が閉塞さ
れるだけで主液室51と副液室52との連通は保持され
る。このため、可動部材56がストッパ84に係止され
た状態で主液室51内の圧力が上昇しても、ストッパ8
4に図2の下方、つまりストッパ84の抜け方向へ過度
の力が加わることを防止できる。可動部材56がストッ
パ81に係止される場合、副液室52内の圧力はほぼ大
気圧相当なので、図1の上方に抜ける程大きな力をスト
ッパ81が受けることはない。
【0024】可動コイル79は車体10およびエンジン
20から受ける入力振動により磁場中を往復移動してい
るので起電力が生じている。制御装置100から可動コ
イル79への制御電流の供給をオフし、マウント本体3
0に加振機で振動を加えて可動コイル79に発生する起
電力を検出した実験結果を図6に示す。グラフ201、
202および203は、それぞれ振動振幅が±0.05
mm、±0.1mm、±0.2mmのとき、振動周波数と可動
コイル79に発生する起電力Eとの関係を示している。
振動周波数fが130Hzまでは、振動周波数fと起電力
Eとは比例関係にあることが判る。グラフ204は同一
周波数におけるグラフ202とグラフ201との起電力
比、グラフ205は同一周波数におけるグラフ203と
グラフ202との起電力比を示しており、周波数に関係
なくほぼ2であるので、可動コイル79に発生する起電
力Eは振動振幅に比例していると考えることができる。
このように、振動周波数および振動振幅と可動コイル7
9に発生する起電力との間に比例関係が成立することか
ら、基準となる振動周波数または振動振幅において生じ
る起電力と可動コイル79に発生する起電力Eとを比較
することにより、マウント本体30の振動減衰特性の経
時変化を知ることができる。さらに、制御マップを補正
することによりマウント本体30の振動減衰特性を一定
に保持することができる。また、可動コイル79に発生
する起電力の異常、例えば起電力が発生していないこと
を検出することにより可動コイル79の断線を検知し、
運転者に警告することができる。
【0025】次に、マウント本体30の作動状態を検出
する制御を図7および図8のフローチャートに基づいて
説明する。図7および図8に示した制御フローチャート
を実現するプログラムは、従来のECU内のプログラム
を拡張しECU内のマイクロプロセッサで処理する場合
と、エンジンマウント制御用のマイクロプロセッサで専
用に処理する場合がある。いずれの処理形態を採用する
かは、記憶容量またはECUの処理負荷の大小等により
決定される。図7および図8に示した制御ルーチンは、
ECU101のメインルーチンの処理流れ中で周期的に
呼び出されるルーチンである。
【0026】回転角信号Ne、基準位置信号G2、車両
速度S、冷却水温度T、スロットル開度Thを車両に配
置された各センサからA/D変換回路を介してECU1
01に入力し(ステップ200)、基準位置信号G2を
入力してから所定時間以内であるか否かを判定する(ス
テップ201)。基準位置信号G2を入力してから所定
時間以内であればマウント本体30の作動状態を検出せ
ず、機関回転速度Nを回転角信号Neから算出する(ス
テップ202)。そして、各センサからの検出信号に基
づいてエンジン運転状態を検知し、ECU101内に記
憶した制御マップから可動コイル79に送出すべき制御
信号の振幅V、位相θ等の情報を読み出すととももに検
出信号に基づいて適正値に更新し(ステップ203)、
EDU102に送出する(ステップ204)。EDU1
02ではこの情報に基づいて可動コイル79に送出すべ
き制御信号を作成する。
【0027】基準位置信号G2を入力してから所定時間
経過していれば、可動コイル79に発生する起電力Eを
検知して制御マップを補正する条件か否かを判定する
(ステップ300)。ステップ300の詳細な判定条件
を図8に示す。ステップ301ではエンジンマウント
の製品間個体差の補正を行う条件か否かを判定する。製
品間個体差の補正は車両出荷検査時に行うものであり、
予め設定してある補正モードを認識し、検出した起電力
Eと標準値との差に応じステップ205以下の補正ステ
ップにおいて補正を行う。補正モードでなければステッ
プ302に移行する。一連の出荷検査が終了すれば補正
モードは解除される。ステップ302ではエンジン振
動経時変化の補正を行う条件か否かを判定する。回転角
信号Ne、基準位置信号G2、車両速度S、冷却水温度
T、スロットル開度Thのすべての信号値が所定値の範
囲内に一定時間以上収まっているか否かを判定し、収ま
っていなければステップ303に移行する。各センサ出
力が所定値の範囲内に一定時間以上収まっているととも
に、車両が運転状態の殆ど変化しないアイドル運転時、
または高速道路における定速運転中の場合、補正を行う
条件成立としてステップ205に移行する。ステップ
303ではボイスコイルの可動部を含むマウント本体可
動部の共振周波数の変化による補正を行う条件か否かを
判定する。この判定は可動コイル79への通電オフ期間
中、エンジン振動と共振して絶対ばね定数および減衰係
数が増加する周波数を検知することにより行う。この周
波数の検知は、図6において、可動コイル79に発生す
る起電力Eが130Hz以上でエンジン振動の周波数fに
比例しなくなることを利用して行う。可動コイル79に
発生する起電力Eがエンジン振動の周波数fに比例して
いず、車両が高速道路における定速運転中の場合、補正
を行う条件成立としてステップ205に移行し、ステッ
プ205以下の補正ステップにおいて前述したエンジン
振動経時変化時と同様の補正を行う。
【0028】ステップ301、302および303のい
ずれの補正条件にも該当しない場合、ステップ204に
移行する。いずれかの補正条件に該当すればステップ2
05に移行する。ステップ205では、図3に示したE
DU102のインバータ回路のスイッチS1 、S2 、S
3 、S4 をすべてオフにし、可動コイル79への通電を
オフする。次に、回転角信号Ne、基準位置信号G2、
可動コイルの起電力Eを入力し(ステップ206)、ス
イッチS1 、S2 、S3 、S4 を作動状態にする(ステ
ップ207)。ステップ206で取得した起電力Eを予
め設定してある標準値Esと比較し(ステップ20
8)、差の絶対値が予め設定してある基準値よりも大き
いか否かを判定する(ステップ209)。大きい場合は
ステップ210に移行し、基準値以下の場合はステップ
204に移行する。ステップ210では、起電力Eの値
が連続して所定回数以上0であるかを判定し、所定回数
以上0であれば可動コイル79が断線していると判断
し、フロントパネル等に設けた警告灯を点灯させる。所
定回数を下回っておれば、起電力Eの値に基づいて補正
マップの値を更新し(ステップ212)、制御マップ=
基本マップ+補正マップの演算を行って制御マップを更
新する(ステップ213)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンジンマウントを車両に搭載した状
態を示す模式的構成図である。
【図2】本実施例によるエンジンマウントを示す断面図
である。
【図3】EDUの回路構成を示す説明図である。
【図4】ECUの制御信号に基づきエンジンマウントに
供給される制御電流の形成過程を示す説明図である。
【図5】可動コイルへの通電オフ時における、振動周波
数と絶対ばね定数および減衰係数との関係を示す特性図
である。
【図6】可動コイルに発生する起電力と、振動周波数お
よび振動振幅との関係を示す特性図である。
【図7】ECUにおけるエンジンマウントの異常警告お
よび制御マップの補正処理を示すフローチャート図であ
る。
【図8】図7のステップ300を詳細に記述したフロー
チャート図である。
【符号の説明】
10 車体 20 エンジン 30 マウント本体(エンジンマウント) 51 主液室 52 副液室 53 仕切板(隔壁) 53a 連通孔 54 空気室 55 ダイヤフラム 56 可動部材 71 ロアヨーク(ボイスコイル) 72 フェライト磁石(ボイスコイル) 73 アッパヨーク(ボイスコイル) 74 ヨーク(ボイスコイル) 75 スプール(ボイスコイル) 78 ボビン(ボイスコイル) 79 可動コイル(ボイスコイル) 81、84 ストッパ 101 ECU(制御装置) 102 EDU(制御装置) 103 信号線(第1の回路) 104 信号線(第2の回路)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 誠一 茨城県猿島郡総和町大字丘里11−3 京三 電機株式会社古河工場内 (72)発明者 水谷 秋二 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 岡林 丈裕 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 堀 憲 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体とエンジンとの間に配設され、前記
    エンジンの振動を低減させるエンジンマウントであっ
    て、 前記車体または前記エンジンからの振動により容積変化
    する主液室とこの主液室に軸方向に隣接して設けられる
    容積変化可能な副液室との間を仕切り、非圧縮性流体が
    封入された前記主液室と前記副液室とを連通する連通孔
    を中央部に設けた隔壁と、 前記連通孔に嵌合し、前記連通孔内を軸方向に往復移動
    することにより前記主液室の容積を変更して前記主液室
    内の圧力を調整する可動部材と、 可動コイルを有し前記可動部材とともに往復移動する可
    動部、および前記可動コイルを含む空間に磁場を形成す
    る磁石を有する固定部を設けたボイスコイルと、 前記可動コイルに制御信号を送出して前記可動コイルを
    振動させ前記可動部材の往復移動を制御可能であるとと
    もに、磁場中を移動する前記可動コイルに発生する起電
    力を検出可能な制御装置と、 を備えることを特徴とするエンジンマウント。
  2. 【請求項2】 前記制御装置から前記可動コイルに制御
    信号を送出可能な第1の回路と前記可動コイルに発生す
    る起電力を前記制御装置に送出可能な第2の回路とを備
    えることを特徴とする請求項1記載のエンジンマウン
    ト。
  3. 【請求項3】 前記制御装置は、前記可動コイルへの制
    御信号の送出を遮断している期間、前記可動コイルに発
    生する起電力を検出可能であることを特徴とする請求項
    1または2記載のエンジンマウント。
JP6558395A 1995-03-24 1995-03-24 エンジンマウント Pending JPH08261274A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001227581A (ja) * 2000-02-14 2001-08-24 Tokai Rubber Ind Ltd 防振装置および防振装置用アクチュエータ
JP2006349028A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Tokai Rubber Ind Ltd 能動型防振装置
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