JPH05126203A - 制御型パワーユニツトマウント装置 - Google Patents

制御型パワーユニツトマウント装置

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JPH05126203A
JPH05126203A JP20411491A JP20411491A JPH05126203A JP H05126203 A JPH05126203 A JP H05126203A JP 20411491 A JP20411491 A JP 20411491A JP 20411491 A JP20411491 A JP 20411491A JP H05126203 A JPH05126203 A JP H05126203A
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JP
Japan
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piezoelectric
vibration
power unit
fluid chamber
movable plate
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JP20411491A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Doi
三浩 土井
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制御型パワーユニットマウント装置におい
て、圧電または電歪素子の耐久性を向上させると共に、
低周波振動の低減と車両音振性能の向上を図ることを第
1の目的とし、車両の音振性能を悪化させる振動がパワ
ーユニットから入力される時、コンパクトな圧電または
電歪素子を用いながら大きな動ばね定数の低減代を確保
することを第2の目的とする。 【構成】 第1の目的を達成するために、共振周波数を
所定の車両低周波数振動域にチューニングしたいわゆる
流体ダイナミックダンパを支持弾性体3とは並列に配置
すると共に、パワーユニットから所定の振動が入力され
る時に流体ダイナミックダンパの主流体室4の内圧を圧
電素子12により制御して動ばね定数を低減させる手段
とした。第2の目的を達成するために、圧電素子12,
14,15を直交する位置関係で複数組み合せ、可動板
9の大変位量を確保するように各素子12,14,15
を独立のタイミングで制御する手段とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電または電歪素子を
制御アクチュエータとして有する制御型パワーユニット
マウント装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、制御型パワーユニットマウント装
置としては、例えば、特開昭59−65640号公報に
記載のものが知られている。
【0003】この制御型パワーユニットマウント装置
は、図5に示すように、二つの枠体間に両者を互いに連
結する圧電素子(電歪素子)とゴム状弾性部材とを直列
に備え、圧電素子に、振動伝達経路を伝わる振動の周期
に同期して変化する電圧が印加されることにより、圧電
素子が前記振動の振幅の時間的変化に応じて歪み、該圧
電素子の振動の変位と前記振動伝達経路を伝わる振動の
変位とが相殺され、前記振動伝達経路を伝わる振動変位
を低減しようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の制御型パワーユニットマウント装置にあっては、圧
電素子(電歪素子)をゴム状弾性体と直列に配置した
為、素子自体がパワーユニット重量やパワーユニットが
揺動する際に発生する力を直接受けることになり、素子
の耐久性に問題があった。
【0005】また、エンジン振動が車体に伝達すること
を防ぐために振動的に素子を駆動するためには、図6に
示すように、素子の印加電圧に対する変位特性におい
て、最大印加電圧Vmax の約1/2にあたる印加電圧V
0.5 をバイアス電圧として与え、その電圧を中心に、V
(0)〜Vmax で駆動することになる。ところで、前記
従来技術に示されるエンジン振動変位は、例えば、4気
筒車においては、通常エンジン回転2次成分で、±50
〜±100μm程度である。一方、現存の圧電素子の最
大変位は、素子の長さの0.1%程度である。
【0006】したがって、上記エンジン振動を制御する
には、100mm〜200mm程度の素子の長さを必要
とすることになり、エンジンルーム内での装備を考慮す
ると、現実的でないという問題があった。
【0007】本発明は、上記のような問題に着目してな
されたもので、圧電または電歪素子を制御アクチュエー
タとして有する制御型パワーユニットマウント装置にお
いて、圧電または電歪素子の耐久性を向上させると共
に、低周波振動の低減と車両音振性能の向上を図ること
を第1の課題とする。
【0008】第1の課題に加え、車両の音振性能を悪化
させる振動がパワーユニットから入力される時、コンパ
クトな圧電または電歪素子を用いながら大きな動ばね定
数の低減代を確保することを第2の課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
るため請求項1記載の制御型パワーユニットマウント装
置では、共振周波数を所定の車両低周波数振動域にチュ
ーニングしたいわゆる流体ダイナミックダンパを支持弾
性体とは並列に配置すると共に、パワーユニットから所
定の振動が入力される時に流体ダイナミックダンパの主
流体室の内圧を圧電または電歪素子により制御して動ば
ね定数を低減させる手段とした。
【0010】即ち、車体とパワーユニットとの間に配置
される支持弾性体と、該支持弾性体と並列配置され、入
力振動により容積変化される主流体室と、該主流体室に
オリフィスを介して連通され容積可変な副流体室と、前
記支持弾性体を囲み、前記主,副流体室を形成する外枠
部材と、前記主流体室に面して設けられ、周囲を弾性体
によって囲まれる可動板と、該可動板と前記外枠部材と
の間に配置される圧電または電歪素子と、前記オリフィ
ス内の流体質量と前記主流体室の拡張方向弾性で形成さ
れるマス−ばね系の共振周波数を所定の車両低周波数振
動域にチューニングしておき、少なくとも車両の音振性
能を悪化させる振動がパワーユニットから入力される
時、前記可動板に主流体室の内圧を低下させる変位を付
与する制御指令を前記圧電または電歪素子に出力する素
子制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】上記第2の課題を解決するため請求項2記
載の制御型パワーユニットマウント装置では、圧電また
は電歪素子を直交する位置関係で複数組み合せ、可動板
の大変位量を確保するように各素子を独立のタイミング
で制御する手段とした。
【0012】即ち、前記圧電または電歪素子を、一端が
可動板に接して配置される第1の圧電または電歪素子
と、該第1の圧電または電歪素子の伸縮方向と直交する
方向でかつ挟み込む位置に配置される少なくとも2か所
の第2,第3の圧電または電歪素子とによって構成し、
前記素子制御手段を、第1の圧電または電歪素子を伸長
させる場合と短縮させる場合とで第2,第3の圧電また
は電歪素子による挟み込みで設定される基準固定点を変
え、可動板の変位量が大きく確保されるように各素子を
独立のタイミングで制御する手段としたことを特徴とす
る。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明の作用を説明する。
【0014】車両のパワーユニットに適用しての装置使
用状態において、車体とパワーユニットとの間には支持
弾性体と主流体室とが並列に配置される。そして、この
主流体室の内圧を制御するように、可動板と外枠部材と
の間に圧電または電歪素子が配置されることになる。従
って、パワーユニットの支持荷重は支持弾性体のみで直
接受けることになり、圧電または電歪素子にパワーユニ
ットの支持荷重が作用することはない。
【0015】パワーユニットから車両低周波振動(例え
ば、エンジンシェイク等)を起振させる振動入力時に
は、予めオリフィス内の流体質量と主流体室の拡張方向
弾性で形成されるマス−ばね系の共振周波数をこの車両
低周波数振動域にチューニングしておけば、オリフィス
内の流体が激しく往復動する共振作用を示し、入力振動
エネルギは流体の往復動エネルギに置き換えられるとい
う、流体ダイナミックダンパ効果によって、車両低周波
振動が低減される。
【0016】そして、このような流体封入のマウント装
置においては、共振周波数を超える高周波数領域ではオ
リフィス内の流体流れがスティックするために、ばねと
して作用する支持弾性体のばね定数は、(上下方向ばね
定数+拡張方向ばね定数)となり、動ばね定数が上昇す
る。
【0017】しかしながら、少なくとも車両の音振性能
を悪化させる振動がパワーユニットから入力される時に
は、素子制御手段から圧電または電歪素子に制御指令が
出力され、圧電または電歪素子の伸縮に伴なう可動板の
変位により主流体室の内圧が低下させることで、前述の
ばね定数を上下方向ばね定数値まで低減することが可能
となる。
【0018】このため、パワーユニットから車体へ入力
される加振力(振動伝達力)が動ばね定数の低減に伴な
って低減され、例えば、アイドル振動,こもり音,加速
時騒音等を良好にすることができる。
【0019】請求項2記載の発明の作用を説明する。
【0020】可動板の変位により主流体室の内圧を低下
させる時、可動板に対しては主流体室の内圧が上昇する
時に室容積を拡大させる変位を与え、また、主流体室の
内圧が低下する時に室容積を縮小させる変位を与えるこ
とになるが、可動板の変位量が大きいほど主流体室の内
圧低下効果(=動ばね定数低減効果)は高い。
【0021】そこで、可動板の変位により主流体室の内
圧を低下させる時、素子制御手段においては、一端が可
動板に接して配置される第1の圧電または電歪素子を伸
長させる場合と短縮させる場合とで第2,第3の圧電ま
たは電歪素子による挟み込みで設定される基準固定点を
変えるというように、各素子を独立のタイミングで制御
することで可動板の変位量を大きく確保するようにして
いる。
【0022】この結果、第1の圧電または電歪素子の必
要素子長さを短くしながら、大きな可動板変位量が確保
されることになる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0024】構成を説明する。
【0025】図1は本発明実施例の制御型パワーユニッ
トマウント装置を示す全体システム図である。
【0026】実施例の制御型パワーユニットマウント装
置は、図1に示すように、内筒1と、内筒1を囲む外筒
2とを備え、これら内,外筒1,2間には、ゴム等の支
持弾性体3が介在されている。
【0027】内筒1は図外の車体に取り付けられ、外筒
2は図外のパワーユニット(エンジン,トランスミッシ
ョン等による)に取り付けられ、パワーユニットの静荷
重は支持弾性体3を介して車体側に支持される。
【0028】支持弾性体3の内周は内筒1に加硫接着さ
れる共に、その外周は外筒2に圧入されて固定される。
【0029】支持弾性体3には内筒1を境に、上方に主
流体室4が形成されると共に、下方には空間部Sをもっ
て内筒1側の隔壁がダイヤフラム16として構成される
副流体室5が形成される。
【0030】支持弾性体3の外周部には主,副流体室
4,5の中心軸D方向の幅をもって、環状溝が形成され
ると共に、環状溝には内部にオリフィス6,7を有する
環状のオリフィス構成体8が嵌合される。
【0031】この時、主流体室4及び副流体室5の外周
側は、環状溝内に開放されており、副流体室5の開放部
はオリフィス構成体8によって閉止されると共に、主流
体室4の開放部はオリフィス構成体8および後述する可
動板9によって閉止される。オリフィス構成体8には、
左右方向に等長の2本のオリフィス6,7が形成され、
主流体室4と副流体室5とを互いに連通させている。
【0032】なお本実施例では、オリフィス6,7内の
流体質量と主流体室4の拡張方向弾性とで形成されるマ
ス−ばね系の共振周波数は10Hz付近に設定され、エ
ンジンシェイク等のエンジンとパワーユニットの共振が
問題となる現象に対しては、大きなロスファクタを有す
ることで、その共振を抑制している(図3特性A)。
【0033】オリフィス構成体8は主流体室4の中央部
に位置する部分が切除され、この部分に可動板9が配置
される。可動板9は、外筒2と弾性部材10を介して結
合され、さらには、可動板9を挟んで主流体室4と対向
する側には、本発明の外枠部材に相当するパワーユニッ
ト側ブラケット11と第1圧電素子12とが弾性部材1
3を介して結合されている。
【0034】第1圧電素子12は、第2,第3圧電素子
14,15に挟み込まれる位置に配置され、第2,第3
圧電素子14,15は一端を外筒2が圧入される前記ブ
ラケット11に固定される。
【0035】第1〜3圧電素子12,14,15は、前
記ブラケット11と外筒2間に形成される空間部16に
収納されるので、外部からの水,油類が付着することは
ない。第1〜3圧電素子12,14,15は、それぞれ
外部からのコントローラ17、電源部18、位相反転器
19によって駆動制御される。
【0036】コントローラ17には、車速信号,エンジ
ン回転数信号及びクランク角信号等が入力される。
【0037】電源部18はコントローラ17からの各信
号により、各素子12,14,15へパルス状の電圧を
印加する信号を発生する。
【0038】位相調節器19は電源部18からの信号を
180°の位相差をもって同期するように位相調節を行
って、第2圧電素子14及び第3圧電素子15に与えて
いる。前記コントローラ17,電源部18及び位相反転
器19により、請求項記載の素子制御手段が構成されて
いる。
【0039】作用を説明する。
【0040】図2はエンジン始動時からコントローラ1
7により行なわれる素子駆動制御作動の流れを示すフロ
ーチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0041】ステップ201では、車速信号(車速V)
とエンジン回転数信号(エンジン回転数NE )が読み込
まれる。
【0042】ステップ202では、車速Vが設定車速V
O (極低車速)以下かどうか、つまりアイドリング時か
どうかが判断される。
【0043】そして、ステップ202でV≦VO であり
YESと判断された場合には、ステップ203へ進み、
ステップ203では、クランク角信号(クランク角θE
)が読み込まれる。
【0044】次のステップ204では、クランク角信号
に基づき各素子12,14,15に対して主流体室4の
内圧を低下させる電圧制御指令が出力される。
【0045】一方、ステップ202でV>VO でありN
Oと判断された場合には、ステップ205へ進み、ステ
ップ205では、エンジン回転数NE が車両音振性能的
に問題となる領域、つまり、NE1≦NE ≦NE2かどうか
が判断される。
【0046】ここで、車両音振性能的に問題となる領域
とは、例えば、車室内騒音特性を測定した結果、エンジ
ン回転数が2000rpm 〜3000rpm の時に騒音レベルが高い
場合には、2000rpm ≦NE ≦3000rpm ということにな
る。
【0047】そして、ステップ205でYESと判断さ
れた場合には、ステップ203及びステップ204へ進
み、上記同様に、主流体室4の内圧を低下させる制御が
行なわれる。
【0048】一方、ステップ202のアイドリング条件
及びステップ205の騒音等の問題領域条件を満足しな
い時には、ステップ206へ進み、ステップ206で
は、第2,第3圧電素子14,15に電圧を印加し、第
1圧電素子12を固定することにより可動板10の変位
を抑え、例えば、エンジンシェイクを起振する10Hz
前後の周波数による振動入力時にオリフィス6,7内の
流体の共振により大きなロスファクタを得やすい状態で
待機する。
【0049】次に、振動低減作用について低周波大振幅
振動入力時と車両音振性能を悪化させる高周波振動入力
時とに分けて説明する。
【0050】(イ)低周波大振幅振動入力時 エンジンシェイクにみられるような低周波大振幅振動入
力時には、図2のフローチャートにおいて、ステップ2
01→ステップ202→ステップ205→ステップ20
6へと進む流れとなり、可動板10の変位が第1圧電素
子12を固定することで抑えられる。
【0051】この時、パワーユニットの振動は、パワー
ユニット側ブラケット11を介して、支持弾性体3に伝
達される。その結果、主流体室4の容積変化が生じ、オ
リフィス6,7内に流体が流れるが、振動入力の周波数
10Hz前後であり、オリフィス6,7内流体を質量と
し支持弾性体3の拡張方向弾性をばねとするマス−ばね
系の共振周波数に一致すると、オリフィス6,7内の流
体が激しく往復動する共振作用を示し、入力振動エネル
ギは流体の往復動エネルギに置き換えられるという、流
体ダイナミックダンパ効果によって、パワーユニットか
らの低周波大振幅振動の車体への伝達が低減される。
【0052】即ち、実施例の制御型パワーユニットマウ
ント装置のロスファクタ特性は、図3の特性を示し、ロ
スファクタの高い斜線部分Aの周波数領域と適用される
車両のエンジンシェイク領域と一致させることで、エン
ジンシェイクが有効に抑制される。
【0053】(ロ)高周波振動入力時 アイドリング時には、ステップ201→ステップ202
→ステップ203→ステップ204へと進む流れとな
り、また、走行時で車両音振性能的に問題となるエンジ
ン回転数領域の時には、ステップ201→ステップ20
2→ステップ205→ステップ203→ステップ204
へと進む流れとなり、いずれの場合にも各素子12,1
4,15に対して主流体室4の内圧を低下させるような
電圧印加制御が行なわれる。
【0054】ここで、図1に示すような流体封入のマウ
ント装置においては、前記共振周波数を超える周波数領
域でオリフィス6,7内の流体流れがスティックするた
めに、ばねとして作用する支持弾性体3のばね定数は、
(上下方向ばね定数+拡張方向ばね定数)となり、動ば
ね定数が、図3の斜線部分Bに示すように上昇する。
【0055】従って、例えば4気筒車アイドル回転2次
振動が問題となる25Hz付近、こもり音,加速時騒音
の問題となる100Hz以上においては、この動ばね定
数が上昇する領域を使用することとなり、振動,騒音等
が悪化する。
【0056】しかしながら、本実施例においては、可動
板9の変位を各圧電素子12,14,15によって制御
し、主流体室4の内圧を低下させることで、前述の動ば
ね定数を、図3の点線特性Cに示すように、上下方向ば
ね定数値まで低減することが可能となる。
【0057】このため、パワーユニットから車体へ入力
される加振力(振動伝達力)が動ばね定数の低減に伴な
って低減され、例えば、アイドル振動,こもり音,加速
時騒音等を良好にすることができる。
【0058】ここで、可動板9の変位により主流体室4
の内圧を低下させる時、可動板9に対しては主流体室4
の内圧が上昇する時に室容積を拡大させる変位を与え、
また、主流体室4の内圧が低下する時に室容積を縮小さ
せる変位を与えることになるが、可動板9の変位量が大
きいほど主流体室4の内圧低下効果(=動ばね定数低減
効果)は高い。
【0059】そこで、可動板9の変位により主流体室4
の内圧を低下させる時、図4の下部に示すように、各素
子12,14,15を独立のタイミングで制御すること
で、図4の上部に示すように、可動板9の変位量を大き
く確保するようにしている。
【0060】つまり、可動板9に負の変位を与える場合
には、短縮状態の第1圧電素子12を第2圧電素子14
により固定した基準位置(E状態)から第2圧電素子1
4を解放すると共に第3圧電素子15により固定させた
状態として第1圧電素子12を伸長させ(F状態)、さ
らに、第2圧電素子14により固定すると共に第3圧電
素子15を解放させた状態として第1圧電素子12を短
縮することで行なわれる(G状態)。
【0061】負の変位の可動板9を基準変位に戻す時に
は、第2圧電素子14により固定すると共に第3圧電素
子15を解放させた状態として第1圧電素子12を伸長
することにより行なわれる(H状態)。
【0062】さらに、可動板9に正の変位を与える場合
には、H状態から第2圧電素子14を解放すると共に第
3圧電素子15により固定させた状態から第1圧電素子
12を短縮し(I状態)、このI状態から第3圧電素子
15を解放すると共に第2圧電素子14により固定させ
た状態として第1圧電素子12を伸長させることで行な
われる(J状態)。
【0063】正の変位の可動板9を基準変位に戻す時に
は、第2圧電素子14により固定し第3圧電素子15に
より解放されJ状態から第1圧電素子12を短縮するこ
とにより行なわれる(E状態)。
【0064】この結果、第1圧電素子12を伸縮するた
めに、従来例であるようなバイアス電圧を掛けた状態で
交流的に駆動するのに対して、第1圧電素子12の変位
は2倍以上発生することが可能となり、第1圧電素子1
2の必要素子長さを短くしながら、大きな可動板9の変
位量を確保できることになる。
【0065】効果を説明する。
【0066】(1)第1圧電素子12を制御アクチュエ
ータとして有する制御型パワーユニットマウント装置に
おいて、共振周波数をエンジンシェイク域にチューニン
グしたいわゆる流体ダイナミックダンパを支持弾性体3
とは並列に配置すると共に、パワーユニットからアイド
ル振動やこもり音や加速時騒音が問題となる振動が入力
される時に流体ダイナミックダンパの主流体室4の内圧
を第1圧電素子12により制御して動ばね定数を低減さ
せる装置とした為、第1圧電素子12の耐久性を向上さ
せると共に、エンジンシェイクの低減と車両音振性能の
向上を図ることができる。
【0067】(2)第1圧電素子12とは直交する位置
関係で第2圧電素子14と第3圧電素子14を設け、可
動板9の大変位量を確保するように各素子12,14,
15を独立のタイミングで制御する装置とした為、アイ
ドル振動やこもり音や加速時騒音が問題となる振動がパ
ワーユニットから入力される時、コンパクトな第1圧電
素子12を用いながら大きな動ばね定数の低減代を確保
することができる。
【0068】という効果が得られる。
【0069】(3)車両の音振性能を悪化させる振動入
力域をエンジン回転数領域で判断し、動ばね定数を低減
させる各素子12,14,15の駆動制御はクランク角
に応じて行なう装置とした為、各素子12,14,15
の制御領域を簡単に特定することができると共に、第1
圧電素子12を用いることによる高応答性に加えて位相
ずれも小さくなり、高い制御精度を確保することができ
る。
【0070】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0071】実施例では、素子駆動制御領域をエンジン
回転数で特定する例を示したが、例えば、車体振動や車
室内騒音を検出し、検出信号に応じて各素子を駆動制御
するようにしても良い。
【0072】実施例では、流体ダイナミックダンパを効
かせる周波数領域と動ばね定数を低減させる周波数領域
がオーバラップせずに流体ダイナミックダンパを効かせ
る領域では可動板を静止させて高いロスファクタにより
制振させる例を示したが、可動板を動かし動ばね定数を
低減している領域と流体ダイナミックダンパを効かせる
周波数領域とが重なっていても十分に低周波振動をロス
ファクタにより低減することができる。なぜなら、例え
ば、エンジンシェイクの場合の振幅の大きさに比べて高
周波振動の振幅の大きさは1/10以下であり、両者が重な
ったとしてもわずかにロスファクタのピークレベルが低
下するだけである。
【0073】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1記載
の本発明にあっては、圧電または電歪素子を制御アクチ
ュエータとして有する制御型パワーユニットマウント装
置において、共振周波数を所定の車両低周波数振動域に
チューニングしたいわゆる流体ダイナミックダンパを支
持弾性体とは並列に配置すると共に、パワーユニットか
ら所定の振動が入力される時に流体ダイナミックダンパ
の主流体室の内圧を圧電または電歪素子により制御して
動ばね定数を低減させる手段とした為、圧電または電歪
素子の耐久性を向上させると共に、低周波振動の低減と
車両音振性能の向上を図ることができるという効果が得
られる。
【0074】請求項2記載の本発明にあっては、圧電ま
たは電歪素子を直交する位置関係で複数組み合せ、可動
板の大変位量を確保するように各素子を独立のタイミン
グで制御する手段とした為、上記効果に加え、車両の音
振性能を悪化させる振動がパワーユニットから入力され
る時、コンパクトな圧電または電歪素子を用いながら大
きな動ばね定数の低減代を確保することができるという
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の制御型パワーユニットマウント
装置を示す全体システム図である。
【図2】本発明実施例の制御型パワーユニットマウント
装置のコントローラで行なわれる素子駆動制御作動の流
れを示すフローチャートである。
【図3】本発明実施例の制御型パワーユニットマウント
装置で周波数を横軸にとった場合のロスファクタ特性及
び動ばね定数特性を示す図である。
【図4】本発明実施例の制御型パワーユニットマウント
装置で可動板に変位を与える時の各素子の駆動タイミン
グを示す図である。
【図5】従来の制御型パワーユニットマウント装置の断
面図である。
【図6】従来の制御型パワーユニットマウント装置での
素子の印加電圧に対する変位特性を示す図である。
【符号の説明】
1 内筒 2 外筒 3 支持弾性体 4 主流体室 5 副流体室 6,7 オリフィス 8 オリフィス構成体 9 可動板 10 弾性部材 11 パワーユニット側ブラケット(枠部材) 12 第1圧電素子 13 弾性部材 14 第2,第3圧電素子 15 第3圧電素子 16 空間部 17 コントローラ 18 電源部 19 位相反転器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体とパワーユニットとの間に配置され
    る支持弾性体と、 該支持弾性体と並列配置され、入力振動により容積変化
    される主流体室と、 該主流体室にオリフィスを介して連通され容積可変な副
    流体室と、 前記支持弾性体を囲み、前記主,副流体室を形成する外
    枠部材と、 前記主流体室に面して設けられ、周囲を弾性体によって
    囲まれる可動板と、 該可動板と前記外枠部材との間に配置される圧電または
    電歪素子と、 前記オリフィス内の流体質量と前記主流体室の拡張方向
    弾性で形成されるマス−ばね系の共振周波数を所定の車
    両低周波数振動域にチューニングしておき、少なくとも
    車両の音振性能を悪化させる振動がパワーユニットから
    入力される時、前記可動板に主流体室の内圧を低下させ
    る変位を付与する制御指令を前記圧電または電歪素子に
    出力する素子制御手段と、 を備えていることを特徴とする制御型パワーユニットマ
    ウント装置。
  2. 【請求項2】 前記圧電または電歪素子を、一端が可動
    板に接して配置される第1の圧電または電歪素子と、該
    第1の圧電または電歪素子の伸縮方向と直交する方向で
    かつ挟み込む位置に配置される少なくとも2か所の第
    2,第3の圧電または電歪素子とによって構成し、前記
    素子制御手段を、第1の圧電または電歪素子を伸長させ
    る場合と短縮させる場合とで第2,第3の圧電または電
    歪素子による挟み込みで設定される基準固定点を変え、
    可動板の変位量が大きく確保されるように各素子を独立
    のタイミングで制御する手段としたことを特徴とする請
    求項1記載の制御型パワーユニットマウント装置。
JP20411491A 1991-08-14 1991-08-14 制御型パワーユニツトマウント装置 Pending JPH05126203A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016150608A (ja) * 2015-02-16 2016-08-22 トヨタ自動車株式会社 エンジンの懸架装置
KR102297083B1 (ko) * 2020-06-29 2021-09-02 쌍용자동차 주식회사 자동차의 다이나믹 댐퍼기능을 갖는 마운팅용 인슐레이터

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JP2016150608A (ja) * 2015-02-16 2016-08-22 トヨタ自動車株式会社 エンジンの懸架装置
KR102297083B1 (ko) * 2020-06-29 2021-09-02 쌍용자동차 주식회사 자동차의 다이나믹 댐퍼기능을 갖는 마운팅용 인슐레이터

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