JPH0925984A - 電子制御エンジンマウント - Google Patents

電子制御エンジンマウント

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Publication number
JPH0925984A
JPH0925984A JP17775495A JP17775495A JPH0925984A JP H0925984 A JPH0925984 A JP H0925984A JP 17775495 A JP17775495 A JP 17775495A JP 17775495 A JP17775495 A JP 17775495A JP H0925984 A JPH0925984 A JP H0925984A
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JP
Japan
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engine
engine mount
map
reference position
actuator
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Application number
JP17775495A
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English (en)
Inventor
Ken Hori
憲 堀
Kiyoshige Honda
清成 本田
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンマウントに最適な防振能力を与える
こと。 【解決手段】 電子制御エンジンマウントは、車体1と
エンジン(内燃機関)2との間に配設されたエンジンマ
ウント4、エンジンマウント4を制御するECU(電子
制御ユニット)3、ディストリビュータ5内に設けられ
クランク角度の基準位置を示す基準位置信号G2 を出力
する基準位置センサ6、エンジン2に接続された自動変
速機(A/T)7、A/T7を制御するトランスミッシ
ョンコントローラ8から構成される。このように、エン
ジン制御における燃料噴射制御や点火時期制御のための
基準位置信号G2 を利用してエンジンマウント4の減衰
特性を可変するアクチュエータへの制御信号を形成して
おり、簡単な構成及び演算処理により最適なエンジンマ
ウントの減衰特性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンと車体と
の間に配設され、エンジンからの振動状態に応じて減衰
特性を任意に変更可能な電子制御エンジンマウントに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子制御エンジンマウントに関連
する先行技術文献としては、特開平7−42783号公
報にて開示されたものが知られている。このものでは、
電子制御エンジンマウントを搭載した車両において、エ
ンジンの負荷に応じて予め記憶されたマップ値を選択
し、所望の減衰特性を得てエンジンから車体へ伝達され
る振動を低減する技術が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電子制御エ
ンジンマウントを搭載した車両で、エンジンから車室内
に伝達される振動は、エンジンの負荷に対するエンジン
マウントのアクチュエータへの一律な制御信号の設定付
与では効果的に低減されないという不具合があった。
【0004】そこで、この発明は、かかる不具合を解決
するためになされたもので、エンジンマウントに最適な
防振能力を与えることができる電子制御エンジンマウン
トの提供を課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる電子制
御エンジンマウントは、図9にその概念を示すように、
車体とエンジン(内燃機関)との間に配設されるエンジ
ンマウントM1であって、前記エンジンマウントM1は
非圧縮性流体が封入され入力振動により容積変化される
主液室M2を有し、アクチュエータM3にて駆動される
減衰特性可変手段M4で前記エンジンの振動に連動して
前記主液室M2内の前記非圧縮性流体の圧力を制御し、
前記エンジンマウントM1の減衰特性を変更自在なもの
において、前記エンジンのクランク角度基準位置を示す
基準位置信号を検出する基準位置信号検出手段M5と、
前記エンジンのエンジン回転速度と前記アクチュエータ
M3に出力する制御信号との関係をマップとして記憶す
るマップ記憶手段M6と、前記基準位置信号検出手段M
5で検出された前記基準位置信号に対応し前記マップ記
憶手段M6で記憶された前記マップに基づき前記アクチ
ュエータM3を駆動するアクチュエータ駆動手段M7と
を具備するものである。
【0006】請求項2にかかる電子制御エンジンマウン
トは、請求項1の前記マップを、自動変速機を搭載する
車両における運転レンジ毎に設定し、前記運転レンジが
替わる毎に切替えるものである。
【0007】請求項3にかかる電子制御エンジンマウン
トは、請求項2の前記マップにおける前記運転レンジ
を、ニュートラルレンジとドライブレンジとするもので
ある。
【0008】
【作用】請求項1の電子制御エンジンマウントにおいて
は、基準位置信号検出手段M5で検出されたエンジンの
クランク角度基準位置を示す基準位置信号に対応し、マ
ップ記憶手段M6に記憶されたエンジンのエンジン回転
速度とアクチュエータM3に出力する制御信号との関係
を示すマップに基づきアクチュエータ駆動手段M7によ
ってアクチュエータM3が駆動され、エンジンマウント
M1の減衰特性が変更される。このように、エンジン制
御における燃料噴射制御や点火時期制御のための基準位
置信号を利用して、予め記憶されたマップに基づきアク
チュエータ制御用の信号を形成しているため、簡単な構
成及び演算処理によりエンジンマウントM1の減衰特性
が適切に可変制御できる。
【0009】請求項2の電子制御エンジンマウントで
は、請求項1におけるマップが自動変速機を搭載する車
両の運転レンジ毎に設定されており、運転レンジが替わ
る毎に切替えて用いられる。このため、運転レンジ毎に
適応するようにエンジンマウントの減衰特性が可変制御
できる。
【0010】請求項3の電子制御エンジンマウントで
は、請求項2におけるマップの運転レンジがニュートラ
ルレンジとドライブレンジとされる。このため、アイド
ル運転域での運転レンジに適応するようにエンジンマウ
ントの減衰特性が可変制御できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施の形
態に基づいて説明する。
【0012】図1は本発明の一実施の形態にかかる電子
制御エンジンマウントが適用されたエンジン周辺の構成
を示す概略図である。
【0013】図1において、電子制御エンジンマウント
は、車体1のステー1aとエンジン(内燃機関)2のス
テー2aとの間に配設されたエンジンマウント4、その
エンジンマウント4を制御するECU(Electronic Con
trol Unit:電子制御ユニット)3、エンジン2のディス
トリビュータ5内に設けられ、そのクランク角度の基準
位置を示す基準位置信号G2 を出力する基準位置センサ
6、エンジン2に接続された自動変速機(Automatic Tr
ansmission)(以下、単に『A/T』と記す)7、その
A/T7を制御するトランスミッションコントローラ8
から構成される。なお、基準位置センサ6はマグネット
ピックアップの一種である。
【0014】次に、上記エンジンマウント4の断面図を
示す図2を参照し、その詳細な構成を説明する。
【0015】図2において、エンジンマウント4は下端
のボルトネジ穴61bを車体1側に、上端のボルトネジ
穴43aをエンジン2側にそれぞれ図示しないボルトに
より締結された状態で用いられる。エンジンマウント4
のアクチュエータ部50を構成するマウントハウジング
51は上方に開口する有底円筒状をなし、その外周側に
折曲された開口縁51a上には略円盤状のダイヤフラム
52、仕切部材53が重合状態で配設されている。仕切
部材53上には、リング状のフレーム41、ドーム状の
マウントゴム42及び円柱状のボス43を相互に結合し
てなるインシュレータ部40が配設され、インシュレー
タ部40のフレーム41には、ダイヤフラム52、仕切
部材53を共締めした状態でマウントハウジング51の
開口縁51aが複数のボルト54により固定されてい
る。また、仕切部材53は開口縁51aに複数のビス5
5により予め固定されている。
【0016】上記構成により、マウントゴム42と仕切
部材53との間に主液室44、仕切部材53とダイヤフ
ラム52との間に副液室56、更に、ダイヤフラム52
とマウントハウジング51との間に大気に開放された空
気室57がそれぞれ形成される。
【0017】インシュレータ部40のフレーム41には
ストッパC45が複数のボルト46により固定されてい
る。また、ボス43にストッパA47、ストッパB48
が位置決めピン49により周方向を決められて重置きさ
れ、図示しないエンジン側取付ボルトによりボルトネジ
穴43aに共締めされる。なお、ストッパA47、スト
ッパB48、ストッパC45は協動してエンジン側の過
大変位を規制するようになっている。
【0018】マウントハウジング51内の底部には第1
の磁性体であるロアヨーク61が複数のビス62及び位
置決めピン63により固定され、そのロアヨーク61の
上面には軸心Lに対応して円筒部61aが形成されてい
る。ロアヨーク61上には円筒部61aの周囲を取囲む
ようにリング状のフェライト磁石64が接着され、その
フェライト磁石64上には同じくリング状の第2の磁性
体であるアッパヨーク65が接着され、アッパヨーク6
5の内周はロアヨーク61の円筒部61aの外周に対し
て所定間隔をおいて相対向している。アッパヨーク65
上にはダンパホルダ66が位置決めされた状態で固定さ
れ、ダンパホルダ66の内周には上下に所定間隔をおい
て不織布製の2枚のダンパ67が張架されて、ボビン6
8aが固定され下方に開口する有底円筒状のスプール6
8を支持している。両ダンパ67は断面蛇腹状をなし、
軸心Lと直交する方向へのスプール68の移動を規制し
つつ、軸心Lに沿う方向への若干の移動を許容してい
る。スプール68のボビン68aの下部外周にはコイル
69が巻回されており、このボビン68aに巻回された
コイル69部分は、ロアヨーク61の円筒部61aの外
周とアッパヨーク65の内周との間に挿入され、ロアヨ
ーク61及びアッパヨーク65のいずれの磁性体に対し
ても所定の間隔を保持している。
【0019】そして、ロアヨーク61、フェライト磁石
64、アッパヨーク65及びスプール68により所謂、
ボイスコイル60が構成され、ロアヨーク61及びアッ
パヨーク65とフェライト磁石64とにより形成された
直流磁場中でコネクタ70を介してスプール68のボビ
ン68aのコイル69に交流電流を流すと、スプール6
8はフレミングの左手の法則に従って軸心Lに沿う方向
に振動する。
【0020】仕切部材53には軸心Lを中心として円形
の連通孔53aが形成され、この連通孔53aを介して
主液室44と副液室56とが連通されている。連通孔5
3a内には上方に開口する有底円筒状をなす可動部材5
8が水平姿勢で配設されている。可動部材58の底部の
平面部とスプール68の上平面部とにダイヤフラム52
の中央部が挟まれてボルト59により結合されている。
したがって、上述したようにコイル69に通電される
と、スプール68と共に可動部材58は連通孔53a内
で軸心Lに沿う方向に振動する。可動部材58の外周と
連通孔53aの内周との間隔Sは、可動部材58が振動
時に仕切部材53の連通孔53aと接触するのを回避し
つつ可能な限り狭められ、本実施の形態では0.1〜
0.3mm程度の小さな値に設定されている。故に、主
液室44及び副液室56内の非圧縮性流体は、自己の粘
性作用により可動部材58の振動時にその間隔Sを流入
出することが規制され、動的には仕切部材53の連通孔
53aは可動部材58によりほぼ閉鎖されていると見做
すことができる。
【0021】主液室44及び副液室56内は非圧縮性流
体としての、例えば、エチレングリコール等で満たされ
ており、アクチュエータ部50のボイスコイル60の作
動周波数10〜200Hzの範囲では上記間隔Sで主液
室44の液圧を入力電圧によって制御可能である。即
ち、10Hz程度の低周波でも上記間隔Sを流れる液体
は、その粘性作用によって主液室44と副液室56との
間に十分な圧力差を発生する。制御時において、可動部
材58は各周波数で決まった大きさで仕切部材53の連
通孔53aの外壁に沿って摺動するが、連通孔53aの
摺動部長さは可動部材58が最大変位時でも可動部材5
8の摺動部上下端面が嵌合部より外れないように設定さ
れている。
【0022】また、可動部であるスプール68のボビン
68a及び可動部材58が下方へ変位した際、最初に接
触するのは二重のダンパ67の下側とアッパヨーク65
の上面であるが、両者の間隔は制御時における可動部材
58の最大変位より大きく設定され、相互干渉が防止さ
れている。ところで、非制御時及び過渡の入力電圧が印
加された時、主液室44の容積変化は可動部材58の面
積と変位の積となり、可動部材58の変位は許容値以上
となる可能性があり、連通孔53aの摺動嵌合部からの
脱落やダンパ67、コイル69の損傷につながるため、
可動部材58の上下方向の変位を許容値以内に規制する
ストッパ71が上下二箇所に配設されている。
【0023】次に、ECU3の構成について図3を参照
して説明する。
【0024】ECU3は主として、CPU31、データ
バス32、タイマ33、波形整形IC34、カウンタ3
5、I/Oポート36、各種データを格納するRAM3
7、制御プログラム等を記憶したROM38、I/Oポ
ート39、ボイスコイル駆動回路80及び電源回路90
から構成されており、キースイッチ91が投入されると
バッテリ92からの電力が電源回路90に供給されてE
CU3が起動する。
【0025】ディストリビュータ5に内蔵された基準位
置センサ6からの基準位置信号G2が波形成形IC34
に入力され矩形波に成形されたのち、I/Oポート36
を介してデータバス32に出力される。また、波形成形
後の基準位置信号G2 はカウンタ35によりカウントさ
れ、そのカウント値がデータバス32に出力される。更
に、A/T7を制御するトランスミッションコントロー
ラ8からのA/T状態信号Sp がI/Oポート36を介
してデータバス32に出力される。
【0026】CPU31では入力された基準位置信号G
2 に基づきエンジン1のエンジン回転速度NEが算出さ
れ、更に、入力されたA/T状態信号Sp に応じてRO
M38から読出されたディレイ時間として遅延させるべ
き位相角θ及び駆動電圧Vpの振幅Vp-p に基づき制御
信号VOUT が算出され、I/Oポート39を介してボイ
スコイル駆動回路80に出力される。このボイスコイル
駆動回路80にはバッテリ92から電力が供給され、制
御信号VOUT に比例する駆動電圧Vp がエンジンマウン
ト4のボイスコイル60に出力される。この駆動電圧V
p によりボイスコイル60が通電され可動部材58が振
動されることでエンジンマウント4の減衰特性が可変制
御され、エンジン2側の振動が車体1側に伝達されるの
が低減される。
【0027】次に、本発明の一実施の形態にかかる電子
制御エンジンマウントで使用されているECU3内のC
PU31の処理手順を図4のフローチャートに基づき、
図5の4サイクル直列4気筒エンジンを例とした各信号
波形を示すタイムチャートを参照して、エンジン振動が
エンジンマウント4で減衰される過程を説明する。な
お、本ルーチンは所定時間毎に繰返し実行される。ま
た、ここでは説明を簡略化するためエンジン振動をエン
ジン爆発1次振動成分のみとする。
【0028】4サイクル直列4気筒では、クランクシャ
フト2回転(720°CA(CrankAngle:クランク
角))で4回、即ち、180°CA毎に1回の爆発行程
が実行されるため、エンジン2の爆発に起因する振動
(エンジン爆発1次振動)は180°CAを1周期とす
る略正弦波と近似できる。この振動がエンジンマウント
4を介して車体1側に伝達される。なお、図5(c)に
おいて振動加速度gのMAX(最大値)では、エンジン
2からエンジンマウント4に圧縮方向の振動が入力され
てマウントゴム42が下方に撓んでおり、振動加速度g
のMIN(最小値)では、エンジンマウント4に伸長方
向の振動が入力されてマウントゴム42が上方に撓んで
いるものとする。
【0029】まず、ステップS101で、基準位置セン
サ6からの図5(a)に示す基準位置信号G2 及びトラ
ンスミッションコントローラ8からのA/T状態信号S
p が入力される。次にステップS102に移行して、基
準位置信号G2 が入力された直後であるかが判定され
る。ステップS102の判定条件が成立するときには、
ステップS103に移行し、現在のエンジン回転速度N
Eが算出される。次にステップS104に移行して、A
/T7のトランスミッションコントローラ8からのA/
T状態信号Sp に基づくA/T状態がN(ニュートラル
レンジ)であるかが判定される。ステップS104の判
定条件が成立するときには、ステップS105に移行
し、ROM38に格納されたマップのうちA/T状態信
号Sp に基づいて選択されたニュートラルレンジである
ときのマップを用い、エンジン回転速度NEよりディレ
イ時間として遅延させるべき位相角θ及び駆動電圧Vp
の振幅Vp-p が算出される。
【0030】一方、ステップS104の判定条件が成立
しないときには、ステップS106に移行し、ROM3
8に格納されたマップのうちA/T状態信号Sp に基づ
いて選択されたドライブレンジであるときのマップを用
い、エンジン回転速度NEよりディレイ時間として遅延
させるべき位相角θ及び駆動電圧Vp の振幅Vp-p が算
出される。ステップS105またはステップS106に
おける処理ののち、ステップS107に移行し、RAM
37に既に格納されている位相角θ及び駆動電圧Vp の
振幅Vp-p の値が更新される。一方、ステップS102
の判定条件が成立しないときには、ステップS103〜
ステップS107がスキップされ、即ち、このときの位
相角θ及び駆動電圧Vp の振幅Vp-p は前回にRAM3
7に格納された記憶値のままとされる。このようにし
て、位相角θ及び駆動電圧Vp の振幅Vp-p は基準位置
信号G2 の入力毎に最適値に更新されるのである。
【0031】次にステップS108に移行して、これら
の位相角θ及び駆動電圧Vp の振幅Vp-p を加味した上
で、その時点の制御信号VOUT の値が算出され、ボイス
コイル駆動回路80に出力される。このようにして作成
された制御信号VOUT をボイスコイル駆動回路80内で
反転したのちに正弦波に変換することで図5(d)に示
す180°CA周期の駆動電圧Vp が得られる。そし
て、ボイスコイル駆動回路80からエンジンマウント4
のボイスコイル60に駆動電圧Vp が出力され、エンジ
ンマウント4のコイル69が通電されて可動部材58が
振動される。
【0032】一般に、エンジンマウント4に求められる
特性としては、急加速、急減速、ブレーキ時、始動時に
は減衰係数を大きくし、アイドル時には減衰係数を小さ
くすることである。また、こもり音の低減には減衰特性
と伝達力の位相角との両方を変更することが求められ
る。このような要求特性に対し、予め決定されたディレ
イ時間として遅延させるべき位相角θ及び駆動電圧Vp
の振幅Vp-p を出力することでエンジンマウント4の減
衰特性を変更することができるのである。
【0033】本実施の形態のエンジンマウント4では、
エンジン2の運転状態に応じて減衰特性が可変制御され
る。エンジン2の振動によりインシュレータ部40のマ
ウントゴム42は上下方向に撓み、主液室44内の非圧
縮性流体にはマウントゴム42の下方への撓みに伴う圧
縮方向、上方への撓みに伴う膨張方向の周期的な振動が
印加される。
【0034】ここで、図6を参照してエンジン2の振動
によりエンジンマウント4を介して車体1へ伝達される
伝達力Fを分析する。
【0035】伝達力Fは、マウントゴム42の上下方向
の撓みによる通常の伝達力F1 、主液室44に発生する
液圧に主液室44の断面積を乗じた液圧力F2 、エンジ
ンマウント4中の可動部材58、スプール68、コイル
69を含む振動部材の振動慣性力F3 の和である。図6
では、エンジン振動が単一周波数成分からなると仮定
し、F1 ,F2 ,F3 の振動力を力の大きさと振動位相
を持つベクトルで表している。F1 ,F2 ,F3 の合成
ベクトルである伝達力Fは液圧ベクトルF2 と慣性力ベ
クトルF3 との和を制御することで所望の大きさと位相
角とに合致させることができる。F2 とF3 との和の力
はボイスコイル60に印加する電圧の大きさとその位相
角とにより決めることができるので、エンジン振動の伝
達力F、即ち、エンジンマウント4の減衰特性はボイス
コイル60に印加する電圧の大きさと位相角とを制御す
ることで任意に設定できる。
【0036】電子制御エンジンマウントによって、車室
内の振動を低減させるためには、エンジンマウント4以
外の振動伝達経路(例えば、他のエンジンマウントやA
/T7)から車室内に伝わってくる力のベクトル和に対
して、伝達力Fを逆位相にすることで打消すことが必要
である。この場合に、A/T7がニュートラルレンジま
たはドライブレンジである状態の相違によってエンジン
マウント4以外の振動伝達経路から車室内に伝わってく
る力が変化するため、エンジン回転速度NEが同じであ
っても伝達力Fに必要な位相角と大きさとが異なる。こ
のため、ROM38に格納するマップにはニュートラル
レンジ用とドライブレンジ用とが必要である。
【0037】図7は、実際にガソリンエンジンを搭載し
た乗用車(FF、4気筒エンジン)において、アイドル
回転域で運転席フロア振動を低減するように電子制御エ
ンジンマウントを制御したときのボイスコイル60に入
力する最適位相角及び電圧の一例を示すマップ及びグラ
フである。
【0038】図7(a)はマップのうちの1部分を示し
たものであり、エンジン回転速度NE〔rpm〕とA/
T状態とに応じた基準位置信号G2 に対する位相角θ
〔°CA〕と電圧Vp-p 〔V〕が示されている。ここ
で、A/T状態におけるN,Dはニュートラルレンジ及
びドライブレンジを示し、基準位置信号G2 に対しディ
レイ時間としての位相角θ〔°CA〕をどれだけ遅らせ
て正弦波(図5(d)に示す駆動電圧Vp )を発生させ
るかを表している。また、電圧Vp-p 〔V〕はこの正弦
波の振幅を表している。図7(b)はアイドル域でのマ
ップをグラフに表したもので、横軸にエンジン回転速度
NE〔rpm〕、縦軸に位相角θ〔°CA〕を示すもの
である。更に、図7(c)はアイドル域でのマップをグ
ラフに表したもので、横軸にエンジン回転速度NE〔r
pm〕、縦軸に電圧Vp-p 〔V〕を示すものである。
【0039】図8は本実施の形態の電子制御エンジンマ
ウントにおいて、図7のマップを使用して得られる振動
低減の効果を示す説明図である。図8(a)は、A/T
を搭載した車両におけるエンジンと電子制御エンジンマ
ウントと振動測定点との位置関係を示す。図8(b)は
図8(a)の車両に本電子制御エンジンマウントを適用
したときのアイドル回転での振動レベルを制御有、従来
の減衰特性が一定であるエンジンマウントを電子制御エ
ンジンマウントに替えて用いたときの振動レベルを制御
無として振動レベル低減の効果を示す。
【0040】図8(b)において、振動レベルの単位は
dB(デシベル)で表示してあり、振動レベルをXとす
ると、X=20×LOG(α/g)である。但し、αは
振動加速度〔m/s2 〕、gは重力加速度である。ニュ
ートラルレンジでは制御有のときの振動レベルを制御無
に比べて約23dB低減、ドライブレンジでは制御有の
ときの振動レベルを制御無に比べて約8dB低減させる
ことができた。
【0041】このように、本実施の形態の電子制御エン
ジンマウントは、車体1とエンジン2との間に配設され
るエンジンマウント4であって、エンジンマウント4は
非圧縮性流体が封入され入力振動により容積変化される
主液室44を有し、ボイスコイル60からなるアクチュ
エータにて駆動される可動部材58にて達成される減衰
特性可変手段でエンジン2の振動に連動して主液室44
内の前記非圧縮性流体の圧力を制御し、エンジンマウン
ト4の減衰特性を変更自在なものにおいて、エンジン2
のクランク角度基準位置を示す基準位置信号(G2 )を
検出する基準位置センサ6からなる基準位置信号検出手
段と、エンジン2のエンジン回転速度(NE)と前記ア
クチュエータに出力する制御信号との関係をマップとし
て記憶するECU3内のROM38からなるマップ記憶
手段と、前記基準位置信号検出手段で検出された基準位
置信号(G2 )に対応し前記マップ記憶手段で記憶され
た前記マップに基づき前記アクチュエータを駆動するE
CU3内のボイスコイル駆動回路80からなるアクチュ
エータ駆動手段とを具備するものであり、これを請求項
1の実施の形態とすることができる。
【0042】したがって、基準位置信号検出手段として
の基準位置センサ6で検出されたエンジン2のクランク
角度基準位置を示す基準位置信号(G2 )に対応し、マ
ップ記憶手段としてのECU3内のROM38に記憶さ
れたエンジン2のエンジン回転速度(NE)とアクチュ
エータとしてのボイスコイル60に出力する制御信号と
の関係を示すマップに基づきアクチュエータ駆動手段と
してのECU3内のボイスコイル駆動回路80によって
ボイスコイル60が駆動され、エンジンマウント4の減
衰特性が変更される。このように、エンジン制御におけ
る燃料噴射制御や点火時期制御のための基準位置信号
(G2 )を利用して、予め記憶されたマップに基づきア
クチュエータ制御用の信号を形成しているため、簡単な
構成及び演算処理によりエンジンマウント4の減衰特性
が適切に可変制御される。
【0043】また、本実施の形態の電子制御エンジンマ
ウントは、前記マップをA/T7を搭載する車両におけ
る運転レンジ毎に設定し、前記運転レンジが替わる毎に
切替えるものであり、これを請求項2の実施の形態とす
ることができる。
【0044】したがって、マップが自動変速機を搭載す
る車両の運転レンジ毎に設定されており、運転レンジが
替わる毎に切替えて用いられる。このため、運転レンジ
毎に適応するようにエンジンマウントの減衰特性が可変
制御される。
【0045】そして、本実施の形態の電子制御エンジン
マウントは、前記マップの前記運転レンジをニュートラ
ルレンジ(N)とドライブレンジ(D)とするものであ
り、これを請求項3の実施の形態とすることができる。
【0046】したがって、マップの運転レンジがニュー
トラルレンジとドライブレンジとされる。このため、ア
イドル運転域での運転レンジに適応するようにエンジン
マウントの減衰特性が可変制御される。
【0047】ところで、本実施の形態の電子制御エンジ
ンマウントはガソリンエンジンを搭載した乗用車だけで
なく、ディーゼルエンジンを搭載した乗用車等にも適用
できる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の電子制
御エンジンマウントによれば、基準位置信号検出手段で
検出されたエンジンのクランク角度基準位置を示す基準
位置信号に対応し、マップ記憶手段に記憶されたエンジ
ンのエンジン回転速度とアクチュエータに出力する制御
信号との関係を示すマップに基づきアクチュエータ駆動
手段によってアクチュエータが駆動され、エンジンマウ
ントの減衰特性が変更される。このように、エンジン制
御における燃料噴射制御や点火時期制御のための基準位
置信号を利用してアクチュエータ制御用の信号を形成し
ており、簡単な構成及び演算処理により最適なエンジン
マウントの減衰特性を得ることができる。
【0049】請求項2の電子制御エンジンマウントによ
れば、請求項1の効果に加えて、マップが自動変速機を
搭載する車両の運転レンジ毎に設定されており、運転レ
ンジが替わる毎に切替えて用いられる。これにより、運
転レンジ毎に最適なエンジンマウントの減衰特性を得る
ことができる。
【0050】請求項3の電子制御エンジンマウントによ
れば、請求項2の効果に加えて、マップにおける運転レ
ンジがニュートラルレンジとドライブレンジとされる。
これにより、アイドル運転域での運転レンジに最適なエ
ンジンマウントの減衰特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の一実施の形態にかかる電子制
御エンジンマウントの全体構成を示す概略図である。
【図2】 図2は本発明の一実施の形態にかかる電子制
御エンジンマウントにおけるエンジンマウントの詳細を
示す断面図である。
【図3】 図3は本発明の一実施の形態にかかる電子制
御エンジンマウントのECUの構成を示すブロック図で
ある。
【図4】 図4は本発明の一実施の形態にかかる電子制
御エンジンマウントで使用されているCPUの処理手順
を示すフローチャートである。
【図5】 図5は本発明の一実施の形態にかかる電子制
御エンジンマウントにおける各信号波形を示すタイムチ
ャートである。
【図6】 図6は本発明の一実施の形態にかかる電子制
御エンジンマウントでエンジン振動がエンジンマウント
を介して伝達される伝達力を示す説明図である。
【図7】 図7は本発明の一実施の形態にかかる電子制
御エンジンマウントで用いられるマップとそのグラフで
ある。
【図8】 図8は図7のマップを用いて得られた効果を
示す説明図である。
【図9】 図9は本発明の概念を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 車体 2 エンジン(内燃機関) 3 ECU(電子制御ユニット) 4 エンジンマウント 6 基準位置センサ 7 A/T(自動変速機) 38 ROM(マップ記憶手段) 44 主液室 60 ボイスコイル(アクチュエータ) 80 ボイスコイル駆動回路(アクチュエータ駆動手
段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体とエンジンとの間に配設され、入力
    振動により容積変化される非圧縮性流体が封入された主
    液室を有し、アクチュエータによって駆動される減衰特
    性可変手段で前記エンジンの振動に連動して前記主液室
    内の前記非圧縮性流体の圧力を制御して減衰特性を変更
    する電子制御エンジンマウントにおいて、 前記エンジンのクランク角度基準位置を示す基準位置信
    号を検出する基準位置信号検出手段と、 前記エンジンのエンジン回転速度と前記アクチュエータ
    に出力する制御信号との関係をマップとして記憶するマ
    ップ記憶手段と、 前記基準位置信号検出手段で検出された前記基準位置信
    号に対応し前記マップ記憶手段で記憶された前記マップ
    に基づき前記アクチュエータを駆動するアクチュエータ
    駆動手段とを具備することを特徴とする電子制御エンジ
    ンマウント。
  2. 【請求項2】 前記マップは、自動変速機を搭載する車
    両における運転レンジ毎に設定し、前記運転レンジが替
    わる毎に切替えることを特徴とする請求項1に記載の電
    子制御エンジンマウント。
  3. 【請求項3】 前記マップにおける前記運転レンジは、
    ニュートラルレンジとドライブレンジとすることを特徴
    とする請求項2に記載の電子制御エンジンマウント。
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