JPH09316969A - 洗浄ノズルとこれを用いた衛生洗浄装置 - Google Patents

洗浄ノズルとこれを用いた衛生洗浄装置

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JPH09316969A
JPH09316969A JP16100996A JP16100996A JPH09316969A JP H09316969 A JPH09316969 A JP H09316969A JP 16100996 A JP16100996 A JP 16100996A JP 16100996 A JP16100996 A JP 16100996A JP H09316969 A JPH09316969 A JP H09316969A
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JP
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water
nozzle
temperature
washing
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JP16100996A
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Inventor
Kuniaki Shinohara
邦彰 篠原
Hiroyuki Matsushita
博之 松下
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄水吐水に水勢の強弱をつける場合の信頼
性を高めると共に、気泡混入吐水と通常吐水との併用を
簡略化する。 【解決手段】 ノズルヘッド70は、洗浄水を洗浄水流
入路85からシリンダ室82,空気混入室84,第3ば
ね室83,弁体収納室81の順に通過させ、弁体87を
右方向に移動させて吐水口71から洗浄水吐水を行な
う。弁体87は、第3ばね室83と第1感温ばね90の
付勢力を受けてその釣合により移動し、第1感温ばね9
0が温度制御されて第1バイアスばね88に勝る付勢力
を発揮すると吐水口71を開口する。シャッタ96は、
ピストン91と共に、第2感温ばね95と第2バイアス
ばね94の付勢力の釣合で移動し、空気混入室84の開
口箇所を開閉する。この際、第2感温ばね95は温度制
御され、第2バイアスばね94に勝る付勢力を発揮する
と、シャッタ96により空気混入室84の開口部は全閉
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、供給を受けた洗浄
水を人体局部に吐水する洗浄ノズルと、この洗浄ノズル
を用いて人体局部を洗浄する衛生洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の衛生洗浄装置では、洗浄水吐水
に当たってその流量を変えたり、流量の脈動を通して水
勢を強弱させたりすることも行なわれている。また、人
体局部に洗浄水吐水がされた際に使用者に心地良さを与
えるために、洗浄水に気泡を混ぜることなども行なわれ
つつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
衛生洗浄装置では、次のような問題点が指摘されてい
る。
【0004】水勢の強弱は、洗浄水の流路に設けた電磁
弁を周期的にオン・オフさせることで行なわれる。よっ
て、水勢の強弱を短周期で行なうと、電磁弁のコイルへ
の通電のオン・オフが短周期で繰り返されるため、電磁
弁にハンチングが起きて正常に水勢に強弱をつけること
がことができないことがあった。また、水勢の強弱を継
続すると、コイルへの通電のオン・オフが継続されるた
め、焼き付けを起こして正常に水勢に強弱をつけること
がことができないことがあった。つまり、洗浄水吐水に
際して水勢の強弱をつける場合の信頼性が十分とはいえ
なかった。
【0005】また、洗浄水に気泡を混ぜて吐水する場合
には、図13に示すような気泡混入機構が採用されてい
る。この気泡混入機構は、洗浄ノズルにおける洗浄水流
路に設置されており、以下のように構成されている。洗
浄ノズルのノズルヘッド200は、ヘッド基部202を
備えている。このヘッド基部202には、水流路204
が形成されており、この水流路204の端部が噴射口2
06となっている。また、水流路204には、空気を導
入するための空気流路208が接続されている。従っ
て、洗浄水が水流路204を流れるときに、空気流路2
08から空気を導入して、洗浄水に空気を気泡として混
ぜて噴射口206から噴射する。
【0006】ところが、洗浄水への空気の混入割合は、
洗浄水の流量によって一定の値に定まってしまい、この
混入割合を変えて気泡混入吐水の多様化を図ることがで
きないでいた。
【0007】また、このような気泡混入機構を有する洗
浄ノズルを用いると、気泡を混入させない洗浄水吐水を
行なうことができない。よって、気泡を混入した吐水
(気泡混入吐水)と気泡を混入させない通常の吐水を行
なうには、気泡混入用の洗浄ノズルと気泡を混入させな
い通常の吐水用の洗浄ノズルとを併用し、両ノズルを交
換する必要があり煩雑であった。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するためにな
され、洗浄水吐水に際して水勢の強弱をつける場合の信
頼性を高めることを第1の目的とする。また、気泡を混
入した気泡混入吐水と気泡を混入させない通常吐水との
併用を簡略化することを第2の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】か
かる課題を解決するため、第1の発明の洗浄ノズルは、
人体局部を洗浄する洗浄水の供給を受け、該洗浄水を前
記人体局部に吐水する洗浄ノズルであって、前記洗浄水
の吐水口を開口して備え、該吐水口に連通して形成され
た弁体収納室と、外部の洗浄水供給源から前記弁体収納
室に至る洗浄水流路と、を有するノズル本体と、前記弁
体収納室に移動自在に収納され、前記吐水口を開閉する
弁体と、該弁体に前記吐水口を閉鎖する側の付勢力を及
ぼすよう前記ノズル本体に組み込まれた第1のばねとを
有し、所定の温度範囲において温度に応じてばね定数が
変化し、前記第1のばねの付勢力に勝る付勢力を発揮可
能に形成された第2のばねを、前記洗浄水流路と区画し
て前記ノズル本体に形成された第1のばね室に収納して
備え、更に、前記第2のばねの付勢力を前記弁体に前記
吐水口を開口する側に伝達する伝達手段と、前記第2の
ばねを温度制御するための外部の第1の制御手段と、前
記第2のばねとを接続するための第1の接続手段とを有
することを特徴とする。
【0010】上記構成を有する第1の発明の洗浄ノズル
では、外部の洗浄水供給源から供給された洗浄水は、ノ
ズル本体の洗浄水流路を通って弁体収納室に至り、この
弁体収納室と連通した吐水口から吐水される。この弁体
収納室には弁体が移動自在に収納されていて吐水口を開
閉するので、弁体の移動位置により洗浄水吐水の流量が
変化する。
【0011】弁体は、吐水口を閉鎖する側の第1のばね
の付勢力と吐水口を開口する側に伝達された第2のばね
の付勢力とを受けており、この付勢力の釣合により弁体
収納室における弁体の移動位置が定まる。つまり、第1
のばねの付勢力が第2のばねの付勢力に勝れば、吐水口
は弁体により閉鎖されるため、吐水はされない。しか
し、第2のばねの付勢力が第1のばねの付勢力に勝れ
ば、弁体が移動して吐水口はこの弁体により開口されて
吐水がなされ、その際の吐水流量は、上記の両付勢力の
釣合で定まる弁体の移動位置で規定される。
【0012】この場合、第2のばねは、所定の温度範囲
において温度に応じてばね定数が変化し、第1のばねの
付勢力に勝る付勢力を発揮可能に形成されていると共
に、この第2のばねを温度制御するための外部の第1の
制御手段と接続されている。よって、第1の制御手段に
より第2のばねの温度が制御されて第2のばねが第1の
ばねの付勢力に勝る付勢力を発揮すると、上記したよう
に弁体の移動を通して洗浄水吐水が行なわれると共に、
その際の流量も調整される。また、第1の制御手段によ
り第2のばねの温度が制御されて第2のばねが第1のば
ねの付勢力に勝る付勢力を発揮しなくなると、上記した
ように吐水口が弁体により閉鎖されて洗浄水吐水は停止
する。つまり、止水する。そして、第2のばねが第1の
ばねの付勢力に勝る付勢力を周期的に発揮すると、洗浄
水吐水と止水が周期的に繰り返される。
【0013】よって、この第1の発明の洗浄ノズルによ
れば、流量の脈動を通して水勢の強弱をつける際に、温
度に応じてばね定数が可変の第2のばねの温度制御で水
勢の強弱をつけることができ、電磁弁の周期的なオン・
オフを必要としない分、水勢の強弱付与の信頼性を向上
させることができる。
【0014】この場合、第2のばねを、所定の温度範囲
において温度に応じてばね定数が変化し、第1のばねの
付勢力に勝る付勢力を発揮可能に形成するには、ニッケ
ル・チタン合金からなる形状記憶合金(SMA)の範疇
に属する合金の線材を用い、この線材からばねを形成す
れば良い。つまり、この種のSMAは、温度に比例して
弾性係数が変化し、その結果、SMAを用いて形成した
第2のばねは、所定の温度範囲において温度に応じてば
ね定数が変化し、第1のばねの付勢力に勝る付勢力を発
揮することができることになる。そして、SMAを用い
て形成した第2のばねは、熱容量が小さく、温度変化に
対して敏感に作動する。
【0015】上記の構成を有する第1の発明の洗浄ノズ
ルにおいて、前記弁体収納室と前記第1のばね室とを、
前記弁体の移動方向に沿った直線上に配置することが好
ましい。
【0016】この構成の第1の態様の洗浄ノズルによれ
ば、第2のばねの付勢力を効率よく弁体に伝達できると
共に、直線配置を通して構成の簡略化を図ることができ
る。
【0017】また、上記構成の第1の発明の洗浄ノズル
において、前記第1の接続手段は、前記第2のばねに通
電してこれを加熱するための外部の第1の加熱手段と前
記第2のばねとを接続する手段と、前記第2のばねを冷
却するための外部の冷却水供給源から前記第1のばね室
に冷却水を導入する流路とを有するものとすることが好
ましい。
【0018】この構成の第2の態様の洗浄ノズルでは、
第1の加熱手段による加熱と冷却水供給源から流路を経
て第1のばね室に導入された冷却水による冷却とで、第
2のばねはその温度が制御される。そして、この第2の
ばねの温度制御を通して弁体が移動し、洗浄水吐水とそ
の際の流量調整並びに洗浄水吐水の停止が行なわれる。
よって、この構成の洗浄ノズルによっても、水勢の強弱
をつける際に電磁弁の周期的なオン・オフを必要としな
い分、水勢の強弱付与の信頼性を向上させることができ
る。
【0019】この場合、第1の加熱手段により第2のば
ねに通電されることから、この第2のばねは、自身の有
する抵抗値と通電された電流値とから定まるジュール熱
を発生し、このジュール熱で加熱される。
【0020】更に、上記構成の第1の発明の洗浄ノズル
又は第1の態様の洗浄ノズルにおいて、前記ノズル本体
を切り欠いて形成され、該切欠により前記洗浄水流路を
外部に露出させて前記洗浄水流路を通過する洗浄水に空
気を混入させる空気混入部と、該空気混入部における切
欠の開口箇所を開閉するよう移動自在に前記ノズル本体
に組み込まれた開閉体と、該開閉体に前記開口箇所を開
口する側又は閉鎖する側の付勢力を及ぼすよう前記ノズ
ル本体に組み込まれた第3のばねとを有し、所定の温度
範囲において温度に応じてばね定数が変化し、前記第3
のばねの付勢力に勝る付勢力を発揮可能に形成された第
4のばねを、前記洗浄水流路と区画して前記ノズル本体
に形成された第2のばね室に収納して備え、更に、前記
第4のばねの付勢力を、前記第3のばねが及ぼす付勢力
の向きと逆向きに前記開閉体に伝達する伝達手段と、前
記第4のばねを温度制御するための外部の第2の制御手
段と、前記第4のばねとを接続するための第2の接続手
段とを有するものとすることが好ましい。
【0021】この構成の第3の態様の洗浄ノズルでは、
上記したように第2のばねの温度制御を通した洗浄水吐
水とその際の流量調整並びに洗浄水吐水の停止に加え、
次のようにして、洗浄水に空気を混入して気泡混入吐水
を行なう。
【0022】この第3の態様の洗浄水ノズルでは、外部
の洗浄水供給源から供給された洗浄水がノズル本体の洗
浄水流路を通る際に、空気混入部の切欠により洗浄水流
路が外部に露出されている開口箇所で、通過する洗浄水
に空気を混入させる。ところで、この切欠の開口箇所で
は、開閉体が移動自在に収納されていてこの開口箇所を
開閉するので、開閉体の移動位置により開口箇所の開口
程度が変化する。
【0023】開閉体は、開口箇所を開口する側又は閉鎖
する側の第3のばねの付勢力とこの付勢力の向きと逆向
きに伝達された第4のばねの付勢力とを受けており、こ
の付勢力の釣合により開口箇所での開閉体の移動位置が
定まる。つまり、第3のばねの付勢力が第4のばねの付
勢力に勝れば、開口箇所は開閉体により開口(全開)又
は閉鎖される。その一方、第4のばねの付勢力が第3の
ばねの付勢力に勝れば、開閉体が移動して開口箇所はこ
の開閉体によりその逆、即ち閉鎖又は開口され、この際
の開口箇所の開口程度は、第3,第4のばねの両付勢力
の釣合で定まる開閉体の移動位置で規定される。
【0024】この場合、第4のばねは、所定の温度範囲
において温度に応じてばね定数が変化し、第3のばねの
付勢力に勝る付勢力を発揮可能に形成されていると共
に、この第4のばねを温度制御するための外部の第2の
制御手段と接続されている。よって、第2の制御手段に
より第4のばねの温度が制御されて第4のばねが第3の
ばねの付勢力に勝る付勢力を発揮すると、上記したよう
に開閉体の移動を通して開口箇所が開口又は閉鎖される
と共に、その際の開口程度も調整される。また、第2の
制御手段により第4のばねの温度が制御されて第4のば
ねが第3のばねの付勢力に勝る付勢力を発揮しなくなる
と、開口箇所はその逆に閉鎖又は開口される。
【0025】よって、この第3の態様の洗浄ノズルで
は、開口箇所での洗浄水への空気混入を図るに当たり、
開閉体を閉鎖側に移動して開口箇所を閉鎖させた場合に
は、洗浄水に気泡を混入させないので、気泡混入のない
通常吐水を行なうことができる。その一方、開閉体を開
口側に移動して開口箇所を開口すれば、洗浄水に空気を
混入させて気泡混入吐水を行なうことができる。この結
果、第3の態様の洗浄ノズルによれば、気泡混入吐水と
通常吐水とを、開口箇所を開閉する開閉体の移動を通し
て、簡単に併用することができる。
【0026】また、この第3の態様の洗浄ノズルでは、
開口箇所の開口程度を開閉体の移動位置により空気混入
の割合を変化させることができる。このため、第3の態
様の洗浄ノズルによれば、空気混入割合の変化を通して
気泡混入吐水の多様化を図ることができ、使い勝手を向
上させることができる。
【0027】しかも、この第3の態様の洗浄ノズルで
は、開口箇所の閉鎖/開口の切り換えを通した気泡混入
吐水と通常吐水との併用と、空気混入割合の変化を通し
た気泡混入吐水の多様化とを図るに当たり、温度に応じ
てばね定数が可変の第4のばねの温度制御を行なうに過
ぎない。よって、気泡混入吐水と通常吐水との併用並び
に気泡混入吐水の多様化を、高い信頼性で図ることがで
きる。
【0028】また、この第3の態様の洗浄ノズルでは、
洗浄水吐水とその際の流量調整並びに洗浄水吐水の停止
を図る上での第2のばねの温度制御と、気泡混入吐水と
通常吐水との併用並びに気泡混入吐水の多様化を図る上
での第4のばねの温度制御とが行なわれれば良く、制御
の共通化を通して簡略化を図ることができる。
【0029】この場合、第4のばねを、所定の温度範囲
において温度に応じてばね定数が変化し、第3のばねの
付勢力に勝る付勢力を発揮可能に形成するには、第2の
ばねと同様に、ニッケル・チタン合金からなる形状記憶
合金(SMA)の範疇に属する合金の線材を用いて形成
すれば良い。
【0030】上記の第2の態様の洗浄ノズルにおいて、
前記ノズル本体を切り欠いて形成され、該切欠により前
記洗浄水流路を外部に露出させて前記洗浄水流路を通過
する洗浄水に空気を混入させる空気混入部と、該空気混
入部における切欠の開口箇所を開閉するよう移動自在に
前記ノズル本体に組み込まれた開閉体と、該開閉体に前
記開口箇所を開口する側又は閉鎖する側の付勢力を及ぼ
すよう前記ノズル本体に組み込まれた第3のばねとを有
し、所定の温度範囲において温度に応じてばね定数が変
化し、前記第3のばねの付勢力に勝る付勢力を発揮可能
に形成された第4のばねを、前記洗浄水流路と区画して
前記ノズル本体に形成された第2のばね室に収納して備
え、更に、前記第4のばねの付勢力を、前記第3のばね
が及ぼす付勢力の向きと逆向きに前記開閉体に伝達する
伝達手段と、前記第4のばねに通電してこれを加熱する
ための外部の第2の加熱手段と前記第4のばねとを接続
する手段と、前記第1のばね室と前記第2のばね室とを
連通する冷却水連通路とを有するものとすることが好ま
しい。
【0031】この第4の態様の洗浄ノズルでは、第2の
加熱手段による加熱と、冷却水供給源から第1のばね室
を経て第2のばね室に流入した冷却水による冷却とで、
第4のばねはその温度が制御される。そして、第4のば
ねの温度制御を通して開閉体が移動し、気泡混入吐水と
通常吐水との併用並びに気泡混入吐水の多様化が可能と
なる。よって、この構成の洗浄ノズルによっても、気泡
混入吐水と通常吐水との併用並びに気泡混入吐水の多様
化を図る上での信頼性を高めることができる。
【0032】第2の発明の衛生洗浄装置は、人体局部に
洗浄水を吐水して該人体局部を洗浄する衛生洗浄装置で
あって、請求項1又は請求項2記載の洗浄ノズルと、前
記洗浄水を前記洗浄ノズルに供給する前記洗浄水供給源
と、前記第2のばねが前記第1のばねの付勢力に勝る付
勢力を周期的に発揮するよう、前記第2のばねを温度制
御する前記第1の制御手段とを有することを特徴とす
る。
【0033】上記構成を有する第2の発明の衛生洗浄装
置では、洗浄水供給源から洗浄ノズルに洗浄水を供給し
て、ノズル本体の吐水口からこの洗浄水を吐水させる。
この際、第1の制御手段により第2のばねを温度制御
し、この第2のばねが温度制御を通して発揮する付勢力
に応じて、洗浄ノズルにおける弁体を移動させて吐水口
を開閉させる。そして、この際の第2のばねの温度制御
は、第2のばねが第1のばねの付勢力に勝る付勢力を周
期的に発揮するよう行なわれるので、吐水口の開口・閉
鎖を周期的に繰り返し流量を脈動させる。このため、第
2の発明の衛生洗浄装置によれば、流量の脈動を通して
水勢の強弱をつける際に、第2のばねを温度制御すれば
よく、電磁弁の周期的なオン・オフを必要としない分、
水勢の強弱を高い信頼性で実現することができる。しか
も、水勢強弱用の電磁弁を要しないので、構成の簡略化
と小型化を図ることができる。
【0034】また、第3の発明の衛生洗浄装置は、人体
局部に洗浄水を吐水して該人体局部を洗浄する衛生洗浄
装置であって、請求項3記載の洗浄ノズルと、前記洗浄
水を前記洗浄ノズルに供給する前記洗浄水供給源と、前
記第2のばねを冷却する前記冷却水供給源と、前記第2
のばねが前記第1のばねの付勢力に勝る付勢力を周期的
に発揮するよう、前記第2のばねへの通電を制御して前
記第2のばねを加熱する前記第1の加熱手段とを有する
ことを特徴とする。
【0035】上記構成を有する第3の発明の衛生洗浄装
置では、洗浄水供給源から洗浄ノズルに洗浄水を供給し
て、ノズル本体の吐水口からこの洗浄水を吐水させる。
この際、冷却水供給源の冷却水で第2のばねを冷却する
と共に、第1の加熱手段により第2のばねを加熱するの
で、この第2のばねが加熱・冷却による温度制御を通し
て発揮する付勢力に応じて、洗浄ノズルにおける弁体を
移動させて吐水口を開閉させる。そして、加熱・冷却に
よる第2のばねの温度制御は、第2のばねが第1のばね
の付勢力に勝る付勢力を周期的に発揮するよう行なわれ
るので、吐水口の開口・閉鎖を周期的に繰り返し流量を
脈動させる。このため、第3の発明の衛生洗浄装置によ
っても、上記の第2の発明の衛生洗浄装置と同様に、水
勢の強弱をつける際の信頼性の向上等を図ることができ
る。
【0036】また、第4の発明の衛生洗浄装置は、人体
局部に洗浄水を吐水して該人体局部を洗浄する衛生洗浄
装置であって、請求項4記載の洗浄ノズルと、前記洗浄
水を前記洗浄ノズルに供給する前記洗浄水供給源と、前
記第2のばねが前記第1のばねの付勢力に勝る付勢力を
周期的に発揮するよう、前記第2のばねを温度制御する
前記第1の制御手段と、前記空気混入部における切欠の
開口箇所が使用者が設定した洗浄水への空気混入量に応
じて開口するよう、前記第4のばねを温度制御する前記
第2の制御手段とを有することを特徴とする。
【0037】上記構成を有する第4の発明の衛生洗浄装
置では、上記した第2の発明の衛生洗浄装置と同様に、
第1の制御手段による第2のばねの温度制御を通した洗
浄水吐水の水勢の強弱付与に加え、次のようにして、気
泡混入吐水を実行する。
【0038】この第4の発明の衛生洗浄装置では、洗浄
水供給源から洗浄ノズルに洗浄水を供給し、この洗浄水
を洗浄ノズルにおけるノズル本体の洗浄水流路を通過さ
せる。そして、洗浄水流路を通過する際に、空気混入部
の切欠により洗浄水流路が外部に露出されている開口箇
所で、洗浄水に空気を混入させる。この際、第2の制御
手段により第4のばねを温度制御し、この第4のばねが
温度制御を通して発揮する付勢力に応じて、洗浄ノズル
における開閉体を移動させて開口箇所を開閉させる。そ
して、第4のばねを温度制御するに当たっては、使用者
が設定した空気混入量に応じて開口箇所の開口程度を変
更させる。このため、第4の発明の衛生洗浄装置によれ
ば、所望する空気混入量で空気が混入した気泡混入吐水
を行なうことができ、その使い勝手の向上と気泡混入吐
水の多様化とを図ることができる。また、使用者が空気
混入をゼロと設定すれば、開口箇所は全閉されて洗浄水
に気泡を混入させないので、気泡混入のない通常吐水を
行なうことができる。よって、この第4の発明の衛生洗
浄装置によれば、気泡混入吐水と通常吐水とを、第2の
制御手段による第4のばねの温度制御を通して、簡単に
併用することができる。
【0039】更に、この第4の発明の衛生洗浄装置で
は、洗浄水吐水の水勢の強弱付与を図る上での第2のば
ねを温度制御と、気泡混入吐水と通常吐水との併用並び
に気泡混入吐水の多様化を図る上での第4のばねの温度
制御とを行なえば良く、制御の共通化を通して簡略化を
図ることができる。
【0040】また、第5の発明の衛生洗浄装置は、人体
局部に洗浄水を吐水して該人体局部を洗浄する衛生洗浄
装置であって、請求項5記載の洗浄ノズルと、前記洗浄
水を前記洗浄ノズルに供給する前記洗浄水供給源と、前
記第2のばねを冷却する前記冷却水供給源と、前記第2
のばねが前記第1のばねの付勢力に勝る付勢力を周期的
に発揮するよう、前記第2のばねへの通電を制御して前
記第2のばねを加熱する前記第1の加熱手段と、前記空
気混入部における切欠の開口箇所が使用者が設定した洗
浄水への空気混入量に応じて開口するよう、前記第4の
ばねへの通電を制御して前記第4のばねを加熱する前記
第2の加熱手段とを有することを特徴とする。
【0041】上記の構成を有する第5の発明の衛生洗浄
装置では、洗浄水供給源から供給した洗浄水に空気を混
入させて気泡混入吐水を行なうに当たり、第4のばね
を、第2の加熱手段による加熱と、冷却水供給源から第
1のばね室を経て第2のばね室に流入させた冷却水によ
る冷却とにより、温度制御する。そして、この加熱と冷
却とで第4のばねの温度を制御して開閉体を移動させ
て、開口箇所を開閉させる。そして、第4のばねを加熱
・冷却を通して温度制御するに当たっては、使用者が設
定した空気混入量に応じて開口箇所の開口程度を変更さ
せる。このため、第5の発明の衛生洗浄装置によれば、
上記した第4の発明の衛生洗浄装置と同様に、所望する
空気混入量の気泡混入吐水を行なうことができ、その使
い勝手の向上と気泡混入吐水の多様化とを図ることがで
きる。また、気泡混入吐水と通常吐水とを、加熱・冷却
を通した第4のばねの温度制御により、簡単に併用する
ことができる。
【0042】更に、第4のばねを温度制御する上での冷
却水を、洗浄水吐水を行なうための第2のばねの冷却に
も用いる。よって、この第5の発明の衛生洗浄装置によ
れば、共通の冷却水供給源しか必要とせず、構成の簡略
化を図ることができる。
【0043】また、第6の発明の洗浄ノズルは、人体局
部を洗浄する洗浄水の供給を受け、該洗浄水を前記人体
局部に吐水する洗浄ノズルであって、前記洗浄水の吐水
口を開口して備え、該吐水口から洗浄水を吐水するノズ
ル本体を備え、前記吐水口からの洗浄水の吐水形態を外
部から与えられる制御信号に応じて所定の複数の吐水形
態に変化させるためのアクチュエータを前記ノズル本体
に内蔵し、前記アクチュエータを制御を通して前記複数
の吐水形態で洗浄水の吐水を実現することを特徴とす
る。
【0044】上記の構成を有する第6の発明の洗浄ノズ
ルでは、ノズル本体に内蔵したアクチュエータが外部か
ら与えられる制御信号により制御されると、吐水口から
の洗浄水の吐水形態を所定の複数の吐水形態に変化させ
る。よって、吐水形態を洗浄ノズル側で変更できる。
【0045】上記の構成を有する第6の発明の洗浄ノズ
ルにおいて、前記複数の吐水形態は、洗浄水の水勢に強
弱をつけた第1の吐水形態と、気泡を洗浄水に混入させ
た第2の吐水形態と、洗浄水に気泡が未混入の第3の吐
水形態とを含むことが好ましい。
【0046】この構成の洗浄ノズルによれば、第1の吐
水形態と第2の吐水形態と第3の吐水形態とのいずれか
の吐水形態に洗浄ノズル側で変更できる。
【0047】また、上記の構成を有する第6の発明の洗
浄ノズルにおいて、前記アクチュエータは、前記制御信
号によって温度制御され、所定の温度範囲において温度
に応じて付勢力が変化する感温ばねを備え、前記感温ば
ねは、前記吐水口からの洗浄水の吐水形態を付勢力の変
化に応じて前記所定の複数の吐水形態の一つに変化させ
るものとすることが好ましい。
【0048】この構成の洗浄ノズルによれば、感温ばね
の温度制御を通して、所定の複数の吐水形態(第1の吐
水形態,第2の吐水形態,第3の吐水形態)の一つの吐
水形態に洗浄ノズル側で変更できる。
【0049】
【発明の他の態様】本発明は、以下のような他の態様を
採ることも可能であり、第1の他の態様は、上記した第
2ないし第4の発明の衛生洗浄装置において、前記洗浄
ノズルの吐水口が使用者が設定した洗浄水流量に応じて
開口するよう、前記第2のばねを温度制御する第3の制
御手段を有するものとすることが好ましい。
【0050】この第1の他の態様の衛生洗浄装置では、
洗浄水供給源から洗浄ノズルに洗浄水を供給して洗浄水
を吐水させる際に、第2のばねを第3の制御手段により
温度制御して、使用者が設定した洗浄水流量に応じて洗
浄ノズルの吐水口を開口させる。このため、第1の他の
態様の衛生洗浄装置によれば、所望する水量での洗浄水
吐水、即ち所望する水勢での洗浄水吐水を行なうとがで
き、その使い勝手を向上させることができる。
【0051】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る洗浄ノズルと
これを用いた衛生洗浄装置の実施の形態を実施例に基づ
き説明する。図1は、衛生洗浄装置を装着した洋式便器
の外観図である。
【0052】図示するように、衛生洗浄装置10は、便
器本体5に装着されるものであり、洗浄水を加熱したり
温風を吹き出すための装置などを収めたケーシング本体
11と、洗浄水を局部に噴出するノズル装置12と、操
作を行なう操作パネル13と、操作パネル13の操作に
基づいて温水の吐水及びノズル位置を制御する温水/ノ
ズル制御装置14(図2参照)とを備えている。なお、
実施例では、便蓋16及び便座17もケーシング本体1
1に開閉自在に取り付けられている。
【0053】外部水源は、便器本体5のボール面5aに
流す洗浄水を貯留する洗浄水タンク(図示省略)に配管
されているが、図2に示すように、途中の分岐金具20
から、連結管21を介して、衛生洗浄装置10にも配管
され、これに給水している。衛生洗浄装置10には、上
流側から、給水アダプタ22、減圧弁23、電磁弁2
4、安全弁25からなるバルブユニット26と、供給さ
れた水を温度検出器28により温度検出しつつヒータ2
9で適温まで加熱する熱交換器30と吐水状態を検出す
るフロートスイッチ31とからなる熱交換器ユニット3
2と、逆止弁33、流調モータ34により駆動される流
調弁35を備えた流調ユニット36とを備え、その先端
には、ノズル装置12が接続されている。ノズル装置1
2は、ノズル本体部60を軸方向に駆動するための駆動
装置50等からなる。
【0054】このほか、ノズル装置12には、後述の感
温ばねを温度制御する上で必要となる冷却水配管37
が、熱交換器ユニット32の上流から分岐して接続され
ている。このため、ノズル装置12には、電磁弁24が
オンされている間に亘って外部水源の水(水道水)が供
給されている。
【0055】電子制御装置40は、マイクロコンピュー
タを中心に構成されており、図3に示すように、操作パ
ネル13からの肛門洗浄ボタン13a、ビデ洗浄ボタン
13b、停止ボタン13c及び流量調節用ボタン13d
の信号、並びに便座17に設けた着座センサ38からの
信号を入力し、上記電磁弁24やヒータ29等を制御す
る。
【0056】このほか、電子制御装置40には、水勢の
強弱をつけて洗浄水を吐水するいわゆるマッサージ吐水
を行なうためのマッサージボタン13eと、洗浄水に気
泡を混入して吐水する気泡混入吐水を行なうためとその
際の気泡混入量を設定する気泡混入量設定ボタン13g
が入力側に接続されている。また、出力側には、後述の
第1感温ばね90を加熱するための第1感温ばね加熱装
置41と、第2感温ばね95を加熱するための第2感温
ばね加熱装置42とが接続されている。なお、電子制御
装置40は、気泡混入量設定ボタン13gの操作に応じ
て使用者が所望する気泡混入量を判別するので、気泡混
入量設定ボタン13gにより、気泡混入吐水を行なうか
気泡混入量がゼロの通常吐水を行なうかも設定される。
【0057】ここで、各ユニット等の大まかな動作を説
明する。便座17に使用者が座ると、着座センサ38か
らその旨の信号が出力され、その後、使用者が操作パネ
ル13を操作して、例えば用便後の洗浄を指示すると、
駆動装置50を駆動してノズル本体部60を一体的に洗
浄位置まで前進させ、ノズル装置12における後述の弁
体の移動を経てノズル装置12の吐水口を開き、洗浄水
の噴出を開始する。なお、洗浄水の流量は、流量調節用
ボタン13dの操作量に基づいて、流調モータ34によ
り制御される。そして、洗浄終了後、操作パネル13の
停止ボタン13cをオンして洗浄の終了を指示すると、
ノズル装置12の吐水口を閉鎖して洗浄水の噴出を終了
し、その後、駆動装置50を逆転してノズル本体部60
を収納位置に退避する。なお、マッサージボタン13e
や気泡混入量設定ボタン13gが操作された場合につい
ては、後述する。
【0058】次に、上記ノズル装置12について図4な
いし図9にしたがって詳細に説明する。図4に示すよう
に、ノズル装置12は、ケーシング本体11の下部に固
定されかつスライド面52aを有するベース52と、ベ
ース52のスライド面52aに摺動可能に組み付けられ
たパイプ状のノズル本体部60と、ノズル本体部60の
先端に固定されたノズルヘッド70と、ノズル本体部6
0を摺動させる駆動装置50と、ノズルヘッド70の洗
浄を行なうためのノズル洗浄カバー100と、を備えて
いる。
【0059】この駆動装置50は、肛門洗浄ボタン13
aが操作されると、ノズル本体部60を摺動させてノズ
ルヘッド70を肛門洗浄位置まで前進させ、ビデ洗浄ボ
タン13bが操作されると、ノズルヘッド70を肛門洗
浄位置より前方のビデ洗浄位置まで前進させる。
【0060】ノズル本体部60とノズルヘッド70は、
図5に示すように、2系統の流路を有し、その1系統の
流路は局部洗浄に用いる洗浄水についてのものであり、
他の系統の流路は後述の第1感温ばね90,第2感温ば
ね95の冷却に用いる冷却水についてのものである。つ
まり、ノズル本体部60は、その内部に、洗浄水を流通
させる第1流水路61と、冷却水を流通させる第2流水
路62とを備えている。この両流路は、ノズル本体部6
0の軸線方向に沿って形成されて、ノズルヘッド70に
洗浄水,冷却水を流し込む。第1流水路61は、流調ユ
ニット36における流調弁35(図2参照)に接続さ
れ、洗浄水は、この第1流水路61を通ってノズルヘッ
ド70に至り、ノズルヘッド70の内部では図示するよ
うな経路を通って吐水口71から局部に吐出される。第
2流水路62は、冷却水配管37(図2参照)に接続さ
れ、冷却水は、この第2流水路62を通ってノズルヘッ
ド70に至り、ノズルヘッド70の内部では図示するよ
うな経路を通って便器本体5のボール面5aに排出され
る。なお、この冷却水は、外部水源の水(水道水)であ
り、その温度はほぼ一定である。
【0061】また、ノズル本体部60は、第1感温ばね
90,第2感温ばね95に通電するための第1配線63
と第2配線64を、軸線方向に沿って備える。
【0062】次に、ノズルヘッド70について説明す
る。図5における6−6線拡大断面図である図6に示す
ように、ノズルヘッド70は、洗浄水と冷却水の流路を
形成するためのヘッド本体72を備え、ヘッド本体72
にはその端部に蓋体73が水密に固定されている。な
お、このノズルヘッド70の断面形状は、一辺が約15
〜20mmのほぼ正三角形とされている。
【0063】ノズルヘッド70は、ヘッド本体72の内
部に、第1ばね室74と第2ばね室75を並べて備え、
両ばね室を連通路76で連通させている。また、第2ば
ね室75には、排水路77が空けられている。ノズルヘ
ッド70は、ヘッド本体72の端部にコネクタ78を水
密に固定して備え、当該コネクタの内部流路78aで第
1ばね室74とノズル本体部60の第2流水路62とを
連通させている。この場合、コネクタ78は、ノズル本
体部60の端部に水密に嵌合されている。また、ノズル
ヘッド70は、ヘッド本体72の端部に第2ばね室75
を閉鎖するコネクタ79を水密に固定して備え、このコ
ネクタ79もノズル本体部60の端部に水密に嵌合され
ている。従って、第2流水路62を流れてきた冷却水
(水道水)は、コネクタ78の内部流路78aを経て第
1ばね室74に流入し、その後は、連通路76から第2
ばね室75に至り、排水路77から便器本体5のボール
面5aに排出される。つまり、第1ばね室74,連通路
76,第2ばね室75および排水路77で、ノズルヘッ
ド70における冷却水の経路が形成される。
【0064】ノズルヘッド70は、第1ばね室74と同
軸に、シリンダ室80と弁体収納室81とを備え、第2
ばね室75と同軸に、シリンダ室82と第3ばね室83
とを備える。シリンダ室82と第3ばね室83とは、ヘ
ッド本体72の一部を切り欠いて形成された空気混入室
84を隔てて対向しており、同軸形成された洗浄水通過
孔84a,84bを通して水の流通が可能とされてい
る。また、第3ばね室83と弁体収納室81とは、蓋体
73の内側で連通されており、シリンダ室82は、洗浄
水流入路85と連通されている。
【0065】この洗浄水流入路85は、図5における7
−7線拡大断面図である図7に示すように、ヘッド本体
72の内部に形成された上部洗浄水流路86とも連通さ
れている。上部洗浄水流路86の内部には、ノズル本体
部60の連結突出部60aが水密に嵌合されており、上
部洗浄水流路86とノズル本体部60の第1流水路61
は連通されている。従って、第1流水路61を流れてき
た洗浄水は、上部洗浄水流路86および洗浄水流入路8
5を経てシリンダ室82に流入し、その後は、洗浄水通
過孔84aから空気混入室84に飛び出して洗浄水通過
孔84bから第3ばね室83内に入り込み、弁体収納室
81に流入する。ここで、弁体収納室81に空けられて
いる吐水口71が開口されていれば、洗浄水は、弁体収
納室81から吐水口71を経て人体局部に吐出される。
つまり、上部洗浄水流路86,洗浄水流入路85,シリ
ンダ室82,空気混入室84,第3ばね室83および弁
体収納室81で、ノズルヘッド70における洗浄水の経
路が形成される。そして、この洗浄水の流路には、第1
ばね室74および第2ばね室75は含まれていないこと
から、これら両ばね室は、洗浄水流路と区画されてい
る。
【0066】弁体収納室81には、その内部で軸線方向
に移動して吐水口71を開閉する弁体87と、この弁体
87を図中左方向に常時付勢する第1バイアスばね88
とが収納されている。弁体87は、洗浄水を通過させる
洗浄水通過孔87aを貫通して備え、第1バイアスばね
88の付勢力に抗して図中右方向に移動すると、吐水口
71を開口して、洗浄水通過孔87aを経由して吐水口
71から洗浄水を吐水させる。この場合、第1バイアス
ばね88は、弁体87により吐水口71を閉鎖させるこ
とのできる付勢力を発揮できるよう、そのばね係数等が
定められている。
【0067】シリンダ室80には、ピストン89が水密
に、且つその軸方向に移動可能に組み込まれており、こ
のピストン89は、端部係合片89aを介して弁体収納
室81内の弁体87と固定されている。よって、弁体8
7は、ピストン89と一体となって弁体収納室81内を
移動し、吐水口71を開閉する。
【0068】第1ばね室74には、弁体87を図中右方
向に付勢するための第1感温ばね90が組み込まれてい
る。この第1感温ばね90は、ニッケル・チタン合金か
らなる形状記憶合金(SMA)の範疇に属する合金の線
材を用い、この線材から形成されている。SMAは、温
度に比例して弾性係数が変化するので、このSMAを用
いて形成した第1感温ばね90は、所定の温度範囲にお
いて温度に応じてばね定数が変化し、第1バイアスばね
88の付勢力に勝る付勢力を発揮することができる。そ
して、SMAを用いて形成した第1感温ばね90は、熱
容量が小さく、温度変化に対して敏感に作動する。な
お、第1感温ばね90は、0.5〜1mmのSMA線材
から形成されており、ばね径は約3mm、巻数は8〜1
0である。
【0069】従って、第1感温ばね90が第1バイアス
ばね88の付勢力に勝る付勢力を発揮すると、この付勢
力はピストン89を介して弁体87に伝達され、弁体8
7は図中右方向に移動して吐水口71を開口する。な
お、この際の吐水口71の開口の程度は、第1バイアス
ばね88の付勢力と第1感温ばね90の付勢力の釣合で
定まる。
【0070】第1感温ばね90は、その一端をコネクタ
78に埋没させ、他端をピストン89に埋没させて第1
ばね室74に組み込まれている。そして、コネクタ78
での埋没箇所とピストン89での埋没箇所で、ノズル本
体部60における第1配線63とそれぞれ接続されてお
り、第1感温ばね90は、このコネクタ78を介して第
1感温ばね加熱装置41と接続されている。このため、
第1感温ばね90は、第1感温ばね加熱装置41からの
通電を受けて、自身の有する抵抗値と通電された電流値
とから定まるジュール熱を発して加熱される。その一
方、第1感温ばね90は、第2流水路62から第1ばね
室74に流入する冷却水で冷却されているので、この冷
却と第1感温ばね加熱装置41からの通電制御とを通し
て温度制御され、上記したように第1バイアスばね88
の付勢力に勝る付勢力を発揮したり、当該付勢力を発揮
しなくなったりする。
【0071】なお、第1感温ばね90の両端の埋没箇所
は、樹脂モールドされており、コネクタ78からピスト
ン89に至るまでは、耐水性の被覆を持ったコードで配
線されている。また、このコードは、第1感温ばね90
の伸縮やピストン89の移動を阻害しないよう、更に
は、冷却水の流通を阻害しないよう配慮して配線されて
いる。例えば、ピストン89の手前までは、このコード
を第1ばね室74の内周壁内にモールドし、ピストン8
9の移動ストークに相当する長さだけこのコードは第1
ばね室74内に置かれている。
【0072】シリンダ室82には、ピストン91が水密
に、且つその軸方向に移動可能に組み込まれている。こ
のピストン91は、その右端に、洗浄水通過孔84a,
84b並びに空気混入室84を貫通して第3ばね室83
内に至る連結シャフト92を有し、第3ばね室83に収
納された整流板93と固定されている。この整流板93
は、第3ばね室83に収納された第2バイアスばね94
の付勢力を図中左方向に受け、等ピッチで空けられた通
過孔93a並びに第3ばね室83の内周壁との隙間から
洗浄水を通過させる。この場合、第2バイアスばね94
は、整流板93を、空気混入室84の側に止め置くこと
のできる付勢力を発揮できるよう、そのばね係数等が定
められている。
【0073】第2ばね室75には、ピストン91を図中
右方向に付勢するための第2感温ばね95が組み込まれ
ている。この第2感温ばね95も、上記した第1感温ば
ね90と同様、SMAの範疇に属する合金の線材を用い
て形成されており、SMAの温度に比例した弾性係数の
変化を通して、所定の温度範囲において温度に応じてば
ね定数が変化し、第2バイアスばね94の付勢力に勝る
付勢力を発揮することができる。そして、SMAを用い
て形成した第2感温ばね95も、熱容量が小さく、温度
変化に対して敏感に作動する。なお、第2感温ばね95
は、0.5〜1mmのSMA線材から形成されており、
ばね径は約3mm、巻数は8〜10である。
【0074】従って、第2感温ばね95が第2バイアス
ばね94の付勢力に勝る付勢力を発揮すると、この付勢
力により、ピストン91と整流板93とは図中右方向に
移動する。なお、この際のピストン91の移動位置は、
第2バイアスばね94の付勢力と第2感温ばね95の付
勢力の釣合で定まり、ピストン91が最右端まで移動し
ても、洗浄水流入路85はこのピストン91により閉鎖
されないようにされている。このため、ピストン91に
移動位置に拘らず、洗浄水は、シリンダ室82に常時流
入し、洗浄水通過孔84aから空気混入室84に飛び出
して洗浄水通過孔84bから第3ばね室83内に入り込
み、整流板93で整流されて後に弁体収納室81に流入
する。そして、空気混入室84の開口箇所が図示するよ
うに開口されていれば、洗浄水には、空気混入室84を
通過する間にその開口箇所から空気が導入され、空気を
気泡として混入した洗浄水が第3ばね室83から弁体収
納室81に流入し、吐水口71から吐水される。
【0075】第2感温ばね95は、上記した第1感温ば
ね90と同様に、その一端をコネクタ79に埋没させ、
他端をピストン91に埋没させて第2ばね室75に組み
込まれている。そして、両端の埋没箇所で、ノズル本体
部60における第2配線64とそれぞれ接続されてお
り、第2感温ばね95は、このコネクタ79を介して第
2感温ばね加熱装置42と接続されている。このため、
第2感温ばね95は、第2感温ばね加熱装置42からの
通電制御と第1ばね室74から連通路76を経て第2ば
ね室75に流入する冷却水での冷却とを通して温度制御
され、上記したように第2バイアスばね94の付勢力に
勝る付勢力を発揮したり、当該付勢力を発揮しなくなっ
たりする。なお、第2感温ばね95の両端の埋没箇所で
の樹脂モールドやコード配線等は、第1感温ばね90と
同様に処理されている。
【0076】次に、空気混入室84の開口箇所を開閉す
る機構について説明する。図5および図6の8−8線,
9−9線断面図である図8,図9に示すように、ヘッド
本体72には、シャッタ96が装着されている。このシ
ャッタ96は、ヘッド本体72の外観形状に倣って略L
字状断面を有し、空気混入室84の開口箇所を開閉する
よう移動自在とされている。そして、シャッタ96は、
ピストン91を貫通する係止ピン97によりこのピスト
ン91と一体化されているので、この係止ピン97を経
て、第2バイアスばね94,第2感温ばね95の付勢力
が伝達される。よって、シャッタ96は、この両ばねの
付勢力の釣合で移動するピストン91と一体となって移
動して、空気混入室84を開閉する。なお、ヘッド本体
72には、係止ピン97を案内してシャッタ96の移動
ストロークを定める長孔98が空けられている。
【0077】従って、上記したように第2感温ばね95
が第2バイアスばね94の付勢力に勝る付勢力を発揮す
ると、シャッタ96はピストン91と共に図6中におけ
る右方向に移動して、空気混入室84の開口箇所を閉鎖
する。また、第2感温ばね95の付勢力が弱まると、シ
ャッタ96は左方向に移動して、空気混入室84の開口
箇所を開口する。この際のシャッタ96の移動位置、即
ち空気混入室84の開口箇所の開口程度は、第2バイア
スばね94の付勢力と第2感温ばね95の付勢力の釣合
で定まる。このため、シャッタ96により空気混入室8
4の開口箇所が閉鎖されていれば、洗浄水には空気が混
入しないので、気泡混入のない通常の状態で洗浄水が空
気混入室84から第3ばね室83に入り込み、吐水口7
1からは通常の吐水が行なわれる。その一方、空気混入
室84が開口されていれば、その開口程度に応じた量の
空気が混入した洗浄水が吐水口71から吐水される。
【0078】次に、電子制御装置40により実行される
処理について、図10以降のフローチャートを用いて説
明する。
【0079】図10は、人体局部の洗浄に先だって、洗
浄水流量や気泡混入量の調整を行なう吐水状態調整ルー
チンの処理内容を示すフローチャートであり、この吐水
状態調整ルーチンでは、まず、流量調節用ボタン13
d,気泡混入量設定ボタン13gの調整ボタンのほか、
温度検出器28をスキャンし(ステップS100)、必
要なデータを読み込む。そして、読み込んだデータに基
づいて種々の調整を行ない(ステップS110)、本ル
ーチンを繰り返す。
【0080】つまり、このステップS110では、温度
検出器28から読み込んだ設定水温と温度検出器28か
ら読み込んだ実際の水温のデータに基づいてヒータ29
を加熱制御し、吐水する洗浄水を予め適温に維持する。
また、流量調節用ボタン13dから読み込んだ設定流量
に基づいて流調モータ34を制御し、吐水する洗浄水の
流量を予め設定流量とする。
【0081】更に、気泡混入量設定ボタン13gから読
み込んだ設定気泡混入量に基づいて第2感温ばね加熱装
置42を制御し、第2感温ばね95を冷却水による冷却
と相俟って温度制御する。これにより、第2感温ばね9
5は、この温度制御を通して、第2バイアスばね94に
勝る付勢力を、使用者が設定操作した気泡混入量設定ボ
タン13gの操作量に応じて発揮し、シャッタ96は、
この操作量に応じて空気混入室84を開口させる。従っ
て、空気混入室84の開口箇所からの洗浄水への空気混
入の割合は、気泡混入量設定ボタン13gの操作量に応
じて定まる。
【0082】そして、肛門洗浄ボタン13aやビデ洗浄
ボタン13bが操作されると、ノズルヘッド70の吐水
口71からはこの定まった空気混入割合で空気を混入さ
せた気泡混入吐水が行なわれる。この場合、気泡混入量
設定ボタン13gが気泡混入量がゼロとなるよう操作さ
れている場合には、第2感温ばね95は第2バイアスば
ね94に勝る付勢力を発揮できない温度に制御され、シ
ャッタ96は空気混入室84を全閉させる。従って、こ
の場合には、肛門洗浄ボタン13aやビデ洗浄ボタン1
3bの操作を経て、空気混入のない通常吐水が行なわれ
る。なお、気泡混入量の設定(再設定又は変更)は、吐
水中でも随時気泡混入量設定ボタン13gを操作するこ
とで行なわれる。
【0083】図11は、人体局部の洗浄を行なう吐水ル
ーチンの処理内容を示すフローチャートであり、この吐
水ルーチンでは、まず、着座センサ38からの着座信号
の有無により便座17が着座状態であるか未着座状態で
あるか否かを判断する(ステップS200)。未着座状
態であれば、このステップS200では否定判断されて
本ルーチンを終了する。一方、着座状態であればステッ
プS200では肯定判断され、続いて、肛門洗浄ボタン
13a,ビデ洗浄ボタン13bのいずれかのボタンがオ
ンされているか否かを判断し(ステップS210)、い
ずれのボタンもオンされていなければ、本ルーチンを終
了する。一方、いずれかのボタンがオンされている場合
には、続いてマッサージボタン13eがオンされている
か否かを判断する(ステップS220)。ここで否定判
断されれば、洗浄水の水勢に強弱を必要としない吐水
を、肛門洗浄ボタン13a,ビデ洗浄ボタン13bに応
じた洗浄位置(肛門洗浄位置又はビデ洗浄位置)にて実
行する(ステップS230)。
【0084】例えば、肛門洗浄ボタン13aがオンされ
ている場合には、まず第1に、駆動装置50の駆動モー
タ51を駆動してノズルヘッド70を肛門洗浄位置まで
進出させる。次いで、第2に、第1感温ばね加熱装置4
1の通電制御を通して第1感温ばね90を温度制御し、
第1感温ばね90に第1バイアスばね88の付勢力に勝
る付勢力を発揮させる。そして、この第1感温ばね90
の温度制御により、弁体87を開方向(図6における右
方向)に移動させて吐水口71を開き洗浄水を吐水す
る。この場合には、吐水口71が全開するよう第1感温
ばね90を温度制御する。また、気泡混入量設定ボタン
13gが操作されている場合には、既述したように、そ
の操作量に応じて定まった空気混入割合で空気混入室8
4の開口箇所から空気が混入した洗浄水(気泡混入洗浄
水)が吐水口71から吐水される。なお、ビデ洗浄ボタ
ン13bがオンされている場合は、ノズルヘッド70の
進出位置がビデ洗浄位置となるほかは、肛門洗浄ボタン
13aの場合と同様である。
【0085】一方、ステップS220で肯定判断すれ
ば、洗浄水の水勢に強弱をつけるマッサージ吐水を、上
記の両洗浄ボタンに応じた洗浄位置にて以下のように実
行する(ステップS240)。
【0086】例えば、肛門洗浄ボタン13aに続いてマ
ッサージボタン13eがオンされた場合には、まず第1
に、駆動装置50の駆動モータ51を駆動してノズルヘ
ッド70を肛門洗浄位置まで進出させる。次いで、第2
に、第1感温ばね加熱装置41による第1感温ばね90
への通電を図12に示すように正弦波形或いは余弦波形
的に周期的に制御し、この周期的な通電制御を通して第
1感温ばね90をその温度が周期的に変動するよう制御
する。この制御により、第1感温ばね90は第1バイア
スばね88の付勢力に勝る付勢力を周期的に発揮させる
ので、これを通して、弁体87を開方向と閉方向に亘っ
て左右に周期的に移動させ吐水口71を周期的に開閉さ
せる。従って、吐水口71からは、弁体87の周期的な
左右移動に依存した水勢の強弱が付けられたマッサージ
吐水が行なわれる。この場合、気泡混入量設定ボタン1
3gが操作されている場合には、その操作量に応じた空
気混入割合の気泡混入洗浄水が水勢に強弱を付けて吐水
される。なお、ビデ洗浄ボタン13bがオンされている
場合は、ノズルヘッド70の進出位置がビデ洗浄位置と
なるほかは、肛門洗浄ボタン13aの場合と同様であ
る。
【0087】その後は、停止ボタン13cがオンされて
いるか否かを判断し(ステップS250)、このボタン
がオンされるまでステップS220〜240の処理を継
続する。そして、停止ボタン13cがオンされれば、上
記した洗浄水吐水を停止し(ステップS260)、本ル
ーチンを終了する。
【0088】以上説明したように本実施例の衛生洗浄装
置10では、人体局部に水勢に強弱を付けて洗浄水を吐
水するに当たり、第1ばね室74を通過する冷却水によ
る冷却と第1感温ばね加熱装置41による加熱とにより
第1感温ばね90を温度制御し、この第1感温ばね90
が温度制御を通して発揮する付勢力に応じて、弁体87
を移動させて吐水口71を開閉させる。そして、この際
の第1感温ばね90の温度制御を、この第1感温ばね9
0が第1バイアスばね88の付勢力に勝る付勢力を周期
的に発揮するよう行なうので、吐水口71の開口・閉鎖
を周期的に繰り返し流量を脈動させる。このため、本実
施例の衛生洗浄装置10によれば、流量の脈動を通して
水勢の強弱をつける際に、第1感温ばね加熱装置41か
ら第1感温ばね90への通電を周期的な制御を通してこ
の第1感温ばね90を温度制御すればよく、電磁弁の周
期的なオン・オフを必要としない分、水勢の強弱を高い
信頼性で実現することができる。また、第1感温ばね9
0をSMAを用いて形成して温度変化に対して敏感に作
動するようにしたので、水勢の強弱を感度良く切り換え
ることができる。
【0089】しかも、水勢強弱用の電磁弁を要しないの
で、従来当該電磁弁が組み込まれていた衛生洗浄装置1
0の構成の簡略化と小型化を図ることができる。また、
ケーシング本体11における内部空間に余裕ができるの
で、局部洗浄用の洗浄水を一時的に貯留する貯留タンク
の容量増加を図ることもできる。
【0090】加えて、衛生洗浄装置10では、用いるノ
ズルヘッド70において、弁体収納室81と第1ばね室
74とを弁体87の移動方向に沿って直線上に配置し
た。よって、衛生洗浄装置10によれば、第2感温ばね
95の付勢力の伝達効率の向上と、構成並びに製造・組
み付け工程の簡略化を図ることができる。
【0091】また、本実施例の衛生洗浄装置10では、
ノズル装置12に供給した洗浄水をノズルヘッド70に
おける洗浄水流路を通過させる際に、その途中に設けた
空気混入室84の開口箇所で、洗浄水に空気を混入させ
る。この際、第1ばね室74から連通路76を通って第
2ばね室75に流入する冷却水による冷却と第2感温ば
ね加熱装置42による加熱とにより第2感温ばね95を
温度制御し、この第2感温ばね95が温度制御を通して
発揮する付勢力に応じて、シャッタ96を移動させて開
口箇所を開閉させる。そして、この第2感温ばね95を
温度制御するに当たっては、使用者が設定した空気混入
量に応じて開口箇所の開口程度を変更させる。このた
め、本実施例の衛生洗浄装置10によれば、所望する空
気混入量で空気が混入した気泡混入吐水を、水勢の強弱
のない場合の吐水と水勢に強弱をつけた吐水とに併用さ
せることができ、その使い勝手の向上と気泡混入吐水の
多様化とを図ることができる。
【0092】更に、気泡混入量設定ボタン13gにより
空気混入がゼロとされれば、空気混入室84の開口箇所
をシャッタ96により全閉させて洗浄水に気泡を混入さ
せないでおくことができる。よって、この衛生洗浄装置
10によれば、気泡混入吐水と通常吐水とを、冷却水に
よる冷却と第1感温ばね加熱装置41による加熱とを通
した第2感温ばね95の温度制御により、簡単に併用す
ることができる。具体的には、気泡混入量設定ボタン1
3gを空気混入ゼロに設定すれば、気泡混入のない通常
吐水を行なうことができ、当該ボタンを所望の空気混入
量となるよう調整すれば、気泡混入吐水に通常吐水から
簡単に切り換えることができる。
【0093】しかも、シャッタ96の開閉に用いる第1
感温ばね90をSMAを用いて形成して温度変化に対し
て敏感に作動するようにしたので、気泡混入量の変更
や、気泡混入吐水と通常吐水との切り換えを感度良く行
なうことができる。
【0094】また、この衛生洗浄装置10では、洗浄水
吐水の水勢の強弱付与を図る上での制御と、気泡混入吐
水と通常吐水との併用並びに気泡混入吐水の多様化を図
る上での制御とを、第1感温ばね90,第2感温ばね9
5への通電制御としている。このため、衛生洗浄装置1
0によれば、制御の共通化を通して簡略化を図ることが
できる。
【0095】更に、第1感温ばね90と第2感温ばね9
5を温度制御する上での冷却水を、第1ばね室74から
第2ばね室75に流通させて、両感温ばねの冷却に兼用
して用いる。よって、この衛生洗浄装置10によれば、
水道水を供給する冷却水配管37しか必要とせず、構成
の簡略化を図ることができる。
【0096】次に、変形例について説明する。第1の変
形例は、吐水口71からの洗浄水吐水の際の流量調整
を、第1感温ばね90の温度制御によって実行する点で
上記した実施例の衛生洗浄装置10と異なる。つまり、
弁体87は第1感温ばね90の付勢力と第1バイアスば
ね88の付勢力との釣合でその移動位置が定まるので、
流量調節用ボタン13dから読み込んだ設定流量に基づ
いて第1感温ばね90を温度制御する。そして、この温
度制御を通して第1感温ばね90が発揮する付勢力の大
きさを調整し、弁体87の移動位置を定める。このよう
に構成すれば、吐水口71の開口程度を弁体87の移動
位置で調整できるので、吐水する洗浄水の流量を吐水口
71にて調整することができる。よって、この第1の変
形例によれば、流調ユニット36における流調モータ3
4と流調弁35とが不要となり、構成の簡略化を図るこ
とができる。
【0097】第2の変形例は、図12に示すような第1
感温ばね90への通電を周期的に制御するに際して、そ
の電流値や周期を変更する手段を有する。具体的には、
マッサージ吐水調整ボタンを新たに設け、このボタンが
操作されると、第1感温ばね加熱装置41は、第1感温
ばね90への通電を行なう際の電流値や通電周期を変更
するよう構成することもできる。この第2の変形例によ
れば、洗浄水吐水につける強弱の多様化を通して、より
一層の使い勝手の向上を図ることができる。
【0098】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種
々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の衛生洗浄装置10を装着した洋式便器
の外観図。
【図2】この衛生洗浄装置10における温水/ノズル制
御装置14の構成を示すブロック図。
【図3】衛生洗浄装置10における電子制御装置40を
中心とした制御系のブロック図。
【図4】ノズル装置12を一部破断して示す側面図。
【図5】ノズル本体部60とノズルヘッド70における
2系統の流路を記載したノズルヘッド70付近の概略斜
視図。
【図6】図5における6−6線拡大断面図。
【図7】図5における7−7線拡大断面図。
【図8】図6における8−8断面図。
【図9】図6における9−9断面図。
【図10】電子制御装置40により実行される吐水状態
調整ルーチンの処理内容を示すフローチャート。
【図11】電子制御装置40により実行される吐水ルー
チンの処理内容を示すフローチャート。
【図12】第1感温ばね加熱装置41による第1感温ば
ね90への通電の様子を説明する説明図。
【図13】洗浄水への気泡混入に用いられていた従来の
気泡混入機構を説明するための説明図。
【符号の説明】
5…便器本体 10…衛生洗浄装置 11…ケーシング本体 12…ノズル装置 13…操作パネル 14…温水/ノズル制御装置 17…便座 37…冷却水配管 40…電子制御装置 41…第1感温ばね加熱装置 42…第2感温ばね加熱装置 60…ノズル本体部 61…第1流水路 62…第2流水路 63…第1配線 64…第2配線 70…ノズルヘッド 71…吐水口 72…ヘッド本体 74…第1ばね室 75…第2ばね室 76…連通路 77…排水路 78…コネクタ 79…コネクタ 80…シリンダ室 81…弁体収納室 82…シリンダ室 83…第3ばね室 84…空気混入室 87…弁体 87a…洗浄水通過孔 88…第1バイアスばね 89…ピストン 90…第1感温ばね 91…ピストン 92…連結シャフト 93…整流板 94…第2バイアスばね 95…第2感温ばね 96…シャッタ 97…係止ピン

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人体局部を洗浄する洗浄水の供給を受
    け、該洗浄水を前記人体局部に吐水する洗浄ノズルであ
    って、 前記洗浄水の吐水口を開口して備え、該吐水口に連通し
    て形成された弁体収納室と、外部の洗浄水供給源から前
    記弁体収納室に至る洗浄水流路と、を有するノズル本体
    と、 前記弁体収納室に移動自在に収納され、前記吐水口を開
    閉する弁体と、 該弁体に前記吐水口を閉鎖する側の付勢力を及ぼすよう
    前記ノズル本体に組み込まれた第1のばねとを有し、 所定の温度範囲において温度に応じてばね定数が変化
    し、前記第1のばねの付勢力に勝る付勢力を発揮可能に
    形成された第2のばねを、前記洗浄水流路と区画して前
    記ノズル本体に形成された第1のばね室に収納して備
    え、 更に、 前記第2のばねの付勢力を前記弁体に前記吐水口を開口
    する側に伝達する伝達手段と、 前記第2のばねを温度制御するための外部の第1の制御
    手段と、前記第2のばねとを接続するための第1の接続
    手段とを有することを特徴とする洗浄ノズル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の洗浄ノズルであって、 前記弁体収納室と前記第1のばね室とを、前記弁体の移
    動方向に沿った直線上に配置した、洗浄ノズル。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の洗浄ノズル
    であって、 前記第1の接続手段は、 前記第2のばねに通電してこれを加熱するための外部の
    第1の加熱手段と前記第2のばねとを接続する手段と、 前記第2のばねを冷却するための外部の冷却水供給源か
    ら前記第1のばね室に冷却水を導入する流路とを有す
    る、洗浄ノズル。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2記載の洗浄ノズル
    であって、 前記ノズル本体を切り欠いて形成され、該切欠により前
    記洗浄水流路を外部に露出させて前記洗浄水流路を通過
    する洗浄水に空気を混入させる空気混入部と、 該空気混入部における切欠の開口箇所を開閉するよう移
    動自在に前記ノズル本体に組み込まれた開閉体と、 該開閉体に前記開口箇所を開口する側又は閉鎖する側の
    付勢力を及ぼすよう前記ノズル本体に組み込まれた第3
    のばねとを有し、 所定の温度範囲において温度に応じてばね定数が変化
    し、前記第3のばねの付勢力に勝る付勢力を発揮可能に
    形成された第4のばねを、前記洗浄水流路と区画して前
    記ノズル本体に形成された第2のばね室に収納して備
    え、 更に、 前記第4のばねの付勢力を、前記第3のばねが及ぼす付
    勢力の向きと逆向きに前記開閉体に伝達する伝達手段
    と、 前記第4のばねを温度制御するための外部の第2の制御
    手段と、前記第4のばねとを接続するための第2の接続
    手段とを有する、洗浄ノズル。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の洗浄ノズルであって、 前記ノズル本体を切り欠いて形成され、該切欠により前
    記洗浄水流路を外部に露出させて前記洗浄水流路を通過
    する洗浄水に空気を混入させる空気混入部と、 該空気混入部における切欠の開口箇所を開閉するよう移
    動自在に前記ノズル本体に組み込まれた開閉体と、 該開閉体に前記開口箇所を開口する側又は閉鎖する側の
    付勢力を及ぼすよう前記ノズル本体に組み込まれた第3
    のばねとを有し、 所定の温度範囲において温度に応じてばね定数が変化
    し、前記第3のばねの付勢力に勝る付勢力を発揮可能に
    形成された第4のばねを、前記洗浄水流路と区画して前
    記ノズル本体に形成された第2のばね室に収納して備
    え、 更に、 前記第4のばねの付勢力を、前記第3のばねが及ぼす付
    勢力の向きと逆向きに前記開閉体に伝達する伝達手段
    と、 前記第4のばねに通電してこれを加熱するための外部の
    第2の加熱手段と前記第4のばねとを接続する手段と、 前記第1のばね室と前記第2のばね室とを連通する冷却
    水連通路とを有する、洗浄ノズル。
  6. 【請求項6】 人体局部に洗浄水を吐水して該人体局部
    を洗浄する衛生洗浄装置であって、 請求項1又は請求項2記載の洗浄ノズルと、 前記洗浄水を前記洗浄ノズルに供給する前記洗浄水供給
    源と、 前記第2のばねが前記第1のばねの付勢力に勝る付勢力
    を周期的に発揮するよう、前記第2のばねを温度制御す
    る前記第1の制御手段とを有することを特徴とする衛生
    洗浄装置。
  7. 【請求項7】 人体局部に洗浄水を吐水して該人体局部
    を洗浄する衛生洗浄装置であって、 請求項3記載の洗浄ノズルと、 前記洗浄水を前記洗浄ノズルに供給する前記洗浄水供給
    源と、 前記第2のばねを冷却する前記冷却水供給源と、 前記第2のばねが前記第1のばねの付勢力に勝る付勢力
    を周期的に発揮するよう、前記第2のばねへの通電を制
    御して前記第2のばねを加熱する前記第1の加熱手段と
    を有することを特徴とする衛生洗浄装置。
  8. 【請求項8】 人体局部に洗浄水を吐水して該人体局部
    を洗浄する衛生洗浄装置であって、 請求項4記載の洗浄ノズルと、 前記洗浄水を前記洗浄ノズルに供給する前記洗浄水供給
    源と、 前記第2のばねが前記第1のばねの付勢力に勝る付勢力
    を周期的に発揮するよう、前記第2のばねを温度制御す
    る前記第1の制御手段と、 前記空気混入部における切欠の開口箇所が使用者が設定
    した洗浄水への空気混入量に応じて開口するよう、前記
    第4のばねを温度制御する前記第2の制御手段とを有す
    ることを特徴とする衛生洗浄装置。
  9. 【請求項9】 人体局部に洗浄水を吐水して該人体局部
    を洗浄する衛生洗浄装置であって、 請求項5記載の洗浄ノズルと、 前記洗浄水を前記洗浄ノズルに供給する前記洗浄水供給
    源と、 前記第2のばねを冷却する前記冷却水供給源と、 前記第2のばねが前記第1のばねの付勢力に勝る付勢力
    を周期的に発揮するよう、前記第2のばねへの通電を制
    御して前記第2のばねを加熱する前記第1の加熱手段
    と、 前記空気混入部における切欠の開口箇所が使用者が設定
    した洗浄水への空気混入量に応じて開口するよう、前記
    第4のばねへの通電を制御して前記第4のばねを加熱す
    る前記第2の加熱手段とを有することを特徴とする衛生
    洗浄装置。
  10. 【請求項10】 人体局部を洗浄する洗浄水の供給を受
    け、該洗浄水を前記人体局部に吐水する洗浄ノズルであ
    って、 前記洗浄水の吐水口を開口して備え、該吐水口から洗浄
    水を吐水するノズル本体を備え、 前記吐水口からの洗浄水の吐水形態を外部から与えられ
    る制御信号に応じて所定の複数の吐水形態に変化させる
    ためのアクチュエータを前記ノズル本体に内蔵し、前記
    アクチュエータを制御を通して前記複数の吐水形態で洗
    浄水の吐水を実現することを特徴とする洗浄ノズル。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の洗浄ノズルであっ
    て、 前記複数の吐水形態は、洗浄水の水勢に強弱をつけた第
    1の吐水形態と、気泡を洗浄水に混入させた第2の吐水
    形態と、洗浄水に気泡が未混入の第3の吐水形態とを含
    む、洗浄ノズル。
  12. 【請求項12】 請求項10又は請求項11記載の洗浄
    ノズルであって、 前記アクチュエータは、前記制御信号によって温度制御
    され、所定の温度範囲において温度に応じて付勢力が変
    化する感温ばねを備え、 前記感温ばねは、前記吐水口からの洗浄水の吐水形態を
    付勢力の変化に応じて前記所定の複数の吐水形態の一つ
    に変化させる、洗浄ノズル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004083539A1 (ja) * 2003-03-20 2004-09-30 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 洗浄ノズルとそれを用いたトイレ装置
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