JP2004283455A - 冷水排出装置 - Google Patents

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Osamu Tokunaga
修 徳永
Hisashi Nomura
久 野村
Hideyuki Matsui
英之 松井
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Abstract

【課題】冷水排出装置の優れた機能に加え、十分な吐水量を確保すると共に、新たにシャワー浴後にシャワー部及びシャワーホース内に滞留する残留水をも自動的に排出する機能を付加することで、日々最初にシャワー浴を行う場合に、いきなりシャワーから吐水させたとしても、冷水がシャワーから吐水されない冷水排出装置を提供することを目的とした。さらにはシャワー部内の残留水が、水栓の取り付け現場の水圧やシャワー器具の種類に影響されず、十分な排出機能、及び優れたデザイン性をも具備する。
【解決手段】水栓本体、または水栓とシャワー部を連絡する流路の中途部に配置して、湯水温度を感知する部材の付勢力により可動弁体を駆動して冷水を排出する流路を形成する冷水排出装置において、前記水栓からの湯水の供給を停止した場合に、該装置より下流側かつ上位置に滞留している残留水を排出する残水排出機能部を有することを特徴とする冷水排出装置。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室用の水栓に付属されるものであって特にシャワー部の冷水を排出する装置部に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、シャワー設備等の給湯システムにおいて、水栓を開いても最初に供給経路に残留している冷えた湯水(冷水)が流出するため、適温度状態の湯水が供給されるまでにはある程度の時間を要し、その間は冷水を浴びることになる。また、冬場であれば、その残留水がさらに冷たくなり、冷水を浴びる恐れと冷水を浴びる時間が増大して、人身に不快感を与える。
こういった問題を解決するために、従来技術では、適温度以外の湯水を自動的に排出する湯水供給温度制御装置が開示されている(例えば、特許文献1参照のこと。)。
【0003】
図9に特許文献1記載の代表的な従来の湯水供給温度制御装置の断面図を示す。
この湯水供給温度制御装置においては所定温度以下の湯水(冷水)を選択して湯水供給温度制御装置外に排出する機構に加えて、別の所定温度以上の湯水(熱湯)も選択して湯水供給温度制御装置外に排出する二つの機構が合わせて構成されている。
すなわち、所定の温度範囲内の湯水のみをこの湯水供給温度制御装置の下流側に通水することを目的とする湯水供給温度制御装置である。この湯水供給温度制御装置の一機能である所定温度以下の湯水(冷水)を選択して湯水供給温度制御装置外に排出し、かつ適温度の湯水を下流側へ通水する構成に関わる部分についてその技術を説明する。
【0004】
図9において、断面図の上半分に位置する指示番号52から61の部品により構成されている部分がこれに該当する。従来の湯水供給温度制御装置50に入口51から適温度の湯水が供給された場合には、湯水の温度を感知する感温材54が伸長して、第1可動弁体55が下方へ移動して開閉口58が開き適温度の湯水を下流側へ通水すると共に、ばね60の付勢力により第2可動弁体59も下方へ押され冷水排出口57を閉じる。
このとき入口51から進入した適温度の湯水は、まず前記感温材54の座板52に衝突して、この座板52に設けられた複数の小径の開口53を通過して分流となり、この感温材54とばね60との間の環状の周壁路61を通過した後、さらにこの感温部材のもう一方の座56に衝突して開閉口58を経由し出口70に至る。
【0005】
しかし、従来技術による水栓とシャワー部を連絡する流路の中途部に配置して、湯水の温度を感知する部材により可動弁体を介して冷水を選択して排出する冷水排出装置において、シャワー使用後にシャワー部及びシャワーホース内に滞留する湯水は必ず次のシャワーを使う時まで残留してしまう。次に使用するまでの間に、残留している冷水を自動的に排出する残水排出機能部を有するものは見出せない。
【0006】
また、水栓使用後にシャワー側の残留水を自動的に排出する機能のみを有する装置が開示されている(例えば、特許文献2参照のこと。)。
これは図10に示すように残留水の排出弁80と、該排出弁80を開弁方向すなわちシャワー流路81と排出路82を連通せしめる方向に付勢するばね83、及びこれら部品を保持する排出筒84等により構成される。その作用としては、シャワー使用時に水栓からの湯水の送水圧力が排出弁80の頭面80aを付勢することにより、排出シート86を閉じてシャワー側に湯水を供給し、一方、シャワー使用後に水栓からの湯水の供給が停止された場合には前述した湯水の送水圧力がゼロとなるため、前記ばね83の付勢力により排出弁80が開弁してシャワー流路81内の残留水を排出路82へ導き排出口85から排出するものである。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−330170号公報
【特許文献2】
登実第3057596号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年のシャワー浴の快適さを求める風潮の中、刺激感のあるたっぷりシャワーや頭上シャワー等の多くの流量を必要とするシャワー付き水栓を望む声が市場にある。
このような要望に応えるべく快適なシャワー浴を提供しうるシャワー付き水栓に、所定の温度範囲以外の湯水を排出して所定の温度範囲内の湯水のみをシャワー吐水することができるように特許文献1に記載の湯水供給温度制御装置を備えた場合、次のような問題点が生じる。
すなわち図9に示す構成では所定の温度範囲内の湯水は複数の開口53を通過するときに各開口53の間の橋渡しの面積部分の抵抗を受け、さらにばね60の内周壁や座56に衝突することによっても流量抵抗を受けるため、トータル的にこの湯水供給温度制御装置内を通過する湯水には多大な流量抵抗が生じることになりシャワー側へ多くの流量を供給することが望めない。
【0009】
すなわち、このような流量抵抗の多い従来の湯水供給温度制御装置をシャワー用水栓に装着した場合においては、多くの流量を必要とするタイプのシャワー部に満足のいく流量を供給し難いという不具合があった。では、従来の湯水供給温度制御装置を半分にし機能を絞って流量を確保する方法も考えられるが、流路が複雑なため流量抵抗が大きく、よりたっぷりのシャワーを望む市場には応えられない。
【0010】
別の問題として、特許文献1の湯水供給温度制御装置は、流路が複雑化することで、湯水供給温度制御装置のコンパクト化が難しく、外観が大きくなってしまう。そのため、水栓やシャワーホースなどに接続した場合、湯水供給温度制御装置が目立ってしまい外観性を損ねてしまったり、湯水供給温度制御装置が膨出した状態で取り付けられるため、清掃性も悪くなってしまうといった問題がある。
【0011】
また、特許文献2の残水排出装置においては次のような2つの問題があった。1つは排出弁80の開閉力がばね83の付勢力に影響されるため、該ばね力が強いと排出弁80を開ける力が強くなるので、水栓の設置現場の水圧が低かったり、同時使用等により水栓からシャワー側に供給される湯水が少量である場合には排出弁80が閉じなくなり、シャワー浴中に、本来ならばシャワーからのみ吐水されるべき湯水の一部が、排出口85からも排出される不具合が生じる可能性がある。また、逆にばね83の力が弱いと排出弁80を開ける力が弱くなり、後述する図6に示すような高位置に取り付けられるシャワーのようにシャワー部内に滞留する残留水による水頭圧が大きい場合には、排出弁80が開弁し難くなり、シャワー使用後に残留水が排出されないという不具合が考えられる。このようにばね力を利用した排出弁は、各種シャワー具の形態や水栓設置現場の水圧や流量等にマッチするばね力の調整が個々の条件毎に必要となり、製造者、施工者、使用者にとって好ましい商品性を有するものとは言い難い。
【0012】
さらに2つ目の問題は、排出筒84が、シャワー通水に要する管路以外の部分に突出物として設けられているためデザイン的にも好ましくない。
【0013】
ここで冷水排出装置がシャワー浴を快適にすることについて補足的に説明する。日々水栓を最初に使う場合には、給湯機等の熱源装置から水栓に至る給湯管内の流体温度は浴室内外の雰囲気温度にまで低下しているため、シャワーを浴するに際してはこれを排出する必要があるが、このとき吐水口がシャワーだけの水栓の場合には、給湯温度が上昇するまでのしばらくの間冷たい流体をシャワーから排出せざるをえず、体にその飛沫を浴びるため不快を感じる。また、シャワーとスパウトの両方がついている水栓においてもスパウトから冷水を排出したとしても、該スパウトに適温度の湯が到来した後にシャワーに切り換えると、給湯機等の種類によっては切り換える瞬間に熱源の火が消えるため、シャワーから適温度の流体が吐水された後にしばらくの間再び冷水が吐水されるという問題も生じていた。
【0014】
そこで水栓からシャワー部に至る流路の途中に、水栓から供給される冷水を選択して装置外に排出する冷水排出装置を備えれば、いきなりシャワーから吐水させたとしても冷水は確実に足元付近に装着された該装置から排出されるので、冷水をシャワーから浴びることはない。そして適温度の湯水が該装置に到来すればシャワーからは所定温度以上の(暖かい)湯水のみが吐水される。この時、最初にシャワーから吐水される瞬間は、シャワーヘッド及びシャワーホース内には前回使用時に残された残留水が存在していて、適温度の湯水が到来するまでの間に残留水は吐水されてしまうので、わずかな間ではあるが体を吐水から離す回避動作を行わないと、冷水を浴びることになる。
【0015】
そこで本発明では、上述した冷水排出装置の優れた機能に加えて、十分な吐水量を確保すると共に、新たに、シャワー浴後にシャワー部及びシャワーホース内に滞留する残留水をも自動的に排出する機能を付加することにより、日々最初にシャワー浴を行う場合においていきなりシャワーから吐水させたとしても、冷水がシャワーから吐水されない冷水排出装置を提供することを目的とした。さらにはシャワー部内の残留水が、水栓の取り付け現場の水圧やシャワー器具の種類に影響されることなく十分に排出される機能、及び優れたデザイン性をも具備する。
【0016】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、水栓本体、または水栓とシャワー部を連絡する流路の中途部に配置して、湯水温度を感知する部材の付勢力により可動弁体を駆動して冷水を排出する流路を形成する冷水排出装置において、前記水栓からの湯水の供給を停止した場合に、該装置より下流側かつ上位置に滞留している残留水を排出する残水排出機能部を有することを特徴とした。
【0017】
これにより、日々最初にシャワー側から吐水させても冷たい残留水が吐水されることはなく、かつ給湯温度が上昇するまでの間の冷水も該装置から足元付近に排出されるため、シャワーからは常に適温度以上の湯水のみが吐水されることになり快適なシャワーライフを提供することができる。
【0018】
第2の発明は、前記残水排出機能部が前記装置より下流側かつ上位置に滞留している残留水を該装置内にのみ流入可能な逆止弁部を有することを特徴とした。
【0019】
これにより、シャワー部の残留水を装置外へ排出する場合に該装置内は適温度以下のため該装置内流路からシャワー側へ通じる流路は閉じられているが、この場合であってもシャワー側流路からのみ流入可能な逆止弁を配置することにより、シャワー側の残留水は装置内へ流入できるため冷水排出口より排出される。
【0020】
第3の発明は、前記逆止弁部が前記可動弁体内に設置されていることを特徴とした。
【0021】
これにより、ハウジング内に可動弁体と逆止弁部を別々に配置するよりも、該ハウジング内の逆止弁部を配置する構造が不要になるため、装置全体の構造が簡便なものとなり生産性に優れる。
【0022】
第4の発明は、前記逆止弁部のシートを前記可動弁体に一体に設けられていることを特徴とした。
【0023】
これは、言い換えれば可動弁体の内部に逆止弁部を一体に設けたことになるため、可動弁体内に市販の小型逆止弁等を配設する構成に比べて装置の構成が簡便となる。
【0024】
第5の発明は、前記逆止弁部がボール形状をした移動駒としたことを特徴とした。
【0025】
これにより、移動駒が湯水の付勢力を受けて多少傾いてもボールはその球面全体がシール面であるためシール性が不安定になることはない。また適温度以上の湯水をシャワー側へ供給する場合には、該移動駒の湯水に向かう面が球面形状、すなわち類似流線形状であるため、湯水に対する抵抗が少なくなりシャワー側へ供給する流量の減少を最小限に押さえることができる。
【0026】
第6の発明は、前記移動駒が前記逆止弁部のシートを塞ぐ力を、前記水栓から供給されて前記装置内に流入する湯水の付勢力のみによるものとしたことを特徴とした。
【0027】
これにより、逆止弁部の移動駒の高さ位置以上に滞留しているシャワー側の残留水を殆ど残さずに排出できるようになる。すなわち、この残水排出機能部に関わる逆止弁部のシール力にばね等の常時付勢される力を用いていないため、該装置内が一旦適温度以下になり冷水排出口が開放されれば、該装置内の湯水は排出されてしまうため、逆止弁の駒を付勢する力がなくなる。よってわずかでも該逆止弁部の移動駒より上方に位置する残留水はその水頭圧により、逆止弁の駒を移動せしめて排出されることになる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
【0029】
図1は本発明の実施の形態を示す冷水排出装置の構成部品の分解斜視図、また図2及び図3は図1に示した構成部品による装置の横断面図であり、図2は適温度以下の温度環境に該装置が置かれている状態を、図3は適温度以上の湯水が該装置内に流入している状態を示す。
部品の構成を説明すると、第1ハウジング1に、感温材である形状記憶合金コイル2、ボール止め15、可動弁体3、シールリング4、シートパッキン5、ボール6、バイアスばね7を配置して、シールリング8が装着された第2ハウジング9を螺合して一つの冷水排出装置とするものである。
【0030】
ここで可動弁体3は、該弁体の中心部に柱状の流路3a、該流路3aと感温材2の内周壁とを連通する複数のスリット部3b、シャワー口12を開閉するシャワー開閉弁3c、及びシャワー開閉弁3c内側に設けられた開口3d、逆止シート3eを有し、冷水を排出するための排出口11を開閉するシートパッキン5が装着されている。さらに可動弁体3内には、前記開口3dを塞ぐための大きさの直径を有し、ゴムまたは合成樹脂等から成るボール6が挿入され、ボール止め15によりボール6の外れを防いでいる。このボール止め15は可動弁体3の一面に配置されて、形状記憶合金コイル2の一端面により固定される。
【0031】
また、可動弁体3はその対抗する面の各々に形状記憶合金コイル2とバイアスばね7が配置されており、形状記憶合金コイル2とバイアスばね7の両者の発する力の優劣によりバランスして位置が決まる。この形状記憶合金コイル2は主にニッケルとチタンからなる合金線をコイル形状に加工して形状記憶特性を持たせた感温材であり、感知温度に見合って付勢力を大小発生するが、本発明に用いる場合約30〜35℃の変態点温度を有し、該温度より高い温度を感知すると対抗するバイアスばね7よりも付勢力が大きくなり、また該温度より低い温度を感知するとバイアスばね7よりも付勢力が小さくなる。
【0032】
図2は本装置が適温度以下の温度環境に置かれている状態である。この状態とは、水栓を使用する前の状態であって、該装置が室温の雰囲気下にある状態や、または水栓から供給される冷水が入水路10から該装置内に流入している状態を指す。この場合の作用として、雰囲気または湯水の温度は温度を感知する部材である形状記憶合金コイル2に感知されるが、適温度以下の温度において、形状記憶合金コイル2は付勢力が小さいため、可動弁体3を介して対抗するバイアスばね7の付勢力に負けて収縮し、可動弁体3のシートパッキン5は排出口11を開けると共に、シャワー開閉弁3cがシャワー口12を閉じる。この時、入水路10から冷水が供給されていたならば、図2中の矢印に示すように、排出口11を経由してノズル14から排出される。この時ボール6は、装置内に流入する湯水(冷水)の付勢力に押されて、逆止シート3eに密接して開口3dを塞いだ状態に保持されるので、シャワー側から冷水が吐水されることはない。
【0033】
また図3に示すように適温度以上の湯水が入水路10から該装置内に流入している場合の作用としては、湯水は弁体3内の流路3a及びスリット部3bを通過して形状記憶合金コイル2に接触する。この場合、形状記憶合金コイル2は適温度以上の温度を感知するため、対抗するバイアスばね7のものよりも大きな付勢力を発生して伸長し可動弁体3を動かし、シートパッキン5が排出口11を閉じると共に、シャワー開閉弁3cが可動弁体3と共に移動して、シャワー口12を開けて、適温度以上の湯水は出水路13からシャワー側へと供給される。この時ボール6は、流入した湯水の付勢力に押されて逆止シート3eに密接し開口3dを塞いだ状態に保持されている。
【0034】
この状態においては図3の矢印に示すように、適温度以上の湯水が冷水排出装置に進入してシャワー側へ供給される流路が、ほぼ円柱状かつ直線上に形成されるため、湯水への抵抗が少なく多くの流量をシャワー側に供給することができる。
【0035】
さらに弁体3内で湯水が衝突する面であるボール6の形状は概略流線形であるため、該面からスリット3bを経由して形状記憶合金コイル2に至る湯水への抵抗も低減でき流量のロスを少なくできる。
【0036】
次に、冷水排出装置の水栓使用後における作用、効果について説明する。図4は本発明に関わる冷水排出装置の一使用例を示す外観斜視図、図5は図4の使用例において水栓使用後の構成部品の状態を示す断面図である。図4において水栓16はいわゆる一般的なシングルレバー式の湯水混合栓であり、混合水出口16aに接続されたハンドシャワー20付きホースの中途部に、本発明による冷水排出装置18を差込接続したものである。この例においてシャワー浴を終えた場合、すなわち水栓からの湯水の供給を止めた後、該装置内の温度が適温度以下に低下した場合には、前述した図2の作用と同様に、適温度以下の温度を感知した形状記憶合金コイル2はその出力が小さくなり、対抗するバイアスばね7の付勢力に負けて可動弁体3が移動してシールパッキン5は排出口11を開けると共に、シャワー開閉弁3cがシャワー口12を閉じる。
【0037】
この時シャワー部に湯水を供給する場合において、流入する湯水の付勢力により開口3dを塞いでいたボール6は、水栓からの湯水の供給を停止することにより湯水の付勢力がなくなる一方、この付勢力に対抗する力であるシャワーホース19及びハンドシャワー20の残留水の水頭圧による力を受けて開口3dを開けて、ボール止め15に至る範囲に移動して排出口11に至る流路を形成し残留水の排出を可能とする。この逆止弁の移動駒として機能するボール6は従来技術によるばね等の機械的な付勢力に拠らず、湯水の付勢力のみを受けて逆止弁として作用しているため、一旦水栓から湯水の供給が停止された後、装置内の温度が適温度以下に低下して排出口11が開けば、ボール6が開口3dを塞ぐ力はゼロとなる。すなわち該ボール6より下流側にあって該ボール6よりわずかでも上方に残留水が位置していれば、該残留水はそのわずかな水頭圧によりボール6を移動せしめて開口3dを開弁する。
【0038】
ここで、シャワーホース19内や該装置内であってボール6より下流側かつ下方の位置にわずかに冷たい残留水が残ることにはなるが、次に水栓から適温度以上の流体が供給されてシャワー側へ供給される時に、滞留していた残留水は量がわずかであるので適温度の湯水に十分混合されて、シャワーから最初に吐水される湯水の温度は殆ど低下しない。
【0039】
すなわち図4の使用例において、冷水排出装置18内の逆止弁部のボール6より下流側かつ上方に位置しているシャワーホース19及びハンドシャワー20内の残留水は、矢印に示すように該装置のノズル14から装置外へ排出される。また、水栓16内、及びシャワーホース17内の残留水も、その水頭圧によりノズル14から排出される。総じて、シャワー浴終了後にシャワー部等に滞留する冷たい残留水は殆ど排出されるため、次回にシャワーを使用する場合でも、最初にシャワーから冷水が吐水されることがなくなる。
【0040】
さらに冷水排出装置18の形状は、湯水の入口の接続部21から出口の接続部22にかけて直線的に構成されているため、シャワーホースの中途部に接続する場合であってもデザイン的にも優れ、かつシャワーを手に持って使用する場合においても支障となることはない。
【0041】
また図6に本発明に関わる冷水排出装置の別の使用例による外観斜視図を示す。図6は2バルブ式の湯水混合水栓30の混合水出口30aに、冷水排出装置18、導水管32及びシャワーヘッド31を接続して、立位によりシャワー浴できるものである。この例の場合にも、水栓使用後に温度が低下したシャワー部の残留水は水頭圧により冷水排出装置18のノズル14から装置外へ排出され、また日々最初に水栓を使用する場合に水栓から供給される冷水は、前述した作用と同じくノズル14から装置外へ排出されるため、シャワーヘッド31からの冷水の吐水を防止できる。
【0042】
ここで、シャワーヘッドに残る残留水を効率的に取り除くために、シャワーヘッド裏側中心部にある湯水供給管との接続口の位置を、中心部から下側に配置しても良い。
【0043】
上記の構成は、シャワー部の残留水を排出する逆止弁部の移動駒をボール形状としたが、該ボール6に代えて、筒状やどんぐり形状等の移動駒を用いてもよい。また、ボール6に代えて市販の筒形逆止弁や、周上の一点を支点とて開閉するフラッパー弁等を用いても良く、いわゆる逆止機能を有する弁体を残水排出機能部に備えれば本発明の請求内容に含まれる。以下に市販の筒形逆止弁を使用した実施例を示す。
【0044】
図7は、本発明の冷水排出装置の下流側から冷水排出装置内にのみ流入可能な逆止弁部を有した冷水排出装置の実施例の断面図を示す。この例では残水排出機能部に関わる逆止弁部25を第1ハウジング1内に備えた物であり、該逆止弁25の外周には、水栓から供給される適温度以上の湯水をシャワー側へ供給するための流路26が設けられている。また、可動弁体3には該流路26を開閉するシャワー開閉弁3cが具備され、形状記憶合金コイル2の対温度出力特性に応じて図2及び図3に記した実施例と同じ作用により、流路26及び排出口11を開閉して冷水を装置外へ排出する。この実施例においても、弁体にばね等の付勢力を使用していない逆止弁を配置していて、僅かな水頭圧を有する残留水で逆止弁の開弁が行えるので、シャワー側の残留水はその水頭圧により逆止弁部25を開弁せしめて装置内へ流入し排出口11を経由して装置外へ排出される。
一方、弁体の付勢力にばね等を用いている逆止弁では、該ばね力よりも小さい水頭圧を有する残留水は、逆止弁を開弁できずに残留水として滞留することとなる。
【0045】
また図8は、本発明の冷水排出装置の逆止弁部を可動弁体内に配置した冷水排出装置の実施例の断面図を示す。この例では残水排出機能部に関わる逆止弁部に市販の小型逆止弁を用い、可動弁体3内に備えた物である。この例の場合にも形状記憶合金コイル2の対温度出力特性に応じて図2及び図3に記した実施例と同じ作用により、出水路13及び排出口11を開閉して冷水を装置外へ排出し、またシャワー側の残留水もその水頭圧により逆止弁部25を開弁せしめて装置内へ流入し、排出口11を経由して装置外へ排出される。逆止弁部のばね力の存在による残留水が滞留する作用については、上述した図7の場合と同様である。
【0046】
本発明に関わる冷水の温度としては、シャワーを浴するに適した温度以下の概ね35℃よりも低い温度とすることが好ましい。また適温度としては、シャワーを浴するに適した温度とし概ね35℃から42℃の温度とすることが好ましい。
【0047】
さらに本発明においては、シャワー側からの残留水の排出口は、水栓から供給される冷水を排出する排出口11から排出されるものに限定されるものではなく、例えば図7の点線で示した第2排出口27のように、逆止弁部25のシート部(図示せず)より上流側に開口を設けて排出させたとしても本発明による請求の範囲を逸脱しない。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、シャワー浴終了後に、冷水排出装置内の残留水の温度が適温度以下に低下すれば、該装置内の排出弁、及び残水排出のための逆止弁が自動的に開き、シャワー部及びシャワーホース内の残留水を殆ど残さず装置外に排出する。このため次にシャワー浴を行う場合に水栓からの流体の供給を開始しても、シャワー部等の残留水は殆ど存在しないためシャワーから冷水は吐水されない。さらには給湯温度が上昇する間に該装置に到来する冷水も装置外へ排出されるため、これら両機能によりシャワー部からは一切冷水が吐水されることはなく、快適なシャワーライフを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本件発明の一つの実施の形態である装置の構成部品の分解斜視図を示す。
【図2】図1に示した構成部品による冷水排出装置の横断面図であり、適温度以下の温度環境に該装置が置かれている状態を示す。
【図3】図1に示した構成部品による冷水排出装置の横断面図であり、適温度以上の流体が該装置内に流入している状態を示す。
【図4】本件発明による冷水排出装置の一使用例の外観図を示す。
【図5】図4においてシャワー部の残水を排出している場合の冷水排出装置の横断面図を示す。
【図6】本件発明による冷水排出装置の別の使用例の外観図を示す。
【図7】本件発明による冷水排出装置の下流側から冷水排出装置内にのみ流入可能な逆止弁部を有した実施例の横断面図を示す。
【図8】本件発明による冷水排出装置の逆止弁部を可動弁体内に配置した実施例の横断面図を示す。
【図9】従来技術による湯水供給温度制御装置の一装置構成の断面図を示す。
【図10】従来技術による残水排出装置の一装置構成の断面図を示す。
【符号の説明】
1:第1ハウジング
2:形状記憶合金コイル
3:可動弁体
3a:流路
3b:スリット部
3c:シャワー開閉弁
3d:開口
3e:逆止シート
4:シールリング
5:シートパッキン
6:ボール
7:バイアスばね
8:シールリング
9:第2ハウジング
10:入水路
11:排出口
12:シャワー口
13:出水路
14:ノズル
15:ボール止め
16:水栓
16a:混合水出口
17:シャワーホース
18:冷水排出装置
19:シャワーホース
20:ハンドシャワー
21:入口側接続部
22:出口側接続部
25:逆止弁
26:流路
27:第2排出口
30:湯水混合水栓
30a:混合水出口
31:シャワーヘッド
32:導入管
50:従来の湯水供給温度制御装置
51:入口
52:座板
53:開口
54:感温材
55:第1可動弁体
56:座
57:冷水排出口
58:開閉口
59:第2可動弁体
60:ばね
61:環状の周壁
70:出口
71:感温材
80:排出弁
80a:頭面
81:シャワー流路
82:排出路
83:ばね
84:排出筒
85:排出口
86:排出シート

Claims (6)

  1. 水栓本体、または水栓とシャワー部を連絡する流路の中途部に配置して、湯水温度を感知する部材の付勢力により可動弁体を駆動して冷水を排出する流路を形成する冷水排出装置において、前記水栓からの湯水の供給を停止した場合に、該装置より下流側かつ上位置に滞留している残留水を排出する残水排出機能部を有することを特徴とする冷水排出装置。
  2. 前記残水排出機能部は、前記装置より下流側かつ上位置に滞留している残留水を該装置内にのみ流入可能な逆止弁部を有することを特徴とする請求項1に記載の冷水排出装置。
  3. 前記逆止弁部は、前記可動弁体内に設置されていることを特徴とする請求項2に記載の冷水排出装置。
  4. 前記逆止弁部のシートは前記可動弁体に一体に設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の冷水排出装置。
  5. 前記逆止弁部はボール形状をした移動駒としたことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の冷水排出装置。
  6. 前記移動駒が前記逆止弁部のシートを塞ぐ力を、前記水栓から供給されて前記装置内に流入する湯水の付勢力のみによるものとしたことを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の冷水排出装置。
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