JPH0657794A - 水洗装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水洗を操作した直後であっても、温度調節後
の湯水が吐出され、温度調節の操作が簡単な水洗装置を
提供する。 【構成】 温度調節ハンドル等で設定した温度の湯水に
なるように、給湯器１の湯水の温度を制御部２で調節
し、この温度調節後の湯水を給湯器１から蛇口３または
シャワーヘッド７等の湯水取出口近傍までポンプ５及び
循環路４で循環させて、温度調節後の循環状態の湯水を
バルブ６を経て蛇口３またはシャワーヘッド７等の湯水
取出口から取出す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水洗装置に関するもの
であり、特に、湯水の温度調節が可能な水洗装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の、浴室、洗面台等に使用されてい
る水洗装置の温度調節方式には、サーモスタット式、ミ
キシング式、２バルブ式等がある。図５は従来のサーモ
スタット式の水洗装置を示すブロック構成図である。

【０００３】図５のように、従来の水洗装置において
は、温度目盛付きの温度調節ハンドル（図示せず）等を
操作して湯水の温度設定をし、この温度設定に応じて制
御部２で給湯器１内の湯水の温度を制御する。給湯器１
では、水をガスで加熱等することにより、一旦所定温度
の湯水にして蓄える。そして、温度調節された所定温度
の湯水が給湯器１から蛇口３を経て吐出される。なお、
給湯器１から蛇口３へ導かれる温水の温度は常時測定さ
れており、その測定値が制御部２へフィードバックされ
る。制御部２は、この測定値と温度設定値との温度差を
なくし、蛇口３へ導かれる温水の温度が設定温度と一致
するように、給湯器１内の温水の温度を適宜制御する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の水洗装置では、通常、給湯器１と蛇口３との間の
配管距離が長く、水洗を操作した直後は、この配管内の
湯水が蛇口３から吐出されるので、設定した温度の湯水
が実際に吐出されるまでに或程度の時間を要し、すぐに
設定温度の湯水を使用したい場合等に不便であった。

【０００５】また、直ちに設定温度の湯水が蛇口３から
吐出されないので、設定温度が適正であった否かの確認
に手間取り、湯水が熱過ぎたり、冷過ぎたりした場合
に、適正温度の湯水にするための温度調節の操作が難し
かった。このため、当初から余り熱くない状態の湯水を
人体に浴び続けると、使用途中に突然熱い湯水に代わ
り、火傷等をする虞れもあった。

【０００６】そこで、本発明は、水洗を操作した直後で
あっても、温度調節後の湯水が吐出され、温度調節の操
作が簡単な水洗装置の提供を課題とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明にかかる水洗装置
は、温度設定手段で湯水の温度を設定し、この温度設定
手段の指令に基づき制御手段で給湯器の湯水の温度を制
御するとともに、湯水循環手段によって給湯器から湯水
取出口近傍まで前記温度調節後の湯水を循環させ、この
温度調節後の循環状態の湯水を湯水取出口部分に組込ま
れた開閉弁手段を経て取出すものである。

【０００８】

【作用】本発明の水洗装置においては、給湯器の湯水の
温度が設定温度になるように調節し、この温度調節後の
湯水を給湯器から湯水取出口近傍まで循環させて、温度
調節後の循環状態の湯水を湯水取出口から取出すもので
あるから、給湯器と湯水取出口との距離が長くても、水
洗を操作した直後から温度調節後の湯水が吐出され、設
定温度が適正であったか否かの確認が速かにできる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例について説明をする。

【００１０】図１は本発明の一実施例である水洗装置を
示すブロック構成図、図２は本発明の一実施例である水
洗装置を示す外観斜視図である。図中、上記従来例と同
一符号及び記号は上記従来例の構成部分と同一または相
当する構成部分を示す。

【００１１】まず、この水洗装置の基本的な構成につい
て図１を用いて説明する。

【００１２】図１のように、本実施例の水洗装置におい
ても従来と同様にして、湯水の温度設定をすることによ
り、この温度設定に応じて制御部２で給湯器１内の湯水
の温度が制御され、水をガスで加熱等して所定温度の湯
水が給湯器１内に蓄えられる。しかし、本実施例では、
給湯器１内の温度調節された所定温度の湯水は、ポンプ
５によって循環路４を通って給湯器１から湯水取出口で
ある蛇口３等の近傍まで送出され、再び給湯器１に戻
る。つまり、温度調節された所定温度の湯水は、循環路
４内を循環している。そして、この循環路４の先端と蛇
口３等との接続部分に介装されたバルブ６を開放するこ
とにより、蛇口３或いはシャワーヘッド７から、温度調
節後の湯水を取出すことができる。このバルブ６は機械
式バルブであっても、電磁式バルブであっても構わな
い。なお、この実施例の水洗装置では、湯水取出口とし
て蛇口３の他にシャワーヘッド７も有している。

【００１３】また、この循環路４内を流れる湯水の温度
は常時測定されており、その測定値が制御部２へフィー
ドバックされる。制御部２は、この測定値と温度設定値
との温度差をなくし、循環路４内を循環する湯水の温度
が設定温度と一致するように、給湯器１内の温水の温度
を適宜制御する。

【００１４】次に、この水洗装置の外観について述べ
る。

【００１５】図２のように、蛇口３の付根部分には切換
コック１０が配設されており、湯水取出口の切換えを行
なう。つまり、この切換コック１０を操作することによ
り、蛇口３から湯水を取出すことができるとともに、シ
ャワーヘッド７から湯水を取出すこともできる。この種
の水洗装置には、使用者の目に付易い位置に温度表示パ
ネル１１が取付けられており、温度調節ハンドル１２を
操作することにより、温度表示パネル１１の表示が変化
する。蛇口３の付根部分から延びるホース１３の先端部
にはシャワーヘッド７が取付けられている。そして、こ
のシャワーヘッド７の取手部７ａにはバルブ用スイッチ
１４が配設されており、このバルブ用スイッチ１４を操
作し、シャワーヘッド７に内蔵されているバルブを開放
状態にすることにより、シャワーヘッド７から温度調節
後の湯水がシャワーとして噴射される。また、シャワー
ヘッド７の取手部７ａとホース１３との接続部には、ホ
ース１３内の湯水の温度を検出するセンサ１５が配設さ
れている。このセンサ１５による検出値は図１の制御部
２にフィードバックされる。ホース１３には電気配線用
のハーネス１６も一体化して組込まれており、このハー
ネス１６とシャワーヘッド７とはコネクタ１７によって
接続されている。

【００１６】続いて、この水洗装置の具体的な使用方法
について図１及び図２を用いて説明する。この構成の水
洗装置では、ポンプ５の動作によって、蛇口３またはシ
ャワーヘッド７に内蔵されたバルブ６と給湯器１との間
の循環路４内を湯水が循環する。そして、使用者が、温
度調節ハンドル１２を操作して、使用したい温度に設定
することにより、この循環路４内を循環している湯水が
設定温度になるように温度制御がされる。例えば、シャ
ワーを使用する場合について述べると、切換コック１０
をシャワー用に切換え、シャワーヘッド７の取手部７ａ
のバルブ用スイッチ１４を操作することにより、シャワ
ーヘッド７に組込まれたバルブ６が開放状態になり、ホ
ース１３内の循環路４を経て温度調節後の湯水が直ちに
シャワーヘッド７からシャワー状に吹出す。したがっ
て、従来であれば、シャワーを使用する場合には、ホー
ス内の温度調節前の湯水が流出し、温度調節後の湯水が
吹出すまでに、しばらくの時間的な余裕があったが、本
実施例においては、シャワーを使用状態にした直後か
ら、温度調節後の湯水が吹出す。なお、給湯器１では、
循環路４から戻る湯水の圧力が検出されており、使用さ
れた湯水の量に応じて、最適温度の湯水が順次補給され
る。

【００１７】ここで、シャワーヘッド７に接続されるホ
ース１３の内部構造について説明する。図３は本実施例
の水洗装置のホースを示す断面を含む拡大斜視図であ
る。

【００１８】図３のように、ホース１３の内部には２本
の湯水流路１８が形成されている。この湯水流路１８は
図１の循環路４に相当するものであり、一方の湯水流路
１８を通って給湯器１から湯水が供給され、もう一方の
湯水流路１８を通って湯水が給湯器１へ戻る。また、ホ
ース１３内には、電気信号、電源用のハーネス１６が埋
設されている。

【００１９】こうした湯水流路１８及びハーネス１６を
一体化したホース１３を採用することにより、水洗本体
から離れたシャワーヘッド７部分でバルブ等を操作する
ことができる。しかも、水洗部分とシャワーヘッド７と
は外観的には１本のホース１３で接続されるので、見栄
えもよく、取扱も容易である。

【００２０】また、この他のホース１３として図４のよ
うな構造であってもよい。図４は本実施例の水洗装置の
他のホースを示す断面を含む拡大斜視図である。

【００２１】図４のように、このホース１３も内部には
図１の循環路４に相当する２本の湯水流路１８が形成さ
れている。また、このホース１３の外周部には、螺旋状
にハーネス１６が巻設されており、更に、その表面を熱
収縮チューブ１９で被覆し、加熱処理が施されている。
したがって、この構造のホース１３でも、湯水流路１８
とハーネス１６とが、ホース１３として一体化されてい
る。この結果、このようなホース１３を採用すれば、水
洗本体から離れたシャワーヘッド７部分でバルブ等を操
作することができ、しかも、見栄えもよく、取扱も容易
になる。

【００２２】上記のように、本実施例の水洗装置は、湯
水の温度を設定する温度設定手段である温度表示パネル
１１及び温度調節ハンドル１２と、前記温度表示パネル
１１及び温度調節ハンドル１２（温度設定手段）の指令
に基づき給湯器１の湯水の温度を制御する制御手段であ
る制御部２と、前記給湯器１から蛇口３またはシャワー
ヘッド７等の湯水取出口近傍まで前記温度調節後の湯水
を循環させる湯水循環手段であるポンプ５及び循環路４
と、前記ポンプ５及び循環路４（湯水循環手段）を介し
て温度調節後の循環状態の湯水を取出すために、蛇口３
またはシャワーヘッド７等の湯水取出口部分に組込まれ
た開閉弁手段であるバルブ６とを備えている。

【００２３】即ち、本実施例の水洗装置は、温度調節ハ
ンドル１２で設定した温度の湯水になるように、給湯器
１の湯水の温度を制御部２で調節し、この温度調節後の
湯水を給湯器１から蛇口３またはシャワーヘッド７等の
湯水取出口近傍までポンプ５及び循環路４で循環させ
て、温度調節後の循環状態の湯水をバルブ６を経て蛇口
３またはシャワーヘッド７等の湯水取出口から取出すも
のである。

【００２４】したがって、給湯器１と蛇口３またはシャ
ワーヘッド７等の湯水取出口との距離が長くても、水洗
を操作した直後から温度調節後の湯水が得られるので、
設定温度の湯水をすぐに使用することができ、快適で使
い勝手がよい。また、直ちに、設定温度の湯水が蛇口３
またはシャワーヘッド７等の湯水取出口から吐出される
ので、設定温度が適正であったか否かの確認が速かにで
き、湯水が熱過ぎたり、或いは、冷過ぎたりした場合に
も、適正温度の湯水にするための温度調節の操作が簡単
である。このため、使用途中に突然熱い湯水に代わるこ
とがなく、火傷等をする虞れもなくなるので、安全性が
高い。

【００２５】ところで、上記実施例では、蛇口３の取付
部分に切換コック１０、温度表示パネル１１、及び温度
調節ハンドル１２を配した構成の水洗装置について説明
したが、シャワーヘッド７部分に、これらを一体化して
組付けてもよい。この場合には、電源線や信号線が多数
必要になるので、ホース１３と別途に配線をするより
も、図３或いは図４のようなハーネス１６を一体化した
ホース１３を使用するのが望ましい。

【００２６】また、上記実施例では、給湯器１から湯水
を直接循環させる構造の水洗装置について述べたが、給
湯器１の他にサブタンクを設け、このサブタンクから湯
水を循環させるようにしてもよい。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の水洗装置
は、温度設定手段と、制御手段と、湯水循環手段と、開
閉弁手段とを備え、給湯器の湯水の温度が設定温度にな
るように調節し、この温度調節後の湯水を給湯器から湯
水取出口近傍まで循環させて、温度調節後の循環状態の
湯水を湯水取出口から取出すことにより、給湯器と湯水
取出口との距離が長くても、水洗を操作した直後から温
度調節後の湯水を得ることができ、設定温度が適正であ
ったか否かの確認が速かにできるので、快適で使い勝手
がよく、適正温度の湯水にするための温度調節の操作が
簡単になり、しかも、使用途中に突然熱い湯水に代わる
ことがなく、安全性が高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の一実施例である水洗装置を示す
ブロック構成図である。

【図２】図２は本発明の一実施例である水洗装置を示す
外観斜視図である。

【図３】図３は本発明の水洗装置のホースを示す断面を
含む拡大斜視図である。

【図４】図４は本発明の水洗装置の他のホースを示す断
面を含む拡大斜視図である。

【図５】図５は従来のサーモスタット式の水洗装置を示
すブロック構成図である。

【符号の説明】

１ 給湯器 ２ 制御部 ３ 蛇口 ４ 循環路 ５ ポンプ ６ バルブ ７ シャワーヘッド １０ 切換コック １１ 温度表示パネル １２ 温度調節ハンドル １３ ホース １４ バルブ用スイッチ １５ センサ １６ ハーネス １７ コネクタ １８ 湯水流路 １９ 熱収縮チューブ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 誠 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑１ 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 神頭 孝典 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑１ 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 稲垣 聡 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑１ 番地 豊田合成株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 湯水の温度を設定する温度設定手段と、 前記温度設定手段の指令に基づき給湯器の湯水の温度を
   制御する制御手段と、 前記給湯器から湯水取出口近傍まで前記温度調節後の湯
   水を循環させる湯水循環手段と、 前記湯水循環手段を介して温度調節後の循環状態の湯水
   を取出すために、湯水取出口部分に組込まれた開閉弁手
   段とを具備することを特徴とする水洗装置。