JPH09314632A - 自転車または自動二輪車用フェンダーの製造方法 - Google Patents

自転車または自動二輪車用フェンダーの製造方法

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JPH09314632A
JPH09314632A JP8133506A JP13350696A JPH09314632A JP H09314632 A JPH09314632 A JP H09314632A JP 8133506 A JP8133506 A JP 8133506A JP 13350696 A JP13350696 A JP 13350696A JP H09314632 A JPH09314632 A JP H09314632A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多種多様の製品を容易にかつ安価に製造でき
る自転車、自動二輪車用フェンダーの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 押出成形機によって、プラスチック材料
を加熱、溶融させ、成形用型の押出通路の基端部に設け
た材料入口から前記押出通路を経て、その先端から前記
プラスチック材料を板部材に成形して押し出し、真空成
形機の真空吸引によって円弧状に近い所望の横断面形状
に曲げ加工し、搬送機によって曲げ加工した板部材を切
断機に送り出し、所望の長さと所望の両側縁形状に切断
して製品を得ることで、前記押出成形機を複数台用い複
数色のプラスチック材料によって縞模様を形成し、ある
いは帯状の導電体をプラスチック材料に長手方向に沿っ
て埋め込むなど、多種多様のフェンダーの製造を可能に
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プラスチック材
料によって自転車または自動二輪車用のフェンダー(泥
除け)を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の自転車用フェンダーは、プラスチ
ック材料の射出成形または金属板の曲げ加工によってフ
ェンダー主体を製造している。図1に示すように、プラ
スチック材料からなるフェンダー主体1は、単色のみの
射出成形品が多く、この成形品1aの表面にこれと異な
った色の着色帯1b,1cを貼り付けた縦縞模様のもの
もあるが、これは外見をきれいに見せるために付加され
ているだけである。金属板からなるフェンダー主体は、
図2のフローチャートに示すように、金属板材料をフェ
ンダーの輪郭形状に切断し、切断縁部を削って平坦化
し、表面処理を施して、横断面円弧状などに曲げ加工
し、表面に塗装して縞模様を形成したり、着色帯を貼り
付けたりしている。また、図3に示すように、前記フェ
ンダー主体1に、電灯22を設置したものがあり、小型
発電機24をフェンダー主体1に近いこれの上,下支持
桿23a,23bに据え付けてある。前記小型発電機2
4には、自転車の車輪21の金属縁21aに接する摩擦
輪24aを連結してある。そして、車輪21が回転する
と金属縁21aとの摩擦によって摩擦輪24aが回転し
て小型発電機24に電力が発生し、この電力を電線25
を介して電灯22の電球に供給し、電球を点灯させてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来のフェン
ダーの製造方法では、フェンダー主体の表面に、着色帯
を貼り付けたり塗装を施したりして、模様を形成してい
るので、作業が面倒で長時間を要し、また着色帯の貼り
付けや塗装では、使用期間がある程度経過すると、剥が
れ落ちやすいという問題点があった。この発明は、前述
した問題点を解決して、表面に色彩が豊かな模様などが
長期間にわたって剥離せず、また多種多様の製品が容易
にできる、自転車または自動二輪車用フェンダーの製造
方法を提供することを目的としている。そして、小型発
電機によって走行中に電灯を点灯させるものでは、これ
らを接続する電線がフェンダー主体外に露出して外見を
悪くし、また電線と小型発電機とを接続する電線がフェ
ンダー主体外に露出し、これに固着してないので、外見
がよくない上に電線が小型発電機から外れ、電気回路の
短絡を惹き起こして電球の発光機能を損なうことを防止
できるようにした自転車または自動二輪車用フェンダー
の製造方法を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る自
転車または自動二輪車用フェンダーの製造方法におい
て、押出成形機によって、プラスチック材料を加熱、溶
融させ、成形用型の押出通路の基端部に設けた材料入口
から前記押出通路を経て押出通路の先端から前記プラス
チック材料を板部材に成形して押し出す第1工程と、前
記板部材を真空成形機の真空吸引によって所望の横断面
形状に曲げ加工し、搬送機によって曲げ加工した板部材
を切断機に送り出し、所望の長さと所望の両側縁形状に
切断して、フェンダー主体を得る第2工程とを備えたこ
とを特徴としている。
【0005】請求項2の発明は、請求項1に記載した自
転車または自動二輪車用フェンダーの製造方法におい
て、主押出成形機および副押出成形機によって主色プラ
スチック材料およびこの材料と色が異なる副色プラスチ
ック材料をそれぞれ加熱、溶融させ、主押出成形機によ
って前記主色プラスチック材料を成形用型の押出通路の
基端部に設けた主材料入口から前記押出通路に押し出
し、副押出成形機によって、前記副色プラスチック材料
を押出通路の中間部に開口する副色材料入口から前記主
色プラスチック材料上に押し出して結合させ、押出通路
の先端から色分け分布した板部材に成形して押し出す第
1工程を有したことを特徴としている。
【0006】請求項3の発明は、請求項2に記載した自
転車または自動二輪車用フェンダーの製造方法におい
て、複数台の副押出成形機によって主色プラスチック材
料と色が異なりかつ互いに色が異なる副色プラスチック
材料を加熱、溶融させ、前記副色プラスチック材料を成
形用型の押出通路の中間部に開口する副色材料入口から
主色プラスチック材料上に押し出し、規則的または不規
則的な模様に分布させて主色プラスチック材料と結合さ
せ、前記押出通路の先端から板部材に成形して押し出す
ことを特徴としている。
【0007】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれ
かに記載した自転車または自動二輪車用フェンダーの製
造方法において、第1工程では、成形用型に、これの上
面から斜め先端側に延び成形用型の押出通路に開口する
導電体供給通路を形成し、前記成形用型の上方に設置し
たリールに巻回してある帯状の導電体を引き出し、前記
供給通路に通して前記押出通路内の加熱、溶融したプラ
スチック材料に前記導電体を埋め込んで、プラスチック
材料と導電体とを一体的に押出通路の先端から押し出
し、プラスチック材料を板部材に成形し、第2工程で
は、切断機によって曲げ加工した板部材とこれに埋め込
んだ導電体とを1動作で切断し、フェンダー主体を得る
ことを特徴としている。
【0008】請求項5の発明は、請求項4に記載した自
転車または自動二輪車用フェンダーの製造方法におい
て、第2工程後に、フェンダー主体の長手方向の2箇所
に所望の間隔で導電体を貫く貫通孔を厚さ方向に形成
し、これらの貫通孔に鳩目状のリベットを嵌挿してかし
め付け固定し、前記リベットに端子板をねじによって締
め付け、導電体と端子板とをリベットを介してそれぞれ
通電可能にする第3工程を付加したことを特徴としてい
る。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明の第1実施形態に係る自
転車用フェンダーの製造方法につき、図4〜図8の各図
を参照して説明する。図4のフローチャートに示すよう
に、主色プラスチック材料と、この材料と色が異なる副
色プラスチック材料とを、主押出成形機と副押出成形機
とにより、それぞれ適切な温度に加熱して溶融させ、こ
れらを主押出成形機と副押出成形機とから後述するよう
に成形用型内に押し出す。
【0010】図5に示すように、成形用型3は、上型3
1と下型32とからなり、これらを閉じた状態で長手方
向(左右方向)に貫通する押出通路33が形成してあ
る。押出通路33は、基端部に主色材料入口33aを形
成し、主色材料入口33aの先端側は横断面積を漸減さ
せて、ネック部33bに接続してあり、このネック部3
3bから押出通路33の先端側に延びる中間部33cに
上型31の上面および押出通路33に上,下端が開口す
る小径の副色材料入口33dを形成し、ネック部33b
の先端側にはこれより横断面積が若干大きく扁平な長方
形状横断面の先端部33eを接続してある。
【0011】前記副色材料入口33dは、2本を押出通
路33の幅方向中央から等しい距離に配置してあり、ま
た、上型31には、主色材料入口33aのネック部33
b近くに、ネック部33bを限定するように1または複
数のストッパ板33fを装着してある。そして、成形用
型3に設けたストッパ板33fを開いて、加熱、溶融し
た主色プラスチック材料を主押出成形機によって成形用
型3の主色材料入口33aから押出通路33に押し出
し、加熱、溶融した副色プラスチック材料を、副押出成
形機から押し出して2等分し、2本の副色材料入口33
dから押出通路33にスムーズに案内して押し出し、主
色プラスチック材料上に重ね、主色,副色プラスチック
材料を一体に結合させて押出通路33の先端から押し出
し板部材に成形することで、第1工程を終わる(図4参
照)。
【0012】押出通路33から連続して押し出した板部
材4は、図6に示すように、主色プラスチック材料41
の上部の一部を副色プラスチック材料42,43によっ
て分割した扁平な横断面長方形状に成形し、前記板部材
4表面に縦縞模様の色彩分布になっている。前記板部材
4は、押出通路33から押し出された後も温かいままで
あり、この状態で真空成形機に搬送し、真空成形機によ
る真空引きで、図7に示すように、真空成形機の型によ
って円弧に近い横断面形状に曲げ加工する。この時点
で、板部材4は熱を放出して冷えており、横断面形状が
フェンダー主体の形状に成形してある。
【0013】その後、板部材4をベルトコンベアなどの
搬送機に支持して切断機に搬送し、切断機によって所要
長さに切断し、かつ両側縁46,47の外側が尖って平
坦な形状に切断する。なお、長さおよび両側縁の切断
は、同じ型によって一度に完了させ、図8に示すよう
に、フェンダー主体5に成形し、自転車の組立条件に従
って適切な位置に貫通孔51をあけることで、第2工程
を終わる。なお、前記孔あけ工程は省略してもよい。
【0014】また、1台の押出成形機によって、プラス
チック材料を加熱、溶融させ、成形用型の押出通路の基
端部に設けた材料入口から押出通路を経て、これの先端
から前記プラスチック材料を板部材に成形して押し出す
第1工程を行った後、前記板部材を前述した第2工程に
よって成形、切断してフェンダー主体を得るようにする
ことができ、この場合に、主押出成形機のみを作動さ
せ、副押出成形機は作動させず、成形用型の副色材料入
口を閉じて加熱、溶融させたプラスチック材料を成形用
型の主材料入口のみから押出通路に押し出すようにして
もよい。
【0015】また、第1工程において、1台の主押出成
形機と、2台の副押出成形機とを用い、これらにより主
色プラスチック材料と色が異なりかつ互いに色が異なる
副色プラスチック材料を成形に適切な温度にそれぞれ加
熱し、各副押出成形機によって、各副色プラスチック材
料を成形用型の各副色材料入口から主色プラスチック材
料上にそれぞれ押し出して分布させる以外、前述した第
1実施形態と同様な第1工程によって、板部材の表面に
互いに色が異なった縦縞模様の色彩分布ができる。
【0016】図9は第1実施形態の自転車用フェンダー
の製造方法の変形例による副色プラスチック材料の押出
部を示す。この変形例では、前,後2台の副押出成形機
61,62に設けた垂直な外筒61a,62aの下端部
61b,62bを小径にし、これらの下端部61b,6
2bを開閉する仕切板61c,62cをそれぞれ設け、
仕切板61c,62cの外端部を前記下端部61b,6
2bの前,後に設けたシリンダー機構61d,62dの
ピストン軸61e,62eの先端部にそれぞれ連結し、
前記下端部61b,62bの下端開口に連結筒63の上
端部を連結してある。
【0017】連結筒63は、下部63aの前後方向寸法
を漸減させて、下端扁平部63bに連なり、上壁63c
に上端を固着した分離板63dによって連結筒63内を
下端扁平部63b近くまで前後に仕切ってある。下端扁
平部63bは、成形用型3の上型31に形成した副色材
料入口33dに接続し、下端扁平部63bおよび副色材
料入口33dの水平断面形状を、成形用型3に設けた押
出通路33の中間部33cの幅に等しい横長長方形状に
してある。なお、この変形例の主,副押出成形機および
成形用型3の前述した以外の構成は、第1実施形態のも
のと同様である。
【0018】そして、成形用型3に設けたストッパ板3
3fを開いて、加熱、溶融した主色プラスチック材料を
主押出成形機によって成形用型3の主色材料入口33a
から押出通路33に押し出し、前,後副押出成形機6
1,62で、互いに色が異なりかつ主色プラスチック材
料とも色が異なる副色プラスチック材料を加熱、溶融さ
せ、時間制御器による指令でシリンダー機構61d,6
2dの一方を開動作させることで、閉じていた仕切板6
1c,62cの一方を開き、副押出成形機の一方から副
色プラスチック材料の一方を、連結筒62および副色材
料入口33dに通して押し出し、主色プラスチック材料
上に重ね、主色プラスチック材料と副色プラスチック材
料の一方とを一体に結合させる。
【0019】所定時間経過した後、前記時間制御器の指
令によってシリンダー機構61d,62dの一方を閉動
作させ、仕切板61c,62cの両方が閉じた状態と
し、副色プラスチック材料の押し出しを休止させて、主
色プラスチック材料の押し出しを続ける。
【0020】所定時間経過した後、時間制御器の指令に
よってシリンダー機構61d,62dの他方を開動作さ
せることで、仕切板61c,62cの他方を開き、副押
出成形機の他方から副色プラスチック材料の他方を、主
色プラスチック材料上に重ね、これらの材料を一体に結
合させ、所定時間経過した後、時間制御器によってシリ
ンダー機構61d,62dの他方を閉動作させ、仕切板
61c,62cの両方を閉じ、副色プラスチック材料の
押し出しを休止させる。
【0021】以後、前述した動作を繰り返し、副色プラ
スチック材料の一方と他方とを、所定時間の押し出し休
止時間を介して交互に主色プラスチック材料上に結合さ
せて、押出通路33の先端から押し出すことで、第1工
程を終わる。その後、前述した第1実施形態と同様な第
2工程を行うことで、図10に示すように、板部材の表
面に互いに異なった色の横縞模様5a,5bがあるフェ
ンダー主体5を得る。
【0022】なお、前述の変形例では、フェンダー主体
5の両端部は、仕切板61c,62cの両方が閉じた時
間を長くすることで、副色プラスチック材料からの押し
出し休止時間を長くして、横縞模様をなくしたが、時間
制御器によって副色プラスチック材料を押し出す時間を
適宜変更することで、横縞の幅や間隔を規則的、不規則
的に適宜変更できる。
【0023】従って、第1実施形態およびその変形例に
よるフェンダーの製造方法は、副色プラスチックの材料
入口の数、形状、位置や、副色プラスチック材料の押し
出し、休止時間の変更によって、黒白などの単調な色彩
分布や複数の色の縦縞、横縞を規則的、不規則的に設け
ることができ、また異なった色を混合させることもで
き、多種、多様の色彩分布にすることが容易にでき、色
彩豊かな模様を施したフェンダー主体が得られ、しか
も、主色プラスチックにある程度の厚さで副色プラスチ
ックが埋め込まれて一体に結合しているので、長期間使
用しても副色プラスチックが剥がれ落ちる恐れがない。
【0024】この発明の第2実施形態に係る自転車用フ
ェンダーの製造方法につき、図11〜13の各図を参照
して説明する。図11のフローチャートに示すように、
プラスチック材料を押出成形機によって、適切な温度に
加熱して溶融させる。図12に示すように、成形用型3
は、上型31に基端側外周面から斜め先端側に延び、押
出通路33の中間部33cと先端部33cとが接続する
部分近くに開口する導電体供給通路34を形成し、副色
材料入口を形成しないこと以外、図5に示し前述した第
1実施形態の製造方法に用いる成形用型と実質的に同構
成にしてある。なお、図12中の図5と同符号は対応す
る部分を示している。
【0025】成形用型3の上方基端部近くには、リール
71を配置し、リール71を適宜の手段で軸回りに回転
可能に適当な部材で支持し、リール71には帯状の導電
体72を繰り出し可能に巻回してあり、手作業などによ
って導電体72の先端部を引き出し、成形用型3に設け
た前記供給通路34に挿通させ、押出通路33の先端側
に湾曲させて押出通路33の先端から若干突出させ、こ
の突出部を保持する。
【0026】この状態で、押出成形機を動作させて、加
熱、溶融したプラスチック材料44を成形用型3の基端
部に設けた材料入口33aから押出通路33内に押し出
して充填させ、プラスチック材料44に押出通路33の
先端部33eに位置する導電体72を埋め込み、導電体
72の突出部の保持を解除することで、プラスチック材
料44の押し出し力によって帯状の導電体72をリール
71から繰り出しつつプラスチック材料44と一体的に
送り出し、導電体72をプラスチック材料44に埋め込
んで一体に結合させ、押出通路33の先端から板部材4
に成形して押し出し、第1工程を終わる(図11参
照)。
【0027】なお、帯状の導電体72は、板部材4の厚
さ方向(上下方向)および左右方向に傾斜しないように
するため、成形用型3の前方に導電体72の先端部を予
め突出させて位置決めし、この状態で、成形用型3の押
出通路33に加熱、溶融させたプラスチック材料44を
押し出し、また、プラスチック材料44の押し出し力の
みでは導電体72を繰り出せない場合には、適宜の送出
機構をリール71と成形用型3の上型31との間に設
け、送出機構によって導電体72を送り出すようにす
る。さらに、導電体72は、板部材4の幅方向中央から
一側寄りに埋め込むことが好ましい。
【0028】押出通路33から押し出した板部材4は、
前記第1実施形態の第2工程と同様に、温かいままで真
空成形機に搬送し、これによる真空引きで、円弧に近い
フェンダー主体の横断面形状に成形し、その後、搬送機
によって切断機に搬送し、図13に示すように、切断機
によって、曲げ加工した板部材4とこれに埋め込んだ導
電体72を1動作によって切断しかつ板部材4の両側縁
46,47を外側が尖った平坦な形状に切断する。
【0029】さらに、図13,図14,図15に示すよ
うに、切断した板部材4一側部の長さ方向の2箇所に所
望の間隔で導電体72を貫いた貫通孔52a,52b
を、また貫通孔52bの板部材4幅方向中央位置に接続
孔53を、さらにこれの板部材4長さ方向に若干離れた
位置に取付孔54を、それぞれ板部材4の厚さ方向に貫
通させて穿ち、第2工程を終わる(図11参照)。
【0030】図14,図16,図17に示すように、前
記貫通孔52a,52bには鳩目状のリベット55a,
55bをそれぞれ嵌挿し、これらの先端突出部をフェン
ダー主体5にかしめ付け固定し、端子板56a,56b
をねじ57a,57bによってリベット55a,55b
に締め付け、導電体72にリベット55a,55bを介
して端子板56a,56bをそれぞれ接続し、接続孔5
3には接続板58を嵌めた鳩目状のリベット53を嵌挿
してフェンダー主体5にかしめ付け固定し、リベット5
5cにねじ57cを螺合させることで、第3工程を終わ
る。
【0031】次に、第3実施形態の製造方法で製造した
フェンダーの使用につき、図16,図17を参照して説
明する。図3に示し前述した従来の自転車と同様に、車
輪21の軸部に適宜の手段で固定して放射状に延びる金
属製の上,下支持桿23a,23bに、フェンダー主体
5をそれぞれ固定し、上支持桿23aに小型発電機24
を据え付ける。
【0032】図16に示すように、小型発電機24に接
続した第1の電線25aの先端部を上方の端子板56a
に接続し、下方の端子板56bに接続した第2の電線2
5bを、尾灯などの電灯22を構成する電球26の口金
26aに接続し、下支持桿23bのフェンダー主体5表
面に支持した部分に接続板27を接続する。
【0033】透光性プラスチックの成形品からなるカバ
ー28内に支え板28aを一体に形成し、支え板28a
に設けた嵌合孔28bに電球26の口金26a部または
ガラス球26bの口金26aに近い部分を嵌合保持さ
せ、カバー28をフェンダー主体5の表面に着脱可能に
支持させ、口金26aの下端中央部にこれと絶縁して設
けた端子26cを取付孔53にかしめ付けたリベット5
5cに螺合したねじ57cの頭部に当接させる。
【0034】前記構成にしたことで、小型発電機24で
発生した電力が、第1の電線25a、端子板56a、リ
ベット55a、導電体72、リベット55b、端子板5
6b、第2の電線25b、電球26の口金26a、電球
26内に設けたフィラメント26d、端子26c、ねじ
57c、リベット55c、接続板58、下支持桿23
b、車軸、上支持桿23aおよび第3の電線25cを経
て小型発電機24に戻って流れる回路を構成する。
【0035】従って、自転車の走行中に、小型発電機2
4の摩擦輪24aの回転によって得た小型発電機24の
電力を、前記回路によって電球26のフィラメント26
dに供給して電球26を点灯させることができる。な
お、取付孔54は下支持桿23bとフェンダー主体5と
をビス、ナットなどによって固定するために用い、また
導電体72の両端、上方のリベット55a、端子板56
a、ねじ57aなどは絶縁性塗料などで覆うことが好ま
しい。そして、第1実施形態に示すように、フェンダー
主体は、主押出成形機および副押出成形機を用いて、主
色プラスチック材料および副色プラスチック材料を加
熱、溶融させて成形用型に押し出し、表面に色彩豊かな
縦縞模様などを設けるようにしてもよい。
【0036】前述したように第2実施形態の製造方法に
よって得たフェンダー主体は、板部材の長さ方向に治っ
て帯状の導電体を埋設したことで、電線を短かくして外
見をよくすることができ、また電線が変位して短絡する
ことも防止できる。
【0037】前記実施形態では、自転車用フェンダーの
製造方法について述べたが、この発明は、フェンダー主
体の横断面形状および寸法などを変更することで、自動
二輪車用フェンダーの製造方法にも適用できる。また、
この発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、
請求項1〜5の範囲で、適宜修正、変更できる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
係る自転車または自動二輪車用フェンダーの製造方法
は、押出成形機によって、加熱、溶融させたプラスチッ
ク材料を、成形用型の押出通路に通し、板部材に成形し
て連続的に押し出し、押し出した板部材が温かい状態で
真空成形機の真空吸引によって所望の横断面形状に曲げ
加工することで、これらの加工が短時間で容易にでき、
その後、搬送機によって曲げ加工した板部材を切断機に
送り出し、板部材を冷えた状態で所望の長さおよび両側
縁形状に切断することで、フェンダー主体を安価に量産
できる。
【0039】そして、プラスチック材料の射出成形品に
比べ、横断面形状や長さの変更が容易であり、前輪用,
後輪用のフェンダーの製造ができる上に、後述する請求
項2の発明のようにフェンダー主体の表面に色が異なる
縞模様などを設けたり、請求項3の発明のように、帯状
の電動体を埋め込むなど、多種、多様のフェンダーを得
ることが成形用型の交換などによって容易にできる。
【0040】請求項2の発明に係る自動車または自動二
輪車用フェンダーの製造方法は、主,副押出成形機によ
って、互いに色が異なる主色,副色プラスチック材料を
それぞれ加熱、溶融させ、主押出成形機によって主色プ
ラスチック材料を成形用型の押出通路の基端部に設けた
主材料入口から前記押出通路に押し出し、副押出成形機
によって副色プラスチック材料を押出通路の中間部に開
口する副色材料入口から主色プラスチック材料上に押し
出して結合させ、押出通路の先端から押し出すことで、
主色,副色プラスチック材料によって、表面に色が異な
る縞模様などに色分け分布させた板部材を得る。
【0041】その後、請求項1の発明と同様に、前記板
部材を曲げ加工して切断することで、色彩が豊かな美し
いフェンダー主体を得ることができ、このフェンダー主
体は、主色プラスチックに、ある程度の厚さで副色プラ
スチックが埋め込まれて一体に結合しているので、長期
間使用しても副色プラスチックが剥れ落ちる恐れがな
い。
【0042】請求項3の発明は、請求項2の自転車また
は自動二輪車用フェンダーの製造方法において、複数台
の副押出成形機によって主色プラスチック材料と色が異
なり、かつ互いに色が異なる副色プラスチック材料を加
熱、溶融させ、前記副色プラスチック材料を成形用型の
押出通路の中間部に開口する副色材料入口から、主色プ
ラスチック材料上に押し出し、規則的または不規則的な
模様に分布させて主色プラスチック材料に結合させ、押
出通路の先端から板部材に成形して押し出すようにした
ので、3色以上の縞模様などがあり、より色彩が豊かで
美しいフェンダー主体を得ることができる。
【0043】請求項4の発明は、請求項1〜3の自転車
または自動二輪車用フェンダーの製造方法において、成
形用型に、これの上面から斜め先端側に延び成形用型の
押出通路に開口する導電体供給通路を形成し、前記成形
用型の上方に設置したリールに巻回してある帯状の導電
体を引き出して前記供給通路に通し、前記押出通路内の
加熱、溶融したプラスチック材料に前記導電体を埋め込
んで、プラスチック材料と導電体とを一体的に押出通路
の先端から押し出し、プラスチック材料を板部材に成形
し、その後、切断機によって曲げ加工した板部材とこれ
に埋め込んだ導電体とを1動作で切断してフェンダー主
体を得るようにしたので、フェンダーに設ける電球への
給電に、フェンダー主体に埋め込んだ導電体を用いるこ
とができ、電線のフェンダー外への露出を少なくして外
見をよくし、また電線がフェンダーなどから外れて電気
回路が短絡することを防止できる。
【0044】とくに、請求項5の発明のように、請求項
4の製造方法によって得たフェンダー主体の長手方向の
2箇所に所望の間隔で導電体を貫く貫通孔を厚さ方向に
形成し、これらの貫通孔に鳩目状のリベットを嵌挿して
かしめ付け固定し、前記リベットに端子板をねじによっ
て締め付け、導電体と端子板とをリベットを介してそれ
ぞれ通電させることで、フェンダー主体の支持桿に据え
付けた小型発電機の電力を、前記支持桿に沿わせてこれ
に装着した電線を一方の端子板に接続し、他方の端子板
を電線を介して電球の適所に接続することで、電球の点
灯を安定して行うことができて好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の自転車または自動二輪車用フェンダーを
示した分解斜視図。
【図2】従来の自転車または自動二輪車用フェンダーの
製造工程のフローチャート。
【図3】図1に示したフェンダーの使用状態の斜視図。
【図4】この発明の第1実施形態に係る自転車または自
動二輪車用フェンダーの製造工程を示したフローチャー
ト。
【図5】この発明の第1実施形態に係るフェンダーの製
造に使用する成形用型を示した縦断面図。
【図6】図5に示した成形用型から押し出した板部材の
横断面図。
【図7】図6に示した板部材によって製造した製品の横
断面図。
【図8】図7に示した製品の斜視図。
【図9】この発明の第1実施形態に係るフェンダーの製
造に使用する副押出成形機の変形例を成形用型と共に示
した断面図。
【図10】この発明の第1実施形態に係るフェンダーの
製造方法の変形例によって製造した製品の斜視図。
【図11】この発明の第2実施形態に係る自転車または
自動二輪車用フェンダーの製造工程を示したフローチャ
ード。
【図12】この発明の第2実施形態に係るフェンダーの
製造に使用する成形用型を導電体と共に示した横断面
図。
【図13】この発明の第2実施形態に係るフェンダーの
製造方法の第2工程で得たフェンダー主体の横断面図。
【図14】この発明の第2実施形態に係るフェンダーの
製造方法の第3工程説明図。
【図15】図14のA部の拡大図。
【図16】この発明の第2実施形態に係るフェンダーの
製造方法によって製造した製品の使用状態の横断面図。
【図17】図16に示した製品の使用状態の部分側面
図。
【符号の説明】
21 自転車の車輪 22 電灯 23a 上支持桿 23b 下支持桿 24 小型発電機 26 電球 3 成形用型 31 上型 32 下型 33 押出通路 33a 材料入口 33d 材料入口 34 導電体供給通路 4 板部材 41 主色プラスチック材料 42 副色プラスチック材料 43 副色プラスチック材料 5 フェンダー主体 52a 貫通孔 52b 貫通孔 55a リベット 55b リベット 56a 端子板 56b 端子板 57a ねじ 57b ねじ 71 リール 72 導電板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出成形機によって、プラスチック材料
    を加熱、溶融させ、成形用型の押出通路の基端部に設け
    た材料入口から前記押出通路を経て押出通路の先端から
    前記プラスチック材料を板部材に成形して押し出す第1
    工程と、 前記板部材を真空成形機の真空吸引によって所望の横断
    面形状に曲げ加工し、搬送機によって曲げ加工した板部
    材を切断機に送り出し、所望の長さと所望の両側縁形状
    に切断して、フェンダー主体を得る第2工程とを備えた
    ことを特徴とする自転車または自動二輪車用フェンダー
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 主押出成形機および副押出成形機によっ
    て主色プラスチック材料およびこの材料と色が異なる副
    色プラスチック材料をそれぞれ加熱、溶融させ、主押出
    成形機によって前記主色プラスチック材料を成形用型の
    押出通路の基端部に設けた主材料入口から前記押出通路
    に押し出し、副押出成形機によって、前記副色プラスチ
    ック材料を押出通路の中間部に開口する副色材料入口か
    ら前記主色プラスチック材料上に押し出して結合させ、
    押出通路の先端から色分け分布した板部材に成形して押
    し出す第1工程を有したことを特徴とする請求項1に記
    載した自転車または自動二輪車用フェンダーの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 複数台の副押出成形機によって主色プラ
    スチック材料と色が異なりかつ互いに色が異なる副色プ
    ラスチック材料を加熱、溶融させ、前記副色プラスチッ
    ク材料を成形用型の押出通路の中間部に開口する副色材
    料入口から主色プラスチック材料上に押し出し、規則的
    または不規則的な模様に分布させて主色プラスチック材
    料と結合させ、前記押出通路の先端から板部材に成形し
    て押し出すことを特徴とする請求項2に記載した自転車
    または自動二輪車用フェンダーの製造方法。
  4. 【請求項4】 第1工程では、成形用型に、これの上面
    から斜め先端側に延び成形用型の押出通路に開口する導
    電体供給通路を形成し、前記成形用型の上方に設置した
    リールに巻回してある帯状の導電体を引き出し、前記供
    給通路に通して前記押出通路内の加熱、溶融したプラス
    チック材料に前記導電体を埋め込んで、プラスチック材
    料と導電体とを一体的に押出通路の先端から押し出し、
    プラスチック材料を板部材に成形し、第2工程では、切
    断機によって曲げ加工した板部材とこれに埋め込んだ導
    電体とを1動作で切断し、フェンダー主体を得ることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載した自転車ま
    たは自動二輪車用フェンダーの製造方法。
  5. 【請求項5】 第2工程後に、フェンダー主体の長手方
    向の2箇所に所望の間隔で導電体を貫く貫通孔を厚さ方
    向に形成し、これらの貫通孔に鳩目状のリベットを嵌挿
    してかしめ付け固定し、前記リベットに端子板をねじに
    よって締め付け、導電体と端子板とをリベットを介して
    それぞれ通電可能にする第3工程を付加したことを特徴
    とする請求項4に記載した自転車または自動二輪車用フ
    ェンダーの製造方法。
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