JP6610408B2 - 部分めっき樹脂製品 - Google Patents

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Description

本発明は、互いに異なる樹脂材料によって形成された第1基材及び第2基材を有し、第1基材の外表面のうち第2基材が重なっていない領域に金属被膜が形成された部分めっき樹脂製品に関する。
この種の部分めっき樹脂製品では、二色成形により、第1基材及び第2基材が、この順に成形される。その後、第1基材の外表面のうち第2基材が重なっていない領域に、めっきにより金属被膜が形成される(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。こうした部分めっき樹脂製品として、従来は、第2基材が、分断されておらず、1つの部材として構成されたものが一般的である。
一方で、部分めっき樹脂製品の一形態として、図8に示すように、第2基材72が、重なり部73及び浮き島部74を有するものが考えられている。重なり部73は、第1基材71に対し表側(図8の上側)から重なっている。浮き島部74は、第1基材71に対し表側から重ならずに、上記重なり部73から離間するとともに、同第1基材71により周囲を取り囲まれている。この部分めっき樹脂製品70では、浮き島部74には金属被膜75が形成されないため、第1基材71において金属被膜75が形成された領域に、金属被膜75が形成されていない浮き島部74が位置し、浮き島部74が意匠上のアクセントとなる。
特開2005−100964号公報 特開2010−33942号公報
ところが、上記のように第2基材72が、重なり部73及び浮き島部74を有する従来の部分めっき樹脂製品70では、重なり部73とは別に浮き島部74を成形する必要がある。そのため、金型には、浮き島部74を成形するための成形空間(キャビティ)に、図8において二点鎖線で示すようなピンゲート76を繋ぐこととなる。その結果、成形後に、浮き島部74の表側面にゲート跡が少なからず残り、これが浮き島部74、ひいては部分めっき樹脂製品70の見栄えを低下させる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、浮き島部の見栄えの向上を図ること、すなわち、浮き島部の表面にゲート跡が残らないようにすることのできる部分めっき樹脂製品を提供することにある。
上記課題を解決する部分めっき樹脂製品は、互いに異なる樹脂材料により形成された第1基材及び第2基材を備え、前記第2基材は、前記第1基材に対し表側から重なった重なり部と、前記第1基材に対し表側から重ならずに前記重なり部から離間するとともに、同第1基材により周囲を取り囲まれた浮き島部とを有しており、前記第1基材の外表面のうち、前記第2基材が重なっていない領域には金属被膜が形成された部分めっき樹脂製品であって、前記第2基材は、前記第1基材の裏側で前記重なり部及び前記浮き島部を連結する裏側連結部をさらに有している。
上記の構成によれば、第2基材では、重なり部と浮き島部とが、裏側連結部により第1基材の裏側で繋がっている。このことは、第1基材の成形後に、金型を用いて第2基材を成形する際に、重なり部、浮き島部及び裏側連結部のそれぞれの成形空間(キャビティ)のうち、隣り合うもの同士が繋がっていることを意味する。このうち、裏側連結部の成形空間は、重なり部の成形空間に供給された溶融樹脂を、浮き島部の成形空間に導く流路として機能する。そのため、重なり部の成形空間に溶融樹脂が供給されると、その溶融樹脂は、裏側連結部の成形空間を経由して、浮き島部の成形空間に供給される。従って、重なり部の成形空間に溶融樹脂を導く流路とは異なる流路から、浮き島部の成形空間に溶融樹脂を直接供給しなくてもよい。金型には、浮き島部の成形空間に繋がるピンゲートが不要となる。その結果、浮き島部の表側面にゲート跡が残らない。
一方、部分めっき樹脂製品を表側から見た場合、第1基材の表側面のうち第2基材が重なっていな領域では金属被膜が見える。金属被膜が形成されていない第2基材では、その素地が見える。特に、浮き島部は、重なり部から離れ、かつ金属被膜で周囲を取り囲まれた状態で見える。ここで、上述したように、浮き島部の表側面にはゲート跡が残っていない。そのため、浮き島部の表側面にゲート跡が残ることが原因で、浮き島部ひいては部分めっき樹脂製品の見栄えが低下することが解消される。
なお、裏側連結部は、重なり部、第1基材及び浮き島部のそれぞれの裏側に位置する。そのため、部分めっき樹脂製品の表側からは、裏側連結部は、重なり部、第1基材及び浮き島部によって隠されて見えにくい。裏側連結部が設けられることで、部分めっき樹脂製品の見栄えが損なわれることは起こりにくい。
上記部分めっき樹脂製品において、前記裏側連結部は、前記第1基材のうち、前記重なり部及び前記浮き島部により挟まれた箇所の裏側と、前記重なり部の少なくとも前記浮き島部側の端部の裏側と、前記浮き島部の少なくとも前記重なり部側の端部の裏側とに跨って設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、第1基材の成形後に、金型を用いて第2基材を成形する際に、重なり部の成形空間に溶融樹脂が供給されると、その溶融樹脂は、裏側連結部の成形空間に対し、その重なり部側の端部から流入する。溶融樹脂は、裏側連結部の成形空間内を浮き島部側へ向けて流れた後、同成形空間の浮き島部側の端部から、浮き島部の成形空間に流入する。このようにして、重なり部、裏側連結部及び浮き島部のそれぞれの成形空間に溶融樹脂が充填される。この溶融樹脂が硬化することで、重なり部及び浮き島部が形成されるとともに、それらの重なり部及び浮き島部を連結する裏側連結部が形成される。この裏側連結部は、第1基材のうち、重なり部及び浮き島部により挟まれた箇所の裏側と、重なり部の少なくとも浮き島部側の端部の裏側と、浮き島部の少なくとも重なり部側の端部の裏側とに跨って位置する。
上記部分めっき樹脂製品において、前記第1基材の外表面のうち、前記重なり部が形成されていない箇所には電気接点部が設けられ、前記第1基材の裏側面と、前記第1基材の表側面のうち、前記重なり部が形成されていない箇所と連通させる連通部が設けられていることが好ましい。
第1基材の外表面のうち、第2基材が重なっていない領域に金属被膜を形成するために、電気接点部から電流が流されると、その電流は、上記領域を流れようとする。この際、重なり部が電流の流れを妨げようとする。
この点、上記の構成によるように、第1基材の裏側面と、第1基材の表側面のうち重なり部が形成されていない箇所と連通させる連通部が設けられていることで、電流は、第1基材の裏側面を流れた後、連通部の内壁面を経由して、第1基材の表側面のうち重なり部が形成されていない箇所を流れる。そのため、第1基材の外表面のうち重なり部が形成されていない箇所に対し電気めっきにより金属被膜が適正に形成される。
上記部分めっき樹脂製品において、前記第1基材の一部は、後方から前方へ向けて突出する突形状をなしており、前記重なり部の一部は、前記第1基材のうち突形状をなす部分の前端面から後方へ離れた箇所と後端部との間の領域に形成されており、前記電気接点部は、前記第1基材の後端部のうち前記重なり部よりも後方に設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、金属被膜の形成のために、第1基材の後端部であって重なり部よりも後方に位置する電気接点部に電流が流された場合、重なり部は、電流が第1基材の表側面のうち、同重なり部よりも前側の重なり部の形成されていない箇所に流れるのを妨げようとする。
しかし、電流は、第1基材の裏側面を流れた後、連通部の内壁面を経由して、第1基材の表側面のうち重なり部が形成されていない箇所を流れる。そのため、第1基材の表側面のうち重なり部よりも前側で、同重なり部の形成されていない箇所に金属被膜が適正に形成される。
上記部分めっき樹脂製品において、前記第1基材及び前記第2基材は、車両の前端部に取付けられる車両用外装品を構成するものであり、前記第1基材のうち突形状をなす部分は、互いに上下方向に離間した上壁部及び下壁部を有しており、前記重なり部の一部は、前記上壁部及び前記下壁部のそれぞれに形成されており、前記連通部は、前記上壁部及び前記下壁部のうちの下壁部にのみ設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、車両が前方から見られた場合、車両用外装品は、厳密に前方から水平に見られるわけではなく、実際には、斜め前上方から見下ろされる。一方、連通部は、第1基材の突形状をなす部分であって、上壁部及び下壁部のうちの下壁部にのみ設けられている。そのため、車両用外装品の斜め前上方からは、連通部は、第1基材のうち、上壁部を含み、かつ下壁部よりも高い箇所の部分によって隠されて見えにくい。従って、連通部が設けられることで、車両用外装品の見栄えが損なわれることが起こりにくい。
上記部分めっき樹脂製品によれば、浮き島部の見栄えの向上を図ることができる。
一実施形態におけるフォグカバーの正面図。 図1の2−2線断面図。 図1の3−3線断面図。 図1の4−4線断面図。 (a)〜(c)は、一実施形態において、第1基材及び第2基材の図2に対応する部分を、金型を用いて成形する工程を説明する部分断面図。 (a)〜(c)は、一実施形態において、第1基材及び第2基材の図3に対応する部分を、金型を用いて成形する工程を説明する部分断面図。 一実施形態において、フォグカバーの製造工程のうちの電気めっき工程を示す概略説明図。 従来の部分めっき樹脂製品を説明する図であり、図2に対応する部分断面図。
以下、部分めっき樹脂製品を、車両用外装品の一形態であるフォグカバーに具体化した一実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
車両の前端部であって、車幅方向の両側部には、ヘッドライトの補助灯としてフォグランプが取付けられている。図1に示すフォグカバー11は、フォグランプの周りに配置されて、フォグランプを装飾するものである。フォグカバー11の骨格部分は、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)によって形成された第1基材12と、PC(ポリカーボネート)によって形成された第2基材21とによって構成されている。
図1、図2及び図4に示すように、第1基材12は、枠部13及び横格子部14を備えている。枠部13は、前方から見た形状が環状をなすように形成されている。横格子部14は、枠部13内において車幅方向に延びている。横格子部14は、その車幅方向における両端部において、枠部13の同方向の両側部に繋がっている。横格子部14は、後方から前方へ向けて突出する突形状をなしている(図4参照)。このように突形状をなす横格子部14は、上壁部15、下壁部16及び前壁部17によって構成されている。上壁部15は、後側ほど高くなるように傾斜している。下壁部16は、上記上壁部15の下方に位置しており、後側ほど低くなるように傾斜している。前壁部17は、上壁部15の前端部と下壁部16の前端部とを繋いでいる。枠部13の少なくとも一部は、横格子部14の前壁部17よりも前方へ突出している(図2参照)。
図1及び図2に示すように、第2基材21は、材着樹脂材料によって形成されている。材着樹脂材料は、顔料等の着色材を樹脂材料(PC)に混合、あるいは光輝材を着色材とともに樹脂材料(PC)に混合することにより、樹脂自体を着色した材料である。
第2基材21は、重なり部22及び浮き島部27を有している。重なり部22は、第1基材12と同様に、枠部23及び横格子部24を備えている。枠部23は、上記枠部13に対し表側(図1の手前側、図2の上側)から重なっている。図1及び図4に示すように、横格子部24は、上壁部25及び下壁部26を備えている。横格子部24は、上記横格子部14における前壁部に相当する部分を有していない。
図4に示すように、上壁部25は、第1基材12の上壁部15において、前壁部17の前端面から後方へ離れた箇所と後端部との間の領域に形成されている。上壁部25の前端部は、前後方向については、上壁部15の中間部に位置している。上壁部25の後端部は、前後方向については、上壁部15の後端部と同じ箇所に位置している。
下壁部26は、第1基材12の下壁部16において、前壁部17の前端面から後方へ離れた箇所と後端部との間の領域に形成されている。下壁部26の前端部は、前後方向については、下壁部16の中間部に位置している。下壁部26の後端部は、前後方向については、下壁部16の後端部と同じ箇所に位置している。
図1及び図2に示すように、浮き島部27は、第1基材12の横格子部14のうち車幅方向の一端部、本実施形態では右端部において、枠部13,23から離間した箇所に設けられている。浮き島部27は、重なり部22とは異なり、第1基材12に対し表側から重なっていない。また、浮き島部27は本実施形態では円板状をなしており、第1基材12の横格子部14により周囲を取り囲まれている。
図2〜図4において太い線で示すように、第1基材12の外表面のうち、第2基材21が重なっていない領域には、めっきにより金属被膜31が形成されている。この箇所には、横格子部14の表側面が含まれるほか、第1基材12の裏側面が含まれる。なお、金属被膜31は、第2基材21には形成されていない。このように、フォグカバー11では、その外表面の一部にのみ金属被膜31が形成されている。
図2に示すように、第2基材21は、さらに、第1基材12の裏側で重なり部22と浮き島部27とを連結する裏側連結部28を有している。裏側連結部28の主要部は、第1基材12のうち、重なり部22及び浮き島部27によって挟まれた箇所の裏側に位置している。また、裏側連結部28の一方(図2の右方)の端部は、重なり部22の浮き島部27側の端部の裏側に位置している。さらに、裏側連結部28の他方(図2の左方)の端部は、浮き島部27の全体の裏側に位置している。
また、図4に示すように、第1基材12の外表面のうち、重なり部22が形成されていない箇所である後端部には、電気めっきのための電気接点部18が設けられている。本実施形態では、電気接点部18は、上下方向については、第1基材12における上壁部15に設けられている。また、電気接点部18は、前後方向については、上壁部15の後端部に設けられている。より正確には、電気接点部18は、上壁部15の後端面を起点として後方へ延びている。さらに、電気接点部18は、上壁部15の車幅方向における複数箇所に設けられている。
図3に示すように、フォグカバー11にはさらに連通部32が設けられている。より詳しくは、第1基材12の下壁部16であって、車幅方向における側部には、その下壁部16の後端から前方へ向けて延びる切欠き部19が形成されている。前後方向に細長い切欠き部19の前端部は、下壁部16の前後方向における中央部付近に位置している。
また、第2基材21における横格子部24の下壁部26であって、車幅方向における側部には、その前端から後方へ向けて凹む切欠き部29が形成されている。切欠き部29は、切欠き部19の前端部と重なっている。そして、このように、両切欠き部29,19が重なる箇所によって連通部32が構成されている。この連通部32により、下壁部16の裏側面(上面)と、表側面(下面)のうち重なり部22(下壁部26)が形成されていない箇所とが連通されている。
下壁部16の表側面(下面)において連通部32が開口している箇所での面積を、連通部32の開口面積とすると、この開口面積は、9ミリ平方メートル以上の大きさに設定されている。上壁部15の裏側面(下面)と表側面(上面)とを連通させる連通部は、フォグカバー11には設けられていない。
次に、上記のように構成された本実施形態の作用及び効果について、フォグカバー11の製造方法とともに説明する。
最初に、第1基材12及び第2基材21を二色成形法によって成形する。二色成形には、図5(a)及び図6(a)に示すように、第1基材12を成形するための金型41と、図5(b)及び図6(b)に示すように、第2基材21を成形するための金型42とが用いられる。
金型41,42は、2種類の固定型と、両固定型に対し接近及び離間する共通の可動型45とを備えている。2種類の固定型は、第1固定型43及び第2固定型44からなる。可動型45は、本体部46と、本体部46に対し、固定型に接近及び離間する方向へスライド可能に設けられたスライドコア48とを備えている。図6(a)に示すように、本体部46は、第1基材12の下壁部16に切欠き部19を形成するための成形突部47を有している。スライドコア48は、第2基材21に裏側連結部28を形成するためのものである。スライドコア48は、裏側連結部28を成形しないときに採る第1成形位置(図5(a))と、裏側連結部28を成形するときに採る第2成形位置(図5(c))との間でスライドする。
図5(a)及び図6(a)に示すように、第1基材12を成形するための金型41では、固定型として第1固定型43が用いられる。この金型41が型締めされると、第1固定型43と可動型45との間に、第1基材12を成形するための成形空間51(キャビティ)が形成される。なお、図5(a)では、この成形空間51が3つに分かれて図示されているが、これらは図示しない箇所で互いに繋がっている。スライドコア48は第1成形位置に位置している。金型41に設けられたゲート(図示略)から、上記成形空間51に対し、側方(可動型45の移動方向に対し直交する方向:図5(a)の右方、図6(a)の上方)から溶融樹脂が供給される。成形空間51に充填された溶融樹脂が硬化されることで、下壁部16に切欠き部19を有する第1基材12が成形される。
次に、金型41が型開きされることで、可動型45が第1固定型43から離間される。この際、第1基材12は可動型45に付着した状態で、可動型45と一体となって第1固定型43から離間される。
第2基材21を成形するための金型42では、固定型として第2固定型44が用いられる。上記のように、第1基材12が付着した可動型45が、図5(b)及び図6(b)に示すように、第2固定型44に接近されて、金型42が型締めされる。この型締めにより、第2固定型44と可動型45との間に、重なり部22を成形するための成形空間52と、浮き島部27を成形するための成形空間53とが、それぞれが形成される。この時点では、図5(b)に示すように、スライドコア48が第1成形位置にあり、両成形空間52,53が互いに分断されている。
上記スライドコア48が、図5(b)において二点鎖線で示す第2成形位置へスライド(コアバック)されることで、裏側連結部28を成形するための成形空間54が形成される。この成形空間54により、成形空間52と成形空間53とが連通される。
金型42に設けられたゲート(図示略)から、上記成形空間52に対し、側方(可動型45の移動方向に対し直交する方向:図5(b)の右方、図6(b)の上方)から溶融樹脂が供給される。
この際、裏側連結部28の成形空間54は、重なり部22の成形空間52に供給された溶融樹脂を、浮き島部27の成形空間53に導く流路として機能する。そのため、成形空間52に供給された溶融樹脂は、成形空間54を経由して、成形空間53に供給される。この際、成形空間52内の溶融樹脂は、成形空間54に対しては、重なり部22側の端部から流入する。溶融樹脂は、成形空間54内を重なり部22側から浮き島部27側へ向けて流れた後、同成形空間54の浮き島部27側の端部から成形空間53に流入する。
このようにして、重なり部22、浮き島部27及び裏側連結部28のそれぞれの成形空間52〜54に溶融樹脂が充填される。この溶融樹脂が硬化することで、図5(c)及び図6(c)に示すように、重なり部22及び浮き島部27が形成されるとともに、それらの重なり部22及び浮き島部27を連結する裏側連結部28が形成される。第1基材12及び第2基材21が一体となった中間製品56が得られる。
ここで、第2基材21の形成材料として用いられたPCの融点は、同第2基材21の形成に先立ち形成された第1基材12の形成材料として用いられたABSの融点よりも高い。そのため、溶融状態のPCが成形空間52〜54に供給されると、第1基材12に対し、その融点よりも温度の高い溶融状態のPCが接触する。溶融状態のPCの熱が第1基材12に伝わり、同第1基材12の第2基材21との境界部分が溶融する。第2基材21が第1基材12に対しより強固に密着した状態で形成される。
上記中間製品56では、裏側連結部28は、第1基材12のうち、重なり部22及び浮き島部27により挟まれた箇所の裏側と、重なり部22の浮き島部27側の端部の裏側と、浮き島部27の全体の裏側とに跨って位置する。
従って、重なり部22の成形空間52に溶融樹脂を導く流路とは異なる流路から、浮き島部27の成形空間53に溶融樹脂を直接供給しなくてもよい。従来技術とは異なり、第2固定型44には、浮き島部27の成形空間53に繋がるピンゲートが不要となる。
そして、金型42が型開きされ、上記のようにして形成された中間製品56が金型42から取り出される。
上述したように、浮き島部27の形成のためにピンゲートを用いていないため、中間製品56は、浮き島部27の表側面にゲート跡が残っていないものとなる。
続いて、上記中間製品56に部分めっきを施す処理を行なう。
最初に、中間製品56を図7に示す治具60に取付ける。治具60は、治具本体61と、その治具本体61に設けられ、かつ中間製品56における各電気接点部18を挟み込む金属製のクリップ(図示略)と、治具本体61を搬送機62に引っ掛けるフック部63とを有する。搬送機62は、中間製品56の取付けられた治具60を、上下方向及び水平方向に移動させる。この搬送機62により、治具60をめっき槽64の外の位置まで移動させて導電性付与工程を行なう。その後に、治具60を搬送機62により各種めっき槽64まで移動させて電気めっき工程を行なう。
<導電性付与工程>
この工程では、治具60とともに中間製品56に対して次の各表面処理を行なう。まず、中間製品56に対し表面調整を行なうことにより、中間製品56の外表面に付着しているゴミ、油等の汚れを除去する。次に、エッチング液を用いて中間製品56にエッチングを行なうことにより、中間製品56の外表面を化学的に粗化する。次に、中間製品56の外表面を酸で中和して、エッチング成分の一種である六価クロムを還元除去する。次に、中間製品56にキャタリストを行なうことで、中間製品56の粗化された外表面に、吸着力が強く還元力のある触媒(Pd−Sn化合物)を吸着させる。次に、中間製品56に対しアクセレータを行ない、中間製品56の外表面に付着していたSnを除去し、Pdを活性化させる。次に、中間製品56を無電解めっき槽に浸漬して、中間製品56に対し無電解めっきを行なうことにより、無電解めっき層を形成する。このようにして導電性付与工程が行なわれることにより、中間製品56の外表面に導電性が付与される。
<電気めっき工程>
この工程では、図7に示すように、中間製品56を治具60とともに各種めっき槽64に浸漬する。各種めっき槽64には、それぞれ対応するめっき液65が貯留されていて、その中には陽極電極66が備えられている。陽極電極66に対し陽極電圧を印加する。また、中間製品56に対し、クリップによって挟み込まれた電気接点部18を通じて陰極電圧を印加する。中間製品56の外表面には、上述した導電性の無電解めっき膜が形成されているため、同外表面は陰極に帯電する。
各種電気めっきでは、酸活性、ストライクめっき、銅めっき、半光沢ニッケルめっき、光沢ニッケルめっき、分散ストライクニッケルめっき、クロムめっきを順に行なう。
そのため、上記電気めっき工程が行なわれて、中間製品56に陰極電圧が印加されると、第1基材12の外表面のうち、第2基材21が重なっていない領域は、マイナス電荷が帯電する。従って、第1基材12の周辺に、めっき液65中に溶解している金属成分のプラス電荷が集まり、金属被膜31が形成される。
ここで、図4に示すように、第1基材12の外表面のうち、第2基材21が重なっていない領域に金属被膜31を形成するために、第1基材12の後端部に位置する電気接点部18から電流が流されると、その電流は、上記領域を流れようとする。この際、横格子部24における上壁部25及び下壁部26は、電流が第1基材12の外表面のうち、重なり部22よりも前側の重なり部22の形成されていない箇所に流れるのを妨げようとする。
この点、連通部32が設けられている本実施形態では、電流は、図3において矢印で示すように第1基材12の裏側面を流れる。その後、電流は、連通部32の内壁面を経由して、第1基材12の表側面のうち重なり部22が形成されていない箇所を流れる。そのため、第1基材12の表側面のうち重なり部22よりも前側で、同重なり部22が形成されていない箇所にも金属被膜31が適正に析出される。
なお、本実施形態では、連通部32の開口面積が9ミリ平方メートル以上である。そのため、処理槽に浸漬されて中間製品56がその処理槽から取り出されたときに、連通部32の内壁面に付着していた処理液が、表面張力により残ったまま、次の処理槽へ持ち込まれることが起こりにくい。そのため、この点でも、金属被膜31を適正に析出させることができる。
その後、乾燥と、治具60の取り外し及び検査とを順に行なうと、外表面の一部に金属被膜31の形成された、目的とするフォグカバー11が得られる。
上記フォグカバー11は、車両の前端部であって車幅方向の両側部に配置されたフォグランプの周りに取付けられる。
このフォグカバー11を車両前方から後方に向かって見た場合、図2及び図4に示すように、第1基材12の表側面のうち第2基材21が重なっていない領域では金属被膜31が見える。金属被膜31が形成されていない第2基材21は、その第2基材21の素地が見える。特に、浮き島部27は、重なり部22から離れ、かつ金属被膜31で周囲を取り囲まれた状態で見える。ここで、上述したように、浮き島部27の表側面にはゲート跡が残っていない。そのため、浮き島部27の表側面にゲート跡が残ることが原因で見栄えが低下することが解消される。
なお、裏側連結部28は、重なり部22、第1基材12及び浮き島部27のそれぞれの裏側に位置する。そのため、フォグカバー11の前方からは、裏側連結部28は、重なり部22、第1基材12及び浮き島部27によって隠されて見えにくい。裏側連結部28が設けられることで、フォグカバー11のうち、浮き島部27の周辺部分の見栄えが損なわれることは起こりにくい。
また、上記のように、車両が前方から見られた場合、フォグカバー11は、厳密に前方から水平に見られるわけではなく、実際には、斜め前上方から見下ろされる。一方、図3に示すように、切欠き部19は、後方から前方へ向けて突出する突形状をなす横格子部14であって、上壁部15及び下壁部16のうちの下壁部16にのみ設けられている。切欠き部29についても、上壁部25及び下壁部26のうちの下壁部26にのみ設けられている。そのため、フォグカバー11の斜め前上方からは、両切欠き部19,29が重なる箇所によって構成される連通部32は、下壁部16,26よりも高い箇所に位置する前壁部17や上壁部15,25によって隠されて見えにくい。従って、連通部32が設けられることで、第1基材12及び第2基材21ひいてはフォグカバー11の見栄えが損なわれることが起こりにくい。
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。
・裏側連結部28は、重なり部22に対し、その浮き島部27側の端部だけでなく、同端部の周辺部分に繋がってもよい。
また、裏側連結部28は、浮き島部27に対し、その重なり部22側の端部のみに繋がってもよい。
・電気(電解)めっきでは、銅、ニッケル、クロム等のめっき成分を1種又は2種以上用いられることにより金属被膜31が形成される。金属被膜31は、1層に限らず2層以上のめっき層から構成されてもよい。
・第1基材12は、ABSとは異なる樹脂材料によって形成されてもよい。また、第2基材21は、PCとは異なる樹脂材料によって形成されてもよい。
・浮き島部27は、第1基材12によって周囲を取り囲まれることを条件に、上記実施形態とは異なる形状に変更されてもよい。
・部分めっき樹脂製品は、上記とは異なる車両用外装品、例えばラジエータグリルに適用することができる。また、部分めっき樹脂製品は、車両用内装品に適用することもできる。
11…フォグカバー(部分めっき樹脂製品、車両用外装品)、12…第1基材、15…上壁部、16…下壁部、18…電気接点部、21…第2基材、22…重なり部、27…浮き島部、28…裏側連結部、31…金属被膜、32…連通部。

Claims (5)

  1. アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体により形成された第1基材と、ポリカーボネートにより形成された第2基材を備え、
    前記第2基材は、前記第1基材に対し表側から重なった重なり部と、前記第1基材に対し表側から重ならずに前記重なり部から離間するとともに、同第1基材により周囲を取り囲まれた浮き島部とを有しており、
    前記第1基材の外表面のうち、前記第2基材が重なっていない領域には金属被膜が形成された部分めっき樹脂製品であって、
    前記第2基材は、前記第1基材の裏側で前記重なり部及び前記浮き島部を連結する裏側連結部をさらに有している部分めっき樹脂製品。
  2. 前記裏側連結部は、前記第1基材のうち、前記重なり部及び前記浮き島部により挟まれた箇所の裏側と、前記重なり部の少なくとも前記浮き島部側の端部の裏側と、前記浮き島部の少なくとも前記重なり部側の端部の裏側とに跨って設けられている請求項1に記載の部分めっき樹脂製品。
  3. 前記第1基材の外表面のうち、前記重なり部が形成されていない箇所には電気接点部が設けられ、
    前記第1基材の裏側面と、前記第1基材の表側面のうち、前記重なり部が形成されていない箇所と連通させる連通部が設けられている請求項1又は2に記載の部分めっき樹脂製品。
  4. 前記第1基材の一部は、後方から前方へ向けて突出する突形状をなしており、
    前記重なり部の一部は、前記第1基材のうち突形状をなす部分の前端面から後方へ離れた箇所と後端部との間の領域に形成されており、
    前記電気接点部は、前記第1基材の後端部のうち前記重なり部よりも後方に設けられている請求項3に記載の部分めっき樹脂製品。
  5. 前記第1基材及び前記第2基材は、車両の前端部に取付けられる車両用外装品を構成するものであり、
    前記第1基材のうち突形状をなす部分は、互いに上下方向に離間した上壁部及び下壁部を有しており、
    前記重なり部の一部は、前記上壁部及び前記下壁部のそれぞれに形成されており、
    前記連通部は、前記上壁部及び前記下壁部のうちの下壁部にのみ設けられている請求項4に記載の部分めっき樹脂製品。
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