JP2018053330A - 部分めっき樹脂製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属被膜における端末部の見栄えの向上を図りつつ、同端末部が剥がれるのを抑制する。
【解決手段】部分めっき樹脂製品10は、互いに異なる樹脂材料により、互いに隣接した状態で形成された第1基材11及び第2基材21を備える。第1基材11は第1一般部12を備え、第2基材21は第2一般部22及び第2角部24を備える。第1基材11の外表面のうち第2基材21が接触していない領域に金属被膜35が形成され、第2基材21に金属被膜35が形成されていない。第1一般部12の一般壁面13が、第2一般部22の一般壁面23に対し裏側へ後退した箇所に形成されることで、両一般壁面13,23間に段差部17が形成されている。段差部17では、金属被膜35は、第2基材21のうち少なくとも第2角部24に接触した状態で第1一般部12の一般壁面13に形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、互いに異なる樹脂材料により、互いに隣接した状態で形成された第1基材及び第2基材を備え、第1基材の外表面のうち第2基材が接触していない領域に金属被膜が形成された部分めっき樹脂製品に関する。
この種の部分めっき樹脂製品としては、例えば、図4に示すものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。この部分めっき樹脂製品60は、互いに異なる樹脂材料により、互いに隣接した状態で形成された第1基材61及び第2基材63を備えている。第1基材61は、表裏方向(図4の上下方向)に交差する平面状の一般壁面62を有している。第2基材63は、表裏方向に交差する平面状の一般壁面64を有している。両一般壁面62,64は同一平面上に形成されている。第1基材61の外表面のうち第2基材63が接触していない領域には金属被膜65が形成され、第2基材63には金属被膜65が形成されていない。なお、金属被膜65の端末部67の一部は、第1基材61からはみ出て第2基材63上に位置するが、接触しているだけであり、同第2基材63上に形成(付着)されていない。
特開2005−100964号公報 特開2010−33942号公報
ここで、上記部分めっき樹脂製品60が車両用外装品に適用される場合には、車両用内装品に適用される場合よりも、金属被膜65が大きな膜厚で形成される。これは、車両用外装品は、車両用内装品よりも天候等の点で厳しい環境下で使用されるからである。
一方で、電気めっき工程による金属被膜65の形成に際し、同金属被膜65の端末部67には、他の部位(一般部66)に対するよりもめっき液の中の電荷が集中しやすく、析出するめっき量が多くなる。そのため、端末部67の膜厚が一般部66の膜厚よりも大きくなる。こうした傾向は、部分めっき樹脂製品60に限らずめっき樹脂製品一般に共通するものである。
従って、部分めっき樹脂製品60が、一般部66の厚みがもともと大きな車両用外装品に適用されると、車両用内装品に適用される場合に比べ、端末部67の膜厚と一般部66の膜厚との差が大きく、端末部67が一般部66よりも表側へ膨らむ凸形状となり、見栄え(外観)が低下する。
さらに、上記のように凸形状となった端末部67の膜厚が、ある一定の値を越える(過大になる)と、その端末部67に局部的に過剰にめっきが析出して突起68が形成される、花咲きとも呼ばれる現象が起こり、上記見栄え(外観)を一層低下させる。
また、金属被膜65の端末部67は、第2基材63に対しては、上述したように接触しているだけで付着していない。そのため、端末部67と第2基材63との隙間から、金属被膜65中の銅被膜を腐食させる液体が入り込んだ場合には、その銅被膜が腐食されるおそれがある。特に、上記端末部67に指等が触れられたり、衝撃が加えられたりした場合には、端末部67が剥がれて上記隙間が拡大する。隙間に上記液体が入り込みやすくなり、腐食が起こりやすくなる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、金属被膜における端末部の見栄えの向上を図りつつ、同端末部が剥がれるのを抑制することのできる部分めっき樹脂製品を提供することにある。
上記課題を解決する部分めっき樹脂製品は、互いに異なる樹脂材料により、互いに隣接した状態で形成された第1基材及び第2基材を備え、前記第1基材は、表裏方向に交差する平面状の一般壁面を有する第1一般部を備え、前記第2基材は、前記表裏方向に交差する方向に互いに隣接する第2一般部及び第2角部を備え、前記第2一般部は、前記表裏方向に交差する平面状の一般壁面を有し、前記第1基材の外表面のうち前記第2基材が接触していない領域には金属被膜が形成され、同第2基材には金属被膜が形成されていない部分めっき樹脂製品であって、前記第1一般部の前記一般壁面が、前記第2一般部の前記一般壁面に対し裏側へ後退した箇所に形成されることにより、両一般壁面間に段差部が形成されており、前記段差部では、前記金属被膜は、前記第2基材のうち少なくとも前記第2角部に接触した状態で前記第1一般部の前記一般壁面に形成されている。
上記の構成によれば、金属被膜の形成に際し、電気めっき工程が行なわれる。電気めっき工程では、第1基材及び第2基材を備え、かつ金属被膜の形成される前の中間製品が、めっき液に浸漬され、そのめっき液中の陽極電極に陽極電圧が印加される。中間製品に陰極電圧が印加されることにより、第1基材の外表面のうち第2基材が接触していない領域には、マイナス電荷が帯電する。第1基材の周辺に、めっき液中に溶解している金属成分のプラス電荷が集まり、金属被膜が形成される。
この際、第1一般部の一般壁面が、第2一般部の一般壁面に対し裏側へ,すなわち、陽極電極から遠ざかる側へ後退した箇所に位置していて、両一般壁面間に段差部が形成されている。陽極電極と第1一般部との間には、第2角部が位置する。この第2角部が壁となり、第1一般部の一般壁面のうち第2基材との境界部分に対し、第2角部側から、めっき液中に溶解している金属成分のプラス電荷が集まるのを妨げる。従って、第1一般部の一般壁面のうち第2基材との境界部分に析出するめっき量が少なくなる。金属被膜の形成に際し、端末部で膜厚が過大となって、その端末部が凸形状になる現象が起こりにくくなる。これに伴い、金属被膜の膜厚が過大になることが原因で突起が形成される、いわゆる花咲き現象も起こりにくくなる。その結果、金属被膜における端末部の見栄え(外観)が向上する。
また、第2角部は、金属被膜の端末部を受け止めることで、その端末部が、表裏方向に交差する方向のうち第2基材側へ延びて形成されるのを規制する。この規制により、金属被膜の端末部の形状が安定し、接触している第2角部から浮き上がりにくい。
金属被膜は、第2一般部の一般壁面に対し裏側へ後退した箇所に位置する。しかも、金属被膜の端末部の隣には、第2角部が位置する。この第2角部は、指等が端末部に近づけられた場合に障壁となり、端末部に触れられるのを妨げる。従って、端末部は、第2基材に対しては接触しているだけで付着していないものの、端末部に指等が触れられたり、衝撃が加えられたりすることが原因で、端末部と第2基材との隙間が拡がることが起こりにくい。
上記部分めっき樹脂製品において、前記第1基材は、前記第1一般部に対し前記表裏方向に交差する方向に隣接する第1角部を備え、前記第1基材は、少なくとも前記第1角部において、少なくとも前記第2角部の裏側で、前記表裏方向に交差する方向に重なっており、前記金属被膜は、前記段差部では、前記第2基材のうち前記第2角部のみに接触した状態で前記第1一般部の前記一般壁面に形成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、第2基材における少なくとも第2角部は、第1基材の少なくとも第1角部の表側に位置し、壁として機能する。電気めっき工程による金属被膜の形成に際し、第2角部は、第1一般部の一般壁面のうち同第2基材との境界部分に対し、第2角部側から、めっき液中に溶解している金属成分のプラス電荷が集まるのを妨げる。
また、第2角部は、金属被膜の端末部が、表裏方向に交差する方向のうち第2基材側へ延びて形成されるのを規制する。また、第2角部は、指等が、同第2角部に隣接する端末部に近づけられた場合に障壁となり、指等が端末部に触れられるのを妨げる。従って、段差部では、金属被膜の端末部が、第2基材に対し第2角部に接触しているだけで付着していないものの、端末部に指等が触れられたり、衝撃が加えられたりすることが原因で、端末部と第2基材との隙間が拡がることが起こりにくい。
上記部分めっき樹脂製品において、前記第1基材は、前記第1一般部に対し前記表裏方向に交差する方向に隣接する第1角部を備え、前記第1角部は、前記第2角部から、前記表裏方向に交差する方向へ離れており、前記第2基材は、前記第2角部の裏側に、前記第1角部に隣接する補助角部を有しており、前記金属被膜は、前記段差部では、前記第2基材のうち前記第2角部及び前記補助角部に接触した状態で前記第1一般部の前記一般壁面に形成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、第2基材における第2角部は、同第2基材の補助角部及び第1基材の第1角部よりも表側に位置し、壁として機能する。電気めっき工程による金属被膜の形成に際し、第2角部は、第1角部の補助角部との境界部分に対し、第2角部側から、めっき液中に溶解している金属成分のプラス電荷が集まるのを妨げる。
また、第2角部は、金属被膜の端末部が、表裏方向に交差する方向のうち第2基材側へ延びて形成されるのを規制する。また、第2角部は、指等が、同第2角部に隣接する端末部に近づけられた場合に障壁となり、指等が端末部に触れられるのを妨げる。従って、段差部では、金属被膜の端末部が、第2基材に対し、第2角部及び補助角部において接触するだけであるが、端末部に指等が触れられたり、衝撃が加えられたりすることが原因で、端末部と第2基材との隙間が拡がることが起こりにくい。
上記部分めっき樹脂製品において、前記第2角部は前記表裏方向に沿う立壁面を有しており、前記金属被膜の端末部は、前記第2角部に対しては前記立壁面において接触していることが好ましい。
上記の構成のように、第2角部が表裏方向に沿う立壁面を有している場合には、この第2角部の立壁面が壁として機能し、金属被膜の端末部の膜厚が過大になるのを抑制する。立壁面は、金属被膜の端末部を受け止めることで、同端末部が第2基材側へ延びて形成されるのを規制する。さらに、立壁面は、指等が端末部に触れられるのを妨げる。
上記部分めっき樹脂製品によれば、金属被膜における端末部の見栄えの向上を図りつつ、同端末部が剥がれるのを抑制することができる。
(a)は第1実施形態における部分めっき樹脂製品の部分断面図、(b)は図1(a)の一部を拡大して示す部分断面図。 第1実施形態において、部分めっき樹脂製品の製造工程のうちの電気めっき工程を示す概略説明図。 図1(b)に対応する図であり、第2実施形態における部分めっき樹脂製品の要部を示す部分断面図。 従来の部分めっき樹脂製品の部分断面図。
(第1実施形態)
以下、部分めっき樹脂製品の第1実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。部分めっき樹脂製品は、車両用外装品、例えば、フロントグリル、フォグカバー等に具体化される。
図1(a)は、部分めっき樹脂製品10の一部の断面構造を示している。また、図1(b)は、図1(a)の一部を拡大して示している。図1(a),(b)では、上側が部分めっき樹脂製品10の表側(意匠面側)を指し、下側が部分めっき樹脂製品10の裏側を指している。
部分めっき樹脂製品10の骨格部分は、互いに異なる樹脂材料によって、互いに隣接した状態で形成された第1基材11及び第2基材21によって構成されている。
第1基材11は、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)によって形成されている。
第1基材11は、表裏方向(図1(a),(b)の上下方向)に対し、直交又は直交に近い状態で交差する方向(左右方向)に互いに隣接する第1一般部12及び第1角部14を備えている。第1一般部12は、上記表裏方向に対し、直交又は直交に近い状態で交差する平面状の一般壁面13を有している。第1角部14は、第1基材11のうち第2基材21側かつ表側の角部によって構成されており、凸状の湾曲壁面15を有している。
この湾曲壁面15は、金型を用いて樹脂成形を行なう際に形成されるものである。すなわち、第1角部14は、金型の成形凹部で成形することになるが、成形凹部の内角部を、NC加工、放電加工、磨き加工等によって角張った形状に形成することが難しい。そのため、第1角部14には、凸状の湾曲壁面15が少なからず形成される。この点は、後述する第2角部24の湾曲壁面25についても同様である。
第2基材21は、PC(ポリカーボネート)を主成分とした材着樹脂材料によって形成されている。材着樹脂材料は、顔料等の着色材を樹脂材料(PC)に混合、あるいは光輝材を着色材とともに樹脂材料(PC)に混合することにより、樹脂自体を着色した材料である。
第2基材21は、上記表裏方向に対し、直交又は直交に近い状態で交差する方向に互いに隣接する第2一般部22及び第2角部24を備えている。第2一般部22は、上記表裏方向に対し、直交又は直交に近い状態で交差する平面状の一般壁面23を有している。第2角部24は、第2基材21のうち第1基材11側かつ表側の角部によって構成されており、凸状の湾曲壁面25を有している。
第2角部24は、上記湾曲壁面25の裏側に隣接する箇所に立壁面26を有している。立壁面26は、湾曲壁面25から上記表裏方向に沿う方向へ延びている。
さらに、第1基材11の第1角部14及びその近傍部分が、第2基材21の第2角部24及びその近傍部分の裏側で、上記表裏方向に対し、直交又は直交に近い状態で交差する方向(左右方向)に重なっている。ここで、第1角部14の近傍部分とは、第1一般部12の第1角部14との境界部分をいう。また、第2角部24の近傍部分とは、第2一般部22の第2角部24との境界部分をいう。
上記のように、第1基材11の第1角部14及びその近傍部分が、第2基材21の第2角部24及びその近傍部分の裏側に形成されることで、第1一般部12の一般壁面13は、第2一般部22の一般壁面23に対し裏側へ後退した箇所に位置している。両一般壁面13,23の間には、0.1mm〜1.0mmの深さDの段差部17が形成されている。
上記第1基材11及び第2基材21が一体となったもの(以下「中間製品30」という)は二色成形を行なうことによって形成されている。二色成形は、樹脂材料の成形方法の一態様であり、異材質(材料)同士を組合わせて一体に成形するものである。二色成形では、一次側となる部分(第1基材11)を成形してから、二次側となる部分(第2基材21)を、同一金型内で上記一次側となる部分(第1基材11)と一体で成形する。
ここで、第2基材21の形成材料として用いられたPCの融点は、同第2基材21の形成に先立ち形成された第1基材11の形成材料として用いられたABSの融点よりも高い。そのため、第2基材21の成形に際し、溶融状態のPCが金型に供給されると、第1基材11に対し、その融点よりも温度の高い溶融状態のPCが接触する。溶融状態のPCの熱が第1基材11に伝わり、同第1基材11の第2基材21との界面が溶融する。第2基材21が第1基材11に対し、より強く密着した状態で形成される。
第1基材11の外表面のうち第2基材21が接触していない領域には、めっき処理により金属被膜35が形成されている。第1実施形態では、金属被膜35は、銅被膜、ニッケル被膜及びクロム被膜の3種類の被膜が積層されることによって構成されている。銅被膜及びニッケル被膜がそれぞれ50μm程度の膜厚を有するのに対し、クロム被膜は1μm以下の膜厚を有している。この金属被膜35は、段差部17では、第1一般部12における一般壁面13の一部に形成されている。
これに対し、第2基材21の外表面には、金属被膜35が形成されていない。金属被膜35の端末部36は、第2基材21に対しては、立壁面26の一般壁面13との境界部分に接触しているのみである。
次に、上記のように構成された第1実施形態の作用及び効果について、上記中間製品30に部分めっきを施す処理とともに説明する。
最初に、中間製品30を図2に示す治具40に取付ける。治具40は、治具本体41と、その治具本体41に設けられ、かつ中間製品30に設けられた電気接点部31を挟み込む金属製のクリップ(図示略)と、治具本体41を搬送機42に引っ掛けるフック部43とを備えている。搬送機42は、中間製品30の取付けられた治具40を、上下方向及び水平方向に移動させる。この搬送機42により、治具40をめっき槽44の外の位置まで移動させて導電性付与工程を行なう。その後に、治具40を搬送機42により各種めっき槽44まで移動させて電気めっき工程を行なう。
<導電性付与工程>
この工程では、治具40とともに中間製品30に対して次の各表面処理を行なう。まず、中間製品30に対し表面調整を行なうことにより、同中間製品30の外表面に付着しているゴミ、油等の汚れを除去する。次に、エッチング液を用いて中間製品30にエッチングを行なうことにより、中間製品30の外表面を化学的に粗化する。次に、中間製品30の外表面を酸で中和して、エッチング成分の一種である六価クロムを還元除去する。次に、中間製品30にキャタリストを行なうことで、中間製品30の粗化された外表面に、吸着力が強く還元力のある触媒(Pd−Sn化合物)を吸着させる。次に、中間製品30に対しアクセレータを行ない、中間製品30の外表面に付着していたSnを除去し、Pdを活性化させる。次に、中間製品30を無電解めっき槽に浸漬して、中間製品30に対し無電解めっきを行なうことにより、無電解めっき層を形成する。このようにして導電性付与工程が行なわれることにより、中間製品30の外表面に導電性が付与される。
<電気めっき工程>
この工程では、図2に示すように、中間製品30を治具40とともに各種めっき槽44に浸漬する。各種めっき槽44には、それぞれ対応するめっき液45が貯留されていて、その中には陽極電極46が備えられている。陽極電極46に対し陽極電圧を印加する。また、中間製品30に対し、クリップによって挟み込まれた電気接点部31を通じて陰極電圧を印加する。中間製品30の外表面には、上述した導電性の無電解めっき層が形成されているため、同外表面はマイナスに帯電する。
各種電気めっきでは、酸活性、ストライクめっき、銅めっき、半光沢ニッケルめっき、光沢ニッケルめっき、分散ストライクニッケルめっき、クロムめっきを順に行なう。
そのため、上記電気めっき工程が行なわれて、中間製品30に陰極電圧が印加されると、第1基材11の外表面のうち、第2基材21が接触していない領域には、マイナス電荷が帯電する。従って、第1基材11の周辺に、めっき液45中に溶解している金属成分のプラス電荷が集まり、金属被膜35が形成される。
この際、第1一般部12の一般壁面13が、第2一般部22の一般壁面23に対し裏側へ、すなわち陽極電極46から遠ざかる側へ後退した箇所に位置していて、両一般壁面13,23間に段差部17が形成されている。陽極電極46と、第1一般部12及び第1角部14との間には、第2角部24が位置する。この第2角部24が壁となり、第1一般部12の一般壁面13のうち立壁面26との境界部分に対し、第2角部24側(図1(a),(b)の左側)から、めっき液45中に溶解している金属成分のプラス電荷が集まるのを妨げる。従って、第1一般部12の一般壁面13のうち立壁面26との境界部分に析出するめっき量が少なくなる。金属被膜35の形成に際し、端末部36で膜厚が過大となって、その端末部36が凸形状になる現象が起こりにくくなる。これに伴い、金属被膜35の膜厚が過大になることが原因で突起が形成される、いわゆる花咲き現象が起こりにくくなる。
また、第2角部24の立壁面26は、金属被膜35の端末部36を受け止めることで、その端末部36が、表裏方向に交差する方向のうち第2基材21側へ延びて形成されるのを規制する。この規制により、金属被膜35の端末部36の形状が安定し、接触している立壁面26から浮き上がりにくい。
その後、乾燥と、治具40の取り外し及び検査とを順に行なうと、外表面の一部に金属被膜35の形成された、目的とする部分めっき樹脂製品10が得られる。
得られた部分めっき樹脂製品10では、上述したように、金属被膜35の端末部36が、同金属被膜35の他の箇所と同程度の膜厚を有している。端末部36は凸形状とならず平坦な形状をなしており、花咲きと呼ばれる突起を有していない。このことから、金属被膜35の端末部36における見栄え(外観)は、金属被膜65の端末部67が凸形状となったり、突起68が生じたりする従来の部分めっき樹脂製品60よりも向上する。
また、上記のように、金属被膜35の端末部36が浮き上がりにくいことや、同端末部36の形状が安定し、同端末部36の外縁の位置ばらつきが小さいことも、金属被膜35の端末部36における見栄え(外観)の向上に寄与している。
また、部分めっき樹脂製品10では、金属被膜35は、第2一般部22の一般壁面23に対し裏側へ後退した箇所に位置している。しかも、金属被膜35の端末部36の隣には、第2角部24の立壁面26が位置する。この立壁面26は、指等が端末部36に近づけられた場合に障壁となり、端末部36に触れられるのを妨げる。従って、端末部36は、立壁面26に対しては接触しているだけで付着していないものの、端末部36には、指等が触れられたり、衝撃が加えられたりすることが原因で、端末部36と第2基材21との隙間が拡がることが起こりにくい。金属被膜35中の銅被膜を腐食させる液体が隙間に入り込みにくく、銅被膜が腐食されるのを抑制することができる。その結果、金属被膜35の耐剥がれ性及び防錆性を向上させることができる。
上記のように端末部36の見栄えを向上させ、かつ金属被膜35の耐剥がれ性及び防錆性を向上させる効果は、段差部17の深さDが、0.1mm〜1.0mmに設定された場合に良好に発揮される。
(第2実施形態)
次に、部分めっき樹脂製品の第2実施形態について、図3を参照して説明する。
第2実施形態は、第1基材11が第1一般部12及び第1角部14を備え、第2基材21が第2一般部22及び第2角部24を備えており、第1一般部12の一般壁面13と第2一般部22の一般壁面23との間に段差部17が形成されている点で第1実施形態と共通する。
しかし、第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、第1角部14が第2角部24よりも裏側で、その第2角部24から、上記表裏方向に交差する方向(図3の右方)へ離れている。第2基材21は、第2角部24の裏側に、上記第1角部14に隣接する補助角部27を有している。補助角部27は、上記表裏方向に対し直交又は直交に近い状態で交差する段差壁面28を有している。段差壁面28は、第1基材11の一般壁面13と同一平面上に位置しており、同一般壁面13に繋がっている。補助角部27は、上記段差壁面28の裏側に凹状の湾曲壁面29を有しており、この湾曲壁面29において第1角部14の湾曲壁面15に密着している。
金属被膜35は、段差部17では、第2角部24の立壁面26の一部と、補助角部27の段差壁面28とに接触した状態で、第1一般部12の一般壁面13に形成されている。補助角部27の段差壁面28との接触の分、端末部36の第2基材21との接触面積が第1実施形態よりも大きくなっている。
上記以外の構成は第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態で説明したものと同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
上記構成の第2実施形態では、第2基材21における第2角部24は、補助角部27及び第1角部14よりも表側に位置し、壁として機能する。そのため、電気めっき工程では、第2角部24は、第1角部14の補助角部27との境界部分に対し、第2角部24側(図3の左側)から、めっき液45中に溶解している金属成分のプラス電荷が集まるのを妨げる。また、第2角部24の立壁面26は、金属被膜35の端末部36を受け止め、同端末部36が、表裏方向に交差する方向のうち第2基材21側へ延びて形成されるのを規制する。
得られた部分めっき樹脂製品10では、第2角部24の立壁面26は、指等が同立壁面26に隣接する端末部36に近づけられた場合に障壁となり、指等が端末部36に触れられるのを妨げる。そのため、段差部17では、金属被膜35の端末部36が、第2基材21に対し、第2角部24の立壁面26の一部と補助角部27の段差壁面28とに接触しているだけであるが、端末部36に指等が触れられたり、衝撃が加えられたりすることが原因で、端末部36と第2基材21との隙間が拡がることが起こりにくい。
従って、第2実施形態によっても第1実施形態と同様に、金属被膜35における端末部36の見栄えの向上を図ることができるとともに、金属被膜35の耐剥がれ性及び防錆性を向上させることができる。こうした効果は、第1実施形態と同様に、段差部17の深さDが、0.1mm〜1.0mmに設定された場合に良好に発揮される。
なお、上記各実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。
・各実施形態において、金属被膜35は、1層又は2層の皮膜によって構成されてもよいし、4層以上の複数の皮膜によって構成されてもよい。
・各実施形態において、上記表裏方向に直交又は直交に近い状態で交差する方向における第2角部24の立壁面26の位置が変更されてもよい。例えば、立壁面26は、図3において二点鎖線で示すように、第1実施形態における立壁面26と、第2実施形態における立壁面26との中間の位置に形成されてもよい。この場合、変形例における立壁面26は、第1基材11における第1一般部12と第1角部14との境界部分に位置する。このように変更された場合にも、上記第1及び第2実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
・段差部17の深さDが浅い場合には、金属被膜35は、その端末部36が、第2角部24の立壁面26に代えて湾曲壁面25に接触した状態で、第1一般部12の一般壁面13上に形成されてもよい。
・上記各実施形態では、表裏方向に交差する方向として、直交又は直交に近い状態で交差する方向が設定されたが、同表裏方向に対し、さらに大きな角度で交差する方向、すなわち傾斜する方向に設定されてもよい。
・第1実施形態では、第1基材11は、少なくとも第1角部14において、少なくとも第2角部24の裏側で、表裏方向に交差する方向に重なっていることを条件に、重なる部分が変更されてもよい。例えば、第1角部14及び第2角部24が、上記重なる部分とされてもよい。
・部分めっき樹脂製品は、車両用外装品に限らず車両用内装品に適用することもできる。また、部分めっき樹脂製品は、車両とは異なる分野の装飾品に適用することもできる。
10…部分めっき樹脂製品、11…第1基材、12…第1一般部、13,23…一般壁面、14…第1角部、17…段差部、21…第2基材、22…第2一般部、24…第2角部、26…立壁面、27…補助角部、35…金属被膜、36…端末部。

Claims (4)

  1. 互いに異なる樹脂材料により、互いに隣接した状態で形成された第1基材及び第2基材を備え、
    前記第1基材は、表裏方向に交差する平面状の一般壁面を有する第1一般部を備え、
    前記第2基材は、前記表裏方向に交差する方向に互いに隣接する第2一般部及び第2角部を備え、
    前記第2一般部は、前記表裏方向に交差する平面状の一般壁面を有し、
    前記第1基材の外表面のうち前記第2基材が接触していない領域には金属被膜が形成され、同第2基材には金属被膜が形成されていない部分めっき樹脂製品であって、
    前記第1一般部の前記一般壁面が、前記第2一般部の前記一般壁面に対し裏側へ後退した箇所に形成されることにより、両一般壁面間に段差部が形成されており、
    前記段差部では、前記金属被膜は、前記第2基材のうち少なくとも前記第2角部に接触した状態で前記第1一般部の前記一般壁面に形成されている部分めっき樹脂製品。
  2. 前記第1基材は、前記第1一般部に対し前記表裏方向に交差する方向に隣接する第1角部を備え、
    前記第1基材は、少なくとも前記第1角部において、少なくとも前記第2角部の裏側で、前記表裏方向に交差する方向に重なっており、
    前記金属被膜は、前記段差部では、前記第2基材のうち前記第2角部のみに接触した状態で前記第1一般部の前記一般壁面に形成されている請求項1に記載の部分めっき樹脂製品。
  3. 前記第1基材は、前記第1一般部に対し前記表裏方向に交差する方向に隣接する第1角部を備え、
    前記第1角部は、前記第2角部から、前記表裏方向に交差する方向へ離れており、
    前記第2基材は、前記第2角部の裏側に、前記第1角部に隣接する補助角部を有しており、
    前記金属被膜は、前記段差部では、前記第2基材のうち前記第2角部及び前記補助角部に接触した状態で前記第1一般部の前記一般壁面に形成されている請求項1に記載の部分めっき樹脂製品。
  4. 前記第2角部は前記表裏方向に沿う立壁面を有しており、前記金属被膜の端末部は、前記第2角部に対しては前記立壁面において接触している請求項2又は3に記載の部分めっき樹脂製品。
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